JP2017033055A - 電子制御装置、アクチュエータ、及び、センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、内部クロック信号を基に時刻を表す第一のタイマ値を生成する第一生成回路と、外部から入力される同期信号に応じて第一のタイマ値を記憶値として記憶するメモリと、前記記憶値を用いて前記第一のタイマ値を補正して第二のタイマ値を生成する第二生成回路と、記第二のタイマ値を基に動作タイミングを決定する決定回路と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
近年の自動車の高機能化は著しく、それに伴って車両に搭載されるアクチュエータやセンサの数が増加している。それに伴い、上位の電子制御装置(ECU)、例えばエンジン制御ECUとアクチュエータやセンサ(例えば燃料噴射装置)との間を接続するワイヤハーネスの重量およびコストも増大している。これに対し、燃費改善等のための軽量化要求から、ワイヤーハーネスを省配線化したいという要求が強まっている。以下、アクチュエータやセンサをアクチュエータ等と略して記載する。
一方で、アクチュエータ等は上位ECUで定めた動作タイミングに応じて動作する必要がある。従来は上位ECUとアクチュエータ等との間とを個別の配線で直結していたため、上位ECUから所望のタイミングにて直接、動作の指示や測定信号の読み取りを行うことができた。しかし、省配線化のために時分割で情報を送受信する形式とすると、必ずしも上位ECUの意図したタイミングで目的のアクチュエータ等へ動作指示を送ることができないという課題が生じる。
これを解決する手法として、タイマ回路に生じる誤差を補正することで、クロック信号の周波数精度が悪くても所望のタイミング精度を実現する手法が有効である。これにより、クロック信号の発生源にICに内蔵可能だが周波数精度の悪いRC発振回路を用いることができ、アクチュエータ側ECUのコストおよびサイズを小さくすることができる。
[全体構成と上位ECU2の概要]
本実施形態によるアクチュエータ側ECU1の回路構成と動作について、図1を用いて説明する。アクチュエータ側ECU1は上位ECU2およびアクチュエータ等3と接続され、上位ECUから通信経路221を介して送信されるタイマ閾値THをもとにアクチュエータ等3への動作信号172を出力するタイミングを決定する。
次に、本実施形態によるアクチュエータ側ECU1の構成について説明する。アクチュエータ側ECU1はその内部に内部発振回路部11、通信回路12、およびタイマ回路13を有する。内部発振回路部11は発振素子111、発振回路112から構成され、周波数がf1である内部クロック信号113を出力する。ここで、発振素子111および発振回路112にICに集積化可能な発振回路形式、例えばRC(抵抗・コンデンサ)発振回路を用いることで、タイマ回路13を含む他の回路と同一のシリコンチップ上に集積化することができ、アクチュエータ側ECU1の小型化・低コスト化を図ることができる。また、通信回路12は後述する第二のタイマ値TC2に基づいた通信タイミングで上位ECU2から通信経路221を介して送信されるタイマ閾値THを受信し、タイマ回路13内のタイマ閾値レジスタ161に格納する。
次に、タイマ回路13内にて行われる補正演算の動作および補正効果について、図2を用いて説明する。図2は、基準タイマ値TC0、第一のタイマ値TC1、および第二のタイマ値TC2の時系列における値の変化を表したグラフである。まず、基準タイマ値TC0は基準クロック信号213に従ってカウントアップされ、同期信号閾値Csにてリセットされ、同時に同期信号272を出力する。また、制御演算回路22はこの基準タイマ値TC0に基づいてアクチュエータ等3の動作すべきタイミングを表すタイマ閾値THを決定する。
TC1=Cs×f1/f0 ・・・式1
キャプチャレジスタ132はこの値をCR1として記憶し、次に述べる補正演算にて活用する。
CV1=Cs/CR1( = f0/f1) ・・・式2
これにより、第二のカウンタ141にてこの補正値134を内部クロック信号113毎に加算を行う際に基準クロック信号113の周波数f0と内部クロック信号213の周波数f1との誤差の影響がキャンセルされ、TC2の値とTC0の値を等しくすることができる。
次に、本実施形態によるアクチュエータ側ECU1にて行われる補正演算を別の形式で行う例について説明する。
本実施形態におけるアクチュエータ側ECU1の構成は、補正演算部133における処理を除いて第1の実施形態と同一である。以下、第1の実施形態と比べた時の差異を中心に補正演算部133における動作および補正効果について図3を用いて説明する。
CV1=(2-CR1/Cs)( ≒ f0/f1) ・・・式3
式3は式2をCR1に関して線形近似して得られるものであり、この補正値134(CV1)を用いて得られる第二のタイマ値TC2には、基準タイマ値TC0に対し、近似に由来した残留誤差R2が存在する。
R=(T1-T0)/T0 ・・・式4
このように本実施形態においては残留誤差が存在するというデメリットが存在するが、一方で実装上の大きなメリットが存在する。それは、補正演算部133において必要な回路が第1の実施形態と比べて大幅に簡易なもので実現できる点である。これは、第一の実施例でのCV1の演算(式2)にはCR1の逆数を求める、すなわち除算が含まれていたのに対し、本実施形態でのCV1の演算(式4)にはCsによる除算と2という定数との減算とから構成されることによる。すなわち、変数であるCR1の除算処理は比較的大規模な回路を要するのに対し、定数であるCsによる除算処理はCsの値に2のべき乗を用いることで小規模な回路で実現できる桁シフト処理で置き換えることができ、減算処理も比較的小規模な回路で実現できるからである。このような構成をとることにより、アクチュエータ側ECU2を構成する演算回路の規模を少なくすることができ、装置の低コスト化を図ることができる。
次に、第2の実施形態におけるアクチュエータ側ECU1にて行われる補正演算を発展させ、残留誤差を低減できる例について説明する。
本実施形態におけるアクチュエータ側ECU1の構成は、タイマ回路13において、第二のカウンタ141と比較器171との間にもう一段階の一連の補正回路が挿入されている点が第2の実施形態と異なる。以下、第2の実施形態と比べた時の差異を中心にタイマ回路13の構成について図5を用いて説明する。
CV2=(2-CR2/Cs) ・・・式5
第三のカウンタ151は、第二の補正値144を内部クロック信号113に応じて時刻を表す値(タイマ値)をカウントし、第三のタイマ値TC3を出力する。また、同期信号272によりリセットされる。比較器171はこうして得られた第三のタイマ値TC3をとタイマ閾値THとを比較し、両者が一致するか、前者が後者より大きくなったタイミングでアクチュエータ等3への動作信号172を出力する。
次に、本実施形態における補正演算の動作および実現される補正効果について、図6を用いて説明する。図6は、図4の内容にさらに第三の補正値TC3における残留誤差R3との関係を追加したグラフである。本実施例においては、第二のタイマ値TC2における誤差低減効果をもう一段階の一連の補正回路を挿入することで向上させ、第三のタイマ値TC3に残留する誤差をさらに低減することができる。具体的には、第三のタイマ値TC3に残留する誤差は周波数誤差比eの4乗となる。例えば、周波数誤差比eが10%存在する場合でも、第三のタイマ値TC3の残留誤差R3を0.01%まで低減することができる。
11:内部発振回路部、12:通信回路、13:タイマ回路
131:第一のカウンタ回路、132:キャプチャレジスタ、133:補正演算部
141:第二のカウンタ回路、142:第二のキャプチャレジスタ、143:第二の補正演算部
151:第三のカウンタ回路、161:タイマ閾値レジスタ、171:比較器
21:基準発振回路部、22:制御演算回路、23:基準タイマ回路
Claims (15)
- 内部クロック信号を基に、時刻を表す第一のタイマ値を生成する第一生成回路と、
外部から入力される同期信号に応じて第一のタイマ値、を記憶値として記憶するメモリと、
前記記憶値を用いて前記第一のタイマ値を補正して第二のタイマ値を生成する、第二生成回路と、
前記第二のタイマ値を基に動作タイミングを決定する決定回路と、
を有することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
第二生成回路は、前記記憶値を基に演算された補正値を前記第一のタイマ値に加算することで第二のタイマ値を生成する、ことを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記内部クロック信号を生成する発振素子および発振回路と、
前記同期信号を受信するための通信回路と、を備え、
前記決定回路は、前記通信回路を介して他の制御装置から入力される前記タイマ閾値と、前記第二のタイマ値とに基づいて前記出力タイミングを決定することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項2に記載の電子制御装置において、
前記第二生成回路は、内部クロック信号を受信する度に、前記補正値を前記第一のタイマ値に加算して、前記第二のタイマ値を生成することを特徴とする電子制御装置 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記内部クロックを生成する発振素子及び発振回路と、前記第二生成回路とがシリコンチップ上に集積されていることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項3に記載の電子制御装置において、
前記同期信号は、前記タイマ閾値の伝達に用いられる配線と同じ配線を用いて伝達されることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項2に記載の電子制御装置において、
車両に搭載されることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項3に記載の電子制御装置において、
前記他の制御装置において基準とするクロックの周波数をf0、
前記同期信号の周波数をfsとしたとき、それらの比を表すCs=f0/fsの値が2のべき乗であることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記記憶値を用いた前記第一のタイマ値の補正演算は乗算によるものであることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項9に記載の電子制御装置において、
前記同期信号を受信した時点での前記第一のタイマ値がCR1であったとき、前記補正値CV1を下式をもとに演算することを特徴とする電子制御装置。
CV1=Cs/CR1 - 請求項9に記載の電子制御装置において、
前記同期信号を受信した時点での前記第一のタイマ値がC11であったとき、
前記補正値CV1を下式をもとに演算することを特徴とする電子制御装置。
CV1=(2-CR1/Cs) - 請求項11に記載の電子制御装置において、
前記同期信号と前記第二のタイマ値との関係からさらに第二の補正値を算出し、前記第二のタイマ値に前記第二の補正値を乗じて第三のタイマ値を生成することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置において、
前記他の制御装置において基準とするクロックの周波数がf0であるとき、前記内部クロックの周波数がf0と一致する際の出力タイミングをT0、f0と異なる周波数f1であるときの出力タイミングをT1とし、残留誤差RをR=(T1-T0)/T0と定義したとき、残留誤差Rが整数nを用いてR=((f1-f0)/f0)^nの関係で表すことができ、nが2より大きい整数であることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置を備えることを特徴とするアクチュエータ。
- 請求項1に記載の電子制御装置を備えることを特徴とするセンサ。
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