JP2017032367A - 超音波検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の超音波検査装置は、進行方向に沿う主軸部200と超音波探触子710と音響反射部720と中空軸モータ610とを含む。超音波探触子710は当該進行方向に超音波を発信する。音響反射部720は主軸部より進行方向の側に設けられ、中空軸モータ610は音響反射部720を主軸部200の軸心周りに回転させる。超音波検査装置は、主調芯部400と副調芯部450と可撓部113とを含む。主調芯部400は主調芯アームを複数含み、軸心を中心とした放射方向へ拡縮可能に構成され、最も縮径した場合の主調芯アームの先端は基端より進行方向の側に位置する。副調芯部は450主調芯部400より退行方向の側に設けられる。可撓部113は主調芯部400と副調芯部450との間に介在する。
【選択図】図2
Description
しかしながら、特許文献1の管内検査装置および特許文献3の超音波探傷試験装置で、音波センサを発信口が進行方向に向くように設けることは、装置の進行方向の末端に、当該進行方向に発信させられる超音波を管の内壁に向かうように反射させる音響反響部と当該音響反射部を回転させるモータとの追加を必要とするため、剛直長をさらに長くする。つまり、管の内径が狭小な部分を通過させるためにより適した構成への変形は、屈曲する経路に適した形状をより困難にする。
本発明の超音波検査装置は、管の内部を進行する装置である。
超音波検査装置は、主軸部と、超音波探触子と、音響反射部および中空軸モータとを含む。主軸部は、進行方向に沿っている。超音波探触子は、当該進行方向に超音波を発信するように設けられている。音響反射部は主軸部より進行方向の側に設けられ、中空軸モータは、音響反射部を主軸部の軸心周りに回転させる。
超音波検査装置は、さらに、主調芯部と、副調芯部と、可撓部とを含む。主調芯部は、主軸部の外周部に基端が軸着された主調芯アームを複数含み、複数の前記主調芯アームの揺動により軸心を中心とした放射方向へ拡縮可能に構成され、かつ最も縮径した場合の主調芯アームの先端が基端より進行方向の側に位置するように構成される。副調芯部は、主調芯部より退行方向の側に設けられる。可撓部は、主調芯部と副調芯部との間に介在する。
上記(1)の超音波検査装置において、副調芯部は、進行方向に沿う副軸部の外周部に基端が軸着された副調芯アームを複数含み、複数の副調芯アームの揺動により副軸部の軸心を中心とした放射方向へ拡縮可能に構成され、かつ最も縮径した場合の副調芯アームの先端が基端より前記進行方向の側に位置するように構成されてよい。
上記(1)または(2)の超音波検査装置において、可撓部の最小曲げ半径R(mm)は以下の関係:
R≦1.34r+124
(rは管の内直径(mm)を示す。)
を満たしてよい。
上記(1)から(3)のいずれかの超音波検査装置において、可撓部の最小曲げ半径Rは25mm以上であってよい。
上記(1)から(4)のいずれかの超音波検査装置において、可撓部は、軸心に沿って延在するコイルばねであり、コイルばねのばね定数は0.3N/mm以上25N/mm以下であってよい。
上記(1)から(5)のいずれかの超音波検査装置において、可撓部の長さFLは40mm以上であってよい。
上記(1)から(6)のいずれかの超音波検査装置において、可撓部の長さFLは500mm以下であってよい。
上記(1)から(7)のいずれかの超音波検査装置において、主調芯部は、主軸部の外周部で基端が軸着された補助調芯アームをさらに含み、軸心の方向において、補助調芯アームの先端の位置は、基端より前記進行方向側、かつ主調芯アームの先端の位置と異なってよい。
上記(2)から(8)のいずれかの超音波検査装置において、副調芯部は、副軸部の外周部で基端が軸着された補助調芯アームをさらに含み、軸心の方向において、副調芯アームの先端の位置と補助調芯アームの先端の位置とが異なってよい。
上記(1)から(9)のいずれかの超音波検査装置において、主調芯部は、主調芯アームと連動可能なリンクアームを含み、リンクアームの基端は、主軸部の外周部で、主調芯アームの基端より進行方向の側に軸着されかつ進退行方向に移動可能であり、リンクアームの先端が主調芯アームに軸着されていてよい。
上記(8)から(10)のいずれかの超音波検査装置において、主調芯部は、補助調芯アームと連動する補助リンクアームを含み、補助リンクアームの基端が、主軸部の外周部で、補助調芯アームの基端より進行方向の側に軸着されかつ進退行方向に移動可能であり、補助リンクアームの先端が補助調芯アームに軸着されていてよい。
上記(8)から(11)のいずれかの超音波検査装置において、補助調芯アームは主調芯アームより短く、軸心の方向において、主調芯アームの基端の位置と補助調芯アームの基端の位置とが同じであってよい。
上記(11)または(12)の超音波検査装置において、主軸部の外周部に、進行方向に摺動可能且つリンクアームおよび補助リンクアームの両方を軸着する摺動部が外挿され、リンクアームの基端が補助リンクアームの基端より進行方向の側に位置するように軸着されてよい。
上記(1)から(13)のいずれかの超音波検査装置において、音響反射部の進行方向の側に保護部が突設されており、保護部の外表面の、軸心に垂直な面による断面径は、進行方向に向かって漸次減少するように構成されていてよい。
上記(1)から(14)のいずれかの超音波検査装置において、主調芯部では、主調芯アームの基端の退行方向の側にテーパスペーサが設けられていてよく、テーパスペーサの外周径が退行方向に向かって漸次径小となるように構成されていてよい。
上記(2)から(15)のいずれかの超音波検査装置において、主調芯部の主調芯アームを駆動する主エアシリンダと、主エアシリンダに連通しかつ副調芯部の副調芯アームを駆動する副エアシリンダとを含み、副エアシリンダの退行方向の側で空気供給源が連通していてよい。
図1は、第1実施形態の超音波検査装置のブロック図である。
図2は、第1実施形態の超音波検査装置における内部移動部の、超音波測定中における拡径時の外観側面図である。図3は、第1実施形態の超音波検査装置の先頭移動部の模式的一部切欠き側断面図である。図3においては、主に主軸部を切欠いて示している。図4は、図2のIV−IV線断面視図である。図5は、第1実施形態の超音波検査装置の超音波測定中における拡径時の外観正面図である。正面とは、進行方向側から退行方向に向かって超音波検査装置を見た場合の外観をいう。
図6は、第1実施形態の超音波検査装置における先頭移動部の模式的側断面図である。図6では、先頭移動部の主調芯部を記載省略している。
図7は、第1実施形態の超音波検査装置の連動移動部の模式的一部切欠き側断面図である。図7においては、主に副軸部を切欠いて示している。
図8は、第1実施形態の超音波検査装置の、縮径時の模式的一部切欠き側断面図である。図8は、拡縮態様が異なることを除いて、図3と同様に表示している。図9は、第1実施形態の超音波検査装置の、縮径時の断面視図である。図9は、拡縮態様が異なることをのぞいて、図4と同様に表示している。
図1に示すように、本実施形態にかかる超音波検査装置100は、内部移動部110と外部操作部120とを含む。内部移動部110と外部操作部120とは、ケーブル130で物理的および電気的に接続されている。
連動移動部115は、筒状の副軸部250、副エアシリンダ350、副調芯部450および車輪500を含む。
図2および図3に示すように、内部移動部110の先頭移動部111は主軸部200を有する。主軸部200は、超音波測定中においては管内で進行方向FWに沿って延在する。主軸部200は、軸筐体部210と、軸筐体部210の外周面上に設けられた連結用部材220とから構成される。
図3に示すように、本実施形態の軸筐体部210は、進行方向FW側に径大部211、および退行方向BW側に径大部211より外径が小となる径小部212を含んで構成されている。径大部211および径小部212は、後述の主エアシリンダ300の構成部材を兼ねる。
また、軸筐体部210は径小部212の退行方向BW側の端部表面でねじ山が形成されており、ナットへの螺合を介して後述の可撓部113に連結されている。本実施形態では、当該ナットも軸筐体部210の一部として位置付ける。
本実施形態の連結用部材220は、図2および図3に示すように、退行方向BW側で軸筐体部210の外周面に固定された固定リング225と、進行方向FW側で軸筐体部210の外周面を軸心方向に摺動可能となるように設けられた摺動リング226とを含む。より具体的には、摺動リング226は図3に示すように退行方向BW端部を除いて肉抜きされており、肉抜き部分が軸筐体部210の径大部211の外周面に外挿された状態で軸心方向に摺動する。この摺動可能な構造が、後述の主エアシリンダ300の構造を兼ねる。
主エアシリンダ300は、空気の圧力を利用して駆動するアクチュエータである。従って、主エアシリンダ300は、ピストン部310およびシリンダ部320、その他図示しない関連部品で構成される。関連部品としては、空気流通に必要な部品、具体的には圧縮空気源(図1の伸縮制御部121参照)に連通するエア配管等が挙げられる。そのほか、関連部品として、動作に必要な部品、具体的には、速度を調節するスピードコントローラ、ピストン位置を検知するセンサ、および空気の方向を切り替えるソレノイドバルブ等が挙げられる。
本実施形態の主エアシリンダ300において、ピストン部310は軸筐体部210の径大部211によって構成される。一方シリンダ部320は、軸筐体部210の径小部212と、径大部211に摺動可能に設けられた摺動リング226とによって構成される。
図3に示したように主調芯部400は、主軸部200を構成する連結用部材220(支軸部221,222,223,224)に連結される。そして、主調芯部400は図4に示すように、主軸部200の軸心を中心とする放射方向、つまり管の径方向に突設される。主調芯部400の先端には、管の内壁に接触して走行する車輪500が設けられる。本実施形態においては、主調芯部400は、車輪500が当該軸心まわりに等間隔となるように6個設けられるように構成される。
本実施形態では、主調芯アーム411および補助調芯アーム423が主軸部200と車輪500との間を同じ離間距離とする所望のθ2で補助調芯アーム423が動作するように、補助リンクアーム424の基端および先端の位置が設計される。このため、補助リンクアーム424の基端は、摺動リング226において、リンクアーム412の基端が軸着された支軸部222よりも退行方向BW側に設けられた支軸部224に軸着される。
本実施形態においては、主調芯部400の主調芯アーム411の基端および補助調芯アーム423の基端の退行方向BW側、具体的にはそれら基端をそれぞれ軸着する支軸部221,223を有する固定リング225の退行方向BW側に、テーパスペーサ230が設けられている。テーパスペーサ230は主軸部200の軸筐体部210に嵌着されており、その外周径が退行方向BWに向かって漸次径小となるテーパ面を構成する。このテーパ面によって、主調芯アーム411の基端(固定リング225に突設された支軸部221)および補助調芯アーム423の基端(固定リング225に突設された支軸部223)と、可撓部113表面との段差が均される(図2参照)。
図2に示したように、本実施形態では、主軸部200の進行方向FW側の端部に、検知部700および検知部700を収容または保持する筐体部800が配設される。中空軸モータ610は回転する中空回転部材611と回転しない非回転部材612とを含んで構成され、検知部700は超音波探触子710と音響反射部720とを含んで構成される。主軸部200の軸筐体部210には、図6に示すように、進行方向FW側に探触子固定部206およびケーシングカバー部208が延設されている。本実施形態では、探触子固定部206およびケーシングカバー部208は軸筐体部210と一体的に形成されている。
一方、図6に示すように、固定された超音波探触子710の進行方向側には、発信された超音波の伝搬方向を変更するための音響反射部720が回転可能な態様で設けられる。音響反射部720は、反射部材721と、反射部材721が取り付けられる回転ホルダ724とから構成される。
さらに、回転ホルダ724の径小筒部726と超音波伝搬部712との遊挿部分においては、径小筒部726の内壁728と、超音波伝搬部712の外表面との間にクリアランス(たとえば、0.1mm以上0.5mm以下の隙間)が生じている。
回転ホルダ724の径大筒部725の側面には、傾斜面723により伝搬方向が変更された超音波の外部への出口となる出口孔727が設けられる。
さらに、回転ホルダ724が中空軸モータ610の回転により軸心Oを中心として回転すると、反射部材721の傾斜面723も一体的に回転する。これによって、管の内壁面Lへの入射角度を保ったまま、入射位置を管の周方向に沿って回転移動させることができる。したがって、管の内壁面Lを周方向にまんべんなく走査することができる。
本実施形態では、音響反射部720は、進行方向FW側の末端に保護部722を含む。保護部722は、軸心に垂直な面で切断した場合の外表面の断面径が、進行方向FWに向かって漸次減少する傾斜面を有するように形成されている。このような傾斜面の進行方向FW側末端の断面径(軸心に垂直な面で切断した場合の外表面の断面径)が、回転ホルダ724の外直径の50%以下、好ましくは40%以下、あるいは、筐体部800の外直径の30%以下、好ましくは15%以下であってよい。軸心に対する傾斜面の平均傾斜角度は、30°以上50°以下であってよい。本実施形態の保護部722は、半球形状を有する(傾斜面の進行方向FW側末端の断面径は0、平均傾斜角度は45°)。このような傾斜面を有することによって、先頭移動部111の進行方向FWの末端において表面が均され、管内壁等に引っかかりにくくなる。
図7に示す内部移動部110の連動移動部115が有する、筒状の副軸部250、副エアシリンダ350、副調芯部450および車輪500は、それぞれ、先頭移動部111(図3参照)における主軸部200、主エアシリンダ300、主調芯部400および車輪500に対応し、それらと同様に機能または動作する。以下、連動移動部115の構成部材の後に、同様に機能または動作する先頭移動部111の対応する構成部材を角括弧([ ])内に示して説明する。たとえば「副軸部250[主軸部200]」は、「先頭移動部111の主軸部200に対応する副軸部250」という意味である。
副調芯アーム451[主調芯アーム411]の基端の退行方向BW側には、テーパスペーサ240[テーパスペーサ230]が設けられている。
主調芯部400によるaおよびbの支持位置に加え、副調芯部450によるcおよびdの支持位置で内部移動部110が支持されることにより、内部移動部110はより安定に調芯される。
可撓部113は、図2に示すように、軸に沿って延在するコイルばねである。可撓部113の進行方向FW側の端は先頭移動部111の主軸部200に連結され、退行方向BWの側は連動移動部115の副軸部250に連結されている。可撓部113を構成するコイルバネの巻回中心には、先頭移動部111の主エアシリンダ300を構成するシリンダ部320と連動移動部115の副エアシリンダ350を構成するシリンダ部370との両方に連通するケーブル130が配置されている。
可撓部113を構成するコイルばねが具備する物性については後述する。
伸縮制御部121(図1参照)における空気供給源から圧縮空気がケーブル130を通じて軸筐体部210へ供給されると、図3に示すように、軸筐体部210の径小部212に設けられた連通孔から主エアシリンダ300のシリンダ部320へ、図中矢印FLに示すように給気が流入する。これによって主エアシリンダ300が図中矢印Eの方向に伸長する。この時摺動リング226が矢印Eの方向へ摺動することでリンクアーム412および補助リンクアーム424がそれぞれ主調芯アーム411および補助調芯アーム423を揺動させ主軸部200(軸筐体部210)から離間させる。これによって、主調芯部400は図4に示すように軸心を中心として放射方向に拡径する。主調芯アーム411および補助調芯アーム423の先端に設けられた車輪500が管の内壁面Lへ当接することにより、先頭移動部111が調芯される。
図10は、本実施形態の超音波検査装置の内部移動部110を簡易的に表現したものである。図11から図13は、本実施形態の超音波検査装置を枝管から本管へ進入させる過程を説明する図である。
最小曲げ半径Rは、本管920の内直径r(mm)によって変わりうる。具体的には、以下の関係を満たしてよい。
R≦1.34r+124
なお、本実施形態では可撓部113はコイルばねで構成されているため、長さFLは負荷がかかっていない場合の自由長に相当する。
図14から図16は、本実施形態の超音波検査装置の、本管内での調芯の過程を説明する図である。
本実施形態では、ケーブル130が、先頭移動部111と連動移動部115との間で主エアシリンダ300(のシリンダ部320、図3参照)と副エアシリンダ350(のシリンダ部370、図7参照)とを連通し、さらに、副エアシリンダ350の退行方向BW側で管外の伸縮制御部121(図1参照)における空気供給源に連通している。このため図14に示すように本管内に挿入された内部移動部110には、退行方向BW側から進行方向FW側に向かって圧縮空気が供給される。
図17は、本実施形態の超音波検査装置を本管から枝管を通じて管外へ退出させる過程を説明する図である。
超音波検査装置の内部移動部110を管外へ退出させる場合は、ケーブル130を退行方向BWへ引っ張る。内部移動部110が本管920と枝管910との分岐部分に差し掛かれば、図17に示すように主調芯部400および副調芯部450を縮径させて最小化する。さらにケーブル130を引っ張って内部移動部110を引っ張り出す。
図18から図23は、他の実施形態の超音波検査装置(内部移動部)を簡易的に示した図である。図24は、他の実施形態の超音波検査装置(内部移動部)の部分的外観側面視図である。これら他の実施形態については、主に第1実施形態と異なる点について述べる。
図18に示す超音波検査装置の内部移動部110aは、主調芯アーム411の基端とリンクアーム412の基端との間であって、補助調芯アーム423の基端と補助リンクアーム424の基端との間でもある場所、具体的には径小部212の露出部分の外周まわりを巻回する補助バネ301aが設けられている。この補助バネ301aは、その伸縮によって、エアシリンダ300aの伸縮動作を助ける。
同様に、副調芯アーム451の基端とリンクアーム452の基端との間であって、補助調芯アーム473の基端と補助リンクアーム474の基端との間でもある場所にも同様の補助バネ305aが設けられている。この補助バネ305aは、その伸縮によって、エアシリンダ350aの伸縮動作を助ける。
図19に示す超音波検査装置の内部移動部110bは、連動移動部115bが、第1実施形態の内部移動部110の連動移動部115と進退行方向が逆(テーパスペーサ240を除く)となるように構成されている。連動移動部115bは剛直長SL5(図10参照)が短いため、本発明はこのような態様も許容する。
図20に示す超音波検査装置の内部移動部110cは、連動移動部115cが、テーパスペーサ240を有しないことを除いて、第1実施形態の内部移動部110と同様である。連動移動部115cは剛直長SL5(図10参照)が短いため、本発明はこのような態様も許容する。
さらに、本発明では主調芯部400が管外への退出に適した構成であるため、さらに先頭移動部111のテーパスペーサ230を除いた変形例も許容する。
図21に示す超音波検査装置の内部移動部110dは、主調芯部400dおよび副調芯部450dがそれぞれ補助調芯アーム423及び補助調芯アーム473を有しないことを除いて、第1実施形態の内部移動部110と同様である。主調芯アーム411および副調芯アーム451は、それぞれ3本であってもよいが、それ以上の本数(たとえば4本、6本など)であってもよい。
図22に示す超音波検査装置の内部移動部110eは、主調芯部400eにおいて、リンクアーム412eおよび補助リンクアーム424eの基端が先端よりも退行方向側となるように構成され、副調芯部450eにおいて、リンクアーム452eおよび補助リンクアーム474eの基端が先端よりも退行方向側となるように構成されている。
図23に示す超音波検査装置の内部移動部110fは、主エアシリンダ300fおよび副エアシリンダ350fが径方向に伸縮するように設けられている。この場合、テーパスペーサ230f,240fは、主エアシリンダ300fおよび副エアシリンダ350fの突出量に応じた最大外径となるように構成される。
図24に示す超音波検査装置の内部移動部110gは、連動移動部115の退行方向側に、可撓部116gを介して中継部117gが設けられている。中継部117gは、中継部117gより進行方向側のパーツが有するケーブル130およびその収容物を、中継部117gより退行方向側のケーブル130およびその収容物に中継するものである。中継部117gでは、進行方向側のケーブル130およびその収容物と退行方向側のケーブル130およびその収容物とを連結および切断が自在となるように構成されていてよい。これによって、進行方向側のパーツを着脱させることができる。したがって、外部操作部を変更することなく、たとえば導入すべき本管の内径に応じた大きさの調芯部を有する内部移動部など、様々な内部移動部を付け替えることができる。
図25は、第1実施形態の超音波検査装置の使用時のより具体的な態様を示す模式図である。図26は、第1実施形態の超音波検査装置のケーブルの直進性を説明する模式図である。
図25に示すように、ケーブル130は本管920の中で直状となる性質(直進性)を有する。本発明においてケーブルの直進性とは、図26に示すように、ケーブル130単独が中性浮力状態におかれた場合に、ケーブル130の一端側の軸心と他端側の軸心とを結ぶ仮想直線VLと、仮想直線VLからケーブル130の軸心が最も大きくぶれる箇所(つまり、仮想曲線VLからのぶれが極大かつ最大となる箇所)の外表面までの距離をdとすると、距離dがケーブル130の外半径の実質的に1倍であることをいう。(つまり、図26では説明のためdを極端に誇張して示している。)より具体的には、距離dはケーブル130の外半径の、1倍以上5倍以下、好ましくは1倍以上3倍以下を許容し、最も好ましくは1倍である。これによって、内部移動部110をケーブル130で進行方向に押し込む時に、押し込み力がぶれずに伝わり易いため、内部移動部110の押し込み操作性が良好となる。また、本管920内でケーブル130が屈曲して内壁に接触することを防ぐこともできる。なお、このような直進性のため、管900外でのケーブル130の巻回は、巻回ドラムの内周面に内巻きすることができる。
図27に示されるように、エアチューブ131の中に、電気ケーブル132(電気ケーブル132の断面の詳細は省略している)と芯材139とが収容されている。図28に示すように、エアチューブ131の内壁と、電気ケーブル132および芯材139との間には気体相GPが設けられている。以下、それぞれの要素について詳述する。
エアチューブ131は、ケーブル130のシース部を構成する。エアチューブ131は、内部移動部110の主エアシリンダ300(図3参照)および副エアシリンダ350(図7参照)と外部操作部120の伸縮制御部121(図1参照、図25では図示省略)を構成する空気供給部とを連通させている。エアチューブ131内には気体が圧入されていてよい。これにより気体相GP(図28参照)が、エアチューブ131が外部から受ける圧力(つまり、本管920の内圧)以上の圧力を有する気体で構成される。これによって、エアチューブ131が圧損することなく、所望の体積の気体相GPを良好に維持することができる。
より具体的には、エアチューブ131は、たとえばフッ素樹脂(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))およびポリエチレンから選択される材料で構成されることができる。
電気ケーブル132は、少なくとも中空軸モータ610に接続されている。本実施形態では、電気ケーブル132として電気ケーブルC1,C2,C3を図示しているが、電気ケーブルの種類は任意であり、適切な体積の気体相GPが確保される限りその本数も任意である。従って、中空軸モータ610に接続された電気ケーブル136(図6参照)の他、電気ケーブル132には、内部移動部110の構成に応じ、その電気系統に関与するいかなる電気ケーブルが含まれてよい。たとえば超音波探触子710に接続された電気ケーブル137(図6参照)、一回転センサ770(図6参照)に接続された電気ケーブル、およびその他の図示しない構成要素(カメラ等)に接続された電気ケーブルが含まれてよい。電気ケーブル132は電力線通信ケーブル(PLC)であることが好ましいが、別途独立した通信ケーブルがエアチューブ131内に収容されていてもよい。
複数の電気ケーブルは互いに拘束されることなく独立することで、それぞれに、エアチューブ131の中で軸方向および回転方向の相対位置を自在に変えることができる。しかしながら、本発明は、複数の電気ケーブルが互いに拘束されていることも許容する。
芯材139は、ケーブル130全体に直進性を与える。従って、芯材139自体が直進性を有する。芯材139自体が有する直進性は、ケーブル130自体の直進性と同様である。
芯材139の外径は、所望の曲げ剛性が担保され、かつ他のケーブル類が占める体積との関係で、エアチューブ131の内部空間において所望の気体相GPが確保される限り特に限定されるものではなく当業者が適宜決定することができる。たとえば、当該外径は4mm以上11mm以下、本実施形態では6.5mmである。芯材139の全長は、上述したケーブル130の全長と同様であってよい。
芯材139の他端を固定することによって、上記の効果を維持しながら安定的にエアチューブ131の中に収容されることができる。この場合、芯材139の他端の固定箇所は任意であり、エアチューブ131、電気ケーブル132、および内部移動部110の少なくともいずれかに固定されてよい。
気体相GPが設けられることにより、ケーブル130全体として実質的に比重が1となるように中性浮力状態となる。具体的には、確保されるべき気体相GPの量は、図2のようにエアチューブ131の軸方向の断面で切断した場合に、エアチューブ131の内部空間の断面に対し、当該気体相の断面積の割合が20%以上95%以下、好ましくは35%以上70%以下である。気体相GPの当該断面積の割合が上記下限値以上であることによって、図25に示したように、本管920内でケーブル130を浮かせ易くなり、本管920内壁の下部へケーブル130表面が接触しにくくなる。気体相GPの当該断面積の割合が上記上限値以下であることによって、本管920内壁の上部へケーブル130表面が接触しにくくなる。なお、気体相GPの割合は、ケーブル130が空気中にある場合(つまりケーブル130の内圧および外圧がいずれも1気圧)の割合である。
ケーブル130が上記のように構成されることにより本発明の超音波検査装置の内部移動部110は、良好な押し込み操作性が得られる。つまり、内部移動部110を枝管910から本管920内に進入させた後、さらにリール部RLからケーブル130を繰り出して枝管910から内部へ押し込むことによって、内部移動部110を進行方向側へ押して容易に進行させることができる。
図29および図30は、他の実施形態の超音波検査装置のケーブルの模式的断面図である。
図29に示すケーブル130hは、エアチューブ131内に電気ケーブル132hと芯材139hとを収容している。芯材139hが、電気ケーブル132hのうち電気ケーブルC4の外周面を被覆する態様で設けられていることを除いて上記の実施形態(図28)と同様である。
以下、図示しない変形例について述べる。
上記の実施形態では、超音波探触子710が軸筐体部210よりも進行方向FW側に設けられているが、本発明はこの態様に限定されない。たとえば、超音波探触子710は、少なくとも一部が軸筐体部210の中に進入していてもよい。
上記の実施形態では、探触子固定部206とケーシングカバー部208と軸筐体部210とは一体的に形成されているが、本発明はこの態様に限定されない。探触子固定部206とケーシングカバー部208と軸筐体部210とのうち連設される2以上の部分は、それぞれ部材として別個独立し、それら部材が互いに連結されていてもよい。
上記の実施形態では、保護部722が半球形状のものを挙げたが、本発明はこの態様に限定されない。たとえば、保護部722表面の傾斜面は、軸心方向の切断形状が曲面である場合のみならず、たとえば円錐形状および角錘形状のように直線であってもよい。さらに、保護部722の進行方向の末端部分は、曲率の異なる曲面または平面であってもよい。たとえば、保護部722は、切頭半球形状、切頭円錐体形状、切頭角錐体形状であってもよい。
上記の実施形態では、可撓部113,116gとしてコイルばねを挙げたが、本発明はこの態様に限定されない。可撓部113は、軸心方向に貫通していればよく、たとえば、蛇腹チューブ、その他の可撓性チューブであってもよい。
上記の実施形態では、主調芯部400の主調芯アーム411および補助調芯アーム423ならびに副調芯部450の副調芯アーム451および補助調芯アーム473が、主軸部200および副軸部250から遠ざかる方向に凸となるように若干屈折した形状である例を挙げたが、本発明はこの態様に限定されない。それぞれのアームは、当該方向に凸となるように湾曲形状であってもよいし、直形状であってもよい。
また、上記の実施形態では車輪500は片持ちで設けられているが、両持ちで設けられてもよい。
本発明においては、超音波検査装置100が請求項の「超音波検査装置」に相当し、可撓部113が「可撓部」に相当し、主軸部200が「主軸部」に相当し、摺動リング226が「摺動部」に相当し、テーパスペーサ230,230fが「テーパスペーサ」に相当し、副軸部250が「副軸部」に相当し、主エアシリンダ300,300a,300fが「主エアシリンダ」に相当し、副エアシリンダ350,350a,350fが「副エアシリンダ」に相当し、主調芯部400,400d,400eが「主調芯部」に相当し、主調芯アーム411が「主調芯アーム」に相当し、リンクアーム412,412eが「リンクアーム」に相当し、補助調芯423アームが「補助調芯アーム」に相当し、補助リンクアーム424が「補助リンクアーム」に相当し、副調芯部450,450d,450eが「副調芯部」に相当し、副調芯アーム451が「副調芯アーム」に相当し、補助調芯アーム473が「補助調芯アーム」に相当し、中空軸モータ610が「中空軸モータ」に相当し、超音波探触子710が「超音波探触子」に相当し、音響反射部720が「音響反射部」に相当し、保護部722が「保護部」に相当し、管900が「管」に相当し、進行方向FWが「進行方向」に相当し、退行方向BWが「退行方向」に相当し、最小曲げ半径Rが「最小曲げ半径」に相当し、管の内直径rが「管の内直径」に相当し、可撓部の長さFLが「可撓部の長さ」に相当する。
110,110a,110b,110c,110d,110e,110f,110g 内部移動部
113 可撓部
120 外部移動部
200 主軸部
226 摺動リング(摺動部)
230,230f テーパスペーサ
250 副軸部
300,300a,300f 主エアシリンダ
350,350a,350f 副エアシリンダ
400,400d,400e 主調芯部
411 主調芯アーム
412,412e リンクアーム
423 補助調芯アーム
424 補助リンクアーム
450,450d,450e 副調芯部
451 副調芯アーム
473 補助調芯アーム
610 中空軸モータ
710 超音波探触子
720 音響反射部
722 保護部
900 管
FW 進行方向
BW 退行方向
R 最小曲げ半径
r 管の内直径
FL 可撓部の長さ
Claims (16)
- 管の内部を進行する超音波検査装置であり、
進行方向に沿う主軸部と、
前記進行方向に超音波を発信するように設けられた超音波探触子と、
前記主軸部より前記進行方向の側に設けられた音響反射部、および前記音響反射部を前記主軸部の軸心周りに回転させる中空軸モータと、
前記主軸部の外周部に基端が軸着された主調芯アームを複数含み、複数の前記主調芯アームの揺動により前記軸心を中心とした放射方向へ拡縮可能に構成され、かつ最も縮径した場合の前記主調芯アームの先端が前記基端より前記進行方向の側に位置するように構成される主調芯部と、
前記主調芯部より退行方向の側に設けられた副調芯部と、
前記主調芯部と前記副調芯部との間に介在する可撓部と、
を含む、超音波検査装置。 - 前記副調芯部が、
前記進行方向に沿う副軸部の外周部に基端が軸着された副調芯アームを複数含み、複数の前記副調芯アームの揺動により前記副軸部の軸心を中心とした放射方向へ拡縮可能に構成され、かつ最も縮径した場合の前記副調芯アームの先端が前記基端より前記進行方向の側に位置するように構成される、請求項1に記載の超音波検査装置。 - 前記可撓部の最小曲げ半径R(mm)が以下の関係:
R≦1.34r+124
(rは管の内直径(mm)を示す。)
を満たす、請求項1または2に記載の超音波検査装置。 - 前記可撓部の最小曲げ半径Rが25mm以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記可撓部が前記軸心に沿って延在するコイルばねであり、前記コイルばねのばね定数が0.3N/mm以上25N/mm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記可撓部の長さFLが40mm以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記可撓部の長さFLが500mm以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記主調芯部が、前記主軸部の外周部で基端が軸着された補助調芯アームをさらに含み、前記軸心の方向において、前記補助調芯アームの先端の位置が、前記基端より前記進行方向側、かつ前記主調芯アームの前記先端の位置と異なる、請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記副調芯部が、前記副軸部の外周部で基端が軸着された補助調芯アームをさらに含み、前記軸心の方向において、前記副調芯アームの前記先端の位置と前記補助調芯アームの先端の位置とが異なる、請求項2から8のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記主調芯部が、前記主調芯アームと連動可能なリンクアームを含み、前記リンクアームの基端が、前記主軸部の外周部で、前記主調芯アームの前記基端より前記進行方向の側に軸着されかつ進退行方向に移動可能であり、前記リンクアームの先端が前記主調芯アームに軸着されている、請求項1から9のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記主調芯部が、前記補助調芯アームと連動可能な補助リンクアームを含み、前記補助リンクアームの基端が、前記主軸部の外周部で、前記補助調芯アームの前記基端より前記進行方向の側に軸着されかつ進退行方向に移動可能であり、前記補助リンクアームの先端が前記補助調芯アームに軸着されている、請求項8から10のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記補助調芯アームが前記主調芯アームより短く、
前記軸心の方向において、前記主調芯アームの前記基端の位置と前記補助調芯アームの前記基端の位置とが同じである、請求項8から11のいずれか1項に記載の超音波検査装置。 - 前記主軸部の外周部に、前記進行方向に摺動可能且つ前記リンクアームおよび前記補助リンクアームの両方を軸着する摺動部が外挿されており、前記リンクアームの前記基端が前記補助リンクアームの前記基端より前記進行方向の側に位置するように軸着されている、請求項11または12に記載の超音波検査装置。
- 前記音響反射部の前記進行方向の側に保護部が突設されており、前記保護部の外表面の、前記軸心に垂直な面による断面径が、前記進行方向に向かって漸次減少するように構成されている、請求項1から13のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記主調芯部において、前記主調芯アームの前記基端の前記退行方向の側にテーパスペーサが設けられ、前記テーパスペーサの外周径が前記退行方向に向かって漸次径小となるように構成されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
- 前記主調芯部の前記主調芯アームを駆動する主エアシリンダと、主エアシリンダに連通しかつ前記副調芯部の前記副調芯アームを駆動する副エアシリンダとを含み、前記副エアシリンダの前記退行方向の側で空気供給源が連通している、請求項2から15のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
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