JP2017031941A - 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法 - Google Patents

内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017031941A
JP2017031941A JP2015155091A JP2015155091A JP2017031941A JP 2017031941 A JP2017031941 A JP 2017031941A JP 2015155091 A JP2015155091 A JP 2015155091A JP 2015155091 A JP2015155091 A JP 2015155091A JP 2017031941 A JP2017031941 A JP 2017031941A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distance
exhaust gas
urea water
ammonia
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015155091A
Other languages
English (en)
Inventor
鉄平 大堀
Teppei Ohori
鉄平 大堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2015155091A priority Critical patent/JP2017031941A/ja
Publication of JP2017031941A publication Critical patent/JP2017031941A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】選択還元型触媒装置の温度がストレージ制御を行うことができる温度範囲内にある場合において、排気ガスが高温化しても、選択還元型触媒装置からのアンモニアの大量の脱離を抑制することができ、従来、選択還元型触媒装置より下流側の排気通路に設けていたアンモニアスリップ触媒装置を小型化または不要にしつつ、大気へのアンモニアスリップを高精度で抑制することができる内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供する。【解決手段】温度センサ23の温度検出値Tと選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sに基づいて、尿素水供給装置20による尿素水Uの供給制御と、三方弁32による熱交換装置30を備えたバイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に選択還元型触媒装置を備えて構成される内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法に関する。
近年、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気通路に備えた排気ガス浄化装置には、内燃機関の排気ガスに含まれる、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOx)を浄化(分解及び除去)するために、選択還元型触媒装置(SCR触媒装置)が配設されている。
この選択還元型触媒装置を使用する排気ガス浄化システムでは、選択還元型触媒装置より上流側の排気通路に設けた尿素水供給装置より噴射した尿素水を排気ガスの熱により加水分解して還元剤となるアンモニアを生成し、この選択還元型触媒装置に吸着したアンモニアとNOxが触媒表面で反応して、窒素と水を生じる反応(SCR反応)によりNOxを還元浄化している。
この選択還元型触媒装置に担持される触媒としては、従来、鉄(Fe)イオンや銅(Cu)イオンをイオン交換したゼオライト(Feゼオライト及びCuゼオライト)が実用化されているが、近年では特に、高温であるほど高い浄化性能を発揮する(NOxの分解する能力の高い)傾向があるFeゼオライト触媒よりも、低温では高いNOx浄化性能を発揮する一方、高温になるにつれて、NOx浄化性能が低下するという特徴を有する(特定の温度範囲でのみ高いNOx浄化性能を発揮する)Cuゼオライト触媒が注目されている。
選択還元型触媒装置にCuゼオライト触媒のような触媒を担持させて、NOxを分解除去しようとする場合、尿素水供給装置からの尿素水の噴射量を多くして、選択還元型触媒装置に吸着するアンモニアの量を多くすることが望ましい。ただし、アンモニアが触媒の吸着容量を超えて供給されると、アンモニアが大気へ放出される(アンモニアスリップ)懸念がある。このNOx浄化性能とアンモニアスリップの抑制は概してトレードオフの関係にあり、自動車業界では、その両立が技術的課題となっている。
また、選択還元型触媒装置に担持される触媒がアンモニアを吸着することができるのは、選択還元型触媒装置の温度が一定の温度範囲(400℃以下、触媒の種類に依る)内に含まれるときに限られる。従来、選択還元型触媒装置の温度がアンモニアを吸着可能な温度範囲内に含まれるときには、選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を考慮して、尿素水供給装置からの尿素水の噴射量を制御する、いわゆるストレージ制御を行っている。
しかしながら、選択還元型触媒装置の温度がストレージ制御を行うことができる温度範囲内に含まれている場合において、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り替わるとき(例えば、市街走行から高速走行へ切り替わるとき)や、排気ガス浄化装置に備えた微粒子捕集装置(排気ガスに含まれる微粒子状物質(PM)を捕集する装置)の強制PM再生制御を行うとき等では、高温の排気ガスが選択還元型触媒装置を通過して、選択還元型触媒装置が急激に加熱され、選択還元型触媒装置のアンモニア吸着容量が急激に減少するため、選択還元型触媒装置に吸着していたアンモニアの一部は排気ガス中に脱離する。
この脱離したアンモニアの一部は、選択還元型触媒装置より下流側の排気通路に配設されるアンモニアスリップ触媒装置(ASC)によって酸化分解されるが、残りは大気へ放出されてしまう(アンモニアスリップ)。このアンモニアスリップは、選択還元型触媒装置の温度上昇が急激であるほど、発生する可能性は高くなる。また、選択還元型触媒装置のアンモニア吸着容量が高いほど大量のアンモニアスリップを発生させる可能性が大きくなるため、選択還元型触媒装置にCuゼオライト触媒等のアンモニアの吸着容量が大きい触媒を担持させる場合には、特に大きな課題となる(図4参照)。
これに関連して、排気管をSCRF(SCRを担持させたフィルタ)とSCRとの間で分岐させ、分岐管には、空冷または水冷で分岐管を通過する排気を冷却する冷却素子が備えられ、冷却不要の場合には排気制御弁によってSCRFからの排気の全てが排気管のみを通過してSCRに流入するようにする一方、冷却が必要な場合には目標触媒温度に応じて、分岐管を通過する排気の量と、必要に応じて冷却素子を流れる水または空気の流量を増加し、SCRに流入する排気の温度を制御する内燃機関の排気ガス浄化システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−86848号公報
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の排気通路に選択還元型触媒装置を備えて構成される内燃機関の排気ガス浄化システムに関し、特に、選択還元型触媒装置の温度がストレージ制御を行うことができる温度範囲内に含まれている場合において、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り替わるときや、排気ガス浄化装置に備えた微粒子捕集装置の強制PM再生制御を行うとき等で、排気ガスが高温化しても、選択還元型触媒装置からのアンモニアの大量の脱離を抑制することができ、従来、選択還元型触媒装置より下流側の排気通路に設けていたアンモニアスリップ触媒装置を小型化または不要にしつつ、大気へのアンモニアスリップを高精度で抑制することができる内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気通路に選択還元型触媒装置を備えて構成される内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記選択還元型触媒装置の入口に、前記選択還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度を検出する温度検出装置を設けるとともに、前記選択還元型触媒装置より上流側の前記排気通路に、排気ガスを冷却する熱交換装置を設けたバイパス通路を前記排気通路に並行して設け、さらに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量を調整する流量調整機構を設けるとともに、前記排気通路から前記バイパス通路への分岐点と前記選択還元型触媒装置の間の前記排気通路に、尿素水供給装置を設けて構成され、当該排気ガス浄化システムを制御する制御装置が、前記温度検出装置の検出値が、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量に基づくストレージ制御を行う予め設定された温度範囲内にあるときに、前記温度検出装置の検出値と、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御するように構成される。
ここで、一般的に、尿素水供給装置からの尿素水の噴射量は、選択還元型触媒装置より下流側の排気通路に設けられるNOx濃度センサの検出値が、エンジンの運転状態に基づいて設定されるNOx濃度の目標値になるように、フィードバック制御しながら設定される。
一方、選択還元型触媒装置の温度が一定の温度範囲(400℃以下、選択還元型触媒装置に担持する触媒の種類に依る)内に含まれるときには、選択還元型触媒装置に担持した触媒にアンモニアを吸着させることができ、この触媒へのアンモニアの吸着量が多いほど、選択還元型触媒装置のNOx浄化性能が向上することもまた知られている。このアンモニアの吸着量は高温になるにつれて徐々に減少していき、触媒の種類に依るが、400℃〜450℃以上の温度になると、ほぼゼロとなる。
したがって、選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着が可能なときには、従来から、NOx濃度センサの検出値に基づくフィードバック制御に加え、選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を考慮して、尿素水供給装置からの尿素水の噴射量を制御する、いわゆるストレージ制御を行っている。
本発明では、選択還元型触媒装置の温度が、このストレージ制御を行うことができる温度範囲内にあるときに、温度検出装置(温度センサ等)の検出値と、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量に基づいて、流量調整機構(三方弁、開閉弁等)により選択還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度を制御して、選択還元型触媒装置の急激な高温化を抑制しながら、尿素水供給装置からの尿素水の噴射量を制御する。
したがって、この構成によれば、選択還元型触媒装置の温度がストレージ制御を行うことができる温度範囲内にある場合において、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り替わるときや、排気ガス浄化装置に備えた微粒子捕集装置の強制PM再生制御を行うとき等で、排気ガスが高温化しても、流量調整機構により、選択還元型触媒装置の急激な高温化を抑制することができるので、選択還元型触媒装置からのアンモニアの大量の脱離を抑制することができ、従来、選択還元型触媒装置より下流側の排気通路に設けていたアンモニアスリップ触媒装置を小型化または不要にしつつ、大気へのアンモニアスリップを高精度で抑制することができる。特に、Cuゼオライト触媒のようなアンモニアの吸着容量の大きい触媒を選択還元型触媒装置に担持させる場合に、本発明は有効である。
また、その結果として、従来、大気に放出されていたアンモニアをNOxの還元に使用できるようになるため、尿素水の利用効率を向上させることができるとともに、選択還元型触媒装置のNOx浄化性能を向上させることができる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記選択還元型触媒装置の温度と、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線が予め設定された制御マップを備えるとともに、この制御マップにて、前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と、前記アンモニアスリップ境界線との間の位置関係に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御するように構成される。
すなわち、温度検出装置の検出値(選択還元型触媒装置の実際の温度と擬制される値)及び選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点が、アンモニアスリップ境界線に対して近い位置関係であるほど、選択還元型触媒装置から大気へのアンモニアスリップの可能性が高くなるので、このアンモニアスリップの可能性が緩和するように、尿素水供給装置と流量調整機構を制御する。
したがって、この構成によれば、アンモニアスリップの可能性に基づいて、尿素水供給装置と流量調整機構を制御するので、アンモニアスリップを確実に防止することができる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である判定距離を算出し、この算出された判定距離が、予め設定された第1距離より大きいときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第1距離より小さな値として予め設定される第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が予め設定された設定温度より低いときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が前記設定温度以上のときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御し、前記判定距離が、前記第2距離以下であるときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御するように構成される。
すなわち、この判定距離が第1距離よりも大きいときには、アンモニアスリップの懸念がないと判定して、尿素水供給装置からの尿素水の供給を行う一方、バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとなるように流量調整機構を制御して、熱交換装置による排気ガスの冷却を行わないようにする。
また、判定距離が第1距離以下で、第2距離より大きく、かつ、温度検出装置の検出値が選択還元型触媒装置に担持した触媒の特性を考慮して設定される設定温度より低いときには、アンモニアスリップを抑制する必要があると判定して、尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止する。ただし、温度検出装置の検出値が設定温度より低く、選択還元型触媒装置が十分に温まっておらず、NOx浄化性能が十分な状況ではない場合には、バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとなるように流量調整機構を制御して、熱交換装置による排気ガスの冷却を行わないようにして、排気ガスによる選択還元型触媒装置の昇温を促進する。
また、判定距離が第1距離以下で、第2距離より大きく、かつ、温度検出装置の検出値が設定温度以上のときには、アンモニアスリップを抑制する必要があると判定して、バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように流量調整機構を制御して、熱交換装置による排気ガスの冷却を行うことで、選択還元型触媒装置の温度上昇を抑制する。この排気ガスの冷却制御を行うのは、温度検出装置の検出値が設定温度より高く、選択還元型触媒装置が十分に温まっており、NOx浄化性能が十分であるからである。そして、排気ガスの冷却制御によりアンモニアスリップを抑制するため、尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止する必要がなくなるので、尿素水供給装置からの尿素水の供給を行って窒素酸化物を浄化する。
また、判定距離が第2距離以下であるときには、アンモニアスリップを早急に抑制する必要があると判定して、尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように流量調整機構を制御して、熱交換装置による排気ガスの冷却を行って選択還元型触媒装置におけるアンモニア吸着量の増加を図る。
したがって、この構成によれば、アンモニアスリップの可能性に基づいて、尿素水供給装置と流量調整機構を高精度で制御することができるので、アンモニアスリップをより確実に防止することができる。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である吸着量用距離をΔa、前記温度検出装置の検出値と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である温度用距離をΔT、前記判定距離に対する前記吸着用距離の重み付け係数をC1、前記判定距離に対する前記温度用距離の重み付け係数をC2としたときに、前記判定距離を、
Figure 2017031941
上記の(1)式で算出する制御を行うように構成される。
この構成によれば、判定距離を高精度で算出することができるので、尿素水供給装置からの尿素水の供給制御と流量調整機構の制御の両方の制御精度を向上させることができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムを備えて構成され、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムと同様の作用効果を奏することができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関の排気ガス浄化方法は、内燃機関の排気通路に選択還元型触媒装置を備えるとともに、該選択還元型触媒装置より上流側の前記排気通路に、排気ガスを冷却する熱交換装置を設けたバイパス通路を前記排気通路に並行して設け、さらに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量を調整する流量調整機構を設けるとともに、前記排気通路から前記バイパス通路への分岐点と前記選択還元型触媒装置の間の前記排気通路に、尿素水供給装置を設けて構成される内燃機関の排気ガス浄化方法において、前記選択還元型触媒装置の入口に温度検出装置を設けて、該温度検出装置により前記選択還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度を検出するとともに、前記温度検出装置の検出値が、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量に基づくストレージ制御を行う予め設定された温度範囲内にあるときに、前記温度検出装置の検出値と、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化方法において、前記選択還元型触媒装置の温度と、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線が予め設定された制御マップを設けるとともに、この制御マップにて、前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と、前記アンモニアスリップ境界線との間の位置関係に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化方法において、前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である判定距離を算出し、この算出された判定距離が、予め設定された第1距離より大きいときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第1距離より小さな値として予め設定される第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が予め設定された設定温度より低いときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が前記設定温度以上のときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御し、前記判定距離が、前記第2距離以下であるときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化方法において、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である吸着量用距離をΔa、前記温度検出装置の検出値と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である温度用距離をΔT、前記判定距離に対する前記吸着用距離の重み付け係数をC1、前記判定距離に対する前記温度用距離の重み付け係数をC2としたときに、前記判定距離を、
Figure 2017031941

上記の(1)式で算出する制御を行うことを特徴とする方法である。
これらの方法によれば、上記の内燃機関の排気ガス浄化システムと同様の作用効果を奏することができる。
本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法によれば、選択還元型触媒装置の温度がストレージ制御を行うことができる温度範囲内に含まれている場合において、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り替わるときや、排気ガス浄化装置に備えた微粒子捕集装置の強制PM再生制御を行うとき等で、排気ガスが高温化しても、流量調整機構により、選択還元型触媒装置の急激な高温化を抑制することができるので、選択還元型触媒装置からのアンモニアの大量の脱離を抑制することができ、従来、選択還元型触媒装置より下流側の排気通路に設けていたアンモニアスリップ触媒装置を小型化または不要にしつつ、大気へのアンモニアスリップを高精度で抑制することができる。特に、Cuゼオライト触媒のようなアンモニアの吸着容量の大きい触媒を選択還元型触媒装置に担持させる場合に、本発明は有効である。
また、その結果として、従来、大気に放出されていたアンモニアをNOxの還元に使用できるようになるため、尿素水の利用効率を向上させることができるとともに、選択還元型触媒装置のNOx浄化性能を向上させることができる。
本発明に係る実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システムの構成を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化方法の制御フローを示す図である。 選択還元型触媒装置の温度と、選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線が予め設定された制御マップを示す図である。 Feゼオライト触媒とCuゼオライト触媒の各触媒を担持した選択還元型触媒装置の温度とアンモニア吸着量の関係を模式的に示す図である。 従来技術に係る内燃機関の排気ガス浄化システムの構成を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る実施の形態の内燃機関は、後述する本発明に係る実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム1を備えて構成され、後述する内燃機関の排気ガス浄化システム1が奏する作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
図1に示すように、本発明に係る実施の形態の内燃機関の排気ガス浄化システム1は、エンジン(内燃機関)(図示しない)の排気通路11に、上流側(エンジン側)より順に、酸化触媒装置12、微粒子捕集装置13、Cuゼオライト触媒を担持した選択還元型触媒装置(SCR)14、アンモニアスリップ触媒装置(ASC)15等の排気ガス浄化装置を備えて構成されるシステムである。
また、選択還元型触媒装置14より上流側の排気通路11には、エンジンの運転状態に基づいて、選択還元型触媒装置14に向けて尿素水Uを噴射する尿素水供給装置20が設けられる。この尿素水供給装置20には、尿素水供給ポンプ21により尿素水タンク22に貯留した尿素水Uが供給され、この尿素水Uの噴射量は、後述する尿素水供給制御装置(DCU:ドージングコントロールユニット)40により尿素水供給ポンプ21の出力を調整制御することにより、制御される。なお、尿素水Uの噴射量を、尿素水供給装置20の弁開度を調整制御することにより、制御してもよい。
また、選択還元型触媒装置14の入口に、温度センサ(温度検出装置)23が設けられるとともに、アンモニアスリップ触媒装置15より下流側の排気通路11には、NOx濃度センサ24及びアンモニア濃度センサ25が設けられる。
また、本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム1を制御する尿素水供給制御装置(DCU)40が設けられる。この尿素水供給制御装置40は、エンジンの運転状態を制御するエンジン制御装置(ECU:エンジンコントロールユニット)41より、エンジンへの吸気流量に関するデータ等の必要なデータを受信するとともに、温度センサ23、NOx濃度センサ24及びアンモニア濃度センサ25の各検出値のデータを受信して、これらの受信したデータを基に、尿素水供給ポンプ21の出力を調整制御して、尿素水供給装置20からの尿素水Uの噴射量を制御する装置である。
なお、本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム1に関し、上記で説明した構成及び制御については、図5に示す従来技術の内燃機関の排気ガス浄化システム1Xと同様である。
本発明に係る内燃機関の排気ガス浄化システム1では、従来技術に係る内燃機関の排気ガス浄化システム1Xとは異なり、選択還元型触媒装置14より上流側の排気通路11に、排気ガスG2を冷却する熱交換装置30を設けたバイパス通路31を排気通路11に並行して設け、さらに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量を調整する三方弁(流量調整機構)32を設ける。
なお、流量調整機構32は、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量を調整できる機構であればよいので、三方弁32の代わりに、バイパス通路31に開閉弁を設けてもよいし、排気通路11からバイパス通路31への分岐点及び合流点の間の排気通路11とバイパス通路31の両方に開閉弁を設けてもよい。
また、この熱交換装置30は、より詳細には、エンジン冷却水を冷却媒体として、微粒子捕集装置13を通過後の排気ガスGより三方弁32を介して分流される排気ガスG2を冷却する装置である。なお、熱交換装置30の冷却媒体としては、エンジン冷却水以外の水冷の冷却媒体でもよいし、油や空気等の冷却媒体でもよい。
また、従来技術では、選択還元型触媒装置14より上流側の排気通路11に尿素水供給装置20を設けているが、本発明では、排気通路11からバイパス通路31への分岐点と選択還元型触媒装置14の間の排気通路11に尿素水供給装置20を設ける。
そして、本発明に係る内燃機関の排気ガス浄化システム1では、尿素水供給制御装置40が、温度センサ23の検出値Tが、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着量に基づくストレージ制御を行う予め設定された温度範囲(200℃〜300℃)内にあるときに、温度センサ23の検出値Tと、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sに基づいて、尿素水供給装置20と三方弁32を制御するように構成する。
ここで、一般的に、尿素水供給装置20からの尿素水Uの噴射量は、選択還元型触媒装置14より下流側の排気通路11に設けられるNOx濃度センサ24の検出値が、エンジンの運転状態に基づいて設定されるNOx濃度の目標値になるように、フィードバック制御しながら設定される。
一方、選択還元型触媒装置14の温度が一定の温度範囲(400℃以下、選択還元型触媒装置14に担持する触媒の種類に依る)内にあるときには、選択還元型触媒装置14に担持した触媒にアンモニアを吸着させることができ、この触媒へのアンモニアの吸着量が多いほど、選択還元型触媒装置14のNOx浄化性能が向上することもまた知られている。選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着量は高温になるにつれて徐々に減少していき、触媒の種類に依るが、400℃〜450℃以上の温度になると、ほぼゼロとなる。
したがって、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着が可能なときには、従来、NOx濃度センサ24の検出値に基づくフィードバック制御に加え、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着量を考慮して、尿素水供給装置20からの尿素水Uの噴射量を制御する、いわゆるストレージ制御を行っている。
本発明では、選択還元型触媒装置14の温度が、このストレージ制御を行うことができる温度範囲内にあるときに、温度センサ23の検出値と、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sに基づいて、三方弁32により選択還元型触媒装置14に流入する排気ガスGの温度を制御して、選択還元型触媒装置14の急激な高温化を抑制しながら、尿素水供給装置20からの尿素水Uの噴射量を制御する。
本発明に係る、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給制御と三方弁32による排気ガスG2の流量制御(排気ガスGの冷却制御)について、より具体的な制御について説明する。まず、尿素水供給制御装置40が、図3に示すように、選択還元型触媒装置14の温度と、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線ASが予め設定された制御マップを備える。そして、この制御マップにて、温度センサ23の検出値T及び選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sの組み合わせの位置で示される点(T、S)と、アンモニアスリップ境界線ASとの間の位置関係に基づいて、尿素水供給装置20と三方弁32を制御するように構成する。なお、このアンモニアスリップ境界線ASは、選択還元型触媒装置14に担持した触媒の特性(図3では、Cuゼオライト触媒)を考慮して設定される。
この点(T、S)とアンモニアスリップ境界線ASとの間の位置関係とは、より具体的には、点(T、S)とアンモニアスリップ境界線ASの間の距離(判定距離)ΔDのことである。この判定距離ΔDの算出方法としては、例えば、尿素水供給制御装置40が、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sとアンモニアスリップ境界線ASの間の距離である吸着量用距離をΔa、温度センサ23の検出値Tとアンモニアスリップ境界線ASの間の距離である温度用距離をΔT、判定距離ΔDに対する吸着用距離Δaの重み付け係数をC1、判定距離ΔDに対する温度用距離ΔTの重み付け係数をC2としたときに、判定距離ΔDを、
Figure 2017031941
上記の(1)式で算出する制御を行うことで算出される。このように算出することで、判定距離ΔDを高精度で算出することができるので、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給制御と三方弁32の制御の両方の制御精度を向上させることができる。
そして、この算出された判定距離ΔDが、実験等により予め設定された第1距離y1より大きいときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を行うとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量がゼロとなるように、三方弁32を制御する(第1制御)。
また、判定距離ΔDが、第1距離y1以下で、第1距離y1より小さな値として実験等により予め設定される第2距離y2より大きく、かつ、温度センサ23の検出値Tが実験等により予め設定された設定温度T1より低いときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を停止するとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の量がゼロとなるように、三方弁32を制御する(第2制御)。
また、判定距離ΔDが、第1距離y1以下で、第2距離y2より大きく、かつ、温度センサ23の検出値Tが設定温度T1以上のときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を行うとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の量がゼロとならないように、三方弁を制御する(第3制御)。
そして、判定距離ΔDが、第2距離y2以下であるときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を停止するとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の量がゼロとならないように、三方弁32を制御する(第4制御)。
この三方弁32の制御に関する制御フローを図2に示す。図2の制御フローは、予め設定した制御時間毎に上級の制御フローから呼ばれて実施され、実施後に、上級の制御フローに戻る制御フローであり、エンジンが運転状態にある限り、繰り返し呼ばれる制御フローとして示している。なお、この図2の制御フローに基づく制御の途中で、エンジンが運転停止するとき等では、割り込みが生じて、リターンに行って上級の制御フローに戻り、この上級の制御フローの終了と共に終了する。
図2の制御フローについて説明する。図2の制御フローがスタートすると、ステップS11にて、図3に示すような制御マップを用いて、温度センサ23の検出値Tと、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sの組み合わせの位置で示される点(T、S)とアンモニアスリップ境界線ASの間の距離である判定距離ΔDを算出する。この判定距離ΔDの算出については、尿素水供給制御装置40が、短時間(1sよりも短い時間)毎に行う。算出後、ステップS12へ進む。
ステップS12にて、判定距離ΔDが第1距離y1より大きいか否かを判定する。判定距離ΔDが第1距離y1より大きい(YES)ときには、ステップS15へ進み、ステップS15にて、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を行うとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量がゼロとなるように、三方弁32を制御する(第1制御)。この第1制御を実施後、リターンして、上級の制御フローに戻る。
ステップS12にて、判定距離ΔDが第1距離y1以下である(NO)ときには、ステップS13へ進み、ステップS13にて、判定距離ΔDが第2距離y2より大きいか否かを判定する。判定距離ΔDが第2距離y2より大きい(YES)ときには、ステップS14へ進み、ステップS14にて、温度センサ23の検出値Tが設定温度T1未満であるか否かを判定する。温度センサ23の検出値Tが設定温度T1未満である(YES)ときには、ステップS16へ進み、ステップS16にて、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を停止するとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量がゼロとなるように、三方弁32を制御する(第2制御)。この第2制御を実施後、リターンして、上級の制御フローに戻る。
ステップS14にて、温度センサ23の検出値Tが設定温度T1以上である(NO)ときには、ステップS17へ進み、ステップS17にて、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を行うとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量がゼロとならないように、三方弁32を制御する(第3制御)。この第3制御を実施後、リターンして、上級の制御フローに戻る。
一方、ステップS13にて、判定距離ΔDが第2距離y2以下である(NO)ときには、ステップS18へ進み、ステップS18にて、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を停止するとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量がゼロとならないように、三方弁32を制御する(第4制御)。この第4制御を実施後、リターンして、上級の制御フローに戻る。
なお、上記の第1制御〜第4制御において、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給量制御は数十ms間隔で行い、三方弁32の開閉制御は数秒間隔で行う。また、判定距離ΔDや、微小時間Δtあたりの判定距離ΔDの変化量であるΔD/Δtに基づいて、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給量制御、三方弁32によるバイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量制御、熱交換装置30の熱交換能力に応じた排気ガスG2の冷却能力の制御を行うと、アンモニアスリップを高精度で抑制することができるため、好ましい。
以上のように、本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム1を基にした、本発明の内燃機関の排気ガス浄化方法は、内燃機関の排気通路11に選択還元型触媒装置14を備えるとともに、この選択還元型触媒装置14より上流側の排気通路11に、排気ガスG2を冷却する熱交換装置30を設けたバイパス通路31を排気通路11に並行して設け、さらに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量を調整する三方弁32を設けるとともに、排気通路11からバイパス通路31への分岐点と選択還元型触媒装置14の間の排気通路11に、尿素水供給装置20を設けて構成される内燃機関の排気ガス浄化方法において、選択還元型触媒装置14の入口に温度センサ23を設けて、この温度センサ23により選択還元型触媒装置14に流入する排気ガスGの温度Tを検出するとともに、温度センサ23の検出値Tが、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着量に基づくストレージ制御を行う予め設定された温度範囲(400℃以下)内にあるときに、温度センサ23の検出値Tと、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sに基づいて、尿素水供給装置20と三方弁32を制御することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化方法において、選択還元型触媒装置14の温度Tと、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線ASが予め設定された制御マップ(図3参照)を設けるとともに、この制御マップにて、温度センサ23の検出値T及び選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sの組み合わせの位置で示される点(T、S)と、アンモニアスリップ境界線ASとの間の位置関係に基づいて、尿素水供給装置20と三方弁32を制御することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化方法において、温度センサ23の検出値T及び選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sの組み合わせの位置で示される点(T、S)とアンモニアスリップ境界線ASの間の距離である判定距離ΔDを算出し、この算出された判定距離ΔDが、予め設定された第1距離y1より大きいときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を行うとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の流量がゼロとなるように三方弁32を制御し、判定距離ΔDが、第1距離y1以下で、第1距離y1より小さな値として予め設定される第2距離y2より大きく、かつ、温度センサ23の検出値Tが予め設定された設定温度T1より低いときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を停止するとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の量がゼロとなるように三方弁32を制御し、判定距離ΔDが、第1距離y1以下で、第2距離y2より大きく、かつ、温度センサ23の検出値Tが設定温度T1以上のときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を行うとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の量がゼロとならないように三方弁32を制御し、判定距離ΔDが、第2距離y2以下であるときには、尿素水供給装置20からの尿素水Uの供給を停止するとともに、バイパス通路31を通過する排気ガスG2の量がゼロとならないように三方弁32を制御することを特徴とする方法である。
また、上記の内燃機関の排気ガス浄化方法において、選択還元型触媒装置14へのアンモニアの推定吸着量Sとアンモニアスリップ境界線ASの間の距離である吸着量用距離をΔa、温度センサ23の検出値Tとアンモニアスリップ境界線ASの間の距離である温度用距離をΔT、判定距離ΔDに対する吸着用距離Δaの重み付け係数をC1、判定距離ΔDに対する温度用距離ΔTの重み付け係数をC2としたときに、
判定距離ΔDを、
Figure 2017031941
上記の(1)式で算出する制御を行うことを特徴とする方法である。
本発明の内燃機関の排気ガス浄化システム1、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法によれば、選択還元型触媒装置14の温度Tがストレージ制御を行うことができる温度範囲内に含まれている場合において、エンジンが低負荷運転から高負荷運転に切り替わるときや、排気ガス浄化装置に備えた微粒子捕集装置13の強制PM再生制御を行うとき等で、排気ガスGが高温化しても、三方弁32により、選択還元型触媒装置14の急激な高温化を抑制することができるので、選択還元型触媒装置14からのアンモニアの大量の脱離を抑制することができ、従来、選択還元型触媒装置14より下流側の排気通路11に設けていたアンモニアスリップ触媒装置15を小型化または不要にしつつ、大気へのアンモニアスリップを高精度で抑制することができる。特に、Cuゼオライト触媒のようなアンモニアの吸着容量の大きい触媒を選択還元型触媒装置14に担持させる場合に、本発明は有効である。
また、その結果として、従来、大気に放出されていたアンモニアをNOxの還元に使用できるようになるため、尿素水Uの利用効率を向上させることができるとともに、選択還元型触媒装置14のNOx浄化性能を向上させることができる。
1、1X 内燃機関の排気ガス浄化システム
11 排気通路
12 酸化触媒装置(DOC)
13 微粒子捕集装置
14 選択還元型触媒装置(SCR)
15 アンモニアスリップ触媒装置(ASC)
20 尿素水供給装置
21 尿素水供給ポンプ
22 尿素水タンク
23 温度センサ(温度検出装置)
24 NOx濃度センサ
30 熱交換装置
31 バイパス通路
32 三方弁(流量調整機構)
40 尿素水供給制御装置(制御装置)
41 エンジン制御装置
T 温度センサの検出値
T1 設定温度
ΔD 判定距離
y1 第1距離
y2 第2距離
G 発生した排気ガス
G1 バイパス通路を通過しない排気ガス
G2 バイパス通路を通過する排気ガス
Gc 浄化処理された排気ガス

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に選択還元型触媒装置を備えて構成される内燃機関の排気ガス浄化システムにおいて、
    前記選択還元型触媒装置の入口に、前記選択還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度を検出する温度検出装置を設けるとともに、
    前記選択還元型触媒装置より上流側の前記排気通路に、排気ガスを冷却する熱交換装置を設けたバイパス通路を前記排気通路に並行して設け、
    さらに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量を調整する流量調整機構を設けるとともに、
    前記排気通路から前記バイパス通路への分岐点と前記選択還元型触媒装置の間の前記排気通路に、尿素水供給装置を設けて構成され、
    当該排気ガス浄化システムを制御する制御装置が、
    前記温度検出装置の検出値が、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量に基づくストレージ制御を行う予め設定された温度範囲内にあるときに、
    前記温度検出装置の検出値と、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御するように構成される内燃機関の排気ガス浄化システム。
  2. 前記制御装置が、
    前記選択還元型触媒装置の温度と、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線が予め設定された制御マップを備えるとともに、
    この制御マップにて、前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と、前記アンモニアスリップ境界線との間の位置関係に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御するように構成される請求項1に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  3. 前記制御装置が、
    前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である判定距離を算出し、
    この算出された判定距離が、予め設定された第1距離より大きいときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、
    前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第1距離より小さな値として予め設定される第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が予め設定された設定温度より低いときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、
    前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が前記設定温度以上のときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御し、
    前記判定距離が、前記第2距離以下であるときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御するように構成される請求項2に記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  4. 前記制御装置が、
    前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である吸着量用距離をΔa、前記温度検出装置の検出値と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である温度用距離をΔT、前記判定距離に対する前記吸着用距離の重み付け係数をC1、前記判定距離に対する前記温度用距離の重み付け係数をC2としたときに、
    前記判定距離を、
    Figure 2017031941
    上記の(1)式で算出する制御を行うように構成される請求項3記載の内燃機関の排気ガス浄化システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気ガス浄化システムを備えて構成される内燃機関。
  6. 内燃機関の排気通路に選択還元型触媒装置を備えるとともに、該選択還元型触媒装置より上流側の前記排気通路に、排気ガスを冷却する熱交換装置を設けたバイパス通路を前記排気通路に並行して設け、さらに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量を調整する流量調整機構を設けるとともに、前記排気通路から前記バイパス通路への分岐点と前記選択還元型触媒装置の間の前記排気通路に、尿素水供給装置を設けて構成される内燃機関の排気ガス浄化方法において、
    前記選択還元型触媒装置の入口に温度検出装置を設けて、該温度検出装置により前記選択還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度を検出するとともに、
    前記温度検出装置の検出値が、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量に基づくストレージ制御を行う予め設定された温度範囲内にあるときに、
    前記温度検出装置の検出値と、エンジンの運転状態に基づいて推定算出される前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御することを特徴とする内燃機関の排気ガス浄化方法。
  7. 前記選択還元型触媒装置の温度と、前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの吸着量を基にアンモニアスリップ境界線が予め設定された制御マップを設けるとともに、
    この制御マップにて、前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と、前記アンモニアスリップ境界線との間の位置関係に基づいて、前記尿素水供給装置と前記流量調整機構を制御することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気ガス浄化方法。
  8. 前記温度検出装置の検出値及び前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量の組み合わせの位置で示される点と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である判定距離を算出し、
    この算出された判定距離が、予め設定された第1距離より大きいときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの流量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、
    前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第1距離より小さな値として予め設定される第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が予め設定された設定温度より低いときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとなるように前記流量調整機構を制御し、
    前記判定距離が、前記第1距離以下で、前記第2距離より大きく、かつ、前記温度検出装置の検出値が前記設定温度以上のときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を行うとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御し、
    前記判定距離が、前記第2距離以下であるときには、前記尿素水供給装置からの尿素水の供給を停止するとともに、前記バイパス通路を通過する排気ガスの量がゼロとならないように前記流量調整機構を制御することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排気ガス浄化方法。
  9. 前記選択還元型触媒装置へのアンモニアの推定吸着量と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である吸着量用距離をΔa、前記温度検出装置の検出値と前記アンモニアスリップ境界線の間の距離である温度用距離をΔT、前記判定距離に対する前記吸着用距離の重み付け係数をC1、前記判定距離に対する前記温度用距離の重み付け係数をC2としたときに、
    前記判定距離を、
    Figure 2017031941

    上記の(1)式で算出する制御を行うことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の排気ガス浄化方法。
JP2015155091A 2015-08-05 2015-08-05 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法 Pending JP2017031941A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015155091A JP2017031941A (ja) 2015-08-05 2015-08-05 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015155091A JP2017031941A (ja) 2015-08-05 2015-08-05 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017031941A true JP2017031941A (ja) 2017-02-09

Family

ID=57988190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015155091A Pending JP2017031941A (ja) 2015-08-05 2015-08-05 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017031941A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9677439B2 (en) Systems and methods to mitigate NOx and HC emissions
US8356470B2 (en) Method of controlling NOx purification system and NOx purification system
JP2007162578A (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
US9822683B2 (en) Exhaust gas purification system for internal combustion engine
JP5804544B2 (ja) 内燃機関の排気処理装置
US8420036B1 (en) Control of NO/NO2 ratio to improve SCR efficiency for treating engine exhaust using bypass oxidation catalyst
US20150330275A1 (en) Exhaust Purification System for Internal Combustion Engine
US9464554B2 (en) Exhaust gas purification system for internal combustion engine
JP2016121547A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP2020045884A (ja) 排気処理システムおよび車両
JP2017031942A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP2010185434A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2017031941A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP2018080657A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP6593015B2 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関
WO2018219476A1 (en) A method for controlling the temperature of a nox controlling component and an exhaust after treatment system
WO2015046506A1 (ja) 排気ガス浄化システム及び排気ガス浄化方法
JP2021076047A (ja) 排気浄化装置
JP6252375B2 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP5713612B2 (ja) 排気浄化装置の制御方法
JP2017031940A (ja) 内燃機関の排気ガス浄化システム、内燃機関、及び内燃機関の排気ガス浄化方法
JP6960241B2 (ja) 還元剤噴射弁の冷却制御装置及び冷却制御方法
JP2022054612A (ja) 還元剤供給装置
WO2013146462A1 (ja) 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP2022054613A (ja) 還元剤供給装置