JP2017031681A - 煙突解体用足場および煙突解体工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】煙突2を挟んで対向するように立設された一対のマスト3,3と、煙突2に周設された作業床4と、作業床4の下方に配設された点検用作業床5とを備える煙突解体用足場1であって、作業床4は一対のマスト3,3をガイドレールとして昇降し、点検用作業床5は一対のマスト3,3のうちのいずれか一方のマスト3をガイドレールとして作業床4とは独立して昇降する。
【選択図】図1
Description
ところが、重機を利用した解体方法は、アーム先端の圧砕具が届く範囲(ブームの長さ)に限界があるため、施工可能な煙突が限られていた。
また、仮設足場を利用した解体方法は、仮設足場の設置および撤去に手間がかかり、工期短縮化の妨げとなっていた。
そのため、特許文献1には、煙突に沿って立設された鋼管ロッドを昇降する作業床に載置された解体ロボットを利用して、煙突を解体する方法が開示されている。
また、点検用作業床を利用すれば、作業床への資材等の輸送を簡易に行うこともできる。
本実施形態の煙突2は、円筒状に形成されたコンクリート構造物であって、下部から上部に向うに従って徐々に縮径する円錐台状を呈している。
一対のマスト3,3は、煙突2を挟んで対向するように立設されている。
本実施形態のマスト3は、複数の角柱状のマスト部材を上下方向に連結することにより煙突2以上の高さに形成されている。なお、マスト3の構成は限定されるものではなく、例えば、マスト部材が円柱状や三角柱状の部材であってもよい。また、マスト3の本数は2本に限定されるものではなく、例えば1本でもよいし3本以上であってもよい。
マスト3は、つなぎ部材31を介して煙突2に固定されている。つなぎ部材31は、アンカー(図示せず)により煙突2の側面に固定されている。なお、マスト3の固定方法は限定されるものではない。
マスト3には、歯切りしたラック(図示せず)が取り付けられている。
本実施形態の主作業床4は、図2に示すように、本体足場41と、張出足場42とを備えている。
本体足場41は、煙突2の最大外径(最大幅)よりも大きな幅の開口44を中央部に有し、平面視枠状を呈している。また、本体足場41には、マスト3を挿通するための凹部45,45が開口44に面して開口している。
各凹部45に隣接して設けられたモータ6,6は、同期して駆動するように構成されている。
本実施形態では、図3に示すように、本体足場41から張り出した支持梁42a上に足場板42bを敷き並べることにより張出足場42を形成する。
支持梁42は、本体足場41の下面に摺動可能に設けられており、張出足場42の設置時には煙突2に向けて進出し、張出足場42撤去時(開口44の解放時)には煙突から後退するように構成されている。
なお、張出足場42の構成は限定されるものではなく、例えば、鋼板を開口44に張り出させてもよい。
隙間養生部材43の構成は限定されるものではないが、例えば、隙間を覆うようにシートを設置すればよい。
点検用作業床5は、一対のマスト3,3のうちのいずれか一方のマスト3をガイドレールとして作業床4とは独立して昇降する。
本実施形態では、一方のマスト3のみに点検用作業床5を配設した場合について説明したが、各マスト3に点検用作業床5を配設してもよい。
足場本体51には、マスト3の位置に対応して凹部53が形成されている。また、足場本体51には、凹部53に隣接してモータ6が上載されている。モータ6にはマスト3のラックに歯合されたギア(図示せず)が設けられている。モータ6の動力でギアを回転させることにより、点検用作業床5がマスト3に沿って昇降する。
昇降階段52は、足場本体51上に設けられている。昇降階段52は、点検用作業床5を主作業床4の直下に配設した際に、作業床4の昇降階段(図示せず)に近接し、主作業床4と点検用作業床5との間で作業員の移動が可能となる。なお、昇降階段52に代えて、昇降はしごを設けてもよい。
本実施形態では、煙突2の上端から地上20m付近までの上部区間21を、煙突解体用足場1を利用した人力施工により行い、地上20m付近から下の下部区間22を、重機を利用した機械施工により行う。
人力施工による煙突解体工法は、作業床設置工程と、解体工程とを備えている。
作業床設置工程では、まず、一対のマスト3,3を、煙突2を挟んで対向するように立設する。マスト3は、煙突2に隣接して据え付けたベース部分32上に最下段のマスト部材を立設させた後、所定数のマスト部材を連結することにより形成する。
マスト3の施工には、クレーンを使用してもよいし、マスト3に沿って昇降する主作業床4を利用して随時延長させてもよい。
マスト3,3の施工の伴い、主作業床4および点検用作業床5を設置する。
まず、点検用作業床5をマスト3に設置し、続いて、点検用作業床5の上方に主作業床4を設置する。主作業床4は、マスト3に設置しつつ、煙突2に周設する。
なお、主作業床4および点検用作業床5は、マスト3,3が完成してから設置してもよいし、マスト3,3の下部分が形成された段階で設置してもよい。また、点検用作業床5は、主作業床4をマスト3,3に設置してから主作業床4の下方に設置してもよい。さらに、主作業床4は、地上において組み立てた状態でマスト3,3に取り付けてもよい。
解体工程では、まず、主作業床4を煙突2の上端部に移動させる。主作業床4を所定の位置に配置したら、本体足場41の開口縁から張出足場42を煙突2に向けて張り出させる。そして、張出足場42上において、隙間養生部材43を煙突2の外面に周設して、張出足場42と煙突2との間に形成された隙間を閉塞する。
煙突2の解体は、まず、図5(a)に示すように、コンクリートブレーカMを利用して煙突2の上端から縦に切断して、2本のスリット24,24を煙突2に形成する。なお、スリット24の形状は限定されないが、本実施形態では、高さ1m、幅20cmとする。
続いて、図5(b)に示すように、一方のスリット24の下端から他方にスリット24の下端に向けて、横スリット26を形成する。なお、スリット24の形状は限定されないが、本実施形態では幅20cmとする。
横スリット26を形成したら、図5(c)に示すように、横スリット26の形成に伴って露出した鉄筋(縦筋)27を折り曲げて、コンクリートブロック片23を煙突2の内側に傾けさせる。
なお、煙突2の解体に伴い、点検用作業床5を利用して煙突2の健全度(亀裂や変位の有無等)を確認する。また、必要な資材や用具等を、点検用作業床5を利用して、地上部から主作業床4間で輸送する。
煙突2の上部の切断が完了したら、張出足場42および隙間養生部材43を撤去して、主作業床4を下降させる。そして、主作業床4を所定の位置に下降させたら、隙間養生を行い、煙突2の解体を行う。なお、主作業床4の下降に伴い、マスト3の上端部のマスト部材を撤去してもよい。
このように、主作業床4の下降と煙突2の解体を繰り返すことにより、煙突2の上部区間を解体する。
また、枠組み足場を使用する従来の施工方法に比べて、足場の組み立てや解体時の高所作業量を大幅に削減することが可能となり、安全性および作業性に優れている。また、部材点数が少ないため、点検作業を簡易かつ確実に行うことができる。
強風時等の異常気象時には、主作業床4および点検用作業床5を降下させることで安全性を確保することができる。
マストは軽量なマスト部材を組み合わせることにより形成するため、施工性に優れている。
例えば、煙突2の形状は限定されるものではなく、全長にわたって同一の外形を有した筒状構造物であってもよい。また、煙突2は必ずしも円筒状でなくてもよく、角筒状であってもよい。
張出足場42は、必要に応じて設ければよい。
同様に、隙間養生部材43も必要に応じて設ければよい。また、隙間養生部材43の構成は、前記実施形態で示したものに限定されない。
2 煙突
3 マスト
4 主作業床(作業床)
41 本体足場
42 張出足場
43 隙間養生部材
5 点検用作業床
Claims (2)
- 煙突に沿って立設されたマストと、
前記煙突に周設された作業床と、
前記作業床の下方に配設された点検用作業床と、を備える煙突解体用足場であって、
前記作業床は、前記マストをガイドレールとして昇降し、
前記点検用作業床は、前記マストをガイドレールとして前記作業床とは独立して昇降することを特徴とする、煙突解体用足場。 - 煙突の外面に沿って昇降する作業床を設置する作業床設置工程と、
前記作業床を利用して前記煙突を解体する解体工程と、を備える煙突解体工法であって、
前記作業床設置工程は、
前記煙突に沿ってマストを立設する作業と、
前記マストを昇降可能な作業床を前記煙突に周設する作業と、
前記マストを昇降する点検用作業床を作業床の下方に設ける作業と、を有し、
前記解体工程では、前記作業床上において前記煙突を解体するとともに、前記点検用作業床を利用して前記煙突の状況を確認することを特徴とする、煙突解体工法。
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