JP2017031534A - 導電部を備えた伸縮性衣類 - Google Patents

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孝臣 倉橋
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義之 永井
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Abstract

【課題】導電部3を備えた伸縮性衣類1において、汎用的な衣類として実施する場合でも肌面に対して導電面を面接触させることができ、また肌面が静的であるか動的であるかに影響されることなく面接触状態の維持が可能なようにする。【解決手段】着衣者の動きに追随及び回復する程度に伸縮性を備えた身生地本体2と、身生地本体2において着衣者の肌面へ向ける配置で導電面3aが設けられた導電部3とを有しており、導電部3は、導電面3aと表裏反対向きとされる面が被覆部4によって覆われていると共に、この被覆部4は着衣時における身生地本体2の伸長に追随して導電部3を着衣者の肌面へ弾性押圧する状態で身生地本体2に一体又は別付けにより設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、導電部を備えた伸縮性衣類に関する。
心電図や筋電図等のデータ採取、或いは電気治療や電磁波治療などを行う場合に使用可能とされる弾性着衣が、従来、提案されている(特許文献1参照)。この弾性着衣は、弾性布地に導電繊維をフロート編により編み込むことで、裏面側(着衣者の肌面へ接触させる側)の導電繊維の表出量を表面側への表出量よりも多くする構成としたものである。すなわち、この弾性布地の裏面側に表出した導電繊維により、着衣者と接触する電極を形成させている。
特許第4609923号公報
特許文献1に示される弾性着衣のように、弾性布地等の布帛に対して電極を形成しようとすれば、どうしても化繊や天然繊維に比べて硬質である導電繊維を用いざるを得ない。そのために、この電極を着衣者の肌面に存在する3次元的で且つ複雑な曲面や凹凸、柔軟部位などに面接触させにくいという難しさがあった。すなわち、電極の一部又は全部が肌面と非接触となる(浮き上がる)おそれがある。当然に、着衣者が運動などの動作を行う場合では、面接触はおろか、確実且つ持続的な接触すら得られにくいものとなっていた。
なお、特許文献1の弾性着衣において、必須要件とされている「弾性」の強さは、代表的な実施形態として「弾性ストッキング(汎用のストッキングとは異なり肌面を意図的に圧迫する程の強烈な緊締力を有した医療用のもの)」が挙げられていることからも容易に類推できるように、相当に強い緊締力である。すなわち、このような限定的な要件を必要としている点が、まさに、汎用的な衣類への実施を仮定した場合には電極の浮き上がりが潜在的な問題として存在していることの証左とも言える。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、汎用的な衣類として実施する場合でも肌面に対して導電面を面接触させることができ、また肌面が静的であるか動的であるかに影響されることなく面接触状態の維持が可能なようにする導電部を備えた伸縮性衣類を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る導電部を備えた伸縮性衣類は、着衣者の動きに十分に追随及び回復する程度に伸縮性を備えた身生地本体と、前記身生地本体において着衣者の肌面へ向ける配置で導電面が設けられた導電部と、を有しており、前記導電部は、前記導電面と表裏反対向きとされる面が被覆部によって覆われていると共に、この被覆部は着衣時における前記身生地本体の伸長に追随して前記導電部を着衣者の肌面へ弾性押圧する状態で前記身生地本体に一体又は別付けにより設けられていることを特徴とする。
前記導電部は、前記身生地本体に対する編み込みによって形成することができる。
前記導電部は、前記身生地本体とは別のシート形体に形成して、前記身生地本体に取り付けることができる。
前記身生地本体は、着衣者の身長方向に沿った縦伸縮と着衣者の胴回り方向に沿った横伸縮とを生じる伸縮性のうち縦伸縮では着衣者の動きを妨げることがない程度の弱い弾性抵抗を有し、横伸縮では当該身生地本体を着用者に完全にフィットさせ、ずれなくするための強い弾性抵抗で強い締め付け力を発現し肌面への押圧を高めたものが好適である。
すなわち、着用者が着用したときに、Y方向(身長方向)は、弾性抵抗が小さく身体の動きに追随して伸縮しやすい特性、X方向(胴回り方向)には弾性抵抗が大きく伸びにくいが身体に生地を密着させる特性を有し、それらの結果としてZ方向(身体)に身生地本
体が押し付けられるものとするのがよい。
前記被覆部は、前記導電部との間に物品収容部を形成させ且つ当該物品収容部の外周部に物品を出し入れ自在にする開口部を形成させて設けることができる。
前記被覆部には、前記導電部と合致する配置で肉厚を増大させた押圧パッドが設けられたものとすることができる。
前記導電部には、前記導電面の外周部で着衣者へ向けて滑り止め材が設けられたものとするのがよい。
前記身生地本体には、着衣者の肌面へ向く面と外面との間を貫通させる通気部が設けられたものとしてもよい。
本発明に係る導電部を備えた伸縮性衣類は、汎用的な衣類として実施する場合でも肌面に対して導電面を面接触させることができ、また肌面が静的であるか動的であるかに影響されることなく面接触状態の維持が可能である。
本発明に係る伸縮牲衣類の第1実施形態を示した正面図である。 図1のA−A線に対応させて模式的に示した断面図である。 本発明に係る伸縮牲衣類の第2実施形態を示した正面図である。 図3のB−B線に対応させて模式的に示した断面図である。 (a)は本発明に係る伸縮牲衣類の第3実施形態を模式的に示した断面図であり(b)は本発明に係る伸縮牲衣類の第4実施形態を模式的に示した断面図であり(c)は本発明に係る伸縮牲衣類の第5実施形態を模式的に示した断面図であり(d)は本発明に係る伸縮牲衣類の第6実施形態を模式的に示した断面図であり(e)は本発明に係る伸縮牲衣類の第7実施形態を模式的に示した断面図であり(f)は本発明に係る伸縮牲衣類の第8実施形態を模式的に示した断面図である。 (a)は本発明に係る伸縮牲衣類の第9実施形態を模式的に示した断面図であり(b)は本発明に係る伸縮牲衣類の第10実施形態を模式的に示した断面図であり(c)は本発明に係る伸縮牲衣類の第11実施形態を模式的に示した断面図であり(d)は本発明に係る伸縮牲衣類の第12実施形態を模式的に示した断面図であり(e)は本発明に係る伸縮牲衣類の第13実施形態を模式的に示した断面図であり(f)は本発明に係る伸縮牲衣類の第14実施形態を模式的に示した断面図である。 滑り止めを施した例を模式的に示した要部拡大断面図である。 本発明に係る伸縮牲衣類の第15実施形態を模式的に示した断面図である。 身生地本体に対してポケット状の被覆部を設けるに際のポケット状被覆部の配置例を示した正面図である。 身生地本体の周方向の一部が被覆部を兼ねた構成とするに際しての被覆部の配置例を示した正面図である。 身生地本体に対して通気部が設けられた例を示した正面図である。 身生地本体が下衣である場合を例示した正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1及び図2は、本発明に係る導電部を備えた伸縮性衣類1(以下、「本発明衣類1」と言う)の第1実施形態を示している。これら図1及び図2から明らかなように、本発明衣類1は、身生地本体2に対してその一部に、着衣者に対して導通を取ることのできる導電部3が一体又は別体で備えられていることを基本構成としている。
そして導電部3は被覆部4によって覆われており、この被覆部4により、導電部3が本発明衣類1(身生地本体2)の着衣者に対して押し付けられるようになっている。
まず概要について説明する。身生地本体2は、原則として(少なくとも導電部3の配置部を中心とした絶縁領域は)非導電性の繊維素材により形成されたものとなっている。これに対して導電部3は導電糸を用いて形成されており、少なくとも着衣者の肌面へ向けられる面が導通性を有した導電面3aとして形成されている。なお、身生地本体2には導電
部3に対する配線部を形成する場合がある。
このような導電部3に対して、被覆部4は、導電面3aとは表裏反対向きの面を覆うような配置となっている。従って、導電部3の導電面3aは、着衣者の肌面に向けて露出状態を保持するものとされ、本発明衣類1(身生地本体2)を着衣者が身につけることによって、導電面3aが着衣者の肌面に接触するようになっている。
かくして、導電部3に対して心電図や筋電図等を採取する各種測定機器を接続したり、電気治療や電磁波治療などを行う治療器などを接続したりして、それぞれの使用目的に適合した使い方を採用することができる。
本第1実施形態では、身生地本体2がTシャツタイプの上衣とされている場合を示している。すなわち、身生地本体2は、周方向にシームレスの筒状生地に対して、左右の両袖を形成すると共に、筒軸方向の一方に襟開き([エリアキ]:着衣者の頭部を通す穴)を形成したものとしてある。
また本第1実施形態では、導電部3が着衣者の胸部〜腹部にかけた上下2箇所に対応させて配置されている場合を示している。これら導電部3は、身生地本体2に対して領域を限って一体的に編み込まれたものとしてある。
そして更に本第1実施形態では、身生地本体2とは別生地で形成した被覆部4が、この導電部3を含めて身生地本体2の外面全周を取り巻くように設けられたものとしている。なお、図2では、導電部3と被覆部4との間に隙間が存在した状態(乖離した状態)に描いてあり、身生地本体2と被覆部4とは、この隙間の存在する領域以外でのみ接合されているものとする。そして、身生地本体2の周方向伸縮性よりも被覆部4の周方向伸縮性の方が小さく(緊締力が強く)設定されているものとしてある。
そのため、本発明衣類1の着衣時には、身生地本体2よりも被覆部4が着衣者に対する締め付け力を強く発生し、被覆部4が導電部3に対して確実に背圧を付加するようになり、その結果、導電部3を着衣者に面接触させる状況が得られるものである。
このように、導電部3と被覆部4との間に隙間を設けることで、本発明衣類1の非使用時(非着衣時)における導電部3に対して、被覆部4が無用な収縮力を付加するおそれがなくなり、もって導電部3の型崩れや導電不良などを防止できるなどの利点が得られる。とは言え、このような導電部3と被覆部4との間の隙間は必須不可欠なものではなく、身生地本体2に対して導電部3を含む全周で被覆部4を接合するようにしてもよい。
身生地本体2と被覆部4とを接合する方法としては、接着剤による接着、熱可塑性樹脂による熱融着、ミシンなどによる縫着、面ファスナーなどによる係着など、適宜の方法を採用可能である。また、身生地本体2に対して導電部3を含む全周で被覆部4を接合する場合では、身生地本体2と被覆部4とを二重生地として製編することも可能である。
次に、身生地本体2について詳説する。身生地本体2は、前記のように非導電性の繊維素材により製編することができる。繊維素材の具体例としては、合成繊維(例えばポリエステル繊維やナイロン繊維等)や天然繊維、合成繊維と弾性糸とを混用した素材等を挙げることができる。
また、身生地本体2に採用する編組織は何ら限定されるものではない。例えば、平編、ゴム編、スムース編、パール編又はそれらの変化組織(例えば、ミラノリブや段ボールニットなど)を採用することができる。当然に、製編には丸編機に限らず横編機などを使用することができる。またこれら列挙したような緯編みで編成される組織に限らず、経編みで編成される組織(トリコット編、ラッシェル編、ミラニーズ編など)としてもよい。
身生地本体2の製編時には更に弾性糸を混用して、筒径(周長)や筒軸長さを拡縮する方向で豊富な伸縮が得られるようにするのが、着衣者への装着や装着位置固定、及び取り外しを容易にするうえで好適である。
ここにおいて「弾性糸」は、引っ張り力の無負荷時(非伸長時=常態)では収縮状態を維持し、引っ張り力が負荷されたときには引っ張り力に応じて自由に伸長するものであって、且つ、この引っ張り力を解除して無負荷時に戻せば、伸長状態から元の収縮状態に復元する(収縮する)素材を言う。
弾性糸の混用方法としては、インレイ、引き揃え、プレーティング、交編、又は複合糸
の少なくとも一つから選択される形態を採用すればよい。弾性糸には、ポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を単独で用いてもよいし、「芯」にポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を用い、「カバー」にナイロンやポリエステルを用いたカバリング糸などを採用することができる。このようなカバリング糸を採用することで、本発明衣類1に親水性、撥水性、耐食・防食性、カラーリング等の機能を付与させることができる。また触感(肌触り)の向上や伸びの制御にも有用である。
このように製編された身生地本体2は、着衣者の動きに十分に追随及び回復する程度に伸縮性を備えたものとなる。身生地本体2が備える伸縮性は、着衣者の身長方向に沿った縦伸縮と着衣者の胴回り方向に沿った横伸縮とを生じるものとしたとき、縦伸縮では着衣者の動きを妨げることがない程度の弱い弾性抵抗を有し、横伸縮では当該身生地本体2を着用者に完全にフィットさせ、ずれなくするための強い弾性抵抗で強い締め付け力を発現し肌面への押圧を高めたものが好適である。
すなわち、着用者が着用したときに、Y方向(身長方向)は、弾性抵抗が小さく身体の動きに追随して伸縮しやすい特性、X方向(胴回り方向)には弾性抵抗が大きく伸びにくいが身体に生地を密着させる特性を有し、それらの結果としてZ方向(身体)に身生地本体2が押し付けられるものとするのがよい。
このように、Y方向には比較的伸びやすく、X方向には伸びにくいため強い締め付け力を有し、Z方向に身生地本体2を押し付けるような筒状生地を編む具体的な製編方法として、例えば、フライス編インレイの編構造を採用するものとして、ポリウレタン22dtex相当を用いたカバリング糸でフライス編を行い、挿入糸として、ポリウレタン110dtex程度をインレイする方法を挙げることができる。
次に、導電部3について詳説する。導電部3を形成する導電糸は、金属素線や金属被覆線、又は炭素繊維などにより形成されたものとする。
金属素線や金属被覆線における金属成分の具体例としては、金、白金、銀、銅、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、アルミ、タングステン、ステンレスなどが好適となる。その他にも、チタン、マグネシウム、錫、バナジウム、コバルト、モリブデン、タンタル等の純金属をはじめ、それらの合金(真鍮、ニクロムなど)を挙げることができる。
金属素線には、連続した長線だけでなく単線を撚り合わせたものを使用することもできる。一方、金属被覆線において、その芯材を樹脂製の繊維や線材若しくは動植物繊維とするときは、樹脂メッキ法などに採用されるメッキ処理をはじめ、湿式塗布法や粉体付着法などを行えばよい。また、芯材を金属製の線材とするときでは溶射法、スパッタ法、CVD法等を採用することもできる。芯材にはモノフィラメント、マルチフィラメント、紡績(スパン)糸を使用すればよく、或いはウーリー加工糸やSCY、DCYなどのカバリング糸、毛羽加工糸などの嵩高加工糸を使用することもできる。
その他、これら金属素線や金属被覆線、炭素繊維を非導電繊維と混用させるものでもよい。例えば、紡績(スパン)糸を用いて混紡糸やカバリング糸、引き揃えとすることができる。また、熱セット温度よりも融点、軟化点が高い繊維との混用とすることも可能である。
導電面3aに採用する編組織は、例えば、平編、ゴム編、スムース編、パール編又はそれらの変化組織(例えば、ミラノリブ、段ボールニット、鹿の子、パイルなど)を採用することができる。これらの編組織を、身生地本体2の製編中にカットボス編により編み込むようにする。
場合によっては、導電部3の基礎となる地糸の部分を前記の各種編組織のフルニットとして製編し、同じ領域の導電面3a側にフロート編による編み込みを行う構造を採用することもできる。この場合、フロート編の浮き糸が地糸による編組織による厚み方向の高さを超えて隆起するようになる。そのため、着衣者の肌面に存在する3次元的で且つ複雑な曲面や凹凸、柔軟部位などに対して、導電面3aの接触が一層確実になる。また肌面の細かな動きにも一層的確に追従するようになる。従って、確実な導電性が得られるものである。
次に、被覆部4について説明する。被覆部4を形成する繊維素材や編組織は、基本的に
は、身生地本体2に関して前記した範囲内で適宜選択可能である。ただし、身生地本体2に設定される伸縮性との関係において、少なくとも周方向での締め付け力(緊締力)が強く得られるようにする。
この被覆部4が備える伸縮性についても、身生地本体2の場合と同様に、縦伸縮では着衣者の動きを妨げることがない程度の弱い弾性抵抗を有し、横伸縮では当該被覆部4を着用者に完全にフィットさせ、ずれなくするための強い弾性抵抗で強い締め付け力を発現し肌面への押圧を高めたものが好適である。
以上、詳説したところから明らかなように、本発明衣類1(身生地本体2)を着衣者が身につけることによって、被覆部4が導電部3に対して確実に背圧を付加するようになり、その結果、導電部3の導電面3aを着衣者の肌面に確実に面接触させるようになっている。そのため、汎用的な衣類(肌面を意図的に圧迫する程の強烈な緊締力を有した医療用以外のもの)として実施することが可能である。勿論、医療用としての実施が可能であることは言うまでもない。
また、たとえ汎用的な衣類として実施する場合であっても、肌面が静的であるか動的であるかに影響されることなく面接触状態の維持が可能となる。そのため、心電図や筋電図等のデータ採取等を行うに際しては、着衣者の肌面に接触させた導電面3aからこの導電面3aを介して電流波形を良好に取り出すことができ、また電気治療や電磁波治療等を行うに際しては、この導電面3aから導電面3aを介して着衣者の肌面に電流を良好に印加することができるものである。
図3及び図4は本発明衣類1の第2実施形態を示している。本第2実施形態では、身生地本体2に対して、その内周面側に被覆部4が設けられている点で第1実施形態と異なっている。また、導電部3は、身生地本体2に対して直接的に設けられたものではなく、被覆部4の内面側に対して設けられることで身生地本体2とは間接的な関係となっており、この点も第1実施形態とは異なっている。
その他の構成及び作用効果は第1実施形態と略同様であり、ここでの詳説は省略する。なお、以下に示す種々様々な実施形態についても、第1実施形態又は第2実施形態との顕著な違いについて主に説明するものとし、第1実施形態で説明した構成や作用効果と同じ内容の説明は省略する。
図5(a)は本発明衣類1の第3実施形態を示している。本第3実施形態では、第1実施形態で示した被覆部4が、身生地本体2の全周ではなく、導電部3を含む限られた範囲内だけを覆うように設けられている点で第1実施形態と異なっている。
図5(b)は本発明衣類1の第4実施形態を示している。本第4実施形態では、第1実施形態で示した被覆部4が、導電部3に正対する配置で導電部3との間にポケット状の物品収容部7を形成した状態で設けられている点で第1実施形態と異なっている。
この物品収容部7の外周部には、物品を出し入れ自在にする開口部8を形成させてあり、この開口部8を介して適宜の背圧部材(図示略)を収容できるようにしてある。なお、物品収容部7において開口部8を設ける位置は、上辺や左右の側辺、場合によっては下辺でもよいし、物品収容部7を円形等の方向性を持たない形状とする場合では、周辺部のどこでもよい。
物品収容部7内収容する背圧部材としては、タオルなどの布帛、綿、シュレッダー屑、発泡スチロール、スポンジ、ゴム、シリコン、ウレタン、エアーパック(空気袋)、ジェル封入袋、などを適宜、採用可能である。
このように背圧部材の出し入れ自在な物品収容部7を設けることで、着衣者の体型に合わせて背圧部材の種類や収容量を変更することができ、導電部3の最適な押圧状況を調節することができるという利点が得られる。
なお、本第4実施形態において被覆部4は、第3実施形態と同様に身生地本体2の全周に及ばない範囲だけに設けたものとして図示したが、二点鎖線で示したように、身生地本体2の全周にわたって設けるようにしてもよい。
図5(c)は本発明衣類1の第5実施形態を示している。本第5実施形態では、被覆部4に物品収容部7が形成されていると共に、この物品収容部7内へ詰め物9が封入されて
いる(出し入れ自在ではない)点で第1実施形態と異なっている。
物品収容部7に対する詰め物9の出し入れは想定されていないので(第4実施形態の開口部8に相当するものがない)、導電部3の押圧力を一定にできることや、詰め物9の紛失を防止できるなどの利点が得られる。
図5(d)は本発明衣類1の第6実施形態を示している。本第6実施形態では、被覆部4に物品収容部7が形成されていると共に、この物品収容部7に開口部8が形成されている点で第1実施形態と異なっている。第4実施形態と略同じであるが、本第6実施形態では、物品収容部7がデバイス機器10の収容を予定したものとしてあり、導電部3は、デバイス機器10が有する電極に配置や配置数を合わせてある点で第4実施形態と相違する。
すなわち、本第6実施形態では、デバイス機器10を物品収容部7へ収容することで、デバイス機器10の電極が直接、導電部3を介して着衣者の肌面と接触するようになる。そのため、身生地本体2や被覆部4において、導電部3に対する配線などの対策が不要になる利点が得られる。
図5(e)は本発明衣類1の第7実施形態を示している。本第7実施形態では、被覆部4に対し、導電部3と合致する配置で肉厚を増大させた押圧パッド12が設けられている点で第1実施形態と異なっている。
押圧パッド12は、導電部3へ向く面が導電部3と馴染むように扁平に形成されており、この扁平面とは表裏反対側へ向けて膨出するような形体としてある。なお、押圧パッド12と導電部3との間は接触させてもよいし、非接触とさせても(隙間を生じさせても)よい。また接触させる場合には、接合状態としてもよいし、非接合状態としてもよい。
押圧パッド12は、被覆部4に対して一体に設けることも、又は別体品による後付けで設けることも可能である。押圧パッド12を形成する素材としてはシリコンゴムやウレタンゴムなどによるものとしてもよい。また被覆部4において、押圧パッド12を設ける位置を袋状に形成しておき、この袋内に適宜の詰め物をすることで押圧パッド12を形成させることもできる。
このような押圧パッド12を設けることで、被覆部4において導電部3に対応する部分の伸縮性を一層小さくできるようになり、また導電部3を押圧する部分の硬度を高めさせることができる。これらのことから、導電部3をしっかりと着衣者の肌面へ押圧できる利点が得られる。
図5(f)は本発明衣類1の第8実施形態を示している。本第8実施形態では、被覆部4に対し、導電部3と合致する配置で肉厚を増大させた押圧パッド12が設けられている点で第1実施形態と異なっている。第7実施形態と略同じであるが、本第8実施形態では、押圧パッド12が導電部3へ向けて膨出するような形体で形成されており、この点で第7実施形態と相違する。
押圧パッド12が導電部3へ向けて膨出する形状であるため、被覆部4は、押圧パッド12の両脇が身生地本体2から離反して架橋状となる状況が得られやすくなる。そのため、本第8実施形態では、着衣時において、押圧パッド12による導電部3への背圧を調整し易くなるという利点が得られる。
そのため、着衣者の肌面に対して導電部3の接触圧をソフトにするようなことも可能である。反対に、押圧パッド12による導電部3へ押圧を高面圧接触にすることもできるので、これにより、着衣者に対する導電部3の位置ズレ防止効果を高める等の利点に繋がる。
なお、図示は省略するが、本第8実施形態の押圧パッド12を第6実施形態の物品収容部7で複合的に実施した場合、この押圧パッド12中にデバイス機器10がめり込むような状況を作りだすことができる。従ってこの場合には、デバイス機器10の位置ズレ防止にも効果的となる。
図6(a)は本発明衣類1の第9実施形態を示している。本第9実施形態では、身生地本体2の内周面側(着衣者の肌面へ向く側)に対し、身生地本体2とは別のシート形体に形成された導電部3が接着又は縫着により取り付けられている点で第1実施形態と異なっ
ている。
なお、被覆部4は、身生地本体2の全周に及ばない範囲だけに設けたものとして図示したが、二点鎖線で示したように、身生地本体2の全周にわたって設けるようにしてもよい。
本第9実施形態で示した導電部3は導電糸により製編してシート形体に形成したものである。このような場合、導電部3の外周部には導電糸の糸端が現れることになるので、導電部3の外周部に、熱融着材料又は熱合着材料を用いたほつれ止め処理を施しておくのが好適となる。
このほつれ止め処理は、導電部3の形成に用いた導電糸が編組織の中で交差している部分を固定させる処理であって、このほつれ止め処理を施すことで、導電糸の糸端が浮遊状態となるのを阻止している。すなわち、このほつれ止め処理が施されていることから、導電部3は外周部の辺部が異様に浮き上がることなく、身生地本体2に馴染んで一体状(略フラットな状態)に形成されている。
ほつれ止め処理の実施方法は、導電部3の形成に用いる導電糸に対し、熱融着材料又は熱合着材料の少なくとも一方を混用させ、そのうえで導電部3を製編し、製編後に熱セットを行うという手順とする。
熱融着材料と熱合着材料との差異は、半溶融状態からの冷却により生じる結合力の強弱によって区別すればよく、結合力が強い(熱融着)ものは熱融着材料とし、これよりも結合力が弱い(合着)ものは熱合着材料とする。この区別は明確とは言えず曖昧模糊とした部分を含むが、要は、本発明では熱セットによって導電糸の交差部を結合できる材料であればよいものとおく。従って、伸縮性(弾性)に優れ、加熱によって熱融着し、かつ、熱融着部位においては伸縮性(弾性)が失われることなく、高度の伸縮性(弾性)が保有されるものを用いることができる。
具体的には、熱融着材料又は熱合着材料の代表例として低融点ポリウレタンを挙げることができる。低融点ポリウレタンは、最適例であると言える。その他、ポリエチレンやナイロン(6や66)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ビニル系ポリマー、ポリアミド等の縮合系ポリマーなどを採用可能である。
更なる具体例をとしては、低融点ポリアミド繊維糸、低融点ポリエステル系繊維糸(低融点ポリエステル共重合体繊維糸、低融点脂肪族ポリエステル繊維糸)等が挙げられる。なかでも、低融点ポリエステル系繊維糸が好ましい。
前記低融点ポリエステル共重合体繊維糸を構成する低融点ポリエステル共重合体の好ましい共重合成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキ シカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタ エリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、 2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタ ル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
前記低融点脂肪族ポリエステル繊維糸を構成する低融点脂肪族ポリエステルと しては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレートバ リレート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
前記熱融着性繊維糸の市販品としては、他に、80〜130℃の乾熱や、50〜100℃の湿熱で溶融する低融点ポリアミド繊維糸、例えば、フロール(ユニチカ社製)、エルダー(東レ社製)、ジョイナー(フジボウ社製)等を用いることができる。
また、80〜130℃の乾熱や、50〜100℃の湿熱で溶融する低融点ポリエステル繊維糸、例えば、ソフィット(クラレ社製)、メルティ(ユニチカ社製)、ソルスター(三菱レイヨン社製)、ベルコンビ(鐘紡社製)、エステナール(東洋紡績社製)等を用い
てもよい。
前記熱融着性繊維糸を熱処理して熱融着させる手段としては、湿熱または乾熱による熱処理が用いられる。湿熱処理としては、例えば、蒸気や、熱水、染色浴などの熱液体による処理が挙げられる。乾熱処理としては、例えば、熱風乾燥などによる熱処理などの処理が挙げられる。
なお、精練や染色、ソーピング等の浴中工程を行う場合は、浴中で湿熱処理による熱融着が可能となるため、工程削減にもなり好ましい。この場合の熱処理温度は、好ましい下限が50℃、好ましい上限が100℃である。より好ましい下限としては60℃、さらに好ましい下限は65℃である。
導電糸に対して熱融着材料や熱合着材料を混用させる方法には、導電糸を「芯」とし、熱融着材料製の糸又は熱合着材料製の糸を「カバー」とするカバリング糸(SCYでもDCYでもよい)を用いる方法や、導電糸に熱融着材料製の糸又は熱合着材料製の糸を引き揃える(プレーティング編としてもしなくてもよい)方法などがある。
熱セットでは、加熱された熱融着材料が熱融着を生じたり、熱合着材料が合着を生じたりすることが要因で、導電糸同士の交差部が結合されることになる。この場合、熱セット後の導電糸は、糸表面の一部又は全部に導電成分が露出した状態とすることが求められる。そのため、熱融着材料製の糸又は熱合着材料製の糸としての太さや糸量(本数)、熱セットを行う際の加熱温度などを適宜調整して、導電糸の露出部分を生じさせるようにする。
このようなほつれ止め処理を施すことで、導電部3はその外周部の辺部で導電糸の糸端が浮遊状態に生じないので、糸端による引っ掛かりを防止でき、その結果として導電部3のほつれ止め効果に繋がることなる。また、ほつれ止め効果が得られることで、糸端の延び出しを可及的に短く切断することができることになり、その結果、肌面に接触した際の掻痒感や痛感を可及的に抑止できることになる。加えて、導電糸同士の交差部が熱融着材料や熱合着材料の付着によって被覆されるので、肌面との接触感が緩和されると共に滑りがよくなって、肌触り感の向上にも役立つようになる。
図6(b)は本発明衣類1の第10実施形態を示している。本第10実施形態では、身生地本体2の内周面側に、シート形体に形成された導電部3が取り付けられている点で第1実施形態と異なっている。第9実施形態と略同じであるが、本第10実施形態では、導電部3が身生地本体2とは別に製編した生地15への編み込みによって形成されており、また被覆部4は、身生地本体2の外周全周を取り囲むように設けられている点で第9実施形態と相違する。
なお、導電部3を編み込んだ生地15は、身生地本体2に対して接着又は縫着により取り付けられている。従って、身生地本体2には、導電部3と重なる領域に開口や切れ目等の非連結部16を形成させることができる。言い換えれば、身生地本体2は、必ずしも周方向にシームレスの筒状生地とすることが限定されるものではなく、導電部3の取り付け部位(生地15)を介して筒状に連結するような構造としてもよいことになる。
図6(c)は本発明衣類1の第11実施形態を示している。本第11実施形態は、第9実施形態と第10実施形態を複合的に実施したものと言うことができる。すなわち、導電部3は、外周部にほつれ止め処理が施されたシート形体に形成されたうえで、身生地本体2の内周面側に接着又は縫着により取り付けられ、被覆部4は、身生地本体2の外周全周を取り囲むように設けられている。
また、身生地本体2には、導電部3と重なる領域に開口や切れ目等の非連結部16が形成され、導電部3の取り付け部位を介して筒状に連結するような構造としてある。
本第11実施形態では、導電部3が身生地本体2とは別に製編された生地20に対して接着又は縫着により取り付けられたうえで、この生地20を介して身生地本体2に接着又は縫着により取り付けられるようになっており、この点で、生地15へ導電部3を編み込んだ第10実施形態と相違する。
図6(d)は本発明衣類1の第12実施形態を示している。本第12実施形態では、身生地本体2の周方向の一部が被覆部4を兼ねる構成とされている点で第1実施形態と異な
っている。すなわち、被覆部4は身生地本体2と一体に設けられている。
具体的に言えば、本第12実施形態では、導電部3が身生地本体2とは別に製編した生地15への編み込みによって形成されており、この生地15が身生地本体2の内周面(着衣者の肌側を向く面)に接着又は縫着により取り付けられている。そして、身生地本体2は、少なくとも生地15(導電部3)と重なる領域が、生地15に比べて周方向への伸縮性が小さくなるように(緊締力が強くなるように)製編用繊維素材の選出、編組織の選出、挿入する弾性糸の選出などが行われたうえで製編されている。
なお、身生地本体2において、被覆部4と兼用させる領域だけについて伸縮性を小さくするか、又はそれ以上(全周を含む)とするかは適宜選択できる。
導電部3と被覆部4(身生地本体2)との間には必然的に空間23が生じるので、この空間23を、第4実施形態(図5(b))で説明した物品収容部7の開口部8として利用することもできる。
図6(e)は本発明衣類1の第13実施形態を示している。本第13実施形態では、身生地本体2の周方向の一部が被覆部4を兼ねる構成とされている点で第1実施形態と異なっている。第12実施形態と略同じであるが、本第13実施形態では、導電部3と被覆部4(身生地本体2)との間に設けられる空間23に詰め物9が封入されている点で第12実施形態と相違する。なお、詰め物9については第5実施形態(図5(c))を参照のこと。
図6(f)は本発明衣類1の第14実施形態を示している。本第14実施形態では、身生地本体2の周方向の一部が被覆部4を兼ねる構成とされている点で第1実施形態と異なっている。第12実施形態と略同じであるが、本第14実施形態では、導電部3と被覆部4(身生地本体2)との間に設けられる空間23にデバイス機器10の収容を予定している点で第12実施形態と相違する。なお、デバイス機器10を収容する点(導電部3の配置など)については第6実施形態(図5(d))を参照のこと。
図7は、導電部3における導電面3aの外周部(即ち、着衣者の肌面へ向く面)に対して、着衣者へ向けて滑り止め材25を設けた例を示している。このような滑り止め材25を設けておけば、導電部3が着衣者の肌面に対して位置ズレし難くなり、好適である。このような滑り止め材25は、前記した第1〜第14実施形態のいずれに対しても、複合的に実施可能である。
滑り止め材25は、導電面3aのまわりで弾性糸を表出させることで形成することができる。グリップ性を高める目的で、必要に応じて熱セット処理を施すようにしてもよい。また、弾性糸に代えて、グリップ性が発現する樹脂材やインク材を吹き付け、塗布、印刷、刷り込み(生地中を透過させて刷込面とは反対側面へ点在状に表出させる方法)などの手法で固着させるようにしてもよい。
図8は本発明衣類1の第15実施形態を示している。本第15実施形態では、身生地本体2における周方向の一部に開口や切れ目等の非連結部16が形成されており、この非連結部16を繋ぐような配置で、身生地本体2とは別のシート形体に形成された導電部3が接着又は縫着により取り付けられている点で第1実施形態と異なっている。
本第15実施形態において、被覆部4は、身生地本体2の外周全周を取り囲むように設けられている
なお、本第15実施形態においても、滑り止め材25(図7参照)を複合的に実施することは可能である。
図9は、身生地本体2に対してポケット状の被覆部4を設けるに際して、このポケット状被覆部4の配置例を示している。ポケット状の被覆部4とは、物品収容部7(図示略)を兼ねたものを言い、導電部3との配置関係などの詳細については、第4実施形態(図5(b))や第6実施形態(図5(d))を参照のこと。
図9では、被覆部4が着衣者の胸部に対応させた左右2箇所と、心臓の高さに対応させた左右2箇所との合計4箇所に配置されているものとした。言うまでもなく、それぞれの被覆部4に対応して導電部3(図示略)が設けられている。
図10は、身生地本体2の周方向の一部が被覆部4を兼ねた構成とするに際して、この
被覆部4の配置例を示している。身生地本体2の一部で被覆部4を兼用させるためには、身生地本体2の内周面側(着用者の肌面へ向く側)に、導電部3を備えた生地15を設ける必要がある。この生地15や導電部3との配置関係などの詳細については、第12実施形態(図6(d))や第14実施形態(図6(f))を参照のこと。
図11は、身生地本体2に対して、着衣者の肌面へ向く面と外面との間を多孔構造又は網目構造によって貫通させる通気部27が設けられた例を示している。このような通気部27を設けることで、本発明衣類1を着用した状態で運動などの動作をしつつ導電部3からのデータ採取を行う場合などにあって、着衣者の発汗を促し、身体に過負荷が作用しないようにする。そのため、採取データとして、着衣者の体質や体力、或いはデータ採取環境などの外乱に影響されない正確なものを得ることができて有益となる。
このような通気部27は、身生地本体2を製編する際に目移しやレース編などを採り入れることにより実現できる。場合によっては、目移しやレース編などによって製編した別生地をはじめ、多孔生地(不織布製のものを含む)やアミ材などを身生地本体2に対して接着や縫着により取り付けるようにしてもよい。
通気部27の配置や配置数などは、衣類形体や導電部3の配置状況などに応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
図12は、身生地本体2としての別例を示している。図例では、ハーフパンツタイプの下衣としている。このような場合、導電部3及び被覆部4は着衣者の大腿や腰、臀部などに対応させて配置することができる。
ところで、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて更に適宜変更可能である。
例えば、導電部3は導電面3aをヒーターとして使用するようなこともできる。
身生地本体2は、着用者の胴部、首、腕、指、脚などに通す円筒状、テーパ筒状、ひょうたん筒状などとしてもよい。また、これらの場合、必ずしも周方向でシームレスにすることが求められるものではなく、身生地本体2を帯状に形成して着用者の対象部位へ巻き付けるようにすることも可能である。巻き付け状態を維持させるうえでは、周方向で巻き付けるベルト止めとする他、紐止め、ボタン止め、ホック止め、面ファスナー止め、線ファスナー止めなど、各種の止め付け方法を採用することが可能である。必要に応じて、止め付け時の周長(筒径)を可変にするためのアジャスト機能を備えさせてもよい。
導電部3についても、心電図や筋電図等のデータ採取、或いは電気治療や電磁波治療などを行う部位に応じて、身生地本体2に対する配置や形状、大きさ、配置数などを適宜変更可能であることは言うまでもない。
前記各実施形態において、身生地本体2又は身生地本体2とは別の生地15,20に対して導電糸を編み込むことで導電部3を形成させることに代えて、身生地本体2又は身生地本体2とは別の生地15,20に導電糸を縫製(刺繍)することで導電部3を形成させたり、或いは身生地本体2又は身生地本体とは別の生地15,20に対して導電性インクを用いた捺染を行って導電部3を形成させたりする方法を採用してもよい。
1 伸縮性衣類(本発明衣類)
2 身生地本体
3 導電部
3a 導電面
4 被覆部
7 物品収容部
8 開口部
9 詰め物
10 デバイス機器
12 押圧パッド
15 生地
16 非連結部
20 生地
23 空間
25 滑り止め材
27 通気部

Claims (8)

  1. 着衣者の動きに追随及び回復する程度に伸縮性を備えた身生地本体と、
    前記身生地本体において着衣者の肌面へ向ける配置で導電面が設けられた導電部と、を有しており、
    前記導電部は、前記導電面と表裏反対向きとされる面が被覆部によって覆われていると共に、
    この被覆部は着衣時における前記身生地本体の伸長に追随して前記導電部を着衣者の肌面へ弾性押圧する状態で前記身生地本体に一体又は別付けにより設けられていること
    を特徴とする導電部を備えた伸縮性衣類。
  2. 前記導電部は、前記身生地本体に対する編み込みによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
  3. 前記導電部は、前記身生地本体とは別のシート形体に形成されて前記身生地本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
  4. 前記身生地本体は、着衣者の身長方向に沿った縦伸縮と着衣者の胴回り方向に沿った横伸縮とを生じる伸縮性のうち縦伸縮では着衣者の動きに滑りを生じさせる締め付け力を有し、縦伸縮では着衣者の動きを妨げることがない程度の弱い弾性抵抗を有し、横伸縮では当該身生地本体を着用者に完全にフィットさせ、ずれなくするための強い弾性抵抗で強い締め付け力を発現し肌面への押圧を高めたものとされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
  5. 前記被覆部は、前記導電部との間に物品収容部を形成させ且つ当該物品収容部の外周部に物品を出し入れ自在にする開口部を形成させて設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
  6. 前記被覆部には、前記導電部と合致する配置で肉厚を増大させた押圧パッドが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
  7. 前記導電部には、前記導電面の外周部で着衣者へ向けて滑り止め材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
  8. 前記身生地本体には、着衣者の肌面へ向く面と外面との間を貫通させる通気部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の導電部を備えた伸縮性衣類。
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