JP2017030852A - 紙容器用紙製スリーブ及び紙容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一周する一続きの曲面を有し、この曲面にエンボス加工を施すことにより略同形状のセル(ダイヤセル30)が隙間なく連なって形成された紙容器用の紙製スリーブ(外スリーブ3)であって、前記各セル(ダイヤセル30)は、複数の平面(上面31,下面32,左面33,右面34)が異なった角度で交差する表面形状を有した突起を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
先ず、図1〜図5を用いて、本発明の実施形態に係る紙容器について説明する。図1に示すように、本発明の実施形態に係る紙容器1は、上方に向かって拡径する逆円錐台状の側周面を有する紙基材を主体とする内カップ2と、この内カップ2の側周面の外周に巻着された外スリーブ3などから構成されている。
図1、図2に示すように、内カップ2は、紙基材を主体とする紙積層体から上方に向かって拡径する逆円錐台状に成形された胴部20と、同様に紙積層体から円板状に成形され、胴部20の下端付近に止め付けられた底部21など、から構成されている。
次に、本発明の実施形態に係る紙容器用紙製スリーブである外スリーブ3について説明する。図3は、外スリーブ3のみを展開して一部を省略して示す正面図である。外スリーブ3は、図3等に示すように、紙基材から扇状に切断されたブランクからエンボス加工により四角垂状の表面形状を呈した略同形状の突起であるダイヤセル30が隙間なく連なって形成(連設)されている。本実施形態では、一周32個のダイヤセル30が5段に亘り形成されている。また、本実施形態では突起の先端は容器外側を向いているが、容器内側に向いていても良い。
図4は、この外スリーブ3の第1実施形態に係るダイヤセル30の1つを拡大して示す図であり、(a)が正面図、(b)が鉛直断面図である。この第1実施形態に係るダイヤセル30の表面形状は、図1等に示すように、それぞれ三角形状の複数の異なった角度で交差する平面からなり、図4(a)に示すように、上面31と、下面32と、左面33と、右面34から構成されている。
次に、図5を用いて、前述の第1実施形態に係るダイヤセル30の別例である第2実施形態に係るダイヤセル30’について説明する。ダイヤセル30’がダイヤセル30と相違する点は、その突起の突出高さ等だけであるので、その点について主に説明し、その他は、説明を省略する。
次に、図6〜図10を用いて、アイキャッチ性(視認性)の人間工学的な定量化の一手法として外スリーブ(紙容器)の輝度差を測定する輝度測定方法を説明する。
先ず、図6、図7を用いて、輝度測定装置について説明する。輝度測定装置は、内部を一定照度に保つことが可能なドーム照明Dと、このドーム照明D内に設置された測定対象であるワークWを撮影するカメラCaと、このカメラCaで撮影した画像を解析するコンピュータPCと、ドーム照明Dに電気的に接続する直流電源DCなど、から構成されている。この輝度測定装置は、極力不必要な反射を防ぐため黒色の台上に設置される。
ドーム照明Dとしては、シーシーエス株式会社製の型番HPD−250SWのドーム照明を用いた。このドーム照明Dは、内径:105mm×外径:133mm×高さ:131.5mmで頂部に撮影用の直径50mmの孔が穿設された照明であり、面発光により内部の照度を一定に保つことができる構造となっている。
カメラCaは、半導体素子からなるCCDイメージセンサを搭載したCCDカメラであり、35°の角度レンズが装着され、三脚等に吊り下げられることにより、台上からCCDイメージセンサまでの距離が760mmとなる高さに設置されている。
コンピュータPCは、後述のソフトが動作可能な一般的なコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)であれば良く、前述のカメラCaを制御する録画像ソフト((有)HI−LAND製 ソフト名:ELF)と、撮影した画像を解析・加工する解析ソフト((有) HI−LAND製 ソフト名:Analysis)がインストールされている。
また、輝度の測定対象であるワークWとしては、突起の突出高さやカットが相違する前述のダイヤセル30と略相似形のエンボス加工が施された前述の外スリーブ3と同様の5サイズの外スリーブのブランクと、エンボス加工が施されていない外スリーブのブランクと、従来の互いに離間した飛び飛びの曲面エンボス加工が施された外スリーブのブランクの、計7種類を、原紙メーカ2社分それぞれ用意した。なお、原紙メーカによりエンボス加工の突起の高さも微妙に相違しているため、用意したワークWは、全部で13種類となっている。
輝度の測定は、前述の輝度測定装置を用いて、照明をつけずにドーム照明D外の環境を暗くするとともに、ドーム照明D内の照度を1100ルクス(lux)に設定して、録画像ソフトを用いコンピュータPCを介してカメラCaを制御し、シャッタースピードを1/250秒、ゲイン(Gain)0dB(デシベル)にコントロールして撮影した。また、撮影対象であるワークWを、ドーム照明D内に水平面に対して0,30,60°で傾斜させた状態でそれぞれ種類ごと10回ずつ撮影した。
この輝度測定方法で測定した結果を加工写真にして図9に示す。カラー写真をグレースケール化しているので、少し判別しにくいが、基本的に、図9において、色が濃い程輝度が高いと判定(測定)されている。図9から明らかなように、ワークWを60°で傾斜して測定した場合が輝度差(コントラスト)が大きいことが判る。
次に、ダイヤセルの上面と内カップの側周面(胴部)の交差角度と、アイキャッチ性(視認性)との関連性について考察した点を説明する。図11は、紙容器の内カップに対するセル上面の交差角度と照明の反射角度の関係を示す反射角度説明図である。
2x≦180−cとなる。また、三角形の内角の和は、180°であることから、前述の仮定より、x=90−b+aである。
次に、空間周波数特性を考慮してエンボス加工によるセルの大きさとアイキャッチ性(視認性)との関連性について考察した点を説明する。
2 :内カップ
20 :胴部
21 :底部
3 :外スリーブ(スリーブ)
30,30’ :ダイヤセル
31,31’ :上面
32,32’ :下面
33,33’ :左面
34,34’ :右面
D :ドーム照明
Ca :カメラ
PC :コンピュータ
DC :直流電源
W :ワーク
Claims (6)
- 一周する一続きの曲面を有し、この曲面にエンボス加工を施すことにより略同形状のセルが隙間なく連なって形成された紙容器用の紙製スリーブであって、
前記各セルは、複数の平面が異なった角度で交差する表面形状を有した突起を備えていること
を特徴とする紙容器用紙製スリーブ。 - 前記表面形状は、交差する平面同士の交差角度が20°以上であること
を特徴とする請求項1に記載の紙容器用紙製スリーブ。 - 面発光で内部を一定照度に保つことが可能なドーム照明内に水平面に対して60°傾斜した状態で設置され、前記ドーム照明内の照度を1100ルクスに設定したときに、前記ドーム照明の中央上方から測定した前記表面形状で反射する前記各セル内の最高輝度点と最低輝度点との輝度差が50cd/m2以上となっていること
を特徴とする請求項1又は2に記載の紙容器用紙製スリーブ。 - 前記各セルの最高輝度点と最低輝度点の間隔が6mm以上14mm以下となっていること
を特徴とする請求項3に記載の紙容器用紙製スリーブ。 - 上方に向かって拡径する内カップの外周に前記請求項1ないし4のいずれかに記載の紙容器用紙製スリーブが巻着されていることを特徴とする紙容器。
- 前記内カップの側周面が鉛直面となす傾斜角度をa°、前記各セルの前記表面形状を形成する最上面が前記内カップの側周面となす交差角度をb°、光源の中心線が水平面となす照明角度をc°とした場合、交差角度bが次式を満たすこと
を特徴とする請求項5に記載の紙容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015156159A JP2017030852A (ja) | 2015-08-06 | 2015-08-06 | 紙容器用紙製スリーブ及び紙容器 |
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Family Applications (1)
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2015
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