JP2017030722A - 車両制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ABS制御やTCS制御などの車両の走行状態の制御を効果的に行う方法を提供する。【解決手段】加速度検出手段により検出した車両の加速度と車輪速検出手段で検出した車輪速度とを用いて車輪のブレーキ圧を制御する際に、前記車輪にブレーキ圧が作用していない状態で、当該車両の走行する路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数μを推定し、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いて、タイヤの目標スリップ率もしくは路面摩擦係数の最大値を設定し、前記車両の加速度と、前記車輪速度と、前記タイヤの目標スリップ率もしくは路面摩擦係数の最大値に応じて、前記車輪に作用するブレーキ圧を算出するようにした。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、ABS制御やTCS制御などの車両の走行状態を制御する方法に関するものである。
従来、ABS(Antilock Brake System)制御においては、車両の減速度と車輪速度から算出した目標車輪速度に基づいて、スリップ率が予め設定された目標スリップ率になるように、ブレーキ圧を制御する方法が行われている。
ところで、図4(b)のタイヤ特性図に示すように、タイヤと路面との間の摩擦係数(路面摩擦係数μ)は、路面状態とスリップ率sとに依存する。
従来は、車体減速度と車輪速度とから車体速度を推定し、この推定車体速度と車輪速度とを用いて推定路面摩擦係数μを推定し、この推定された路面摩擦係数μを用いて、目標スリップ率stargetを補正するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−106516号公報
しかしながら、従来のABS制御では、制動開始からの車体減速度、もしくは、車輪加速度を用いて路面摩擦係数μを推定しているため、推定している間は、有効な制動力を発揮できず、その結果、制動距離が長くなってしまうといった問題点があった。
また、TCS(Traction Control System)制御や自動操舵制御などにおいても、路面摩擦状態に応じた適切な車両制御が望まれている。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、例えば、ABS制御やTCS制御などの車両の走行状態の制御を効果的に行う方法を提供することを目的とする。
本発明は、加速度検出手段により検出した車両の加速度と車輪速検出手段で検出した車輪速度とを用いて車輪のブレーキ圧を制御する車両制御方法であって、前記車輪にブレーキ圧が作用していない状態で、当該車両の走行する路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を推定する第1のステップと、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いて、タイヤの目標スリップ率もしくは路面摩擦係数の最大値を設定する第2のステップと、前記車両の加速度と、前記車輪速度と、前記タイヤの目標スリップ率もしくは路面摩擦係数の最大値に応じて、前記車輪に作用するブレーキ圧を算出する第3のステップとを備えることを特徴とする。
このように、車輪に作用するブレーキ圧を、ブレーキ圧が作用する前に推定した路面摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数に応じて算出したブレーキ圧とすれば、車両制御を迅速にかつ適正に行うことができる。
また、前記第2のステップでは、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いてタイヤの目標スリップ率を設定し、前記第3のステップでは、前記車輪速度を時間微分して車輪加速度を算出するとともに、前記算出された車輪加速度と予め設定された閾値とを比較し、前記算出された車輪加速度が予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記タイヤのスリップ率が前記目標スリップ率になるように、各車輪のブレーキ圧を制御したので、制動力を有効に発揮することができ、短い制動距離を実現できる。
また、前記第2のステップでは、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いてタイヤの目標スリップ率を設定し、前記第3のステップでは、前記車輪速度を時間微分して車輪加速度を算出して、前記算出された車輪加速度と予め設定された閾値とを比較し、前記算出された車輪加速度が予め設定された閾値よりも大きい場合には、各車輪に作用する駆動トルクが、予め設定された駆動トルクになるように、各車輪のブレーキ圧と駆動力のいずれか一方または両方を制御したので、迅速かつ適正な加減速を行うことができる。
また、前記第2のステップでは、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いて路面摩擦係数の最大値を設定し、前記第3のステップが、前記車両の前方に障害物があるか否かを判定するステップと、緊急制動するか否かを判定するステップと、緊急制動する場合に、当該車両の進行方向と、前記車両加速度と、前記車輪速度と、前記設定された路面摩擦係数の最大値と、前記障害物までの距離とに基づいて、前記車輪に作用するブレーキ圧を算出するステップとを備えたので、車両を障害物の手前で確実に停止させることができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
ABS制御システムの機能ブロック図である。 路面状態推定装置の構成を示す図である。 ABS制御システムの概略構成図である。 スリップ率sと摩擦係数μとの関係を示す図である。 ABS制御方法のフローチャートである。 ABS制御時の車体速度と車輪速の時間変化を示す図である。 TCS制御システムの機能ブロック図である。 TCS制御方法のフローチャートである。 本発明によるTCS制御の実施例を示す図である。 TCS制御方法の他の例を示すフローチャートである。 自動運転操舵システムの機能ブロック図である。 自動運転操舵方法のフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係るABS制御システム100の機能ブロック図で、ABS制御システム100は、路面状態推定装置10と、車体加速度検出手段21と、車輪速センサ22と、車体速度推定手段23と、ABS制御部30と、ブレーキ装置40と、ブレーキ圧検出手段45とを備え、スリップ率が目標スリップ率になるようにブレーキ油圧を制御して、制動時の車輪のロックを防止する。
路面状態推定装置10は、図2に示すように、タイヤに入力する振動を検出する振動検出手段11と、検出されたタイヤ振動を時系列に配列した振動波形を検出する振動波形検出手段12と、振動波形のデータを、踏み込み領域と蹴り出し領域との2つの領域のデータに分割し、各領域における振動レベルのの時系列波形ををそれぞれ抽出する信号抽出手段13と、各時系列波形を周波数分析するFFTアナライザーなどの周波数分析手段14と、各領域の周波数スペクトルの所定周波数帯域における振動レベルを算出する振動レベル算出手段15と、算出された蹴り出し振動レベルに対する踏み込み振動レベルの比Rを算出する振動レベル比算出手段16と、予め求めておいた路面摩擦係数μと振動レベル比Rとの関係を示すμ−Rマップ17Mを記憶する記憶手段17と、算出された振動レベル比Rとμ−Rマップ17Mとから車両1の走行している路面の路面摩擦係数μを推定する路面状態推定手段18とを備える。
振動波形検出手段12〜振動レベル比算出手段16、及び、路面状態推定手段18の各手段は、演算プログラムであって、コンピュータのソフトウェアにより構成され、記憶手段17は、RAMなどの記憶装置から構成される。
本例では、振動検出手段11を加速度センサとするとともに、この加速センサを、タイヤトレッドのインナーライナー部のタイヤ気室側のほぼ中央部に配置して、当該タイヤに入力するタイヤ周方向振動を検出するようにしている。
車体加速度検出手段21は、図3に示すように、車両1の車体2側に配置されて、車両前後方向の加速度Gxを検出する。ABS制御時には、車両1は減速されるので、加速度Gxは(−)、すなわち、減速度となる。車体加速度検出手段21としては、加速度センサが好適に用いられる。
車輪速センサ22は、車輪3の回転速度(以下、車輪速Vwheelという)を検出するもので、例えば、外周部に歯車が形成され車輪とともに回転するローターと、このローターと磁気回路を構成するヨークと、磁気回路の磁束変化を検出するコイルとを備え、車輪の回転角度を検出する周知の電磁誘導型の車輪速センサなどを用いることができる。車輪速センサ22は、各車輪3(3FL,3FR,3RL,3RR)にそれぞれ設けられる。
車体速度推定手段23は、車体加速度検出手段21で検出した減速度GBRKと、4輪の車輪速のうちの最も大きい車輪速Vwheelとから、車両1の走行速度(車体速度Vest)を推定する。
ABS制御部30は、目標スリップ率算出手段31と、スリップ率算出手段32と、最大スリップ率取得手段33と、目標油圧補正手段34と、ブレーキ圧制御手段35とを備える。
目標スリップ率算出手段31は、推定された路面摩擦係数μestを用いて、ABSの目標油圧Ptargetと目標スリップ率stargetとを設定する。
具体的には、図4(a)に示すような、目標油圧Ptargetと路面摩擦係数μとの関係を示すμ−Pマップから、路面摩擦係数μestに対応する油圧Pを求め、これをABS制御の目標油圧Ptargetとするともに、図4(b)に示すようなタイヤ特性図から、ピーク値がμestに最も近いμ−s特性曲線上におけるピークμに対応するスリップ率sを求め、これを目標スリップ率stargetとする。
スリップ率算出手段32は、車体速度推定手段23で推定した車体速度(推定車体速度Vest)と車輪速センサ22で検出した車輪速度Vwheelとから、以下の式[数1]を用いてスリップ率sを算出する。
Figure 2017030722
式(1)が制動時のスリップ率で、式(2)が駆動時のスリップ率である。
ABS制御では、上記式(1)を用いてスリップ率sを算出する。
最大スリップ率取得手段33は、ブレーキ減圧後に得られるスリップ率sのうち、値が最も大きいスリップ率を最大スリップ率smaxとして取得する。
目標油圧補正手段34は、最大スリップ率取得手段33で取得された最大スリップ率smaxに応じて、目標スリップ率算出手段31で設定した目標油圧Ptargetの値を補正する。
ブレーキ圧制御手段35は、ブレーキ圧の保持、減圧、増圧を指示する制御信号(油圧制御信号ABSmode)をブレーキ装置40に送ることで、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRに作用するブレーキ圧を制御する。
目標スリップ率算出手段31〜ブレーキ圧制御手段35の各手段は、制御及び演算プログラムであって、コンピュータのソフトウェアにより構成される。本例では、図3に示すように、ABS制御部30のCPU30aが、ROM30bに記憶されている制御及び演算プログラムをRAM30cに展開し、ブレーキ装置40に油圧制御信号を送ってブレーキ圧を制御する。
ブレーキ装置40は、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRのそれぞれに設けられたブレーキ41と油圧制御弁42とを備え、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRに作用するブレーキ圧を制御する。
本例では、ブレーキ41として、ディスクブレーキを用いた。
ディスクブレーキは、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRにそれぞれ設けられた油圧制御弁42によりブレーキ油圧を制御して、ブレーキキャリパー41aに設けられたブレーキパット41bを図示しないホイールに取付られたブレーキディスク41cに押し付けることで、車輪3の回転速度を減速させる。
ブレーキ圧検出手段45は、各車輪3FL,3FR,3RL,3RRのブレーキラインに取付けられてブレーキキャリパーのシリンダ圧Pを計測する。
なお、マスタシリンダ圧からモデル化した油圧システムを計算することでブレーキ圧Pを取得してもよい。
次に、本実施の形態1に係るABS制御方法について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、路面状態推定装置10にて路面摩擦係数の推定値(以下、路面摩擦係数μestという)取得(ステップS101)した後、路面摩擦係数μestを用いて、ABSの目標油圧Ptargetと目標スリップ率stargetとを設定する(ステップS102)。
次に、目標油圧Ptargetと各車輪3のブレーキキャリパーのシリンダ圧Pとを比較し(ステップS103)、シリンダ圧Pが目標油圧Ptargetを超えた場合には、車輪3がロック状態に移行する(制動動作が、通常の制動からABS制御に移行する)可能性があるので、目標油圧Ptargetを維持する(油圧制御ポートを保持モードに設定する)。
一方、制動が開始されていない状態、もしくは、制動が開始されてもシリンダ圧Pが目標油圧Ptarget以下である場合には、目標油圧Ptargetとシリンダ圧Pとの比較を継続する。すなわち、シリンダ圧Pが目標油圧Ptarget以下である場合には、ブレーキ圧が小さいため、車輪3がロック状態に移行することがないので、ステップS103の動作を継続する。
次に、車輪速センサ22で検出された車輪速度Vwheelを時間微分して車輪加速度dVwheelを取得し、この車輪加速度dVwheel(<0)と予め設定された閾値TBwheel(<0)とを比較する(ステップS105)。車輪加速度dVwheelが閾値TBwheelよりも小さい場合には、車輪に作用するブレーキ圧が大きく車輪がスリップする可能性があると判定して、ABS制御動作を開始する(ステップS106)。
一方、車輪加速度dVwheelが閾値TBwheel以上である場合には、ブレーキ圧が適正に作用しており、ABSを作動させる必要がないと判定し、ステップS103の動作である目標油圧Ptargetとシリンダ圧Pとの比較を継続する。
ABS制御では、まず、推定された車体速度Vestと検出された車輪速度Vwheelからスリップ率sを算出するとともに、このスリップ率sとステップS102で設定した目標スリップ率stargetとを比較する(ステップS107)。算出されたスリップ率sが目標スリップ率stargetを超えた場合には、ステップS108に進んで、車輪3のブレーキ圧を減圧する。具体的には、油圧制御ポートを減圧モードに設定するとともに、減圧を指示する油圧制御信号ABSmodeをブレーキ装置40に送って、車輪3のブレーキ圧を減圧する。算出されたスリップ率sが目標スリップ率starget以下である場合には、スリップ率sが目標スリップ率stargetを超えるまで、スリップ率sと目標スリップ率stargetとの比較動作を継続する。
次に、スリップ率sが減少したか否かを判定し(ステップS109)、スリップ率sが減少した場合には、ステップS110に進んで、最大スリップ率smaxを取得する。具体的には、ブレーキ減圧前のスリップ率をsn-1とし、ブレーキ減圧後のスリップ率をsnとしたとき、sn−sn-1>0ならステップS110に進み、ブレーキ減圧後に得られるスリップ率sk(k=1〜n)のうち、値が最も大きいスリップ率を最大スリップ率smaxとして取得する。一方、sn−sn-1≦0なら、ステップS108に戻って、車輪3のブレーキ圧を減圧する。
次に、取得された最大スリップ率smaxを用いてステップS102で設定したABSの目標油圧Ptargetを再設定する(ステップS111)。再設定された目標油圧をP1targetとすると、P1targetは、以下の式[数2]で表わせる。
Figure 2017030722
ここで、P1gainは予め設定された第1の目標油圧調整用ゲイン、stargetは目標スリップ率である。starget<smax、P1gain<1なので、P1target<Ptargetである。すなわち、ステップS109において、スリップ率sが減少したと判定された場合には、目標油圧Ptargetを低めに再設定する。
目標油圧PtargetをP1targetに再設定した後には、ステップS112に進んで、油圧制御ポートを増圧モードに設定するとともに、増圧を指示する油圧制御信号ABSmodeをブレーキ装置40に送って、車輪3のブレーキ圧を増圧する。
次に、推定された車体速度Vestと予め設定された閾値Tvとを比較し(ステップS113)、車体速度Vestが閾値Tv未満である場合には、ステップS114に進んで、車両1が停止しているか否かを判定する。車両1が停止しているか否かの判定は、推定された車体速度Vestを用いて行う。
ステップS114において、車両1が停止していると判定された場合には、本処理を終了する。また、車両1が停止していないと判定された場合には、車両1が停止するまで車両停止の判定動作を継続する。
一方、ステップS113において、推定された車体速度Vestが閾値Tv以上である場合には、ステップS115に進んで、制動力が不足しているか否かを判定する。具体的には、スリップ率sが、目標スリップ率stargetと不感帯Tsとの差(starget−Ts)を下回っている場合には制動力が不足していると判定し、スリップ率sがstarget−Ts以上の場合には制動力が不足していないと判定する。
制動力が不足していると判定された場合には、ステップS116に進んで、目標油圧P1targetを更に高く設定した後、ステップS112に戻る。再設定された目標油圧をP2targetとすると、P2targetは、下の式で表せる。
P2target=P1target×P2gain
なお、ステップS112に戻る際には、目標油圧P1targetの値を、新たな目標油圧P2targetの値に置き換える。
制動力が不足していないと判定された場合には、スリップ率sが、目標スリップ率stargetと不感帯Tsとの和(starget+Ts)を上回っているか否かを判定することで、制動力が過剰であるか否かを判定する(ステップS117)。
制動力が過剰であると判定された場合には、ステップS108に戻って、車輪3のブレーキ圧を減圧する。
一方、制動力が過剰でないと判定された場合には、ステップS113に戻って、推定された車体速度Vestと予め設定された閾値Tvとを比較する。
そして、このような操作を車両1が停止するまで行うことで、ABS制御を効果的に行うことができる。
なお、ABS制御中に、車両1が路面摩擦状態の異なる路面に進入した場合には、ステップS102に戻って、新たに取得した路面摩擦係数μestを用いて、ABSの目標油圧Ptargetと目標スリップ率stargetとを再設定すればよい。
なお、車両1が路面摩擦状態の異なる路面に進入したか否かの判定ステップは、ステップS111のABSの目標油圧Ptargetの再設定操作の後段に設ければよい。
このように、本実施の形態1では、車輪3に制動力が作用していない状態で路面摩擦係数μを推定することのできる路面状態推定装置10で推定した路面摩擦係数μestを用いて、目標油圧Ptargetと目標スリップ率stargetとを設定するとともに、車輪速Vwheelを時間微分して得られた車輪加速度dVwheelの大きさが予め設定した閾値TBwheel未満である場合に、ABS制御を開始するようにしたので、制動力を有効に発揮することができ、短い制動距離を実現できる。
図6(a),(b)は、車両をWET路面で一定速度で走行させた後に急ブレーキをかけるとともに、ABSによりブレーキ圧を制御したときの推定車体速度Vest[km/h]と車輪速Vwheel[km/h]の時間変化を示す図で、(a)図がABS制御ループ開始後に路面判定を行う従来のABS制御、(b)図がブレーキ圧が作用していない状態で路面判定を行った本発明によるABS制御である。
各図において、横軸は時間[sec]で、急ブレーキをかけた時刻がt=0である。また、縦軸は推定車体速度Vest[km/h]と車輪速Vwheel[km/h]の大きさで、太い実線が推定車体速度Vest、細い実線が車輪速Vwheelである。
図6(a),(b)から明らかなように、本発明をABS制御に適用した場合には、従来のABS制御に比較して、車輪速Vwheelの変動が小さく、かつ、急ブレーキをかけてから車両が停車する間での時間が短縮されていることがわかる。
これにより、車輪3に作用するブレーキ圧を、ブレーキ圧が作用する前に推定した路面摩擦係数μestに応じて算出したブレーキ圧とすれば、制動力を有効に発揮することができ、短い制動距離を実現できることが確認された。
実施の形態2.
図7は、本実施の形態2に係るTCS制御システム200の機能ブロック図で、TCS制御システム200は、路面状態推定装置10と、車体加速度検出手段21と、車輪速センサ22と、車体速度推定手段23と、TCS制御部50と、ブレーキ装置40と、駆動装置60と、制御トルク値検出手段65とを備える。
駆動装置60は、エンジン、もしくは、モータから構成される。
TCS制御部50は、目標スリップ率算出手段31と、スリップ率算出手段32と、制御トルク値判定手段51と、制駆動力判定手段52と、ブレーキ制御手段53と、駆動力制御手段54とを備える。
路面状態推定装置10、車体加速度検出手段21、車輪速センサ22、車体速度推定手段23、TCS制御部50の目標スリップ率算出手段31とスリップ率算出手段32、及び、ブレーキ装置40は、実施の形態1と同構成であるので、説明を省略する。
TCS制御部50の制御トルク値判定手段51は、制御トルク値検出手段65で検出された制御トルクTRQの大きさとドライバーの要求トルクTRQdesとを比較して、車輪のスリップの有無を判定する。
制駆動力判定手段52は、目標スリップ率算出手段31で算出した目標スリップ率stargetと、スリップ率算出手段32で算出したスリップ率sとを比較して、制動力が不足しているか否か、もしくは、駆動力が不足しているか否かを判定する。
スリップ率sは、制動時には前記[数1]の式(1)を用いて算出し、駆動時には式(2)を用いて算出する。
なお、推定車体速度Vestと車輪速度Vwheelとを比較したすべり速度から、制駆動力の過不足を判定することも可能である。
ブレーキ制御手段53は、制動力が不足している場合にはブレーキを作動させ、駆動力が不足している場合にはブレーキを開放する油圧制御信号BRmodeをブレーキ装置40に送る。
駆動力制御手段54は、制動力が不足している場合には動力出力を減少させ、駆動力が不足している場合には動力出力を増加させる動力制御信号POWmodeを駆動装置60に送る。
次に、本実施の形態2に係るTCS制御方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、路面状態推定装置10にて路面摩擦係数μestを取得(ステップS201)した後、路面摩擦係数μestを用いて、目標スリップ率stargetを設定する(ステップS202)。
次に、車輪速センサ22で検出された車輪速度Vwheelを時間微分して車輪加速度dVwheelを取得し、この車輪加速度dVwheelと予め設定された閾値TAwheelとを比較し(ステップS203)、車輪加速度dVwheelが閾値TAwheelより大きい場合には、車輪がスリップしていると判定して、TCS制御動作を開始する(ステップS204)。
一方、車輪加速度dVwheelが閾値TAwheel以下である場合には、駆動力(dVwheel>0)もしくは制動力(dVwheel<0)が適正に作用しているので、TCS制御を行わず、車輪加速度dVwheelの監視を継続する。
TCS制御では、駆動トルク検出手段55で検出された制御トルクTRQがドライバーの要求トルクTRQdesを上回っているか否かを判定する(ステップS205)。
TRQ>TRQdesである場合には、加速時におけるドライバーの加速要求がないと判定して、TCS制御動作を終了する。
一方、TRQ≦TRQdesである場合には、ステップS206に進んで、推定車体速度Vestと車輪速度Vwheelから算出されるスリップ率sが目標スリップ率stargetと不感帯Tsとの和(starget+Ts)を上回っているか否かを判定する。
ステップS206において、s>starget+Tsである場合には、制動力が不足していると判定し、ブレーキを作動させるとともに動力出力を減少させることでスリップ率sを下げ(ステップS207)た後、ステップS205に戻って、制御トルクTRQと要求トルクTRQdesとの比較を行う。
s≦starget+Tsである場合には、ステップS208に進んで、スリップ率sが、目標スリップ率stargetと不感帯Tsとの差(starget−Ts)を下回っているか否かを判定する。
ステップS208において、s<starget−Tsである場合には、駆動力が不足していると判定し、ブレーキを開放するとともに動力出力を増加させることでスリップ率sを回復させ(ステップS207)た後、ステップS205に戻って、制御トルクTRQとドライバーの要求トルクTRQdesとの比較を行う。
一方、s≧starget−Tsである場合には、ステップS205に戻って、制御トルクTRQとドライバーの要求トルクTRQdesとの比較を行う。
このように、本実施の形態2では、スリップ率sを増減する際にブレーキを作動させるとともに駆動力を下げることでスリップ率sを下げ(ステップS206)るか、もしくは、ブレーキを開放するとともに駆動力を上げることでスリップ率sを回復させ(ステップS207)た後、路面状態推定装置10で推定した路面摩擦係数μestを用いて目標スリップ率stargetを設定するとともに、車輪速Vwheelを時間微分して得られた車輪加速度dVwheelの大きさが予め設定した閾値TAwheelを超えた場合に、車輪がスリップしていると判定し、各車輪に作用する駆動トルクTRQが要求トルクTRQdesになるように、ブレーキ圧や駆動力を制御したので、十分な加速性能を実現できる。
図9(a)は、車両をSemi WET路面で加速するとともに、本発明によるTCS制御を行ったときの車輪速Vwheel[km/h]の時間変化を示す図で、横軸は加速開始からの経過時間[sec]、縦軸は車輪速Vwheel[km/h]の大きさ、太い実線が前輪(駆動輪)で、細い実線が後輪(従動輪)である。また、同図破線は、駆動輪のすべり速度を一定に制御する従来のTCS制御を行ったときの車輪速Vwheel[km/h]の時間変化で、太い破線が前輪(駆動輪)で、細い破線が後輪(従動輪)である。
同図から明らかなように、本発明をTCS制御に適用した場合には、従来のTCS制御に比較して、十分な加速性能を得ることができることがわかる。
これは、本発明のTCS制御が、路面摩擦係数μestに応じて目標スリップ率stargetを設定することで、TCS制御の開始直後から適切なスリップ率、すなわち、高い前後力を得られるスリップ率になるようにブレーキ圧や駆動力を制御するからである。これにより、車両を図9(b)の丸で示す高い前後力のスリップ率領域で加速できるので、短時間で高い到達速度を得ることができる。
これに対して、従来のTCS制御では、路面状態に応じた制御を行っていないので、図9(b)の破線で示すように、高い前後力が得られず、その結果、十分な加速性能を発揮できないと考えられる。
実施の形態3.
前記実施の形態2のTCS制御では、スリップ率sを増減させる際に、ブレーキ圧と動力出力とを同時に制御したが、ブレーキ圧と動力出力とを別個に制御する構成とすれば、TCS制御による加速性能を更に向上させることができる。
以下、実施の形態3のTCS制御について、図10のフローチャートを参照して説明する。
なお、本実施の形態3に係るTCS制御を行う制御システムは、実施の形態2のTCS制御システム200と同構成であるので、その説明を省略する。
また、ステップS211の路面摩擦係数μestの取得から、ステップS214のTCS動作開始までの各ステップについても、実施の形態2のステップS201からステップS204までの各ステップと同じであるので、本例では、ステップS215の判定ステップ以降の各ステップについて説明する。
ステップS215では、駆動トルク検出手段55で検出された制御トルクTRQがドライバーの要求トルクTRQdesを上回っているか否かを判定する。
ステップS215において、TRQ>TRQdesである場合には、加速時におけるドライバーの加速要求がないと判定し、ステップS216に進んで、ブレーキを開放して車輪速度を回復させる制御を行った後、TCS制御動作を終了する。
一方、TRQ≦TRQdesである場合には、ステップS217に進んで、スリップ率sが目標スリップ率stargetと不感帯Tsとの和(starget+Ts)を上回っているか否かを判定する。
ステップS217において、s>starget+Tsである場合には、動力出力を減少させることでスリップ率sを下げ(ステップS218)た後、ステップS219に進んで、駆動輪加速度dVD-wheelが予め設定された車輪加速度閾値TRCwheelを上回っているか否かを判定する。
dVD-wheel>TRCwheelである場合には、駆動輪が急スリップしていると判定し、ブレーキ圧を増加して車輪速度を減少させ(ステップS220)た後、ステップS215に戻って、制御トルクTRQとドライバーの要求トルクTRQdesとの比較を行う。
また、dVD-wheel≦TRCwheelである場合には、ブレーキを開放して車輪速度を回復させ(ステップS221)た後、ステップS215に戻って、制御トルクTRQとドライバーの要求トルクTRQdesとの比較を行う。
また、ステップS217において、s≦starget+Tsである場合には、ステップS222に進んで、スリップ率sが、目標スリップ率stargetと不感帯Tsとの差(starget−Ts)を下回っているか否かを判定する。
ステップS222において、s<starget−Tsである場合には、動力出力を増加させることでスリップ率sを回復させ(ステップS223)た後、ステップS215に戻って、制御トルクTRQとドライバーの要求トルクTRQdesとの比較を行い、s≧starget−Tsである場合には、直ちにステップS215に戻って、制御トルクTRQとドライバーの要求トルクTRQdesとの比較を行う。
このように、ブレーキ圧と動力出力とを別個に制御してスリップ率sを増減させる構成とするとともに、動力出力のみを減少させてスリップ率sを下げる制御を行った場合には、駆動輪加速度dVD-wheelと車輪加速度閾値TRCwheelでとを比較してブレーキ圧による制御を行うようにしたので、加速性能を更に向上させることができる。
実施の形態4.
図11は、本実施の形態4に係る自動運転操舵システム300の機能ブロック図で、自動運転操舵システム300は、路面状態推定装置10と、車体加速度検出手段21と、車輪速センサ22と、車体速度推定手段23と、自動運転制御部70と、ブレーキ装置40と、動力伝達装置80と、操舵装置90とを備える。
自動運転制御部70は、障害物検知手段71と、最大摩擦係数設定手段72と、判定手段73と、走行軌跡生成手段74と、自動ブレーキ制御手段75と、アクセル操作量設定手段76と、ブレーキ操作量設定手段77と、ステア操作量設定手段78とを備える。
路面状態推定装置10、車体加速度検出手段21、車輪速センサ22、車体速度推定手段23、ブレーキ装置40、及び、駆動装置60は、実施の形態1,2と同構成であるので、説明を省略する。
障害物検知手段71は、車載カメラ、ミリ波レーダ、レーザレーダ等を備え、前方の物体の映像と車両1と前方の物体との距離LOとを計測するとともに、距離LOの時間変化から、車両1と前方の物体との速度である相対速度を算出する。相対速度が負の場合に、前方の物体が障害物Oとなる可能性がある。また、前方の物体の相対速度の大きさが車両1の速度に等しいとき、物体は静止していると判定する。
最大摩擦係数設定手段72は、路面状態推定装置10で取得した路面摩擦係数μestからタイヤ特性図におけるμのピーク値である最大摩擦係数μmaxを設定する。
判定手段73は、障害物Oが操舵により回避可能か否かを判定する。
走行軌跡生成手段74は、操舵により回避可能な場合に、障害物Oを回避するための車両1の軌跡を生成する。
自動ブレーキ制御手段75は、操舵により回避が不可能な場合に、緊急ブレーキを作動させる。
アクセル操作量設定手段76は、操舵時におけるアクセル操作量(TRQtarget)を設定して動力伝達装置80に送り、ブレーキ操作量設定手段77は、操舵時及び緊急ブレーキ時におけるブレーキ操作量(BRKtarget)を設定してブレーキ装置40に送る。また、ステア操作量設定手段78は、操舵時におけるステア操作量(SWAtarget)を設定して操舵装置90に送る。
次に、本実施の形態4に係る自動運転操舵方法について、図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、路面状態推定装置10にて路面摩擦係数μestを取得(ステップS301)した後、図4(b)に示したタイヤ特性図から、ピーク値がμestに最も近いμ−s特性曲線上にてμのピーク値を求め、これを最大摩擦係数μmaxとする。(ステップS302)。
次に、障害物検知手段24からの情報に基づいて、車両1の前方に障害物Oが存在するか否かを判定する(ステップS303)。
以下、説明を簡単にするため、障害物Oを、停車している車両などの静止物体とする。
障害物Oが存在した場合には、ステップS304に進んで、車両1から障害物Oまでの距離LOを算出するとともに、障害物Oが操舵制御により回避可能か否かを判定する。回避可能か否かの判定は、車両速度(推定車体速度Vest)、車両1から障害物Oまでの距離LO、路面摩擦係数μest、及び、周囲状況(対向車の有無、後続車の有無、並走車の有無)等に基づいて行う。
ステップS304において、障害物Oが操舵制御により回避可能であると判定された場合には、過去走行情報に基づいて車両進行方向Ddesを取得するとともに、車両走行限界を超えない最大加速度(最大可能加速度Gmax)以下で回避可能な走行軌跡を生成する(ステップS305)。最大加速度Gmaxは、最大摩擦係数μmaxと推定車体速度Vestと車両1から障害物Oまでの距離LOとを用いて算出する。
回避可能な走行軌跡が生成されたなら、パスフォロワー制御器で、自車位置PMを基準に走行軌跡に沿うためのアクセル操作量(TRQtarget)、ブレーキ操作量(BRKtarget)、ステア操作量(SWAtarget)を、それぞれ、駆動制御手段、ブレーキ制御手段、ステアリング制御手段に出力(ステップS306)した後、操舵による回避動作が終了したか否かを判定する(ステップS307)。
回避動作が終了していない場合ステップS305に戻って、回避可能な走行軌跡の生成を継続し、回避動作が終了した場合には本処理を終了する。
ステップS304において、障害物Oが操舵制御により回避可能できないと判定された場合には、ステップS308に進んで、自動緊急ブレーキ制御を開始する。
自動緊急ブレーキ制御においても、まず、最大可能加速度Gmaxを算出し(ステップS309)、この算出された最大可能加速度Gmaxと現在の車両速度(推定車体速度Vest)とから、余裕分Dmarginを加算した停止可能距離Dlimを、以下の式[数3]を用いて計算する(ステップS310)。
Figure 2017030722
次に、車両1から障害物Oまでの距離LOが算出された停止可能距離Dlimを下回っている否かを判定する(ステップS311)。
O<Dlimである場合には、ステップS312に進んで、最大可能加速度Gmaxになるブレーキ操作量(BRKtarget)をブレーキ制御手段に出力することで緊急ブレーキ制御を行ない、LO≧Dlimの場合には、LO<DlimとなるまでLOの監視を継続する。
緊急ブレーキ制御を行なった後には、ステップS313に進んで、車両1が停止しているか否かを判定する。車両1が停止しているか否かの判定は、推定された車体速度Vestを用いて行う。
ステップS313において、車両1が停止していると判定された場合には、本処理を終了する。また、車両1が停止していないと判定された場合には、車両1が停止するまで車両停止の判定動作を継続する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
例えば、前記実施の形態では、ABS制御システム、TCS制御システム、及び、自動運転操舵システムについて説明したが、本発明の車両制御方法は、ブレーキペダルの踏み込み量や車両速度を検知し、ブレーキが緊急ブレーキであると判定した場合に、制動力を高めるブレーキアシストシステムや、急なコーナリングにより車輪が横滑りした場合に車両挙動を安定させる車両挙動安定システムなどの、他の車両制御システムにも適用可能である。
また、前記実施の形態では、ブレーキ41として、ディスクブレーキを用いたが、ドラムブレーキなど、他の形態のブレーキを用いてもよい。
ドラムブレーキの場合、ABS制御部30のブレーキ圧制御手段35は、アクチュエータを制御して電磁弁を開閉制御することで、ホイールとともに回転するブレーキドラムにシューを押し付けて、車輪3の回転速度を減速させることで、スリップ率sが目標スリップ率stargetになるように制御する。
また、前記実施の形態では、予め求めておいた路面摩擦係数μと振動レベル比Rとの関係を示すμ−Rマップ17Mを用いて路面の路面摩擦係数μestを推定したが、振動レベル比Rと路面の摩擦状態との関係を示すマップを用いて路面摩擦状態を推定し、この推定された路面摩擦状態に応じて、目標油圧Ptargetや目標スリップ率starget、あるいは、最大摩擦係数μmaxを設定してもよい。
例えば、走行路面を高μ路面(DRYアスファルト路面)、中μ路面(WET路面)、低μ路面(氷雪路面)のいずれであるかを判定するとともに、予め作成しておいた、各路面状態とPtarget,starget,μmaxとの関係を示すテーブルを用いてPtarget,starget,μmaxを設定してもよい。
あるいは、高μ路面と判定された場合にはμest=0.9、中μ路面と判定された場合にはμest=0.6、低μ路面(氷雪路面)と判定された場合にはμest=0.2とし、タイヤ特性図からμtargetやμmaxを設定し、μ−Pマップから目標油圧Ptargetを設定してもよい。
また、前記実施の形態では、タイヤトレッドのインナーライナー部に加速度センサ(振動検出手段11)を取付けて検出したタイヤ周方向振動の情報から路面摩擦係数μを推定したが、ナックルなどのタイヤバネ下部に加速度センサを取付け、タイヤから伝達されるタイヤバネ下部の振動を検出して路面摩擦係数μを推定してもよい。
要は、車輪3にブレーキ圧が作用していない状態で、当該車両の走行する路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を推定することのできる路面状態推定装置で推定した路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いて、目標油圧Ptargetや目標スリップ率starget、あるいは、最大摩擦係数μmaxを設定する構成とすれば、車両の走行状態をを迅速にかつ適正に制御することができる。
1 車両、2 車体、3 車輪、
10 路面状態推定装置、21 車体加速度検出手段、22 車輪速センサ、
23 車体速度推定手段、30 ABS制御部、31 目標スリップ率算出手段、
32 スリップ率算出手段、33 最大スリップ率取得手段、34 目標油圧補正手段、
35 ブレーキ圧制御手段、40 ブレーキ装置、45 ブレーキ圧検出手段、
100 ABS制御システム、200 TCS制御システム、
300 自動運転操舵システム。

Claims (4)

  1. 加速度検出手段により検出した車両の加速度と車輪速検出手段で検出した車輪速度とを用いて車輪のブレーキ圧を制御する車両制御方法であって、
    前記車輪にブレーキ圧が作用していない状態で、当該車両の走行する路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を推定する第1のステップと、
    前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いて、タイヤの目標スリップ率もしくは路面摩擦係数の最大値を設定する第2のステップと、
    前記車両の加速度と、前記車輪速度と、前記タイヤの目標スリップ率もしくは路面摩擦係数の最大値に応じて、前記車輪に作用するブレーキ圧を算出する第3のステップとを備えることを特徴とする車両制御方法。
  2. 前記第2のステップでは、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いてタイヤの目標スリップ率を設定し、
    前記第3のステップが、
    前記車輪速度を時間微分して車輪加速度を算出するとともに、前記算出された車輪加速度と予め設定された閾値とを比較するステップと、
    前記算出された車輪加速度が予め設定された閾値よりも小さい場合に、
    前記タイヤのスリップ率が前記目標スリップ率になるように、各車輪のブレーキ圧を制御するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両制御方法。
  3. 前記第2のステップでは、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いてタイヤの目標スリップ率を設定し、
    前記第3のステップが、
    前記車輪速度を時間微分して車輪加速度を算出するステップと、前記算出された車輪加速度と予め設定された閾値とを比較するステップと、
    前記算出された車輪加速度が予め設定された閾値よりも大きい場合に、
    各車輪に作用する駆動トルクが、予め設定された駆動トルクになるように、各車輪のブレーキ圧と駆動力のいずれか一方または両方を制御するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両制御方法。
  4. 前記第2のステップでは、前記路面の摩擦状態、もしくは、路面摩擦係数を用いて路面摩擦係数の最大値を設定し、
    前記第3のステップが、
    前記車両の前方に障害物があるか否かを判定するステップと、
    緊急制動するか否かを判定するステップと、
    緊急制動する場合に、
    当該車両の進行方向と、前記車両の加速度と、前記車輪速度と、前記設定された路面摩擦係数の最大値と、前記障害物までの距離とに基づいて、前記車輪に作用するブレーキ圧を算出するステップとを備えることを特徴とする請求項1に記載の車両制御方法。
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