JP2017030710A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 補強部材の面外変形に対する柔軟性を良好に維持しながら面内曲げ剛性を高めることが可能であり、延いては、コーナリングパワーを増大し、転がり抵抗を低減することを可能にした空気入りタイヤを提供する。【解決手段】 タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えた空気入りタイヤにおいて、少なくとも3方向に配向する複数本の補強コード11〜14を含み、これら補強コード11〜14の少なくとも一部の交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コード11〜14を互いに接合した網状構造を有する補強部材10を備える。特に、ベルト層7として網状構造を有する補強部材10を用いる。【選択図】 図2

Description

本発明は、ベルト層に代表される補強層に使用される補強部材を備えた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、補強部材の面外変形に対する柔軟性を良好に維持しながら面内曲げ剛性を高めることが可能であり、延いては、コーナリングパワーを増大し、転がり抵抗を低減することを可能にした空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤにおいて、一対のビード部間にカーカス層が装架され、トレッド部におけるカーカス層の外周側にはベルト層が配置されている。ベルト層としては、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含む補強部材が使用され、補強コードはベルト層の層間で互いに交差するように配置されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ここで、ベルト層に使用される補強部材の面内曲げ剛性を高めることにより、コーナリングパワーを増大し、転がり抵抗を低減することができる。しかしながら、従来の補強部材では補強コード同士の結び付きが弱いため、必ずしも十分な面内曲げ剛性を発揮することができないのが現状である。また、補強コード自体を剛直にすることで面内曲げ剛性を高めることは可能であるものの、その場合、補強部材の面外変形に対する柔軟性が損なわれることになる。
これに対して、2本の補強コードを交差箇所において互いに接合した網状構造を有する補強部材が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、互いに交差する2本の補強コードを単に接合しただけでは補強部材の面内曲げ剛性を高める効果は殆ど得られず、コーナリングパワーの増大効果や転がり抵抗の低減効果を期待することはできない。
特開昭61−1505号公報 特開平1−501382号公報 特開平6−211003号公報 国際公開第WO2015−8547号
本発明の目的は、補強部材の面外変形に対する柔軟性を良好に維持しながら面内曲げ剛性を高めることが可能であり、延いては、コーナリングパワーを増大し、転がり抵抗を低減することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、少なくとも3方向に配向する複数本の補強コードを含み、これら補強コードの少なくとも一部の交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材を備えることを特徴とするものである。
本発明において、補強部材は、少なくとも3方向に配向する複数本の補強コードを含み、これら補強コードの少なくとも一部の交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コードを互いに接合した網状構造を有しているので、その面外変形に対する柔軟性を良好に維持しながら面内曲げ剛性を高めることができる。
従って、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置した空気入りタイヤにおいて、そのベルト層として上記網状構造を有する補強部材を用いた場合、コーナリングパワーを増大し、転がり抵抗を低減することができる。また、上記補強部材は面外変形に対して良好な柔軟性を呈するので、ベルト層の耐久性を良好に維持することができる。
本発明において、少なくとも3本の補強コードが交差する交差箇所のうち少なくとも30%の交差箇所において少なくとも3本の補強コードを互いに接合することが好ましい。これにより、面内曲げ剛性を高める効果を十分に得ることができる。
また、交差箇所において接合される少なくとも3本の補強コードの交差角度は15°以上であることが好ましい。これにより、面内曲げ剛性を高める効果を十分に得ることができる。
ベルト層は網状構造を有する補強部材をタイヤ周方向に沿って1周以上巻き回すことで成形されていても良く、或いは、網状構造を有する補強部材を無端末の環状に加工することで成形されていても良い。前者の場合、タイヤの製造が容易であり、後者の場合、タイヤの耐久性が良好になる。
補強コードは結節強さが1.5(cN/dtex)以上である化学繊維コードを含むことが好ましい。化学繊維コードの場合、網状構造を有する補強部材を容易に形成することができ、しかも、上記結節強さを有する化学繊維コードはタイヤ補強材料として好適である。
また、上記網状構造を有する補強部材はゴムで被覆されていることが好ましい。 これにより、補強コードの一体性を確保して補強部材の面内曲げ剛性を高めることができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の一例を示す平面図である。 補強コードの交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材の変形メカニズムを示す説明図である。 補強コードの交差箇所において配向方向が異なる2本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材の変形メカニズムを示す説明図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の一例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す斜視図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す平面図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す斜視図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す斜視図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す斜視図である。 本発明で使用される補強部材の接合部の他の変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示すものである。図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2,2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3,3とを備えている。
一対のビード部3,3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返されている。ビードコア5の外周上には断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にはベルト層7が埋設されている。このベルト層7は後述する特定の網状構造を有する補強部材10から構成されている。ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層のベルトカバー層8が配置されている。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の化学繊維コードが好ましく使用される。なお、ベルトカバー層8は必ずしも必要ではない。
図2は本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の一例を示すものである。図2に示すように、網状構造を有する補強部材10は、4方向に配向する複数本の補強コード11〜14を含んでいる。即ち、補強コード11はタイヤ周方向Cと平行に延在し、補強コード12はタイヤ幅方向Wと平行に延在し、補強コード13はタイヤ周方向Cに対して一方側に傾斜するように延在し、補強コード14はタイヤ周方向Cに対して他方側に傾斜するように延在している。これら補強コード11〜14の交差箇所においては配向方向が異なる複数本の補強コード11〜14が互いに接合されて複数の接合部15,16が形成されている。より具体的には、少なくとも3本の補強コード11〜14が交差する交差箇所では少なくとも3本の補強コード11〜14が一体的に接合されて複数の接合部15が形成されており、2本の補強コード13,14が交差する交差箇所では2本の補強コード13,14が一体的に接合されて複数の接合部16が形成されている。
補強コード11〜14の材質は特に限定されるものではなく、補強コード11〜14として化学繊維コード又はスチールコードを用いることができる。例えば、補強コード11〜14の全てに化学繊維コードを使用した構造、補強コード11,13,14に化学繊維コードを使用する一方で補強コード12にスチールコードを使用した構造、補強コード11にスチールコードを使用する一方で補強コード12〜14に化学繊維コードを使用した構造、補強コード11,12にスチールコードを使用する一方で補強コード13,14に化学繊維コードを使用した構造を挙げることができる。
補強コード11〜14の接合方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を採用することができる。化学繊維コードの場合、コード同士が結節点を形成するように接合部15,16を形成したり、コード同士が結節点を形成することなく双方の繊維束(ヤーン)が互いに交差するように接合部15,16を形成したり、コード同士を溶着することで接合部15,16を形成したり、コード同士を接着することで接合部15,16を形成したりすることができる。スチールコードの場合、コード同士が結節点を形成することなく双方のフィラメントが互いに交差するように接合部15,16を形成したり、コード同士を溶接することで接合部15,16を形成したり、コード同士を接着することで接合部15,16を形成したりすることができる。いずれにしても、コード同士が互いの位置を規制し合うように交差箇所で一体的に結合していることが必要である。
上述のように構成される補強部材10は、少なくとも3方向に配向する複数本の補強コード11〜14を含み、これら補強コード11〜14の少なくとも一部の交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コード11〜14を互いに接合した網状構造を有しているので、その面外変形に対する柔軟性を良好に維持しながら面内曲げ剛性を高めることができる。
図3は補強コードの交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材の変形メカニズムを示し、図4は補強コードの交差箇所において配向方向が異なる2本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材の変形メカニズムを示すものである。図4に示すように、補強コード11,12の交差箇所において配向方向が異なる2本の補強コード11,12を互いに接合した網状構造を有する補強部材10Aは、その面方向に力が作用するとパンタグラフのように変形する。これに対して、図3に示すように、補強コード11〜14の交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コード11〜14を互いに接合した網状構造を有する補強部材10は、平面的なトラス構造を有し、その面方向に力が作用しても変形を生じ難く、面内曲げ剛性が高いものとなる。
従って、一対のビード部3,3間にカーカス層4を装架し、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側にベルト層7を配置した空気入りタイヤにおいて、そのベルト層7として上記網状構造を有する補強部材10を用いた場合、コーナリングパワーを増大し、転がり抵抗を低減することができる。また、上記補強部材10は面外変形に対して良好な柔軟性を呈するので、ベルト層7の耐久性を良好に維持することができる。
上記空気入りタイヤにおいては、少なくとも3本の補強コード11〜14が交差する交差箇所の全てにおいて少なくとも3本の補強コード11〜14を互いに接合しているが、少なくとも3本の補強コード11〜14が交差する交差箇所のうち少なくとも30%の交差箇所、より好ましくは、少なくとも50%(最も好ましくは70%以上)の交差箇所において、少なくとも3本の補強コード11〜14を互いに接合することが望ましい。これにより、面内曲げ剛性を高める効果を十分に得ることができる。この比率が小さ過ぎると面内曲げ剛性の改善効果が低下する。
また、上記空気入りタイヤでは、交差箇所において接合される少なくとも3本の補強コード11〜14の交差角度は15°以上、より好ましくは、20°〜75°であると良い。これにより、面内曲げ剛性を高める効果を十分に得ることができる。この交差角度が小さ過ぎると面内曲げ剛性の改善効果が低下する。なお、図2の実施形態では補強コード11〜14の交差角度は45°になっている。
図5〜図8はそれぞれ本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の変形例を示すものである。図5では、少なくとも3本の補強コード11〜14が交差する交差箇所において少なくとも3本の補強コード11〜14が一体的に接合されて複数の接合部15が形成されているものの、2本の補強コード13,14が交差する交差箇所では接合部16が形成されていない。
図6では、図5とは異なって、補強部材10のタイヤ幅方向Wの両端位置においてタイヤ周方向Cに延びる補強コード11が配置されていない。図7では、図5とは異なって、補強部材10のタイヤ幅方向Wの両端位置においてタイヤ周方向Cに延びる補強コード11と接合部15が配置されていない。図8では、図5とは異なって、補強部材10のタイヤ幅方向Wの両端部において、2本の補強コード13,14が交差する交差箇所に接合部16が選択的に形成されている。
図9は本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示すものである。図9はタイヤ中心線CLの片側だけを抽出して示すものである。図9では、少なくとも3本の補強コード11〜14が交差する少なくとも一部の交差箇所において少なくとも3本の補強コード11〜14が一体的に接合されて複数の接合部15が形成され、2本の補強コード13,14が交差する少なくとも一部の交差箇所において2本の補強コード13,14が一体的に接合されて接合部16が形成されている。そして、補強部材10をタイヤ中心線CLからタイヤ幅方向外側に向かって4つの領域A1〜A4に区分したとき、これら領域A1〜A4における接合部15,16の密度がタイヤ幅方向外側ほど高くなるように設定されている。このような配置によれば、コーナリングパワーをより効果的に増大し、転がり抵抗をより効果的に低減することができる。
図10は本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示すものである。図10において、網状構造を有する補強部材10は、3方向に配向する複数本の補強コード11,13,14を含んでいる。即ち、補強コード11はタイヤ周方向Cと平行に延在し、補強コード13はタイヤ周方向Cに対して一方側に傾斜するように延在し、補強コード14はタイヤ周方向Cに対して他方側に傾斜するように延在している。そして、3本の補強コード11,13,14が交差する交差箇所では3本の補強コード11,13,14が一体的に接合されて複数の接合部15が形成されている。
上述したベルト層7は、網状構造を有する補強部材10をタイヤ周方向に沿って1周以上巻き回すことで成形することができる。この場合、網状構造を有する補強部材10を従来のベルト部材と同様に取り扱うことができるので、空気入りタイヤの製造が容易である。また、補強部材10はタイヤ周方向に沿って2周以上巻き回すことが望ましい。その際、接合部15,16の位置は周回毎に異ならせると良い。
図11及び図12はそれぞれ本発明の空気入りタイヤのベルト層に使用される補強部材の他の変形例を示すものである。図11では、網状構造を有する補強部材10を2周巻き回した構造において、タイヤ径方向内側となる1層目(破線)の接合部15とタイヤ径方向外側となる2層目(実線)の接合部15とを互いにタイヤ周方向Cにずらしている。図12では、網状構造を有する補強部材10を2周巻き回した構造において、タイヤ径方向内側となる1層目(破線)の接合部15とタイヤ径方向外側となる2層目(実線)の接合部15とを互いにタイヤ幅方向Wにずらしている。
或いは、上述したベルト層7は、網状構造を有する補強部材10を無端末の環状に加工することで成形することも可能である。つまり、補強部材10を環状に編み込んで成形することができる。この場合、空気入りタイヤの耐久性が良好になる。また、異なる径を有する無端末環状の補強部材10を用意し、それらを積層することでベルト層7を構成することも可能である。そのような場合、接合部15,16の位置は層間で互いに異ならせると良い。
上記空気入りタイヤにおいて、補強コード11〜14としては、引張強さが1.5(cN/dtex)以上、結節強さが1.5(cN/dtex)以上、引掛強さが2.5(cN/dtex)以上である化学繊維コードを用いることが望ましい。化学繊維コードの場合、網状構造を有する補強部材10を容易に形成することができ、しかも、上記物性を有する化学繊維コードはタイヤ補強材料として好適である。
上記物性について、好ましくは、引張強さが2.0(cN/dtex)以上、結節強さが2.0(cN/dtex)以上、引掛強さが3.5(cN/dtex)以上であり、更に好ましくは引張強さが4.0(cN/dtex)以上、結節強さが3.0(cN/dtex)以上、引掛強さが5.0(cN/dtex)以上であり、最も好ましくは引張強さが5.0(cN/dtex)以上、結節強さ4.0(cN/dtex)以上、引掛強さ8.0(cN/dtex)以上である。上限値は特に限定されるものではないが、結節強さは20(cN/dtex)以下、引掛強さは20(cN/dtex)以下、引張強さは15(cN/dtex)以下であることが現実的である。なお、結節強さと引掛強さはそれぞれJIS− L1013(化学繊維フィラメント糸試験方法)、JIS −L1015(化学繊維ステープル試験方法)に準拠して測定されるものである。
このような化学繊維コードとしては、アラミド繊維、ポリケトン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリエチレンナフタレート(PEN)繊維、高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡ダイニーマなど)、ポリ-パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維を含むものが好適である。勿論、コード延長方向に応じて材料を異ならせることも可能である。また、低伸度材料からなる繊維(例えば、アラミド繊維)と高伸度材料からなる繊維(例えば、ナイロン繊維)とを撚り合わせた複合コードは、高伸度材料の特性に起因して結節強度が高くなり、低伸度材料の特性に起因して弾性率が高くなるため、網状構造を有する補強部材10の素材として好適である。また、化学繊維コード同士を結び付ける場合、有結節でも無結節でも構わないが、部材の薄肉化の観点から無結節とするのが良い。
補強コード11〜14の太さは0.5mm〜1.5mmであることが好ましい。この太さが上限値を超えるとゴム層が厚くなってタイヤの重量が増えるため転がり抵抗が悪化し、下限値を下回ると同じ強度を確保するためにコードの配置本数を増やす必要があり、その結果、接合点の密度が高くなり過ぎて補強部材10の製造が困難になる。
また、ベルト層7を構成する補強部材10はゴムで被覆されているのが良い。これにより、補強コード11〜14の一体性を確保して補強部材10の面内曲げ剛性を高めることができる。
次に、本発明で使用される補強部材の接合部について図13〜図24を参照しながら具体的に説明する。図13は3本のコード21〜23を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21に対して絡み付くようにコード22,23が個別に結節を形成している。図14は3本のコード21〜23を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21,22に対して絡み付くようにコード23が結節を形成している。図15は3本のコード21〜23を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21に対して絡み付くようにコード22,23が個別に結節を形成し、コード22,23の傾斜方向が結節を境にして反転している。図16は3本のコード21〜23を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21,22に対して絡み付くようにコード23が結節を形成し、コード22,23の傾斜方向が結節を境にして反転している。図17は3本のコード21〜23を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21に対して絡み付くようにコード22,23が個別に結節を形成し、これら結節が互いに係合し、コード22,23の傾斜方向が結節を境にして反転している。図18は3本のコード21〜23を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21に対して絡み付くようにコード22,23が一体的に結節を形成し、コード22,23の傾斜方向が結節を境にして反転している。
図19は4本のコード21〜24を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21,23,24に対して絡み付くようにコード22が結節を形成している。図20は4本のコード21〜24を互いに接合した例であるが、結節を持たないコード21に対して絡み付くようにコード22,23が個別に結節を形成し、コード22,23の傾斜方向が結節を境にして反転し、これら22,23の間にコード24が挿入されている。図13〜図20において、例えば、結節を持たないコード21はタイヤ周方向に配向させることが好ましい。コード21がタイヤ周方向に配置される場合、そのコード21に大きな張力が掛かることになるが、結節による曲率を持たないことで張力を効果的に担持することができる。
図21は3本のコード21〜23を溶着により互いに接合した例である。コード21〜23が化学繊維であって、その少なくとも一部が熱可塑性樹脂で構成される場合には、コード21〜23の交差部分を厚さ方向に圧縮しながら熱溶着又は超音波溶着等の溶着処理を行うことにより、コード21〜23を一体化することができる。図22は2本のコード21,22を溶着により互いに接合した例である。
図23は2本のコード21,22を他の溶着手法により互いに接合した例である。コード21,22が化学繊維であって、熱硬化性樹脂で構成される場合には、コード21,22の交差部分において繊維に含浸するように又は繊維を包み込むように熱可塑性樹脂からなる接合材料25を配置し、その上で熱溶着又は超音波溶着等の溶着処理を行うことにより、コード21,22を一体化することができる。
図24は2本のコード21,22を無結節で互いに接合した例であり、コード21,22を構成するヤーン同士が互いに交差することで無結節の接合部を形成している。結節を有する接合部を形成した場合は補強部材10が厚くなるが、無結節の接合部を形成した場合は補強部材10の厚さを小さくすることができる。
上述した実施形態では特定の網状構造を有する補強部材をベルト層に適用した場合について説明したが、このような特定の網状構造を有する補強部材は空気入りタイヤを構成する各種の補強層に適用することが可能である。いずれの補強層に適用した場合も、面外変形に対する柔軟性を良好に維持しながら面内曲げ剛性を高めることで種々のタイヤ性能を改善することが可能である。
タイヤサイズ215/55R17で、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備え、一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を配置した空気入りタイヤにおいて、ベルト層として、少なくとも3方向に配向する複数本の補強コードを含み、これら補強コードの交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材(図2、図5、図8、図10)を用いた実施例1〜4のタイヤを製作した。
比較のため、トレッド部に補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜方向が互いに異なる2層のベルト層を埋設した従来例の空気入りタイヤを用意した。また、ベルト層として、2方向に配向する複数本の補強コードを含み、これら補強コードの交差箇所において配向方向が異なる2本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材を用いた比較例のタイヤを用意した。
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、コーナリングパワー、転がり抵抗を評価し、その結果を表1に示した。
コーナリングパワー:
各試験タイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組み付けてフラットベルト試験機に装着し、空気圧230kPa、荷重6.5kN、速度20km/hの条件にて走行させ、スリップ角を±1.0°としたときのコーナリングパワーを測定した。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどコーナリングパワーが大きいことを意味する。
転がり抵抗:
各試験タイヤをリムサイズ17×7Jのホイールに組み付けて半径854mmのドラムを備えた転がり抵抗試験機に装着し、25℃の雰囲気温度において、空気圧230kPa、荷重6.0kN、速度80km/hの条件にて30分間予備走を行った後、同条件にて転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が小さいことを意味する。
Figure 2017030710
表1から判るように、実施例1〜4のタイヤは、従来例との対比において、コーナリングパワーが増大し、転がり抵抗が小さくなっていた。一方、比較例のタイヤにおいては、コーナリングパワー及び転がり抵抗の改善効果が殆ど見られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 補強部材
11〜14 補強コード
15,16 接合部

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、少なくとも3方向に配向する複数本の補強コードを含み、これら補強コードの少なくとも一部の交差箇所において配向方向が異なる少なくとも3本の補強コードを互いに接合した網状構造を有する補強部材を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記一対のビード部間にカーカス層を装架し、前記トレッド部における前記カーカス層の外周側にベルト層を配置した空気入りタイヤにおいて、前記ベルト層として前記網状構造を有する補強部材を用いたことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 少なくとも3本の補強コードが交差する交差箇所のうち少なくとも30%の交差箇所において前記少なくとも3本の補強コードを互いに接合したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記交差箇所において接合される少なくとも3本の補強コードの交差角度が15°以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルト層は前記網状構造を有する補強部材をタイヤ周方向に沿って1周以上巻き回すことで成形されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルト層は前記網状構造を有する補強部材を無端末の環状に加工することで成形されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記補強コードは結節強さが1.5(cN/dtex)以上である化学繊維コードを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記網状構造を有する補強部材はゴムで被覆されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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