JP2017030050A - 一種のマグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法 - Google Patents

一種のマグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マグネシウム合金異形部品の鋳造に生じたひけ巣やポロシティなどのような現象を抑制し、金属組織構造の緻密性を改善するマグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法の提供。
【解決手段】複合押圧鋳造金型を製造し、全過程においてマグネシウム合金溶湯をガスでシールドし、真空炉によるマグネシウム合金溶湯の溶錬、注入成形、複合押圧の鋳造により、マグネシウム合金異形部品を作製する複合押圧鋳造方法。
【効果】プロセスが先端で、データが詳細正確で、複合押圧鋳造のマグネシウム合金異形部品の形状が正確で、金属組織の緻密性に優れ、ひけ巣やポロシティなどのような現象がなく、引っ張り強さが180MPaまで達する。
【選択図】図15

Description

本発明は、マグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法に関し、マグネシウム合金異形部品の製造及び応用に関する技術分野に属する。
マグネシウム合金は、自動車や電子通信、航空・航空宇宙、国防・軍事などの分野において、極めて重要な実用価値および幅広い応用の将来性を持ち、21世紀のグリーンエンジニアリング材料と呼ばれている。
最近、マグネシウム合金の高度加工製品の多くは、鋳造方法によって得られるものである。マグネシウム合金の鋳造成形には、砂型鋳造、金型鋳造および圧力鋳造を採用することができる。砂型鋳造工程においては、歩留まり率が低い且つ微小なポロシティ(ミクロポロシティ)が生じしやすいので、機械的性能が劣化してしまう。金型鋳造工程においては、砂型鋳造工程に存在している幾つかの欠陥を克服したが、生産効率が低いので、量産に適さない。
圧力鋳造工程は、溶湯または半溶湯が、圧力の作用下で、金型キャビティに充填され、急速に凝固成形して、鋳物を得る工程である。壁が薄く、形状が複雑で、輪郭がはっきりしている鋳物を成形することができる。圧力鋳造工程において、マグネシウム合金溶湯が金型キャビティ内へ高速充填されて、拡散(散布)状態となった溶湯流がキャビティ内のガスとよく混合させられ、拡散(散布)分布するエアホールがダイキャスト内に形成され、鋳物の性能に深刻な影響を与えるため、一般的にはダイキャストに熱処理による強化を行うことができない。
押圧鋳造技術は、鋳型キャビティ内に注入された溶湯に比較的高い圧力を機械的に加え且つ溶湯を成形、凝固させて鋳物を得る技術であって、マグネシウム合金の成形に効果的な方法を提供する。最近、従来の押圧鋳造技術は、直接押圧鋳造と間接押圧鋳造とに分けられる。直接押圧鋳造とは、溶湯を金型内に直接注入後、型締めを行って溶湯の充填と流動を実現し、溶湯がキャビティ全体に十分に充填され、昇圧と保圧とをし続けて鋳物を凝固、冷却させた後、離型を行うことによって、鋳造を完了させた、技術である。技術的発展に伴い、マグネシウム合金異形、複雑な部品が比較的多くなってくる。鋳造の充填過程において、溶湯の加圧・凝固が難しくなる。特に、隅部と縁部と異形構造部位とに加圧・凝固しにくい。そのため鋳物にポロシティやひけ巣が形成され、鋳物の品質にきわめて大きい悪影響を与えてしまう。また、間接押圧鋳造を採用したものもある。成形圧力ヘッドによってマグネシウム合金溶湯を金型キャビティ内に押し込み、圧力ヘッドと雌型とからなる湯口から圧力が鋳物上に伝達しているが、圧力ヘッドが鋳物に部分的に加圧するため、鋳物の金属組織構造の緻密性が比較的低く、且つ溶湯が金型キャビティに注湯された後、溶湯の充填と流れとにつれて溶湯温度がすでに降下し、湯道における溶湯がすでに凝固し始め、圧力伝達の効果が悪くなるため、鋳物にひけ巣やポロシティなどのような現象がよく生じてしまう。酸化し易く比重が軽く鋳造過程において蒸発し易い非鉄軽金属の合金であるマグネシウム合金も、鋳造の品質に深刻な影響を与える。
本発明は、背景技術における状況に対して、マグネシウム合金異形部品の鋳造において複合押圧鋳造を採用する方法である。真空炉によるマグネシウム合金溶湯の溶錬と金型内部への鋳込と複合押圧とによってマグネシウム合金異形部品を作製し、全過程においてアルゴンガスでシールドを行って、鋳物のひけ巣やポロシティのような現象を解消し、鋳物の金属組織構造を改善し、マグネシウム合金鋳物の機械的性質を向上させる、ことを目的とする。
本発明は、使用される化学物質・材料は、マグネシウム合金と無水アルコールとグラファイト潤滑油と酸化マグネシウム金型離型剤とアルゴンガスとであり、それぞれの準備量が下記のとおりで、計量単位がそれぞれg、mL、cmであり、
マグネシウム合金:AZ91D 20000g±1g
無水アルコール:COH 1500mL±50mL
グラファイト潤滑油: 100mL±5mL
酸化マグネシウム金型離型剤: 150mL±5mL
アルゴンガスAr: 800000cm±100cm
複合押圧鋳造方法は、
(1)複合押圧鋳造金型の製造
複合押圧鋳造金型が熱間加工工具鋼(熱間金型鋼)4Cr5MoSiV1によって製造され、雄型の押圧表面または雌型のキャビティ表面の粗さがいずれもRa0.08−0.16μmであり;
(2) マグネシウム合金溶湯の溶錬
マグネシウム合金の溶錬は、真空溶解炉内で行われ、中周波誘導による加熱と真空排気とアルゴンガスの下部吹込との下で完了されることであり;
(a)真空溶解炉のるつぼのクリーンアップ:金属シャベル、金属ブラシで溶錬用のるつぼをクリーンアップし、表面をきれいにし;
(b)るつぼの内表面を無水アルコールで洗浄した後、乾かし;
(c)カッティングによるマグネシウム合金ブロックの作製:マグネシウム合金ブロックを機械的にカッティングして20mm×20mm×10mmの金属ブロックを作製し得;
(d)マグネシウム合金ブロックの予熱:カッティングして製造し得たマグネシウム合金ブロックを予熱炉内に投入して、予熱温度150℃で予熱して準備し;
(e)マグネシウム合金溶湯の溶錬
予熱後のマグネシウム合金ブロックを真空溶解炉の溶錬るつぼ内に投入し、真空溶解炉を閉めて密閉し;
炉内の圧力の強さ≦10Paとなるように、真空ポンプを起動させて炉内の空気を抽出し;
真空溶解炉のヒーターを起動させて加熱を開始し、加熱温度が250℃±5℃であり;
温度が250℃に上昇した時、グラファイトるつぼの底部にアルゴンガス下部吹込パイプが挿入されて、アルゴンガスをるつぼ内へ吹き込み、アルゴンガス下部吹込速度が2000cm/分であり、炉内の圧力の強さが0.05MPaに保持され、且つ排気パイプ弁によって調節し;
加熱溶錬し続け、溶錬温度が650℃±5℃で、この温度で15分保温し;
(3) 複合押圧鋳造
マグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造が押圧鋳造機により行われることであり、複合押圧鋳造の金型内に、アルゴンガスによるシールドの下でマグネシウム合金溶湯が、充填、保圧、複合押圧、保圧、離型を行われて、マグネシウム合金異形部品を成形し;
(a)複合押圧鋳造金型の取り付け
複合押圧鋳造金型の雌型は、押圧鋳造機の下作業台上に置かれ且つ押圧鋳造機のアキュムレータ、押し棒、射出用ロッドに垂直に連結され;
押圧鋳造金型の雄型は、押圧鋳造機の上部に置かれ、雄型板を介して押圧鋳造機の可動型板上に固定され;
上部プッシュロッドを押圧鋳造機の離型油圧シリンダに連結し;
下部射出用ロッドと上部プッシュロッドとの中心線が同一であるように調節し;
(b)アキュムレータと押圧鋳造金型との予熱
押圧鋳造機のヒーターを起動させ、アキュムレータと押圧鋳造金型とを予熱温度200℃で予熱し、フィードパイプの予熱温度が630℃であり;
(c)グラファイト潤滑油100mLをアキュムレータと押し棒との間のギャップに注入して潤滑し;
(d)酸化マグネシウム金型離型剤150mLを押圧鋳造金型の雌型と雄型との表面に均一に吹き付け、コーティング層の厚さが0.02mmであり;
(e)型締め 押板が雌型に接触すると、押板上の給気孔を介して金型内へアルゴンガスをアルゴンガスの吹込速度50cm/秒かつ吹込時間20秒で吹き込んだ後、アルゴンガスの吹き込みを停止し;
(f)真空溶錬炉上のフィーダーによりマグネシウム合金溶湯をアキュムレータの溶湯キャビティ内に注入し;
(g)押圧鋳造機の下部射出用ロッドと押し棒とによって押し動されているマグネシウム合金溶湯は、雌型キャビティに注入され、下部押し棒によって加圧され、加圧の圧力は20MPaで、且つ保圧時間は5秒であり;
(h)押圧鋳造機上部の離型油圧シリンダが上部プッシュロッドを引き動かして上へ移動させ、プッシュロッドがエジェクタプレート及び連結ガイドポストによって押板を引き動かして上へ移動させ、上エジェクタプレートが上位置制限ブロックに接触すると、離型油圧シリンダの稼働を停止させ、押圧鋳造機のマスターシリンダの加圧によって、雄型を押し動かし移動し続けさせて、雌型との型締めを行い、雄型を雌型に入れさせて押し付け、上部のマスターシリンダによって保圧を保圧圧力70MPa且つ保圧時間30秒で行い;
(i)押圧鋳造機上部のマスターシリンダが雄型板を引き動かして型開きを行い、離型油圧シリンダの押圧によって、押板を押し動かしてマグネシウム合金異形部品を突き出し;
(j)冷却:マグネシウム合金異形部品がアルゴンガスでシールドされながら、25℃まで冷却され;
(4) 鋳物のクリーンアップ
マグネシウム合金異形部品を鋼質の平板上に載置させ、マグネシウム合金異形部品の各部分および周囲を機械的にクリーンアップし;
(5) 鋳物の仕上げ
クリーンアップしたマグネシウム合金異形部品は、鋼質の平板上に載置され、内孔及び表面が砂紙で研磨された後、無水アルコールで洗浄された後乾かされることによって、最終製品となるマグネシウム合金異形部品が得られ;
(6) 検査測定、分析、特徴付け
製造したマグネシウム合金異形部品の形態、色合い、金属組織構造、機械的性質を検査測定し分析し特徴付け;
金属組織分析装置で金属組織分析を行い;
マイクロコンピュータにより制御されている電子式万能試験機で引っ張り強さの分析を行い;
以上によれば、マグネシウム合金異形部品は金属組織緻密性に優れ、引っ張り強さが180MPaまで達する、
ことである。
本発明は、従来技術におけるマグネシウム合金異形部品の鋳造に生じたひけ巣やポロシティなどのような現象が多発し、金属組織構造の緻密性が悪いといった問題を解決するために、採用する複合押圧鋳造方法であって、従来技術に比べると顕著な進歩性を持つ。まず複合押圧鋳造金型を製造し、全過程においてマグネシウム合金溶湯をガスでシールドし、真空炉によるマグネシウム合金溶湯の溶錬、注入成形(鋳込)、複合押圧鋳造により、マグネシウム合金異形部品を作製する。この製造方法は、プロセスが先進的で、データが詳細正確で、複合押圧鋳造のマグネシウム合金異形部品の形状が正確で、金属組織の緻密性に優れ、ひけ巣やポロシティなどのような現象がなく、引っ張り強さが180MPaまで達し、先端的なマグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法である。
マグネシウム合金異形部品の正面図である。 マグネシウム合金異形部品の側面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 複合押圧鋳造金型の正面図である。 図4の左側面図である。 図4の平面図である。 図5のB−B線に沿った断面図である。 押板の構造図である。 図8のC−C線に沿った断面図である。 複合押圧鋳造金型の取り付け状態図である。 複合押圧鋳造金型の型開き状態図である。 複合押圧鋳造金型の型締め、シールドガス注入状態図である。 複合押圧鋳造の注湯状態図である。 マグネシウム合金溶湯の金型キャビティ充填および保圧状態図である。 マグネシウム合金異形部品の複合押圧、保圧の状態図である。 マグネシウム合金異形部品の複合押圧後の型開き状態図である。 マグネシウム合金異形部品の複合押圧後の離型状態図である。 マグネシウム合金異形部品の横断面の金属組織の形態図である。
以下、図面に基づいて本発明をさらに説明する。
図1、2、3は、それぞれマグネシウム合金異形部品の構造図である。部品1の中部に円形孔2が開設され、両側にも円形孔が開設されている。
図4、5、6、7、8、9は、複合押圧鋳造金型の構造図である。金型は、雌型4と雄型3と複合押圧装置とから構成されるものである。
雌型4は、左ガイドポスト15と右ガイドポスト16を介して雄型枠17に連結される。
雄型3は、雄型枠17と金型ベース9と雄型板6とのそれぞれに固定連結され、且つ雄型3は雄型枠17上に固定される。雄型枠17と金型ベース9と雄型板6とがボルト19とリンクピン20を介して固定される。
複合押圧装置は、押板10と左連結ガイドポスト13と右連結ガイドポスト14と上エジェクタプレート11と下エジェクタプレート12と上位置制限ブロック7と下位置制限ブロック8とプッシュロッド5とから構成されるものである。押板10と上エジェクタプレート11と下エジェクタプレート12とが左連結ガイドポスト13と右連結ガイドポスト14とに連結される。プッシュロッド5は、上エジェクタプレート11と下エジェクタプレート12との間に固定される。上位置制限ブロック7は、雄型板6の下部に固定される。下位置制限ブロック8は、雄型枠17に固定される。プッシュロッド5を押し動かすまたは引き動かす時、複合押圧装置全体が上下移動を行い、上下移動の距離が上位置制限ブロック7と下位置制限ブロック8とによって規制される。
雌型4に抵抗加熱孔18が設けられる。雄型枠17内に加熱タンク35が設けられる。
押板10に給気孔39が設けられる。給気孔39がアルゴンガス流路40と連結される。押板10の他端に排気孔38が設けられる。
図10は、複合押圧鋳造金型の取り付け状態図である。アキュムレータ23に、温度測定装置32が内設され且つアキュムレータ加熱保温カバー21が外設されている。アキュムレータ23は、下作業台33に取り付けられる。押し棒25は、射出用ロッド34上に取り付けられ且つアキュムレータ23と同心で係合して連結される。複合押圧鋳造金型31の雌型4は、下作業台33上に取り付けられ且つアキュムレータ23と同心で係合して連結される。雄型3は、雄型板6を介して可動型板30に固定される。複合押圧装置は、プッシュロッド5によって離型油圧シリンダ29に固定される。離型油圧シリンダ29は、可動型板30に取り付けられる。押圧鋳造機のマスターシリンダ28は、可動型板30と固結される。アキュムレータ23の左部分にフィードパイプ37とフィードパイプ保温カバー36とが設けられる。
図11は、複合押圧鋳造金型の型開き状態図である。離型油圧シリンダは、プッシュロッド5を押し動かして突き出させる。プッシュロッド5は、上エジェクタプレート11と下エジェクタプレート12と左連結ガイドポスト13と右連結ガイドポスト14とを介して押板10を押し動かして突き出させる。下エジェクタプレート12が下位置制限ブロック8に接した後、離型油圧シリンダ29の稼働を停止且つロックさせる。下部雌型4は、アキュムレータ23と連結される。アキュムレータ23にフィードパイプ37が連結される。フィードパイプ37の外部にフィードパイプ加熱保温カバー36が設けられる。
図12は、複合押圧鋳造金型の型締め、シールドガス注入状態図である。押圧鋳造機の上部マスターシリンダが雄型板6を押し動かして型締めを行い、押板10が雌型4に接すると、上部マスターシリンダの動作を停止、型締めを完了させる。押板10のアルゴンガス流路40と給気孔39とを介して金型キャビティ内へアルゴンガス41を吹込速度50cm/秒且つ吹込時間20秒で吹き込む。アルゴンガス流路40は、アルゴンガスパイプ42とアルゴンガス弁43とアルゴンガスボトル44とを連結する。
図13は、複合押圧鋳造の注湯状態図である。マグネシウム合金溶解保温炉上のフィーダーによってマグネシウム合金溶湯24をフィードパイプ37からアキュムレータ23の溶湯キャビティ27内に注湯する。
図14は、マグネシウム合金溶湯の金型キャビティ充填および保圧状態図である。押圧鋳造機の底部射出シリンダを移動させ、射出用ロッド34と押し棒25を押し動かして上へ速度35mm/秒で移動させる。これによってマグネシウム合金溶湯24を雌型4キャビティ内に押し込む。フィードパイプ37における残湯は、マグネシウム合金溶解保温炉内へもどる。雌型キャビティにマグネシウム合金溶湯24が充満した後、保圧を保圧圧力20MPaかつ保圧時間5秒で行う。
図15は、マグネシウム合金異形部品の複合押圧、保圧の状態図である。押圧鋳造機の離型油圧シリンダ29は、プッシュロッド5を引き動かして上へ移動させる。プッシュロッド5は、上エジェクタプレート11と下エジェクタプレート12と左連結ガイドポスト13と右連結ガイドポスト14とによって押板10を引き動かして上へ移動させる。上エジェクタプレート11が上位置制限ブロック7に接すると、離型油圧シリンダ29の稼働を停止させると同時に、押圧鋳造機のマスターシリンダ28の加圧によって雄型板6を押し動かして移動させて型締めを行い続けて、鋳物が、雄型3によって複合押圧され、最終には雌型4と押板10と雄型枠17とに押し締付けされている。マスターシリンダ28は、保圧を保圧圧力70MPa且つ保圧時間30秒で行う。
図16は、マグネシウム合金の円環の複合押圧後の型開き状態図である。マスターシリンダ28は雄型板6を引き動かして上へ移動させて型開きを行う。マグネシウム合金異形部品は雄型3とともに上へ移動される。
図17は、マグネシウム合金異形部品の複合押圧後の離型状態図である。押圧鋳造機の離型油圧シリンダ29は、プッシュロッド5を押し動かす。プッシュロッド5は、上エジェクタプレート11と下エジェクタプレート12と左連結ガイドポスト13と右連結ガイドポスト14とを介して押板10を押し動かしてマグネシウム合金異形部品を突き出させる。
図18は、マグネシウム合金異形部品の横断面の金属組織の形態図である。図示したように、金属組織構造の緻密性に優れる。
1 異形部品
2 円環孔
3 雄型
4 雌型
5 プッシュロッド
6 雄型板
7 上位置制限ブロック
8 下位置制限ブロック
9 金型ベース
10 押板
11 上エジェクタプレート
12 下エジェクタプレート
13 左連結ガイドポスト
14 右連結ガイドポスト
15 左ガイドポスト
16 右ガイドポスト
17 雄型枠
18 抵抗加熱孔
19 ボルト
20 リンクピン
21 アキュムレータ加熱保温カバー
22 雌型キャビティ
23 アキュムレータ
24 マグネシウム合金溶湯
25 押し棒
26 複合押圧ギャップ
27 溶湯キャビティ
28 マスターシリンダ
29 離型油圧シリンダ
30 可動型板
31 複合押圧鋳造金型
32 温度測定装置
33 下作業台
34 射出用ロッド
35 加熱タンク
36 フィードパイプ加熱保温カバー
37 フィードパイプ
38 排気孔
39 給気孔
40 アルゴンガス流路
41 アルゴンガス
42 アルゴンガスパイプ
43 アルゴンガス弁
44 アルゴンガスボトル

Claims (2)

  1. マグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法であって、
    使用される化学物質・材料は、マグネシウム合金と無水アルコールとグラファイト潤滑油と酸化マグネシウム金型離型剤とアルゴンガスとであり、それぞれの準備量が下記のとおりで、計量単位がそれぞれg、mL、cmであり、
    マグネシウム合金:AZ91D 20000g±1g
    無水アルコール:COH 1500mL±50mL
    グラファイト潤滑油: 100mL±5mL
    酸化マグネシウム金型離型剤: 150mL±5mL
    アルゴンガスAr: 800000cm±100cm
    複合押圧鋳造方法は、
    (1)複合押圧鋳造金型の製造
    複合押圧鋳造金型が熱間加工工具鋼4Cr5MoSiV1によって製造され、雄型の押圧表面または雌型のキャビティ表面の粗さがいずれもRa0.08−0.16μmであり;
    (2) マグネシウム合金溶湯の溶錬
    マグネシウム合金の溶錬は、真空溶解炉内で行われ、中周波誘導による加熱と真空排気とアルゴンガスの下部吹込とのもとで完了されることであり;
    (a)真空溶解炉のるつぼのクリーンアップ:金属シャベル、金属ブラシで溶錬用のるつぼをクリーンアップし、表面をきれいにし;
    (b)るつぼの内表面を無水アルコールで洗浄した後、乾かし;
    (c)カッティングによるマグネシウム合金ブロックの作製:マグネシウム合金ブロックを機械的にカッティングして20mm×20mm×10mmの金属ブロックを作製し;
    (d)マグネシウム合金ブロックの予熱:カッティングして作製し得たマグネシウム合金ブロックを予熱炉内に投入して、予熱温度150℃で予熱して準備し;
    (e)マグネシウム合金溶湯の溶錬
    予熱後のマグネシウム合金ブロックを真空溶解炉の溶錬るつぼ内に投入し、真空溶解炉を閉めて密閉し;
    炉内の圧力の強さ≦10Paとなるように、真空ポンプを起動させて炉内の空気を抽出し;
    真空溶解炉のヒーターを起動させて加熱を開始し、加熱温度が250℃±5℃であり;
    温度が250℃に上昇した時、グラファイトるつぼの底部にアルゴンガス下部吹込パイプが挿入されて、アルゴンガスを、るつぼ内へ吹き込み、アルゴンガス下部吹込速度が2000cm/分であり、炉内の圧力の強さが0.05MPaに保持され、且つ排気パイプ弁によって調節し;
    加熱溶錬し続け、溶錬温度が650℃±5℃で、この温度で15分保温させ;
    (3) 複合押圧鋳造
    マグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造が押圧鋳造機により行われることであり、複合押圧鋳造の金型内に、アルゴンガスによるシールドの下でマグネシウム合金溶湯は、充填、保圧、複合押圧、保圧、離型を行われて、マグネシウム合金異形部品を成形し;
    (a)複合押圧鋳造金型の取り付け
    複合押圧鋳造金型の雌型は、押圧鋳造機の下作業台上に置かれ且つ押圧鋳造機のアキュムレータ、押し棒、射出用ロッドに垂直に連結され;
    押圧鋳造金型の雄型は、押圧鋳造機の上部に置かれ、雄型板を介して押圧鋳造機の可動型板上に固定され;
    上部プッシュロッドを押圧鋳造機の離型油圧シリンダに連結し;
    下部射出用ロッドと上部プッシュロッドとの中心線が同一であるように調節し;
    (b)アキュムレータと押圧鋳造金型との予熱
    押圧鋳造機のヒーターを起動させ、アキュムレータと押圧鋳造金型とを予熱温度200℃で予熱し、フィードパイプの予熱温度が630℃であり;
    (c)グラファイト潤滑油100mLをアキュムレータと押し棒との間のギャップに注入して潤滑し;
    (d)酸化マグネシウム金型離型剤150mLを押圧鋳造金型の雌型と雄型との表面に均一に吹き付け、コーティング層の厚さが0.02mmであり;
    (e)型締め 押板が雌型に接触すると、押板上の給気孔を介して金型内へアルゴンガスをアルゴンガスの吹込速度50cm/秒かつ吹込時間20秒で吹き込んだ後、アルゴンガスの吹き込みを停止し;
    (f)真空溶錬炉上のフィーダーによりマグネシウム合金溶湯をアキュムレータの溶湯キャビティ内に注入し;
    (g)押圧鋳造機の下部射出用ロッドと押し棒とによって押し動されているマグネシウム合金溶湯は、雌型キャビティに注入され、下部押し棒によって圧力20MPa且つ保圧時間5秒で加圧され;
    (h)押圧鋳造機上部の離型油圧シリンダが上部プッシュロッドを引き動かして上へ移動させ、プッシュロッドがエジェクタプレート及び連結ガイドポストによって押板を引き動かして上へ移動させ、上エジェクタプレートが上位置制限ブロックに接触すると、離型油圧シリンダの稼働を停止させ、押圧鋳造機のマスターシリンダの加圧によって、雄型を押し動かし移動し続けさせて、雌型との型締めを行い、雄型を雌型に入れさせて押し付け、上部のマスターシリンダによって保圧を保圧圧力70MPa且つ保圧時間30秒で行い;
    (i)押圧鋳造機上部のマスターシリンダが雄型板を引き動かして型開きを行い、離型油圧シリンダの押圧によって、押板を押し動かしてマグネシウム合金異形部品を突き出し;
    (j)冷却:マグネシウム合金異形部品がアルゴンガスでシールドされながら、25℃まで冷却され;
    (4) 鋳物のクリーンアップ
    マグネシウム合金異形部品を鋼質の平板上に載置させ、マグネシウム合金異形部品の各部分および周囲を機械的にクリーンアップし;
    (5) 鋳物の仕上げ
    クリーンアップしたマグネシウム合金異形部品は、鋼質の平板上に載置され、内孔及び表面が砂紙で研磨された後、無水アルコールで洗浄された後乾かされることによって、最終製品となるマグネシウム合金異形部品が得られ;
    (6) 検査測定、分析、特徴付け
    製造したマグネシウム合金異形部品の形態、色合い、金属組織構造、機械的性質を検査測定し分析し特徴付け;
    金属組織分析装置で金属組織分析を行い;
    マイクロコンピュータにより制御されている電子式万能試験機で引っ張り強さの分析を行い;
    以上によれば、マグネシウム合金異形部品は金属組織緻密性に優れ、引っ張り強さが180MPaまで達する、ことを特徴とするマグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法。
  2. 前記複合押圧鋳造金型は、雌型(4)と雄型(3)と複合押圧装置とから構成され、
    雌型(4)は、左ガイドポスト(15)と右ガイドポスト(16)とを介して雄型枠(17)と連結され、
    雄型(3)は、雄型枠(17)と金型ベース(9)と雄型板(6)とのそれぞれに固定連結され且つ雄型枠(17)に固定され、雄型枠(17)と金型ベース(9)と雄型板(6)とがボルト(19)とリンクピン(20)とによって固定され;
    複合押圧装置は、押板(10)と左連結ガイドポスト(13)と右連結ガイドポスト(14)と上エジェクタプレート(11)と下エジェクタプレート(12)と上位置制限ブロック(7)と下位置制限ブロック(8)とプッシュロッド(5)とから構成され;
    押板(10)と上エジェクタプレート(11)と下エジェクタプレート(12)とのそれぞれは、左連結ガイドポスト(13)と右連結ガイドポスト(14)とに連結され、
    プッシュロッド(5)は、上エジェクタプレート(11)と下エジェクタプレート(12)との間に固定され、
    上位置制限ブロック(7)は雄型板(6)下部に固定されるとともに下位置制限ブロック(8)は雄型枠(17)に固定され、
    プッシュロッド(5)を押し動かしたり引き動かしたりする時、複合押圧装置全体が上下移動を行い、上下移動の距離が上位置制限ブロック(7)と下位置制限ブロック(8)とによって規制され;
    雌型(4)に抵抗加熱孔(18)が設けられ、雄型枠(17)内に加熱タンク(35)が設けられ;
    押板(10)に給気孔(39)が設けられ、給気孔(39)がアルゴンガス流路(40)と連結され、押板(10)の他端に排気孔(38)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金異形部品の複合押圧鋳造方法。
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