JP2017029960A - 塩素含有灰の脱塩処理システムおよび脱塩処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機器類に塩素等に起因する摩耗やスケールの発生を抑制することができ、しかも少ない水量で効率的に含有塩素等を除去することができる塩素含有灰の脱塩処理システムおよび処理方法を提供する。
【解決手段】塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄する撹拌洗浄手段1と、撹拌洗浄手段1から排出されたスラリーに凝集剤を添加して上記塩素が移行した上澄み水と凝集された上記灰を含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降槽2と、沈降槽2から抜き出した上記濃縮スラリーを洗浄水と洗浄灰とに遠心分離する遠心分離装置3と、遠心分離措置3において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収手段4とを備えてなる。
【選択図】図1
【解決手段】塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄する撹拌洗浄手段1と、撹拌洗浄手段1から排出されたスラリーに凝集剤を添加して上記塩素が移行した上澄み水と凝集された上記灰を含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降槽2と、沈降槽2から抜き出した上記濃縮スラリーを洗浄水と洗浄灰とに遠心分離する遠心分離装置3と、遠心分離措置3において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収手段4とを備えてなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、焼却灰等の高い濃度の塩素を含有する灰から上記塩素を効率的に除去するための塩素含有灰の脱塩処理システムおよび脱塩処理方法に関するものである。
都市ごみや産業廃棄物の焼却施設から排出される焼却灰(主灰、飛灰、燃え殻、煤塵、溶融飛灰)やセメント工場から発生する塩素バイパスダスト等の塩素を高い濃度で含有する灰は、近年における環境意識の高まりや処分場の枯渇等から、これまでのように埋め立てによって処分することが困難になっている。
一方、これらの塩素含有灰は、セメントの主成分と共通する成分を多く含む。ところが、例えば産業廃棄物からの焼却灰においては1〜40wt%程度の高濃度の塩素が含まれているように、上記塩素含有灰は、いずれもセメント原料として用いるためには、含有する塩素分を除去する必要がある。
そこで、上記塩素含有灰をセメント原料として利用するために、下記特許文献1〜3に見られるような各種の脱塩処理するための方法や装置が提案されている。これらの従来技術は、概ね水浸出を用いた多段の湿式洗浄と固液分離とを繰り返すことにより含有する塩素等の可溶成分を水側に移行させて灰の塩素濃度を低減させるものである。
ここで、特に上記特許文献1等に見られるように、洗浄することによって生じたスラリーを固液分離する際に遠心分離を用いると、灰の種類や性質に左右されることなく、安定的に含水率を40〜85wt%まで低減させることができるという利点がある。
しかしながら、上記焼却灰や塩素バイパスダスト等の塩素含有灰を脱塩処理するに際して、通常1次洗浄水には10数g/Lの塩素と数g/Lのカルシウムが含まれているために、1次洗浄後のスラリーを遠心分離機に供給すると、上記塩素によって装置の摩耗や腐食が生じるとともにカルシウムによってスケールが発生して早期の損傷や破損を招くという問題点がある。
そこで、これを解決すべく1次洗浄において供給する洗浄水の量を増加させると、固液分離機における処理水量が増大して運転負荷が増加し、運転および維持コストが嵩むという問題点が生じる。加えて、上記固液分離機にあっては、微粒子が浮遊粒子(SS)として残留し、分離水が濁り易いという問題点もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、機器類に塩素等に起因する腐食、摩耗、スケールの発生等を抑制することができ、しかも少ない水量で効率的に含有塩素等を除去することができる塩素含有灰の脱塩処理システムおよび処理方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係る塩素含有灰の脱塩処理システムは、塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄する撹拌洗浄手段と、この撹拌洗浄手段から排出されたスラリーに凝集剤を添加して上記塩素が移行した上澄み水と凝集された上記灰を含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降槽と、この沈降槽から抜き出した上記濃縮スラリーを洗浄水と洗浄灰とに遠心分離する遠心分離装置と、この遠心分離措置において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収手段とを備えてなることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記沈降槽と上記遠心分離手段との間に、上記沈降槽から抜き出した上記濃縮スラリーに水を加える加水槽を設けたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記加水槽から抜き出された上記濃縮スラリーの一部を分級して細粒側を上記加水槽に戻すとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する分級機を設けたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記加水槽から抜き出された上記濃縮スラリーを分級して細粒側を上記遠心分離装置に供給するとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する分級機を設けたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、上記分級機は、液体サイクロンであることを特徴とするものである。
次いで、請求項6に記載の本発明に係る塩素含有灰の脱塩処理方法は、塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄して塩素濃度が5.0〜25.0g/Lであって固体濃度が30g/L〜150g/Lのスラリーとする撹拌洗浄工程と、この撹拌洗浄工程から排出されたスラリーに凝集剤を添加して上記塩素が移行した上澄み水と凝集された上記灰を120〜500g/Lの濃度で含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降分離工程と、この沈降分離工程から抜き出した上記濃縮スラリーを洗浄水と水分が85wt%以下の洗浄灰とに遠心分離する遠心分離工程と、この遠心分離措置において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して洗浄水中の塩素濃度を1〜2g/Lとした後に上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収工程とを備えてなることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、上記沈降分離工程から抜き出した上記濃縮スラリーに水を加えて塩素濃度を1.0〜10.0g/Lに低下させて上記遠心分離工程に供給する加水工程を備えることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、上記加水工程から抜き出された上記濃縮スラリーの一部を10〜100μmの分級点で分級して細粒側を上記加水槽に戻すとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する第1の分級工程を備えることを特徴とするものである。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、上記加水槽から抜き出された上記濃縮スラリーを10〜100μmの分級点で分級して細粒側を上記遠心分離装置に供給するとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する第2の分級工程を備えることを特徴とするものである。
なお、請求項1〜9のいずれかに記載の発明において、塩素含有灰とは、都市ごみや産業廃棄物の焼却施設から排出される焼却灰(主灰、飛灰、燃え殻、煤塵、溶融飛灰)、一旦処分場に埋め立て処理された灰、セメント工場から発生する塩素バイパスダスト等の塩素を高濃度で含有する灰の総称である。
請求項1〜9のいずれかに記載の発明においては、塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄したスラリーに凝集剤を添加して沈降分離させているために、上記沈降分離過程において上記凝集剤の添加によって生成した上記灰の凝集フロックを沈降させるとともに、上記スラリーに含まれる塩素等を高い濃度で上澄み水に溶解させて系外に除去することができる。
このため、後段の遠心分離機に供給するスラリーの液量を低減することができ、よって遠心分離機における腐食やスケールの発生を軽減することができるとともに、遠心分離機において濃縮スラリーからさらに塩素を含む軽液を除去して、再び2次洗浄回収手段に供給しているために、後段の洗浄における液相の塩素濃度を1〜2g/Lまで低下させるために要する水の量も削減することができる。
さらに、脱塩処理すべき塩素含有灰の塩素濃度が高く、よって遠心分離に供給する濃縮スラリーにおいても比較的塩素濃度が高い場合には、請求項2または7に記載の発明のように、上記濃縮スラリーに水を加えて塩素濃度を低下させたうえで、遠心分離機に供給するようにすれば、遠心分離機における腐食等の弊害を大幅に抑制することが可能になる。
また、焼却灰や塩素バイパスダストには、二酸化ケイ素(SiO2)やケイ酸塩鉱物などの硬い粗大粒子が含まれている。そこで、請求項3、4または請求項8、9に記載の発明のように、遠心分離機に供給する前段階において、濃縮スラリーの一部または全部を分級して粗粒側を直接2次洗浄回収手段に供給するようにすれば、硬い粗大粒子によって遠心分離機が損傷を受けることも防止することができ、一層の長寿命化を図ることができる。
ここで、上記粗大粒子を分級するための分級機として、例えば水簸等の粒子径差や沈降速度差を利用するものにあっては、凝集剤によって灰粒子がフロック状の塊を形成している濃縮スラリーに対しては、効果的な分級を行うことが難しいために、請求項5に記載の発明のように、せん断力を利用して凝集フロックを破壊しつつ分級することが可能な液体サイクロンを用いることが好適である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る塩素含有灰の脱塩処理システムの第1の実施形態を示すもので、この脱塩処理システムは、焼却飛灰(塩素含有灰)に真水および循環水を用いた洗浄水を加えて撹拌洗浄する撹拌洗浄機(撹拌洗浄手段)1と、この撹拌洗浄機1から排出されたスラリーに高分子凝集剤を添加して塩素が移行した上澄み水と凝集された焼却飛灰を含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降槽2と、この沈降槽2から抜き出した濃縮スラリーを洗浄水と洗浄灰とに遠心分離するスクリューデカンタ(遠心分離装置)3と、このスクリューデカンタ3において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収手段4とから概略構成されたものである。
図1は、本発明に係る塩素含有灰の脱塩処理システムの第1の実施形態を示すもので、この脱塩処理システムは、焼却飛灰(塩素含有灰)に真水および循環水を用いた洗浄水を加えて撹拌洗浄する撹拌洗浄機(撹拌洗浄手段)1と、この撹拌洗浄機1から排出されたスラリーに高分子凝集剤を添加して塩素が移行した上澄み水と凝集された焼却飛灰を含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降槽2と、この沈降槽2から抜き出した濃縮スラリーを洗浄水と洗浄灰とに遠心分離するスクリューデカンタ(遠心分離装置)3と、このスクリューデカンタ3において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収手段4とから概略構成されたものである。
ここで、沈降槽2の上部には、焼却飛灰に含まれる塩素が溶解することにより高い塩素濃度となった1次上澄み水を抜き出して廃水処理へ送る廃水ライン5が設けられている。また、スクリューデカンタ3には、遠心分離された洗浄水(SD軽液)中の浮遊粒子(SS)が多い場合に当該洗浄水を循環水受槽6に送る送水ライン7が設けられている。なお、上記洗浄水中のSSが少ない場合には、図中点線矢印で示すように、廃水処理に送るようになっている。
さらに、2次洗浄回収手段4は、スクリューデカンタ3で遠心分離された洗浄灰に真水を加えて撹拌洗浄する2次撹拌洗浄機8と、この2次撹拌洗浄機8から排出された2次スラリーに高分子凝集剤を添加して上記洗浄灰に残存する塩素が移行した2次上澄み水と洗浄灰を含む2次濃縮スラリーとに沈降分離する2次沈降槽9と、この2次沈降槽9から抜き出した2次濃縮スラリーに真水を加えて圧搾することにより洗浄灰を回収するフィルタープレス10とを備えたものである。
そして、2次沈降槽9の2次上澄み水およびフィルタープレス10から排出される濾過液は、それぞれ洗浄水として再利用するためにライン11、12から循環水受槽6に送水されるとともに、循環水受槽6の送水側は、ライン13を介して撹拌洗浄機1に循環供給されるようになっている。
次に、以上の構成からなる脱塩処理システムを用いた本発明に係る脱塩処理方法の第1の実施形態について説明する。
先ず、撹拌洗浄機1に焼却飛灰を供給するとともに真水および循環水受槽6からの循環水を加えて撹拌洗浄し、塩素濃度が5.0〜25.0g/Lであって固体濃度が30g/L〜150g/Lのスラリーとする(撹拌洗浄工程)。
先ず、撹拌洗浄機1に焼却飛灰を供給するとともに真水および循環水受槽6からの循環水を加えて撹拌洗浄し、塩素濃度が5.0〜25.0g/Lであって固体濃度が30g/L〜150g/Lのスラリーとする(撹拌洗浄工程)。
次いで、この撹拌洗浄機1から排出されたスラリーを沈降槽2に送り、さらに高分子凝集剤を添加して上記塩素が移行した1次上澄み水と、凝集された上記灰を80〜400g/Lの濃度で含む濃縮スラリーとに沈降分離する(沈降分離工程)。そして、この沈降槽2の廃水ライン5から高塩素濃度の1次上澄み水を抜き出して廃水処理に送る。
他方、沈降槽2の下部から抜き出した濃縮スラリーをスクリューデカンタ3に供給し、このスクリューデカンタ3において洗浄水と、水分が85wt%以下の洗浄灰とに遠心分離する(遠心分離工程)。このスクリューデカンタ3において遠心分離された洗浄水(SD軽水)については、送水ライン7から循環水受槽6に送って循環利用するか、あるいは廃水処理するとともに、遠心分離された上記洗浄灰を、さらに2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給する。
そして、この2次撹拌洗浄機8において、所定量の真水を加えて撹拌洗浄することにより塩素濃度が2.0g/L以下の2次スラリーとし、これを2次沈降槽9に供給する。次いで、この2次沈降槽9においても、高分子凝集剤を添加することにより、2次スラリー中の洗浄灰に残存した塩素が移行した2次上澄み水と、凝集された上記灰を80〜400g/Lの濃度で含む2次濃縮スラリーとに沈降分離する。
そして、この2次沈降槽9から抜き出した2次濃縮スラリーをフィルタープレス10に送り、濾過液中の塩素濃度が0.2g/L以下であって電気伝導度変動率が±3%になるまで真水を用いて回収灰を洗浄した後に圧搾することにより、含水率が40%以下であって塩素濃度が1wt%以下になった洗浄灰ケーキを回収する。
他方、2次沈降槽9の2次上澄み水およびフィルタープレス10から排出される濾過液については、それぞれ洗浄水として再利用するためにライン11、12から循環水受槽6に送水する。そして、循環水受槽6内の循環水は、図示されないポンプ等によりライン13を介して撹拌洗浄機1に循環供給する。
以上の構成からなる塩素含有灰の脱塩処理システムおよびこれを用いた脱塩処理方法によれば、塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄したスラリーに凝集剤を添加して沈降分離させているために、上記沈降分離過程において上記凝集剤の添加によって生成した上記灰の凝集フロックを沈降させるとともに、上記スラリーに含まれる塩素等を高い濃度で上澄み水に溶解させて系外に除去することができる。
これにより、スクリューデカンタ3に供給する濃縮スラリーの量を低減することができ、よってスクリューデカンタ3における腐食やスケールの発生も大幅に抑止することができる。
また、このスクリューデカンタ3において塩素を含む軽液を遠心分離した後に、さらに2次洗浄回収手段4において、2次撹拌洗浄し、次いで2次沈降槽9において高分子凝縮剤を添加した2次沈降を行った後に、フィルタープレス10において圧搾処理しているために、最終的に洗浄灰の塩素濃度が1wt%以下まで低下した洗浄灰ケーキを少ない量の水によって回収することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態を示すものである。なお、以下の第2〜第5の実施形態において、図1に示した第1の実施形態と同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この塩素含有灰の脱塩処理システムが図1に示したものと相違する点は、沈降槽2とスクリューデカンタ3との間に、沈降槽2から抜き出した濃縮スラリーに水を加える加水槽14を設けたことにある。
図2は、本発明の第2の実施形態を示すものである。なお、以下の第2〜第5の実施形態において、図1に示した第1の実施形態と同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この塩素含有灰の脱塩処理システムが図1に示したものと相違する点は、沈降槽2とスクリューデカンタ3との間に、沈降槽2から抜き出した濃縮スラリーに水を加える加水槽14を設けたことにある。
そして、この脱塩処理システムにおいては、2次沈降槽9からの2次上澄み水やフィルタープレス10からの濾過液と比較して塩素濃度が高いスクリューデカンタ3からの軽液が、ライン15を介して循環受槽16に送水され、この循環受槽16からの循環水がライン17を介して撹拌洗浄1へ循環供給され、あるいは廃水処理へ送られるようになっている。
次いで、上記構成からなる脱塩処理システムを用いた脱塩処理方法の第2の実施形態においては、沈降槽2から抜き出した上記濃縮スラリーを加水槽14に送り、ここでライン13からの循環水を加えて塩素濃度を1.0〜10.0g/Lに低下させた後にスクリューデカンタ3に供給する(加水工程)。
したがって、上記構成からなる第2の実施形態によれば、第1の実施形態に示したものと同様の効果が得られることに加えて、さらに加水槽14において上記濃縮スラリーに水を加えて塩素濃度を低下させたうえで、スクリューデカンタ3に供給しているために、脱塩処理すべき焼却飛灰の塩素濃度が高く、よって濃縮スラリーにおいても比較的塩素濃度が高い場合においても、確実にスクリューデカンタ3における腐食等の弊害を防止することが可能になる。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態を示すもので、この脱塩処理システムにおいては、第2の実施形態に示した加水槽14と並列的に液体サイクロン(分級機)18が配設されている。そして、加水槽14から上記濃縮スラリーの一部を抜き出して液体サイクロン18へ送る供給ライン19と、液体サイクロン18で分級された細粒側を加水槽14に戻す戻りライン20と、分級された粗粒側を2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給するライン21とが設けられている。
図3は、本発明の第3の実施形態を示すもので、この脱塩処理システムにおいては、第2の実施形態に示した加水槽14と並列的に液体サイクロン(分級機)18が配設されている。そして、加水槽14から上記濃縮スラリーの一部を抜き出して液体サイクロン18へ送る供給ライン19と、液体サイクロン18で分級された細粒側を加水槽14に戻す戻りライン20と、分級された粗粒側を2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給するライン21とが設けられている。
上記構成からなる脱塩処理システムを用いた脱塩処理方法の第3の実施形態においては、加水槽14から抜き出された濃縮スラリーの一部を、供給ライン19から液体サイクロン18に送り、この液体サイクロン18において10〜100μmの分級点で分級する。そして、分級された細粒側を再び加水槽14に戻すとともに粗粒側を2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給する(第1の分級工程)。
(第4の実施形態)
また、図4は、本発明の第4の実施形態を示すもので、この脱塩処理システムにおいては、加水槽14と直列に液体サイクロン(分級機)18が配設されている。そして、加水槽14から上記濃縮スラリーの全量を抜き出して液体サイクロン18へ送る供給ライン22と、液体サイクロン18で分級された細粒側をスクリューデカンタ3に供給する供給ライン23と、分級された粗粒側を2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給するライン24とが設けられている。
また、図4は、本発明の第4の実施形態を示すもので、この脱塩処理システムにおいては、加水槽14と直列に液体サイクロン(分級機)18が配設されている。そして、加水槽14から上記濃縮スラリーの全量を抜き出して液体サイクロン18へ送る供給ライン22と、液体サイクロン18で分級された細粒側をスクリューデカンタ3に供給する供給ライン23と、分級された粗粒側を2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給するライン24とが設けられている。
上記脱塩処理システムを用いた脱塩処理方法の第4の実施形態においては、加水槽14から抜き出した上記濃縮スラリーの全量を液体サイクロン18に送り、この液体サイクロン18において10〜100μmの分級点で分級して、細粒側をライン23からスクリューデカンタ3に供給するとともに粗粒側を2次洗浄回収手段4の2次撹拌洗浄機8に供給する(第2の分級工程)。
したがって、上記第3および第4の実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、さらにスクリューデカンタ3に供給する前段階において、液体サイクロン18において濃縮スラリーの一部または全部を分級して粗粒側を直接2次洗浄回収手段に供給しているために、例えば二酸化ケイ素(SiO2)やケイ酸塩鉱物などの硬い粗大粒子が含まれている焼却灰や塩素バイパスダストを処理する場合においても、当該硬い粗大粒子によってスクリューデカンタ3が損傷を受けることを防止することができ、一層の長寿命化を図ることができるという効果が得られる。
加えて、上記粗大粒子を分級するための分級機として、液体サイクロン18を用いているために、せん断力を利用して濃縮スラリー中の凝集フロックを破壊しつつ、確実に分級することができる。
図5は、本発明の第5の実施形態を示すものである。
この脱塩処理システムが図1に示した第1の実施形態と相違する点は、スクリューデカンタ3の後段に設けられた2次洗浄回収手段25の構成にある。
この脱塩処理システムが図1に示した第1の実施形態と相違する点は、スクリューデカンタ3の後段に設けられた2次洗浄回収手段25の構成にある。
すなわち、この2次洗浄回収手段25は、スクリューデカンタ3で遠心分離された洗浄灰に真水を加えて撹拌洗浄する2次撹拌洗浄機8と、この2次洗浄撹拌機8からライン26を介して抜き出された2次スラリーの一部を分級する液体サイクロン27と、この液体サイクロン27で分級された細粒洗浄灰を含むスラリーを2次洗浄撹拌機8に戻す戻りライン28と、分級された粗粒洗浄灰を含むスラリーを貯留する粗粒貯留槽29と、この粗粒貯留槽29から送られる粗粒洗浄灰を含むスラリーを遠心分離して粗粒洗浄灰を回収するスクリューデカンタ30が設けられている。
さらに、この2次洗浄回収手段25は、2次撹拌洗浄機8から排出された主として細粒洗浄灰を含むスラリーに高分子凝集剤を添加して細粒洗浄灰に残存する塩素が移行した細粒上澄み水と細粒濃縮スラリーとに沈降分離する細粒沈降槽31と、この細粒沈降槽31から抜き出した細粒スラリーに真水を加えて圧搾することにより細粒洗浄灰を回収するフィルタープレス32が設けられている。
上記構成からなる第5の実施形態によれば、第1の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる他、2次洗浄撹拌機8内の2次スラリーを、さらに液体サイクロン27によって分級して、比較的塩素含有量の少ない粗粒洗浄灰についてはスクリューデカンタ30において遠心分離して回収するとともに、比較的塩素含有量が多い粗粒洗浄灰に対しては、さらに細粒沈降槽31において塩素を除去した後に、フィルタープレス32において脱水処理して回収しているために、塩素濃度が1wt%以下になった洗浄灰ケーキを回収するために要する水の量を、一段と削減することができる。
1 撹拌洗浄機(撹拌洗浄手段)
2 沈降槽
3 スクリューデカンタ(遠心分離装置)
4 2次洗浄回収手段4
14 加水槽
18 液体サイクロン(分級機)
2 沈降槽
3 スクリューデカンタ(遠心分離装置)
4 2次洗浄回収手段4
14 加水槽
18 液体サイクロン(分級機)
Claims (9)
- 塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄する撹拌洗浄手段と、この撹拌洗浄手段から排出されたスラリーに凝集剤を添加して上記塩素が移行した上澄み水と凝集された上記灰を含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降槽と、この沈降槽から抜き出した上記濃縮スラリーを洗浄水と洗浄灰とに遠心分離する遠心分離装置と、この遠心分離措置において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収手段とを備えてなることを特徴とする塩素含有灰の脱塩処理システム。
- 上記沈降槽と上記遠心分離手段との間に、上記沈降槽から抜き出した上記濃縮スラリーに水を加える加水槽を設けたことを特徴とする請求項1に記載の塩素含有灰の脱塩処理システム。
- 上記加水槽から抜き出された上記濃縮スラリーの一部を分級して細粒側を上記加水槽に戻すとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する分級機を設けたことを特徴とする請求項2に記載の塩素含有灰の脱塩処理システム。
- 上記加水槽から抜き出された上記濃縮スラリーを分級して細粒側を上記遠心分離装置に供給するとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する分級機を設けたことを特徴とする請求項2に記載の塩素含有灰の脱塩処理システム。
- 上記分級機は、液体サイクロンであることを特徴とする請求項3または4に記載の塩素含有灰の脱塩処理システム。
- 塩素含有灰に洗浄水を加えて撹拌洗浄して塩素濃度が5.0〜25.0g/Lであって固体濃度が30g/L〜150g/Lのスラリーとする撹拌洗浄工程と、この撹拌洗浄工程から排出されたスラリーに凝集剤を添加して上記塩素が移行した上澄み水と凝集された上記灰を120〜500f/Lの濃度で含む濃縮スラリーとに沈降分離する沈降分離工程と、この沈降分離工程から抜き出した上記濃縮スラリーを洗浄水と水分が85wt%以下の洗浄灰とに遠心分離する遠心分離工程と、この遠心分離措置において分離された上記洗浄灰をさらに湿式洗浄して洗浄水中の塩素濃度を1〜2g/Lとした後に上記洗浄灰を回収する2次洗浄回収工程とを備えてなることを特徴とする塩素含有灰の脱塩処理方法。
- 上記沈降分離工程から抜き出した上記濃縮スラリーに水を加えて塩素濃度を1.0〜10.0g/Lに低下させて上記遠心分離工程に供給する加水工程を備えることを特徴とする請求項6に記載の塩素含有灰の脱塩処理方法。
- 上記加水工程から抜き出された上記濃縮スラリーの一部を10〜100μmの分級点で分級して細粒側を上記加水槽に戻すとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する第1の分級工程を備えることを特徴とする請求項7に記載の塩素含有灰の脱塩処理システム。
- 上記加水槽から抜き出された上記濃縮スラリーを10〜100μmの分級点で分級して細粒側を上記遠心分離装置に供給するとともに粗粒側を上記2次洗浄回収手段に供給する第2の分級工程を備えることを特徴とする請求項7に記載の塩素含有灰の脱塩処理方法。
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