JP2017029531A - 遊技機 - Google Patents

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恭兵 長澤
Kyohei Nagasawa
恭兵 長澤
健介 折原
Kensuke Orihara
健介 折原
木村 哲也
Tetsuya Kimura
哲也 木村
堅二郎 亀井
Kenjiro Kamei
堅二郎 亀井
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Abstract

【課題】大当たり遊技中における遊技の単調さを解消し、今までにない斬新なアタッカー装置を提供する。
【解決手段】第1アタッカー装置が作動状態にあるとき、すなわち、第1大入賞口開閉ソレノイド(左羽根開閉ソレノイドおよび右羽根開閉ソレノイド)の双方が通電されている場合には、左羽根72および右羽根73により、連結通路27へ向かう流下経路が遮断され、誘導通路723が形成される。すなわち、右打ち領域を流下する遊技球は、誘導通路により第1大入賞口71へ向かって流下していくこととなる。
【選択図】図8

Description

本発明は、遊技球を用いた遊技を行う遊技機に関する。
従来、パチンコ機では、大当たりの抽選に当選すると、アタッカー装置や大入賞口開閉装置等の特別電動役物が作動して、アタッカー装置内、つまり大入賞口への遊技球の入球が可能な状態になる。そして、この大当たり遊技において、大入賞口に遊技球を入球させることにより、大量の賞球を獲得することが可能となっている。
上記アタッカー装置や大入賞口開閉装置(以下、「アタッカー装置」で統一する)としては、遊技盤面に水平な軸を中心に扉形状の部材(扉)が前後に回動する開閉扉タイプのアタッカー装置が、従来から広く知られている。
そして、近年では、遊技盤内から板形状の部材(スライド板)がスライドして突出するスライドタイプのアタッカー装置や、特許文献1に開示されているように、遊技盤面に垂直な軸を中心に羽根形状の部材(羽根)が左右に回動する羽根開閉タイプのアタッカー装置も知られるようになっている。
特開2014−111070号公報
しかしながら、上述した、開閉扉タイプ、スライドタイプや羽根開閉タイプのアタッカー装置(以下、「従来のアタッカー装置」という)では、単純に、上述したような1個の部材(扉、スライド板、羽根)が前後、あるいは左右に回動するだけであって、アタッカー装置の作動自体に何らの面白みもない。このため、遊技者は、大当たり遊技中において、単に大入賞口に遊技球を入球させる作業をしているかのような印象を抱いてしまう。さらに言えば、「大当たり遊技中における遊技が非常に単調なものである」、といった印象を遊技者に持たせてしまうことが問題となっている。
そこで、本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、大当たり遊技中における遊技の単調さを解消することができる今までにない斬新なアタッカー装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、遊技領域に向けて発射された遊技球が流下する流下領域に設けられ、所定の開閉態様で開閉することが可能である可変入賞装置を備えた遊技機であって、前記可変入賞装置は、所定条件が成立するまでは前記流下領域において遊技球が当接し得る壁を形成している第1可動片と、前記所定条件が成立するまでは前記流下領域において遊技球が当接し得る壁を形成している第2可動片と、から構成され、前記所定条件が成立すると、前記第1可動片および前記第2可動片が作動することにより、当該可変入賞装置内に遊技球が入球可能な開放状態に制御される、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記所定条件の成立により、前記第1可動片および前記第2可動片が作動すると、当該第1可動片および当該第2可動片により、前記流下領域を流下する遊技球が前記可変入賞装置内に設けられた特別入賞口へ向かう入賞経路が形成される、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記第2可動片は、前記所定条件が成立するまでは、前記特別入賞口を塞いで当該特別入賞口への遊技球の入球を防止する閉塞壁を形成しており、前記入賞経路において、前記第2可動片は、前記特別入賞口を開放して当該特別入賞口へ遊技球を入球させる入球路を形成するとともに、前記第1可動片は、前記流下領域を流下する遊技球を前記入球路へ誘導する誘導路を形成する、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記誘導路は、前記入球路に対して、前記流下領域における上流側に段差を有する、ことを特徴としている。
また、上記構成において、前記所定条件が成立すると、前記可変入賞装置において前記所定の開閉態様を実行させるための開閉制御コマンドを出力する出力手段と、前記第1可動片を作動させる第1駆動手段と、前記第2可動片を作動させる第2駆動手段と、をさらに備え、前記第1駆動手段は、前記開閉制御コマンドに基づいて、前記第1可動片を作動させるとともに、前記第2駆動手段も、当該開閉制御コマンドに基づいて、前記第2可動片を作動させる、ことを特徴としている。
本発明によれば、大当たり遊技中における遊技の単調さを解消することができる今までにない斬新なアタッカー装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るパチンコ機の外観斜視図である。 図1に示すパチンコ機の正面図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1に示すパチンコ機の遊技盤の正面から見た図(1)である。 図1に示すパチンコ機の遊技盤の正面から見た図(2)である。 第1アタッカー装置70の周辺を拡大した部分拡大図である。 第1アタッカー装置70の非作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について説明する図である。 第1アタッカー装置70の作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について説明する図である。 図1に示すパチンコ機の構成を示すブロック図である。 大当たり決定乱数判定テーブルの詳細を示す図である。 当たり図柄乱数判定テーブルの詳細を示す図である。 アタッカー装置の作動テーブルの詳細を示す図である。 遊技状態設定テーブルの詳細を示す図である。 当たり決定乱数判定テーブルの詳細を示す図である。 普通図柄変動時間決定テーブルの詳細を示す図である。 開閉制御パターンテーブルの詳細を示す図である。 主制御基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御基板におけるスイッチ管理処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別遊技管理処理を示すフローチャートである。 主制御基板における特別遊技制御処理を示すフローチャートである。 主制御基板における普通遊技管理処理を示すフローチャートである。 変形例1に係るパチンコ機の第1アタッカー装置70の非作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について説明する図である。 変形例1に係るパチンコ機の第1アタッカー装置70の作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について説明する図である。 変形例2に係るパチンコ機の第1アタッカー装置70の非作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について説明する図である。 変形例2に係るパチンコ機の第1アタッカー装置70の作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について説明する図である。
以下、本発明の実施形態では、遊技機の一例であるパチンコ機Pについて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1および図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、本体枠2の内側に収容される遊技盤14(図4参照)と、本体枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部4が形成されたガラス扉3と、このガラス扉3の開口部4に取り付けられた透明なガラス板10と、本体枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7と、を具備している。
ガラス扉3は、左右方向の一端側(例えば、パチンコ機Pに正対して左側)においてヒンジ機構部9を介して本体枠2に連結されており、このヒンジ機構部9を支点として左右方向の他端側(例えば、パチンコ機Pに正対して右側)を本体枠2から開放させる方向に回動可能とされている。また、この他端側には、ガラス扉3を本体枠2に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能となっている。また、ガラス扉3には、ガラス扉3が本体枠2から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ303(図5参照)も設けられている。
さらに、ガラス扉3の上部には上部スピーカ11が左右に1個ずつ取り付けられているとともに、ガラス扉3の右下部には下部スピーカ12が1個取り付けられており、遊技に関する様々な楽曲や効果音を出力することが可能となっている。なお、以下では、上部スピーカ11および下部スピーカ12をまとめて、スピーカ11,12と呼称する。
また、ガラス扉3の周囲にはLED等の発光体による発光が可能な装飾ランプ13A,13B,13C等が設けられており、これら装飾ランプ13A,13B,13Cでは、遊技の進行に合わせて種々の発光態様を行うことが可能となっている。
前面ボード6には遊技球を収容するとともに、外部に排出可能な受皿5が取り付けられている。この受皿5は、遊技者が投入した遊技球を収容するだけでなく、賞球として払い出された遊技球も収容可能となっている。また、本体枠2の下部には、遊技球を遊技領域15に向けて発射するための発射装置(図示しない)が取り付けられており、受皿5に収容されている遊技球がこの発射装置に1個ずつ供給される。
また、受皿5が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿8に導かれることになる。この下皿8の底面には、当該下皿8から遊技球を排出するための玉抜き孔8bが形成されている。この玉抜き孔8bは、通常、開閉板(図示しない)によって閉じられているが、玉抜レバー8aを左右にスライドさせることにより、この玉抜レバー8aと一体となって開閉板がスライドし、玉抜き孔8bから下皿8の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
そして、前面ボード6の右下に取り付けられたハンドル7を回動させると、ハンドル7内にあるタッチセンサ7aが、ハンドル7に遊技者が触れたことを検知し、払出・発射制御基板300にタッチ信号を送信する。払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド7cの通電を許可する。そして、ハンドル7の回転角度を変化させると、ハンドル7に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム7bのつまみが回転する。この発射ボリューム7bの検出角度に応じた電圧が、発射装置に設けられた発射用ソレノイド7cに印加される。そして、発射用ソレノイド7cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド7cが印加電圧に応じて作動するとともに、ハンドル7の回動角度に応じた発射強度で発射装置が遊技球を遊技領域15へと発射することができるようになっている。また、ハンドル7が初期位置に戻ると、発射ボリューム7bの検出角度が0度となり発射用ソレノイド7cに電圧が印加されなくなり、遊技球の発射が行われなくなる。
前面ボード6の中央部付近には、遊技者が押下操作および回転操作する演出操作装置60が設けられている。この演出操作装置60は、中央部分が押下式スイッチ(タッチボタン検出スイッチ61aにより押下操作を検出する)であるタッチボタン61と、周縁部が回転型セレクタ(回転操作検出スイッチ62aにより回動操作を検出する)であるセレクタスイッチ62と、で構成され、発展型の演出(例えば、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展する内容の演出)において用いられたり、大当たり遊技中における演出や楽曲を選択する際に用いられたりする。また、スピーカ11,12の音量調整のためにも用いられる。
また、図3に示すように、このパチンコ機Pは、背面側に、主制御基板100、副制御基板200、払出・発射制御基板300等が設けられている。続いて、図4〜図6を参照して、本実施形態に係るパチンコ機Pの構成を詳しく説明していくことにする。なお、図4および図5は、遊技盤14の全体を説明する正面図であり、図6は、第1アタッカー装置70の周辺を拡大した部分拡大図である。
図4および図5に示すように、遊技盤14は、その盤面に遊技領域15を有しており、遊技領域15は、本体枠2に装着した後、ガラス板10を介して観察することができる。遊技領域15は、遊技球を滑走させるガイドレール16aと遊技球規制レール16bとによって略円形状となるように区画形成されており、発射装置によって打ち出された遊技球はこの遊技領域15内を流下する。また、遊技領域15内には、演出表示装置40と、一般入賞口20と、ゲート22と、ステージ50と、第1始動入賞口(始動口)24および第2始動入賞口(始動口)26と、第1大入賞口71と、第2大入賞口81と、上アウト口28、下アウト口29等が設けられている。また、遊技領域15内には、多数の遊技釘17(図示のように遊技釘17は遊技盤14上に多数設けられている)と、風車21も設けられている。また、遊技盤14左下方の位置には、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特別図柄保留表示器33と、第2特別図柄保留表示器34と、普通図柄保留表示器35とが設けられている。
第1始動入賞口24は、ステージ50の下方側に設けられている。詳細には、ステージ50に設けられた溝52の直下方向に設けられている。例えば、遊技球がステージ50上を転動してきて溝52から流下した場合、相当の割合(例えば、概ね50%〜80%程度)で第1始動入賞口24に入球することが可能となっている。なお、上記相当の割合は上述した50%〜80%に限られず、ステージ50や溝52の形状により適宜設定するものであってもよい。また、溝52を設けなくてもよい。そして、この第1始動入賞口24の右方側には、第2始動入賞口26が設けられている。
第2始動入賞口26は、遊技盤14の盤面に対して垂直な軸を中心として左右方向に開閉することが可能な可動片26bを備えており、始動入賞口開閉ソレノイド26c(図9参照)に通電がなされると可動片26bが垂直軸回りに回動して第2始動入賞口26の入口を拡大するようになっている。すなわち、第2始動入賞口26は、始動入賞口開閉ソレノイド26cが通電されておらず、可動片26bが閉状態に維持される第1の態様と、始動入賞口開閉ソレノイド26cが通電され、可動片26bが開状態となる第2の態様とに可動状態が制御される。なお、図4では、可動片26bが第1の態様(閉状態に維持されている)にある場合が示されており、図5では、可動片26bが第2の態様(開状態に維持されている)にある場合が示されている。
そして、第2始動入賞口26が上記第1の態様に制御されているときは、この可動片26bが障害物となって、第2始動入賞口26への遊技球の入賞を不可能または困難としている(図4参照)。一方で、第2始動入賞口26が上記第2の態様に制御されているときには、上記可動片26bが受皿として機能し、第2始動入賞口26への遊技球の入球が容易となる(図5参照)。
そして、第2始動入賞口26に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。また、第1始動入賞口24に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
発射装置の発射強度が弱〜中のとき(いわゆる、ブッコミ狙いで遊技球を発射した場合)には、遊技球が遊技領域15の左側の領域18(演出表示装置40の左側)を流下することとなり、第1始動入賞口24に入賞する可能性があることとなる。なお、発射強度が弱〜中のときには、遊技球がゲート22を通過する可能性がないため、後述する普通図柄の抽選が行われない。そのため、第2始動入賞口26に入賞することが不可能となっている。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「左打ち遊技」ともいう。また、このことから、左打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域18を左打ち領域18ともいう。
また、発射装置の発射強度が中〜強のときには、遊技球が遊技領域15の右側の領域19(演出表示装置40の右側)を流下することとなり、ゲート22を通過する遊技球が増えることとなる。したがって、普通図柄の抽選が行われるため、第2始動入賞口26に入賞する可能性があることとなる。なお、この場合には、第2始動入賞口26への入賞に比べて低いものの、第1始動入賞口24にも入賞する可能性があるものとなっている。これは、上記領域19を流下する遊技球は、第1始動入賞口24に入賞することが不可能としている(釘17等の配置により)が、発射強度が中〜強の場合であっても、左打ち領域18を流下することとなってしまう遊技球が稀に発生するため、このような遊技球が発生した場合には、第1始動入賞口24に入賞する可能性が少なからずあるといえるからである。このような発射強度で遊技球を発射しながら行う遊技を「右打ち遊技」ともいう。また、このことから、右打ち遊技において主に遊技球が流下することとなる、上記領域19を右打ち領域19ともいう。
第1特別図柄表示装置30は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特別図柄(第1特図)係る電子抽選(大当たりの抽選)の結果を表示するためのものである。また、第2特別図柄表示装置31は、第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特別図柄(第2特図)に係る電子抽選の結果を表示するためのものである。
より具体的には、特別図柄表示装置30,31は、特図に係る抽選結果を、第1特図あるいは第2特図(例えば、数字や絵柄)を変動させた後に停止させるといった態様で表示する。本実施形態では、特別図柄表示装置30,31として7セグメント表示器が用いられている。この特別図柄表示装置30,31は、演出表示装置40を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤14の左下部分に離れて設けられている。そして、7セグメント表示器を点滅表示させることにより特図が変動し、その点滅が停止して点灯表示に変わることで特図の変動が停止する。この点滅中の時間が、特図(第1特図、第2特図)の変動時間である。
また、本実施形態では、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことに基づく抽選と、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことに基づく抽選とが同時に行われることはなく、その実行順序はそれぞれの始動入賞口ごとに遊技球の入賞順である。すなわち、先に入賞した始動入賞口に係る遊技が終了してから次の入賞に基づく遊技が行われるようになっている。そのため、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果を同時に表示することはない。さらに、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことに基づく抽選は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことに基づく抽選よりも優先して先に行われる。
また、特別図柄表示装置30,31は、第1特図についての変動および停止に係る表示を行う第1特図表示装置30と、第2特図についての変動および停止に係る表示を行う第2特図表示装置31とから構成されている。
なお、上記した通り、本実施形態では、第1始動入賞口24と第2始動入賞口26の両方の抽選結果が同時に表示されることはないため、2つの始動入賞口24,26に遊技球が入賞したことに基づく抽選の結果を1つの特別図柄表示装置で表示するものとしてもよい。
そして、特図の変動中や後述する大当たり遊技中等、第1始動入賞口24または第2始動入賞口26に遊技球が入賞して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとでこの入賞が入賞記憶(保留)として記憶される。より詳細には、第1始動入賞口24に遊技球が入賞した入賞記憶は第1保留として記憶され、第2始動入賞口26に遊技球が入賞した入賞記憶は第2保留として記憶される。
これら両保留は、それぞれ記憶可能な保留の個数を4個に設定し、その個数(記憶されている保留の個数)は、それぞれ第1特別図柄保留表示器33と第2特別図柄保留表示器34とに表示される。なお、第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34は、それぞれ、2つのLEDから構成されており、例えば、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器33のうち1つのLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDがともに点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の1つのLEDが点灯し、もう1つのLEDは点滅する。さらに、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器33の2つのLEDが点滅する。なお、第2特別図柄保留表示器34においても、上記と同様に第2保留の個数が表示される。
演出表示装置40は、遊技盤14の略中央部に設けられ、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出態様を表示するものであって、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。この演出表示装置40には、画面全体に背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、第1特別図柄表示装置30に変動表示される第1特図、または第2特別図柄表示装置31に変動表示される第2特図と同期をとって演出図柄48(48a,48b,48c)が変動表示/停止表示されるようになっている。
また、演出表示装置40には、保留の個数を示す表示(保留表示)を行うための保留表示領域42,44が設けられている。具体的には、演出表示装置40の左下側に第1保留表示領域42が設けられ、演出表示装置40の右下側に第2保留表示領域44が設けられている。さらに、第1保留表示領域42には、表示領域42a〜42dまで4つの表示領域が設けられており、それぞれ第1保留が1つの場合には表示領域42aに保留表示がなされ、第1保留が2つの場合には表示領域42aおよび表示領域42bに保留表示がなされ、第1保留が3つの場合には表示領域42a〜42cの3つに保留表示がなされ、第1保留が4つの場合には表示領域42a〜42dの4つに保留表示がなされるようになっている。また、第2保留表示領域44にも、表示領域44a〜44dまで4つの表示領域が設けられており、保留の個数に応じて表示領域44aから44dに向かって順に保留表示がなされるようになっている。例えば、図4に示す状態から1つの保留(表示領域42aに表示された保留表示)が処理されるときには、当該保留表示が、処理表示領域45上に移動して、処理保留表示として表示される。なお、保留表示は、通常は灰色で表示されるが、例えば、所定条件が成立した場合には、青色や黄色、赤色等に変化したり、アイコン等に変化したりするものとなっている。
なお、以下では、保留表示領域42における表示領域42a〜42d、保留表示領域44における表示領域44a〜44d、および処理表示領域45において保留表示および処理保留表示が表示されたとき、これを保留表示42,44,45という。
ゲート22は、遊技球が通過可能な構造を成しており、その内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプのゲート検出スイッチ22aが内蔵されている。また、このゲート22を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄(普図)に係る電子抽選の結果を表示するための普通図柄表示装置32が、特別図柄表示装置30,31に隣接して設けられている。この普通図柄表示装置32は、本実施形態では、一つのLEDランプで構成されており、普図当たりのときにLEDランプが点灯し、ハズレのときにはLEDランプが消灯するようになっている。なお、このLEDランプを点滅表示させることにより普図が変動し、その点滅が停止して点灯表示または消灯表示に変わることで普図の変動が停止する。この点滅中の時間が、普図の変動時間である。
また、ゲート22は、右打ち領域19にのみ設けられているため、上述したように、左打ち遊技を行っているときには、このゲート22に遊技球が通過する可能性はほぼ無いものといえる。したがって、左打ち遊技を行っているときには、普通図柄に係る電子抽選が行われず、第2始動入賞口26の可動片26bが開状態となることがない。よって、左打ち遊技を行っているときには、第2始動入賞口26に遊技球が入賞することが不可能となるのである。
そして、普通図柄に係る電子抽選の結果、当たり(普図当たり)となった場合には、第2始動入賞口26への入賞が可能となる。すなわち、始動入賞口開閉ソレノイド26cに通電がなされ、可動片26bが開状態となる第2の態様に可動状態が制御される。つまり、第2始動入賞口26は、ゲート22での抽選結果に応じて作動する。なお、第2始動入賞口26、可動片26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26cからなる構成は、普通図柄に係る抽選に基づいて作動(開状態/閉状態)することから、「普通電動役物」とも呼ばれる。
そして、普通図柄の上限記憶個数も4個に設定されており、その記憶個数が、上記第1特別図柄保留表示器33および第2特別図柄保留表示器34と同様の態様によって、普通図柄保留表示器35において表示される。
なお、特別図柄表示装置30,31、普通図柄表示装置32、特別図柄保留表示器33,34および普通図柄保留表示器35の表示制御は、主制御基板100によって行われている(図9参照)。
演出表示装置40の上方には、演出役物装置41が設けられている。この演出役物装置41は、演出表示装置40の上方から下方に向けて、この演出表示装置40の前面を覆うように可動することが可能な可動役物装置である(構造や機構等は図示しない)。この演出役物装置41は、特定の条件(例えば、大当たりに当選する、スーパーリーチに発展する等)が成立した場合などに作動する。そして、演出役物装置41が作動すると、演出表示装置40の前面の一部が覆われたような形態となる(図示しない)。
また、演出表示装置40の下方には、ステージ50が設けられている。このステージ50は、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ50の中央には溝52が形成されており、この溝52の真下の位置には第1始動入賞口24が配されている。そのため、溝52から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口24へと導かれる。
第1アタッカー装置70は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定の回数だけ開放される装置である。つまり、第1アタッカー装置70は、両始動入賞口24,26での抽選結果に応じて作動する。なお、第1アタッカー装置70は、特別図柄に係る抽選に基づいて作動(開放/閉鎖)する装置であることから、「特別電動役物」とも呼ばれる。
そして、この第1アタッカー装置70は、遊技盤14の盤面に対して垂直な軸を中心として左右方向に開閉することが可能な羽根状の可動片72(以下、「左羽根72」という)および羽根状の可動片73(以下、「右羽根73」という)を備えている。左羽根72は、左羽根開閉ソレノイド72c(図9参照)を駆動することにより、右羽根73は、右羽根開閉ソレノイド73c(図9参照)を駆動することにより、それぞれの垂直軸を中心に時計回り方向/反時計回り方向に回動することが可能となっている。
具体的には、左羽根開閉ソレノイド72cおよび右羽根開閉ソレノイド73cが通電していない状態(駆動していない状態)では、図6に示す位置(初期位置)に左羽根72および右羽根73が停止した状態が維持されている。なお、左羽根72の初期位置を左初期位置、右羽根73の初期位置を右初期位置という。すなわち、左羽根72は、遊技領域15(右打ち領域19)を流下する遊技球が衝突する壁93(図6において二点鎖線で示す)の一部を形成しており、右羽根73も同様に壁94(図6において二点鎖線で示す)の一部を形成している。さらに右羽根73は、第1大入賞口71を塞ぐ閉鎖部材としての役割も果たしている。すなわち、右羽根73が壁94の一部を形成している状態では、この右羽根73により第1大入賞口71が塞がれているため、第1大入賞口71に遊技球が入球することが無いものとなっている。
そして、左羽根開閉ソレノイド72cおよび右羽根開閉ソレノイド73cに通電がなされると(駆動すると)、左羽根72および右羽根73は以下のように回動する。
すなわち、左羽根72は、その垂直軸を中心に反時計回り方向に、図5(図8も参照)に示す位置(左特定位置)まで回動する(図6に示す左初期位置から、反時計回り方向に約40度程度回動する)。そして、左羽根72が左特定位置にて停止した状態が維持される。
また、右羽根73は、その垂直軸を中心に時計回り方向に、図5(図8も参照)に示す位置(右特定位置)まで回動する(図6に示す右初期位置から、反時計回り方向に約90度程度回動する)。そして、右羽根73が右特定位置にて停止した状態が維持される。
このようにして、左羽根72および右羽根73が回動した状態(図5参照、図8も参照)では、第1大入賞口71が露呈されることとなる。これにより、遊技者は、第1大入賞口71に遊技球を入球させることができる。
なお、以下では、必要に応じて、上記左羽根開閉ソレノイド72cおよび右羽根開閉ソレノイド73cをまとめて第1大入賞口開閉ソレノイドと総称することがある。
つまり、第1アタッカー装置70は、常態では右羽根73が第1大入賞口71を閉じているため、第1大入賞口71に遊技球が入賞することはないが、大当たり遊技に移行すると、右羽根73および左羽根72が所定のラウンド数だけ開放されることとなる。すなわち、左羽根72と右羽根73とが開放状態になったときには、第1大入賞口71が露呈されるとともに、左羽根72と右羽根73とにより遊技球の流路が遮断されて、右打ち領域19を流下する遊技球を第1大入賞口71へ向かわせる通路723(詳細は図8にて後述する)が形成される。このように、第1アタッカー装置70が作動する大当たり遊技では、左羽根72および右羽根73により、遊技球を第1大入賞口71へ向かわせるための経路(通路723)が作り出されることになるため、右打ち領域19を流下する遊技球のほとんどが第1大入賞口71内に向かって流下していくこととなる。
そして、第1大入賞口71に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、10個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。すなわち、遊技者は、第1大入賞口71に遊技球を入球させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大当たり遊技の詳細については後述する。
第2アタッカー装置80は、第1アタッカー装置70の上方に設けられており、第1始動入賞口24に遊技球が入賞することを契機に行われる第1特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合、または第2始動入賞口26に遊技球が入賞することを契機に行われる第2特図に係る電子抽選の結果、大当たり(特図当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定の回数だけ開放される装置である。つまり、第2アタッカー装置80は、両始動入賞口24,26での抽選結果に応じて作動する。なお、第2アタッカー装置80も、特別図柄に係る抽選に基づいて作動(開放/閉鎖)する装置であることから、「特別電動役物」とも呼ばれる。
本実施形態では、特別図柄の種別に応じて、第1アタッカー装置70が作動する大当たり遊技と、第2アタッカー装置80が作動する大当たり遊技と、が設けられている(詳細は図12にて後述する)。なお、特別図柄の種別として、第1アタッカー装置70と第2アタッカー装置80の双方が作動する大当たり遊技が設けられていてもよい。
第2アタッカー装置80は、遊技盤14の盤面に対して垂直な軸を中心として左右方向に開閉する可動片82を備えており、第2大入賞口開閉ソレノイド80c(図9参照)を駆動することにより可動片82が垂直軸回りに回動する構成となっている。
具体的には、第2大入賞口開閉ソレノイド80cが通電していない状態(駆動していない状態)では、図4に示す位置(上初期位置)に可動片82が停止した状態が維持されている。なお、可動片82における初期位置を上初期位置という。すなわち、可動片82は、遊技領域を流下する遊技球が衝突する壁92の一部を形成しているとともに、第2大入賞口81を塞ぐ閉鎖部材としての役割も果たしている。
そして、第2大入賞口開閉ソレノイド80cに通電がなされると(駆動すると)、可動片82は以下のように回動する。
すなわち、可動片82は、その垂直軸を中心に反時計回り方向に、図5に示す位置(上特定位置)まで回動する(図4に示す上初期位置から、反時計回り方向に約90度程度回動する)。そして、この上特定位置にて停止した状態が維持される。そして、可動片82が開いた状態では第2大入賞口81が露呈されることとなる。これにより、遊技者は第2大入賞口81に遊技球を入球させることができる。
そして、第2大入賞口81に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。すなわち、遊技者は、第2大入賞口81に遊技球を入球させることによって出玉を獲得できるのである。なお、大当たり遊技の詳細については後述する。
さらに、第2アタッカー装置80の左側には、振分障害物95が設けられている。この振分障害物95は、第2アタッカー装置80の右側付近まで流下してきた遊技球を、振分障害物95の右側(振分障害物95と壁92との間)を流下させる経路、または、振分障害物95の左側(振分障害物95と壁91との間)を流下させる経路、に振り分ける障害物(障害部材)としての役割を果たしている。
また、振分障害物95には、その右側に突起部95aが複数個(例えば、2個)、その左側に突起部95bが複数個(例えば、3個)設けられている。このため、振分障害物95の右側/左側を流下する遊技球が、これらの突起部95a,95bに衝突すると、その流下する方向が変えられることとなる。例えば、遊技球が振分障害物95の右側/左側をジグザグに流下していくこともあり得るものとなっている。なお、後述するが、壁91および壁92にもそれぞれ突起部91a、突起部92aが設けられているため、振分障害物95と壁91との間、または振分障害物95と壁92との間を流下する遊技球を様々な方向に流下させ得ることが可能となっている。
なお、図5においては、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の双方が作動している状態が示されているが、これは、上記アタッカー装置70の作動時における左羽根72および右羽根73、第2アタッカー装置80の作動時における可動片82の状態について説明するためのものであって、実際には、これらの装置70,80が同時に作動することはないものとなっている。
また、一般入賞口20に遊技球が入球すると、所定個数(例えば、6個)の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。この一般入賞口20は、複数個設けられており、例えば、図4および図5に示すように、左打ち領域18に3個(以下では、これを「一般入賞口20A」と呼ぶ)、右打ち領域19に1個(以下では、これを「一般入賞口20B」と呼ぶ)それぞれ設けられている。なお、以下では、一般入賞口20Aまたは一般入賞口20Bと呼称せずに、単に一般入賞口20と呼称する場合には、一般入賞口20Aおよび一般入賞口20Bの双方を含めるものとする。
そして、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、第1大入賞口71および第2大入賞口81の何れにも入らなかった遊技球は、上アウト口28または下アウト口29から回収される。
上アウト口28は、第1大入賞口71よりも上方側(右打ち領域19において、第1大入賞口71よりも上流側)に設けられている。例えば、大当たり遊技において第1大入賞口71が開放状態となっているときに、右打ち領域19を流下する遊技球が第1大入賞口71へ入球しない場合に辿る流下経路上に設けられた入球口(排出口)ということができる。そして、ここでいう流下経路(つまり、上アウト口28へ向かう流下経路)は、いわゆる「逃げ道(遊技球の逃げ道)」としての役割を果たすものである。
また、ワープ通路23を辿る流下経路も、この「逃げ道」としての役割を果たすものである。具体的には、ワープ通路23の入り口23E(壁91と壁93との間)は、図6等に示すように、第1大入賞口71よりも上方側に設けられている。すなわち、ワープ通路23の入り口23Eは、例えば、大当たり遊技において第1大入賞口71が開放状態となっているときに、右打ち領域19を流下する遊技球が第1大入賞口71へ入球しない場合に辿る流下経路上に設けられている。さらに言えば、ワープ通路23自体が、上記流下経路の一部を成しているともいえる。つまり、ワープ通路23は、遊技領域15(左打ち領域18、右打ち領域19を含む)を流下する遊技球が、第2大入賞口81に入球しなかった場合または第1大入賞口71に入球し得ない流下経路を辿った場合に、この遊技球を回収する入球経路(排出経路)としての役割を果たしている。
下アウト口29は、第1始動入賞口24の下方側に位置する下アウト口29A、一般入賞口20Bの下方側に位置する下アウト口29Bの2つが設けられており、遊技領域15(左打ち領域18、右打ち領域19を含む)を流下する遊技球が、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、第1大入賞口71および第2大入賞口81の何れの入賞口にも入らなかった場合に、この遊技球を回収する入球口(排出口)としての役割を果たしている。なお、以下では、下アウト口29Aまたは下アウト口29Bと呼称せずに、単に下アウト口29と呼称する場合には、下アウト口29Aおよび下アウト口29Bの双方を含めるものとする。
また、一般入賞口20、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、第1大入賞口71および第2大入賞口81の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検出する、一般入賞口検出スイッチ20s、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81a(図9参照)が設けられている。なお、一般入賞口20については、その個数分(4個)だけ一般入賞口検出スイッチ20sが設けられている。
次に、第1アタッカー装置70の非作動状態、作動状態において、右打ち領域19を流下する遊技球の経路(流下経路)について、図7および図8を用いて説明する。なお、図7および図8は、第1アタッカー装置70の周辺を拡大した部分拡大図である。
図7は、第1アタッカー装置70が非作動状態にあるとき、すなわち、第1大入賞口開閉ソレノイド(左羽根開閉ソレノイド72cおよび右羽根開閉ソレノイド73c)が通電されていない場合の状態を示している。上述した通り、この場合には、左羽根72および右羽根73は、右打ち領域19を流下する遊技球が衝突しうる壁93および壁94の一部を形成している。そして、右打ち領域19を流下する遊技球は、壁93または壁94の一部である左羽根72や右羽根73に衝突する可能性があるため、これらの壁93,94に衝突した場合には、その流下する方向を変えられて、さらに右打ち領域15を流下していくこととなる。
図7に示すように、まず、右打ち領域19を流下する遊技球(遊技球800、遊技球801)は、第2大入賞口81の右側付近(例えば、「遊技エリアA」という)に到達すると、以下のようなルート(流下経路)を辿って右打ち領域19を流下していくこととなる。以下では、右打ち領域19を流下する遊技球の代表的な流下経路について説明する。なお、流下経路については、以下に示す流下経路以外にも考えられるが、概ね、考えられ得る代表的な流下経路について説明し、他の流下経路については省略する。
例えば、遊技球が、第2大入賞口81に比較的近い位置を流下する場合には遊技球800で示す流下経路を辿ることとなり、第2大入賞口81から比較的遠い位置を流下する場合には遊技球801で示す流下経路を辿ることとなる。
遊技球800は、遊技球が振分障害物95と壁92との間を流下していくルートを辿る例を示している。振分障害物95と壁92との間を流下する遊技球800は、主には、振分障害物95と壁92の間を略真直ぐにすり抜けて、壁94等に衝突した後、連結通路27に到達するルートM1を辿ることとなる。また、遊技球800は、振分障害物95と壁92との間を流下するときに、振分障害物95の複数の突起部95aと、壁92に複数設けられた突起部92aとに衝突しながら流下する場合(いわゆる、ジグザグに流下する場合)もある。このような場合には、ルートM2を辿って上アウト口28に入球することもあれば、途中からルートM1に合流して、連結通路27に到達することもあるものとなっている。なお、遊技球801がルートM2を辿る割合は、ルートM1を辿る割合に比べて小さくなるようにしている。これは、ルートM2を辿るよりもルートM1を辿る割合が高くなるように、突起部95aや突起部92aの大きさや形状、個数が設定されていることによるものである。
そして、さらに連結通路27を流下する遊技球800は、この連結通路27の傾斜した形状(遊技球を第2始動口26へ向かわせる傾斜が設けられた形状)により、付勢されて、ルートM3を辿って連結通路27を抜け出るとともに、さらにルートM4を辿って第2始動入賞口26付近まで到達することとなる。そして、ルートM4を辿った遊技球800は、第2入賞口26の可動片26bが第2の態様(開状態に維持されている)であれば、ルートM6へ進み、第2始動入賞口26に入球するが、第2入賞口26の可動片26bが第1の態様(閉状態に維持されている)であれば、ルートM5を辿って下アウト口29Bにて回収されることとなる(この場合には第2始動入賞口26には入球しない)。
また、連結通路27を出た先には、複数の釘17が設けられているため、ルートM3を辿って連結通路27を抜け出てきた遊技球800が、これらの釘17に衝突する場合もある。そして、ルートM4に向けて付勢された遊技球800が釘17に衝突すると、ルートM4ではなくルートR3を辿ることとなる場合もある。このルートR3には、さらに複数の釘17が設けられているため、ルートR3を辿った遊技球800は、これらの釘17に衝突したり/衝突しなかったり、してルートR3を進み、ルートR3からそのまま真直ぐ進むルートR4、または一般入賞口20Bに向かうルートR5の何れかを辿ることとなる。
そして、ルートR5を辿った遊技球800は、一般入賞口20Bに略入球することとなる(「略」入球としたのは、一般入賞口20Bの入り口付近にも釘17が設けられており、この釘17により、ルートR5を進む途中の遊技球が跳ね返されてしまい、ルートR4に向かうこととなる場合も考えられるからである)。
一方、ルートR4を辿った遊技球800は、その後、下アウト口29Bにて回収されることとなる(ルートR4を辿る場合には、その後、何れの入賞口にも入球することがないため)。
遊技球801は、遊技球が振分障害物95と壁91との間を流下していくルートを辿る例を示している。振分障害物95と壁91との間を流下する遊技球801は、主には、振分障害物95と壁91との間を略真直ぐにすり抜けて、壁93や壁94等に衝突した後、連結通路27に到達するルートR1を辿ることとなる。なお、連結通路27に到達した遊技球801のその後のルートは、上述した遊技球800が辿るルート(ルートM3以降の流下経路)と同様であるため、説明は省略する。
また、遊技球801は、振分障害物95と壁91との間を流下するときに、振分障害物95の複数の突起部95bと、壁91に複数設けられた突起部91aとに衝突しながら流下する場合もある。このような場合には、ルートR2を辿ってワープ通路23を流下していくこともあれば、途中からルートR1に合流して連結通路27に到達することもあるものとなっている。なお、遊技球801がルートR2を辿る割合は、ルートR1を辿る割合に比べて小さくなるようにしている。これは、ルートR2を辿るよりもルートR1を辿る割合が高くなるように、突起部95bや突起部91aの大きさや形状、個数が設定されていることによるものである。
そして、ワープ通路23を抜け出た遊技球801は、ワープ通路23の傾斜した形状(ルートR3方向に遊技球を向かわせるための傾斜が設けられた形状)により、付勢され、ルートR2からルートR3を辿っていくこととなる。しかしながら、ワープ通路23を出た先には、複数の釘17が設けられているため、ルートR2を辿ってワープ通路23を抜け出てきた遊技球801が、これらの釘17に衝突する場合もある。そして、このような場合には、釘17に衝突したことにより、遊技球801がルートM4を辿ることもあるものとなっている。
なお、ルートR2からルートM4を辿ることとなる割合は、ルートR2からルートR3を辿ることとなる割合よりも小さくなるようにしている。これは、ワープ通路23を抜け出た遊技球(ルートR2の形状により付勢された遊技球801)が、ルートM4に向けられるよりもルートR3に向けられる割合が高くなるように、複数の釘17の配置や個数等が設定されていることによるものである。すなわち、ワープ通路23を遊技球(遊技球801)が流下する場合には、その後、ルートR3に向かいやすくすることにより、一般入賞口20Bへ遊技球(遊技球801)が入球する期待を遊技者に持たせるようにしている。
図8は、第1アタッカー装置70が作動状態にあるとき、すなわち、第1大入賞口開閉ソレノイド(左羽根開閉ソレノイド72cおよび右羽根開閉ソレノイド73c)の双方が通電されている場合の状態を示している。上述した通り、この場合には、左羽根72および右羽根73により、連結通路27へ向かう流下経路が遮断され、誘導通路723が形成される。すなわち、右打ち領域19を流下する遊技球は、誘導通路723により第1大入賞口71へ向かって流下していくこととなる。
図8に示すように、まず、右打ち領域19を流下する遊技球(遊技球802、遊技球803)は、上記「遊技エリアA」に到達すると、以下のようなルートを辿って右打ち領域19を流下していくこととなる。以下では、右打ち領域19を流下する遊技球の代表的な流下経路について説明する。なお、流下経路については、図7の場合と同様、以下に示す流下経路以外にも考えられるが、概ね、考えられ得る代表的な流下経路について説明し、他の流下経路については省略する。
例えば、遊技球が、第2大入賞口81に比較的近い位置を流下する場合には遊技球802で示す流下経路を辿ることとなり、第2大入賞口81から比較的遠い位置を流下する場合には遊技球803で示す流下経路を辿ることとなる。
遊技球802は、遊技球が振分障害物95と壁92との間を流下していくルートを辿る例を示している。振分障害物95と壁92との間を流下する遊技球802は、主には、振分障害物95と壁92の間を略真直ぐにすり抜けて、右羽根73(誘導通路723の下流側に位置する通路、下流通路723K)等に衝突した後、第1大入賞口71へ入球するルートN1を辿ることとなる。また、遊技球802は、振分障害物95と壁92との間を流下するときに、振分障害物95の複数の突起部95aと、壁92の複数の突起部92aとに衝突しながら流下する場合(いわゆる、ジグザグに流下する場合)もある。このような場合には、上述したルートM2を辿って上アウト口28に入球することもあれば、途中からルートN1に合流して、第1大入賞口71へ入球することもあるものとなっている。なお、遊技球802がルートM2を辿る割合は、ルートN1を辿る割合に比べて小さくなるようにしている。これは、ルートM2を辿るよりもルートN1を辿る割合が高くなるように、突起部95aや突起部92aの大きさや形状、個数が設定されていることによるものである。
遊技球803は、遊技球が振分障害物95と壁91との間を流下していくルートを辿る例を示している。振分障害物95と壁91との間を流下する遊技球803は、主には、振分障害物95と壁91との間を略真直ぐにすり抜けて、壁93や左羽根72(誘導通路723の上流側に位置する通路、上流通路723J)等に衝突した後、ルートN1に合流するルートS1を辿ることとなる。
また、遊技球803は、振分障害物95と壁91との間を流下するときに、振分障害物95の複数の突起部95bと壁91の複数の突起部91aとに衝突しながら流下する場合もある。このような場合には、上述したルートR2を辿ってワープ通路23を流下していくこともあれば、途中からルートS1に合流することもあるものとなっている。なお、ワープ通路23を流下するルートR2を辿る場合の流下経路(ルートR3以降の流下経路)については、図7で示したものと同様であるため、説明は省略する(一部図示も省略している)。なお、遊技球803がルートR2を辿る割合は、ルートS1を辿る割合に比べて小さくなるようにしている。これは、ルートR2を辿るよりもルートS1を辿る割合が高くなるように、突起部95bや突起部91aの大きさや形状、個数が設定されていることによるものである。
また、上記誘導通路723は、左羽根72の上面72aである上流通路723Jと、右羽根73の上面73aである下流通路723Kと、から構成されているが、この上流通路723Jと下流通路723Kとの間には、左羽根72の厚さと略同じ長さである段差DSが設けられている。この左羽根72の厚さとは、左羽根72の上面72aから左羽根72の下面72bまでの長さのことである。すなわち、誘導通路723は、上流通路723Jを転動してきた遊技球が上流通路723Jから段差DSだけ下がって下流通路723Kに到達するように形成されている。
この段差DSは、主にはルートS1を辿ってきた遊技球(遊技球803)が、左羽根72(上流通路723J)に衝突したときの力(衝撃)により、左特定位置から時計回り方向に押し戻されてしまう(沈み込んでしまう)ことを考慮して設けられている。
言い換えれば、ルートS1を辿ってきた遊技球は、まずは、左羽根72(上流通路723J)に衝突してから、右羽根73(下流通路723K)に向かって転動していく割合が高い。つまり、ルートS1を辿ってくる遊技球の衝撃を最初に受けることとなるのは、左羽根72である。したがって、上記遊技球の衝撃により、左羽根72が多少なりとも左特定位置から時計回り方向に回動させられてしまうことを考慮して、段差DSを設けるものとしたのである。
このように、左羽根72と右羽根73とにより形成される誘導通路723において、予め段差DSを設けておくことにより、上述したような遊技球の衝撃が左羽根72に加えられたとしても、段差DSを設けている分だけ、上流通路723J(左羽根72)が沈み込んだとしても、この上流通路723Jを転動する遊技球が下流通路723Kに到達し得る誘導通路723が崩壊されない。すなわち、上流通路723Jが沈み込んでしまうことにより、この上流通路723Jと下流通路723Kとの接近部分(最も接近する箇所の付近)において、遊技球が連結通路27に入球し得る方向に零れ落ちてしまうような隙間を生じさせることがない。つまり、誘導通路723を遊技球が転動する場合において、上流通路723Jを転動する遊技球を、下流通路723Kとは別の経路(通路、流下経路)に向けて流下させてしまうような事態を招くことがない。
なお、左羽根72には、複数個の遊技球が略同時期に衝突する場合も考えられるため、上述したような段差DSを設けるにあたり、複数個の遊技球が左羽根72に衝突した場合であっても、上述したように誘導通路723が崩壊されない程度の段差を設けておくことが望ましい。
以上のように、本実施形態では、第1アタッカー装置70を構成する左羽根72および右羽根73が、この第1アタッカー装置70の非作動時には、右打ち領域19(遊技領域15)において、遊技球の衝突し得る壁(壁93、壁94)の一部を形成しているが、第1アタッカー装置70の作動時には、右打ち領域19(遊技領域15)において、流下する遊技球の流下経路を変える誘導通路723を形成する通路部材として機能する。
そして、左羽根72および右羽根73により上記誘導通路723が形成されると、下アウト口29へ向かう遊技球がほぼ零に近くなる。すなわち、右打ち領域19を流下する遊技球のほぼ全てを第1大入賞口71へ向かわせることが可能となる。
しかしながら、本実施形態では、上述したような状態(誘導通路723が形成された状態)においても、少なからず、第1大入賞口71以外の入賞口あるいはアウト口へ遊技球を向かわせるための別のルート(いわゆる、「逃げ道」となる流下経路)が生じ得る構成としている。この「逃げ道」となる流下経路に該当するのが、上記ルートM2(上アウト口28に向かう流下経路)およびルートR2(ワープ通路23を辿る流下経路)である。すなわち、排出口や排出経路に入球することとなる流下経路が「逃げ道」ということになる。
このような「逃げ道」を設けていることにより、完全に全ての遊技球が第1大入賞口71に向かってしまうこと、つまり、遊技球の流下経路が1つだけ(第1大入賞口71に向かう流下経路のみ)となってしまうような事態を回避することができる。
したがって、本実施形態によれば、ほぼ全ての遊技球を第1大入賞口71へ向かわせることにより、無駄なこぼれ球が極力発生しないという、遊技者にとって有利な状況を作り出すことが可能になるとともに、稀にワープ通路23や上アウト口28に向かって遊技球が流下し得る、イレギュラーな流下経路をも発生させることができる。よって、大当たり遊技中(右打ち遊技中)における遊技の単調さを解消することができる。さらに言えば、右打ち領域19(遊技領域15)を流下する遊技球の軌跡(流下軌跡)に対する面白みを付与することができる。
なお、本実施形態では、上アウト口28に向かう流下経路、およびワープ通路23を辿る流下経路、という2つの「逃げ道」を設けているが、何れか一方の「逃げ道」だけを設けるものであってもよい。また、「逃げ道」に該当する流下経路は、上アウト口28に向かう流下経路やワープ通路23を辿る流下経路に限られるものではない。
なお、第2アタッカー装置80が配置される位置については、上述したような、第1アタッカー装置70よりも上方側(遊技領域15における上流側)に限られるものではない。例えば、ワープ通路23から出てきた遊技球が入球可能な位置に第2アタッカー装置80を配置する構成としてもよい。このようにすると、第1アタッカー装置70に入球し得ないルートを辿ってきた遊技球(ワープ通路23を辿ってきた遊技球)であっても、一般入賞口20Bだけではなく、第2アタッカー装置80への入球も期待することができるようになるため、上述した流下軌跡に対する、更なる面白みを付与することが可能となる。
次に、図9を用いて、パチンコ機Pを構成する各制御基板等について説明する。
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチや各種タイマカウンタからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板100の入力側には、一般入賞口検出スイッチ20s、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板100に入力するようにしている。
また、主制御基板100の出力側には、第2始動入賞口26の可動片26bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド26cと、第1アタッカー装置70の左羽根72を開閉動作させる左羽根開閉ソレノイド72cと、第1アタッカー装置70の右羽根73を開閉動作させる右羽根開閉ソレノイド73cと、第2アタッカー装置80の可動片82を開閉動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド82cと、が接続される。
さらに、主制御基板100の出力側には、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35が接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
また、主制御基板100は、遊技店のホールコンピュータ等において遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を払出・発射制御基板300に出力する。
主制御基板100のメインROM100bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、特別図柄の当否結果を判定する際に参照される大当たり決定乱数判定テーブル(図10(a)、図10(b)参照)、特別図柄の種別を決定する際に参照される当たり図柄乱数判定テーブル(図11(a)、図11(b)参照)、アタッカー装置70,80の開閉パターンを決定する作動テーブル(図12(a)〜(c)参照)、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するための遊技状態設定テーブル(図13参照)、変動演出パターンを決定する際に参照される各種テーブル(図示省略)、普通図柄の当否結果を判定する際に参照される当たり決定乱数判定テーブル(図14参照)、普通図柄の変動時間を決定するための普通図柄変動時間決定テーブル(図15参照)、第2始動入賞口26の可動片26bの作動を制御するための開閉制御パターンテーブル(図16参照)等がメインROM100bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は図10乃至図16において、後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板100のメインRAM100cは、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM100cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、判定記憶領域、第1特別図柄記憶領域、第2特別図柄記憶領域、高確率遊技回数(X)記憶領域、時短遊技回数(J)記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、遊技状態記憶領域、遊技状態バッファ、普図判定記憶領域、演出用伝送データ格納領域、タイマカウンタ、変動時間タイマカウンタ、普図変動時間タイマカウンタ等が設けられている。そして、遊技状態記憶領域は、時短遊技フラグ記憶領域、高確率遊技フラグ記憶領域、特図実行フェーズデータ記憶領域、普図実行フェーズデータ記憶領域を備えている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
電源基板600には、この電源基板600に電力を給電するための電源プラグ601が設けられているとともに、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、パチンコ機Pに供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU100aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU100aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンド、または、タッチボタン検出スイッチ61a、回転操作検出スイッチ62a、タイマカウンタ200dからの入力信号に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板400またはランプ制御基板500に送信する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。また、タイマカウンタ200dは、各種演出等に係る時間を計測する機能を有している。
副制御基板200のサブROM200bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板100から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための変動演出パターン決定テーブル(図示省略)、停止表示する演出図柄48の組み合わせを決定するための演出図柄パターン決定テーブル(図示省略)等がサブROM200bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
副制御基板200のサブRAM200cは、複数の記憶領域を有している。
サブRAM200cには、コマンド受信バッファ、遊技状態記憶領域、演出図柄記憶領域、判定記憶領域、第1保留記憶領域、第2保留記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出・発射制御基板300は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出・発射制御基板300は、払出・発射CPU300a、払出・発射ROM300b、払出・発射RAM300cを備えており、主制御基板100に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出・発射CPU300aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ302、扉開放スイッチ303、タイマカウンタからの入力信号に基づいて、払出・発射ROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板100に送信する。また、払出・発射制御基板300の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置(図示しない)の払出モータ301が接続されている。払出・発射CPU300aは、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出・発射ROM300bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出モータ301を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出・発射RAM300cは、払出・発射CPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、払出・発射制御基板300には、遊技情報出力端子板308が接続されている。この遊技情報出力端子板308は、払出・発射制御基板300を介して主制御基板100において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ700に出力するための基板である。遊技情報出力端子板308は、遊技場内LAN(図示しない)を介してホールコンピュータ700に接続される。
また、払出・発射制御基板300には、下皿8の満タン状態を検出する下皿満タン検出スイッチ304が接続されている。この下皿満タン検出スイッチ304は、賞球として払い出される遊技球を下皿8に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出・発射制御基板300に入力されるようになっている。
そして、下皿8に所定数量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿8に向かう通路内に遊技球が滞留し、下皿満タン検出スイッチ304から払出・発射制御基板300に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出・発射制御基板300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿8が満タン状態であると判断し、下皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、下皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、下皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
また、払出・発射制御基板300は、タッチセンサ7aからのタッチ信号および発射ボリューム7bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド7cを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド7cの回転速度は、払出・発射制御基板300に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技球数は、発射用ソレノイド7cが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
画像制御基板400は、上記演出表示装置40の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板400は、上記副制御基板200に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置40およびスピーカ11,12を接続している。
上記画像ROMには、演出表示装置40に表示される演出図柄48や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置40における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置40に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置40の表示画面上において重畳表示される。
また、上記音声ROMには、スピーカ11,12から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、スピーカ11,12における音声出力制御をする。
ランプ制御基板500は、遊技盤14に設けられた盤面ランプ(図示しない)およびガラス扉3に設けられた装飾ランプ13A,13B,13C、演出操作装置60の内部に設けられるとともに、この演出操作装置60を発光させるLED60bを含めた各種発光装置を制御する。また、演出役物装置41を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源(図示しない)を通電制御する。このランプ制御基板500は、副制御基板200に接続されており、副制御基板200から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
次に、図10〜図16を参照して、メインROM100bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図10(a)、図10(b)は、特別図柄の停止結果を大当たりとするか否かを判定する際に参照する大当たり決定乱数判定テーブルを示す図である。この大当たり決定乱数判定テーブルは、図10(a)に示す、低確率時において大当たり決定乱数を判定する低確率判定テーブルと、図10(b)に示す、高確率時において大当たり決定乱数を判定する高確率判定テーブルとから構成されている。
具体的に、大当たり決定乱数は、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの大当たり決定乱数が取得される。
この大当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
なお、本実施形態において、ハードウェア乱数の乱数生成に係る更新速度は、後述のソフトウェア乱数の更新速度と比較して速くしており、抽出されるカウンタ値(所謂、擬似乱数)のランダム性を向上させている。
ここで、図10(b)に示す高確率判定テーブルは、図10(a)に示す低確率判定テーブルよりも大当たりとなる確率が高くなっており、より詳しく言うと、高確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/39.96、低確率判定テーブルは、大当たりの当選確率がおよそ1/399.6(所謂、MAXスペック)に設定されている。つまり、高確率判定テーブルの方が、低確率判定テーブルに比べておよそ10倍大当たりに当選する確率が高くなるように設定されている。
なお、本実施形態では、第1特図および第2特図ともに同じ大当たり決定乱数判定テーブル(低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル)を参照するものとしている。
また、説明の便宜上、これ以降の説明において、低確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態、または低確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「低確率遊技状態」という。また、高確率判定テーブルを参照して第1特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態、または高確率判定テーブルを参照して第2特図について大当たりの当否に係る抽選が行われる遊技状態のことを「高確率遊技状態」という。また、後述する、非時短用判定テーブル(図14(a))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「非時短遊技状態」といい、時短用判定テーブル(図14(b))を参照して普通図柄に係る抽選が行われる遊技状態のことを「時短遊技状態」という。
図11は、特別図柄の種別を決定する際に参照する当たり図柄乱数判定テーブルを示す図である。この当たり図柄乱数判定テーブルでは、当たり図柄乱数に基づいて、特別図柄の種別が判定される。
具体的には、上述した図10(a)または図10(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、当該大当たり決定乱数値を取得した始動入賞口に対応して、図11(a)の第1特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブル、または図11(b)の第2特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにより当たり図柄乱数が判定される。なお、図10(a)または図10(b)において、大当たりとならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、当たり図柄乱数判定テーブルによる判定は行われない。
当たり図柄乱数は、上述した大当たり決定乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つの当たり図柄乱数が取得される。
この当たり図柄乱数は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。このソフトウェア乱数は、周期的(例えば4ミリ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜99までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
また、上述した大当たり決定乱数が大当たりに当選しているか否か(特別図柄の当否)を決定するものであるのに対して、当たり図柄乱数は、特別図柄の種別を決定するためのものである。すなわち、大当たりの内容(種別、ラウンド数、電サポ回数、アタッカー開放パターン)が当たり図柄乱数により決定される。
図11(a)に示すように、第1特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄1〜特別図柄2の2つの種別が予め決められている。上述した図10(a)または図10(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄1〜特別図柄2のうちの何れかに特別図柄の種別が決定されることになる。
より詳細に説明すると、図11(a)に示す第1特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜24までのものに対して特別図柄1(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「10R通常1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が25〜99までのものに対して特別図柄2(第1特別図柄表示装置30に表示される特別図柄の組み合わせは、「10R特定1図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。なお、上記それぞれの選択される割合は、図示のとおりである。
また、図11(b)に示すように、第2特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいては、特別図柄の種別として、特別図柄3〜特別図柄5の3つの種別が予め決められている。上述した図10(a)または図10(b)において、大当たりとなる大当たり決定乱数値を取得した場合には、このとき取得された1の当たり図柄乱数値により、特別図柄3〜特別図柄5のうちの何れかに特別図柄の種別が決定されることになる。
より詳細に説明すると、図11(b)に示す第2特図大当たり用の当たり図柄乱数判定テーブルにおいて、当たり図柄乱数の値が0〜24までのものに対して特別図柄3(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは「16R通常1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が25〜94までのものに対して特別図柄4(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「16R特定1図柄」が対応づけられている)が、当たり図柄乱数の値が95〜99までのものに対して特別図柄5(第2特別図柄表示装置31に表示される特別図柄の組み合わせは、「4R特定1図柄」が対応づけられている)が、それぞれ対応付けられている。
なお、詳しくは後述するが、特別図柄の種別に対応づけられた図柄の組み合わせにおいて、「16R」は大当たり遊技におけるラウンド数が16ラウンドであることを、「10R」はラウンド数が10ラウンドであることを、「4R」はラウンド数が4ラウンドであることを意味している。
また、「実質4R」とは、当該大当たり遊技におけるラウンド数とは別に、実際に賞球を獲得可能なラウンド数を表している。例えば、特別図柄1および特別図柄2では、当該大当たり遊技における10ラウンドのうち、賞球を獲得可能なラウンド数が4ラウンドとなっている。
そして、「特定」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が高確率遊技状態に設定される大当たり(確変当たり)を意味し、「通常」は当該大当たり遊技の終了後から遊技状態が高確率遊技状態に設定されない大当たり(通常当たり)をそれぞれ意味している。すなわち、本実施形態では、特別図柄1および特別図柄3は通常当たり、特別図柄2、特別図柄4および特別図柄5は確変当たり、にそれぞれ該当する。
なお、上述した図10(a)または図10(b)において、大当たりとならない(つまり、ハズレとなる)大当たり決定乱数値を取得した場合には、ハズレ用の特別図柄0が当該図柄として決定される。この特別図柄0には、特別図柄表示装置30,31に表示される特別図柄の組み合わせとして、「ハズレ図柄」が対応づけられている。
このように、本実施形態では、第1特図および第2特図において、決定され得る特別図柄の種別が異なっているだけでなく、第2特図の方が第1特図に比べると、遊技者にとって有利なテーブル構成となっている(詳細は後述する)。
図12(a)〜(c)は、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80の開閉パターンが対応づけられた、アタッカー装置の作動テーブルを示す図である。アタッカー装置の作動テーブルは、特別図柄の種別ごとに別々のテーブルが設けられている。
「ラウンド遊技回数(R)」とは、大当たり遊技中にラウンド遊技が何回実行されるかを定めたものである。本実施形態では、大当たり遊技中のラウンド遊技の回数は、4回(R=4、4ラウンド)と、10回(R=10、10ラウンド)と、16回(R=16、16ラウンド)と、の3種類がある。
「開放回数(K)」とは、大当たり遊技中においては、当該大当たり遊技中の1回のラウンド遊技において第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が開放状態となる回数のことをいう。本実施形態では、何れの大当たり遊技であっても、大当たり遊技中の1回のラウンド遊技において、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が開放する回数は、1回となっている。
「開放時間」とは、アタッカー装置(第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80共に含む)が開放状態に維持される時間のことをいう。本実施形態では、1回のラウンド遊技における開放時間が「29.0秒」×1回に設定されるラウンド遊技と、開放時間が「0.1秒」×1回に設定されるラウンド遊技と、がある。
例えば、開放時間が「29.0秒」に設定されたラウンド遊技では、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が開放状態となってから第1大入賞口71または第2大入賞口81に遊技球を複数個以上、入賞させることが十分に可能であるが、開放時間が「0.1秒」に設定されたラウンド遊技では、第2アタッカー装置80が開放状態となっても、0.1秒で直ちに閉じてしまうため、第2大入賞口81に遊技球を入賞させることは困難である。
なお、大当たり遊技における1回のラウンド遊技において、所定個数(例えば、8個)の入賞があった場合には、上記したそれぞれの開放時間が経過していなくても、第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80は閉鎖状態となる。
「閉鎖時間(インターバル時間)」とは、大当たり遊技の場合に、各ラウンド遊技間または各開放間に第1アタッカー装置70または第2アタッカー装置80が閉鎖する時間のことをいう。
このように、本実施形態では、先に述べた特別図柄(第1特図または第2特図)の種別が決定されると、その種別に基づいて、図12(a)〜(c)に示す第1作動テーブル〜第3作動テーブルの何れか1つが決まるようになっている。
図12(a)に示す第1作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄1(10R通常1図柄)」または「特別図柄2(10R特定1図柄)」の場合に決定され、この第1作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜4回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定され、5回目〜10回目のラウンド遊技における第2アタッカー装置80の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「0.1秒」に設定された大当たり遊技となる。
図12(b)に示す第2作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄3(16R通常1図柄)」または特別図柄4(16R特定1図柄)」の場合に決定され、この第2作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜16回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ、開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
図12(c)に示す第3作動テーブルは、特別図柄の種別が「特別図柄5(4R特定1図柄)」の場合に決定され、この第3作動テーブルにより制御された大当たり遊技は、1回目〜4回目のラウンド遊技における第1アタッカー装置70の開放回数が1回で、かつ開放時間が「29.0秒」に設定された大当たり遊技となる。
上記のように、第1作動テーブル(図12(a))では、5回目〜10回目までのラウンド遊技において第2アタッカー装置80が1回開放するものの、その開放時間が「0.1秒」となっているラウンド遊技が行われる。しかしながら、「0.1秒」の開放時間では、第2大入賞口81に遊技球を入賞させることは困難、ほぼ不可能なものとなっている。これにより、実質4Rを実現可能としている。すなわち、第1作動テーブル(図12(a))では、第3作動テーブル(図12(c))と、実質的に同じ回数だけ、賞球を獲得可能なラウンド遊技が実行される。
ここで、第3作動テーブルでは、第1アタッカー装置70が開放するため、上述した通り、右打ち領域19を流下する遊技球のほとんどが第1大入賞口71へ入球することとなる。すなわち、無駄球(無駄玉)が無く効率良く4R大当たり遊技に係る賞球を獲得することができる。
これに対して、第1作動テーブルでは、第2アタッカー装置80が開放するため、右打ち領域19を流下する遊技球が第2大入賞口81以外にも流下してしまう。すなわち、第1アタッカー装置70が開放した場合に比べると、より多くの無駄球、こぼれ球(第2大入賞口81に入球しなかった遊技球)が発生する。
以上のことから、実質的に同じ回数だけラウンド遊技が行われる場合(この場合は、4回のラウンド遊技)であっても、第1アタッカー装置70が開放する大当たり遊技(第3作動テーブルに基づく大当たり遊技)と、第2アタッカー装置80が開放する大当たり遊技(第1作動テーブルに基づく大当たり遊技)と、では、当該大当たり遊技において獲得可能な賞球数が異なることとなる。つまり、第1アタッカー装置70が開放する大当たり遊技のほうが、第2アタッカー装置80が開放する大当たり遊技よりも、多くの賞球を獲得することが可能となっている。
また、第2作動テーブルでは、第1アタッカー装置70が開放するラウンド遊技が行われるため、16回のラウンド遊技において、ほとんど無駄球を発生させることなく、効率よく大量の賞球を獲得することができる。
図13は、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルである。
本実施形態に係るパチンコ機Pは、遊技状態(遊技モード)として、「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の3つの状態が予め用意されている。「低確モード」は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態(「低確・非時短」)から成り、「時短モード」は、低確率遊技状態かつ時短遊技状態(「低確・時短」)から成り、「確変モード」は、高確率遊技状態かつ時短遊技状態(「高確・時短」)から成るものである。
本実施形態では、大当たり遊技の終了後から、当該大当たり遊技が行われる契機となった特別図柄(第1特図または第2特図)の種別に応じて、高確/低確の何れか、時短/非時短の何れかが決まるものとなっている。さらに、高確の場合には高確率遊技状態が継続する回数(高確率遊技回数(X))が決まり、時短の場合には時短遊技状態が継続する回数(時短遊技回数(J))が決まるものとなっている。このとき決まった高確率遊技回数(X)は、高確率遊技回数(X)記憶領域に記憶され、時短遊技回数(J)は、時短遊技回数(J)記憶領域に記憶される。
具体的に、特別図柄の種別と、当該特別図柄に係る大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態との対応関係は以下の通りである。
「特別図柄1(10R通常1図柄)」、「特別図柄3(16R通常1図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技の終了後には、高確率遊技回数が0回および時短遊技回数が100回に設定される。
「特別図柄2(10R特定1図柄)」、「特別図柄4(16R特定1図柄)」、「特別図柄5(4R特定1図柄)」に係る大当たり遊技の終了後には、当該大当たりに当選したときの遊技状態が「低確モード」、「時短モード」、「確変モード」の何れであっても、当該大当たり遊技終了後には、高確率遊技回数が10000回および時短遊技回数が10000回に設定される。
ここで、本実施形態では、低確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/400であり、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/40となっているから、高確率遊技状態において10000回も遊技を行う間には、ほぼ間違いなく大当たりに当選する。加えて、時短遊技回数が10000回付与されるということは、次回の大当たり当選まで「時短遊技状態」が継続することと等しいと言えるものである。すなわち、高確率遊技回数が10000回、時短遊技回数が10000回に決定されると、遊技球をあまり減らすことなく大当たりが連荘することが実質上、確定することになる。
また、上述した大当たり決定乱数、当たり図柄乱数と同様に、第1始動入賞口24に遊技球が入賞したことを契機として(第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、または、第2始動入賞口26に遊技球が入賞したことを契機として(第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、変動演出パターン(変動態様や変動時間)を決定するための各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得される。また、各始動入賞口24,26に入賞した場合には、それぞれ1つのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数が取得される。
これらの各種乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)は主制御基板100内にて生成されるソフトウェア乱数である。そして、大当たりの抽選の結果、および、これらの乱数に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動に係る時間も含む)が決定される。この変動パターンには、例えば、リーチ演出を実行させる変動パターンや、大当たりとなる演出を実行させる変動パターンなど、さらには、疑似連演出などの予告演出を実行させる変動パターンなども含まれている。
なお、変動パターンが決定されると、当該変動パターンに係るコマンド(変動パターンコマンド)が主制御基板100から副制御基板200に送信される。そして、変動パターンコマンドを受信した副制御基板200は、このコマンドに従って、変動演出の内容等を決定し、演出表示装置40等にて変動演出を実行させる。
図14は、当たり決定乱数判定テーブルを示している。遊技球がゲート22を通過すると、第2始動入賞口26の可動片26bを通電制御するか否かが対応づけられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
具体的に、当たり決定乱数は、ゲート22に遊技球が通過したことを契機に(ゲート検出スイッチ22aからの検出信号が主制御基板100に入力されたタイミングで)、1つの当たり決定乱数が取得される。
この当たり決定乱数は主制御基板100内に設けられた乱数発生器等(図示しない)にて生成されるハードウェア乱数である。このハードウェア乱数は、周期的に入力されるクロック信号に基づいてカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜65535までの範囲)で1ずつ更新させることにより生成される。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(a)に示す非時短用判定テーブルが参照される。この非時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜32768であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0、32769〜65535)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/2.00となる。この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動入賞口26の可動片26bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、可動片26bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(b)に示す時短用判定テーブルが参照される。この時短用判定テーブルによれば、当たり決定乱数が1〜65535であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、それ以外の当たり決定乱数(0)であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率はおよそ1/1.00となる。このため、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われると、ほとんどの場合、当たり図柄に当選することとなる。すなわち、時短遊技状態では、第2始動入賞口26の可動片26bが開状態に制御される割合が、非時短遊技状態に比べて大幅に増加することとなる。
図15は、普通図柄変動時間決定テーブルを示している。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間決定テーブルは、普図抽選によって当たり図柄またはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間決定テーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が2.5秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には、変動時間が0.5秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示装置32が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示装置32が点灯した場合には図16に示す開閉制御パターンテーブルを参照して、第2始動入賞口26の可動片26bが開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、開放回数(可動片26bが開状態に制御される回数)、開放時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cの通電時間、すなわち、可動片26bが開状態に制御される時間)、閉鎖時間(始動入賞口開閉ソレノイド26cが複数回通電制御される場合における、各開放間の通電休止時間)が、第2始動入賞口26の制御データとして遊技状態ごとに予め決められている。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26の可動片26bが1回だけ開状態に制御される。このとき、開状態となる時間(開放時間)は、0.3秒間となっている。
一方、遊技状態が時短遊技状態であれば、1回の普図当たりに対して、第2始動入賞口26の可動片26bが3回だけ開状態に制御される。このとき、1回目〜3回目の開放時間が、1.5秒間となっており、1回目の開状態から2回目の開状態になるまでの閉鎖時間(インターバル)、および2回目の開状態から3回目の開状態になるまでの閉鎖時間は、0.7秒間となっている。なお、本実施形態では、4回目以降に開状態となることはないため、3回目の開状態が終了した後に、インターバルは設けられていない。
以上のことから、時短遊技状態では、上述したように、時短用判定テーブルを参照して抽選が行われるため、殆どの場合、普図当たりに当選し、その当選により第2始動入賞口26が1.5秒×3回開放状態となるため、遊技者は、第2始動入賞口26に遊技球を比較的容易に入賞させることができる。従って、時短遊技状態においては、遊技球をあまり減らすことなく遊技を行うことができる。
なお、賞球数等について、本実施形態では、第1始動入賞口24に1球の入賞(1回の入賞)があった場合の賞球数、及び第2始動入賞口に1球の入賞(1回の入賞)があった場合の賞球数は、それぞれ1個以上の遊技球を賞球として遊技者に払い出す所定の規定数として設定している。
また、第1始動入賞口24に係る賞球と、第2始動入賞口26に係る賞球とでは、1回の入賞に対して払い出す賞球数を互いに異ならせてもよいし、上記賞球数を同数としてもよい。
さらに、特別図柄の当選確率(大当たりの抽選における大当たりの当選確率)や総獲得遊技球数(総獲得賞球数)の期待値(初当たりから時短遊技状状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、1回の入賞に対して払い出す最低賞球数を設定するようにしてもよい。
また、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、第1アタッカー装置70の開放回数、第1アタッカー装置70の開放時間、第1大入賞口71へ入球可能とする最大入賞個数、第1大入賞口71の1回の入賞に対して払い出す賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当たりによる獲得遊技球数が最大となる大当たりの種別に係る最大獲得遊技球数の1/4未満となる最低獲得遊技球数の大当たりの種別を設定してもよい。なお、第2アタッカー装置80(第2大入賞口81)についても同様である。
次に、本実施形態のパチンコ機Pにおける遊技の処理の手順について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図17を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
(ステップS1)
まず、メインCPU100aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを、メインRAM100cに設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする処理を行う。
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものであり、乱数範囲は「0〜99」となっている。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、当たり図柄乱数値がその乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、「変動演出乱数」という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、および、変動パターン乱数を更新する。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図18を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
(ステップS10)
まず、メインCPU100aは、メインCPU100aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
(ステップS20)
次に、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。この各種タイマカウンタは、特に断る場合を除いて、当該主制御基板100のタイマ割込処理の度に減算され、「0」になると減算を停止する。
(ステップS30)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2と同様に、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を行う。
(ステップS40)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
(ステップS100)
次に、メインCPU100aは、スイッチ管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20s、ゲート検出スイッチ22a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81aの各スイッチに入力があったか否かを判定する処理を行う。このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物(第1アタッカー装置70、第2アタッカー装置80)の制御を行うための特別遊技管理処理を行う。この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS1100)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物(第2始動入賞口26、可動片26bおよび始動入賞口開閉ソレノイド26c)の制御を行うための普通遊技管理処理を行う。この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS50)
次に、メインCPU100aは、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー管理処理を行う。具体的には、ガラス扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、下皿8の満タン状態に基づく下皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU100aは、対応するエラー指定コマンド(扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、上述のエラー指定コマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU100aは、対応するエラー解除コマンド(扉閉鎖指定コマンド、満タン状態解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS60)
次に、メインCPU100aは、払出制御管理処理を行う。この処理において、メインCPU100aは、第1大入賞口71、第2大入賞口81、第1始動入賞口24、第2始動入賞口26、一般入賞口20に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。
具体的には、第1大入賞口検出スイッチ71a、第2大入賞口検出スイッチ81a、特定領域検出スイッチ82a、一般領域検出スイッチ83a、第1始動入賞口検出スイッチ24a、第2始動入賞口検出スイッチ26a、および一般入賞口検出スイッチ20sからの検出信号がメインCPU100aに入力された場合に、メインCPU100aは、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタ(第1大入賞口賞球カウンタ、第2大入賞口賞球カウンタ、第1始動入賞口賞球カウンタ、第2始動入賞口賞球カウンタ、一般入賞口賞球カウンタ、何れも図示しない)を更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを払出・発射制御基板300に送信する。その後、払出・発射制御基板300により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払出コマンドが送信され、メインCPU100aは、当該払出コマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。
(ステップS70)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
(ステップS80)
次に、メインCPU100aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記ステップS70で作成した外部情報データ、始動入賞口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。また、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特別図柄保留表示器33、第2特別図柄保留表示器34および普通図柄保留表示器35の各LEDを点灯させるために、上記ステップS70で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力するLED表示出力処理を行う。さらに、メインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
(ステップS90)
次に、メインCPU100aは、ステップS10で退避した情報をメインCPU100aのレジスタに復帰させる。
図19を用いて、主制御基板100のスイッチ管理処理を説明する。
(ステップS110)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力したか、すなわち、遊技球がゲート22を通過したか否かを判定する。さらに、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ22aが信号を入力した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算し、当たり決定乱数として予め用意された乱数範囲(例えば、0〜65535)から1つの当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した当たり決定乱数値を記憶する。ただし、普通図柄保留数(G)記憶領域に「4」が記憶されている場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域に「1」を加算したり、当たり決定乱数値を抽出し、普通図柄保留記憶領域に抽出した乱数値を記憶したりすることは行わない。
(ステップS120)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20sから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が一般入賞口20に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ20sから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、第1始動入賞口検出スイッチ24aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動入賞口24に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。
例えば、第1始動入賞口検出スイッチ入力処理では、遊技球が第1始動入賞口24に入賞したことに基づいて、各種乱数(大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)が取得され、第1特別図柄記憶領域の所定の記憶部に記憶される。
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、第2始動入賞口検出スイッチ26aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動入賞口26に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする。
例えば、第2始動入賞口検出スイッチ入力処理では、遊技球が第2始動入賞口26に入賞したことに基づいて、各種乱数(大当たり決定乱数値、当たり図柄乱数値、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値)が取得され、第2特別図柄記憶領域の所定の記憶部に記憶される。
(ステップS140)
次に、メインCPU100aは、第1大入賞口検出スイッチ71aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1大入賞口71に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、第1大入賞口検出スイッチ71aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる第1大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口71に入賞した遊技球を計数するための第1大入賞口入球カウンタ(C1)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
(ステップS150)
次に、メインCPU100aは、第2大入賞口検出スイッチ81aからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2大入賞口81に入賞したか否かを判定する。メインCPU100aは、第2大入賞口検出スイッチ81aから検出信号を入力した場合には、賞球のために用いる第2大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第2大入賞口81に入賞した遊技球を計数するための第2大入賞口入球カウンタ(C2)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
図20を用いて、主制御基板100の特別遊技管理処理を説明する。
(ステップS401)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特別遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、特図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この実行フェーズデータは、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
(ステップS500)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「00」であれば、特別図柄変動開始処理を実行する。
例えば、特別図柄変動開始処理では、第2特図に係る保留(第2保留)と、第1特図に係る保留(第1保留)と、が記憶されている場合には、第2保留を優先して処理する。そして、当該処理される保留として記憶されている各種乱数を判定する。具体的には、大当たり決定乱数値に基づいて、大当たりの当選の可否を判定し、当たり図柄乱数値に基づいて、特別図柄の種別を決定する。また、リーチグループ決定乱数値、リーチモード決定乱数値、変動パターン乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。
(ステップS700)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「01」であれば、特別図柄変動停止処理を実行する。
例えば、特別図柄変動停止処理では、上記特別図柄変動開始処理において決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30または第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。
(ステップS800)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「02」であれば、停止後処理を実行する。
例えば、停止後処理では、時短遊技回数(J)や高確率遊技回数(X)が更新される。また、停止表示されている特別図柄の種別に基づいて、大当たりに係る特別図柄であれば、当該大当たり遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間がタイマカウンタにセットされるとともに、メインRAM100cに作動テーブル(図12参照)がセットされる。
(ステップS900)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「03」であれば、特別遊技制御処理を実行する。この特別遊技制御処理の詳細については後述する。
(ステップS1000)
メインCPU100aは、上記ステップS401でロードした実行フェーズデータの値が「04」であれば、特別遊技終了処理を実行する。
例えば、特別遊技終了処理では、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄に対応する遊技状態設定テーブル(図13参照)に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU100aは、時短遊技フラグ、高確率遊技回数(X)、時短遊技回数(J)を設定する。
図21を用いて、特別遊技制御処理を説明する。
(ステップS901)
まず、メインCPU100aは、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。
このとき、実行フェーズデータが「03」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、実行フェーズデータが「03」であると判定された場合には、ステップS902に処理を移す。
(ステップS902)
次に、メインCPU100aは、上述した停止後処理においてタイマカウンタにセットされたオープニング時間を経過したか否かを判定する。
このとき、オープニング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、オープニング時間が経過したと判定された場合には、ステップS903に処理を移す。
(ステップS903)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理中であるか否かを判定する。このエンディング処理とは、当該特別遊技制御処理においてラウンド遊技回数(R)が最大値(本実施形態では、R=4、R=10またはR=16)に到達した後に行われる待機処理のことをいう。
このとき、エンディング処理中であると判定された場合には、ステップS912に処理を移し、エンディング処理中ではないと判定された場合には、ステップS904に処理を移す。
(ステップS904)
次に、メインCPU100aは、特別図柄の種別に応じた、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の作動テーブルに基づいて、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。この大入賞口開閉制御処理では、作動テーブルと、ラウンド遊技回数(R)におけるRの値とを参照して、当該「R回目」のラウンド遊技(以下、「第Rラウンド遊技」という)に該当するアタッカー装置の作動(開放/閉鎖)の制御を実行する。
また、本実施形態では、第2作動テーブルおよび第3作動テーブルに基づく大当たり遊技において、第1アタッカー装置70の左羽根72および右羽根73の作動(開放/閉鎖)は、1つの制御コマンドによって実行される。すなわち、左羽根72および右羽根73は、その作動(駆動)を実行させる駆動手段(左羽根開閉ソレノイド72c、右羽根開閉ソレノイド73c)はそれぞれ別であるが、1つの同じ制御コマンドに従って駆動するようにしている。これにより、制御コマンドの簡素化を図ることができるとともに、第1アタッカー装置70における作動の制御に係る処理を簡便にすることができる。なお、このように、1つの同じ制御コマンドに従って作動することも、左羽根72および右羽根73をまとめて第1大入賞口開閉ソレノイドと総称することがある、とした所以である。
(ステップS905)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいて第Rラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。
このとき、第Rラウンド遊技が開始された時点ではないと判定された場合には、ステップS907に処理を移し、第Rラウンド遊技が開始された時点であると判定された場合には、ステップS906に処理を移す。
(ステップS906)
次に、メインCPU100aは、第Rラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、第Rラウンド遊技開始コマンドにおける「R」の値により、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板200に伝達できるようになっている。
(ステップS907)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS904の大入賞口開閉制御処理に基づいて第Rラウンド遊技が終了したか否かを判定する。すなわち、1回のラウンド遊技における開放時間が経過したか、または所定個数(第1大入賞口71の場合は8個、第2大入賞口81の場合は5個)の入賞があったか、が判定される。
このとき、第Rラウンド遊技が終了していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、第Rラウンド遊技が終了したと判定された場合には、ステップS908に処理を移す。
(ステップS908)
次に、メインCPU100aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に記憶されているラウンド遊技回数(R)を「1」加算する。
(ステップS909)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS908で加算したラウンド遊技回数(R)が「最大値」であるか否かを判定する。
このとき、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」ではないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、ラウンド遊技回数(R)が「最大値」であると判定された場合には、ステップS910に処理を移す。
(ステップS910)
次に、メインCPU100aは、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をタイマカウンタにセットする。
(ステップS911)
次に、メインCPU100aは、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理が終了となる。なお、エンディングコマンドは、特別図柄の種別ごとに設けられていてもよい。
(ステップS912)
上記ステップS903において、エンディング処理中であると判定された場合には、メインCPU100aは、上記ステップS910においてタイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。
このとき、当該エンディング時間が経過していないと判定された場合には、特別遊技制御処理を終了し、当該エンディング時間が経過したと判定された場合には、ステップS913に処理を移す。
(ステップS913)
次に、メインCPU100aは、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
(ステップS914)
次に、メインCPU100aは、特別遊技管理処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
図22を用いて、普通遊技管理処理を説明する。
(ステップS1101)
まず、メインCPU100aは、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普通遊技管理処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうち、何れを実行するかを示すものであり、普図実行フェーズデータ記憶領域に記憶されている。具体的には、この普図実行フェーズデータは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
(ステップS1200)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「10」であれば、普通図柄変動開始処理を実行する。
例えば、普通図柄変動開始処理では、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル(非時短用判定テーブルまたは時短用判定テーブルの何れか、図14参照)を選択し、当該選択したテーブルと、普図判定記憶領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の当選/非当選を判定する。さらに、現時点の遊技状態に基づいて、普通図柄の変動時間についても決定され、普図変動時間タイマカウンタにセットされる。
(ステップS1300)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「11」であれば、普通図柄変動停止処理を実行する。
例えば、普通図柄変動停止処理では、上述した普通図柄変動開始処理において普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かが判定される。そして、普通図柄の変動時間が経過したと判定された場合には、当該普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示が実行される。
(ステップS1400)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「12」であれば、普通図柄停止後処理を実行する。
例えば、普通図柄停止後処理では、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であれば、可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」がセットされ、停止表示されている普通図柄がハズレ図柄(当たり図柄ではない)であれば、普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」がセットされる。
(ステップS1500)
メインCPU100aは、上記ステップS1101でロードした実行フェーズデータの値が「13」であれば、可動片制御処理を実行する。
例えば、可動片制御処理では、開閉制御パターンテーブル(図16)を参照して、現時点の遊技状態に基づいて、始動入賞口ソレノイド26cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)および通電時間(開放時間)がセットされる。
最後に、副制御基板200について簡単に概略を説明する。
副制御基板200において、主制御基板100から送信されたデータに基づいて、画像制御基板400およびランプ制御基板500にて実行させる演出パターン等の演出データに係るコマンドを決定し、このコマンドを画像制御基板400およびランプ制御基板500に送信する。副制御基板200から画像制御基板400およびランプ制御基板500に上記した演出データに係るコマンドが送信されると、画像制御基板400およびランプ制御基板500では以下のような制御が行われる。
画像制御基板400において、演出表示装置40を制御する際には、受信したデータに基づいて、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、スピーカ11,12における音声を出力制御する。また、副制御基板200から画像制御基板400にデータが送信されると、画像CPUが画像ROMからプログラムを読み出して、受信した演出用のコマンドに基づいて演出表示装置40における画像表示を制御する。
ランプ制御基板500においては、受信したデータに基づいて演出役物装置作動プログラムを読み出して、演出役物装置41を作動制御するとともに、受信した演出用のデータに基づいて演出照明装置制御プログラムを読み出して、装飾ランプ13A〜13CやLED60bを制御する。
以上のように、本実施形態によれば、上述した通り、大当たり遊技中において、遊技領域15を流下する遊技球の軌跡に対する面白みを付与することができ、従来にはない斬新なアタッカー装置(大入賞口開閉装置)を有するパチンコ機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、上述した通り、大当たり遊技において、ほとんど無駄球を発生させることなく、効率よく大量の賞球を獲得することのできるアタッカー装置を備えたパチンコ機を提供することができる。
(その他の実施形態についての言及)
上記実施形態は、本発明のパチンコ機Pの一形態であり、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
(変形例1)
次に、図23および図24を用いて、上記実施形態の別形態(変形例1)について説明する。なお、上記実施形態と同じ構成については同符号を付し、説明は省略する。
図23および図24は、上記実施形態における上アウト口28を設けない形態の一例を示している。その他の構成は上記実施形態と同様である。
また、図23は、第1アタッカー装置70の非作動時の状態を示し、図24は、第1アタッカー装置70の作動時の状態を示している。すなわち、本変形例1と上記実施形態とは、上アウト口28に入球するルート(流下経路)が無い点で相違する。それ以外のルートは、上記図7および図8で説明したものと同じである。
なお、図23において、遊技球800が辿るルートMA2は、上記実施形態でも示した通り、振分障害物95と壁92との間を遊技球800がジグザグに流下するルートM2と同様であるが、上アウト口28に該当する部分は、壁94の一部となっているため、ルートMA2を辿ってきた遊技球800は、壁94に衝突して、途中からルートM1やルートR1等、あるいはルートM3に合流するものとなっている。また、図24において、上述したルートMA2を辿る遊技球802については、壁94に衝突して、途中からルートN1やルートS1等に合流するものとなっている。
この変形例1によれば、上記実施形態と同様に、特に、大当たり遊技中において、遊技領域15を流下する遊技球の軌跡に対する面白みを付与することができ、従来にはない斬新なアタッカー装置(大入賞口開閉装置)を有するパチンコ機を提供することができる。
また、本変形例1によれば、上記実施形態と同様に、大当たり遊技において、ほとんど無駄球を発生させることなく、効率よく大量の賞球を獲得することのできるアタッカー装置を備えたパチンコ機を提供することができる。
さらに、本変形例1によれば、「逃げ道」となる、ワープ通路23を辿る流下経路を流下した遊技球は、さらに別の入賞口(一般入賞口20B、第2始動入賞口26)へ入球する可能性があるため、大当たり遊技において右打ち領域19を流下する遊技球の軌跡に対する更なる面白みを付与することができる。すなわち、遊技球がワープ通路23を辿る流下経路を流下する場合であっても、まだ複数の入賞口に入球し得る機会が与えられる、というように、大入賞口(第1大入賞口71)へ入球し得ない流下経路を辿る遊技球についても、この遊技球の軌跡を追う面白み、楽しみを付与することができる。
(変形例2)
次に、図25および図26を用いて、上記変形例1とは別の、上記実施形態の別形態(変形例2)について説明する。なお、上記実施形態と同じ構成については同符号を付し、説明は省略する。
図25および図26は、上記実施形態におけるワープ通路23を設けない形態の一例を示している。その他の構成は上記実施形態と同様である。
また、図25は、第1アタッカー装置70の非作動時の状態を示し、図26は、第1アタッカー装置70の作動時の状態を示している。すなわち、本変形例2と上記実施形態とは、ワープ通路23を辿るルート(流下経路)が無い点で相違する。それ以外のルート(流下経路)は、上記図7および図8で説明したものと同じである。段差DS1についても、上記実施形態における段差DSと同じである。
なお、図25において、遊技球801が辿るルートA1は、上記実施形態でも示した通り、振分障害物95と壁91との間を遊技球がジグザグに流下するルートであり、途中からルートR1に合流するものである。また、図26において、遊技球803が辿るルートB1は、上記実施形態でも示した通り、振分障害物95と壁91との間を遊技球がジグザグに流下するルートであり、途中からルートS1に合流するものである。
この変形例2によれば、上記実施形態と同様に、特に、大当たり遊技中において、遊技領域15を流下する遊技球の軌跡に対する面白みを付与することができ、従来にはない斬新なアタッカー装置(大入賞口開閉装置)を有するパチンコ機を提供することができる。
また、本変形例2によれば、上記実施形態と同様に、大当たり遊技において、ほとんど無駄球を発生させることなく、効率よく大量の賞球を獲得することのできるアタッカー装置を備えたパチンコ機を提供することができる。
なお、上記実施形態、変形例1および変形例2では、第1アタッカー装置70および第2アタッカー装置80の2つのアタッカー装置を有する構成にて説明したが、これに限られない。例えば、第2アタッカー装置80は設けなくてもよいし、第2アタッカー装置80についても、上記第1アタッカー装置70と同様の構成としてもよい。
なお、上記実施形態1、変形例1および変形例2では、アタッカー装置(第1アタッカー装置70)において、左羽根72、右羽根73といった羽根形状の可動片が開閉する構成を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、可動片として、スライド板や扉といった従来のアタッカー装置に採用されている部材を採用してもよい。このような部材を採用する場合であっても、上記実施形態および変形例1で説明したように、遊技球の流下可能な流下経路において、大当たり遊技では遊技球の流下する方向を変える誘導通路723が形成され得るものであれば、上記実施形態、変形例1および変形例2と同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施形態、変形例1および変形例2における第1アタッカー装置70は、本発明の可変入賞装置の一例に該当する。
また、上記実施形態、変形例1および変形例2における左羽根72は、本発明の第1可動片の一例に該当し、右羽根73は、本発明の第2可動片の一例に該当する。
また、上記実施形態、変形例1および変形例2における第1大入賞口71は、本発明の特別入賞口の一例に該当する。
また、上記実施形態、変形例1および変形例2において、右羽根73が壁94の一部を形成することは、本発明における第2可動片が閉塞壁を形成する場合の一例に該当する。
また、上記実施形態、変形例1および変形例2における、誘導通路723は、本発明の入賞経路の一例に該当し、上流通路723Jは、本発明の誘導路の一例に該当し、下流通路723Kは、本発明の入球路の一例に該当する。
また、上記実施形態、変形例1および変形例2における主制御基板100は、本発明の出力手段の一例に該当する。
また、上記実施形態、変形例1および変形例2における左羽根開閉ソレノイド72cは、本発明の第1駆動手段の一例に該当し、右羽根開閉ソレノイド73cは、本発明の第2駆動手段の一例に該当する。
P パチンコ機
7 ハンドル
7a タッチセンサ
7b 発射ボリューム
7c 発射用ソレノイド
8 下皿
8a 玉抜レバー
8b 玉抜き孔
11 上部スピーカ
12 下部スピーカ
14 遊技盤
15 遊技領域
16a ガイドレール
16b 遊技球規制レール
17 遊技釘
18 左打ち領域
19 右打ち領域
20(20A,20B) 一般入賞口
20s 一般入賞口検出スイッチ
22 ゲート
22a ゲート検出スイッチ
23 ワープ通路
23E 入り口(ワープ通路)
24 第1始動入賞口
24a 第1始動入賞口検出スイッチ
26 第2始動入賞口
26a 第2始動入賞口検出スイッチ
26b 可動片
26c 始動入賞口開閉ソレノイド
27 連結通路
28 上アウト口
29(29A,29B) 下アウト口
30 第1特別図柄表示装置
31 第2特別図柄表示装置
32 普通図柄表示装置
33 第1特別図柄保留表示器
34 第2特別図柄保留表示器
35 普通図柄保留表示器
40 演出表示装置
41 演出役物装置
42 第1保留表示領域
42a〜42d 表示領域
44 第2保留表示領域
44a〜44d 表示領域
48(48a、48b、48c) 演出図柄
49 画像
50 ステージ
52 溝
60 演出操作装置
60b LED
61 タッチボタン
61a タッチボタン検出スイッチ
62 セレクタスイッチ
62a 回転操作検出スイッチ
70 第1アタッカー装置
70b 蓋部材
70c 第1大入賞口開閉ソレノイド
71 第1大入賞口
71a 第1大入賞口検出スイッチ
72 左羽根
72a 上面
72b 下面
72c 左羽根開閉ソレノイド(第1大入賞口開閉ソレノイド)
73 右羽根
73a 上面
73c 右羽根開閉ソレノイド(第1大入賞口開閉ソレノイド)
723 誘導通路
723J 上流通路
723K 下流通路
DS 段差
80 第2アタッカー装置
81 第2大入賞口
81a 第2大入賞口検出スイッチ
82 可動片
82c 第2大入賞口開閉ソレノイド
91,92,93,94 壁
91a,92a 突起部
95 振分障害物
95a 突起部
DS1 段差
100 主制御基板
100a メインCPU
100b メインROM
100c メインRAM
200 副制御基板
200a サブCPU
200b サブROM
200c サブRAM
200d タイマカウンタ
300 払出・発射制御基板
300a 払出CPU
300b 払出ROM
300c 払出RAM
301 払出モータ
302 払出球計数スイッチ
303 扉開放スイッチ
304 下皿満タン検出スイッチ
308 遊技情報出力端子板
400 画像制御基板
500 ランプ制御基板
600 電源基板
601 電源プラグ
700 ホールコンピュータ

Claims (5)

  1. 遊技領域に向けて発射された遊技球が流下する流下領域に設けられ、所定の開閉態様で開閉することが可能である可変入賞装置を備えた遊技機であって、
    前記可変入賞装置は、
    所定条件が成立するまでは前記流下領域において遊技球が当接し得る壁を形成している第1可動片と、前記所定条件が成立するまでは前記流下領域において遊技球が当接し得る壁を形成している第2可動片と、から構成され、
    前記所定条件が成立すると、前記第1可動片および前記第2可動片が作動することにより、当該可変入賞装置内に遊技球が入球可能な開放状態に制御される、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記所定条件の成立により、前記第1可動片および前記第2可動片が作動すると、
    当該第1可動片および当該第2可動片により、前記流下領域を流下する遊技球が前記可変入賞装置内に設けられた特別入賞口へ向かう入賞経路が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2可動片は、
    前記所定条件が成立するまでは、前記特別入賞口を塞いで当該特別入賞口への遊技球の入球を防止する閉塞壁を形成しており、
    前記入賞経路において、
    前記第2可動片は、前記特別入賞口を開放して当該特別入賞口へ遊技球を入球させる入球路を形成するとともに、
    前記第1可動片は、前記流下領域を流下する遊技球を前記入球路へ誘導する誘導路を形成する、ことを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の遊技機。
  4. 前記誘導路は、
    前記入球路に対して、前記流下領域における上流側に段差を有する、ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の遊技機。
  5. 前記所定条件が成立すると、前記可変入賞装置において前記所定の開閉態様を実行させるための開閉制御コマンドを出力する出力手段と、
    前記第1可動片を作動させる第1駆動手段と、
    前記第2可動片を作動させる第2駆動手段と、
    をさらに備え、
    前記第1駆動手段は、
    前記開閉制御コマンドに基づいて、前記第1可動片を作動させるとともに、
    前記第2駆動手段も、
    当該開閉制御コマンドに基づいて、前記第2可動片を作動させる、ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の遊技機。
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