JP2017027931A - アニオン伝導性膜 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、蓄電池の負極に亜鉛を用いると、充電時に負極表面で形成されるデンドライトによって正極と負極とが短絡し、電池が充放電できなくなるという課題があった。
なお、アニオン伝導性材料と同様の、ポリマーと周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含む材料をリチウムイオン二次電池の負極用合剤として用いる技術が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のアニオン伝導性膜は、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料から形成されることを特徴とする。従来のアニオン伝導性膜では、強度が高く、柔軟性に優れる膜を形成することを目的としてポリテトラフルオロエチレン等の混練によって繊維化するポリマーが上記化合物粒子を繋ぎとめる成分として多く用いられていた。本発明者は、このような繊維化するポリマーを主成分として用いた場合、得られる膜が微細な空隙を多く有するものとなり、このイオン選択性のない空隙に亜鉛酸イオンが浸透することにより、膜中でのデンドライトの成長が促進され、その結果、電池の寿命が低下するという新たな課題があることを見出した。
これに対し、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料から形成される本発明のアニオン伝導性膜は、亜鉛酸イオンの浸透は抑制し、水酸化物イオンは透過する良好な水酸化物イオンの選択的透過性を有し、かつ、空隙の少ない膜であることから、この膜をセパレータとして用いることで、従来のアニオン伝導性膜を用いた場合よりも電池を長寿命化させることができる。また共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体を用いて形成されたアニオン伝導性膜はアルカリ耐性を有することから、アルカリ性の電解液と接触する電池のセパレータの材料として好適に用いることができる。更に、共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体は成膜時に化合物粒子との適度な親和性を有することが可能であり、アニオン伝導性膜として用いる場合には粒子間に疎水性部を形成できるため、化合物粒子が膜中で均一に分散し、亜鉛酸イオンの浸透を抑制したアニオン伝導性膜を形成できる。
本発明のアニオン伝導性膜は、膜の少なくとも1つの断面において、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積の合計と、該化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積の合計との比率が上記所定の範囲にあればよいが、水酸化物イオンの透過性の点から、いずれの断面においても、上記所定の範囲にあることが好ましく、膜の表面においても上記所定の範囲にあることがより好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜における空隙の面積は、アニオン伝導性膜全体の面積の3%以下であることが好ましい。より好ましくは、1%以下であり、更に好ましくは、0.5%以下であり、特に好ましくは0.2%以下である。
アニオン伝導性膜における空隙の面積の割合は、走査型電子顕微鏡(SEM)により、実施例に記載の方法に従い、アニオン伝導性膜断面を観察して測定することができる。
ここでいうアニオン伝導性膜の断面における周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積とは、アニオン伝導性膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した図1、2の白色部であり、化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積とは図1、2の黒色部である。これらは、実施例に記載の方法に従い、走査型電子顕微鏡(SEM)によってアニオン伝導性膜の断面を観察することで測定することができる。
なお、本発明において、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分は、アニオン伝導性膜形成材料に含まれる、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物以外の全ての成分を意味する。
周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の断面粒径の平均値は、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、上記「0.1〜1.0μm」との範囲記載は、範囲の上端、下端の数値を含む範囲を意味する。すなわち、「0.1〜1.0μm」は「0.1μm以上、1.0μm以下」と同じ意味である。
本発明において記載される「〜」を用いた範囲記載は全て同様に、範囲の上端、下端の数値を含む範囲を意味する。
アニオン伝導性膜の膜厚は、実施例に記載の方法に従い、測定することができる。
アニオン伝導性膜の吸液率や膨潤度は実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明のアニオン伝導性膜は、抵抗値Rが1.0Ω以下であることが好ましい。該抵抗値Rは、0.5Ω以下であることがより好ましく、0.3Ω以下であることが更に好ましく、0.25Ω以下であることが特に好ましい。
上記抵抗値Rは、実施例に記載の方法に従い、測定することができる。
また、本発明のアニオン伝導性膜では、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料から形成され、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積の合計と、該化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積の合計との比率(化合物粒子/化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分)が70/30〜30/70であるとともに、吸液率が1〜25%であることが好ましい。
また、本発明のアニオン伝導性膜では、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料から形成され、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積の合計と、該化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積の合計との比率(化合物粒子/化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分)が70/30〜30/70であるとともに、膨潤度が10%以下であることが好ましい。
また、本発明のアニオン伝導性膜では、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料から形成され、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積の合計と、該化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積の合計との比率(化合物粒子/化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分)が70/30〜30/70であるとともに、実施例に記載の式(1)で計算されるXの値が5000以上であることが好ましい。
更に、本発明のアニオン伝導性膜では、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料から形成され、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積の合計と、該化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積の合計との比率(化合物粒子/化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分)が70/30〜30/70であるとともに、抵抗値Rが0.01Ω以上、1.0Ω以下であることが好ましい。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算された重量平均分子量として測定することができる。
共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体のTgが−20℃以上の場合には、アニオン伝導性膜が充分な強度を有し、デンドライト抑制効果を充分に発揮することができる。また、Tgが50℃以下であれば、アニオン伝導性膜が硬脆くなりすぎることがなく、成膜性の低下や電池を形成する際にアニオン伝導性膜にクラック等が入ることにより、電池の寿命性能が低下するおそれを回避することができる。本発明のアニオン伝導性膜が酸化物、水酸化物、及び、層状複水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む場合、アニオン伝導性膜中に、酸化物、水酸化物、及び、層状複水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の無機化合物粒子の凝集を原因とした空隙が形成されることを抑制するためには、アニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分を充分に混練して化合物粒子の凝集を抑制し、化合物粒子と該化合物粒子以外の成分を均一な状態にすることが好ましい。共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体のTgが−20℃以上、50℃以下であると、化合物粒子との混練の際の混練物が適度な流動性となり、化合物粒子の凝集物の解砕やアニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分をより均一な状態とすることができる。共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体のTgは、より好ましくは、−15℃以上、30℃以下であり、更に好ましくは、−10℃以上、10℃以下であり、特に好ましくは、−10℃以上、5℃以下である。
ポリマーのTgは、実施例に記載の方法に従い、示差走査熱量計により測定することができる。
ここでは、アニオン伝導性膜形成材料中における共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体の好ましい質量割合を記載したが、アニオン伝導性膜中における共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体の好ましい質量割合も同様である。
ここで「共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体の割合」とは、アニオン伝導性膜形成材料が共役ジエン系重合体又は(メタ)アクリル系重合体のいずれか一方を含む場合には当該含まれる重合体の割合を意味し、アニオン伝導性膜形成材料が共役ジエン系重合体と(メタ)アクリル系重合体の両方を含む場合には、両方の合計割合を意味する。
上記共役ジエン系重合体は、共役ジエン系単量体由来の単量体単位を有するものである限り特に限定されないが、芳香族ビニル単量体由来の単量体単位を有するものであることが好ましい。上記共役ジエン系重合体の組成を以下に示すような組成とすること、例えば、官能基を導入したり、酸基等を有するその他の不飽和単量体に由来する単量体単位を含むものとしたり、公知の乳化剤を用いて調製したりすることにより、本発明のアニオン伝導性膜の吸液率を好適に調節することができる。
なお、共役ジエン系重合体は、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の官能基が導入されていてもよい。これらの官能基が導入されていることにより、共役ジエン系重合体と無機化合物粒子との親和性が上がり、材料の均一性が向上する。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−エトキシスチレン、m−エトキシスチレン、p−エトキシスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−アセトキシスチレン、m−アセトキシスチレン、p−アセトキシスチレン、o−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらの中でも、アニオン伝導性膜の耐熱性や機械的強度が高くできる点でスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
その他の不飽和単量体としては、例えば、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩等の酸基含有ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有ビニル単量体、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、イソプロピレングリコールジアクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート等の二官能ビニル単量体;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコシシラン基含有ビニル単量体を挙げることができる。
なお、その他の不飽和単量体由来の単量体単位として、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体由来の単量体単位を含む場合、共役ジエン系重合体中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体由来の単量体単位の質量割合は、共役ジエン系単量体由来の単量体単位の質量割合よりも少ない値である。
本発明における(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体由来の単量体単位を主成分として含む。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体由来の単量体単位を主成分として含むとは、(メタ)アクリル系重合体において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体由来の単量体単位が占める質量割合が、後述するその他の不飽和単量体それぞれに由来する単量体単位の質量割合のいずれよりも多いことを意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、これらを1種以上使用することができる。
また、該カルボキシ基含有単量体由来の単量体単位の質量割合は、(メタ)アクリル系重合体を構成する全単量体単位100質量%中、8質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
単量体成分の重合方法としては特に限定されず、例えば、水溶液重合法、乳化重合法、逆相懸濁重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の方法を挙げることができる。これらの方法の中でも、簡便に製造できる観点から、乳化重合法を用いることが好ましい。上記単量体成分の重合方法として乳化重合法を用いる場合には、単量体成分、界面活性剤および水を主成分とする分散媒を混合した後に乳化重合を行なってもよく、単量体成分、界面活性剤および水性媒体を撹拌することによって乳化させ、プレエマルションを調製した後に乳化重合を行なってもよく、あるいは単量体成分、界面活性剤および媒体のうちの少なくとも1種類とその残部のプレエマルションとを混合して乳化重合を行なってもよい。単量体成分、界面活性剤および媒体は、それぞれ一括添加してもよく、分割添加してもよく、あるいは連続滴下してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート等のアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート、ナトリウムアルキルジフェニルエーテルジスルホネート等のアルキルスルホネート塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルスルホネート塩;ポリオキシエチ
レンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸−ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリレート、ナトリウムステアリレート等の脂肪酸塩;ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレートスルホネート塩、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩等のアリル基を有する硫酸エステルまたはその塩;アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレンの硫酸エステル塩等が挙げられる。
上記体積平均粒子径は、共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体の水分散液を蒸留水で希釈し、得られた希釈液約10mLをガラスセルに採取し、これを動的光散乱法による粒度分布測定器〔パーティクルサイジングシステムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOMP Model 380〕を用い、測定することができる。
本発明のアニオン伝導性膜は、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物を含む。
周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素であることが好ましい。中でも、周期表の第1族〜第15族から選ばれる少なくとも1種の元素が好ましく、Li、Na、K、Cs、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、及び、Biからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素がより好ましい。更に好ましくは、Li、Mg、Ca、Ba、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Nb、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、及び、Tlからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
これらの中でも、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。より好ましくは、層状複水酸化物及び/又は酸化物である。
[M1 1−xM2 x(OH)2](An−)x/n・mH2O
(M1は、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mnのいずれかである二価の金属イオンを表す。M2は、Al、Fe、Mn、Co、Cr、Inのいずれかである三価の金属イオンを表す。An−は、OH−、Cl−、NO3 −、CO3 2−、COO−等の1〜3価のアニオンを表す。mは0以上の数である。nは、1〜3の数である。xは、0.20〜0.40の数である。)に代表される化合物である。なお、An−は、2価以下のアニオンであることが好ましい。
このような層状複水酸化物は、天然産のもの(例えばハイドロタルサイト(Hydrotalcite)、マナッセイト(Manasseite)、モツコレアイト(Motukoreaite)、スティッヒタイト(Stichtite)、ショグレナイト(Sjogrenite)、バーバートナイト(Barbertonite)、パイロアウライト(Pyroaurite)、イオマイト(Iomaite)、クロロマガルミナイト(Chlormagaluminite)、ハイドロカルマイト(Hydrocalmite)、グリーン ラスト1(Green Rust 1)、ベルチェリン(Berthierine)、タコバイト(Takovite)、リーベサイト(Reevesite)、ホネサイト(Honessite)、イヤードライト(Eardlyite)、メイキセネライト(Meixnerite)等)の他、人工的に合成されたものであってもよく、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物であってもよい。これらの層状複水酸化物の中でも、ハイドロタルサイト等のMg−Al系層状複水酸化物が好ましい。上記層状複水酸化物には、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。
上記ヒドロキシアパタイトとは、Ca10(PO4)6(OH)2に代表される化合物であり、調製時の条件によりCaの量を減らした化合物や、Ca以外の元素を導入したヒドロキシアパタイト化合物等を上記無機化合物として使用しても良い。
上記平均粒子径は、レーザー回折法により測定することができる。
上記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
本発明のアニオン伝導性膜は、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含む限り、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンに代表される炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のアルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド、ポリイミド等に代表されるイミド結合含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、ポリマレイン酸(塩)、ポリイタコン酸(塩)、ポリメチレングルタル酸(塩)、カルボキシメチルセルロース等に代表されるカルボキシ基含有ポリマー(カルボキシ基の金属塩(アルカリ金属等)やアンモニウム塩等を含む);ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸(塩)部位含有ポリマー;AR1R2R3B(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH−等のアニオンを表す。R1、R2、R3は、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R1、R2、R3は、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性ポリマー;酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤等の共役ジエン系重合体以外のポリマーであって、本発明における共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体に該当しないものが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。このような本発明における共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体以外のポリマーを添加することで膜の強度を向上する等の効果を得ることができる。
なお、これらの重合体は、公知の有機架橋剤化合物により、架橋されていてもよい。
すなわち、本発明において、アニオン伝導性膜形成材料は、更にハロゲン原子含有ポリマー、カルボキシ基含有ポリマー、水酸基含有ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。より好ましくは、フッ素含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種を含むことである。
本発明における共役ジエン系重合体や(メタ)アクリル系重合体以外のポリマーを2種類以上含む場合、当該2種類以上のポリマーの合計量である。
これらのポリマーは、第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物以外の有機架橋剤化合物により、エステル結合、アミド結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、アゴスチック相互作用、水素結合、アセタール結合、ケタール結合、エーテル結合、ペルオキシド結合、炭素−炭素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合、炭素−硫黄結合、カルバメート結合、チオカルバメート結合、カルバミド結合、チオカルバミド結合、オキサゾリン部位含有結合、トリアジン結合等を介して、架橋されていてもよい。
その他の無機成分の平均粒子径は、上記した第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物の平均粒子径と同様の方法で測定することができる。
なお、アニオン伝導性膜形成材料が含む重合体がエマルションの形態である場合、エマルションポリマーを分散させている分散媒も溶媒に含める。
ポリマー、及び、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物等と共に、必要に応じて、上記その他の成分を混合する。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を加えても良い。
本発明におけるアニオン伝導性膜形成材料は、膜を形成することが可能なものである限りその形態は制限されず、粘土状、ペースト状、スラリー状等のいずれの形態のものであってもよい。
このようにしてアニオン伝導性膜を製造する方法、すなわち、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性膜形成材料を膜状に成形する工程を含むアニオン伝導性膜の製造方法もまた、本発明の1つである。この製造方法に用いるアニオン伝導性膜形成材料としては上述したものが好ましく、製造されるアニオン伝導性膜も上述した本発明のアニオン伝導性膜であることが好ましい。
上記製造方法は、アニオン伝導性膜形成材料を膜状に成形する工程の他に、膜を乾燥させる工程を含んでいてもよい。乾燥温度は適宜設定すればよいが、60℃〜160℃で行うことができる。
本発明のアニオン伝導性膜は、電池のセパレータとして好適に用いることができるものであり、そのようなセパレータを用いることで、電池を長寿命化させることができる。
このような、本発明のアニオン伝導性膜を含んで構成されるセパレータもまた、本発明の1つであり、本発明のセパレータを用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。
そのようなセパレータとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等からなる膜が挙げられる。これらのセパレータは2種以上用いてもよい。
本発明のアニオン伝導性膜と別のセパレータを積層した積層構造としては、一体化した積層構造であってもよいし、互いが独立して重ね合わされた積層構造であってもよい。互いの膜が密着した積層構造である場合には、明確な界面を有する積層構造となっていてもよいし、これらの成分が混合された混合層を有する積層構造を形成していてもよい。
これらの中でも、正極活物質がニッケル含有化合物や亜鉛種であることが、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、空気電池や燃料電池等、正極活物質が酸素であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
電極を構成する集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
有機溶剤系電解液を含む水含有電解液の場合、水系電解液と有機溶剤系電解液の合計100質量%に対して、水系電解液の含有量は、好ましくは10〜99.9質量%、より好ましくは20〜99.9質量%である。
本発明の電池の種類は特に制限されないが、アルカリ乾電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、マンガン−亜鉛電池、ニッケル−亜鉛電池、燃料電池、空気電池等、アルカリ性電解液を使用する電池であることが好ましい。
<透気度>
実施例において、透気度(s)は、JIS P8117 王研式試験機法に準じて、旭精工株式会社 王研式透気度平滑度測定装置 KY−55で測定し、測定値の平均値を算出した。
測定時間の上限を30000sとし、測定上限値を超える場合には透気度を30000sとした。すなわち、実施例において、透気度30000sとは、少なくとも30000sであることを意味し、これから求められるX値は、最も少なく見積もった場合のX値の値を意味する。
<突刺強度>
突刺強度(N)は、JIS Z1707−1997に準じて、デジタルフォースゲージ ZTA−50N((株)イマダ製)を用いて測定した。試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針状治具を毎分50±5mmの速度で突き刺し、治具の先端が貫通するまでの最大応力を測定した。試験片の数は5個以上とし、その平均値として算出した。
<密度>
密度(g/cm3)は、アニオン伝導性膜の試験片について、質量と体積を測定し、質量を体積で除すことにより算出した。試験片の体積は、試験片の縦方向の長さ、横方向の長さをノギスを用いて測定、膜厚を下記膜厚測定方法に基づき測定することにより算出した。また、試験片の質量は、体積を測定した試験片について小数点4桁の精密天秤を用いて測定した。
アニオン伝導性膜及び絶縁性物質の被膜の膜厚(μm)は、膜厚計(商品名:デジマチックインジケータ 543−394、株式会社ミツトヨ製)で測定し、測定点3カ所の平均として求めた。
<X値の算出>
X値は、上記測定方法により得られた透気度をT(s)、突刺強度をF(N)、密度をρ(g/cm3)、膜厚をL(μm)として、下記式(1)により求めた。
アニオン伝導性膜の任意の場所から25mm×25mm角に切り出した試験片10枚に対して、それぞれ乾燥状態の質量(Mb)及び、酸化亜鉛を飽和させた6.7mol/L濃度のKOH水溶液に1晩浸漬させたときの質量(Ma)から各々算出し、これらの平均値を得ることにより吸液率とした。
<膨潤度>
アニオン伝導性膜の任意の場所から25mm×25mm角に切り出した試験片10枚に対して、それぞれ乾燥状態の膜厚(Tb)及び、6.7mol/L濃度のKOH水溶液に1晩浸漬させたときの膜厚(Ta)から各々算出し、平均値を得ることにより膨潤度とした。
<抵抗値>
以下の条件で抵抗値(Ω)を測定した。
・仕込みセル数:5セル(平均値を記載)
・セル構成
作用極:Ni板
対極:Ni板
電解液:酸化亜鉛を飽和させた6.7mol/L濃度のKOH水溶液
測定サンプル:上記電解液に1晩浸漬
有効面積:φ15mm
・交流インピーダンス測定を行う。25℃の恒温槽内で30分静置した後、下記条件で測定した。
印加電圧:10mV vs.開回路電圧
周波数領域:100kHz〜100Hz
インピーダンスによって得られた切片成分(Ra)と測定サンプルを入れない場合の切片成分(Rb)から下記式により抵抗値(R)を算出した。
R=(Ra−Rb)
酸化亜鉛粉末(三井金属鉱業社製)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)と炭素粉末(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)とを59:5:4の質量比で混練した活物質をパンチングニッケルに載せて亜鉛電極負極を作製し、正極はパンチングニッケルに亜鉛板と上述の活物質を張り付けて作製した。そして両極間にこの単層アニオン伝導性膜を配置し、充放電を行った。参照極として水銀極を用い、充放電電流60mA/cm2、充放電を10分間行い、アニオン伝導性膜の充放電特性を確認した。
・仕込みセル数:5セル(平均値を記載)
・参照極:水銀電極
・電解液:酸化亜鉛を飽和させた6.7mol/L濃度のKOH水溶液
<無機化合物粒子の平均粒子径>
無機化合物粒子の平均粒子径は、無機化合物粒子を下記の分散媒に分散させた分散液を用いて、レーザー回折法(装置名:HORIBA社製レーザー回折/散乱式 粒子径分布測定装置 LA−950、分散媒:0.2質量%ヘキサメタりん酸ナトリウム含有イオン交換水)によって測定し、得られた50%体積平均粒子径を平均粒子径として得た。
<重合体水分散液の体積平均粒子径>
重合体水分散液の体積平均粒子径は、重合体水分散体を蒸留水で希釈し、得られた希釈液約10mLをガラスセルに採取し、これを動的光散乱法による粒度分布測定器〔パーティクルサイジングシステムズ(Particle Sizing Systems)社製、商品名:NICOMP Model 380〕を用いて測定し、50%体積平均粒子径を体積平均粒子径として得た。
<重合体のガラス転移温度>
ガラス転移温度は、重合体をガラス板に塗布し、120℃で1時間乾燥することにより、重合体フィルムを形成し、得られた重合体フィルムについて、示差走査熱量計(装置名:熱分析装置DSC3100S、BRVKER)を用いて測定した。
面積比はアニオン伝導性膜を膜の表面に対し、垂直に切断して得られた膜断面(膜断面はアニオン伝導性膜の短辺側中央部10mm×10mmの範囲を用いて作製した)について、走査型電子顕微鏡を用いて断面の7割以上がアニオン伝導性膜形成材料部分となるように任意の5カ所の1万倍拡大写真を撮影した。得られた断面拡大写真における任意の厚さ方向8μm×平面方向12μmの領域をMicrosoft社の画像作成用ソフトであるペイントVer.5.1に取り込み、更にアニオン伝導性膜形成材料部分の領域を抽出して、該材料部分を白黒表示に変換した。かかる画像では、無機化合物粒子以外の部分は黒色で表示され、無機化合物粒子部分は白色で表示される。得られた画像をImage metrology社製のイメージ解析ソフトを用いて解析し、画像に占める無機化合物粒子部分の面積合計と無機化合物粒子以外の部分の面積合計との比率を求めた。なお、処理時には黒色部分と白色部分とのコントラストを明確にし、粒子が明確に分別できる点とした。
<空隙の割合>
上記面積比と同様にアニオン伝導性膜を膜の表面に対し、垂直に切断して得られた膜断面(膜断面はアニオン伝導性膜の短辺側中央部10mm×10mmの範囲を用いて作製した)について、走査型電子顕微鏡を用いて断面の7割以上がアニオン伝導性膜形成材料部分となるように任意の5カ所の1万倍拡大写真を撮影した。得られた断面拡大写真における任意の厚さ方向8μm×平面方向12μmの領域をMicrosoft社の画像作成用ソフトであるペイントVer.5.1に取り込み、更にアニオン伝導性膜形成材料部分の領域を抽出して、該材料部分を白黒表示に変換した。かかる画像では、空隙部分は黒色で表示され、その他の成分部分は白色で表示される。得られた画像をImage metrology社製のイメージ解析ソフトを用いて解析し、画像に占める空隙部分の割合を求めた。なお、処理時には黒色部分と白色部分とのコントラストを明確にし、空隙部分が明確に分別できる点とした。
<膜中の無機化合物粒子の断面粒子径>
上記面積比と同様にアニオン伝導性膜を膜の表面に対し、垂直に切断して得られた膜断面(膜断面はアニオン伝導性膜の短辺側中央部10mm×10mmの範囲を用いて作製した)について、走査型電子顕微鏡を用いて断面の7割以上がアニオン伝導性膜形成材料部分となるように任意の5カ所の1万倍拡大写真を撮影した。このとき、以下の画像処理によって無機化合物粒子部分のみが白色で表示できるようにコントラストを調整して保存した。得られた断面拡大写真における任意の厚さ方向8μm×平面方向12μmの領域をMicrosoft社の画像作成用ソフトであるペイントVer.5.1に取り込み、更にアニオン伝導性膜形成材料部分の領域を抽出して、該材料部分を白黒表示に変換した。その画像中で無機化合物粒子部分は白色で表示され、得られた画像をImage metrology社製のイメージ解析ソフトを用いて解析し、画像における白色部分の大きさを無機化合物粒子の粒子径として求めた。なお、処理時には黒色部分と白色部分とのコントラストを明確にし、粒子が明確に分別できる点とした。測定は100個の粒子に対して行い、平均した値を断面粒子径とした。なお、観察された粒子が楕円状粒子である場合には、長径となる側と短径となる側をそれぞれ100個測定し、それぞれの平均値を平均した値を膜中の粒子の断面粒子径とした。
酸化亜鉛粉末(三井金属鉱業社製)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)と炭素粉末(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)とを59:5:4の質量比で混練した活物質をパンチングニッケルに載せて亜鉛電極負極を作製し、正極はパンチングニッケルに亜鉛板と上述の活物質を張り付けて作製した。そして両極間にこの単層アニオン伝導性膜を配置し、充放電を行った。参照極として水銀極を用い、充放電電流60mA/cm2、充放電を10分間行い、アニオン伝導性膜の充放電特性を確認した。
<製膜の容易さの評価>
製膜の容易さは下記の通り評価した。
0.製膜できなかった。
1.製膜できたが、ロールへの付着等でシートの一部が破れた。
2.割れ破損は少ないがムラが多い。
3.しっかりと製膜できた。
[調製例1]
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水64質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水26質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液4質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1.5質量部、メタクリル酸メチル46.5質量部、メタクリル酸ドデシル50質量部、アクリル酸2質量部からなるプレエマルションを調製した。次に、上記調製したプレエマルション6.5質量部をフラスコ内に添加した後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下で80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を添加して重合を開始した。次いで、上記調製したプレエマルションの残分123.5質量部と5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液6質量部とを2時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が48.2%、pHが7.8、体積平均粒子径が190nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水64質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水26質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液4質量部、メタクリル酸メチル54質量部、メタクリル酸ドデシル44質量部、アクリル酸2質量部からなるプレエマルションを調製した。次に、上記調製したプレエマルション6.5質量部をフラスコ内に添加した後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下で80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を添加して重合を開始した。次いで、上記調製したプレエマルションの残分123.5質量部と5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液6質量部とを2時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が47.8%、pHが7.6、体積平均粒子径が175nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水63質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水21質量部、ハイテノールLA−10の25%水溶液10質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1.5質量部、メタクリル酸メチル21質量部、メタクリル酸2−エチルヘキシル76質量部、アクリル酸1.5質量部からなるプレエマルションを調製した。次に、上記調製したプレエマルション6.5質量部をフラスコ内に添加した後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下で80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を添加して重合を開始した。次いで、上記調製したプレエマルションの残分124.5質量部と5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液6質量部とを2時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が47.7%、pHが7.9、体積平均粒子径が200nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水64質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水26質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液4質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1.5質量部、メタクリル酸メチル56.5質量部、メタクリル酸ドデシル41質量部、メタクリル酸1質量部からなるプレエマルションを調製した。次に、上記調製したプレエマルション6.5質量部をフラスコ内に添加した後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下で80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を添加して重合を開始した。次いで、上記調製したプレエマルションの残分123.5質量部と5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液6質量部とを2時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が48.0%、pHが8.1、体積平均粒子径が220nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水59質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水10.5質量部、ハイテノールNF−08(第一工業製薬社製)の25%水溶液6質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル18質量部、メタクリル酸n−ブチル31質量部およびアクリル酸1質量部からなるプレエマルション(1)を調製した。次に、上記調製したプレエマルション(1)6.5質量部をフラスコ内に添加した後、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液1質量部を添加して重合を開始した。次いで、プレエマルション(1)の残分60質量部と5%過硫酸アンモニウム3質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3質量部とを2時間にわたって均一に滴下した。
滴下終了後、更に80℃で1時間維持し、引き続いて、脱イオン水10.5質量部、ハイテノールNF−08(第一工業製薬社製)の25%水溶液6質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル18質量部、メタクリル酸n−ブチル30質量部およびアクリル酸2質量部からなるプレエマルション(2)と5%過硫酸アンモニウム水溶液3質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3質量部とを2時間にわたって均一に滴下した。
滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が48.1%、pHが7.6、体積平均粒子径が180nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水64質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水21質量部、ハイテノールLA−10の25%水溶液10質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1.5質量部、メタクリル酸メチル53質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル44質量部、アクリル酸1.5質量部からなるプレエマルションを調製した。次に、上記調製したプレエマルション6.5質量部をフラスコ内に添加した後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下で80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を添加して重合を開始した。次いで、上記調製したプレエマルションの残分124.5質量部と5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液6質量部とを2時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が48.3%、pHが7.8、体積平均粒子径が190nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水59質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水10.5質量部、ハイテノールNF−08(第一工業製薬社製)の25%水溶液6質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート1質量部、メタクリル酸メチル10質量部、メタクリル酸ドデシル23質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸n−ブチル10質量部およびアクリル酸1質量部からなるプレエマルション(1)を調製した。次に、上記調製したプレエマルション(1)6.5質量部をフラスコ内に添加した後、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液1質量部を添加して重合を開始した。次いで、プレエマルション(1)の残分60質量部と5%過硫酸アンモニウム3質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3質量部とを2時間にわたって均一に滴下した。
滴下終了後、更に80℃で1時間維持し、引き続いて、脱イオン水10.5質量部、ハイテノールNF−08(第一工業製薬社製)の25%水溶液6質量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート0.5質量部、メタクリル酸メチル10質量部、メタクリル酸ドデシル23質量部、スチレン15質量部、イタコン酸1質量部およびアクリル酸0.5質量部からなるプレエマルション(2)と5%過硫酸アンモニウム水溶液3質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3質量部とを2時間にわたって均一に滴下した。
滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が48.1%、pHが7.7、体積平均粒子径が185nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水64質量部を仕込んだ。一方、滴下ロートに、脱イオン水26質量部、10%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液4質量部、メタクリル酸メチル24質量部、メタクリル酸ドデシル43.5質量部、スチレン30質量部、イタコン酸1質量部およびアクリル酸1.5質量部からなるプレエマルションを調製した。次に、上記調製したプレエマルション6.5質量部をフラスコ内に添加した後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら、撹拌下で80℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液2質量部を添加して重合を開始した。次いで、上記調製したプレエマルションの残分123.5質量部と5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部と2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液6質量部とを2時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間維持し、pHが約8となるように25%アンモニア水を添加した後、反応液を室温まで冷却することにより、不揮発分が48.2%、pHが7.6、体積平均粒子径が185nmの(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を得た。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:ポリフロンD210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は3.3N、密度(ρ)は1.54g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は228,690であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は18%であり、膨潤度は9%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図1に示した。得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、54/46であり、空隙の割合は0.00%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.36μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.23Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電310サイクルを達成できた。充放電評価結果を図3に示した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ300μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は4.3N、密度(ρ)は1.51g/cm3、膜厚(L)は300μm、これらから算出されるX値は97,395であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は20%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.2%以下であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.39μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.64Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電700サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを65:135:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は3.1N、密度(ρ)は1.35g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は188,325であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は17%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、33/67であり、空隙の割合は0%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.42μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.22Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電250サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを135:65:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.7N、密度(ρ)は1.68g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は204,120であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は15%であり、膨潤度は9%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、69/31であり、空隙の割合は0.5%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.30μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.20Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電260サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD102A、JSR社製、Tg=−5℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.7N、密度(ρ)は1.51g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は183,465であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は16%であり、膨潤度は9%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、52/48であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.23Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電300サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD104A、JSR社製、Tg=7℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.8N、密度(ρ)は1.49g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は187,740であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は15%であり、膨潤度は9%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、53/47であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.2Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電300サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とを100:100質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は3.2N、密度(ρ)は1.53g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は220,320であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は18%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、54/46であり、膜断面全体に対する空隙の面積の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.39μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.25Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電290サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD1002、JSR社製、Tg=−20℃、固形分量50%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:5:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は3.1N、密度(ρ)は1.52g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は212,040であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は18%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、52/48であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.39μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.20Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電300サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量50%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)と純水とを100:100:5:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は3.0N、密度(ρ)は1.53g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は206,550であった。
また、得られたアニオン伝導性膜吸液率は17%であり、膨潤度は9%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.5%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.42μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.21Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電280サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量50%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを100:100:3:15の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.7N、密度(ρ)は1.53g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は185,895であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は18%であり、膨潤度は10%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、51/49であり、空隙の割合は0.7%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.40μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.22Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電270サイクルを達成できた。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)100質量部、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液100質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水10質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は1.9N、密度(ρ)は1.50g/cm3、膜厚(L)は99μm、これらから算出されるX値は129,545であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は11%であり、膨潤度は4%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、54/46であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.22Ωであり、充放電評価については400サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例2で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.7N、密度(ρ)は1.53g/cm3であり、膜厚(L)は102μm、これらから算出されるX値は182,250であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は13%であり、膨潤度は3%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.22Ωであり、充放電評価については400サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例3で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.5N、密度(ρ)は1.51g/cm3であり、膜厚(L)は103μm、これらから算出されるX値は164,927であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は13%であり、膨潤度は4%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、56/44であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.21Ωであり、充放電評価については350サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例4で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は1.7N、密度(ρ)は1.50g/cm3であり、膜厚(L)は98μm、これらから算出されるX値は117,092であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は12%であり、膨潤度は3%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、56/44であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.23Ωであり、充放電評価については360サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例5で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は1.9N、密度(ρ)は1.52g/cm3であり、膜厚(L)は99μm、これらから算出されるX値は131,273であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は13%であり、膨潤度は5%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.21Ωであり、充放電評価については330サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例6で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は1.9N、密度(ρ)は1.5g/cm3であり、膜厚(L)は103μm、これらから算出されるX値は124,515であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は13%であり、膨潤度は5%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.33μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.21Ωであり、充放電評価については330サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例7で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.8N、密度(ρ)は1.51g/cm3であり、膜厚(L)は101μm、これらから算出されるX値は188,376であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は12%であり、膨潤度は3%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.35μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.23Ωであり、充放電評価については380サイクルを達成した。
実施例11において、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液を調製例8で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液に変更した以外は実施例11と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.5N、密度(ρ)は1.49g/cm3であり、膜厚(L)は99μm、これらから算出されるX値は169,318であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は16%であり、膨潤度は7%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.38μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.20Ωであり、充放電評価については400サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)135質量部、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液65質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水15質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は1.5N、密度(ρ)は1.67g/cm3であり、膜厚(L)は103μm、これらから算出されるX値は109,442であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は11%であり、膨潤度は5%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、65/35であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.20Ωであり、充放電評価については400サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)65質量部、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液135質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水2質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.2N、密度(ρ)は1.34g/cm3であり、膜厚(L)は102μm、これらから算出されるX値は130,059であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は13%であり、膨潤度は4%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、34/66であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.38μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.20Ωであり、充放電評価については360サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)100質量部、調製例2で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液100質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水10質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ50μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は1.8N、密度(ρ)は1.54g/cm3であり、膜厚(L)は52μm、これらから算出されるX値は239,885であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は13%であり、膨潤度は4%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.10Ωであり、充放電評価については380サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)100質量部、調製例2で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液100質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水10質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は3.2N、密度(ρ)は1.52g/cm3であり、膜厚(L)は153μm、これらから算出されるX値は143,059であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は14%であり、膨潤度は3%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、55/45であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.35μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.31Ωであり、充放電評価については410サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)100質量部、調製例3で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液100質量部、メチルセルロース(商品名:SM1500、信越化学社製)3質量部、および純水10質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.2N、密度(ρ)は1.52g/cm3であり、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は150,480であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は11%であり、膨潤度は3%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、56/44であり、空隙の割合は0.3%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.26Ωであり、充放電評価については400サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)100質量部、アクリロニトリルーブタジエン系共重合体の水分散液(製品名:NA−13、A&L社製、固形分量47%)100質量部、ポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)5質量部とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水15質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.6N、密度(ρ)は1.52g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は177,840であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は19%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、52/48であり、空隙の割合は0.3%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.36μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.22Ωであり、充放電評価については340サイクルを達成した。
実施例13において、カルボキシメチルセルロース3質量部をポリアクリル酸塩(商品名:アクアリックDL522、日本触媒社製)5質量部、及び純水10質量部を5質量部に変更した以外は、実施例13と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.1N、密度(ρ)は1.51g/cm3であり、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は142,695であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は18%であり、膨潤度は12%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、54/46であり、空隙の割合は0.2%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.34μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.19Ωであり、充放電評価については350サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)50質量部、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液50質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)1質量部、および純水60質量部を計り取り、ホモディスパーを用いて均一な状態になるまで混練を行うことによりアニオン伝導性膜形成材料の水系スラリーを得た。得られた水系スラリーを、片面がシリコーン処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(離型フィルム)のシリコーン処理された面側にアプリケーターで塗布し、120℃で30分間乾燥した後、得られたアニオン伝導性形成材料からなる塗膜を離型フィルムから剥離することにより、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.5N、密度(ρ)は1.53g/cm3、膜厚(L)は98μm、これらから算出されるX値は175,638であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は12%であり、膨潤度は5%であった。
得られたアニオン伝導性膜断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、52/48であり、膜断面全体に対する空隙の面積の割合は0%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.35μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.21Ωであり、充放電評価については420サイクルを達成した。
実施例26の(メタ)アクリル系共重合体の水分散液をスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量50%)に変更した以外は、実施例26と同様にして、アニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.6N、密度(ρ)は1.52g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は177,840であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は16%であり、膨潤度は9.5%であった。
得られたアニオン伝導性膜断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、52/48であり、膜断面全体に対する空隙の面積の割合は0%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.39μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.21Ωであり、充放電評価については320サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)と純水とを100:120:50の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。作製した膜断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図2に示した。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は1000s、突刺強度(F)は0.6N、密度(ρ)は1.27g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は38であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は25%であり、膨潤度は11%であった。更に、空隙の割合は4.5%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.40μmであった。
このアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.19Ωであり、実施例1と同様にして充放電評価を行ったところ充放電85サイクルでデンドライトの成長により正極、負極間が短絡した。充放電評価結果を図3に示した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)と純水とを100:120:50の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ300μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の3であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は1600s、突刺強度(F)は1.3N、密度(ρ)は1.29g/cm3、膜厚(L)は300μm、これらから算出されるX値は72であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は23%であり、膨潤度は15%であった。更に、空隙の割合は5.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.39μmであった。
このアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.57Ωであり、実施例1と同様にして充放電評価を行ったところ充放電165サイクルでデンドライトの成長により正極、負極間が短絡した。充放電評価結果を図3に示した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを150:50:5:3:30の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmのアニオン伝導性膜を作製した。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は3800s、突刺強度(F)は1.4N、密度(ρ)は1.59g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は1607であった。
また、得られたアニオン伝導性膜吸液率は17%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、74/26であり、空隙の割合は1.4%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.38μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.24Ωであり、充放電評価を行ったところ充放電120サイクルでデンドライトの成長により正極、負極間が短絡した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(製品名:TRD2001、JSR社製、Tg=−2℃、固形分量48%)とポリテトラフルオロエチレン水分散体(商品名:D210C、ダイキン工業社製、固形分60%)とカルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)と純水とを50:150:5:3:15の質量比でニーダー混練したが、流動性が高く、製膜ができなかった。製膜の容易さは上記評価基準の0であった。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径は、0.20μm)と50%ポリオレフィン分散体(製品名:ケミパール、三井化学株式会社)とを100:100の質量比でニーダー混練したが、充分に結着できず、膜の作製は困難であった。製膜の容易さは上記評価基準の0であった。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)145質量部、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液55質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水10質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の2であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は4000s、突刺強度(F)は1.9N、密度(ρ)は1.67g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は2538であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は16%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、74/26であり、空隙の割合は1.3%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.18Ωであり、充放電評価については120サイクルを達成した。
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)55質量部、調製例1で調製した(メタ)アクリル系共重合体の水分散液145質量部、カルボキシメチルセルロース(商品名:ダイセル1380、ダイセルファインケム社製)3質量部、および純水10質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスし、更に120℃で10分間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を得た。製膜の容易さは上記評価基準の1であった。
得られたアニオン伝導性膜において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は2.3N、密度(ρ)は1.33g/cm3、膜厚(L)は100μm、これらから算出されるX値は137,655であった。
また、得られたアニオン伝導性膜の吸液率は15%であり、膨潤度は11%であった。
得られたアニオン伝導性膜の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、27/73であり、空隙の割合は0.1%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜の抵抗値(R)は0.26Ωであり、充放電評価については110サイクルを達成した。
実施例27と同様にして、アニオン伝導性膜形成材料の水系スラリーを得た。得られた水系スラリーを、不織布(商品名:H−8007、日本バイリーン社製)上に、1g/cm2の塗布量でアプリケーターを用いて塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、不織布上にアニオン伝導性膜が一体化したアニオン伝導性膜積層体を得た。
得られたアニオン伝導性膜積層体において、透気度(T)は30000s、突刺強度(F)は4.7N、密度(ρ)は1.23g/cm3、膜厚(L)は185μm、これらから算出されるX値は140,619であった。
また、得られたアニオン伝導性膜積層体の吸液率は11%であり、膨潤度は0.8%であった。
得られたアニオン伝導性膜積層体のアニオン伝導性膜部分の断面における、ハイドロタルサイト粒子の面積合計とその他の成分の面積合計との比率は、53/47であり、膜断面全体に対する空隙の面積の割合は0%であった。また、このときのアニオン伝導性膜中でのハイドロタルサイト粒子の断面粒子径は0.37μmであった。
得られたアニオン伝導性膜積層体の抵抗値(R)は0.14Ωであり、さらに得られたアニオン伝導性膜積層体をセパレータとして充放電評価を行ったところ、360サイクルを達成した。
実施例1において得られたアニオン伝導性膜を、不織布(商品名:H−8007、日本バイリーン社製)の上に重ね、ロール式ラミネーターを用いて貼り合せを行い、不織布上にアニオン伝導性膜が一体化したアニオン伝導性膜積層体を得た。得られたアニオン伝導性膜積層体をセパレータとして充放電評価を行ったところ、340サイクルを達成した。
実施例22において得られたアニオン伝導性膜を、不織布(商品名:H−8007、日本バイリーン社製)の上に重ね、ロール式ラミネーターを用いて貼り合せを行い、不織布上にアニオン伝導性膜が一体化したアニオン伝導性膜積層体を得た。得られたアニオン伝導性膜積層体をセパレータとして充放電評価を行ったところ450サイクルを達成した。
Claims (6)
- アニオン伝導性膜形成材料を用いて形成されるアニオン伝導性膜であって、
該アニオン伝導性膜形成材料は、共役ジエン系重合体及び/又は(メタ)アクリル系重合体と周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含み、
該アニオン伝導性膜の断面は、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の面積の合計と、該化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分の面積の合計との比率(化合物粒子/化合物以外のアニオン伝導性膜形成材料成分)が70/30〜30/70であることを特徴とするアニオン伝導性膜。 - 前記アニオン伝導性膜の断面における周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物粒子の断面粒径の平均値が0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のアニオン伝導性膜。
- 前記周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物は、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、及び、リン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアニオン伝導性膜。
- 前記アニオン伝導性膜形成材料は、更にハロゲン原子含有ポリマー、カルボキシ基含有ポリマー、及び、水酸基含有ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアニオン伝導性膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアニオン伝導性膜を含んで構成されることを特徴とするセパレータ。
- 請求項5に記載のセパレータを用いて構成されることを特徴とする電池。
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C60 | Trial request (containing other claim documents, opposition documents) |
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A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
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C21 | Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings |
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A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
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C211 | Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings |
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C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
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C22 | Notice of designation (change) of administrative judge |
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C23 | Notice of termination of proceedings |
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C03 | Trial/appeal decision taken |
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C30A | Notification sent |
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