JP2017027768A - スラリー状組成物およびリチウムイオン2次電池の正極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現する。【解決手段】リチウムイオン2次電池1の正極10を形成するためのスラリー状組成物では、少なくとも1種類の粒子の比重が2.0g/cm3以上である複数種の導電性粒子と、酸化物粒子と、溶媒としてのn−メチル−2−ピロリドンと、を含む。【選択図】図1
Description
本発明はスラリー状組成物およびリチウムイオン2次電池の正極の製造方法に関する。
リチウムイオン2次電池は、近年、携帯電話、パソコン、電気アシスト自転車などに広く普及され、今後もさらなる高容量、高出力化が期待される成長分野である。とりわけリチウムイオン2次電池の性能がアプリケーションそのものの性能に左右するため、優れた性能、たとえば充放電サイクル(寿命)、良品維持率の向上が求められる。
従来のリチウムイオン2次電池の正極の構成は、正極活物質としてコバルト酸リチウムを、導電助剤としてカーボンブラックを、固着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、溶媒としてn−メチル−2−ピロリドン(NMP)を、それぞれ含み、PVDFとNMPとを混合した2成分系のスラリー状組成物を、集電体に塗工して得るのが一般的である。
ただ、PVDF/NMP溶液は室温での放置によって結晶化し、ゲル化白濁して流動性がなくなることが知られている。正極活物質を含むスラリー状組成物においては、この現象は塗工をする上で不都合であり、40℃程度の加熱保存によりゲル化を抑制(可逆変化を利用)している。
ただ、PVDF/NMP溶液は室温での放置によって結晶化し、ゲル化白濁して流動性がなくなることが知られている。正極活物質を含むスラリー状組成物においては、この現象は塗工をする上で不都合であり、40℃程度の加熱保存によりゲル化を抑制(可逆変化を利用)している。
ところで、上記の性能向上を実現するには、正極活物質と導電助剤との粒子において、最適な粒子集合体を形成し設計通りに塗工することがポイントとなる。
正極活物質と導電助剤との粒子径をみると、コバルト酸リチウムは10μm程度でカーボンブラックは数十nmであり、これら粒子径には3ケタの違いがある。この点、粒子径の小さいカーボンブラックは自重に比べて粒子間力が相対的に強く働き、さまざまな集合状態を取りうることが知られている。コバルト酸リチウムも高比重粒子(2.0〜2.6g/cm3)であることが知られている。
一般的に、粒子径の異なる粒子群または高比重粒子を、均一に分散して最適な粒子集合体を形成することは難しく、固着剤などの添加剤を改良し、性能向上を実現しうる技術について鋭利検討が進められている。
正極活物質と導電助剤との粒子径をみると、コバルト酸リチウムは10μm程度でカーボンブラックは数十nmであり、これら粒子径には3ケタの違いがある。この点、粒子径の小さいカーボンブラックは自重に比べて粒子間力が相対的に強く働き、さまざまな集合状態を取りうることが知られている。コバルト酸リチウムも高比重粒子(2.0〜2.6g/cm3)であることが知られている。
一般的に、粒子径の異なる粒子群または高比重粒子を、均一に分散して最適な粒子集合体を形成することは難しく、固着剤などの添加剤を改良し、性能向上を実現しうる技術について鋭利検討が進められている。
たとえば、特許文献1では、固着剤(結着剤)としてアミド構造を有する繰り返し構造単位を含む重合体、特にN−ビニルアセトアミドを好適に使用し、正極ペーストとしての安定性を改善し、性能向上を実現しようとしている(段落0008〜0020、0027〜0030、実施例、段落0038など参照)。
特許文献2ではさらに進んで、特許文献1の技術では導電助剤の分散が困難であることに鑑み、導電助剤の凝集を抑制して分散性を向上させ、性能向上を実現しようとしている(段落0008〜0009参照)。特に特許文献2では、一般式(1)で表されるアミド構造の繰り返し構成単位(a)と、酸性基を有する構成単位(b)とを有した重合体に対し一定の金属イオンを含有させ、導電助剤の凝集を抑制して分散性を向上させている(段落0010、0014〜0026、実施例など参照)。
特許文献2ではさらに進んで、特許文献1の技術では導電助剤の分散が困難であることに鑑み、導電助剤の凝集を抑制して分散性を向上させ、性能向上を実現しようとしている(段落0008〜0009参照)。特に特許文献2では、一般式(1)で表されるアミド構造の繰り返し構成単位(a)と、酸性基を有する構成単位(b)とを有した重合体に対し一定の金属イオンを含有させ、導電助剤の凝集を抑制して分散性を向上させている(段落0010、0014〜0026、実施例など参照)。
しかしながら、これら技術は添加剤で性能向上を実現しうる一例にすぎず、依然として最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現しうる技術が求められている。
したがって、本発明の主な目的は、特に溶媒としてn−メチル−2−ピロリドンを含むリチウムイオン2次電池の正極形成用のスラリー状組成物であって、最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現することができるスラリー状組成物およびリチウムイオン2次電池の正極の製造方法を提供することにある。
したがって、本発明の主な目的は、特に溶媒としてn−メチル−2−ピロリドンを含むリチウムイオン2次電池の正極形成用のスラリー状組成物であって、最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現することができるスラリー状組成物およびリチウムイオン2次電池の正極の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
リチウムイオン2次電池の正極形成用のスラリー状組成物において、
少なくとも1種類の粒子の比重が2.0g/cm3以上である複数種の導電性粒子と、
酸化物粒子と、
溶媒としてのn−メチル−2−ピロリドンと、
を含むことを特徴とするスラリー状組成物が提供される。
リチウムイオン2次電池の正極形成用のスラリー状組成物において、
少なくとも1種類の粒子の比重が2.0g/cm3以上である複数種の導電性粒子と、
酸化物粒子と、
溶媒としてのn−メチル−2−ピロリドンと、
を含むことを特徴とするスラリー状組成物が提供される。
本発明の他の態様によれば、
リチウムイオン2次電池の正極の製造方法において、
前記スラリー状組成物を調製する工程と、
前記スラリー状組成物を集電体に塗工し正極活物質層を形成する工程と、
セラミック前駆体および溶媒を含むセラミック前駆体塗布液を、前記正極活物質層上に塗工し、前記正極活物質層を結着させる工程と、
を含むことを特徴とするリチウムイオン2次電池の正極の製造方法が提供される。
リチウムイオン2次電池の正極の製造方法において、
前記スラリー状組成物を調製する工程と、
前記スラリー状組成物を集電体に塗工し正極活物質層を形成する工程と、
セラミック前駆体および溶媒を含むセラミック前駆体塗布液を、前記正極活物質層上に塗工し、前記正極活物質層を結着させる工程と、
を含むことを特徴とするリチウムイオン2次電池の正極の製造方法が提供される。
本発明によれば、スラリー状組成物に酸化物粒子が含まれているため、最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
数値範囲を示す「〜」の記載については、その前後に記載される下限値および上限値が当該数値範囲に含まれる。
数値範囲を示す「〜」の記載については、その前後に記載される下限値および上限値が当該数値範囲に含まれる。
[リチウムイオン2次電池(1)]
図1に示すとおり、リチウムイオン2次電池1は基本的に、正極10、負極12およびセパレーター14を備え、これらが電解液20に浸された構成を有している。
正極10および負極12はリチウムイオンを吸蔵または放出する電極である。
セパレーター14はシート状を呈したいわゆる高分子膜である。セパレーター14は正極10と負極20とを隔離して短絡を防止すると同時に、正極10と負極20との間でリチウムイオンの伝導を許容するものである。
リチウムイオン電池1によれば、充電中は外部回路30の電源32によりリチウムイオンが正極10から負極12に向けて電解液20中を流れ、同時に電子も正極から負極12に向けて流れる。他方、放電中はリチウムイオンが負極12から正極10に向けて電解液20中を流れ、同時に電子も負極12から正極10に向けて外部回路30を流れる。
図1に示すとおり、リチウムイオン2次電池1は基本的に、正極10、負極12およびセパレーター14を備え、これらが電解液20に浸された構成を有している。
正極10および負極12はリチウムイオンを吸蔵または放出する電極である。
セパレーター14はシート状を呈したいわゆる高分子膜である。セパレーター14は正極10と負極20とを隔離して短絡を防止すると同時に、正極10と負極20との間でリチウムイオンの伝導を許容するものである。
リチウムイオン電池1によれば、充電中は外部回路30の電源32によりリチウムイオンが正極10から負極12に向けて電解液20中を流れ、同時に電子も正極から負極12に向けて流れる。他方、放電中はリチウムイオンが負極12から正極10に向けて電解液20中を流れ、同時に電子も負極12から正極10に向けて外部回路30を流れる。
[正極(10)]
正極10は集電体に対し正極活物質層が形成された構成を有している。
正極10の集電体としてはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどが使用される。
正極10の正極活物質層はスラリー状組成物が集電体に塗工され形成される。
正極形成用のスラリー状組成物は導電性粒子、酸化物粒子および溶媒を含む。
正極10は集電体に対し正極活物質層が形成された構成を有している。
正極10の集電体としてはアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどが使用される。
正極10の正極活物質層はスラリー状組成物が集電体に塗工され形成される。
正極形成用のスラリー状組成物は導電性粒子、酸化物粒子および溶媒を含む。
(1)導電性粒子
導電性粒子として複数種の粒子が使用され、そのうち少なくとも1種類の粒子の比重が2.0g/cm3以上である。「比重が2.0g/cm3以上」とは正極形成用のスラリー状組成物には高比重粒子が含まれるという意味である。
ここでは導電性粒子として正極活物質および導電助剤が使用される。
導電性粒子として複数種の粒子が使用され、そのうち少なくとも1種類の粒子の比重が2.0g/cm3以上である。「比重が2.0g/cm3以上」とは正極形成用のスラリー状組成物には高比重粒子が含まれるという意味である。
ここでは導電性粒子として正極活物質および導電助剤が使用される。
正極活物質としては、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンから選ばれる少なくとも1種類以上の金属と、リチウムとを、含有するリチウム含有金属複合酸化物などが使用される。正極活物質は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
正極活物質としては基本的に平均粒径が数十μm程度のものが使用される。
正極活物質の平均粒径はコールターカウンター法などで測定される。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める正極活物質の含有量は好ましくは80〜95質量%である。
正極活物質としては基本的に平均粒径が数十μm程度のものが使用される。
正極活物質の平均粒径はコールターカウンター法などで測定される。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める正極活物質の含有量は好ましくは80〜95質量%である。
導電助剤としては黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックなどが使用される。導電助剤は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
導電助剤としては平均粒径が数十nm程度のものが使用される。
ここでは正極活物質と導電助剤とで平均粒径には3ケタ程度の違いがあり、正極形成用のスラリー状組成物には粒子径の異なる粒子群が含まれる。
導電助剤の平均粒径もコールターカウンター法などで測定される。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める導電助剤の含有量は好ましくは5〜15質量%である。
導電助剤としては平均粒径が数十nm程度のものが使用される。
ここでは正極活物質と導電助剤とで平均粒径には3ケタ程度の違いがあり、正極形成用のスラリー状組成物には粒子径の異なる粒子群が含まれる。
導電助剤の平均粒径もコールターカウンター法などで測定される。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める導電助剤の含有量は好ましくは5〜15質量%である。
(2)酸化物粒子
酸化物粒子の酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどが使用される。酸化物粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されてもよい。
酸化物粒子は多孔質状の粒子であってもよく、その比表面積が200m2/g以上であることが好ましい。酸化物粒子が多孔質状の粒子であると、多孔質の空隙部に溶媒が入り込むため、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させやすい。
酸化物粒子の平均粒径は好ましくは5〜100nmであり、より好ましくは5〜50nmである。酸化物粒子の平均粒径がかかる範囲に収まる場合、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させやすい。
酸化物粒子の平均粒径もコールカウンター法などで測定される。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める酸化物粒子の含有量は好ましくは1〜10質量%である。
酸化物粒子の酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどが使用される。酸化物粒子の表面は、シランカップリング剤やチタンカップリング剤で処理されてもよい。
酸化物粒子は多孔質状の粒子であってもよく、その比表面積が200m2/g以上であることが好ましい。酸化物粒子が多孔質状の粒子であると、多孔質の空隙部に溶媒が入り込むため、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させやすい。
酸化物粒子の平均粒径は好ましくは5〜100nmであり、より好ましくは5〜50nmである。酸化物粒子の平均粒径がかかる範囲に収まる場合、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させやすい。
酸化物粒子の平均粒径もコールカウンター法などで測定される。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める酸化物粒子の含有量は好ましくは1〜10質量%である。
(3)溶媒
溶媒としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合溶媒などが使用される。
有機溶媒としては、n−メチル−2−ピロリドン(NMP)、NMPとエステル系溶媒との混合溶液、NMPとグライム系溶媒との混合溶液などが使用される。エステル系溶媒には酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどがある。グライム系溶媒にはジグライム、トリグライム、テトラグライムなどがある。ここでは溶媒としてNMPが含まれる。
これら有機溶媒は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
溶媒としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合溶媒などが使用される。
有機溶媒としては、n−メチル−2−ピロリドン(NMP)、NMPとエステル系溶媒との混合溶液、NMPとグライム系溶媒との混合溶液などが使用される。エステル系溶媒には酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどがある。グライム系溶媒にはジグライム、トリグライム、テトラグライムなどがある。ここでは溶媒としてNMPが含まれる。
これら有機溶媒は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
溶媒には2価のアルコール、または1価のアルコールと2価のアルコールとの混合アルコールが含まれてもよい。これらアルコールを使用すると、酸化物粒子の空隙部にアルコールが入り込むため、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させることができる。
2価のアルコールとしては、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなど使用される。1価のアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノールなどが使用される。
正極形成用のスラリー組成物の溶媒の全質量に占める、2価のアルコールまたは混合アルコールの溶媒の含有量は、好ましくは20〜40質量%である。
混合アルコールを含有させる場合、1価のアルコールと2価のアルコールとの含有比率は、作製しようとする正極形成用のスラリー状組成物の粘度に応じて適宜調整される。
2価のアルコールとしては、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなど使用される。1価のアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノールなどが使用される。
正極形成用のスラリー組成物の溶媒の全質量に占める、2価のアルコールまたは混合アルコールの溶媒の含有量は、好ましくは20〜40質量%である。
混合アルコールを含有させる場合、1価のアルコールと2価のアルコールとの含有比率は、作製しようとする正極形成用のスラリー状組成物の粘度に応じて適宜調整される。
(4)層状粘土鉱物
正極形成用のスラリー状組成物には層状粘土鉱物が含まれてもよい。
層状粘土鉱物としては、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、スメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。これはスメクタイト構造の層間に溶媒が進入して膨潤したカードハウス構造をとるため、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させうるためである。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める層状粘土鉱物の含有量は好ましくは0.1〜5質量%である。
正極形成用のスラリー状組成物には層状粘土鉱物が含まれてもよい。
層状粘土鉱物としては、雲母構造、カオリナイト構造、スメクタイト構造などの構造を有する膨潤性粘土鉱物が好ましく、スメクタイト構造を有する膨潤性粘土鉱物がより好ましい。これはスメクタイト構造の層間に溶媒が進入して膨潤したカードハウス構造をとるため、正極形成用のスラリー状組成物の粘性を増大させうるためである。
正極形成用のスラリー組成物の全質量に占める層状粘土鉱物の含有量は好ましくは0.1〜5質量%である。
(5)スラリー状組成物の性状
正極形成用のスラリー状組成物は、上記した導電性粒子、酸化物粒子および溶媒を含む構成材料が混合され、その混合物中の粒子が、自転・公転式分散方式、薄膜旋回型分散方式または高圧衝撃式分散方式のいずれかにより分散される。
分散の条件は方式ごとに適宜設定され、分散後のスラリー状組成物の粘度が100〜300mPa・sと、好ましくは200〜300mPa・sとなるように設定される。
正極形成用のスラリー状組成物は、上記した導電性粒子、酸化物粒子および溶媒を含む構成材料が混合され、その混合物中の粒子が、自転・公転式分散方式、薄膜旋回型分散方式または高圧衝撃式分散方式のいずれかにより分散される。
分散の条件は方式ごとに適宜設定され、分散後のスラリー状組成物の粘度が100〜300mPa・sと、好ましくは200〜300mPa・sとなるように設定される。
「自転・公転式分散方式」とは、処理液の入った容器を時計方向に公転させると同時に、容器自体を反時計方向に自転させ、高速の自転・公転で生じた遠心力を押圧力として容器中の材料に対して働かせ、渦状の上下対流を連続的に発生させ、材料同士を混合し均一に分散する方式である。自転・公転式分散方式の分散装置としては、あわとり練太郎(シンキー社製)などが使用される。
「薄膜旋回型分散方式」とは、処理液の入った容器を高速回転させ、処理液を遠心力により容器の壁面に押し付け、容器の内壁全面に沿った中空円柱状の薄膜を形成し、その薄膜の中で固体粒子を分散させる方式である。大きな凝集粒子は容器内壁面に押し付けられ、旋回流によって壁面を転がっていく。かかる場合に、壁面に押え付けられる遠心力と、回転流で移動しようとする力とのずりで、凝集粒子の表面の粒子から順番にほぐれて1つの単一粒子へと分散される。薄膜旋回型分散方式の分散装置としては、TKフィルミックス(プライミクス社製)などが使用される。
「高圧衝撃式分散方式」とは、処理液を、高圧ポンプに送り込み高速流を作り出し、特殊なノズル(ジェネレーター)を通過させ、その時に発生する超高速せん断力・衝撃波・キャビテーションなどの作用により分散を行う方式である。高圧衝撃式分散方式の分散装置としては、ナノマイザー(吉田機械興業社製)などが使用される。
「薄膜旋回型分散方式」とは、処理液の入った容器を高速回転させ、処理液を遠心力により容器の壁面に押し付け、容器の内壁全面に沿った中空円柱状の薄膜を形成し、その薄膜の中で固体粒子を分散させる方式である。大きな凝集粒子は容器内壁面に押し付けられ、旋回流によって壁面を転がっていく。かかる場合に、壁面に押え付けられる遠心力と、回転流で移動しようとする力とのずりで、凝集粒子の表面の粒子から順番にほぐれて1つの単一粒子へと分散される。薄膜旋回型分散方式の分散装置としては、TKフィルミックス(プライミクス社製)などが使用される。
「高圧衝撃式分散方式」とは、処理液を、高圧ポンプに送り込み高速流を作り出し、特殊なノズル(ジェネレーター)を通過させ、その時に発生する超高速せん断力・衝撃波・キャビテーションなどの作用により分散を行う方式である。高圧衝撃式分散方式の分散装置としては、ナノマイザー(吉田機械興業社製)などが使用される。
[正極の製造方法]
正極10の製造方法は主に、図2に示すとおり、
(1)スラリー状組成物を調製する工程と、
(2)スラリー状組成物を集電体に塗工し正極活物質層を形成する工程と、
(3)セラミック材料および溶媒を含むセラミック材料組成物を、正極活物質層上に塗工し、正極活物質層を結着させる工程と、を含む
正極10の製造方法は主に、図2に示すとおり、
(1)スラリー状組成物を調製する工程と、
(2)スラリー状組成物を集電体に塗工し正極活物質層を形成する工程と、
(3)セラミック材料および溶媒を含むセラミック材料組成物を、正極活物質層上に塗工し、正極活物質層を結着させる工程と、を含む
(1)スラリー状組成物の調製工程S1
調製工程S1では、上記のとおり、導電性粒子、酸化物粒子および溶媒を含む構成材料を混合し、その混合物中の粒子を、自転・公転式分散方式などにより分散させ、一定の粘度のスラリー状組成物を調製する。
調製工程S1では、上記のとおり、導電性粒子、酸化物粒子および溶媒を含む構成材料を混合し、その混合物中の粒子を、自転・公転式分散方式などにより分散させ、一定の粘度のスラリー状組成物を調製する。
(2)正極活物質層の形成工程S2
形成工程S2では、調製済みのスラリー状組成物を、上記した一定の集電体に塗工する。
形成工程S2では、調製済みのスラリー状組成物を、上記した一定の集電体に塗工する。
(3)正極活物質層の結着工程S3
結着工程S3では、セラミック前駆体および溶媒を含むセラミック前駆体塗布液を、正極活物質層上に塗工し、その後に、スラリー状組成物およびセラミック前駆体塗布液の溶媒を乾燥させ、必要に応じて圧延する。
結着工程S3では、セラミック前駆体および溶媒を含むセラミック前駆体塗布液を、正極活物質層上に塗工し、その後に、スラリー状組成物およびセラミック前駆体塗布液の溶媒を乾燥させ、必要に応じて圧延する。
(3.1)セラミック前駆体塗布液
セラミック前駆体塗布液は、セラミック前駆体としての金属化合物を溶媒に分散させた溶液である。金属化合物では金属の種類に制限はない。
セラミック前駆体塗布液は、セラミック前駆体としての金属化合物を溶媒に分散させた溶液である。金属化合物では金属の種類に制限はない。
(3.1.1)ゾル−ゲル溶液
セラミック前駆体塗布液としては、加水分解などの反応によりゲル化した後、ゲルを加熱することによりセラミックスが形成されるもの(ゾル−ゲル溶液)であってもよいし、溶媒成分を揮発させることにより、ゲル化することなく直接セラミックスが形成されるものであってもよい。
前者(ゾル−ゲル溶液)の場合、金属化合物は有機化合物でもよいし無機化合物でもよい。金属化合物としては、たとえば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、酸化物などが使用される。これらの中でも、加水分解と重合反応によりゲル化し易いため、好ましくは金属アルコキシドが使用される。金属化合物は複数種が組み合わされ使用されてもよい。
金属アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの単分子が使用されてもよいし、シロキサン化合物が鎖状または環状に連なったポリシロキサンが使用されてもよい。これら金属アルコキシドは1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
セラミック前駆体塗布液としては、上記金属化合物の他、加水分解用の水、溶媒、触媒などを適宜含有させることが好ましい。
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類が挙げられる。
触媒としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、アンモニアなどが挙げられる。
セラミック前駆体塗布液としては、加水分解などの反応によりゲル化した後、ゲルを加熱することによりセラミックスが形成されるもの(ゾル−ゲル溶液)であってもよいし、溶媒成分を揮発させることにより、ゲル化することなく直接セラミックスが形成されるものであってもよい。
前者(ゾル−ゲル溶液)の場合、金属化合物は有機化合物でもよいし無機化合物でもよい。金属化合物としては、たとえば、金属アルコキシド、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、硝酸塩、酸化物などが使用される。これらの中でも、加水分解と重合反応によりゲル化し易いため、好ましくは金属アルコキシドが使用される。金属化合物は複数種が組み合わされ使用されてもよい。
金属アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの単分子が使用されてもよいし、シロキサン化合物が鎖状または環状に連なったポリシロキサンが使用されてもよい。これら金属アルコキシドは1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
セラミック前駆体塗布液としては、上記金属化合物の他、加水分解用の水、溶媒、触媒などを適宜含有させることが好ましい。
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類が挙げられる。
触媒としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フッ酸、アンモニアなどが挙げられる。
セラミック前駆体塗布液の全質量に占める金属アルコキシドの含有量は好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは2〜30質量%である。
金属化合物として金属アルコキシドの単分子を使用する場合、塗工後の加熱温度は好ましくは120〜500℃であり、より好ましくは120〜150℃である。金属化合物としてポリシロキサンを使用する場合も、塗工後の加熱温度は好ましくは120〜500℃であり、より好ましくは120〜150℃である。
金属化合物として金属アルコキシドの単分子を使用する場合、塗工後の加熱温度は好ましくは120〜500℃であり、より好ましくは120〜150℃である。金属化合物としてポリシロキサンを使用する場合も、塗工後の加熱温度は好ましくは120〜500℃であり、より好ましくは120〜150℃である。
(3.1.2)ポリシラザン
セラミック前駆体としてポリシラザンも使用可能である。
ポリシラザンとは下記一般式(i)で表される。
(R1R2SiNR3)n … (i)
式(i)中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表す。R1〜R3のうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子である。nは1〜60の整数を表す。
ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、たとえば、直鎖状または環状であってもよい。
上記式(i)に示すポリシラザンと必要に応じた反応促進剤を、適切な溶媒に溶かして塗布し、加熱処理、エキシマ光処理、UV光処理を行うことで硬化させると、耐熱性、耐光性に優れたセラミック膜を作製することができる。特に、170〜230nmの範囲の波長成分を含むUVU放射線(たとえばエキシマ光)を照射して硬化させた後に、加熱硬化を行うとさらに水分の浸透防止効果を向上させることができる。
セラミック前駆体としてポリシラザンも使用可能である。
ポリシラザンとは下記一般式(i)で表される。
(R1R2SiNR3)n … (i)
式(i)中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素原子またはアルキル基、アリール基、ビニル基、シクロアルキル基を表す。R1〜R3のうち少なくとも1つは水素原子であり、好ましくはすべてが水素原子である。nは1〜60の整数を表す。
ポリシラザンの分子形状はいかなる形状であってもよく、たとえば、直鎖状または環状であってもよい。
上記式(i)に示すポリシラザンと必要に応じた反応促進剤を、適切な溶媒に溶かして塗布し、加熱処理、エキシマ光処理、UV光処理を行うことで硬化させると、耐熱性、耐光性に優れたセラミック膜を作製することができる。特に、170〜230nmの範囲の波長成分を含むUVU放射線(たとえばエキシマ光)を照射して硬化させた後に、加熱硬化を行うとさらに水分の浸透防止効果を向上させることができる。
反応促進剤としては酸、塩基などを用いることが好ましいが用いなくてもよい。
反応促進剤としては、たとえばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸やニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属カルボン酸塩などが挙げられるがこれに限られない。
反応促進剤を用いる場合に特に好ましいのは金属カルボン酸塩であり、添加量はポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%が好ましい添加量である。
溶媒としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エーテル類、エステル類を使用することができる。好ましくはメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルフルオライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテルである。
ポリシラザン濃度は高い方が好ましいが、濃度の上昇はポリシラザンの保存期間の短縮につながるため、ポリシラザンは、溶媒中に5質量%以上50質量%以下で溶解していることが好ましい。
セラミック前駆体としてポリシラザンを使用する場合も、塗工後の加熱温度は好ましくは120〜500℃であり、より好ましくは120〜150℃である。
反応促進剤としては、たとえばトリエチルアミン、ジエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、塩酸、シュウ酸、フマル酸、スルホン酸、酢酸やニッケル、鉄、パラジウム、イリジウム、白金、チタン、アルミニウムを含む金属カルボン酸塩などが挙げられるがこれに限られない。
反応促進剤を用いる場合に特に好ましいのは金属カルボン酸塩であり、添加量はポリシラザンを基準にして0.01〜5mol%が好ましい添加量である。
溶媒としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン炭化水素、エーテル類、エステル類を使用することができる。好ましくはメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルフルオライド、クロロホルム、四塩化炭素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルブチルエーテルである。
ポリシラザン濃度は高い方が好ましいが、濃度の上昇はポリシラザンの保存期間の短縮につながるため、ポリシラザンは、溶媒中に5質量%以上50質量%以下で溶解していることが好ましい。
セラミック前駆体としてポリシラザンを使用する場合も、塗工後の加熱温度は好ましくは120〜500℃であり、より好ましくは120〜150℃である。
(3.2)溶媒の乾燥工程および圧延工程
溶媒の乾燥工程では、温風、熱風、低湿風などによる乾燥、真空乾燥、赤外線、電子線などの照射乾燥などを行う。
圧延工程では、正極活物質層を任意の厚さに圧延できればよく、金型プレス、ロールプレスなどの方式で行う。
溶媒の乾燥工程では、温風、熱風、低湿風などによる乾燥、真空乾燥、赤外線、電子線などの照射乾燥などを行う。
圧延工程では、正極活物質層を任意の厚さに圧延できればよく、金型プレス、ロールプレスなどの方式で行う。
[負極(12)]
負極12も正極10とほぼ同様の構成を有しており、集電体に対し負極活物質層が形成された構成を有している。
負極の集電体としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなど使用される。
負極12の負極活物質層もスラリー状組成物が集電体に塗工され形成される。
負極形成用のスラリー状組成物は負極活物質、固着剤および溶媒を含む。
負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維、コークス、活性炭などの炭素材料;前記炭素材料とシリコン、錫、銀などの金属またはこれらの酸化物との複合物などが使用される。負極活物質は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
固着剤としてはカーボンマイクロコイル、スチレン・ブタジエンゴムなどが使用される。
溶媒としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合溶媒などが使用される。
負極12も正極10とほぼ同様の構成を有しており、集電体に対し負極活物質層が形成された構成を有している。
負極の集電体としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなど使用される。
負極12の負極活物質層もスラリー状組成物が集電体に塗工され形成される。
負極形成用のスラリー状組成物は負極活物質、固着剤および溶媒を含む。
負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維、コークス、活性炭などの炭素材料;前記炭素材料とシリコン、錫、銀などの金属またはこれらの酸化物との複合物などが使用される。負極活物質は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
固着剤としてはカーボンマイクロコイル、スチレン・ブタジエンゴムなどが使用される。
溶媒としては、有機溶媒、水、有機溶媒と水との混合溶媒などが使用される。
[電解液(20)]
電解液20としてはリチウム塩を有機溶媒に溶解したものが使用される。
リチウム塩としては、溶媒中で解離してリチウムイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものが使用される。
たとえば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機化合物;LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2O4F9)、LiC(SO2CF2)3、LiC(SO2C2F5)2、LiPF6−n(C2F5)n(nは1〜6の整数)、LiSO3CF3、LiSO3C2F5、LiSO3O4F8などの有機化合物が使用される。
電解液20としてはリチウム塩を有機溶媒に溶解したものが使用される。
リチウム塩としては、溶媒中で解離してリチウムイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものが使用される。
たとえば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機化合物;LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2O4F9)、LiC(SO2CF2)3、LiC(SO2C2F5)2、LiPF6−n(C2F5)n(nは1〜6の整数)、LiSO3CF3、LiSO3C2F5、LiSO3O4F8などの有機化合物が使用される。
有機溶媒としては、上記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものが使用される。
たとえばエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;γ−ブチロラクトンといった環状エステル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルといったニトリル類;などが使用される。
これらは1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
たとえばエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;γ−ブチロラクトンといった環状エステル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルといったニトリル類;などが使用される。
これらは1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
(1)正極形成用のスラリー状組成物の作製
(1.1)サンプル1
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、固着剤としてポリフッ化ビニリデンを、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は140mPa・sであった。
分散装置としてあわとり練太郎(シンキー社製)を使用し、分散を自転・公転式分散方式で実施した。
スラリー状組成物の粘度は、振動式粘度測定機VM-10A(セコニック社製)にて、振動子を浸漬して1分後の値を読み取り測定した。
(1.1)サンプル1
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、固着剤としてポリフッ化ビニリデンを、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は140mPa・sであった。
分散装置としてあわとり練太郎(シンキー社製)を使用し、分散を自転・公転式分散方式で実施した。
スラリー状組成物の粘度は、振動式粘度測定機VM-10A(セコニック社製)にて、振動子を浸漬して1分後の値を読み取り測定した。
(1.2)サンプル2
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は100mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は100mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
(1.3)サンプル3
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒(n-メチル-2-ピロリドン:1,3-ブタンジオール=70:30)と混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は200mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒(n-メチル-2-ピロリドン:1,3-ブタンジオール=70:30)と混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は200mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
(1.4)サンプル4
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒(n-メチル-2-ピロリドン:1,3-ブタンジオール:エタノール=70:20:10)と混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は160mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒(n-メチル-2-ピロリドン:1,3-ブタンジオール:エタノール=70:20:10)と混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は160mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
(1.5)サンプル5
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)、層状粘土鉱物としてルーセンタイトSWN(コープケミカル社製:スメクタイト)を、質量比が90:8:1.5:0.5になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は120mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)、層状粘土鉱物としてルーセンタイトSWN(コープケミカル社製:スメクタイト)を、質量比が90:8:1.5:0.5になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は120mPa・sであった。
分散および粘度測定はサンプル1と同様の装置、方式および手順で行った。
(1.6)サンプル6
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は200mPa・sであった。
分散装置としてTKフィルミックス(プライミクス社製)を使用し、分散を薄膜旋回型分散方式で実施した。
粘度測定はサンプル1と同様の手順で行った。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は200mPa・sであった。
分散装置としてTKフィルミックス(プライミクス社製)を使用し、分散を薄膜旋回型分散方式で実施した。
粘度測定はサンプル1と同様の手順で行った。
(1.7)サンプル7
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は300mPa・sであった。
分散装置としてナノマイザー(吉田機械興業社製)を使用し、分散を高圧衝撃式分散方式で実施した。
粘度測定はサンプル1と同様の手順で行った。
正極活物質としてコバルト酸リチウム(平均粒径10μm、比重2.0-2.6g/cm3)、導電助剤としてアセチレンブラック(平均粒径50nm)、酸化物粒子としてシリカ(富士シリシア化学社製サイリシア470)を、質量比が90:8:2になるように、溶媒n-メチル-2-ピロリドンと混合し分散させ、正極形成用のスラリー状組成物を調製した。
当該スラリー状組成物の粘度は300mPa・sであった。
分散装置としてナノマイザー(吉田機械興業社製)を使用し、分散を高圧衝撃式分散方式で実施した。
粘度測定はサンプル1と同様の手順で行った。
(2)粒子集合状態(凝集性)の評価
スラリー状組成物サンプル1〜7の粒子集合状態(凝集性)を、直接観察法(液滴乾燥法)で評価した。直接観察法とは、スラリー状組成物を液滴としてガラス基板に滴下し、これを乾燥させ、ガラス基板上での導電性粒子(正極活物質および導電助剤)間の配置を目視で観察する方法である。
かかる観察には光学顕微鏡(オリンパス社製SZX12)を使用した。
表1中、導電性粒子が均一に分布しているものを○(特に均一に分布しているものを◎)と、不均一に分布しているものを×とした。
スラリー状組成物サンプル1〜7の粒子集合状態(凝集性)を、直接観察法(液滴乾燥法)で評価した。直接観察法とは、スラリー状組成物を液滴としてガラス基板に滴下し、これを乾燥させ、ガラス基板上での導電性粒子(正極活物質および導電助剤)間の配置を目視で観察する方法である。
かかる観察には光学顕微鏡(オリンパス社製SZX12)を使用した。
表1中、導電性粒子が均一に分布しているものを○(特に均一に分布しているものを◎)と、不均一に分布しているものを×とした。
(3)リチウムイオン2次電池の製造
(3.1)正極の作製
(3.1.2)サンプル11
サンプル1のスラリー状組成物を、厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗工して、溶媒を乾燥させ、乾燥後、圧延プレス機により圧延を施し、正極活物質層を有する正極(サンプル11)を作製した。
(3.1)正極の作製
(3.1.2)サンプル11
サンプル1のスラリー状組成物を、厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗工して、溶媒を乾燥させ、乾燥後、圧延プレス機により圧延を施し、正極活物質層を有する正極(サンプル11)を作製した。
(3.1.2)サンプル12〜17
サンプル2〜7のスラリー状組成物をそれぞれ、アルミニウム箔の両面に塗工して、溶媒を乾燥させた後、次いで、セラミック材料組成物を塗工して、溶媒を乾燥させた後、圧延プレス機により圧延を施し、正極活物質を有する正極(サンプル12〜17)を作製した。
セラミック材料組成物は、テトラメトキシシランKBM04(信越化学工業社製)、メチルトリメトキシシランKBM13(信越化学工業社製)を、質量比が75:25になるように、溶媒(イソプロピルアルコール:エタノール=50:50)と混合して調製した。
サンプル2〜7のスラリー状組成物をそれぞれ、アルミニウム箔の両面に塗工して、溶媒を乾燥させた後、次いで、セラミック材料組成物を塗工して、溶媒を乾燥させた後、圧延プレス機により圧延を施し、正極活物質を有する正極(サンプル12〜17)を作製した。
セラミック材料組成物は、テトラメトキシシランKBM04(信越化学工業社製)、メチルトリメトキシシランKBM13(信越化学工業社製)を、質量比が75:25になるように、溶媒(イソプロピルアルコール:エタノール=50:50)と混合して調製した。
(3.2)負極の作製
負極活物質として天然黒鉛、固着剤としてカーボンマイクロコイル(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)を、質量比が98:1:1となるように混合し、負極形成用のスラリー状組成物を調製した。
その後、負極形成用のスラリー状組成物を、厚さ10μmの銅箔の両面に塗工し、乾燥させた後、ロール圧延機により圧延を施し、負極活物質層を有する負極を作製した。
負極活物質として天然黒鉛、固着剤としてカーボンマイクロコイル(CMC)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)を、質量比が98:1:1となるように混合し、負極形成用のスラリー状組成物を調製した。
その後、負極形成用のスラリー状組成物を、厚さ10μmの銅箔の両面に塗工し、乾燥させた後、ロール圧延機により圧延を施し、負極活物質層を有する負極を作製した。
(3.3)電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を、体積比1:1:1で混合した溶媒に、LiPF6を1.2mol/L溶解させて、電解液を調製した。
エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)を、体積比1:1:1で混合した溶媒に、LiPF6を1.2mol/L溶解させて、電解液を調製した。
(3.4)電池の組み立て
正極サンプル11〜17および負極それぞれに接続端子(タブ)溶接し、セパレーターとしてポリオレフィン系微多孔膜を挟んで、正極と負極とが対向するように巻き取ることにより、電極体を作製した。
その後、この電極体を外装缶に挿入し、負極タブを外装缶の底部に溶接し、正極タブをトップキャップ(蓋)と溶接した。
その後、電解液を外装缶の開口部から注入後、予め正極タブ溶接したトップキャップを、ガスケットを介して上部に配置し、トップキャップと外装缶とが接した部分をかしめて密閉し、正極サンプル11〜17を含むリチウムイオン2次電池サンプル11〜17を製造した。
正極サンプル11〜17および負極それぞれに接続端子(タブ)溶接し、セパレーターとしてポリオレフィン系微多孔膜を挟んで、正極と負極とが対向するように巻き取ることにより、電極体を作製した。
その後、この電極体を外装缶に挿入し、負極タブを外装缶の底部に溶接し、正極タブをトップキャップ(蓋)と溶接した。
その後、電解液を外装缶の開口部から注入後、予め正極タブ溶接したトップキャップを、ガスケットを介して上部に配置し、トップキャップと外装缶とが接した部分をかしめて密閉し、正極サンプル11〜17を含むリチウムイオン2次電池サンプル11〜17を製造した。
(4)サイクル耐久性の評価
リチウムイオン2次電池サンプル11〜17を、20℃の環境下で、正極に対する電流密度を1mA/cm2として、4.2Vまで充電して初期充電容量とし、30分間の休止後、終止電圧3.0Vまで放電を行った。
この充放電サイクルを100回繰り返して、サイクル耐久性を評価した(初期充電容量に対する維持率を算出した。)。
リチウムイオン2次電池サンプル11〜17を、20℃の環境下で、正極に対する電流密度を1mA/cm2として、4.2Vまで充電して初期充電容量とし、30分間の休止後、終止電圧3.0Vまで放電を行った。
この充放電サイクルを100回繰り返して、サイクル耐久性を評価した(初期充電容量に対する維持率を算出した。)。
(5)まとめ
表2に示すとおり、リチウムイオン2次電池サンプル11とリチウムイオン2次電池サンプル12〜17との比較から、後者のサンプルでサイクル耐久性が向上している。これは正極がスラリー状組成物2〜7で作製され、酸化物粒子が含まれ導電性粒子が均一に分散、塗工されているためであり、2次電池の内部抵抗が軽減されているためである。
以上から、最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現するうえでは、スラリー状組成物に対し一定の酸化物粒子を含有させることが有用であることがわかる。
さらにリチウムイオン2次電池サンプル12とリチウムイオン2次電池サンプル13〜17との比較から、スラリー状組成物を塗工するうえで、アルコールや層状粘土鉱物を含有させたり分散方式を変更したりして最適な粘度調整を行うことにより、より均一な塗工が可能となり、サイクル耐久性を向上させうることがわかる。
表2に示すとおり、リチウムイオン2次電池サンプル11とリチウムイオン2次電池サンプル12〜17との比較から、後者のサンプルでサイクル耐久性が向上している。これは正極がスラリー状組成物2〜7で作製され、酸化物粒子が含まれ導電性粒子が均一に分散、塗工されているためであり、2次電池の内部抵抗が軽減されているためである。
以上から、最適な粒子集合体を形成し性能向上を実現するうえでは、スラリー状組成物に対し一定の酸化物粒子を含有させることが有用であることがわかる。
さらにリチウムイオン2次電池サンプル12とリチウムイオン2次電池サンプル13〜17との比較から、スラリー状組成物を塗工するうえで、アルコールや層状粘土鉱物を含有させたり分散方式を変更したりして最適な粘度調整を行うことにより、より均一な塗工が可能となり、サイクル耐久性を向上させうることがわかる。
1 リチウムイオン2次電池
10 正極
12 負極
14 セパレーター
20 電解液
30 外部回路
32 電源
10 正極
12 負極
14 セパレーター
20 電解液
30 外部回路
32 電源
Claims (6)
- リチウムイオン2次電池の正極形成用のスラリー状組成物において、
少なくとも1種類の粒子の比重が2.0g/cm3以上である複数種の導電性粒子と、
酸化物粒子と、
溶媒としてのn−メチル−2−ピロリドンと、
を含むことを特徴とするスラリー状組成物。 - 請求項1に記載のスラリー状組成物において、
前記溶媒として2価のアルコール類または1価および2価の混合アルコール類を含むことを特徴とするスラリー状組成物。 - 請求項1または2に記載のスラリー状組成物において、
層状粘土鉱物を含むことを特徴とするスラリー状組成物。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のスラリー状組成物において、
前記導電性粒子、前記酸化物粒子および前記溶媒を含む構成材料が、自転・公転式分散方式、薄膜旋回型分散方式または高圧衝撃式分散方式のいずれかにより分散されていることを特徴とするスラリー状組成物。 - リチウムイオン2次電池の正極の製造方法において、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のスラリー状組成物を調製する工程と、
前記スラリー状組成物を集電体に塗工し正極活物質層を形成する工程と、
セラミック前駆体および溶媒を含むセラミック前駆体塗布液を、前記正極活物質層上に塗工し、前記正極活物質層を結着させる工程と、
を含むことを特徴とするリチウムイオン2次電池の正極の製造方法。 - 請求項5に記載のリチウムイオン2次電池の正極の製造方法において、
前記セラミック前駆体としてケイ素を含む金属アルコキシドを使用することを特徴とするリチウムイオン2次電池の正極の製造方法。
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JP2015144866A JP2017027768A (ja) | 2015-07-22 | 2015-07-22 | スラリー状組成物およびリチウムイオン2次電池の正極の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109616709A (zh) * | 2017-10-05 | 2019-04-12 | 深圳格林德能源集团有限公司 | 一种高电压聚合物锂离子电池高温化成工艺 |
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WO2021084957A1 (ja) * | 2019-10-31 | 2021-05-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 非水電解質二次電池 |
CN113122882A (zh) * | 2021-06-16 | 2021-07-16 | 中南大学 | 一种矿浆电池 |
WO2022130749A1 (ja) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 正極スラリーの製造方法及び正極の製造方法 |
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-
2015
- 2015-07-22 JP JP2015144866A patent/JP2017027768A/ja active Pending
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WO2022181266A1 (ja) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電池用電極合剤および非水電解質二次電池 |
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