以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態における画像投影装置1を例示する図である。図1(A)は、画像投影装置1の斜視図であり、図1(B)は、画像投影装置1の側面図である。
画像投影装置1は、出射窓3と、外部I/F9と、外気を吸気する吸気口2と、を有し、投影画像を生成する光学エンジンが内部に設けられている。画像投影装置1は、例えば外部I/F9に接続されるパソコンやデジタルカメラから画像データを受信する。そして、画像投影装置1の光学エンジンは、受信した画像データに基づいて画像(以下、投影画像と称する場合がある)を生成し、図1に示されるように出射窓3からスクリーンSに画像を投影する。
なお、以下に示す図面において、Y方向は画像投影装置1の幅方向、X方向は画像投影装置1の奥行き方向、Z方向は画像投影装置1の高さ方向である。本実施の形態では、画像投影装置1は、XY平面を水平面とし、Z方向が鉛直方向(重力の方向)であるものとして説明する。
図2は、本実施の形態における画像投影装置1の機能構成を例示するブロック図である。
図2に示されるように、画像投影装置1は、電源4と、メインスイッチ(SW)5と、操作部7と、外部I/F9と、システムコントロール部10と、ファン20と、光学エンジン15と、を有する。
電源4は、商用電源に接続され、画像投影装置1の内部回路用に電圧および周波数を変換し、システムコントロール部10、ファン20、光学エンジン15等に給電する。
SW5は、ユーザによる画像投影装置1のON/OFF操作に用いられる。電源4が電源コード等を介して商用電源に接続された状態で、SW5がONに操作されると、電源4が画像投影装置1の各部への給電を開始し、SW5がOFFに操作されると、電源4が画像投影装置1の各部への給電を停止する。
操作部7は、ユーザによる各種操作を受け付けるボタン等であり、例えば画像投影装置1の筐体に設けられている。操作部7は、例えば投影画像の大きさ、色調、ピント調整等のユーザによる操作を受け付ける。操作部7が受け付けたユーザ操作は、システムコントロール部10に送られる。
ファン20は、システムコントロール部10の制御により回転し、吸気口2から吸気した空気によって、光学エンジン15の光源30を冷却する。
外部I/F9は、例えばパソコン、デジタルカメラ等に接続される接続端子を有し、接続された機器から送信される画像データをシステムコントロール部10に出力する。
光学エンジン15は、光源30と、照明光学ユニット40と、画像表示ユニット50と、投影ユニット60と、駆動部82と、を有する。光学エンジン15は、システムコントロール部10の制御により、スクリーンSに画像を投影する。
光源30は、例えば水銀高圧ランプ、キセノンランプ、LED等である。光源30は、システムコントロール部10によって制御され、照明光学ユニット40に光を照射する。
照明光学ユニット40は、照明光学手段の一例である。照明光学ユニット40は、光源30から照射された光を画像表示ユニット50のDMD551(詳細後述)へ導く。照明光学ユニット40は、例えば、カラーホイール、ライトトンネル、リレーレンズ等を有する。光源30から照射された光は、照明光学ユニット40によって、DMD551へ導かれる。
画像表示ユニット50は、固定ユニット51と、可動ユニット55と、駆動部82と、を有する。
可動ユニット55は、照明光学ユニット40に対して移動可能に設けられている。可動ユニット55は、画像生成部560と、可動部材550と、を備える。画像生成部560は、画像生成手段に相当する。
画像生成部560は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device(以下、単に「DMD」という))551と、ヒートシンク554と、を有する。
DMD551は、光変調素子の一例である。DMD551は、光源30から照射された光を用いて画像を生成する。
DMD551は、可動式の複数のマイクロミラーが格子状に配列された画像生成面を有する。DMD551は、複数のマイクロミラーからなる略矩形の画像生成面を有する。DMD551の各マイクロミラーは、鏡面がねじれ軸周りに傾動可能に設けられており、システムコントロール部10から送信される画像信号に基づいてON/OFF駆動される。
マイクロミラーは、例えば「ON」の場合には、光源30からの光を投影ユニット60に反射するように傾斜角度が制御される。また、マイクロミラーは、例えば「OFF」の場合には、光源30からの光を不図示のOFF光板に向けて反射する方向に傾斜角度が制御される。
このように、DMD551は、システムコントロール部10から送信される画像信号によって各マイクロミラーの傾斜角度が制御され、光源30から照射されて照明光学ユニット40を通った光を変調し、投影画像を生成する。言い換えると、DMD551は、各マイクロミラーを個別に駆動することで、画素ごとに光の投射を制御することができる。すなわち、DMD551は、光源30から照射された光を画像生成面で受光し、受光した光を用いて画像を生成する。
ヒートシンク554は、冷却部材の一例である。ヒートシンク554は、DMD551を冷却する。ヒートシンク554は、DMD551の温度上昇を抑制し、DMD551の温度上昇による動作不良や故障等といった不具合の発生を低減する。ヒートシンク554とDMD551とは、熱的に接続されている。例えば、DMD551とヒートシンク554とを接触配置してもよいし、熱伝導性を有する熱伝導性部材を介して接触配置してもよい。本実施の形態では、ヒートシンク554は、DMD551における画像生成面の反対側の面に、熱伝導性のシートを介して接触配置されている。また、DMD551とヒートシンク554とは、X方向に配列されている。
可動部材550は、画像生成部560(すなわち、DMD551およびヒートシンク554)を、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。可動部材550は平板状の部材である。画像表示ユニット50は、複数の可動部材550を備える。可動部材550は、画像生成部560の外側の互いに異なる位置に配置され、画像生成部560を照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。可動部材550の具体的な構成は後述する。
固定ユニット51は、可動ユニット55を、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。固定ユニット51は、固定部材510を備える。固定部材510は、平板状の部材である。画像表示ユニット50は、複数の固定部材510を備える。複数の固定部材510の各々は、複数の可動部材550の各々に対応して設けられ、複数の可動部材550の各々に対向配置されている。そして、固定部材510は、対向配置された可動部材550を移動可能に支持する。
このため、可動部材550によって支持された画像生成部560(DMD551およびヒートシンク554)は、固定ユニット51の固定部材510によって支持され、固定部材510によって、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持される。
駆動部82は、画像生成部560に対して、画像生成部560を移動させるための駆動力の働く複数の駆動面を形成する。例えば、駆動部82は、画像生成部560を介して互いに平行、または画像生成部560を介して互いに交差する、複数の駆動面を形成する。そして、駆動部82は、形成した駆動面に沿って、画像生成部560を照明光学ユニット40に対して相対的に移動させる。
本実施の形態では、駆動部82は、可動部材550における固定部材510との対向面に、駆動面を形成する。例えば、駆動部82は、画像生成部560に対して、DMD551の画像形成面(ZY平面)に平行で、且つ、画像生成部560を介して対向する1対の駆動面を、少なくとも形成する。
そして、駆動部82は、形成した駆動面に沿って、可動部材550を固定部材510に対して移動(変位)させることで、可動部材550に支持された画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)を、照明光学ユニット40に対して移動(変位)させる。
なお、駆動面に沿った移動(変位)とは、駆動面に沿って回転、駆動面上における所定の一方向への移動、または、駆動面上における該一方向の反対方向への移動、などを意味する。
駆動部82は、上記駆動を実現可能な構成であればよい。駆動部82の詳細な構成については後述する。
投影ユニット60は、投影手段の一例である。投影ユニット60は、DMD551によって生成された画像を、スクリーンSへ投影する。例えば、投影ユニット60は、複数の投射レンズ、ミラー等を有し、DMD551によって生成された画像を拡大してスクリーンSへ投影する。
システムコントロール部10は、画像投影装置1に設けられた各部を制御する。システムコントロール部10は、画像制御部11と、移動制御部12と、を有する。説明の便宜上、ここでは本発明に係る機能を主に例示しているが、システムコントロール部10が有する機能はこれらに限られるものではない。本実施の形態では、システムコントロール部10は、例えばCPU,ROM,RAM等を含み、CPUがRAMと協働してROMに記憶されているプログラムを実行することで、システムコントロール部10の各部の機能(画像制御部11、および移動制御部12)が実現される。なお、これに限らず、例えばシステムコントロール部10の各部の機能(画像制御部11、移動制御部12)のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路(半導体集積回路等)により実現される形態であってもよい。
なお、本実施の形態のシステムコントロール部10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等の不揮発性の記録媒体に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
画像制御部11は、外部I/F9から入力される画像データに基づいて、スクリーンSに投影する画像を生成するように、DMD551を制御する。具体的には、画像制御部11は、画像データから生成した画像信号に基づいて、DMD551の各マイクロミラーのON/OFF駆動を制御する。これによって、画像制御部11は、スクリーンSに投影する画像を生成するように、DMD551を制御する。
移動制御部12は、画像生成部560の、照明光学ユニット40に対する移動を制御する。具体的には、移動制御部12は、駆動部82を制御することで、可動部材550を固定部材510に対して移動(変位)させる。これにより、移動制御部12は、可動部材550に支持された画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)を、照明光学ユニット40に対して移動(変位)させるように、駆動部82を制御する。
次に、光学エンジン15の各部の構成について説明する。
図3は、本実施の形態における光学エンジン15を例示する斜視図である。図3(A)は、画像投影装置1の筐体を外した状態の一例を示す斜視図である。図3(B)は、光学エンジン15の部分の一例を示す斜視図である。
光学エンジン15は、光源30と、照明光学ユニット40と、画像表示ユニット50と、投影ユニット60とを有する。
光源30は、照明光学ユニット40へ光を照射する。照明光学ユニット40は、光源30から照射された光を、画像表示ユニット50のDMD551へ導く。本実施の形態では、DMD551は、DMD551の画像生成面とZY平面とが一致するように配置されている。すなわち、本実施の形態では、DMD551は、DMD551の画像生成面と、水平面に対して直交する平面(ZY平面)と、が一致するように、配置されている。また、DMD551は、DMD551の画像生成面が、鉛直方向(Z方向、重力の方向)に一致するように配置されている。
投影ユニット60は、画像表示ユニット50に設けられたDMD551で生成された画像を、画像投影装置1の外部へ投影する。
図4は、本実施の形態における光学エンジン15のXY断面の一例を示す模式図である。
照明光学ユニット40は、カラーホイール40Aと、ライトトンネル40Bと、リレーレンズ40Cと、平面ミラー40Dと、凹面ミラー40Eと、を有する。
カラーホイール40Aは、例えば、周方向の異なる部分にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の各色のフィルタの設けられた円盤状部材である。カラーホイール40Aは、高速回転することで、光源30から照射される光を、RGBの各色に変換する。カラーホイール40AによってRGBの各色に変換された光は、ライトトンネル40Bに到る。
ライトトンネル40Bは、光源30から照射された光の輝度分布を均一化するための筒状の光学部品である。より具体的には、ライトトンネル40Bは、板ガラスを内面に貼り合わせた四角筒状の光学部品である。ライトトンネル40Bは、カラーホイール40Aを透過したRGB各色の光を、内面で多重反射することで輝度分布を均一化し、リレーレンズ40Cへ導く。
リレーレンズ40Cは、ライトトンネル40Bから出射された光の軸上色収差を補正しつつ平面ミラー40Dへ集光する。平面ミラー40Dは、集光した光を凹面ミラー40Eへ反射する。凹面ミラー40Eは、平面ミラー40Dによって反射された光を拡大し、DMD551の画像生成面に導く。
このため、光源30から照射された光は、照明光学ユニット40によって拡大されてDMD551へ導かれる。すなわち、DMD551に導かれた光により形成される像(DMD551と略同等のサイズの像)は、ライトトンネル40Bから照射された光により形成される像(ライトトンネル40Bの光出射側の断面と略同等のサイズの像)を所定の倍率(照明光学ユニット40の光学系に応じて定まる)だけ拡大した像となる。
DMD551は、凹面ミラー40Eからの反射光を変調して、投影するための画像を生成する。DMD551で生成された画像は、投影ユニット60によって外部へ投影される。
投影ユニット60は、例えば、投影レンズ、折り返しミラー、および曲面ミラーを有する。投影レンズは、複数のレンズを有し、DMD551によって生成された画像を、折り返しミラーに結像させる。折り返しミラーおよび曲面ミラーは、結像された画像を拡大するように反射し、画像投影装置1の外部のスクリーンSなどに投影する。
なお、リレーレンズ40C、平面ミラー40D、凹面ミラー40E、DMD551、および投影ユニット60の少なくとも光入射側は、各部品を覆うハウジングによって保持されている。ハウジングの合せ面は、シール材によって密閉された防塵構造となっていることが好ましい。
図5は、本実施の形態における光学エンジン15を例示する斜視図である。また、図6は、本実施の形態における画像表示ユニット50を例示する斜視図である。
光学エンジン15に設けられた画像表示ユニット50は、可動ユニット55と、可動ユニット55を支持する固定ユニット51と、を備える。固定ユニット51は、照明光学ユニット40に対する位置が固定されており、可動ユニット55を支持する。
固定ユニット51は、複数の固定部材510を備える。また、可動ユニット55は、複数の可動部材550を備える。
固定部材510は、複数の可動部材550の各々に対向配置され、複数の可動部材550の各々を移動可能に支持する。すなわち、固定部材510は、可動部材550を介して、可動部材550によって支持されたDMD551およびヒートシンク554を、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。
本実施の形態では、画像表示ユニット50(可動ユニット55)が、複数の固定部材510として、固定部材51Aと、固定部材51Bと、を有する場合を一例として説明する。
固定部材51Aと、固定部材51Bと、は、画像生成部560(DMD551およびヒートシンク554)を介して板面が互いに平行となるように配置されている。また、固定部材51Aと、固定部材51Bと、DMD551の画像生成面と、は、互いに平行となるようにX方向に配列されている。すなわち、固定部材51Aと、固定部材51Bと、は、X方向(すなわち、DMD551の画像表示面の法線方向)の両側から画像生成部560を挟み込むように対向配置されている。
また、本実施の形態では、固定部材51Aは、画像生成部560におけるDMD551の画像生成面に向かい合うように配置されている。一方、固定部材51Bは、画像生成部560に設けられたヒートシンク554における、DMD551の反対側の面に向かい合うように配置されている。
固定部材51Aおよび固定部材51Bの各々は、Z方向の一端部が支持部材100を介して、画像投影装置1の筐体11に接続されている。このため、固定部材51Aおよび固定部材51Bは、照明光学ユニット40に対する位置を固定された状態となっている。
固定部材51Aは、トッププレート511と、ベースプレート512と、を有する。トッププレート511およびベースプレート512は、板面がZY平面(すなわち、DMD551の画像生成面)に平行となるように配置された板状部材である。トッププレート511とベースプレート512とは、X方向に所定の間隙を介して平行に設けられており、筐体11に固定されている。
一方、固定部材51Bは、トッププレート571と、ベースプレート572と、を有する。トッププレート571およびベースプレート572は、板面がZY平面(すなわち、DMD551の画像生成面)に平行となるように配置された板状部材である。トッププレート571とベースプレート572とは、X方向に所定の間隙を介して平行に設けられており、筐体11に固定されている。
可動ユニット55は、DMD551と、ヒートシンク554と、複数の可動部材550と、を備える。可動部材550は、DMD551およびヒートシンク554を、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持する。可動部材550は平板状の部材である。
本実施の形態では、画像表示ユニット50(可動ユニット55)は、複数の可動部材550として、可動部材55Aと、可動部材55Bと、を有する場合を一例として説明する。
可動部材55Aと、可動部材55Bと、は、画像生成部560(DMD551およびヒートシンク554)を介して板面が互いに平行となるように配置されている。また、可動部材55Aと、可動部材55Bと、DMD551の画像生成面と、は、互いに平行となるようにX方向に配列されている。
また、本実施の形態では、可動部材55Aは、画像生成部560におけるDMD551の画像生成面に向かい合うように配置されており、画像生成面側からDMD551を保持する。一方、可動部材55Bは、画像生成部560に設けられたヒートシンク554における、DMD551の反対側の面に向かい合うように配置されており、ヒートシンク554を保持する。
すなわち、画像生成部560は、DMD551の画像生成面側を可動部材55Aによって支持され、ヒートシンク554のDMD551に対向する側の面を可動部材55Bによって支持されている。
このため、可動部材55Aと、可動部材55Bと、は、画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)をX方向(画像表示面の法線方向)の両側から挟み込むように対向配置されている。
そして、可動部材55Aは、固定部材51Aによって移動可能に支持されている。また、可動部材55Bは、固定部材51Bによって移動可能に支持されている。
詳細には、可動部材55Aは、可動プレート552と、結合プレート553と、を有する。可動プレート552および結合プレート553は、板面がZY平面(すなわち、DMD551の画像生成面)に平行となるように配置された板状部材である。可動プレート552と結合プレート553とは、X方向に所定の間隙を介して平行に設けられており、一端部(本実施の形態ではZ方向の一端部)が結合されている。
可動部材55Aの可動プレート552は、固定部材51Aのトッププレート511とベースプレート512との間に配置されている。すなわち、本実施の形態では、可動プレート552、結合プレート553、トッププレート511、およびベースプレート512は、ZY平面(DMD551の画像表示面)に平行な板状部材であり、該ZY平面に沿った板面が互いにX方向に沿って平行に配置されている。また、可動プレート552は、ZY平面に沿って移動可能に配置されている。
可動部材55Aの結合プレート553は、可動プレート552との間に固定部材51Aのベースプレート512を挟んで、可動プレート552に固定されている。結合プレート553には、DMD551およびヒートシンク554がこの順に固定して設けられている。
結合プレート553は、可動プレート552に固定されることで、可動プレート552と共にDMD551とヒートシンク554とを支持した状態で、固定部材51Aによって、照明光学ユニット40に対して移動可能に支持されている。
可動部材55Bは、可動プレート562を有する。可動プレート562は、板面がZY平面(すなわち、DMD551の画像生成面)に平行となるように配置された板状部材である。可動プレート562は、ヒートシンク554に結合されている。
可動部材55Bの可動プレート562は、固定部材51Bのトッププレート571とベースプレート572との間に配置されている。すなわち、本実施の形態では、可動プレート562、トッププレート571、およびベースプレート572は、ZY平面(DMD551の画像表示面)に平行な板状部材であり、該ZY平面に沿った板面が互いにX方向に沿って平行に配置されている。また、可動プレート562は、ZY平面に沿って移動可能に配置されている。
このように、本実施の形態では、画像生成部560は、画像生成部560を間に挟んでX方向に平行配置された一対の可動部材550(可動部材55A、可動部材55B)によって、X方向の両端部が支持されている。
図7は、本実施の形態における固定ユニット51の固定部材51Aを例示する斜視図である。また、図8は、本実施の形態における固定ユニット51の固定部材51Aを例示する分解斜視図である。
図7および図8に示されるように、固定部材51Aは、トッププレート511と、ベースプレート512と、を少なくとも含む。トッププレート511およびベースプレート512は、平板状の板状部材から形成され、それぞれ、可動ユニット55のDMD551に対応する位置に中央孔513,514が設けられている。また、トッププレート511およびベースプレート512は、複数の支柱515によって、所定の間隙を介して平行に設けられている。
支柱515は、図8に示されるように、上端部(矢印X方向の一端部)がトッププレート511に形成されている支柱孔516に圧入され、雄ねじ溝の形成された下端部(矢印X方向の他端部)がベースプレート512に形成されている支柱孔517に挿入される。支柱515は、トッププレート511とベースプレート512との間に一定の間隔を形成し、トッププレート511とベースプレート512とを、板面(ZY平面に沿った板面)が平行となるように支持する。
また、トッププレート511およびベースプレート512には、支持球体521を回転可能に保持する支持孔522,526がそれぞれ複数形成されている。
トッププレート511の支持孔522には、内周面に雌ねじ溝を有する円筒状の保持部材523が挿入される。保持部材523は、支持球体521を回転可能に保持し、位置調整ねじ524が上から挿入される。ベースプレート512の支持孔526は、下端側が蓋部材527によって塞がれ、支持球体521を回転可能に保持する。
トッププレート511およびベースプレート512の支持孔522,526に回転可能に保持される支持球体521は、それぞれトッププレート511とベースプレート512との間に配置される可動プレート552に接触し、可動プレート552を移動可能に支持する。
なお、固定部材51Bの構成は、トッププレート511に代えてトッププレート571を設け、ベースプレート512に代えてベースプレート572を設けた以外は、図7及び図8に示す固定部材51Aと同じ構成である。なお、固定部材51Bでは、トッププレート511およびベースプレート512の支持孔522,526に回転可能に保持される支持球体521は、それぞれトッププレート511とベースプレート512との間に配置される可動プレート562に接触し、可動プレート562を移動可能に支持する。
図6に戻り、固定部材51Aは、上述したトッププレート511およびベースプレート512によって、可動部材55A内の可動プレート552を、複数の支持球体521を介してX方向に両側から挟み込むことによって、可動部材55Aを支持する。また、固定部材51Bは、上述したトッププレート571およびベースプレート572によって、可動部材55Bの可動プレート562を、X方向に両側から挟み込むことによって、可動部材55Bを支持する。
このため、可動部材55Aおよび可動部材55Bは、ZY平面に沿って移動可能に、固定部材51Aおよび固定部材51Bの各々によって支持される。また、支持球体521を用いることで、摺動摩擦の低減を図ることができる。
そして、本実施の形態では、画像生成部560(DMD551およびヒートシンク554)のX方向の一端側は可動部材55Aの結合プレート553によって支持され、X方向の他端側は可動部材55Bの可動プレート562によって支持されている。また、DMD551の画像表示面は、可動部材55A、可動部材55B、固定部材51A、固定部材51B、の各々を構成する板状部材(各プレート)の板面に対して平行に配置されている。
このため、本実施の形態では、画像生成部560は、照明光学ユニット40に対して、DMD551の画像表示面に平行な面に沿って移動可能となるように、可動部材55Aおよび可動部材55Bを介して、固定部材51Aおよび固定部材51Bによって支持されている。
図9は、本実施の形態における固定部材51Aによる可動プレート552の支持構造を説明するための図である。また、図10は、図9に示されるA部分の概略構成を例示する部分拡大図である。
図9および図10に示されるように、トッププレート511では、支持孔522に挿入される保持部材523によって支持球体521が回転可能に保持されている。また、ベースプレート512では、下端側が蓋部材527によって塞がれている支持孔526によって支持球体521が回転可能に保持されている。
各支持球体521は、支持孔522,526から少なくとも一部分が突出するように保持され、トッププレート511とベースプレート512との間に設けられる可動プレート552に接触して支持する。可動プレート552は、回転可能に設けられている複数の支持球体521により、トッププレート511およびベースプレート512と平行で、且つ、ZY平面に平行な方向に移動可能に、X方向の両面から支持される。
また、トッププレート511側に設けられている支持球体521は、可動プレート552とは反対側で接触する位置調整ねじ524の位置に応じて、保持部材523の一端からの突出量が変化する。位置調整ねじ524を用いて支持球体521の突出量を変化させることで、トッププレート511と可動プレート552との間隔を適宜調整できる。
なお、固定部材51Aに設けられる支柱515、支持球体521の数や位置等は、可動プレート552を移動可能に支持できればよく、本実施の形態に例示される構成に限られるものではない。
また、固定部材51Bによる可動プレート562の支持構造は、トッププレート511に代えてトッププレート571、ベースプレート512に代えてベースプレート572、可動プレート552に代えて可動プレート562を用いる以外は、可動プレート552の支持構造と同様である。
ここで、可動部材550と固定部材510には、磁石とコイルによって構成される駆動部82が設けられている。本実施の形態では、画像投影装置1は、駆動部82として、可動部材55Aを駆動するための駆動部80と、可動部材55Bを駆動するための駆動部81と、を備える場合を説明する。
具体的には、図6に示すように、固定部材51Aにおけるトッププレート511と、可動部材55Aにおける可動プレート552と、には、磁石とコイルとによって構成される駆動部80が設けられている。また、固定部材51Bにおけるトッププレート571と、可動部材55Bにおける可動プレート562と、には、磁石とコイルとによって構成される駆動部81が設けられている。
すなわち、本実施の形態では、駆動部82(駆動部80、駆動部81)を、磁石とコイル(ソレノイド)とからなる電磁アクチュエータとして構成する場合を一例として説明する。なお、駆動部82は、電磁アクチュエータに限定されない。
次に、駆動部82によって形成される駆動面について説明する。
図11は、本実施の形態における固定部材51Aのトッププレート511を例示する平面図である。トッププレート511のベースプレート512側の面には、磁石531,磁石532,磁石533,磁石534が設けられている(図8も参照)。
磁石531,磁石532,磁石533,磁石534は、トッププレート511の中央孔513を囲むように4箇所に設けられている。磁石531,磁石532,磁石533,磁石534は、それぞれ長手方向が平行になるように配置された直方体状の2つの磁石で構成され、それぞれ可動プレート552に及ぶ磁界を形成する。
磁石531,磁石532,磁石533,磁石534の各々は、可動プレート552に各磁石531,磁石532,磁石533,磁石534に対向して設けられたコイルとで、可動プレート552を移動させる駆動部80(駆動部80A、駆動部80B、駆動部80C、駆動部80D)を構成する。
図12は、本実施の形態における可動ユニット55を例示する斜視図である。なお、図12では、可動ユニット55における、可動部材55Aと、画像生成部560と、の構成部分を示した。
可動部材55Aは、可動プレート552と、結合プレート553と、トッププレート511を保持するDMD基板555と、を有する。
DMD基板555は、DMD551を保持し、結合プレート553に結合されている。また、結合プレート553は、ヒートシンク554を保持する。このため、結合プレート553は、DMD基板555によって、DMD551を固定して保持する。また、結合プレート553は、DMD551とヒートシンク554とが接するよう保持する。
可動プレート552は、平板状の部材から形成され、DMD基板555に設けられたDMD551に対応する位置に中央孔570を有し、中央孔570の周囲にコイル581,コイル582,コイル583,コイル584が設けられている。
コイル581,コイル582,コイル583,コイル584は、それぞれX方向に平行な軸を中心として電線が巻き回されることで形成されている。コイル581,コイル582,コイル583,コイル584は、可動プレート552のトッププレート511側の面に形成された凹部に設けられており、カバーで覆われている。そして、可動部材55Aが固定部材51Aに支持された状態において、コイル581,コイル582,コイル583,コイル584の各々は、トッププレート511の磁石531,磁石532,磁石533,磁石534(図11参照)の各々に対向する位置に配置されている。
このため、可動プレート552に設けられたコイル581,コイル582,コイル583,コイル584の各々と、トッププレート511に設けられた磁石531,磁石532,磁石533,磁石534の各々と、で、可動プレート552(すなわち、可動部材55A)を移動させる駆動部80(駆動部80A、駆動部80B、駆動部80C、駆動部80D)を構成する。
移動制御部12の制御によって、コイル581,コイル582,コイル583,コイル584に電流が流されると、磁石531,磁石532,磁石533,磁石534によって形成される磁界により、可動プレート552を移動させる駆動力となるローレンツ力が、ZY平面(画像表示面に平行)に沿って発生する。
可動プレート552は、磁石531,磁石532,磁石533,磁石534とコイル581,コイル582,コイル583,コイル584との間で発生する駆動力としてのローレンツ力を受けて、固定ユニット51(固定部材51A)に対して、ZY平面において直線的又は回転するように変位する。
すなわち、駆動部80によって、可動プレート552とトッププレート511との対向領域に、駆動力の働く駆動面が生成される。言い換えると、駆動部80は、画像生成部560に対して、DMD551の画像生成面(ZY平面)に平行な、画像生成部560(DMD551およびヒートシンク554)を移動させるための駆動力の働く駆動面を形成する。
図13は、駆動部82(駆動部80、駆動部81)によって形成される、駆動力の働く駆動面Pの説明図である。
図11および図12を用いて説明したように、可動プレート552に設けられたコイル581,コイル582,コイル583,コイル584の各々と、トッププレート511に設けられた磁石531,磁石532,磁石533,磁石534の各々と、で、可動プレート552(すなわち、可動部材55A)を移動させる駆動部80(駆動部80A、駆動部80B、駆動部80C、駆動部80D)が構成される。そして、図13に示すように、この駆動部80(駆動部80A、駆動部80B、駆動部80C、駆動部80D)によって、可動部材55Aの可動プレート552と、固定部材51Bのトッププレート511と、の間に、DMD551の画像表示面に平行な駆動面P1が形成される。
次に、駆動部81によって固定部材51Bおよび可動部材55B側に形成される駆動面P2を説明する。
図14は、本実施の形態における固定部材51Bのトッププレート571を例示する平面図である。トッププレート571のベースプレート572側の面には、磁石541,磁石542,磁石543,磁石544が設けられている。
磁石541,磁石542,磁石543,磁石544は、トッププレート571の中央孔513を囲むように4箇所に設けられている。磁石541,磁石542,磁石543,磁石544は、それぞれ長手方向が平行になるように配置された直方体状の2つの磁石で構成され、それぞれ可動プレート562に及ぶ磁界を形成する。
磁石541,磁石542,磁石543,磁石544の各々は、可動プレート562に各磁石541,磁石542,磁石543,磁石544に対向して設けられたコイルとで、可動プレート562を移動させる駆動部81(駆動部81A、駆動部81B、駆動部81C、駆動部81D)を構成する。
図15は、本実施の形態における可動ユニット55を例示する分解斜視図である。なお、図15では、可動ユニット55における、可動部材55Bと、ヒートシンク554と、を示した。
可動部材55Bは、可動プレート562と、支持プレート563と、を有する。支持プレート563は、Z方向の一端部で可動プレート562に結合されており、ヒートシンク554を保持する。ヒートシンク554は、ねじ部材5600およびばね部材5610によって、支持プレート563に結合されている。
可動プレート562は、平板状の部材から形成され、DMD基板555に設けられたDMD551に対応する位置に中央孔590を有し、中央孔590の周囲にコイル591,コイル592,コイル593,コイル594が設けられている。
コイル591,コイル592,コイル593,コイル594は、それぞれX方向に平行な軸を中心として電線が巻き回されることで形成されている。コイル591,コイル592,コイル593,コイル594は、可動プレート562に形成された凹部に設けられており、カバーで覆われている。そして、可動部材55Bが固定部材51Bに支持された状態において、コイル591,コイル592,コイル593,コイル594の各々は、トッププレート571の磁石541,磁石542,磁石543,磁石544(図14参照)の各々に対向する位置に配置されている。
このため、可動プレート562に設けられたコイル591,コイル592,コイル593,コイル594の各々と、トッププレート571に設けられた磁石541,磁石542,磁石543,磁石544の各々と、で、可動プレート562(すなわち、可動部材55B)を移動させる駆動部81(駆動部81A、駆動部81B、駆動部81C、駆動部81D)を構成する。
すなわち、移動制御部12の制御によって、コイル591,コイル592,コイル593,コイル594に電流が流されると、磁石541,磁石542,磁石543,磁石544によって形成される磁界により、可動プレート562を移動させる駆動力となるローレンツ力が、ZY平面に沿って発生する。
可動プレート562は、磁石541,磁石542,磁石543,磁石544とコイル591,コイル592,コイル593,コイル594との間で発生する駆動力としてのローレンツ力を受けて、固定ユニット51(固定部材51B)に対して、ZY平面において直線的又は回転するように変位する。
このため、駆動部81によって、可動プレート562とトッププレート571との対向領域に、DMD551およびヒートシンク554を移動させるための駆動力の働く駆動面が生成される。言い換えると、駆動部81は、画像生成部560に対して、DMD551の画像生成面(ZY平面)に平行で、且つ、駆動面P1に対して画像生成部560を介して平行な、駆動面を形成する。
すなわち、図14および図15を用いて説明したように、可動プレート562に設けられたコイル591,コイル592,コイル593,コイル594の各々と、トッププレート571に設けられた磁石541,磁石542,磁石543,磁石544の各々と、で、可動プレート562(すなわち、可動部材55B)を移動させる駆動部81(駆動部81A、駆動部81B、駆動部81C、駆動部81D)が構成される。そして、図13に示すように、この駆動部81(駆動部81A、駆動部81B、駆動部81C、駆動部81D)によって、可動部材55Bの可動プレート562と、固定部材51Bのトッププレート571と、の間に、DMD551の画像表示面に平行な駆動面P2が形成される。
このため、本実施の形態では、画像表示ユニット50には、駆動部82(駆動部80、駆動部81)によって、画像生成部560を介して、DMD551の画像表示面に対して平行な一対の駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)が、画像生成部560の外側に形成されることとなる。
このように、本実施の形態の画像投影装置1では、画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)は、複数の可動部材550によって支持されている。本実施の形態では、画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)は、一対の可動部材550(可動部材55Aと可動部材55B)によって、X方向(DMD551の画像表示面の法線方向)の両側から挟み込むように支持されている。
そして、可動部材55Aは、固定部材51Aによって移動可能に支持されている。また、可動部材55Bは、固定部材51Bによって移動可能に支持されている。
また、画像投影装置1は、固定部材51Aと可動部材55Aとの対向面に駆動面P1を形成する駆動部80と、固定部材51Bと可動部材55Bとの対向面に駆動面P2を形成する駆動部81と、を備える。このため、画像生成部560の外側には、画像生成部560を移動させるための駆動力の働く駆動面Pが、複数形成されることとなる。
このため、画像生成部560は、複数の駆動面Pによって形成された駆動力によって移動(変位)することとなる。
移動制御部12は、各コイル581,コイル582,コイル583,コイル584、コイル591,コイル592,コイル593,コイル594に流す電流の大きさおよび向きによって、可動プレート552および可動プレート562の移動(回転)方向、移動量や回転角度等を制御する。このとき、移動制御部12は、可動プレート552および可動プレート562が同じ方向に同じ移動量移動するように、駆動部80および駆動部81を制御する。
このため、画像生成部560には、複数の駆動面Pによって、同じ方向に同じ移動量移動する駆動力が付与されることとなる。
図16は、画像生成部560の移動の説明図である。
図16(A)に示すように、本実施の形態では、コイル581および磁石531によって構成される駆動部80Aと、コイル584および磁石534とによって構成される駆動部80Dと、は、DMD551を介してY方向に対向配置されている。
また、画像生成部560の駆動部80Aに対してX方向の反対側には、コイル541および磁石591によって構成される駆動部81Aが、画像生成部560を介して駆動部80Aに対向配置されている。また、画像生成部560の駆動部80Dに対してX方向の反対側には、コイル544および磁石594によって構成される駆動部81Dが、画像生成部560を介して駆動部80Dに対向配置されている。
移動制御部12が、駆動部80Aのコイル581と、駆動部80Dのコイル584と、駆動部81Aのコイル591と、駆動部81Dのコイル594と、に同じ向きの電流を流す制御を行う。すると、これらの駆動部80Aと、駆動部80D、駆動部81Aと、駆動部81Dと、の各々には、Y方向に平行な方向(矢印B’1方向、または矢印B’1方向の逆方向)のローレンツ力が発生する。
すなわち、駆動部80によって形成される駆動面P1と、駆動部81によって形成される駆動面P2と、には、これらの駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)上においてY方向に平行な方向のローレンツ力が発生する。
このため、画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)を保持した可動部材55Aおよび可動部材55Bは、固定部材51Aおよび固定部材51Bの各々に対して、駆動面Pに沿って、Y方向に平行な方向(矢印B1方向、または矢印B1方向の逆方向)に移動する。
また、図16(B)に示すように、本実施の形態では、コイル582および磁石532によって構成される駆動部80Bと、コイル583および磁石533とによって構成される駆動部80Cと、は、可動部材55AのZ方向の一端部の領域に、Y方向に並んで配列されている。
また、画像生成部560の駆動部80Bに対してX方向の反対側には、コイル542および磁石592によって構成される駆動部81Bが、駆動部80Bに対向配置されている。また、画像生成部560の駆動部80Cに対してX方向の反対側には、コイル543および磁石593によって構成される駆動部81Cが、駆動部80Cに対向配置されている。
移動制御部12が、駆動部80Bのコイル582と、駆動部81Bのコイル542と、駆動部80Cのコイル583と、駆動部81Cのコイル543と、に同じ向きの電流を流す制御を行う。すると、これらの駆動部80Bと、駆動部80Cと、駆動部81Bと、駆動部81Cと、の各々には、Z方向(矢印B’2方向(すなわち鉛直方向)、または矢印B’2方向の逆方向(反鉛直方向))のローレンツ力が発生する。
すなわち、駆動部80によって形成される駆動面P1と、駆動部81によって形成される駆動面P2と、には、これらの駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)上においてZ方向に平行な方向のローレンツ力が発生する。
このため、DMD551およびヒートシンク554を保持した可動部材55Aおよび可動部材55Bは、固定部材51Aおよび固定部材51Bの各々に対して、Z方向に平行な方向(矢印B2方向、または矢印B2方向の逆方向)に移動する。
また、図16(C)に示すように、移動制御部12が、駆動部80Bのコイル582および駆動部81Bのコイル542と、駆動部80Cのコイル583および駆動部81Cのコイル543と、に、互いに逆向きの電流を流す制御を行う。すると、これらの駆動部80Bおよび駆動部81Bと、駆動部80Cおよび駆動部81Cと、には、Z方向における互いに逆方向のローレンツ力が発生する(例えば、矢印B’3方向(すなわち反鉛直方向)と、矢印B’4方向(すなわち鉛直方向))。
すなわち、駆動部80によって形成される駆動面P1と、駆動部81によって形成される駆動面P2と、には、これらの駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)上においてZ方向に平行で且つ互いに逆方向のローレンツ力が発生する。
この場合、DMD551およびヒートシンク554を保持した可動部材55Aおよび可動部材55Bは、固定部材51Aおよび固定部材51Bの各々に対して、ZY平面に沿って右回りまたは左回り(図16中、矢印B3方向参照)に回転する。
このように、移動制御部12は、駆動部82(駆動部80、駆動部81)を制御することで、照明光学ユニット40に対して、画像生成部560(DMD551、ヒートシンク554)を移動させる制御を行うことができる。なお、画像生成部560の移動量は、駆動部82(駆動部80、駆動部82)に印加する電流の強さを調整することで、調整可能である。
なお、移動制御部12は、駆動部80によって形成される駆動面P1と、駆動部81によって形成される駆動面P2と、に同じタイミング、同じ方向(回転を含む)、および同じ強さの駆動力が働くように、駆動部80および駆動部81に電流を印加するタイミング、印加する電流の強さ、何れの駆動部82(駆動部80(駆動部80A〜駆動部80D)、駆動部81(駆動部81A〜駆動部81D))に電流を印加するか、を調整する。
また、移動制御部12は、DMD551を、ZY平面に沿って移動させることで、DMD551の各マイクロミラーに対応する画素の位置を変位させる。
例えば、移動制御部12は、駆動部80を制御することで、各マイクロミラーの照明光学ユニット40に対する位置を、鉛直方向(Z方向など)に半画素分周期的に移動させる。この制御によって、画像投影装置1は、投影する画像の、鉛直方向の解像度を高解像度化することができる。また、移動制御部12は、駆動部82を制御することによってDMD551の移動方向(回転含む)を調整することで、Z方向およびY方向の双方に高解像度化した画像を、DMD551から照明光学ユニット40へ導くことができる。このため、スクリーンSに投影される画像の高解像度化を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態の画像投影装置1は、画像生成部560(画像生成手段)と、照明光学ユニット40(照明光学手段)と、投影ユニット60(投影手段)と、駆動部82(駆動手段)と、を備える。
画像生成部560は、光源30から照射された光を画像生成面で受光し、受光した光を用いて画像を生成するDMD551(光変調素子)と、DMD551(光変調素子)を冷却するヒートシンク554(冷却部材)と、を有する。照明光学ユニット40(照明光学手段)は、光源30から照射された光をDMD551(光変調素子)へ導く。投影ユニット60(投影手段)は、DMD551(光変調素子)により生成された画像を投影する。駆動部82(駆動手段)は、画像生成部560(画像生成手段)に対して、画像生成部560(画像生成手段)を移動させるための駆動力の働く複数の駆動面Pを形成し、駆動面Pに沿って画像生成部560(画像生成手段)を照明光学ユニット40(照明光学手段)に対して相対的に移動させる。
このように、本実施の形態では、駆動部82が、DMD551とヒートシンク554とを有する画像生成部560に対して、1つの駆動面Pではなく、複数の駆動面Pを形成する。そして、画像生成部560は、形成された複数の駆動面Pに沿って、照明光学ユニット40に対して相対的に移動する。
このため、本実施の形態では、複数の駆動面Pによる駆動力によって画像生成部560を移動(変位)させることができる。よって、本実施の形態の画像投影装置1では、DMD551の変位時における重力(Z方向に働く力)の影響を緩和し、画像生成部560を安定して駆動(変位)させることができる。
従って、本実施の形態の画像投影装置1は、DMD551(光変調素子)を安定して変位させることができる。
また、駆動部82は、画像生成部560(画像生成手段)を介して互いに平行または互いに交差する、複数の駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)を形成することができる。
また、駆動部82(駆動手段)は、画像生成部560(画像生成手段)に対して、DMD551(光変調素子)の画像生成面に平行で且つ画像生成部560(画像生成手段)を介して対向する一対の駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)を形成する。
このため、画像投影装置1の画像生成部560は、画像生成部560を間に挟んで両側に形成された駆動面P1および駆動面P2に沿って、変位することができる。
また、画像投影装置1は、複数の可動部材(可動部材55A、可動部材55B)と、複数の固定部材(固定部材51A、固定部材51B)と、を備えることができる。
複数の可動部材(可動部材55A、可動部材55B)は、画像生成部560(画像生成手段)の外側の互いに異なる位置に配置され、画像生成部560(画像生成手段)を照明光学ユニット40(照明光学手段)に対して移動可能に支持する平板状の部材である。
複数の固定部材(固定部材51A、固定部材51B)は、複数の可動部材(可動部材55A、可動部材55B)の各々に対向配置され、複数の可動部材(可動部材55A、可動部材55B)の各々を移動可能に支持する平板状の部材である。
そして、駆動部82(駆動部80、駆動部81)は、可動部材(可動部材55A、可動部材55B)における固定部材(固定部材51A、固定部材51B)との対向面に、駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)を形成する。
また、画像生成部560(画像生成手段)は、一対の可動部材550(可動部材55A、可動部材55B)によって、DMD551の画像表示面の法線方向の両側から挟み込むように支持されている。また、一対の可動部材550(可動部材55A、可動部材55B)の各々は、固定部材(固定部材51A、固定部材51B)によって移動可能に支持されている。例えば、可動部材55Aは、固定部材51Aによって移動可能に支持されている。また、可動部材55Bは、固定部材51Bによって移動可能に支持されている。
そして、駆動部82(駆動部80、駆動部81)は、一対の可動部材550(可動部材55A、可動部材55B)の各々における、固定部材(固定部材51A、固定部材51B)との対向面に駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)を形成する。
このため、画像生成手段(画像生成部560)の外側には、画像生成手段(画像生成部560)を移動させるための駆動力の働く1対の平行な駆動面Pが、画像生成部560を介して形成されることとなる。よって、画像生成部560は、平行な複数の駆動面Pによって形成された駆動力によって移動(変位)する。従って、本実施の形態の画像投影装置1は、DMD551(光変調素子)を更に安定して変位させることができる。
また、駆動部82(駆動部80、駆動部81)は、電磁アクチュエータとすることができる。
また、本実施の形態の画像投影装置1は、移動制御手段(移動制御部12)を備えることができる。移動制御部12は、画像生成手段(画像生成部560)が駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)に沿って移動または駆動面P(駆動面P1、駆動面P2)に沿って回転するように、駆動部82(駆動部80、駆動部81)を制御する。
(変形例)
上記実施の形態では、駆動部82(駆動部80、81)は、画像生成部560に対して、DMD551の画像生成面(ZY平面)に平行で、且つ、画像生成部560を介して対向する、1対の駆動面P1および駆動面P2を形成する場合を一例として説明した。
しかし、駆動部82は、画像生成部560に対して、複数の駆動面を形成すればよく、互いに平行な一対の駆動面を形成する形態に限定されない。
図17は、駆動部82が形成する駆動面の一例の説明図である。例えば、駆動部82は、立方体状の画像生成部560に対して、駆動面P1、駆動面P2、駆動面P3、駆動面P4、駆動面P5、および駆動面P6の内、2つ以上5つ以下の駆動面Pを形成すればよい。
駆動面P1は、上述したように、画像生成部560におけるDMD551の画像表示面に対向する駆動面である。駆動面P2は、駆動面P1に対して、画像生成部560を介して平行に対向する駆動面である。駆動面P4および駆動面P6は、画像生成部560を介して平行に対向する駆動面であり、駆動面P1に直交する。駆動面P3および駆動面P5は、画像生成部560を介して平行に対向する駆動面であり、駆動面P1および駆動面P6に直交する。
なお、駆動面P3〜駆動面P6の各々は、上記駆動面P1および駆動面P2と同様に、各駆動面に平行で且つ各駆動面を挟む一対の可動部材と固定部材とを用意し、これらの可動部材と駆動部材との対向面の各々に、磁石とコイルによって構成される駆動部82を配置すればよい。なお、この可動部材および固定部材は、上述した可動部材55Aおよび固定部材51Aと同様の構成とすればよい。
以上、本発明の実施の形態および変形例を説明したが、上述の実施の形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、上述の実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。