JP2017026712A - 光学系および撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造容易で小型および軽量な光学系を提供する。【解決手段】 正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群を有し、フォーカシングに際して第2レンズ群が光軸方向に移動し、第1レンズ群は、第1部分レンズ群、第2部分レンズ群、第3部分レンズ群からなり、第1部分レンズ群は3つの正レンズ成分からなり、第2部分レンズ群は少なくとも1つの正レンズと1つの負レンズを有し、第3部分レンズ群は1つの正レンズ成分からなり、光学系の焦点距離、レンズ全長、Fナンバー、第1部分レンズ群の焦点距離、第3部分レンズ群の焦点距離に関する条件式を満足する光学系。【選択図】 図1

Description

本発明は、固体撮像素子を用いたデジタルスチルカメラやビデオカメラ、銀塩フィルムを用いたカメラなどの撮像装置に用いられる光学系に関する。
望遠レンズに適した撮影光学系として、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正または負の屈折力の第3レンズ群を有する撮影光学系が知られている(特許文献1、特許文献2)。
特開2013−25087号公報 特開2013−92575号公報
一般的に、望遠レンズでは、焦点距離が延びるにしたがって、レンズ全長が長くなる。また、Fナンバー(口径比)が小さい望遠レンズを得ようとすると、特に第1レンズ群のレンズ径が大きくなると同時に重くなる。
第1レンズ群の小型化を図るために単純にレンズの屈折力を強めると、製造誤差に対して収差の発生量が増大しやすくなる。すなわち、製造誤差に対する敏感度が高くなる。このとき、特に第1レンズ群に要求される面精度や組み込み精度が高くなって製造が困難となり、結果的に所望の光学性能を得るのが難しくなる。このため、製造誤差により生じる収差が小さい小型の望遠レンズを得ようとする場合、正の屈折力を有する第1レンズ群の構成を適切に設定することが重要である。
本発明の光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群を有し、フォーカシングに際して前記第2レンズ群が光軸方向に移動し、第1レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、第1部分レンズ群、第2部分レンズ群、第3部分レンズ群からなり、前記第1部分レンズ群は3つの正レンズ成分からなり、前記第2部分レンズ群は少なくとも1つの正レンズと1つの負レンズを有し、前記第3部分レンズ群は1つの正レンズ成分からなり、無限遠にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、前記第1部分レンズ群の焦点距離をf1A、前記第3部分レンズ群の焦点距離をf1C、光学系の最も物体側の面から像面までの光軸上の長さをL、無限遠にフォーカスしているときの開放FナンバーをFnoとするとき、
1.0<f/(f1A×L×Fno)<3.0
0.08<f1A/f1C<0.50
なる条件式を満足することを特徴とする。
本発明の撮像装置は、上記の光学系と、該光学系により形成された像を撮像する撮像素子を有する。
本発明によれば、製造容易で小型でかつ軽量な光学系および撮像装置を提供することができる。
実施例1において無限遠にフォーカスしているときの光学系の断面図、収差図、合成横倍率、製造誤差による収差変化量を示す図 実施例2において無限遠にフォーカスしているときの光学系の断面図、収差図、合成横倍率、製造誤差による収差変化量を示す図 実施例3において無限遠にフォーカスしているときの光学系の断面図、収差図、合成横倍率、製造誤差による収差変化量を示す図 実施例4において無限遠にフォーカスしているときの光学系の断面図、収差図、合成横倍率、製造誤差による収差変化量を示す図 光学材料の部分分散比θgFとアッベ数νdを示すグラフ 本発明の実施例における撮像装置の概略図 本発明の実施例における光学作用の説明図 本発明の実施例の光学系の要部断面図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の光学系(撮影光学系)は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、負の屈折力を有する第2レンズ群L2、および、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群L3を有する。フォーカシングに際して、第2レンズ群は光軸方向に移動する。
図1乃至図4において、(A)は無限遠にフォーカスしているときの光学系の断面図である。(B)は、無限遠にフォーカスしているときの光学系の縦収差図である。(C)は、無限遠にフォーカスしているときの光学系の第1レンズ群L1内の各レンズ成分よりも像側のレンズの合成横倍率である。
図1乃至図4において、(D)は、無限遠にフォーカスしているときに、光学系の各レンズ成分を光軸と垂直方向に50μmシフトした際のコマ収差と像面湾曲の変化量である。(E)は、無限遠にフォーカスしているときに、光学系の各レンズ成分を光軸からの垂線を基準として5分チルトした際のコマ収差と像面湾曲の変化量である。ただし回転中心は各レンズ成分の最も物体側の面頂点である。
図6は、本発明の実施例の光学系をカメラ本体(撮像装置本体)に装着して構成された一眼レフカメラシステム(撮像装置)の概略図である。図7は、本発明の実施例の光学系の光学作用の説明図である。
図1乃至図4の(A)の断面図において、L0は撮影光学系(光学系)である。SPは開口絞りである。撮影光学系L0は、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、負の屈折力を有する第2レンズ群L2、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群L3を有する。第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に配置された、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、第3部分レンズ群L1Cからなる。IPは像面である。
本実施形態の光学系がビデオカメラやデジタルカメラの撮影光学系として用いられる場合、像面IPは、この光学系により形成された像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)の撮像面に相当する。また、光学系が銀塩フィルム用カメラの撮像光学系として用いられる場合、像面IPはフィルム面に相当する。
図1乃至図4の(B)の収差図において、dはd線、gはg線である。Mはメリディオナル像面、Sはサジタル像面である。倍率色収差はg線によって表されている。FnoはFナンバー、ωは半画角である。全ての収差図では、後述する各数値実施例をmm単位で表した場合、球面収差0.2mm、非点収差0.2mm、歪曲2%、倍率色収差0.02mmのスケールで描かれている。
各実施例の撮影光学系L0は、以下の特徴を有する。
物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群L1、負の屈折力を有する第2レンズ群L2、正または負の屈折力を有する第3レンズ群L3を有する。無限遠から至近距離へのフォーカシングに際して、第1レンズ群L1は不動であり、第2レンズ群L2は像側へ移動し、第3レンズ群L3は不動である。
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に配置された、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、および、第3部分レンズ群L1Cからなる。第1部分レンズ群L1Aは3つの正レンズ成分からなる。第2部分レンズ群L1Bは少なくとも1つの正レンズと1つの負レンズを有する。第3部分レンズ群L1Cは、1つの正レンズ成分からなる。
以下の条件式(1)〜(2)を満足する。
1.0<f/(f1A×L×Fno)<3.0 ・・・ (1)
0.08<f1A/f1C<0.50 ・・・ (2)
ここで、fは無限遠にフォーカスしているときの全系の焦点距離、f1Aは第1部分レンズ群L1Aの焦点距離、f1Cは第3部分レンズ群L1Cの焦点距離である。Lは光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の長さ(レンズ全長)である。ただし、最も像側のレンズと像面の間にガラスブロックGが配置されている場合は、ガラスブロックGについて空気換算長を用いる。また、無限遠物体にフォーカシングした場合の開放FナンバーをFnoとする。
図7は、正の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群と負の屈折力の第3レンズにより構成された望遠レンズにおいて、軸上光束のうちレンズの最周辺を通る光線をP、軸外主光線をQで表したものである。
光線Pのレンズへの入射高さは、光軸OAと光線Qの交点より物体側で高く、像側で低くなっている。この場合、Fナンバーを小さくすると、開放Fナンバーは物体側近傍のレンズ径で決定され、望遠レンズの物体側のレンズの有効径が大きくなる。また、レンズの有効径の増大に伴って、レンズの重量が増大する。このため、大きな口径比を有する望遠レンズほど物体側のレンズの重量が増大する傾向がある。このように、大きな口径比を有する望遠レンズにおいては、全系の軽量化を図ることが重要である。
このような状況でレンズ系全体の重量を軽減するには、レンズ全長(第1レンズ面から像面までの光軸上の距離)を短縮したり、第1レンズ群を構成するレンズの枚数を少なくしたり、レンズ有効径を小さくすることが必要となる。
後述の各実施例では、レンズ系全体の重量を軽減するため、まずレンズ全長を短縮する。この方法として、正のパワーを有する第1レンズ群L1のパワーを強めることや、第1レンズ群L1自体のレンズ群の厚み(光軸方向の長さ)を薄くすることなどがある。
しかしながら、焦点距離に対してFナンバーが比較的小さい望遠レンズは、Fナンバーが比較的大きい望遠レンズに比べて色収差が増大しやすい。そこで従来の望遠レンズでは、第1レンズ群L1の正レンズに低分散特性を有する材料を使用して色収差を低減させたり、発生した色収差を補正するために、負レンズの枚数を増やしたりしてきた。
しかし、第1レンズ群L1の正レンズに低分散特性を有する材料を使用しても色収差発生量は低減するものの、正レンズだけでは色収差を補正することはできない。
また、第1レンズ群L1の正レンズから発生した色収差を補正するために、負レンズを複数挿入しても、負レンズの屈折力を大きくしなければ色収差を補正できない。しかしながら、第1レンズ群L1の屈折力は正であるから、負レンズの屈折力を大きくすると、その分だけ正レンズの屈折力を大きくする必要がある。そうすると、正レンズの曲率半径が小さくなり、球面収差やコマ収差が増大してしまう。そのため、増大した球面収差やコマ収差を補正するために更なるレンズが必要となり、レンズを入れるためのスペースが必要となる。
このように、全長を短縮するために単純に第1レンズ群L1の正の屈折力を強くするだけでは高画質の維持と全長短縮の両立は難しい。
また、非球面レンズを用いてレンズ枚数を増やすことなく各レンズ面で収差を補正したとしても、各レンズ面や鏡筒への組み込み時の製造誤差に起因する収差の発生量(敏感度)が大きい場合、製造が困難になる。
この場合、製造に際して結像性能がばらつき、所望の結像性能を得ることが困難となる。通常のフルハイビジョン(画素数1920×1080、画素サイズ数μm)相当の画質であれば、多少の製造誤差による収差のばらつきも許容される。
しかし、画素数の増加と画素サイズの縮小による高画質化を考慮すると、一定の製造誤差に対する敏感度を小さくして製造時の結像性能のばらつきを従来以上に低減させることが必要である。しかし、敏感度を低く維持するためにレンズ枚数を増やすと、全長短縮と軽量化の両立も難しくなる。
次に、焦点距離に対してFナンバー(開放Fナンバー)が比較的小さい望遠レンズ(例えばf/Fno>70)において、レンズ全長を短縮する手法について考える。
第1レンズ群L1の屈折力を単に強くするだけでレンズ全長を短縮しようとすると、正レンズの肉厚(中心厚)が増大する。このため、第1レンズ群L1の重量が増大し、Fナンバーが小さい望遠レンズではレンズ全長の短縮に見合った軽量化の効果が得られない。またレンズ枚数が多いため、レンズ全長を短縮するための空気間隔が少なく、ある程度以上になると十分なレンズ全長の短縮効果が得られない。
各実施例では、第1レンズ群L1の屈折力を強めることでレンズ全長を短縮したことに加えて、次のような構成を採用している。
第1レンズ群L1を、物体側から像側へ順に、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、第3部分レンズ群L1Cの3つの部分レンズ群に分けている。
第1部分レンズ群L1Aは第1レンズ群が有する正の屈折力のほとんどに寄与しており、3つの正レンズ成分で構成されている。第2部分レンズ群L1Bは、少なくとも1つの正レンズと1つの負レンズを有しており、第1レンズ群L1の色収差を補正している。第3部分レンズ群L1Cは第1部分レンズ群L1Aと第2部分レンズ群L1Bでは補正しきれなかった球面収差やコマ収差などを補正している。
ここで、レンズ成分とは、1つのレンズ、および、複数のレンズを接合して構成された1つの接合レンズの両方を含む意味である。1つの接合レンズにおける接合枚数は限定されない。また、第1部分レンズ群L1Aから第3部分レンズ群L1Cまでの各レンズについて、レンズの表面に樹脂材料を形成して収差補正を行ってもよい。
次に、本実施形態の光学系において、収差補正と製造誤差に対する敏感度の低減を両立させたメカニズムについて説明する。
第1部分レンズ群L1Aは、最も物体側に位置するレンズ群であるため、軸上光束の周辺光線の光軸からの高さが高く、軸外主光線もレンズの周辺部分を通過する。このため、3次収差係数で言うところのI、II、III(球面収差、コマ収差、像面湾曲)が多く発生する。なお、I、II、IIIの収差係数の定義については、例えば「共立出版株式会社 光学技術シリーズ1 レンズ設計法 松居吉哉著」に説明されている。
このため、第1部分レンズ群L1A分を1つのレンズ成分で構成してしまうと、敏感度が非常に大きくなってしまう。もしくは、屈折力が集中して非常に強い屈折力となるため、レンズが厚くなり軽量化の達成が困難となる。
そこで、第1部分レンズ群L1Aを3つの正レンズ成分(レンズ成分L1A1、レンズ成分L1A2、レンズ成分L1A3)で構成することにより、敏感度をそれぞれの正レンズ成分に分散させることができる。3つの正レンズ成分で屈折力を分担することで、レンズ厚みの増大も防ぐことができ、結果的に1つのレンズ成分で構成するよりも軽量化が容易となる。
好ましくは、前記3つの正レンズ成分のうち、2つ(レンズ成分L1A1、レンズ成分L1A2)は最も物体側に連続して配置する。そして残り1つ(レンズ成分L1A3)は、前記レンズ成分L1A2に対してある程度空気間隔を隔てて配置すると良い。これにより、3つ目の正レンズ成分(レンズ成分L1A3)の有効径を小さくでき、屈折力をつけたとしても重量の増加を抑えられるため好ましい。
第2部分レンズ群L1Bにおいても、軸上光束の周辺光線の光軸からの高さが高く、軸外主光線もレンズの周辺部分を通過する。このため、正の屈折力を有する第1部分レンズ群L1Aで発生した球面収差を始めとする諸収差を、負レンズが含まれる第2部分レンズ群L1Bで補正している。また、第2部分レンズ群L1Bの負レンズにより、第1レンズ群L1全体で発生する色収差も補正される。
更に好ましくは、前記第1部分レンズ群L1Aの最も像側に配置した正レンズ成分(レンズ成分L1A3)と、第2部分レンズ群L1Bの最も物体側のレンズ成分は、図8に示すように同一の鏡筒を用いて保持されるのが好ましい。図8は保持手段としての鏡筒H1と鏡筒H2が、例えばねじ込みによって鏡筒同士が固定され、鏡筒H1と鏡筒H2に各レンズが挟まれることで固定されている。図8の例は後述する実施例1に示すような第2部分レンズ群L1Bの各レンズが接合された例である。
このように保持することが好ましい理由を説明する。前述のようにレンズ成分L1A3をレンズ成分L1A2とは空気間隔を隔てて像側に配置したことで第2部分レンズ群L1Bの最も物体側のレンズの近くに配置される。このため、レンズ成分L1A3を独立して保持するよりは第2部分レンズ群L1Bの最も物体側のレンズと同一の鏡筒で保持した方が、鏡筒に製造誤差が生じた場合に同一方向に偏心するため偏心収差の発生が抑えられる。
なお、図8の例ではレンズ成分L1A3と第2部分レンズL1Bの負レンズのみを鏡筒H1、H2で固定(保持)したが、これに限らず、鏡筒H1を延伸して第2部分レンズ群L1Bの正レンズまで一緒に固定しても良い。
第3部分レンズ群L1Cは、第1レンズ群L1の中で最も像側に位置するレンズ群であるが、第2レンズ群L2以降のレンズ群に比べて、軸上光束の周辺光線の光軸からの高さが高いため、球面収差やコマ収差を補正可能である。そこで、第3部分レンズ群L1Cでは、第2部分レンズ群L1Bまでで補正しきれなかった球面収差やコマ収差を補正している。
このように第1レンズ群L1を3つの部分レンズ群で構成し、各部分レンズ群ごとに屈折力、色収差補正、色収差以外の諸収差補正の各機能を分担させて、敏感度を増大させずに、第1レンズ群L1全体の屈折力を強くできる。
焦点距離が長くFナンバー(開放Fナンバー)が小さい望遠レンズの場合、レンズ系全体が大型となり、Fナンバーの大きい望遠レンズに比べて高重量となる。このため、望遠レンズ全体を移動させてフォーカシングを行うのが機構的に困難となる。
そこで、各実施例の光学系は、第1レンズ群L1よりも像側に位置する小型軽量なレンズ群である第2レンズ群L2を光軸上移動させることによってフォーカシングを行っている。これにより、光学系全体や第1レンズ群L1全体を移動させてフォーカスする場合に比べて格段に小さい駆動装置でフォーカスすることができる。
各実施例の光学系は第2レンズ群L2より像側に第3レンズ群L3を配置している。第2レンズ群L2よりも像側に第3レンズ群L3を配置することで、軸上光束の周辺光線の光軸からの高さが低く、軸外主光線が高い位置を通過する位置にレンズ面を配置することができる。これにより、像面湾曲や倍率色収差の補正が容易となる。
また、好ましくは開口絞りSPを第1レンズ群L1よりも像側に配置すると良い。これにより、第1レンズ群L1のレンズ有効径を大きくすることなく画面周辺の光束を十分に取り込むことができる。
次に、前述の各条件式の技術的意味について説明する。条件式(1)は、第1部分レンズ群L1Aの焦点距離とレンズ全長に関する。条件式(1)の上限値を超えると、Fナンバーとレンズ全長に比べて第1部分レンズ群L1Aの焦点距離が短くなりすぎる。このとき、第1レンズ群L1で発生する球面収差やコマ収差を第1レンズ群L1内で補正することが難しくなり、レンズ全系で球面収差とコマ収差が補正不足となるため好ましくない。
一方、条件式(1)の下限値を超えると、Fナンバーとレンズ全長に比べて第1レンズ群L1の屈折力が弱くなる。このとき、レンズ全長の短縮ができなくなるため好ましくない。
条件式(1)は、好ましくは次のように設定される。
1.25<f/(f1A×L×Fno)<2.50 ・・・ (1a)
また条件式(1a)は、更に好ましくは次のように設定される。
1.50<f/(f1A×L×Fno)<2.00 ・・・ (1b)
条件式(2)は、第1部分レンズ群L1Aと第3部分レンズ群L1Cの焦点距離の比に関する。前述したように、レンズ全長の短縮と敏感度の低減を両立するためには各部分レンズ群ごとに屈折力、色収差補正、諸収差補正の各機能を分担させることが重要である。
条件式(2)の上限値を超えると、第3部分レンズ群L1Cの焦点距離が短くなりすぎる。そうすると、第3部分レンズ群L1Cの屈折力が大きくなりすぎて、第3部分レンズ群L1Cの敏感度が増大してしまうため好ましくない。条件式(2)の下限値を超えると、第3部分レンズ群L1Cの焦点距離が長くなりすぎて、第1レンズ群L1の正の屈折力が不足し、全長短縮効果が弱くなってしまうため好ましくない。
条件式(2)は、好ましくは次のように設定される。
0.09<f1A/f1C<0.40 ・・・ (2a)
また条件式(2a)は、更に好ましくは次のように設定される。
0.11<f1A/f1C<0.38 ・・・ (2b)
本実施形態の光学系は以上のように構成されるが、更に好ましくは、次に述べる条件のうち少なくとも1つを満足するように構成される。これによれば、高い結像性能を維持しつつ、更なるレンズ全長の短縮効果と敏感度低減効果を容易に得ることができる。
第1レンズ群L1の焦点距離をf、第2レンズ群L2の焦点距離をf、第1部分レンズ群L1Aの焦点距離をf1A、第2部分レンズ群L1Bの焦点距離をf1B、第3部分レンズ群L1Cの焦点距離をf1Cとする。全系の屈折力をφとする。
第2部分レンズ群L1Bに含まれる各光学素子の総数をnum1Bとする。第2部分レンズ群L1Bに含まれる各光学素子の部分分散比差をΔθgFi、d線を基準としたアッベ数をν1Bi、屈折力をφ1Biとする。ここでiは前記第2部分レンズ群L1Bに含まれる各光学素子の物体側から順につけた番号である。ここで「光学素子」とは光学的なパワー(屈折力)を有する素子を含む。例えば、レンズ、回折光学部、樹脂材料からなる光学素子Aなどである。
またν1Bi、ΔθgFiとは第2部分レンズ群L1Bに含まれる各光学素子を構成する材料のd線における屈折率をNdi、g線における屈折率をNgi、C線における屈折率をNCi、F線における屈折率をNFiとすると次に示す式で定義するものである。
ν1Bi=(Ndi−1)/(NFi−NCi
θgFi=(Ngi−NFi)/(NFi−NCi
ΔθgFi=θgFi−(−1.61783×10−3×ν1Bi+0.64146)
また、第1部分レンズ群L1Aの物体側から3番目に配置された正レンズ成分L1A3の最も像側の面の曲率半径をRA、第2部分レンズ群L1Bの最も物体側に配置されたレンズの最も物体側の面の曲率半径をRBとする。
第1部分レンズ群L1Aの最も物体側に配置された正レンズ成分L1A1の最も物体側の面の曲率半径をR、正レンズ成分L1A1の最も像側の面の曲率半径をRとする。
第1部分レンズ群L1Aの物体側から2番目に配置された正レンズ成分L1A2の最も像側の面から、第1部分レンズ群L1Aの物体側から3番目に配置された正レンズ成分L1A3の最も物体側の面までの光軸上の距離をd23とする。光学系の最も物体側のレンズ面から像面までの光軸上の長さをLとする。
無限遠にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、無限遠にフォーカスしているときの全系の屈折力をφとする。無限遠にフォーカスしているときの第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離をf12とする。
第2部分レンズ群L1Bが回折光学部Dを備える場合において、回折光学部Dの回折成分のみによる焦点距離をfDOEとする。
第1レンズ群L1内に含まれるレンズ成分の総数をnumL1とする。jは第1レンズ群L1に含まれるレンズ成分を物体側から順に数えた番号(j番目)である。βはj番目よりも像側のレンズ成分から最も像側に位置するレンズ成分までの合成横倍率とする(ただし無限遠にフォーカスしているときの横倍率)。例えばβは、物体側から2番目のレンズ成分(第1レンズ群L1の物体側から2番目のレンズ成分)よりも像側の全てのレンズ成分の合成横倍率である。
このとき、以下の条件式(3)〜(12)のいずれかを満足することが好ましい。
−2.0<f1B/f<−0.5 ・・・ (3)
0.4<f1A/f<1.0 ・・・ (5)
1.5<f1C/f<20.0 ・・・ (6)
0.3<f12/f<1.0 ・・・ (7)
−4.0<f/f<−0.5 ・・・ (8)
0.03<d23/L<0.15 ・・・ (9)
10<fDOE/f<100 ・・・ (10)
0.0<(RB−RA)/│RB+RA│<0.6 ・・・ (11)
0.5<│(R−R)/(R+R)│<2.0 ・・・ (13)
条件式(3)は、第2部分レンズ群L1Bの焦点距離に関する。条件式(3)の上限値を超えると、第2部分レンズ群L1Bの負の焦点距離の絶対値が小さくなりすぎてしまう。そうすると、正の屈折力を担う第1部分レンズ群L1Aの屈折力を更に大きくしなければならず、特に球面収差の発生量が多くなるため、第3部分レンズ群L1C以降で補正することが難しくなってしまう。
一方、下限値を超えると、第2部分レンズ群L1Bの負の焦点距離の絶対値が大きくなりすぎてしまう。そうすると色収差補正効果も低減してしまうため好ましくない。
条件式(3)は、好ましくは次のように設定される。
−1.8<f1B/f<−0.6 ・・・ (3a)
また条件式(3a)は、更に好ましくは次のように設定される。
−1.6<f1B/f<−0.7 ・・・ (3b)
条件式(4)は、第2部分レンズ群L1Bの色収差補正力に関する。条件式(4)の下限値を超えると、色収差補正力が弱くなりすぎてしまい軸上色収差が残存してしまう。一方、上限値を超えると、色収差補正力が強くなりすぎてしまい、軸上色収差(特にg線とF線間の軸上色収差)が過補正になってしまう。
条件式(4)は、好ましくは次のように設定される。
また条件式(4a)は、更に好ましくは次のように設定される。
条件式(5)は、第1部分レンズ群L1Aの焦点距離に関する。条件式(5)の上限値を超えると、第1部分レンズ群L1Aの焦点距離が長くなりすぎてしまい、全長短縮効果が得られなくなるため好ましくない。
一方、下限値を超えると、第1部分レンズ群L1Aの焦点距離が短くなりすぎてしまい、球面収差やコマ収差の発生量が増大するため好ましくない。
条件式(5)は、好ましくは次のように設定される。
0.50<f1A/f<0.95 ・・・ (5a)
また条件式(5a)は、更に好ましくは次のように設定される。
0.60<f1A/f<0.90 ・・・ (5b)
条件式(6)は、第3部分レンズ群L1Cの焦点距離に関する。条件式(6)の下限値を超えると、第3部分レンズ群L1Cの焦点距離が短くなりすぎてしまい、第3部分レンズ群L1Cの敏感度が増大するため好ましくない。条件式(6)の上限値を超えると、第3部分レンズ群L1Cの焦点距離が長くなりすぎてしまい、第1レンズ群内の正の屈折力が不足し、全長短縮効果が弱くなってしまうため好ましくない。
条件式(6)は、好ましくは次のように設定される。
2.0<f1C/f<15.0 ・・・ (6a)
また条件式(6a)は、更に好ましくは次のように設定される。
2.2<f1C/f<10.0 ・・・ (6b)
条件式(7)は、無限遠にフォーカスしているときの第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離に関する。
条件式(7)の上限値を超えると、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離が長くなりすぎてしまい、全長の短縮が困難となるため、好ましくない。一方、条件式(7)の下限値を超えると、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離が短くなりすぎてしまい、球面収差やコマ収差を像側のレンズ群で補正することが困難となるため、好ましくない。
条件式(7)は、好ましくは次のように設定される。
0.4<f12/f<0.9 ・・・ (7a)
また条件式(7a)は、更に好ましくは次のように設定される。
0.6<f12/f<0.8 ・・・ (7b)
条件式(8)は、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との焦点距離の比に関する。条件式(8)の上限値を超えると、第1レンズ群L1の焦点距離が短くなりすぎてしまい、第1レンズ群L1で発生する球面収差の補正が困難になる。また、第2レンズ群L2の焦点距離が長くなりすぎてしまい、フォーカシングの際の第2レンズ群L2の移動量が増大してレンズ全体が大型化してしまい好ましくない。一方、下限値を超えると、全長短縮が困難になるため好ましくない。
条件式(8)は、好ましくは次のように設定される。
−3.0<f/f<−0.80 ・・・ (8a)
また条件式(8a)は、更に好ましくは次のように設定される。
−2.5<f/f<−1.25 ・・・ (8b)
条件式(9)は、第1部分レンズ群L1Aのレンズ成分L1A2とレンズ成分L1A3との空気間隔に関する。レンズ成分L1A2とレンズ成分L1A3との空気間隔をこの条件式の範囲内に設定すると、レンズ成分L1A3のレンズ径を小さくできるため、軽量化に好ましい。
条件式(9)の上限値を超えると、レンズ全長に対してレンズ成分L1A2とレンズ成分L1A3との空気間隔が広くなりすぎる。このとき、第1レンズ群L1が大型化してしまい、レンズ全体の小型化および軽量化が困難となるため、好ましくない。
一方、条件式(9)の下限値を超えると、レンズ全長に対してレンズ成分L1A2とレンズ成分L1A3との空気間隔が狭くなりすぎる。このとき、レンズ成分L1A2を射出した光線が十分に収束されないままレンズ成分L1A3に入射し、レンズ成分L1A3のレンズ径を小さくすることによる軽量化が困難になるため、好ましくない。
条件式(9)は、好ましくは次のように設定される。
0.05<d23/L<0.13 ・・・ (9a)
また条件式(9a)は、更に好ましくは次のように設定される。
0.07<d23/L<0.10 ・・・ (9b)
条件式(10)は、第2部分レンズ群L1B内に回折光学素子を使用した際の回折光学部Dのみによる焦点距離に関する。条件式(10)の上限値または下限値を超えると第1レンズ群L1内での軸上色収差と倍率色収差の補正バランスが取りづらくなる。このため、軸上色収差か倍率色収差の一方が補正不足になり、他方が補正過剰になる。このとき、高い光学性能を維持できなくなるため好ましくない。
条件式(10)は、好ましくは次のように設定される。
13<fDOE/f<70 ・・・ (10a)
また条件式(10a)は、更に好ましくは次のように設定される。
17<fDOE/f<50 ・・・ (10b)
条件式(11)は、第1部分レンズ群L1A内のレンズ成分L1A3の像側の面形状と、第2部分レンズ群L1B内の最も物体側のレンズの物体側の面形状に関する。条件式(11)を満足すると、レンズ成分L1A3と第2部分レンズ群L1B内の最も物体側のレンズとが同一の鏡筒で保持できるため好ましい。
条件式(11)の下限値を超えると、レンズの周辺部においてレンズ成分L1A3の像側の面と第2部分レンズ群L1B内の最も物体側のレンズの物体側の面が接することができなくなり、同一の鏡筒で保持することが難しくなってしまうため好ましくない。
一方、上限値を超えると、レンズ成分L1A3の像側の面と第2部分レンズ群L1B内の最も物体側のレンズの物体側の面の曲率半径の差が大きくなりすぎてしまう。そうすると、球面収差やコマ収差が多く発生し、第1レンズ群L1内で補正することが難しくなってしまうため好ましくない。
条件式(11)は、好ましくは次のように設定される。
0.01<(RB−RA)/│RB+RA│<0.5 ・・・ (11a)
また条件式(11a)は、更に好ましくは次のように設定される。
0.02<(RB−RA)/│RB+RA│<0.4 ・・・ (11b)
条件式(12)は、第1レンズ群L1内の各々のレンズ成分よりも像側にあるレンズ成分全ての合成横倍率に関する。jは物体側から順に数えたレンズ成分番号(j番目)である。例えばβは、物体側から2番目のレンズ成分(第1部分レンズ群L1Aの物体側から2番目の正レンズ成分)よりも像側の全てのレンズ成分の合成横倍率である。numL1は、第1レンズ群L1のレンズ成分数の総数である。
計算例について、数値実施例1を参照して説明する。第1レンズ群L1は物体側から順に3枚の正レンズと1組の接合レンズと1枚の正レンズで構成されている。
このため、βは物体側から2番目の正レンズの物体側の面から最も像側のレンズ成分の像側の面(第3面から第31面)までの合成横倍率である。βは物体側から3番目の正レンズの物体側の面から最も像側のレンズ成分の像側の面(第5面から第31面)までの合成横倍率である。
βは第2部分レンズ群L1Bの最も物体側の面から最も像側のレンズの像側の面(第7面から第31面)までの合成横倍率である。βは第3部分レンズ群L1Cの最も物体側の面から最も像側のレンズの像側の面(第10面から第31面)までの合成横倍率である。よって条件式(12)を数値実施例1に当てはめると、│β×β×β×β│×L/fとなる。
条件式(12)の上限を超えると、第1レンズ群L1内の特にレンズ径の大きい群である第1部分レンズ群L1Aや第2部分レンズ群L1Bの各レンズ成分に対してかかる像側のレンズ成分全体の合成横倍率が大きくなりすぎる。
合成横倍率が大きい場合、そのレンズの製造誤差による収差変化量が後ろのレンズの合成横倍率によって拡大される。このとき、僅かな製造誤差であっても後ろのレンズによる合成横倍率で拡大されるため、結果的に得られる像が設計値の結像性能から大きく変化する。このような状況では、レンズ製造に要求される精度や組み込みに要求される精度が高くなり、好ましくない。
一方、条件式(12)の下限を超えると、合成横倍率が小さくなりすぎる。このとき、そのレンズの持つ収差補正能力も小さくなり、他のレンズの収差補正分担負荷が大きくなるため、好ましくない。
条件式(12)は、好ましくは次のように設定される。
また条件式(12a)は、更に好ましくは次のように設定される。
条件式(13)は第1部分レンズ群L1A内の最も物体側のレンズ成分L1A1の最も物体側の空気に接している面の形状と、最も像側の空気に接している面の形状に関する。
レンズ成分L1A1の最も物体側と最も像側の面形状をこの条件式の範囲内に設定すると、軸外光束がレンズ面に垂直に近い角度で入射し、コマ収差等の非対称収差が発生しにくくなるため好ましい。条件式(13)の上限値もしくは下限値を超えると、レンズ成分L1A1で発生する非対称収差が増大してしまい、レンズ成分L1A1での敏感度が増加するため好ましくない。
条件式(13)は、好ましくは次のように設定される。
0.7<│(R−R)/(R+R)│<1.7 ・・・ (13a)
また条件式(13a)は、更に好ましくは次のように設定される。
0.8<│(R−R)/(R+R)│<1.4 ・・・ (13b)
また、更に好ましくは、第1部分レンズ群L1Aは、3つの正の単レンズで構成されることが好ましい。負レンズを使用した接合レンズにしないことで、効率的に正のパワーを引き出して部品点数を少なくし、軽量化を行うことができる。
また、更に好ましくは、第3部分レンズ群L1Cは、1つの正の単レンズで構成し、非球面を少なくとも1面有することが好ましい。こうすることで最小限のレンズ枚数で効率よく残存している収差を低減することが可能となる。
更に、第2部分レンズ群L1Bには少なくとも1つ回折光学部Dを有する回折光学素子DOEが設けられていることが好ましい。回折光学素子DOEを設けることで、レンズ枚数を増やすことなく色収差を補正することが容易となり、比重が比較的重い蛍石などの異常分散ガラスを使用しなくても色収差が補正可能となる。このとき、更なる軽量化が達成できるため好ましい。
また、第2部分レンズ群L1Bは、1つの接合レンズで構成されていることが好ましい。第2部分レンズ群L1Bを1つの接合レンズで構成することで、正レンズと負レンズとの間の空気との界面を無くし、進む光線に対してレンズ間の屈折率差を小さくすることができる。また第1部分レンズ群L1A内のレンズ成分L1A3と第2部分レンズ群L1Bが図8に示したように一体で同じ鏡筒に保持できるようになるため、それぞれがバラバラの単レンズのみで構成するよりも組み立て難易度を低減させることができる。
また、後述する実施例1、3、4において、回折光学部Dが光学面の上に施されているが、回折光学部Dが形成される光学面の形状は、球面、平面、または、非球面のいずれでもよい。また回折光学部Dは、それらの光学面にプラスチックなどの膜を回折光学部(回折面)として付加する方法である所謂レプリカで作成してもよい。回折格子の形状について、その2i次項の位相係数をC2iとしたとき、光軸OAからの距離Hにおける位相φ(H)は以下の式(a)で表される。ただし、mは回折次数、λは基準波長である。
一般に、レンズ、プリズム等の屈折光学材料のd線基準のアッベ数(分散値)νは、d、C、F線の各波長におけるパワーをN、N、Nとしたとき、次式で表される。
ν=(N−1)/(N−N)>0 ・・・ (b)
一方、回折光学部のアッベ数νはd、C、F線の各波長をλ、λ、λとしたとき、
ν=λ/(λ−λ) ・・・ (c)
と表され、ν=−3.453となる。
また部分分散比θgF
θgF=(λ−λ)/(λ−λ) ・・・ (d)
と表され、θgF=0.2956となる。
そして部分分散比差は、
ΔθgF=θgF−(−1.61783×10−3×ν+0.64146)
・・・ (e)
の定義式より、ΔθgF=−0.35145となる。
これにより、任意波長における分散性は、屈折光学素子と逆作用を有する。また、回折光学部の基準波長における近軸的な一時回折光(m=1)のパワーφは、回折光学部の位相を表す前式(a)から2次項の係数をCとしたとき、
φ=−2・C
と表される。これより回折光学素子DOEの回折成分のみによる焦点距離fDOE
となる。さらに、任意波長をλ、基準波長をλとしたとき、任意波長の基準波長に対するパワー変化は、次式となる。
φ’=(λ/λ)×(−2・C) ・・・ (g)
これにより、回折光学部Dの特徴として、前式(a)の位相係数Cを変化させることにより、弱い近軸パワー変化で大きな分散性が得られる。これは色収差以外の諸収差に大きな影響を与えることなく、色収差の補正を行うことを意味している。
また位相係数C以降の高次数の係数については、回折光学部Dの光線入射高の変化に対するパワー変化が非球面と類似した効果を得ることができる。それと同時に、光線入射高の変化に応じて基準波長に対し任意波長のパワー変化を与えることができる。このため、倍率色収差の補正に有効である。さらに、軸上光束の周辺部が光軸から高い位置を通過する面に回折光学素子を配置すれば、軸上色収差の補正にも有効である。
また、第1レンズ群L1もしくは第3レンズ群L3内の第3部分レンズ群L33には色収差補正を目的とした樹脂材料からなる光学素子Aを少なくとも1つ有することが好ましい。実施例1、2、4において、前記第1レンズ群L1もしくは前記第3部分レンズ群L33に表2に示すような樹脂材料からなる光学素子Aを配置している。
図5は、光学ガラスの部分分散比θgFとアッベ数νdを示すグラフ(以下「θgF−νd図」と呼ぶ)である。縦軸は部分分散比θgFであり、横軸はアッベ数である。一般的な光学ガラスは、ほぼ直線に沿って分布することが知られている。また、一般的な光学ガラスは、部分分散比が大きくなると、アッベ数は小さくなり、分散が大きくなる傾向がある。
これに対して、様々な樹脂の中でも一部の紫外線硬化樹脂やN−ポリビニルカルバゾールは、θgF−νd図において通常の光学ガラスとは異なる領域に存在する。紫外線硬化樹脂(Nd=1.635,νd=22.7,θgF=0.69)、N−ポリビニルカルバゾール(Nd=1.696,νd=17.7,θgF=0.69)は、同じアッベ数を有する光学ガラスに比べて、部分分散比が大きい。これらは下記条件式(14)乃至条件式(15)を満足する材料である。前記樹脂材料からなる光学素子Aのd線を基準としたアッベ数をνdA、部分分散比をθgFA、とするとき、
0.0272<Aθ1<0.3000 ・・・ (14)
5<νdA<45 ・・・ (15)
なる条件を満足することが好ましい。
ただし、Aθ1は以下で定義されるものである。
θ1=θgFA−θgFBase
θgFBase=−1×10−9×νdA +5×10−8×νdA +7.5×10−5×νdA −7×10−3×νdA+0.721
ここで、θgFAおよびνdAは、前記光学素子Aを構成する材料のd線における屈折率をNdA、g線における屈折率をNgA、C線における屈折率をNCA、F線における屈折率をNFAとすると次に示す式で定義される。
νdA=(NdA−1)/(NFA−NCA
θgFA=(NgA−NFA)/(NFA−NCA
条件式(14)を満足する光学素子Aを光学系内に使用することで、色収差(特にg線とF線間の色収差)を補正することが可能になり、全長短縮時の結像性能を向上させることができる。軸上光束の周辺部が光軸から高い位置を通過する位置に前記光学素子Aを配置すれば軸上色収差の補正に効果があり、軸外主光線がレンズ周辺部を通るような位置に配置すれば倍率色収差補正に効果がある。尚、条件式(14)を満足する材料であれば、これらに限定するものではない。
また、他にも一般の硝材とは異なる特性を持つ材料として、下記の無機酸化物ナノ微粒子(無機微粒子)を合成樹脂(透明媒体)中に分散させた混合体がある。無機酸化物の例としては、TiO(Nd=2.304,νd=13.8),Nb(Nd=2.367,νd=14.0),ITO(Nd=1.8571,νd=5.68),Cr(Nd=2.2178,νd=13.4),BaTiO(Nd=2.4362,νd=11.3)等がある。
これらの無機酸化物の中では、TiO(Nd=2.304,νd=13.8,θgF=0.87)微粒子を合成樹脂中に適切なる体積比で分散させた場合、上記条件式(14)を満足する材料が得られる。
TiOは様々な用途で使われる材料であり、光学分野では反射防止膜などの光学薄膜を構成する蒸着用材料として用いられている。他にも光触媒、白色顔料などとして、またTiO微粒子は化粧品材料として用いられている。
各実施例において合成樹脂に分散させるTiO微粒子の平均径は、散乱などの影響を考えると2nm〜50nm程度がよく、凝集を抑えるために分散剤などを添加しても良い。
またTiOを分散させる合成樹脂材料としては、ポリマーが良く、成形型等を用いて光重合成形または熱重合成形することにより高い量産性を得ることができる。
そして、合成樹脂の光学定数の特性としても、部分分散比が比較的大きい合成樹脂、あるいはアッベ数が比較的小さい合成樹脂か、両者を満たす合成樹脂が良い。例えば、N−ポリビニルカルバゾール、スチレン、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)などが適用できる。
後述する実施例ではTiO微粒子を分散させる合成樹脂として紫外線硬化性の(メタ)アクリルモノマー1(Nd=1.524,νd=51.5,θgF=0.56)を用いている。しかし、これに限定するものではない。
ナノ微粒子を分散させた混合体の分散特性N(λ)は、良く知られたDrudeの式から導きだされた次式によって簡単に計算することができる。即ち、波長λにおける屈折率N(λ)は、
N(λ)=[1+V{N (λ)−1}+(1−V){N (λ)−1}]1/2 ・・・ (i)
である。
ここで、λは任意の波長、NはTiOの屈折率、Nは合成樹脂の屈折率、Vは合成樹脂体積に対するTiO微粒子の総体積の分率である。
条件式(14)は前記光学素子Aを構成する材料の部分分散比差に関する。
条件式(14)の上限値を超えると、前記光学素子Aにおいてアッベ数に対して部分分散比差が大きくなりすぎる。そうなると、g線とF線間の色収差が補正されるのは良いが、C線とF線間の色収差が悪化する。このため、他のレンズでC線とF線間の色収差補正を強める必要が出てしまい、色収差以外の収差補正バランスが難しくなるため好ましくない。
一方、条件式(14)の下限値を超えると、前記光学素子Aにおいてアッベ数に対して部分分散比差が小さくなりすぎる。そうなるとg線とF線間の色収差が補正できなくなるため好ましくない。
条件式(14)は更に好ましくは次の如く設定するのが良い。
0.0550<Aθ1<0.2700 ・・・ (14a)
条件式(15)は前記光学素子Aを構成する材料のアッベ数に関する。
条件式(15)の上限値を超えると、前記光学素子Aを構成する材料のアッベ数が大きくなり低分散となる。そうするとg線とF線間の色収差を補正しようとすると大きなパワーが必要となる。パワーを大きくすることで、色収差以外のコマ収差や非点収差が多く発生し、収差の補正が困難になるため好ましくない。
一方、条件式(15)の下限値を超えると、前記光学素子Aを構成する材料のアッベ数が小さくなり高分散となる。そうすると特にg線とF線間の色収差は弱いパワーで補正しやすくなるが、同時に色収差補正の敏感度が増加することになるため製造難易度が上がり好ましくない。
条件式(15)は更に好ましくは次の如く設定するのが良い。
7<νdA<42 ・・・ (15a)
条件式(15a)は更に好ましくは次の如く設定するのが良い。
13<νdA<35 ・・・ (15b)
以上の通り、本実施形態の光学系(望遠レンズ)によれば、製造容易で小型および軽量な光学系および撮像装置を提供することができる。
次に、実施例1〜4の光学系の構成について詳述する。各実施例において、第1レンズ群L1の第3部分レンズ群L1Cの少なくとも1つのレンズ面は非球面形状である。第2レンズ群L2よりも像側に開口絞りSPが配置されている。
第3レンズ群L3は、物体側から像側へ順に配置された、第1部分レンズ群L31、第2部分レンズ群L32、第3部分レンズ群L33から構成される。第2部分レンズ群L32は、像ぶれ補正に際して光軸OAに直交する方向を含む方向に移動する。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第2レンズ群L2を像面側へ光軸上を移動させることで行われる。
まず、図1(A)を参照して、本発明の実施例1における撮影光学系L0(光学系)について説明する。
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、第3部分レンズ群L1Cを有する。
第1部分レンズ群L1Aにおける3つの正レンズ成分は、いずれも正のパワーを有する単レンズからなり、物体側から像側へ順に配置された、1つの両凸レンズ、2つの物体側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。
第2部分レンズ群L1Bは、1つの接合レンズからなり、この接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズとの接合により構成されている。また、この接合レンズは回折光学素子DOEを構成している。回折光学素子DOEを構成する回折光学部Dは、接合レンズの接合面に配置されている。
第3部分レンズ群L1Cは、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズで構成されている。第3部分レンズ群L1Cのメニスカスレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2レンズ群L2は、正のパワーを有する両凸レンズと負のパワーを有する両凹レンズの接合により構成されている。また、開口絞りSPは、開口径可変の開口絞りとして、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置されている。
第3レンズ群L3において、第1部分レンズ群L31は、1つの接合レンズからなる。物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと両凸レンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズの接合により構成されている。また、第1部分レンズ群L31の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2部分レンズ群L32は、両凸レンズと両凹レンズとを接合して構成された1つの接合レンズと、1つの両凹レンズで構成されている。
第3部分レンズ群L33は、2つの接合レンズで構成されている。物体側の接合レンズは、両凸レンズと両凹レンズにより構成されている。また、像側の接合レンズは、両凸レンズと、2つの負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。第3部分レンズ群L33内の像側の接合レンズを構成する3つのレンズのうち、中間に配置された負のパワーを有するメニスカスレンズは、光学素子Aからなっている。第3部分レンズ群L33内の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
図2(A)を参照して、本発明の実施例2における撮影光学系L0(光学系)について説明する。
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、および、第3部分レンズ群L1Cを有する。
第1部分レンズ群L1Aにおける3つの正レンズ成分は、いずれも正のパワーを有する単レンズからなり、物体側から像側へ順に配置された、1つの両凸レンズ、2つの物体側に凸形状のメニスカスレンズで構成されている。
第2部分レンズ群L1Bは、1つの接合レンズからなる。この接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと、2つの正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。また、この接合レンズを構成する3つのレンズのうち、中間に配置された正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズは光学素子Aからなっている。
第3部分レンズ群L1Cは、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズ1つで構成されている。第3部分レンズ群L1Cのメニスカスレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2レンズ群L2は、両凸レンズと両凹レンズの接合により構成されている。また、開口絞りSPは、開口径可変の開口絞りとして、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置されている。
第3レンズ群L3において、第1部分レンズ群L31は、1つの接合レンズからなる。物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと両凸レンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズの接合により構成されている。また、第1部分レンズ群L31の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2部分レンズ群L32は、両凸レンズと両凹レンズとを接合して構成された1つの接合レンズと、1つの両凹レンズで構成されている。
第3部分レンズ群L33は、2つの接合レンズで構成されている。物体側の接合レンズは、物体側から順に配置された、両凸レンズと両凹レンズの接合により構成されている。像側の接合レンズは、物体側から順に配置された、両凸レンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズと両凹レンズにより構成されている。
第3部分レンズ群L33内の像側の接合レンズにおける負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズは、光学素子Aからなっている。第3部分レンズ群L33内の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
図3(A)を参照して、本発明の実施例3における撮影光学系L0(光学系)について説明する。
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、第3部分レンズ群L1Cを有する。
第1部分レンズ群L1Aにおける3つの正レンズ成分は、いずれも正のパワーを有する単レンズからなり、物体側に凸形状のメニスカスレンズである。
第2部分レンズ群L1Bは、1つの接合レンズからなり、この接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。また、この接合レンズは回折光学素子DOEを構成している。回折光学素子DOEを構成する回折光学部Dは、接合レンズの接合面に配置されている。
第3部分レンズ群L1Cは、物体側に凸形状のメニスカスレンズで構成されている。第3部分レンズ群L1Cのメニスカスレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2レンズ群L2は、両凸レンズと両凹レンズの接合により構成されている。また、開口絞りSPは、開口径可変の開口絞りとして、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置されている。
第3レンズ群L3において、第1部分レンズ群L31は、1つの接合レンズからなる。物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと両凸レンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。また、第1部分レンズ群L31の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2部分レンズ群L32は、両凸レンズと両凹レンズとを接合して構成された接合レンズと、負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズで構成されている。
第3部分レンズ群L33は、2つの接合レンズで構成されている。物体側の接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、正のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。また、像側の接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、両凸レンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。第3部分レンズ群L33内の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
図4(A)を参照して、本発明の実施例4における撮影光学系L0(光学系)について説明する。
第1レンズ群L1は、物体側から像側へ順に、第1部分レンズ群L1A、第2部分レンズ群L1B、および、第3部分レンズ群L1Cを有する。
第1部分レンズ群L1Aにおける3つの正レンズ成分は、いずれも正のパワーを有するレンズ成分からなる。物体側から像側へ順に配置された、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと両凸レンズを接合した接合レンズと、2つの物体側に凸形状のメニスカスレンズで構成されている。
第2部分レンズ群L1Bは、1つの接合レンズからなり、この接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。また、この接合レンズは回折光学素子DOEを構成している。回折光学素子DOEを構成する回折光学部Dは、接合レンズの接合面に配置されている。
第3部分レンズ群L1Cは、正のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズで構成されている。第3部分レンズ群L1Cのメニスカスレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2レンズ群L2は、両凸レンズと両凹レンズの接合により構成されている。また、開口絞りSPは、開口径可変の開口絞りとして、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置されている。
第3レンズ群L3において、第1部分レンズ群L31は、1つの接合レンズからなる。前記接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、負のパワーを有する物体側に凸形状のメニスカスレンズと両凸レンズと負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。また、第1部分レンズ群L31の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
第2部分レンズ群L32は、両凸レンズと両凹レンズとを接合して構成された接合レンズと、両凹レンズで構成されている。
第3部分レンズ群L33は、2つの接合レンズで構成されている。物体側の接合レンズは、物体側から像側へ順に配置された、両凸レンズと両凹レンズにより構成されている。像側の接合レンズは、物体側から順に配置された、両凸レンズと2つの負のパワーを有する像側に凸形状のメニスカスレンズにより構成されている。
第3部分レンズ群L33内の像側の接合レンズを構成する3つのレンズのうち、中間に配置された負のパワーを有するメニスカスレンズは、光学素子Aからなっている。第3部分レンズ群L33内の最も物体側のレンズの物体側のレンズ面は非球面形状を有する。
以下に、実施例1〜4に対応する数値実施例1〜4を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順序を示し、rは物体側より第i番目の面の曲率半径、dは物体側より第i番目と第i+1番目の間隔、ndとνdはそれぞれ、第i番目の光学部材の屈折率とアッベ数である。f、Fno、2ωはそれぞれ、無限遠物体に焦点を合わせたときの全系の焦点距離、Fナンバー、画角(度)を表している。
各数値実施例において、最も像側の2つの面はフィルター等のガラスブロックGである。BFは最終レンズ面(ガラスブロックGはレンズとみなさない)から像面までの空気換算値でのバックフォーカスである。
回折光学部D(回折面)は、式(a)の位相関数の位相係数を与えることで表される。非球面形状は、光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正、Rを近軸曲率半径、kを離心率、A4、A6、A8、A10を各々非球面係数としたとき、以下の式(h)で表される。
以下の各数値実施例において、例えば「e−Z」の表示は「10−Z」を意味する。また、前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表1に示す。
(数値実施例1)
f= 585.01mm Fno= 4.12 2ω=4.24
面データ
面番号 r d nd vd 有効径 θgF ΔθgF
1 236.836 14.66 1.48749 70.2 142.00 0.530259 0.002439
2 -12278.983 1.50 141.28
3 101.862 26.00 1.43387 95.1 133.06 0.537281 0.049750
4 474.371 30.44 129.11
5 125.148 12.60 1.43875 94.9 97.01 0.534632 0.046811
6 626.048 0.20 93.01
7 699.200 4.60 1.88300 40.8 92.99 0.566944 -0.008570
8(回折) 87.268 13.00 1.48749 70.2 83.65 0.530259 0.002439
9 317.318 16.20 80.79
10(非球面)111.291 6.20 1.51633 64.1 66.95 0.534161 -0.003530
11 142.419 18.00 63.56
12 470.559 4.50 1.84666 23.9 51.61
13 -437.937 2.60 1.78590 44.2 50.20
14 76.259 38.69 46.82
15(絞り) ∞ 10.50 34.28 開口絞りSP
16(非球面) 76.958 1.80 1.88300 40.8 29.97
17 41.233 11.20 1.48749 70.2 28.86
18 -49.294 1.80 1.88300 40.8 26.88
19 -97.255 7.30 26.59
20 86.385 3.35 1.84666 23.9 22.45
21 -86.385 1.80 1.83481 42.7 22.09
22 39.179 2.42 21.65
23 -115.841 1.80 1.69680 55.5 21.76
24 66.503 4.39 22.57
25(非球面) 51.640 11.95 1.61340 44.3 26.19
26 -33.673 1.80 1.59522 67.7 27.71
27 256.410 3.00 28.74
28 68.145 11.95 1.61340 44.3 30.44
29 -35.681 0.10 1.69934 26.4 30.85 0.758113 0.159346
30 -51.438 3.50 1.88300 40.8 30.97
31 -228.092 5.00 31.80
32 ∞ 2.00 1.51633 64.1 32.74
33 ∞ 61.14 32.96
像面 ∞
ΔθgF=θgF−(−1.61783×10-3×ν+0.64146)
なる式で定義されるものである。
非球面データ
第10面
K = 0.00000e+000 A4=-2.65959e-007 A6=-4.93899e-011 A8=-5.35993e-015
第16面
K = 0.00000e+000 A4= 6.74344e-007 A6= 2.84537e-010 A8= 1.09269e-014
第25面
K = 0.00000e+000 A4=-8.55719e-007 A6=-1.37747e-010
第8面(回折面)
C2=-3.10268e-005 C4=-1.49191e-009 C6= 4.77924e-013 C8=-1.41082e-016
各種データ
焦点距離 585.01
Fナンバー 4.12
半画角 2.12
像高 21.64
レンズ全長 335.32
BF 67.46
入射瞳位置 848.92
射出瞳位置 -69.61
前側主点位置 -1183.48
後側主点位置 -523.86
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 189.12 125.40 -12.72 -103.50
1A 1 133.86 85.20 24.30 -49.87
1B 7 -209.74 17.60 5.92 -5.21
1C 10 923.53 6.20 -13.69 -17.52
2 12 -120.57 7.10 4.80 0.87
3 15 -243.94 78.66 14.13 -49.93
31 15 326.16 25.30 13.51 -6.64
32 20 -36.44 9.37 5.82 -0.60
33 25 60.80 32.30 3.47 -17.83
G 32 ∞ 2.00 0.66 -0.66
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 476.82
2 3 292.79
3 5 353.79
4 7 -113.33(回折光学素子を除いたレンズ単体の値)
5 8 242.43(回折光学素子を除いたレンズ単体の値)
6 10 923.53
7 12 268.52
8 13 -82.46
9 16 -103.03
10 17 48.00
11 18 -115.23
12 20 51.47
13 21 -32.08
14 23 -60.39
15 25 35.10
16 26 -49.89
17 28 39.93
18 29 -166.99
19 30 -75.92
G 32 0.00
無限遠物体にフォーカスしているときの第1レンズ群内の各レンズ成分より像側レンズ成分の合成横倍率β
β=1.226901(面番号3〜31までの横倍率)
β=3.198467(面番号5〜31までの横倍率)
β=4.370126(面番号7〜31までの横倍率)
β=2.747765(面番号10〜31までの横倍率)
β=3.093243(面番号12〜31までの横倍率)
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離
f12= 394.94
(数値実施例2)
f= 585.00mm Fno= 4.12 2ω=4.24
面データ
面番号 r d nd vd 有効径 θgF ΔθgF
1 230.884 15.84 1.43387 95.1 142.00 0.537281 0.049750
2 -2039.032 1.50 141.34
3 102.196 26.48 1.43387 95.1 132.88 0.537281 0.049750
4 564.319 28.08 128.99
5 131.698 12.60 1.43387 95.1 98.01 0.537281 0.049750
6 400.509 1.17 92.87
7 723.934 4.60 1.88300 40.8 92.91 0.566944 -0.008570
8 85.748 1.44 1.63555 22.7 83.75 0.689465 0.084768
9 92.981 13.38 1.43387 95.1 83.51 0.537281 0.049750
10 336.063 16.87 80.38
11(非球面)103.275 6.20 1.43387 95.1 67.30 0.537281 0.049750
12 134.171 30.08 64.17
13 545.548 4.25 1.84666 23.9 45.47
14 -308.059 2.60 1.78590 44.2 44.26
15 76.875 31.42 41.60
16(絞り) ∞ 10.50 32.45 開口絞りSP
17(非球面)162.951 1.80 1.88300 40.8 28.88
18 65.070 11.99 1.48749 70.2 28.17
19 -38.705 1.80 1.88300 40.8 26.43
20 -69.450 7.24 26.39
21 84.246 5.02 1.84666 23.9 23.22
22 -115.951 1.80 1.83481 42.7 22.92
23 40.135 2.37 22.58
24 -168.821 1.80 1.69680 55.5 22.71
25 88.593 3.33 23.48
26(非球面) 66.437 15.60 1.61340 44.3 26.02
27 -27.155 1.80 1.59522 67.7 28.50
28 528.006 2.07 29.90
29 55.361 9.43 1.61340 44.3 31.60
30 -60.771 0.10 1.63555 22.7 31.66 0.689465 0.084768
31 -198.414 3.50 1.88300 40.8 31.70
32 297.337 5.00 31.88
33 ∞ 2.20 1.51633 64.1 32.65
34 ∞ 61.14 32.90
像面 ∞
ΔθgF=θgF−(−1.61783×10-3×ν+0.64146)
なる式で定義されるものである。
非球面データ
第11面
K = 0.00000e+000 A4=-2.80822e-007 A6=-5.69658e-011 A8=-5.14718e-015
第17面
K = 0.00000e+000 A4= 7.74984e-007 A6= 4.48745e-011 A8= 5.78682e-013
第26面
K = 0.00000e+000 A4=-1.14034e-006 A6=-2.88890e-010
各種データ
焦点距離 585.00
Fナンバー 4.12
半画角 2.12
像高 21.64
レンズ全長 344.25
BF 67.59
入射瞳位置 943.16
射出瞳位置 -69.23
前側主点位置 -1096.89
後側主点位置 -523.86
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 210.63 128.15 -26.48 -114.05
1A 1 138.84 84.49 21.03 -50.63
1B 7 -193.86 19.41 5.97 -6.62
1C 11 974.52 6.20 -13.63 -17.70
2 13 -118.88 6.85 4.51 0.73
3 16 -387.24 80.16 2.94 -59.86
31 16 500.16 26.09 25.59 5.13
32 21 -45.83 10.99 7.37 -0.04
33 26 65.99 32.51 3.28 -17.21
G 33 ∞ 2.20 0.73 -0.73
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 479.03
2 3 282.73
3 5 445.93
4 7 -110.53
5 8 1610.25
6 9 291.43
7 11 974.52
8 13 233.07
9 14 -78.05
10 17 -123.75
11 18 51.74
12 19 -101.81
13 21 58.30
14 22 -35.53
15 24 -83.15
16 26 33.55
17 27 -43.34
18 29 48.73
19 30 -137.88
20 31 -134.33
G 33 0.00
無限遠物体にフォーカスしているときの第1レンズ群内の各レンズ成分より像側レンズ成分の合成横倍率β
β=1.221217(面番号3〜32までの横倍率)
β=3.258226(面番号5〜32までの横倍率)
β=4.213642(面番号7〜32までの横倍率)
β=2.451643(面番号11〜32までの横倍率)
β=2.777349(面番号13〜32までの横倍率)
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離
f12= 440.14
(数値実施例3)
f= 585.01mm Fno= 4.12 2ω=4.24
面データ
面番号 r d nd vd 有効径 θgF ΔθgF
1 221.142 14.66 1.48749 70.2 142.00 0.530259 0.002439
2 4136.409 1.50 141.22
3 104.133 26.00 1.43387 95.1 133.41 0.537281 0.049750
4 540.497 27.89 129.52
5 97.024 12.60 1.43875 94.9 96.54 0.534632 0.046811
6 194.800 2.75 91.51
7 385.528 4.60 1.88300 40.8 91.49 0.566944 -0.008570
8(回折) 78.182 13.00 1.48749 70.2 81.91 0.530259 0.002439
9 315.165 24.00 79.59
10(非球面) 117.529 6.20 1.51633 64.1 60.37 0.534161 -0.003530
11 277.942 18.37 57.71
12 532.804 4.50 1.84666 23.9 41.99
13 -209.364 2.60 1.78590 44.2 40.43
14 52.713 29.34 36.80
15(絞り) ∞ 10.50 27.37 開口絞りSP
16(非球面) 281.928 1.80 1.88300 40.8 23.47
17 37.923 11.20 1.48749 70.2 22.69
18 -22.774 1.80 1.88300 40.8 21.78
19 -36.312 7.30 22.12
20 155.219 3.35 1.84666 23.9 22.48
21 -155.219 1.80 1.83481 42.7 22.52
22 45.942 2.64 22.58
23 -76.887 1.80 1.69680 55.5 22.77
24 -837.274 5.02 23.81
25(非球面)-156.261 11.95 1.61340 44.3 26.95
26 -24.519 1.80 1.59522 67.7 30.41
27 -120.953 3.44 33.19
28 77.196 11.95 1.61340 44.3 37.21
29 -65.052 3.50 1.88300 40.8 38.22
30 -101.576 5.00 39.18
31 ∞ 2.00 1.51633 64.1 39.59
32 ∞ 61.14 39.67
像面 ∞
ΔθgF=θgF−(−1.61783×10-3×ν+0.64146)
なる式で定義されるものである。
非球面データ
第10面
K = 0.00000e+000 A4=-3.34941e-007 A6=-6.23188e-011 A8= 2.32007e-015
第16面
K = 0.00000e+000 A4= 8.37829e-007 A6= 2.27069e-009 A8= 8.99985e-013
第25面
K = 0.00000e+000 A4= 8.24036e-007 A6=-2.61440e-010
第8面(回折面)
C2=-3.55234e-005 C4=-1.85318e-009 C6=-1.94339e-013 C8= 1.31890e-016
各種データ
焦点距離 585.01
Fナンバー 4.12
半画角 2.12
像高 21.64
レンズ全長 335.32
BF 67.46
入射瞳位置 1053.97
射出瞳位置 -128.35
前側主点位置 -167.04
後側主点位置 -523.86
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 167.10 133.20 15.52 -100.14
1A 1 138.04 82.65 18.74 -50.34
1B 7 -235.64 17.60 6.99 -4.18
1C 10 389.27 6.20 -2.96 -6.99
2 12 -77.33 7.10 4.43 0.51
3 15 943.72 79.85 389.33 540.71
31 15 1568.15 25.30 130.41 119.37
32 20 -48.27 9.59 4.61 -1.94
33 25 69.93 32.64 16.71 -4.19
G 31 ∞ 2.00 0.66 -0.66
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 478.67
2 3 292.02
3 5 423.92
4 7 -111.85(回折光学素子を除いたレンズ単体の値)
5 8 209.52(回折光学素子を除いたレンズ単体の値)
6 10 389.27
7 12 178.02
8 13 -53.35
9 16 -49.80
10 17 31.07
11 18 -73.78
12 20 92.12
13 21 -42.29
14 23 -121.62
15 25 45.83
16 26 -52.03
17 28 59.45
18 29 -214.53
G 31 0.00
無限遠物体にフォーカスしているときの第1レンズ群内の各レンズ成分より像側レンズ成分の合成横倍率β
β=1.222153(面番号3〜30までの横倍率)
β=3.193442(面番号5〜30までの横倍率)
β=4.238055(面番号7〜30までの横倍率)
β=2.835783(面番号10〜30までの横倍率)
β=3.500896(面番号12〜30までの横倍率)
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離
f12= 389.62
(数値実施例4)
f= 489.98mm Fno= 4.12 2ω=5.06
面データ
面番号 r d nd vd 有効径 θgF ΔθgF
1 236.836 12.00 1.48749 70.2 118.94 0.530259 0.002439
2 1000.000 8.00 1.43387 95.1 117.90 0.537281 0.049750
3 -12278.983 1.50 116.85
4 92.821 23.00 1.43387 95.1 111.77 0.537281 0.049750
5 372.246 28.20 106.88
6 88.935 12.60 1.43875 94.9 81.46 0.534632 0.046811
7 440.570 0.10 77.78
8 461.752 4.60 1.88300 40.8 77.76 0.566944 -0.008570
9(回折) 78.323 9.00 1.48749 70.2 70.34 0.530259 0.002439
10 299.920 16.00 68.83
11(非球面)102.391 6.20 1.51633 64.1 55.61 0.534161 -0.003530
12 159.052 18.00 52.45
13 377.525 4.50 1.84666 23.9 38.81
14 -221.671 2.60 1.78590 44.2 37.27
15 49.472 10.61 34.04
16(絞り) ∞ 8.50 31.54 開口絞りSP
17(非球面) 93.005 1.80 1.88300 40.8 28.35
18 41.212 10.69 1.49700 81.5 27.36
19 -49.654 1.80 1.91082 35.3 25.76
20 -98.545 7.30 25.58
21 100.531 3.35 1.84666 23.9 22.28
22 -100.531 1.80 1.83481 42.7 22.04
23 42.416 2.11 21.87
24 -208.214 1.80 1.69680 55.5 22.01
25 95.691 4.00 22.75
26(非球面) 64.152 11.95 1.61340 44.3 25.75
27 -21.826 1.80 1.59522 67.7 27.09
28 256.410 2.50 28.53
29 56.147 11.95 1.61340 44.3 30.24
30 -38.084 0.10 1.69934 26.4 30.43 0.758113 0.159346
31 -52.974 3.50 1.88300 40.8 30.51
32 -538.336 5.00 31.18
33 ∞ 2.00 1.51633 64.1 32.11
34 ∞ 61.14 32.35
像面 ∞
ΔθgF=θgF−(−1.61783×10-3×ν+0.64146)
なる式で定義されるものである。
非球面データ
第11面
K = 0.00000e+000 A4=-4.07023e-007 A6=-8.56458e-011 A8=-2.20870e-015
第17面
K = 0.00000e+000 A4= 1.09836e-006 A6= 2.40181e-010 A8=-4.26026e-013
第26面
K = 0.00000e+000 A4=-6.77077e-007 A6= 1.55724e-010
第9面(回折面)
C2=-3.10268e-005 C4=-1.49191e-009 C6= 4.77924e-013 C8=-1.41082e-016
各種データ
焦点距離 489.98
Fナンバー 4.12
半画角 2.53
像高 21.64
レンズ全長 299.32
BF 67.46
入射瞳位置 515.94
射出瞳位置 -65.65
前側主点位置 -887.70
後側主点位置 -428.84
レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 150.26 121.20 13.13 -84.30
1A 1 118.69 85.30 30.30 -44.20
1B 8 -212.77 13.60 5.56 -2.94
1C 11 536.67 6.20 -7.12 -11.07
2 13 -75.61 7.10 4.62 0.69
3 16 -318.97 74.95 1.87 -57.47
31 16 846.20 22.79 15.13 -2.56
32 21 -46.72 9.06 5.44 -0.64
33 26 67.35 31.80 2.56 -17.69
G 33 ∞ 2.00 0.66 -0.66
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 633.33
2 2 2131.66
3 4 278.08
4 6 251.22
5 8 -107.42(回折光学素子を除いたレンズ単体の値)
6 9 214.60(回折光学素子を除いたレンズ単体の値)
7 11 536.67
8 13 165.53
9 14 -51.25
10 17 -85.20
11 18 47.15
12 19 -111.84
13 21 59.83
14 22 -35.53
15 24 -93.86
16 26 28.03
17 27 -33.71
18 29 38.87
19 30 -194.29
20 31 -66.77
G 33 0.00
無限遠物体にフォーカスしているときの第1レンズ群内の各レンズ成分より像側レンズ成分の合成横倍率β
β=0.999550(面番号4〜32までの横倍率)
β=2.725891(面番号6〜32までの横倍率)
β=4.128353(面番号8〜32までの横倍率)
β=2.792771(面番号11〜32までの横倍率)
β=3.260819(面番号13〜32までの横倍率)
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の合成焦点距離
f12= 352.09
(表1中の「−−」は、その数値実施例には該当しない条件式であることを示す。)
次に、図6を参照して、本実施形態の光学系を適用した撮像装置(カメラシステム)について説明する。図6は、一眼レフカメラの概略構成図である。
図6において、10は実施例1〜4のいずれか1つの撮影光学系1(光学系)を備えた撮像レンズである。撮影光学系1は、保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体である。カメラ本体20は、撮像レンズ10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮像レンズ10の像形成位置に配置された焦点板4、および、焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5を有する。またカメラ本体20は、その正立像を観察するための接眼レンズ6等を備えている。
7は感光面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)や銀塩フィルムが感光面7に配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避し、感光面7上に撮影レンズ10によって像が形成される。なお、本実施形態の撮影光学系1はクイックリターンミラー3のない撮像装置にも適用可能である。
このように、実施例1〜4の撮影光学系1を写真用カメラや、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、製造容易な軽量で高い光学性能を有する撮像装置を実現できる。したがって上記各実施例によれば、製造容易で小型および軽量な撮影光学系および撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
L0 撮影光学系(光学系)
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L1A 第1部分レンズ群
L1B 第2部分レンズ群
L1C 第3部分レンズ群

Claims (13)

  1. 物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群を有し、
    フォーカシングに際して前記第2レンズ群が光軸方向に移動し、
    第1レンズ群は、物体側から像側へ順に配置された、第1部分レンズ群、第2部分レンズ群、第3部分レンズ群からなり、前記第1部分レンズ群は3つの正レンズ成分からなり、前記第2部分レンズ群は少なくとも1つの正レンズと1つの負レンズを有し、前記第3部分レンズ群は1つの正レンズ成分からなり、
    無限遠にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、前記第1部分レンズ群の焦点距離をf1A、前記第3部分レンズ群の焦点距離をf1C、光学系の最も物体側の面から像面までの光軸上の長さをL、無限遠にフォーカスしているときの開放FナンバーをFnoとするとき、
    1.0<f/(f1A×L×Fno)<3.0
    0.08<f1A/f1C<0.50
    なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
  2. 前記第2部分レンズ群の焦点距離をf1B、前記第1レンズ群の焦点距離をf、無限遠にフォーカスしているときの全系のパワーをφ、第2部分レンズ群に含まれる各光学素子の総数をnum1B、前記第2部分レンズ群に含まれる各光学素子の物体側から順に数えた番号をi、第2部分レンズ群に含まれる各光学素子の部分分散比差をΔθgFi、d線を基準としたアッベ数をν1Bi、パワーをφ1Biとするとき、
    −2.0<f1B/f<−0.5

    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1レンズ群の焦点距離をf、前記第1部分レンズ群の焦点距離をf1A、前記第3部分レンズ群の焦点距離をf1Cとするとき、
    0.4<f1A/f<1.0
    1.5<f1C/f<20.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
  4. 前記第1レンズ群L1の焦点距離をf、前記第2レンズ群L2の焦点距離をf、無限遠にフォーカスしているときの前記第1レンズ群L1と前記第2レンズ群L2の合成焦点距離をf12とするとき、
    0.3<f12/f<1.0
    −4.0<f/f<−0.5
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学系。
  5. 前記第1部分レンズ群の物体側から2番目に配置された正レンズ成分の最も像側の面と、前記第1部分レンズ群の物体側から3番目に配置された正レンズ成分の最も物体側の面の光軸上の距離をd23、光学系の最も物体側の面から像面までの光軸上の長さをLとするとき、
    0.03<d23/L<0.15
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系。
  6. 前記第2部分レンズ群は1つの接合レンズからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学系。
  7. 前記第2部分レンズ群を構成する接合レンズは回折光学部を有することを特徴とする請求項6に記載の光学系。
  8. 前記回折光学部の回折成分のみによる焦点距離をfDOE、無限遠にフォーカスしているときの全系の焦点距離をfとするとき、
    10<fDOE/f<100
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項7に記載の光学系。
  9. 前記第1部分レンズ群は、正のパワーを有する3つの単レンズからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学系。
  10. 前記第1部分レンズ群の物体側から3番目に配置された正レンズ成分の最も像側の面の曲率半径をRA、前記第2部分レンズ群の最も物体側に配置されたレンズの最も物体側の面の曲率半径をRBとするとき、
    0.0<(RB−RA)/│RB+RA│<0.6
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学系。
  11. 無限遠にフォーカスしているときの全系の焦点距離をf、光学系の最も物体側の面から像面までの光軸上の長さをL、前記第1レンズ群のレンズ成分の総数をnumL1、無限遠にフォーカスしているときの前記第1レンズ群のレンズ成分のうち物体側から順にj番目のレンズ成分よりも像側の全てのレンズ成分の合成横倍率をβとするとき、

    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学系。
  12. 前記第1部分レンズ群の最も物体側に配置された正レンズ成分の最も物体側の面の曲率半径をR、該正レンズ成分の最も像側の面の曲率半径をRとするとき、
    0.5<│(R−R)/(R+R)│<2.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光学系。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光学系と、
    前記光学系により形成された像を撮像する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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