JP2017026663A - 光源装置、照明装置、およびプロジェクター - Google Patents

光源装置、照明装置、およびプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】複数の発光素子の発熱による劣化を抑え、高輝度の光を射出する光源装置を提供する。【解決手段】光源装置は、各々が第1の方向D1に光を射出する第1の発光素子81および第2の発光素子82を含む複数の発光素子8と、第1の方向D1に対して傾斜した第2の方向D2に延在しているベース部71を有する基材7と、を備え、複数の発光素子8は、ベース部71の一方側に、第2の方向D2に沿って配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置、照明装置、およびプロジェクターに関する。
従来、半導体レーザー等の発光素子を用いた光源装置が提案されている。また、プロジェクター等の光源装置として高輝度化の要求に応えるため、複数の半導体レーザーを備えた光源装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光源装置は、複数の半導体レーザー装置と、保持部材とを備える。
各半導体レーザー装置は、半導体レーザー素子と、半導体レーザー素子が載置された載置体と、載置体を一方側に偏在させた基体と、半導体レーザー素子と電気的に接続され、基体の他方側に偏在して基体から突出する一対の端子を有している。保持部材は、少なくとも一対の列状に配列された孔と、孔が配列され、他面側における少なくとも一対の凹部によって形成される薄膜部と、薄膜部に隣接する厚膜部と、を有している。そして、半導体レーザー装置は、一面側に載置され、かつ厚膜部に載置体がそれぞれ配置され、他面側から孔を通して一対の端子が露出して配置される。
特開2015−38958号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、半導体レーザー素子の配設密度を高めることが難しい、すなわち光源装置を小型化することが難しいという課題がある。また、仮に何らかの手段により半導体レーザー素子の配設密度を高めることができたとしても、発熱部が高い密度で配設されることとなり、光源装置の温度が上昇し易いという課題がある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る光源装置は、各々が第1の方向に光を射出する第1の発光素子および第2の発光素子を含む複数の発光素子と、前記第1の方向に対して傾斜した第2の方向に延在しているベース部を有する基材と、を備え、前記複数の発光素子は、前記ベース部の一方側に、前記第2の方向に沿って配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、光源装置は、複数の発光素子を備えているので、高輝度の光を射出することができる。
また、複数の発光素子は、上述した基材に配置されているので、複数の発光素子の配置密度を、複数の発光素子から射出された複数の光ビームの、第1の方向に垂直な断面における密度よりも低くすることができる。よって、複数の発光素子が発する熱を、基材を介して効率良く排出することができるので、温度上昇が低減され、長寿命化が図られた光源装置を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に係る光源装置において、前記基材は、前記ベース部の前記一方側から突出している第1の凸部と第2の凸部とを含む複数の凸部を有し、前記第1の発光素子は、前記第1の凸部に設けられ、前記第2の発光素子は、前記第2の凸部に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、複数の発光素子がベース部の一方側に、第2の方向に沿って配置され、各発光素子が第1の方向に光を射出する構成を容易に実現させることができる。
[適用例3]上記適用例に係る光源装置において、前記第1の発光素子が発する光を平行化する平行化レンズをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、第1の発光素子が発する光を有効に利用することができる。
[適用例4]上記適用例に係る光源装置において、前記基材は、前記ベース部の前記一方側から突出し、前記平行化レンズの前記ベース部側への移動を規制する規制部をさらに有することが好ましい。
この構成によれば、第1の方向に直交する方向のうちの一方向において、平行化レンズを容易に所定の位置に配置できるので、光源装置製造の簡素化が可能となる。
[適用例5]上記適用例に係る光源装置において、前記ベース部の他方側に設けられ、前記ベース部の熱を受熱する受熱部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、光源装置は、複数の発光素子で発生し、ベース部に伝わった熱を効率良く放熱させることができる。よって、温度上昇をさらに低減し、劣化を抑えた光源装置の提供が可能となる。また、複数の発光素子をより高密度に配置することが可能となる。さらに、より高輝度の光を射出する発光素子を搭載した光源装置の提供が可能となる。
[適用例6]上記適用例に係る光源装置において、前記ベース部は、前記受熱部が配置された放熱面を有し、前記放熱面は、前記第2の方向と平行であることが好ましい。
この構成によれば、第2の方向に沿って配置される複数の発光素子は、各々が放熱面に対して略同じ距離に位置することとなる。これによって、各発光素子から受熱部への熱の伝わり方が略同等になるので、各発光素子の温度上昇を小さいバラツキで低減することが可能となる。
[適用例7]上記適用例に係る光源装置において、前記基材は、基材本体、および前記基材本体と前記第1の発光素子との間に配置された温度緩衝部材、を有し、前記温度緩衝部材は、前記発光素子の熱膨張係数と前記基材本体の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有していることが好ましい。
この構成によれば、熱伝導率が高い、すなわち、放熱性が良好な部材で基材本体を形成しても、発熱によって生じる形状変化による発光素子と基材本体との間の応力を、温度緩衝部材によって緩和することができる。よって、発光素子の基材への安定した配置が可能となる。
[適用例8]本適用例に係る照明装置は、上記に記載の光源装置と、前記光源装置から射出された光によって励起され、可視光を発する蛍光体と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、照明装置は、上述した光源装置を備えるので、長期に亘って照明対象を高輝度で照明することや、小型化が可能となる。
[適用例9]本適用例に係るプロジェクターは、上記に記載の光源装置と、前記光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、プロジェクターは、上述した光源装置を備えるので、明るい画像を安定して投写することや、小型化が可能となる。
[適用例10]本適用例に係るプロジェクターは、上記に記載の照明装置と、前記照明装置から射出された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、プロジェクターは、上述した照明装置を備えるので、明るい画像を安定して投写することや、小型化が可能となる。
第1実施形態に係るプロジェクターの光学系を示す模式図。 第1実施形態の光源装置を模式的に示す側面図。 第2実施形態の光源装置の斜視図。 第2実施形態の光源装置の側面図。 第2実施形態の光源装置を第1の方向に沿う方向から見た平面図。 図4におけるA部の拡大図。 第3実施形態の光源装置を模式的に示す側面図。 第4実施形態の光源装置、および光源装置に接続された冷却装置の構成を示す図。 第5実施形態の光源装置を模式的に示す側面図。 変形例の光学装置を示す模式図。
(第1実施形態)
以下、本実施形態に係る光源装置、照明装置、およびプロジェクターについて、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜異ならせてある。
〔プロジェクターの主な構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の光学系を示す模式図である。
プロジェクター1の光学系は、図1に示すように、照明装置100、色分離光学系200、光変調装置としての液晶ライトバルブ400R,400G,400B、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム500、および投写光学装置600を備える。なお、図示は省略するが、プロジェクター1は、上述した光学系に加え、プロジェクター1の動作を制御する制御部、照明装置100や制御部に電力を供給する電源装置、液晶ライトバルブ400R,400G,400Bや電源装置を冷却する冷却装置、およびこれらの装置を内部に収納する外装筐体を備えている。
照明装置100は、光源装置10、集光光学系20、蛍光体42を有する波長変換素子40、コリメート光学系60、レンズアレイ120,130、偏光変換素子140、および重畳レンズ150を備えている。
光源装置10は後で詳細に説明するが、基材7、基材7に配置された複数の発光素子8、および各発光素子8の光射出側に配置された複数の平行化レンズ9を備える。
本実施形態の発光素子8は、半導体レーザーであり、蛍光体42を励起させる光(例えば、青色光)を射出する。平行化レンズ9は、発光素子8から射出された光を平行化する。
集光光学系20は、光源装置10から射出された光を集光する。
波長変換素子40は、円板41、円板41上の円周方向に設けられた蛍光体42、および円板41を回転させるモーター43を備える。
円板41は、発光素子8から射出された光を透過する部材、例えば、石英ガラス、水晶や、サファイア等により形成されている。
蛍光体42は、円板41の集光光学系20とは反対側に設けられ、集光光学系20により集光された光の焦点位置と重なるように配置されている。蛍光体42は、光源装置10から射出された光(青色光)の一部を透過させるとともに、残部を吸収し可視光(本実施形態では黄色光)を発する。蛍光体42から射出される光は、青色光と黄色光とが合成された白色光を成している。
コリメート光学系60は、蛍光体42から発せられる光の広がりを抑える第1レンズ62と、第1レンズ62から入射される光を平行化する第2レンズ64とを備え、全体として蛍光体42から射出された光を平行化する。
レンズアレイ120は、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有しており、コリメート光学系60から射出された光を複数の部分光に分割する。レンズアレイ130は、レンズアレイ120と略同様の構成を有しており、重畳レンズ150とともに、複数の部分光を液晶ライトバルブ400R,400G,400Bの表面に略重畳させる。偏光変換素子140は、レンズアレイ130から射出された非偏光を液晶ライトバルブ400R,400G,400Bで利用可能な直線偏光に変換する。
色分離光学系200は、ダイクロイックミラー210,220、ミラー230,240,250、フィールドレンズ300R,300G,300B、リレーレンズ260,270を備える。
ダイクロイックミラー210は、照明装置100から射出された光Lのうち、緑色光(G光)および青色光(B光)を反射し、赤色光(R光)を透過させる。ダイクロイックミラー220は、ダイクロイックミラー210で反射した光のうちのG光を反射し、B光を透過させる。
ダイクロイックミラー210を透過したR光は、ミラー230で反射してフィールドレンズ300Rにて平行化された後、液晶ライトバルブ400Rに入射する。ダイクロイックミラー210で反射したG光は、フィールドレンズ300Gにて平行化された後に、液晶ライトバルブ400Gに入射する。ダイクロイックミラー220を透過したB光は、リレーレンズ260を通りミラー240で反射した後、リレーレンズ270を通りミラー250で反射してフィールドレンズ300Bに入射する。フィールドレンズ300Bに入射したB光は、平行化された後に、液晶ライトバルブ400Bに入射する。
液晶ライトバルブ400R,400G,400Bは、例えば透過型液晶ライトバルブであり、図示しないケーブルを介して制御部に接続されている。液晶ライトバルブ400R,400G,400Bは、供給された画像信号に基づいて、色分離光学系200から射出された各色光を変調し、各色の画像光を形成する。
クロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム500は、液晶ライトバルブ400R,400Bそれぞれにて変調されたR光およびB光を反射し、液晶ライトバルブ400Gにて変調されたG光を透過して、3色の画像光を合成する。
投写光学装置600は、複数のレンズ(図示省略)を有して構成され、クロスダイクロイックプリズム500にて合成された光を投写面SCR上に拡大投写する。
〔光源装置の構成〕
ここで、光源装置10について詳細に説明する。
図2は、光源装置10を模式的に示す側面図である。
光源装置10は、前述したように、基材7、複数の発光素子8、および複数の平行化レンズ9を備えている。図2に示すように、複数の発光素子8各々は、第1の方向D1に光を射出するように配置される。
基材7は、銅やコバール等の材料で形成されており、ベース部71、およびベース部71の一方側から突出する第1の凸部721と第2の凸部722とを含む複数の凸部72を有している。
ベース部71は、第1の方向D1に対して傾斜した第2の方向D2に延在しており、一方側に第1面71Aを有し、第1面71Aとは反対側となる他方側に第2面71Bを有している。ベース部71は、全体として第2の方向D2に延在する形状であれば、第1面71Aおよび第2面71Bが第2の方向D2に平行な形状(第2の方向D2に直交する方向の厚みが均一な形状)はもとより、一端側の厚みと、他端側の厚みとが異なる楔状でもよい。また、第1面71Aあるいは第2面71Bに凹凸を有してもよい。
複数の凸部72は、図2に示すように、ベース部71の一方側である第1面71Aから突出しており、第2の方向D2に沿って設けられている。各凸部72は、側面視三角形状に形成され、第1の方向D1に平行で発光素子8が配置される配置面72aを備えている。また、図示は省略するが、各凸部72は、第1面71Aに平行で、第2の方向D2に直交する第3の方向に延在しており、各配置面72aに複数の発光素子8が配置可能である。
複数の発光素子8は、第1の発光素子81と、第2の発光素子82とを含んでいる。複数の発光素子8の中では、第1の発光素子81と、第2の発光素子82とは、第2の方向D2に互いに隣り合っている。第1の発光素子81は、第1の凸部721の配置面72aに複数設けられ、第2の発光素子82は、第2の凸部722の配置面72aに複数設けられている。このように、複数の発光素子8は、ベース部71の第1面71A側に、第2の方向および第3の方向に沿ってマトリクス状に配置されている。
複数の平行化レンズ9は、複数の発光素子8に個別に対応して設けられ、第1の発光素子81の光射出側に配置された第1の平行化レンズ91と、第2の発光素子82の光射出側に配置された第2の平行化レンズ92とを含んでいる。このように、複数の平行化レンズ9は、複数の発光素子8と同様に、第2の方向および第3の方向に沿ってマトリクス状に配置されている。そして、一つの平行化レンズ9は、対応している発光素子8から射出された光を平行化する。また、図示は省略するが、複数の平行化レンズ9のうち、第3の方向に互いに隣り合っている複数の平行化レンズ9は、隣り合う平行化レンズ9同士が接合されてレンズアレイとして構成されている。
ここで、第2の方向D2が第1の方向D1に対して傾斜しているとは、第1の方向D1と第2の方向D2のなす角度(傾斜角θ(図2参照))が0°より大きく、90°より小さいことを意味する。
図2に示したように、第2の方向D2における第1の発光素子81と第2の発光素子82との間隔を7Mとし、第1の方向D1と垂直な方向における、第1の発光素子81から射出された光ビームの主光線と第2の発光素子82から射出された光ビームの主光線との間隔を8Mとする。傾斜角θを90°よりも小さくすることにより、間隔8Mを間隔7Mよりも小さくすることができる。すなわち、ベース部71上での複数の発光素子8の配置密度ρ2を、複数の発光素子8から射出された複数の光ビームの、第1の方向D1に垂直な断面における密度ρ1よりも低くすることができる。これにより、複数の発光素子8が発した熱を、基材7を介して効率良く排出することができる。
傾斜角θが小さい方が密度ρ1と配置密度ρ2の差が大きく、傾斜角θは45°以下が好ましい。しかし、傾斜角θが小さすぎると、第2の発光素子82から射出された光が、第1の発光素子81に対応している第1の平行化レンズ91と干渉してしまう。そのため、当該干渉が起こらないように傾斜角を設定する必要がある。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)光源装置10は、複数の発光素子8を備えているので、高輝度の光を射出することができる。
また、光源装置10は、複数の発光素子8から射出された複数の光ビームの密度よりも複数の発光素子8、すなわち発熱部の配置密度の方が低いので、複数の発光素子8が発する熱を、基材7を介して効率良く放熱させることができる。よって、温度上昇が低減され、長寿命化が図られた光源装置10を提供することができる。
(2)光源装置10は、温度上昇が低減されるので、複数の発光素子8を配置する密度を高めることができる。よって、光源装置10の小型化が可能となる。
(3)基材7の一方側には、各々が配置面72aを有する複数の凸部72が設けられているので、複数の発光素子8が第2の方向D2に沿って配置され、各発光素子8が第1の方向D1に光を射出する構成を容易に実現させることができる。
(4)光源装置10は、複数の発光素子8に個別に対応する複数の平行化レンズ9を備えているので、各発光素子8が発する光を有効に利用して集光光学系20に射出することができる。
(5)照明装置100は、光源装置10を備えるので、長期に亘って液晶ライトバルブ400R,400G,400Bを高輝度で照明することや、小型化が可能となる。
(6)プロジェクター1は、光源装置10を備えるので、明るい画像を安定して投写することや、小型化が可能となる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係る光源装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図3は、本実施形態の光源装置110の斜視図である。図4は、本実施形態の光源装置110の側面図である。図5は、本実施形態の光源装置110を第1の方向D1に沿う方向から見た平面図である。
本実施形態の光源装置110は、図3、図4に示すように、第1実施形態の基材7とは異なる基材17を備えている。
基材17は、図3、図4に示すように、基材本体17Xおよび複数の温度緩衝部材17Yを備えている。
基材本体17Xは、第1実施形態のベース部71と同様なベース部171および複数の凸部72と同様な複数の凸部172を備え、第1実施形態の基材7が有していない複数の規制部173を有している。
ベース部171は、第1の方向D1に対して傾斜する第2の方向D2に延在しており、第1面171A、および第2面171Bを有している。
複数の凸部172は、第1の凸部1721と第2の凸部1722とを含んでおり、ベース部171の第1面171A側に第2の方向D2に沿って設けられている。各凸部172は、図3に示すように、第1面171Aに平行で、第2の方向D2に直交する第3の方向D3に延在している。
図6は、図4におけるA部の拡大図である。
凸部172は、図6に示すように、第1の方向D1に平行な配置面172aを有している。
複数の規制部173は、図3、図4に示すように、凸部172と同様に、第1面171Aから突出し、第2の方向D2に沿って凸部172と交互に形成されている。各規制部173は、凸部172と同様に、第3の方向D3に延在しており、第1の方向D1に沿う端面173aを有している。各端面173aは、各平行化レンズ9のベース部171側への移動を規制するように設定されている。
温度緩衝部材17Yは、基材本体17Xと発光素子8との間に配置されている。具体的には、温度緩衝部材17Yは、配置面172aと発光素子8との間に配置されている。温度緩衝部材17Yは、発光素子8の熱膨張係数と凸部172の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する。温度緩衝部材17Yとしては、例えば、熱膨張係数が約3.17×10-6/Kの発光素子8、銅(熱膨張係数が約16.6×10-6/K)製の凸部172を用いた場合、窒化アルミ(熱膨張係数が約4.6×10-6/K)等を用いることができる。
図3に示すように、一つの凸部172の配置面172aには、複数の温度緩衝部材17Yが設けられている。なお、基材17は、基材本体17Xが少なくともベース部171の他方側(第2面171B側)を形成し、温度緩衝部材17Yが配置面172aと複数の発光素子8との間に配置されていれば良い。例えば、一つの配置面172aに設けられている複数の温度緩衝部材17Yは、一体に形成されていてもよい。
各発光素子8は、図6に示すように、温度緩衝部材17Y上に配置され、複数の発光素子8は、第2の方向D2および第3の方向に沿ってマトリクス状に配置されている。
複数の平行化レンズ9は、複数の発光素子8に個別に対応して設けられ、図5に示すように、マトリクス状に配置されている。
第3の方向D3に沿って複数配置され、互いに隣り合う平行化レンズ同士が接合されたレンズアレイは、図6に示すように、端面173aによってベース部171側への移動が規制されるように、端面173a上に配置されている。
以上説明したように、本実施形態の光源装置110によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ベース部171には、平行化レンズ9のベース部171側への移動を規制する規制部173が設けられている。これによって、第1の方向D1に直交する方向のうちの一方向において、平行化レンズ9を容易に所定の位置に配置できるので、光源装置110製造の簡素化が可能となる。
(2)基材17は、基材本体17X、および基材本体17Xと発光素子8との間に配置された温度緩衝部材17Yを有する。温度緩衝部材17Yは、発光素子8の熱膨張係数と凸部172の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有している。これによって、熱伝導率が高い、すなわち、放熱性が良好な部材で基材本体17Xを形成しても、発熱によって生じる形状変化による発光素子8と凸部172との間の応力を緩和することができる。よって、発光素子8の基材17への安定した配置が可能となる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態に係る光源装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図7は、本実施形態の光源装置310を模式的に示す側面図である。
本実施形態の光源装置310は、図7に示すように、第1実施形態の光源装置10には備えられていない受熱部としてのヒートシンク3を備えている。
ヒートシンク3は、例えば、アルミニウム等の材料で形成され、ベース部71の凸部72が設けられた一方側(第1面71A)とは反対側となる他方側(第2面71B)に配置され、ベース部71の熱を受熱する。ヒートシンク3は、平面視矩形状のベース板31、および複数のフィン部32を有し、ベース板31が放熱面としての第2面71Bに接するように取り付けられている。なお、第2面71Bとベース板31との間に熱伝導性が良好なグリス等を介在させてもよい。
複数のフィン部32は、ベース板31からベース部71とは反対側に立設している。
ヒートシンク3は、複数の発光素子8からベース部71に伝わった熱を受熱して放熱する。
また、ベース部71は、第1面71Aおよび第2面71Bが第2の方向D2に平行となるように形成されることが好ましい。これによって、各発光素子8からヒートシンク3への熱の伝わり方が略同等になるので、各発光素子8は、小さなバラツキで温度上昇が低減される。
ここで、ヒートシンク3を備えた光源装置310において、発光素子8の発光に伴う温度シミュレーション結果の一例を、ベース部71が傾斜していない本実施形態の構成とは異なる構成(傾斜角θが90°、図示省略)の光源装置Xと比較して説明する。
シミュレーションで用いた光源装置310,Xでは、発熱量8.5Wの複数の発光素子8が第1の方向D1から見て5個×5個のマトリクス状に配置されている。また、第1の方向D1と垂直な断面において、複数の発光素子8から射出された複数の光ビーム各々の主光線は、100mm2の矩形の領域に分布している。また、ベース部71は、第1面71Aおよび第2面71Bが第2の方向D2に平行となるように形成されている。
シミュレーション結果では、環境温度25度において、光源装置Xの温度Txは、約150°Cとなった。
一方、本実施形態の光源装置310の温度Taは、環境温度25度において、傾斜角θが約27°の場合、約118°Cとなり、傾斜角θが約18°の場合、約114°Cとなった。すなわち、光源装置Xに対する光源装置310の温度低減率ΔT(=(1−(Ta−25)/(Tx−25))×100)は、傾斜角θが約27°の場合、約25%、傾斜角θが約18°の場合、約30%となる。なお、プロジェクター1がヒートシンク3に空気を送風する送風ファンを備える構成とすれば、放熱効果はより顕著なものとなるため、さらに光源装置310の温度を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の光源装置310によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)光源装置310は、ベース部71の複数の発光素子8が配置された側とは反対側にヒートシンク3が配置されているので、複数の発光素子8で発生し、ベース部71に伝わった熱を効率良く放熱させることができる。よって、温度上昇をさらに低減し、劣化を抑えた光源装置310の提供が可能となる。また、複数の発光素子8をより高密度に配置することが可能となる。さらに、より高輝度の光を射出する発光素子8を搭載した光源装置310の提供が可能となる。
(2)ベース部71の第1面71Aおよび第2面71Bが第2の方向D2に平行となるように形成された場合には、第2の方向D2に沿って配置される複数の発光素子8は、各々が第2面71B(放熱面)に対して略同じ距離に位置することとなる。これによって、各発光素子8からヒートシンク3への熱の伝わり方が略同等になるので、各発光素子8の温度上昇を小さいバラツキで低減することが可能となる。よって、さらに劣化を抑えた光源装置310の提供が可能となる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態に係る光源装置およびプロジェクターについて、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図8は、本実施形態の光源装置410、および光源装置410に接続された冷却装置5の構成を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の光源装置410は、第1実施形態の光源装置10には備えられていない受熱部としての熱交換器411を備え、本実施形態のプロジェクターは、この熱交換器411に接続される冷却装置5を備えている。
熱交換器411は、略直方体状の外形を有し、内部に液体が流通する複数の微細な流路(図示省略)、およびこの流路に連通する流入口、流出口(いずれも図示省略)が設けられている。熱交換器411内を流れる液体としては、水やプロピレングリコール等を例示することができる。熱交換器411は、図8に示すように、ベース部71の第2面71Bに配置され、ベース部71の熱を内部に流れる液体に伝える。
冷却装置5は、図8に示すように、ポンプ51、タンク52、放熱部53、および複数の流通管54を備える。冷却装置5は熱交換器411とで液体が循環する環状の流路を形成する。
ポンプ51は、2本の流通管54を介してタンク52および熱交換器411の流入口と接続されており、環状の流路に沿って液体を循環させる。具体的に、ポンプ51から送られた液体は、熱交換器411、放熱部53、タンク52、ポンプ51の順で循環する。
タンク52は、2本の流通管54を介してポンプ51および放熱部53と接続されている。タンク52は、液体を貯留し、環状の流路にこの液体を供給する。
放熱部53は、詳細な説明は省略するが、吸熱部、ペルチェ素子等の熱電変換素子、およびヒートシンク等を備え、2本の流通管54を介してタンク52および熱交換器411の流出口と接続されている。吸熱部は、熱交換器411内の液体に伝導された熱を吸熱し、熱電変換素子を介してヒートシンクに伝導させる。このようにして、発光素子8で発生した熱は放熱部53から排出される。
このように、光源装置410は、熱交換器411を備え、液体を用いた冷却装置5によって冷却される。
以上説明したように、本実施形態の光源装置410によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)光源装置410は、液体が流通する熱交換器411を有しているので、さらに効率良く冷却される。これによって、さらに多くの数の発光素子8を搭載し、さらに高輝度の光を射出する光源装置410の提供が可能となる。
(2)冷却装置5は、熱交換器411との接続、および各装置(ポンプ51、タンク52、放熱部53)間の接続が複数の流通管54で行われる構成であり、配置される自由度が高い。従って、光源装置410近傍のスペースに限らず、プロジェクター内のスペースを有効に利用した配置が可能である。よって、小型化が可能なプロジェクターの提供が可能となる。
(第5実施形態)
以下、第5実施形態に係る光源装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
第1実施形態の光源装置10は、発光素子8として半導体レーザーを用いているが、本実施形態の光源装置510は、発光素子18としてLED(Light Emitting Diode)を用いている。
図9は、本実施形態の光源装置510を模式的に示す側面図である。
光源装置510は、図9に示すように、基材37、第1の方向D1に光を射出する複数の発光素子18、および複数の平行化レンズ19を備えている。
基材37は、図9に示すように、第1の方向D1に対して傾斜した第2の方向D2に延在するベース部371、およびベース部371の一方側(第1面371A側)から突出する第1の凸部3721と第2の凸部3722とを含む複数の凸部372を有している。
複数の凸部372は、図9に示すように、第2の方向D2に沿って設けられており、各々が側面視三角形状に形成されている。各凸部372は、第1の方向D1に直交し、発光素子18が配置されている配置面372aを有している。また、図示は省略するが、各凸部372は、第1面371Aに平行で、第2の方向D2に直交する第3の方向に延在している。各々の配置面372aに複数の発光素子18が配置可能である。
複数の発光素子18は、第1の発光素子181と、第2の発光素子182とを含んでいる。また、第1の発光素子181は、第1の凸部3721の配置面372aに複数配置され、第2の発光素子182は、第2の凸部3722の配置面372aに複数配置されている。このように、複数の発光素子18は、第2の方向および第3の方向に沿ってマトリクス状に配置されている。
発光素子18としては、蛍光体を励起させる光(例えば、青色光や紫外光等)を射出するLEDや、照明対象を照明する色光(例えば、赤色光、緑色光、青色光等)を射出するLEDを用いることができる。
複数の平行化レンズ19は、複数の発光素子18に個別に対応して設けられている。
以上説明したように、本実施形態の光源装置510によれば、第1実施形態の光源装置10と同様の効果を得ることができる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
図10は、変形例の光源装置610を示す模式図である。
光源装置610は、図10に示すように、基材47、複数の発光素子8、および複数の平行化レンズ9に加えて複数のミラー61Mを備えている。光源装置610は、発光素子8から射出された光の方向がミラー61Mによって変えられるように構成されている。
基材47は、図10に示すように、ベース部471、およびベース部471の第1面471Aから突出し、第2の方向D2に沿って設けられた複数の凸部472を有している。
各ミラー61Mは、第1面471A上の互いに隣り合う凸部472の間に設けられている。本変形例では、ミラー61Mの反射面は第1面471Aと平行であるが、必ずしも平行でなくてもよい。
凸部472には、ミラー61Mが配置された側の角部に第2の方向に対して傾斜し、発光素子8が配置される配置面472aが形成されている。
発光素子8は、配置面472aに配置され、ミラー61M(第1面471A)に向かって第1の方向D1に光を射出する。すなわち、ベース部471は、第1の方向D1に対して傾斜した第2の方向に延在している。
平行化レンズ9は、発光素子8とミラー61Mとの間に配置される。
この変形例においても、図10に示すように、複数の発光素子8から射出された複数の光線束の密度よりも複数の発光素子8、すなわち発熱部の配置密度の方が低いので、発光素子8が発した光の方向を変えつつ、温度上昇が低減された光源装置610の提供が可能となる。
ベース部71の第2面71B側に配置される受熱部として、ヒートパイプを用いてもよい。ヒートパイプは、内部に作動液を収容し、第1の端部がベース部71に接続され、第2の端部には例えばヒートシンクが接続される。そして、ヒートパイプは、ベース部71の熱を第1の端部で受熱して、作動液を還流させることにより第2の端部に熱を移動させる。そして、第2の端部に移動した熱は、ヒートシンクで放熱される。
前記実施形態の光源装置10は、青色光を射出する発光素子8を備えているが、青色光に限らず、他の波長帯の光、例えば、紫外光を発する発光素子を備えた光源装置を構成してもよい。
また、前記実施形態の照明装置100は、黄色光を発する蛍光体42を備えているが、黄色光に限らず他の可視光を発する蛍光体を備えた照明装置を構成してもよい。
半導体レーザーを発光素子とする第1の光源装置と、LEDを発光素子とする第2の光源装置とを備える照明装置をプロジェクター用の照明装置として構成してもよい。例えば、第1の光源装置が射出する紫外光により蛍光体を黄色光に発光させる。この黄色光をR光とG光とに分離して液晶ライトバルブ400R,400Gをそれぞれ照明し、光源装置510が射出するB光で液晶ライトバルブ400Bを照明する形態が可能である。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブ400R,400G,400Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブを用いたものであってもよい。また、光変調装置としてマイクロミラー型の光変調装置、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものであってもよい。
前記実施形態の光変調装置は、R光、G光、およびB光に対応する3つの光変調装置を用いるいわゆる3板方式を採用しているが、これに限らず、単板方式を採用してもよく、あるいは、2つまたは4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも適用できる。
上記実施形態では本発明による光源装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1…プロジェクター、3…ヒートシンク(受熱部)、5…冷却装置、7,17,37,47…基材、8,18…発光素子、9,19…平行化レンズ、10,110,310,410,510,610…光源装置、17X…基材本体、17Y…温度緩衝部材、71,171,371,471…ベース部、71A,171A,371A,471A…第1面、71B,171B…第2面、72,172,372,472…凸部、81,181…第1の発光素子、82,182…第2の発光素子、100…照明装置、173…規制部、400B,400G,400R…液晶ライトバルブ(光変調装置)、411…熱交換器(受熱部)、600…投写光学装置、721,1721,3721…第1の凸部、722,1722,3722…第2の凸部、D1…第1の方向、D2…第2の方向、θ…傾斜角。

Claims (10)

  1. 各々が第1の方向に光を射出する第1の発光素子および第2の発光素子を含む複数の発光素子と、
    前記第1の方向に対して傾斜した第2の方向に延在しているベース部を有する基材と、
    を備え、
    前記複数の発光素子は、前記ベース部の一方側に、前記第2の方向に沿って配置されていることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置であって、
    前記基材は、前記ベース部の前記一方側から突出している第1の凸部と第2の凸部とを含む複数の凸部を有し、
    前記第1の発光素子は、前記第1の凸部に設けられ、
    前記第2の発光素子は、前記第2の凸部に設けられていることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光源装置であって、
    前記第1の発光素子が発する光を平行化する平行化レンズをさらに備えることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項3に記載の光源装置であって、
    前記基材は、
    前記ベース部の前記一方側から突出し、前記平行化レンズの前記ベース部側への移動を規制する規制部をさらに有することを特徴とする光源装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光源装置であって、
    前記ベース部の他方側に設けられ、前記ベース部の熱を受熱する受熱部をさらに備えることを特徴とする光源装置。
  6. 請求項5に記載の光源装置であって、
    前記ベース部は、前記受熱部が配置された放熱面を有し、
    前記放熱面は、前記第2の方向と平行であることを特徴とする光源装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の光源装置であって、
    前記基材は、基材本体、および前記基材本体と前記第1の発光素子との間に配置された温度緩衝部材、を有し、
    前記温度緩衝部材は、前記発光素子の熱膨張係数と前記基材本体の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有していることを特徴とする光源装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出された光によって励起され、可視光を発する蛍光体と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
  10. 請求項8に記載の照明装置と、
    前記照明装置から射出された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、
    を備えることを特徴とするプロジェクター。
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