JP2017026520A - 電子機器、高度算出プログラム、及び高度算出方法 - Google Patents

電子機器、高度算出プログラム、及び高度算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネットワーク接続、ユーザー入力、又は、気温測定を行わずとも気圧高度計測の精度低下を抑えること。【解決手段】電子機器は、気圧を検出する気圧センサーと、測位用衛星から測位用信号を受信する受信部と、緯度と気温との関係を示す情報を予め記憶する記憶部と、前記気圧と、前記測位用信号に基づいて算出される緯度と、前記情報とを用いて、高度を算出するプロセッサーと、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器、高度算出プログラム、及び高度算出方法に関する。
登山などでは、ユーザーが現在の高度を知るために気圧高度計が広く用いられている。気圧高度計は、標高が高い地点ほど大気圧が低いという事実に基づく変換式(測高公式)へ大気圧の実測値を当てはめることにより現在の高度を推測するものである。
しかし、変換式のパラメーターは、気象条件が一定の下でしか使用できないため、例えば1時間ごとなどの一定の頻度で(又は必要が生じたタイミングで)気圧高度計測のキャリブレーションを行う必要がある。
なお、本明細書では、気圧センサーを用いた高度計測を「気圧高度計測」と称し、気圧センサーの出力を高度へ変換する変換特性(変換パラメーター)の設定又は調整を、適宜、「気圧高度計測のキャリブレーション」、「気圧高度変換のキャリブレーション」、「変換部のキャリブレーション」、又は「キャリブレーション」と称す。
キャリブレーションには、一般に、気圧高度計測の対象となる地点の気温又は海面気温が用いられる。特許文献1には、気象情報サーバーからネットワーク経由で配信された気温を用いる携帯端末装置や、別の機器が検出した気温を携帯端末装置へユーザーが入力する携帯端末装置が開示されている。
特開2008−24167号公報
しかし、この携帯端末装置は、ネットワーク接続又はユーザー入力を要するため、例えば登山中にネットワーク接続できない状況やユーザーが装置を操作できない状況では、キャリブレーションを適正に行うことができずに気圧高度計測の精度が低下する。
また、携帯端末装置に温度センサーを搭載して気温を測定することも考えられるが、携帯型端末に搭載された温度センサーはユーザーの身体温度の影響を強く受けるため、携帯端末装置の存在する地点の気温を正確に測定することは難しい。
本発明のいくつかの態様は、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は、気温測定を行わずとも気圧高度計測の精度低下を抑えることのできる電子機器、高度算出方法、及び高度算出プログラムを提供する。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例の電子機器は、気圧を検出する気圧センサーと、測位用衛星から測位用信号を受信する受信部と、緯度と気温との関係を示す情報を予め記憶する記憶部と、前記気圧と
、前記測位用信号に基づいて算出される緯度と、前記情報とを用いて、高度を算出するプロセッサーと、を含む。
記憶部は、緯度と気温との関係を示す情報を予め記憶するので、プロセッサーは、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定を行わなくとも、当該情報と緯度とから求まる気温を、高度の算出(気圧高度計測)に反映させることができる。よって、仮に、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定のできない状況にあったとしても、電子機器は、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
[適用例2]
本適用例の電子機器において、前記情報には、緯度毎の気温を格納した気温テーブル、及び、緯度と気温との関係を表す多項式の係数と、の少なくとも一方が含まれる。
記憶部が前記情報を気温テーブルとして記憶すれば、プロセッサーは、緯度に応じて気温テーブルを参照することにより、気圧高度計測に反映させるべき気温を既知とすることができる。また、記憶部が前記情報を係数として記憶すれば、プロセッサーは、係数で特定される多項式に緯度を当てはめることにより、気圧高度計測に反映させるべき気温を既知とすることができる。
[適用例3]
本適用例の電子機器において、前記情報には、所定地域における緯度毎の気温を格納した気温テーブルと、少なくとも前記所定地域とは異なる地域を含む地域の緯度と気温との関係を表す多項式の係数と、が含まれ、前記プロセッサーは、前記測位用信号に基づいて算出される位置が前記所定地域に含まれる場合には前記気温テーブルを用いて前記高度を算出し、前記位置が前記所定地域に含まれない場合には前記係数を用いて前記高度を算出する。
プロセッサーは、電子機器の存在する位置が所定地域に含まれる場合には気温テーブルを用い、所定地域に含まれない場合には多項式の係数を用いる。従って、電子機器は、電子機器の存在する位置が所定地域とは異なる地域である場合にも、気圧高度計測を行うことができる。
[適用例4]
本適用例の電子機器において、前記記憶部は、期間毎の前記情報を記憶し、前記プロセッサーは、期間毎の前記情報のうち、現在の時刻が含まれる期間の前記情報を用いて前記高度を算出する。
記憶部は、期間毎に前記情報を記憶し、プロセッサーは期間毎の前記情報のうち、現在の時刻が含まれる期間の情報を用いる。従って、電子機器は、期間によって気温の相違(例えば、四季や月数による相違)がある場合にも、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
[適用例5]
本適用例の電子機器1において、前記情報には、緯度と日中の気温との関係を示す日中用の情報と、緯度と夜間の気温との関係を示す夜間用の情報とが含まれ、前記プロセッサーは、現在の時刻が日中である場合には、前記日中用の情報を用いて前記高度を算出し、前記現在の時刻が日中でない場合には、前記夜間用の情報を用いて前記高度を算出する。
プロセッサーは、現在の時刻が日中である場合には日中用の前記情報を用い、夜間である場合には夜間用の前記情報を用いる。従って、電子機器は、日中の気温と夜間の気温と
の相違を考慮した気圧高度計測を行うことができる。
[適用例6]
本適用例の電子機器において、前記プロセッサーは、現在の時刻が日中であるか否かに応じて、前記情報又は前記情報を用いて算出される気温を、補正する。
プロセッサーは、現在の時刻が日中に含まれるか否かに応じて、前記情報又は前記情報を用いて算出される気温を補正する。従って、記憶部が日中用の前記情報と夜間用の前記情報とを別々に記憶せずとも、電子機器は、日中の気温と夜間の気温との相違を考慮した気圧高度計測を行うことができる。
[適用例7]
本適用例の電子機器において、前記多項式は、2次の多項式である。
2次の多項式の係数の数は、通常は「3」である。よって、前記記憶部は前記情報として3種類の前記係数を記憶すればよい。
[適用例8]
本適用例の電子機器において、前記プロセッサーは、前記日中であるか否かを、日の出時刻及び日の入り時刻を用いて判定する。
プロセッサーは、日の出時刻と日の入り時刻とを用いるので、例えば常に同じ時間帯を日中と仮定する場合よりも、現在の時刻が日中であるか否かを正確に判定することができる。従って、電子機器は、気温に対する太陽の運動の影響を考慮した、より精度低下が抑えられた気圧高度計測を行うことができる。
[適用例9]
本適用例の電子機器において、前記プロセッサーは、前記気圧を前記高度に変換する変換部122と、前記測位用信号に基づいて算出される前記緯度と前記情報とを用いて前記変換部のキャリブレーションを行うキャリブレーション部と、を含む。
キャリブレーション部は、前記情報と、測位用信号に基づいて算出される緯度とを用いて、気圧を高度に変換する変換部のキャリブレーションを行う。従って、電子機器は、前記情報によってキャリブレーションの精度を高めることにより、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
[適用例10]
本適用例の電子機器は、携帯型の電子機器である。
本適用例の電子機器は携帯型なので、仮に温度センサーを搭載しても、ユーザーの体温の影響を受け易いため、電子機器の存在する地点の気温を正確に測定することが難しい。しかし、前記プロセッサーは、温度センサーではなく前記記憶部が予め記憶した前記情報を用いるので、体温の影響を受けずに気温を算出することができる。従って、電子機器は、携帯型であるにもかかわらず、ユーザーの体温の影響を受けずに気圧高度計測をすることができる。
[適用例11]
本適用例の高度算出方法は、気圧を検出することと、測位用衛星から測位用信号を受信することと、前記気圧と、前記測位用信号に基づいて算出される緯度と、予め記憶された、緯度と気温との関係を示す情報とを用いて、高度を算出することと、を含む。
緯度と気温との関係を示す情報は予め記憶されるので、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定を行わなくとも、当該情報と緯度とから求まる気温を、高度の算出(気圧高度計測)に反映させることができる。よって、仮に、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定のできない状況にあったとしても、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
[適用例12]
本適用例の高度算出プログラムは、気圧センサーによって検出された気圧と、測位用衛星から受信した測位用信号に基づいて算出される緯度と、予め記憶された、緯度と経度との関係を示す情報とを用いて、高度を算出することと、をコンピューターに実行させる。
緯度と気温との関係を示す情報は予め記憶されるので、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定を行わなくとも、当該情報と緯度とから求まる気温を、高度の算出(気圧高度計測)に反映させることができる。よって、仮に、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定のできない状況にあったとしても、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
電子機器1を含むシステムの概要を説明するための図である。 電子機器1を含むシステムの構成を説明するための機能ブロック図である。 ローカルエリアの日中用の気温テーブルを説明するための図である。 ローカルエリアの夜間用の気温テーブルを説明するための図である。 多項式の係数テーブルを説明するための図である。 或る地点における緯度と気温との関係(フィッティングされた多項式)を示すデータである。 信号処理部121の機能を説明するための機能ブロック図である。 事前準備に関する情報端末2の処理を説明するためのフローチャートである。 事前準備に関するサーバー4の処理を説明するためのフローチャートである。 ロギング処理に関する電子機器1の処理を説明するためのフローチャートである。 気圧高度計測に関する電子機器1の処理を説明するためのフローチャートである。 本実施形態における気圧高度計測の誤差と従来の気圧高度計測の誤差とを比較するための実験データである。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.電子機器の実施形態
1−1.電子機器の概要
図1は、電子機器を含むシステムの概要を説明するための図である。
図1に示すように、システムには、電子機器1と、情報端末2と、サーバー4とが備えられる。
電子機器1(電子機器の一例)は、例えば、登山などのアウトドアシーンにおいてユーザーの身体の一部へ装着される携帯情報機器である。必要なときにユーザーが目視できるよう、電子機器1の装着先は、例えば肘から手に至る部位(前腕)である。図1に示す例では、電子機器1はリスト型(腕時計型)の携帯情報機器(アウトドアウォッチ)として構成され、電子機器1の装着先は手首とされている。
電子機器1には、例えば、アウトドアウォッチとしての機能である計時機能、測位機能、コンパス機能、気圧検出機能、ナビゲーション機能などが搭載されている。以下、電子機器1が登山に適用されると仮定して説明する。
登山の事前準備では、ユーザーは、自宅や宿泊先などでスマートフォン、タブレットPC、デスクトップPC等の情報端末2を操作し、予定している登山ルートを情報端末2へ指定する。また、情報端末2は、登山ルートを包含するエリア(例えば、ローカルエリアの一部)のデータ(地図データなど)をネットワーク3経由でサーバー4からダウンロードする。ユーザーが情報端末2を電子機器1へ接続すると、情報端末2は、ダウンロードしたデータを電子機器1へ書き込む。
登山中、電子機器1の表示画面には、地図データに基づく地図(簡易的な地図)が表示され、また、ユーザーの存在する地点の緯度、経度、高度、方位などが逐次に表示される(ナビゲーション機能)。その際、電子機器1は、後述するGPS信号に基づき算出された緯度(GPS緯度)及び経度(GPS経度)を、ユーザーの存在する地点の緯度及び経度として表示し、気圧高度計測により算出された高度(気圧センサー高度)を、ユーザーの存在する地点の高度として表示する。なお、GPS高度ではなく気圧センサー高度を地点の高度とするのは、GPS高度には測位誤差が含まれるため、GPS高度よりも気圧センサー高度の方が高精度に高度を表すと考えられるからである。但し、天候等の変動によって気圧センサー高度の精度が低下する可能性がある。電子機器1は、気圧センサー高度の精度低下を防ぐため、所定時間ごと又は適当なタイミングで気圧高度計測のキャリブレーションを行う。このキャリブレーションを含む気圧高度計測の詳細は、後述する。また、電子機器1のナビゲーション機能については、公知のいずれかの方法によって実現されるので、詳細な説明を省略する。
登山中、電子機器1は、ユーザーの登山履歴(登山ログ)を記録(ロギング)する。各時刻の登山ログには、ユーザーの存在する地点の緯度、経度、高度などが含まれる。ここでは、登山ログの緯度及び経度は、GPS信号に基づき算出された緯度(GPS緯度)及び経度(GPS経度)であり、登山ログの高度は、気圧高度計測により算出された気圧センサー高度とする。登山ログの高度をGPS高度ではなく気圧センサー高度とするのは、GPS高度よりも気圧センサー高度の方が高精度に高度を表すと考えられるからである。
登山の終了後、ユーザーは、自宅や宿泊先などで情報端末2を電子機器1に接続する。情報端末2は、電子機器1に蓄積された登山ログのデータ(ログデータ)を読み出し、ネットワーク3経由でサーバー4へアップロードする。サーバー4は、アップロードされたログデータを、ユーザーの識別情報(ユーザーID)に対応付けて保管する。その後、サーバー4は、ユーザーの情報端末2からの要求に応じて、ユーザーのログデータの一部又は全部を、ネットワーク3経由で情報端末2へ送信する。よって、ユーザーは、任意のタイミングで自分の登山ログを情報端末2の表示画面で確認することができる。
1−2.システムの構成
図2は、電子機器を含むシステムの構成を説明するための機能ブロック図である。
図2に示すように、電子機器1は、GPSセンサー(受信部の一例)110、地磁気セ
ンサー111、気圧センサー112、処理部(プロセッサーの一例、コンピューターの一例)120、記憶部130、操作部150、計時部160、表示部170、音出力部180、通信部190などを含んで構成される。但し、電子機器1の構成は、これらの構成要素の一部を削除又は変更し、或いは他の構成要素を追加したものであってもよい。例えば、方位を表示する必要がない場合には、電子機器1は地磁気センサー111を備えなくてもよいし、例えば、ユーザーの体温を表示する必要がある場合や、電子機器1の温度によって電子機器1内のセンサー等を補正する必要がある場合には、電子機器1は温度センサーを備えてもよい。
GPSセンサー110は、電子機器1の位置を示す測位データ(緯度、経度、高度)を生成して処理部120へ出力するセンサーであって、例えばGPS受信機(GPS: Global Positioning System)等を含んで構成される。GPSセンサー110は、外部から到来する所定周波数帯域の電磁波を不図示のGPSアンテナで受信し、GPS衛星(測位用衛星の一例)からのGPS信号(測位用信号の一例)を抽出すると共に、当該GPS信号に基づき電子機器1の位置(緯度、経度、高度)などを示す測位データを生成する。
地磁気センサー111は、電子機器1から見た地球の磁場の方向を示す地磁気ベクトルを検出するセンサーであって、例えば、互いに直交する3つの軸方向の磁束密度を示す地磁気データを生成する。地磁気センサー111には、例えば、MR(Magnet resistive)素子、MI(Magnet impedance)素子、ホール素子などが用いられる。
気圧センサー112は、その周辺の大気圧に応じた信号を出力する(つまり気圧を検出する)素子であって、例えば、振動片の共振周波数の変化を利用する方式(振動方式)の感圧素子を有している。この感圧素子は、例えば、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の圧電材料で形成された圧電振動子であり、例えば、音叉型振動子、双音叉型振動子、AT振動子(厚みすべり振動子)、SAW共振子などが適用される。
処理部(プロセッサーの一例)120は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部120は、記憶部130に格納されたプログラムと、操作部150を介してユーザーが入力した各種のコマンドとに従い各種の処理を行う。処理部120による処理には、GPSセンサー110、地磁気センサー111、気圧センサー112、計時部160などの生成するデータに対するデータ処理(入力信号がアナログ信号である場合にはA/D変換処理も含む)が含まれる。また、処理部120による処理には、表示部170へ画像を表示させる表示処理、音出力部180に音を出力させる音出力処理などが含まれる。なお、図2に示した信号処理部121は、処理部120の機能のうち、特に気圧高度計測に関する機能を可視化したものである。信号処理部121の詳細は、後述する。
記憶部130は、例えば1又は複数のICメモリーなどにより構成され、プログラム等が記憶されるROMと、処理部120の作業領域となるRAMとを有する。なお、RAMには不揮発性のRAMも含まれ、不揮発性のRAMには、ログデータ131、ローカルエリアの日中用の気温テーブル132A(情報、テーブル、又は日中用の情報の一例)、ローカルエリアの夜間用の気温テーブル132B(情報、テーブル、又は夜間用の情報の一例)、多項式の係数テーブル133(情報又は係数の一例)などが記憶されている。なお、気温テーブル132A、132B、係数テーブル133の少なくとも1つの格納先は、ROMであってもよい。また、ROMに書き込まれたプログラムには、信号処理部121によって実行される気圧高度計測プログラム(高度算出プログラムの一例)134も含まれる。
操作部150は、例えばボタン、キー、マイク、タッチパネル、音声認識機能、加速度計によるアクション検出機能、などで構成され、ユーザーからの指示を適当な信号に変換して処理部120に送る処理を行う。
計時部160は、例えば、リアルタイムクロック(RTC:Real Time Clock)ICなどにより構成され、年、月、日、時、分、秒等の時刻データを生成して処理部120に送る。
表示部170は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、EPD(Electrophoretic Display)、タッチパネル型ディスプレイ等で構成され、処理部120からの指示に従って各種の画像を表示する。
音出力部180は、例えばスピーカー、ブザー、バイブレーターなどで構成され、処理部120からの指示に従って各種の音(又は振動)を発生させる。
通信部190は、電子機器1と情報端末2(スマートフォンなど)との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。通信部190は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wi-Fi:Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機を含んで構成される。
情報端末2は、インターネットなどのネットワーク3に接続可能なスマートフォン、タブレットPC、デスクトップPCなどの情報端末である。情報端末2には、通信部290、処理部220、記憶部230、操作部250、表示部270などが備えられる。
通信部290は、電子機器1の通信部190と通信可能な通信部であって、電子機器1と情報端末2との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。通信部290は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wi-Fi:Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、ANT+(登録商標)等の近距離無線通信規格に対応した送受信機を含んで構成される。なお、通信部290は、ネットワーク3を介してサーバー4とも通信可能であり、情報端末2とサーバー4との間のデータ通信を成立させるための各種制御も行う。
処理部220は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部220は、記憶部230に格納されたプログラムと、操作部250を介してユーザーが入力した各種のコマンドとに従い各種の処理を行う。
記憶部230は、例えば1又は複数のICメモリーなどにより構成され、プログラム等が記憶されるROMと、処理部220の作業領域となるRAMとを有する。このプログラムは、例えばインターネットなどのネットワーク3を介してサーバー4からダウンロードされたものである。
操作部250は、例えばボタン、キー、マイク、タッチパネル、音声認識機能、加速度計によるアクション検出機能、などで構成され、ユーザーからの指示を適当な信号に変換して処理部220に送る処理を行う。
表示部270は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、EPD(Electrophoretic Display)、タッチパネル型ディスプ
レイ等で構成され、処理部220からの指示に従って各種の画像を表示する。
サーバー4は、インターネットなどのネットワーク3に接続されたネットワークサーバーである。サーバー4には、通信部490、処理部420、記憶部430などが備えられる。
通信部490は、ネットワーク3を介して情報端末2と通信可能であり、情報端末2とサーバー4との間のデータ通信を成立させるための各種制御を行う。
処理部420は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部420は、例えば、電子機器1のユーザーから情報端末2及びネットワーク3を介してアップロードされたログデータをユーザー識別情報(ユーザーID)に対応付けて管理したり、電子機器1のユーザーの情報端末2に向けて必要な地図データやプログラムを提供したりする機能を有している。
記憶部430は、グローバルエリア(地球上の各エリア)の地図データを保管する。また、記憶部430は、複数のユーザーのログデータをユーザーごと(ユーザーIDごと)に保管する。図2では、本実施形態の電子機器1のユーザーのユーザーIDに対応付けられたログデータを、ログデータリスト431として可視化した。ログデータリスト431には、ユーザーに関する複数のログデータが格納されている。個々のログデータは、前述したロギングにより取得されたものである。
なお、電子機器1、情報端末2、サーバー4は、地図データやログデータを所定のフォーマットで互いに送受信する。例えば、電子機器1の処理部120は、記憶部130に格納されたログデータ131を所定のフォーマットで情報端末2へ送信し、情報端末2の処理部220は、電子機器1から受信したログデータを所定のフォーマットでサーバー4へ送信する。また、サーバー4の処理部420は、記憶部430に格納されたログデータリスト341に含まれる1又は複数のログデータを所定のフォーマットで情報端末2へ送信する。また、例えば、サーバー4の処理部420は、記憶部430に格納された地図データを所定のフォーマットで情報端末2へ送信し、情報端末2の処理部220は、地図データを所定のフォーマットで電子機器1へ送信する。なお、電子機器1、情報端末2、サーバー4の間で送受信される所定のフォーマットは、全て共通であっても、必要に応じて変換されてもよい。
1−2−1.GPSセンサーについて
GPSセンサー110受信部の一例には、不図示のアンテナで受信した高周波数信号(RF信号、RF;Radio Frequency)を中間周波数の信号にダウンコンバートし、増幅等した後、デジタル信号に変換するRF受信回路部が備えられる。
また、GPSセンサー110には、RF受信回路部からのデジタル信号(ベースバンド信号)へ相関演算等を施すベースバンド回路部が備えられる。なお、中間周波数にダウンコンバートせず、直接ベースバンド信号に変換するダイレクトコンバージョン方式を採用することもできる。
また、ベースバンド回路部は、受信した信号へ公知の相関演算を施すことで、所定の法則で符号化されたGPS信号を探索(周波数サーチ、位相サーチ)して複数のGPS衛星を捕捉し、捕捉したGPS衛星ごとに、相関値のピークが検出された位相及び周波数を見出し、その位相及び周波数を、GPS信号のコード位相及び受信周波数とする。
また、ベースバンド回路部は、捕捉したGPS信号を復号してエフェメリス(GPS衛星の軌道を表す衛星軌道情報)や時刻情報などを取得する。また、ベースバンド回路部は、取得したエフェメリスや時刻情報等を用いて公知の演算を行い、GPS衛星と電子機器1との間の擬似距離(正確にはGPS衛星とGPSセンサー110のアンテナとの間の擬似距離)、電子機器1の速度ベクトル(正確にはGPSセンサー110の速度ベクトル)、電子機器1の位置(正確にはGPSセンサー110の位置。位置には緯度、経度、高度が含まれる。)などを算出する。なお、コード位相、擬似距離、速度ベクトルも、前述した測位データの一種である。
1−2−2.日中用の気温テーブルについて
図3は、日中用の気温テーブル132Aを説明する図である。
気温テーブル132Aは、信号処理部121による気圧高度計測のキャリブレーション(図7の変換部122のキャリブレーション)を行う際に、信号処理部121のキャリブレーション部123(図7参照)によって参照されるテーブルである。気温テーブル132Aの入力は緯度であり、気温テーブル132Aの出力は日中の気温(海面気温)である。つまり、気温テーブル132Aは、電子機器1の存在する地点の緯度から、同じ地点の日中の気温を推定するために用いられる。
そこで、気温テーブル132Aには、図3に示すとおり、ローカルエリア(所定地域の一例)の日中の気温の値が緯度ごと、かつ期間ごとに(所定の期間を単位として統計処理された情報として)予め格納される。ここで、「予め格納(記憶)される」とは、気圧高度計測を開始する日時よりも前に気温テーブル132Aが格納されていることを意味する。例えば、電子機器1の工場出荷時や、登山の事前準備の際に格納されるようにするとよい。
日中の気温の値は、統計データであって、例えば、過去複数年に亘る、各期間における日中の平均海面気温の値である。海面気温とは、高度ゼロメートル地点(海抜ゼロメートル地点)における気温のことである。
ローカルエリアとは、電子機器1が使用される予定の主たるエリアのことであって、例えば、電子機器1の出荷されたエリアである。例えば、電子機器1の出荷されたエリアが「日本」であった場合、気温テーブル132Aは、例えば、日本の地上および海上における日中の海面気温の値が緯度ごとに格納されたテーブルとされる。
ここでいう「日中」とは、日の出時刻から日の入り時刻までの期間のことである。また、日の入り時刻から日の出時刻までの期間は、「夜間」である。現在の日にちの日の出時刻及び日の入り時刻は、例えば、現在の月数及び現在の日にちに基づき算出することができる。日の出時刻及び日の入り時刻の算出方法については、後述する。
気温テーブル132Aにおける緯度の刻みは、図3に示すとおり、例えば10度間隔に設定される。緯度方向の刻み(間隔)は、10度よりも大きくても小さくてもよいが、刻みが大きいほど気温テーブル132Aのデータ量を抑えることができ、刻みが小さいほどテーブルの精度(気温の推定精度)を高めることができる。
気温テーブル132Aにおける期間の刻みは、図3に示すとおり、例えば1ヶ月間隔に設定される。なお、期間の刻みは、1ヶ月より大きくても(例えば3ヶ月間隔としても)小さくても(例えば所定日数間隔としても)よいが、刻みが大きいほど気温テーブル132Aのデータ量を抑えることができ、刻みが小さいほどテーブルの精度(気温の推定精度)を高めることができる。
気温テーブル132Aにおける期間の範囲は、ローカルエリアにおける気温の変化周期と同じ(例えば1年)に設定される。
なお、ローカルエリアが四季のあるエリア(赤道から離れたエリア)であった場合、気温テーブル132Aにおける期間の刻みを四季の刻み(約3ヶ月)と同じに設定してもよいし、ローカルエリアが四季の無いエリア(赤道付近のエリアや極地方)であった場合、気温テーブル132Aにおける期間の刻みを無くしてもよい。また、期間の刻みは、均等であってもよいし、不均等であってもよい(例えば、1つのテーブルにおいて期間の刻みが1ヶ月の箇所と2ヶ月の箇所と3ヶ月の箇所とが存在してもよい。)。
1−2−3.夜間用の気温テーブルについて
図4は、夜間用の気温テーブル132Bを説明する図である。
気温テーブル132Bは、信号処理部121による気圧高度計測のキャリブレーション(図7の変換部122のキャリブレーション)を行う際に、信号処理部121のキャリブレーション部(図7の符号123)によって参照されるテーブルである。気温テーブル132Bの入力は緯度であり、気温テーブル132Bの出力は夜間の気温(海面気温)である。つまり、気温テーブル132Bは、電子機器1の存在する地点の緯度から、同じ地点の夜間の気温を推定するために用いられる。
そこで、気温テーブル132Bには、図4に示すとおり、ローカルエリア(所定地域の一例)の夜間の気温の値が緯度ごと、かつ期間ごとに予め格納される。
夜間の気温の値は、統計データであって、例えば、過去複数年に亘る、各期間における夜間の平均海面気温の値である。海面気温とは、高度ゼロメートル地点(海抜ゼロメートル地点)における気温のことである。
ローカルエリアとは、電子機器1が使用される予定の主たるエリアのことであって、例えば、電子機器1の出荷されたエリアである。例えば、電子機器1の出荷されたエリアが「日本」であった場合、気温テーブル132Bは、例えば、日本の地上及び海上における夜間の海面気温の値が緯度ごとに格納されたテーブルとされる。
ここでいう「夜間」とは、日の入り時刻から日の出時刻までの期間のことである(日の出時刻から日の入り時刻までの期間は、「日中」である。)。現在の日にちの日の出時刻及び日の入り時刻は、例えば、現在の月数及び現在の日にちに基づき算出することができる。日の出時刻及び日の入り時刻の算出方法については、後述する。
気温テーブル132Bにおける緯度の刻みは、気温テーブル132Aにおける緯度の刻みと同じ、すなわち、図4に示すとおり、例えば10度間隔に設定される。緯度方向の刻み(間隔)は、10度よりも大きくても小さくても(例えば所定日数間隔としても)よいが、刻みが大きいほど気温テーブル132Bのデータ量を抑えることができ、刻みが小さいほどテーブルの精度(気温の推定精度)を高めることができる。
気温テーブル132Bにおける期間の刻みは、気温テーブル132Aにおける期間の刻みと同じ、すなわち、図4に示すとおり、例えば1ヶ月間隔に設定される。なお、期間の刻みは、1ヶ月より大きくても(例えば3ヶ月間隔としても)小さくてもよいが、刻みが大きいほど、気温テーブル132Bのデータ量を抑えることができ、刻みが小さいほど、テーブルの精度(気温の推定精度)を高めることができる。
気温テーブル132Bにおける期間の範囲は、気温テーブル132Aにおける期間の範囲と同じ、すなわち、ローカルエリアにおける気温の変化周期と同じ(例えば1年)に設定される。
なお、ローカルエリアが四季のあるエリア(赤道から離れたエリア)であった場合、気温テーブル132Bにおける期間の刻みを四季の刻み(3ヶ月)と同じに設定してもよいし、ローカルエリアが四季の無いエリア(赤道付近のエリアや極地方)であった場合、気温テーブル132Bにおける期間の刻みを無くしてもよい。また、期間の刻みは、均等であってもよいし、不均等であってもよい(例えば、1つのテーブルにおいて期間の刻みが1ヶ月の箇所と2ヶ月の箇所と3ヶ月の箇所とが存在してもよい。)。
1−2−4.多項式の係数テーブルについて
図5は、多項式の係数テーブル133を説明する図である。
多項式の係数テーブル133は、信号処理部121による気圧高度計測のキャリブレーション(図7の変換部122のキャリブレーション)を行う際に、信号処理部121のキャリブレーション部(図7の符号123)によって参照されるテーブルである。係数テーブル133の入力は緯度であり、係数テーブル133の出力は、気温(日中と夜間とに共通の気温)である。つまり、係数テーブル133は、電子機器1の存在する地点の緯度から同じ地点の夜間又は日中の気温を推定するために用いられる。
係数テーブル133には、図5に示すとおり、グローバルエリア(所定地域とは異なる地域を含む地域の一例)の気温(海面気温)を緯度の関数で表した多項式の係数が期間ごとに格納されている。この多項式は、緯度から気温(海面気温)を推定するための式である。
多項式は、図6に示すとおり、グローバルエリアにおける気温の統計データをフィッティングすることによって得られたものである。図6の横軸は、緯度[度]であり、図6の縦軸は気温[℃]であり、図6における統計データ(各ドット)は、経度が共通かつ緯度の異なる各地点における10月の平均気温を表す。
多項式の次数は、図6の右上に示すとおり、例えば、2次である。2次の多項式は、海面気温[℃]をT、緯度[度]をφとおくと、T=aφ+bφ+cで表される。つまり、多項式は、2次の係数「a」と、1次の係数bと、ゼロ次の係数cとによって特定される。
グローバルエリアとは、少なくとも前述したローカルエリアとは異なるエリアを包含するエリアであって、例えば、地球上の全エリアである。よって、本実施形態では、電子機器1の存在する地点がローカルエリア以内に位置するときには、前述した気温テーブル132A又は気温テーブル132Bが気温の推定に使用され、電子機器1の存在する地点がローカルエリア外に位置するときには、係数テーブル133が気温の推定に使用される。なお、グローバルエリアは、地球上の一部の地域であってもよいし、地球上の一部の地域を含まなくてもよい。ローカルエリアを含んでいても、含まなくてもよいが、ローカルエリア外において係数テーブル133を使用する場合には、ローカルエリア外のエリアを含むことが好ましい。
なお、ここでは多項式の次数を2次としたが、1次としてもよいし、3次以上としてもよい。多項式の次数が低いほど係数テーブル133のデータ量を抑えることができ、気温変化の傾向によっては多項式の次数が高いほどテーブルの精度(気温の推定精度)を高めることができる。
係数テーブル133における期間の刻みは、図5に示すとおり、例えば1ヶ月間隔に設定される。なお、期間の刻みは、1ヶ月より大きくても小さくてもよいが、刻みが大きいほど、係数テーブル133のデータ量を抑えることができ、刻みが小さいほど、テーブルの精度(気温の推定精度)を高めることができる。
係数テーブル133における期間の範囲は、図5に示すとおり、グローバルエリアにおける気温の変化周期と同じ(一年)に設定される。
1−2−4.信号処理部について
図7は、信号処理部121の機能を説明するための機能ブロック図である。
図7に示すとおり、信号処理部121には、変換部122、キャリブレーション部123が備えられる。
信号処理部121には、少なくとも、気圧センサー112から出力される気圧Pと、GPSセンサー110から出力される緯度φと、GPSセンサー110から出力される経度λと、GPSセンサー110から出力される高度(GPS高度)hと、計時部160から出力される時刻t(現在の時刻の一例)と、が与えられる。ここでいう時刻tには、年数、月数、日にち、時分の情報が含まれるものとする。なお、時刻tは、年数を省略することも可能である。また、時刻tは、GPS信号から求めたGPS時刻によって適宜に補正されてもよい。
変換部122は、気圧センサー112から出力される気圧Pを所定の変換式(測高公式)へ当てはめることにより、気圧Pを気圧センサー高度hへと変換して出力する。この変換及び出力は、例えば所定の時間間隔で繰り返し行われる。よって、変換部122が出力する気圧センサー高度hは、電子機器1が存在する地点の高度をほぼリアルタイムで表す。
ここで、変換部122が使用する変換式は、例えば、以下の式(1)のとおり表される。
但し、変換式(1)におけるパラメーターPは海面気圧であり、パラメーターTは海面気温である。パラメーターP、Tの値は、必要なタイミングで、又は定期的に、キャリブレーション部123によって設定(キャリブレーション)される。
なお、変換部122から出力される気圧センサー高度hは、処理部120の記録処理部(不図示)によってログデータ131の高度として記憶部130へ書き込まれる。また、変換部122から出力される気圧センサー高度hは、処理部120の表示処理部(不図示)によって高度値を表すイメージデータに変換され、表示部170へイメージとして表示される。或いは、変換部122から出力される気圧センサー高度hは、例えば、処理部120の通知処理部(不図示)によって高度値を表す音データに変換され、音出力部180から音として出力される。
キャリブレーション部123には、気圧P、緯度φ、経度λ、GPS高度h、時刻t
が入力される。
このうち、キャリブレーション部123は、緯度φ、経度λ、時刻tなどに基づき、記憶部130に格納された気温テーブル132A、132B、係数テーブル133の何れか1つを選択すると、選択したテーブルと緯度φとに基づき海面気温Tを算出し、海面気温Tの値を変換部122へ設定する。
また、キャリブレーション部123は、気圧P、GPS高度h、海面気温Tの値を以下の換算式(2)へ当てはめることにより、海面気圧Pを算出し、海面気圧Pの値を変換部122へ設定する。
従って、キャリブレーション部123は、ユーザー入力、ネットワーク接続、又は気温測定を要しない。このため、キャリブレーション部123は、ユーザー入力、ネットワーク接続、又は気温測定のできない状況下であっても、変換部122のキャリブレーションを行うことができる。
しかも、キャリブレーション部123は、海面気温Tを算出する際、気温テーブル132A、132B、係数テーブル133を適切に使い分けることにより、海面気温Tの算出精度の低下、ひいてはキャリブレーションの精度の低下を抑える。従って、キャリブレーション部123は、気圧センサー高度hの精度低下を抑えることができる。
1−3−1.日の出時刻の計算について
以下、日の出時刻の計算方法について説明する。なお、以下の計算方法は、基本的に計算の原理を説明するものであるが、一部に近似式を用いることで、計算の負荷を抑えている。なお、計算の原理に基づく範囲で以下の計算方法をさらに近似、変形等してもよい。
入力値は、以下のとおりである。
現在の緯度:φ
現在の経度:λ
現在の年:y
現在の月数:m
現在の日にち:d
計算で使用される定数は、以下のとおりである。
太陽黄径λsの計算に利用される定数は、以下の表のとおりである。
太陽距離rの計算に利用される定数は、以下の表のとおりである。
計算に先立ち、太陽の出没時刻(日の出時刻)dの初期値を決定する。初期値はゼロでもよいし、実際に近い値でもよい。dは、0以上かつ24以下である。
計算の手順は、以下の手順(1)〜(11)である。
(1)時刻変数Tを以下の式により算出する。
K=365y+30m+d−33.5+[3×(m+1)/5]+[y/4],
T=((K+(y−1999)+64)×86400)/365.25
但し、式における記号[]はガウス記号であり、[A]はAの数値を超えない最大の整数である。また、現在の月数が「1」又は「2」の場合は、前年の13月又は14月とする。つまり、m=1又はm=2の場合は、y=y−1とし、m=13又はm=14とする。
(2)太陽黄径λsを以下の式により算出する。
λs=a00+a01・T+a02・T+a03・T+a04・T+a05・T
(a10+a11・T+a12・T+a13・T)sin(f・T+t)+
(a20+a21・T+a22・T+a23・T)sin(2f・T+t)+
(a30+a31・T+a32・T+a33・T)sin(3f・T+t
(3)太陽距離rを以下の式により算出する。
r=a+a・T+b・sin(f・T+b)+c・sin(2f・T+c)+d・sin(3f・T+d
(4)黄道傾角εを以下の式により算出する。
ε=23.439291−0.000130042T
(5)太陽赤径αを以下の式により算出する。
α=atan(tanλs・cosε)
(6)太陽赤緯σを以下の式により算出する。
σ=asin(sinλs・sinε)
(7)恒星時Θを以下の式により算出する。
Θ=100.4606+360.007700536T+0.00000003879T+λ+360d
(8)出没高度kを以下の式により算出する。
視半径S=0.266994/r
大気差R=0.585555556
赤道地平視差Π=0.002442819/r
出没高度k=−S−R+Π
(9)出没点時角tを以下の式により算出する。
=acos((sink−sinσ・sinΦ)/cosσ・cosΦ)
=−t
(10)日の出時刻を以下の式により算出する。
天体の時角t=Θ・α
補正値Δd=(t−t)/360
(11)d=d+Δdとし、|Δd|<0.00005となるまで手順(7)〜(10)を繰り返す。そして、|Δd|<0.00005となった時点におけるdの値を、日の出時刻とする。
1−3−2.日の入り時刻の計算について
日の入り時刻の計算は、日の出時刻の計算方法と同様の手順(7)〜(11)によって行うことができる。但し、手順(9)における「t=−t」の式は不要である。なお、ここで説明した計算方法は、あくまでも計算の基本であるので、実際の計算では、原理に基づく式、近似式又は変形式を用いてもよい。近似式を用いることで、計算の負荷を抑えることができる。
1−4.システムの処理
1−4−1.情報端末の処理
図8は、事前準備に関する情報端末2の処理を説明するためのフローチャートである。事前準備では、情報端末2はネットワーク3及び電子機器1に接続され、電子機器1及びサーバー4と通信が可能な状態にあるものと仮定する。以下、図8の各ステップを順に説明する。
ステップS1:情報端末2の処理部220は、情報端末2の通信部290及び電子機器1の通信部190を介して電子機器1の処理部120と通信し、電子機器1の記憶部130に蓄積されているログデータを読み出す。
ステップS2:情報端末2の処理部220は、ログデータにユーザーIDを付与したもの(ユーザーID付きのログデータ)を所定のフォーマットでサーバー4の処理部420へ送信する。この送信は、情報端末2の通信部290、ネットワーク3、サーバー4の通信部490を介して行われる。
ステップS3:情報端末2の処理部220は、予定している登山ルートなどを、サーバー4の処理部420へ通知する。この通知は、情報端末2の通信部290、ネットワーク3、サーバー4の通信部490を介して行われる。また、通知される登山ルートは、例えば、ユーザーが情報端末2に対して予め指定した登山ルートである。そして、情報端末2
の処理部220は、通知された登山ルートをカバーするエリアの地図データを、サーバー4の処理部420から受信する。この受信は、サーバー4の通信部490、ネットワーク3、情報端末2の通信部290を介して行われる。
ステップS4:情報端末2の処理部220は、受信した地図データを所定のフォーマットで電子機器1の記憶部130に書き込む。この書き込みは、情報端末2の通信部290及び電子機器1の通信部190を介して行われる。
1−4−2.サーバーの処理
図9は、事前準備に関するサーバー4の処理を説明するためのフローチャートである。事前準備では、サーバー4はネットワーク3に接続され、情報端末2と通信が可能な状態にあるものと仮定する。以下、図9の各ステップを説明する。
ステップS5:サーバー4の処理部420は、情報端末2の処理部220からユーザーID付きのログデータを受信する。この受信は、サーバー4の通信部490、ネットワーク3、情報端末2の通信部290を介して行われる。
ステップS6:サーバー4の処理部420は、受信したユーザーID付きのログデータを、記憶部430においてユーザーIDに対応付けられたログデータリスト431に書き込む。
ステップS7:サーバー4の処理部420は、情報端末2の処理部220から登山ルートの通知を受信すると、記憶部430に格納された地図データから当該登山ルートをカバーする地図データを読み出し、情報端末2の処理部220へ送信する。この送信は、サーバー4の通信部490、ネットワーク3、情報端末2の通信部290を介して行われる。
1−4−3.電子機器の処理(ロギング処理)
図10は、ロギング処理に関する電子機器1の処理を説明するためのフローチャートである。このフローは、例えば、登山の当日、ユーザーからの開始指示に応じて実行されるものであり、ロギングプログラム134に従って実行される。なお、開始指示の入力は、例えばユーザーが操作部150を操作することによって行われる。以下、図10の各ステップを順に説明する。
ステップS8:電子機器1の処理部120は、ロギングの記録時刻が到来したか否かを判定し、到来したと判定した場合(S8のY)はステップS9へ移行し、到来していないと判定した場合(S8のN)はステップS10へ移行する。なお、ロギングの記録時刻は、例えば所定の時間間隔で繰り返し到来する。この所定の時間間隔は、例えばユーザーが電子機器1へ予め指定した時間間隔である。また、時間間隔の指定は、例えばユーザーが操作部150を操作することによって行われる。
ステップS9:電子機器1の処理部120は、GPSセンサー110が出力する緯度φ、経度λと、信号処理部121が出力する気圧センサー高度hと、計時部160が出力する時刻tとを参照し、緯度φ、経度λ、高度hを時刻tに対応付けたものを最新のログデータとして記憶部130のログデータ131へ書き込む。
ステップS10:電子機器1の処理部120は、終了指示が入力されたか否かを判定し、入力されたと判定した場合(S10のY)にフローを終了し、入力されていないと判定した場合(S10のN)にステップS8に移行する。
1−4−4.電子機器の処理(気圧高度計測)
図11は、気圧高度計測に関する電子機器1の処理を説明するためのフローチャートである。このフローは、例えば、登山の当日、ユーザーからの開始指示に応じて実行されるものであり、気圧高度計測プログラム135に従って実行される。つまり、本フローは、処理部120が気圧高度計測プログラム135を読み出して実行する高度計測方法の一例である。なお、開始指示の入力は、例えばユーザーが操作部150を操作することによって行われる。以下、図11の各ステップを順に説明する。
ステップS11:電子機器1の処理部120は、GPSセンサー110の出力する緯度φ、経度λ、GPS高度hを参照する。緯度φ、経度λ、GPS高度hは、電子機器1の存在する地点の位置を表す。
ステップS12:処理部120は、気圧センサー112の出力する気圧Pを参照する。気圧Pは、電子機器1の存在する地点の気圧を表す。
ステップS13:処理部120は、気圧高度計測のキャリブレーションが必要であるか否かを判定する。例えば、処理部120は、気圧センサー高度hとGPS高度hとの差の大きさが予め決められた所定の閾値を超過した場合には、気圧センサー高度hの信頼性が低くキャリブレーションが必要と判定し、超過しない場合には、気圧センサー高度hの信頼性が高くキャリブレーションは不要と判定する。処理部120は、必要と判定した場合(S13のY)にステップS14へ移行し、不要と判定した場合(S13のN)にステップS25へ移行する。
ステップS14:処理部120のキャリブレーション部123は、緯度φ及び経度λに基づき、電子機器1の存在する地点が前述したローカルエリア以内に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合(S14のY)にステップS15へ移行し、含まれないと判定した場合(S14のN)にステップS21へ移行する。
なお、ステップS15からステップS19では、ローカルエリアの気温テーブル132A、132Bを利用したキャリブレーションが行われ、ステップS21からステップS24、ステップS18、ステップS19では、多項式の係数テーブル133を利用したキャリブレーションが行われる。
ローカルエリアの気温テーブル132A、132Bは、利用可能なエリアがローカルエリアに制限されるものの、キャリブレーションを高い精度で行うことができるという利点がある。一方、多項式の係数テーブル133は、キャリブレーションの精度は気温テーブル132A、132Bより低くなるものの、利用可能なエリアがローカルエリアに制限されないという利点がある。
ステップS15:処理部120のキャリブレーション部123は、計時部160が出力する時刻tを参照する。時刻tは、現在の年数、現在の月数、現在の日にち、現在の時分の情報を表す。そして、処理部120のキャリブレーション部123は、現在の時分が現在の日にちの日中(日の出時刻から日の入り時刻までの期間)に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合(S15のY)にはステップS16へ移行し、含まれないと判定した場合(S15のN)にはステップS17へ移行する。なお、現在の日にちの日の出時刻及び日の入り時刻を計算する方法は、前述したとおりである。
ステップS16:処理部120のキャリブレーション部123は、現在の月数と緯度φとに応じてローカルエリアの日中用の気温テーブル132Aを参照することにより、電子機器1の存在する地点の海面気温Tを算出(推定)し、ステップS18へ移行する。
ステップS17:処理部120のキャリブレーション部123は、現在の月数と緯度φとに応じてローカルエリアの夜間用の気温テーブル132Bを参照することにより、電子機器1の存在する地点の海面気温Tを算出(推定)し、ステップS18へ移行する。
ステップS18:処理部120のキャリブレーション部123は、海面気温T及びGPS高度hに基づき気圧Pを海面気圧Pに換算する。気圧Pから海面気圧Pへの換算式は、前述した式(2)のとおりである。
ステップS19:処理部120のキャリブレーション部123は、算出した海面気温T、海面気圧Pの値に基づき変換部122のキャリブレーションを行う。具体的に、処理部120のキャリブレーション部123は、算出した海面気温T、海面気圧Pの値を、変換部122で使用される変換式(1)のパラメーターT、Pへ設定する。
ステップS21:処理部120のキャリブレーション部123は、現在の月数に応じて多項式の係数テーブル133を参照することにより、海面気温Tを算出(推定)するための多項式の係数a、b、cを算出する。そして、処理部120のキャリブレーション部123は、係数a、b、cで特定される多項式へ緯度φの値を当てはめることにより、電子機器1の存在する地点の海面気温Tを算出(推定)する。
ステップS22:処理部120のキャリブレーション部123は、計時部160が出力する時刻tを参照する。時刻tは、現在の月数、現在の日にち、現在の時分の情報を表す。そして、処理部120のキャリブレーション部123は、現在の時分が現在の日にちの日中(日の出時刻から日の入り時刻までの期間)に含まれるか否かを判定し、含まれると判定した場合(S22のY)にはステップS23へ移行し、含まれないと判定した場合(S22のN)にはステップS24へ移行する。なお、現在の日にちの日の出時刻及び日の入り時刻を計算する方法は、前述したとおりである。
ステップS23:処理部120のキャリブレーション部123は、海面気温Tを例えばT=T+2の式によりプラス補正する。なぜなら、日中の気温は、平均気温よりも高い傾向にあるからである。その後、キャリブレーション部123は、ステップS18へ移行する。
ステップS24:処理部120のキャリブレーション部123は、海面気温Tを例えばT=T−2の式によりプラス補正する。なぜなら、夜間の気温は、平均気温よりも低い傾向にあるからである。その後、キャリブレーション部123は、ステップS18へ移行する。
ステップS25:処理部120は、気圧センサー高度hを参照し、気圧センサー高度hをテキストなどのイメージとして表示部170へ表示する。また、必要に応じて、処理部120は、気圧センサー高度hを音声として音出力部180に出力させる。
ステップS26:処理部120は、ユーザーからの終了指示が入力されたか否かを判定し、入力されたと判定した場合(S26のY)にフローを終了し、入力されていないと判定した場合(S26のN)にステップS11へ移行する。なお、終了指示の入力は、例えばユーザーが操作部150を操作することによって行われる。
以上のフローにおいて、ステップの順序は適宜に変更が可能である。例えばステップS11とステップS12との間で順序を入れ替えることも可能である。
1−5.気圧高度計測の精度
以下、本実施形態の気圧高度計測の精度について説明する。
図12は、本実施形態における気圧高度計測の誤差と従来の気圧高度計測の誤差とを比較するための実験データをグラフで表したものである。図12の横軸は、実験場所となった山の名前であり、図12の縦軸は気圧高度計測の誤差である。ここでは、山頂で算出された気圧センサー高度hと山頂の高度の真値との差の絶対値[m]を、気圧高度計測の誤差とした。実験の条件は、以下のとおりである。
(1)実験場所となった山は、ローカルエリア内に位置していた(つまりキャリブレーションには係数テーブルではなく気温テーブルが用いられた)。
(2)各山の登山口において高度の真値(公式な地図に示される標高)を用いたキャリブレーションを行った。より具体的には、換算式(2)のGPS高度hに高度の真値を、気圧Pに登山口で気圧センサーによって実測した気圧を、それぞれ代入して海面気圧Pの値を決定した。
(3)本実施形態における気圧高度計測(図12の「本実施形態」)では、上記(2)において海面気圧Pの値を決定する際に、気温テーブルを参照して登山口の緯度における海面気温を求め、換算式(2)の海面気温Tに代入した。気温テーブルにおける緯度方向の刻みは「7度」に設定された。
(4)「従来の気圧高度計測」(図12の「従来」)では、本実施形態の気圧高度計測において、気温テーブルで算出される気温の代わりに、温度センサーで検出される温度を用いてキャリブレーションを行った。温度センサーで検出される温度は電子機器の存在する位置における温度であるため、気温減率0.0065[℃/m]に基づく公知の換算式を用いて海面気温とし、換算式(2)の海面気温Tに代入した。
(5)リスト型の電子機器を使用し、「従来の気圧高度計測」には、リスト型の電子機器に搭載された温度センサーが用いられた。
(6)上記(2)でキャリブレーションを行った後はキャリブレーションを行わずに山頂まで移動し、「本実施形態」と「従来」のそれぞれの電子機器で変換式(1)に基づいて高度hを求め、気圧高度計測の誤差を算出した。
図12に示すとおり、山頂高度の異なる複数の山において、本実施形態の気圧高度計測の誤差は従来の気圧高度計測の誤差より小さく抑えられている。
表3は、図12に示した実験データを表にしたものである。
表3に示すとおり、従来の気圧高度計測による誤差の平均値は48.9[m]であるのに対して、本実施形態の気圧高度計測による誤差の平均値は26.4[m]である。
従来の気圧高度計測のキャリブレーションは、温度センサーの出力、特に、リスト型の電子機器に搭載された温度センサーの出力を用いるため、ユーザーの体温の影響を受ける。このため、従来の気圧高度計測のキャリブレーションは、気温誤差の影響を大きく受けたと考えられる。その結果、従来の気圧高度計測の誤差は大きくなったと思われる。
一方、本実施形態の気圧高度計測のキャリブレーションは、記憶部130に予め記憶されたデータを用いるので、ユーザーの体温の影響を受けない。このため、本実施形態の気圧高度計測のキャリブレーションは、気温誤差の影響をあまり受けなかったと考えられる。その結果、本実施形態の気圧高度計測の高度誤差は小さく抑えられたと思われる。
参考のため、リスト型の電子機器に搭載された温度センサーの気温誤差の例を表4として示す。表4は、ある山の頂上の気温の真値(実際の気温)[℃]と、温度センサーで検出した温度[℃]とを示す表である。
2.実施形態の補足
なお、本実施形態では、気温テーブル132A、132Bに格納される気温の値を、海
面気温Tの値としたが、所定高度の気温T’の値としてもよい。所定高度の気温から別の所定の高度の気温への換算は、気温減率0.0065に基づく公知の換算式によって行うことができる。
また、本実施形態の処理部120は、ステップS13において、キャリブレーションの必要が生じたか否かを判定するための指標として、気圧センサー高度hとGPS高度hとの差分を用いたが、他の指標を用いてもよい。また、差分の指標に加えて、GPS高度hの信頼性を示す指標を用いてもよい。一般に、電子機器1の存在する地点の気候の変化を示すような指標を用いることが望ましい。
また、本実施形態の処理部120は、ステップS13において、キャリブレーションを行うタイミングを、キャリブレーションの必要が生じたタイミングとしたが、前回のキャリブレーションから所定時間(例えば、1時間、或いは2時間など)が経過したとき、又は、ユーザーがキャリブレーション指示を入力したときとしてもよい。
なお、キャリブレーションを所定の時間間隔で行う場合は、図11における判定のステップS13の実行タイミングは、実測データを参照するステップS11の実行タイミングよりも前であっても構わない。
また、気圧高度変換に用いられる式、又は、キャリブレーションで用いられる式は、上述したものに限定されることはなく、公知のいずれかの式を用いてもよい。例えば、演算負荷を抑えるために近似式を用いてもよいし、精度を高めるために原理に近い式を用いてもよい。
また、本実施形態の記憶部130は、単一のローカルエリアの気温テーブルを格納したが、2以上のローカルエリアの気温テーブル(ローカルエリア毎の気温テーブル)を予め記憶してもよい。その場合、キャリブレーション部123は、電子機器1の存在する地点が何れのローカルエリアに属するかに応じてローカルエリア毎の気温テーブルを使い分ければよい。例えば、記憶部130がアジアの気温テーブルと北米の気温テーブルとを予め記憶した場合、キャリブレーション部124は、電子機器1の存在する地点がアジアに属する場合は、アジアの気温テーブルを用い、電子機器1の属する地点が北米に属する場合は、北米の気温テーブルを用い、電子機器1の属する地点がアジア又は北米以外のエリアに属する場合は、係数テーブルを用いればよい。
また、本実施形態では、緯度から気温を算出するための多項式として、2次の多項式を用いたが、1次式としてもよいし、3次以上の高次の多項式を用いてもよい。多項式の次数が高いほど(係数の数が多くなるので)、係数テーブル133のデータ量は多くなるが、気温の推定精度は高くなり、多項式の次数が低いほど(係数の数は少なくなるので)、気温の推定精度は低くなるが、係数テーブル133のデータ量を抑えることができる。
また、本実施形態のステップS22、S23、S24におけるキャリブレーション部123は、現在の時分が日中期間に含まれるか否かに応じて気温を補正したが、気温を補正する代わりに、気温を算出するための多項式の係数(ゼロ次の係数c)を補正してもよい。
また、本実施形態では、現在の時分が日中期間に含まれるか否かに応じて気温を補正する際の補正量を所定値としたが(S23、S24を参照)、現在の月数に応じて補正量を調整してもよい。
また、本実施形態では、記憶部130に格納される気温テーブルを、日中用の気温テー
ブル132Aと夜間用の気温テーブル132Bとの2種類としたが、日中と夜間とに兼用される1種類の気温テーブルとしてもよい。その場合、キャリブレーション部123は、気温テーブルにより算出した気温を、現在の時分が日中期間に含まれるか否かに応じて補正してもよい。
また、本実施形態では、記憶部130に格納される係数テーブルを、日中と夜間とに兼用される1種類の係数テーブルとしたが、日中用の係数テーブルと夜間用の係数テーブルとの2種類の係数テーブルとしてもよい。その場合、キャリブレーション部123は、現在の時刻が日中期間に含まれるか否かに応じて2種類の係数テーブルを使い分ければよい。
また、本実施形態では、記憶部130に格納されるキャリブレーション用テーブルを、気温テーブルと係数テーブルとの双方としたが、気温テーブルと係数テーブルとの何れか一方としてもよい。記憶部130に格納されるキャリブレーション用テーブルを気温テーブルのみとした場合、図11のステップS14、S21、S22、S23、S24は省略され、記憶部130に格納されるキャリブレーション用テーブルを係数テーブルのみとした場合、図11のステップS14、S15、S16、S17は省略される。
3.実施形態の作用効果
(1)本実施形態の電子機器1は、気圧を検出する気圧センサー112と、測位用衛星(GPS衛星)から測位用信号(GPS信号)を受信する受信部(GPSセンサー110)と、緯度と気温との関係を示す情報(気温テーブル、係数テーブル)を予め記憶する記憶部130と、前記気圧と、前記測位用信号(GPS信号)に基づいて算出される緯度と、前記情報(気温テーブル、係数テーブル)とを用いて、高度(気圧センサー高度)を算出するプロセッサー(処理部120)と、を含む。
記憶部130は、緯度と気温との関係を示す情報(気温テーブル、係数テーブル)を予め記憶するので、プロセッサー(処理部120)は、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定を行わなくとも、当該情報と緯度とから求まる気温を、気圧高度計測に反映させることができる。よって、仮に、ネットワーク接続、ユーザー入力、又は気温測定のできない状況にあったとしても、電子機器1は、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
従って、例えば、プロセッサー(処理部120)は、気圧から高度への変換(気圧高度計測)のキャリブレーションを、適切なタイミング(例えば気候が一定以上変動したタイミング)又は適切な頻度(例えば気候の変動と比して高い頻度)で行うことで、電子機器1による気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
(2)本実施形態の電子機器1において、前記情報(気温テーブル、係数テーブル)には、緯度毎の気温を格納した気温テーブル132A、132B、緯度と気温との関係を表す多項式の係数(係数テーブル133)と、の少なくとも一方が含まれる。
記憶部130が前記情報を気温テーブル132A、132Bとして記憶すれば、プロセッサー(処理部120)は、緯度に応じて気温テーブル132A、132Bを参照するだけで、簡単に気温を算出することができる。
また、記憶部130が前記情報を係数(係数テーブル133)として記憶すれば、プロセッサー(処理部120)は、係数(係数テーブル133)で特定される多項式に緯度を当てはめるだけで、簡単に気温を算出することができる。
また、気温テーブル132A、132Bに格納される気温のデータ数を増やせば、記憶部130を占める気温テーブル132A、132Bのデータ量は増えるが、気温テーブル132A、132Bに基づく気温の算出精度を向上させることができる。
また、多項式の次数を高めれば、記憶部130を占める係数(係数テーブル133)のデータ量は増えるが、係数(係数テーブル133)に基づく気温の算出精度を向上させることができる。
なお、気温テーブル132A、132Bによる気温の算出精度を向上させるためには、気温テーブル132A、132Bのデータ量を増やす必要があるものの、気温テーブル132A、132Bの適用されるエリアを制限したならば、少ないデータ量で算出精度を向上させることが可能である。
一方、係数(係数テーブル133)は、気温の算出精度を向上させるためにデータ量を著しく増やす必要がないため(具体的には、多項式の次数を1つ上げても係数の個数が1つ増えるだけである)、少ないデータ量で広いエリアをカバーするのに適している。よって、例えば、記憶部130の容量が少なくて多点のデータを記憶できない場合にも適応できる。
(3)本実施形態の電子機器1において、前記情報(気温テーブル、係数テーブル)には、所定地域(ローカルエリア)における緯度毎の気温を格納した気温テーブル132A、132Bと、少なくとも前記所定地域とは異なる地域を含む地域(グローバルエリア)の緯度と気温との関係を表す多項式の係数(係数テーブル133)と、が含まれ、前記プロセッサー(処理部120)は、前記測位用信号に基づいて算出される位置が前記所定地域(ローカルエリア)に含まれる場合(S14Y)には前記気温テーブル132A、132Bを用いて前記高度を算出し(S16、S17)、前記位置が前記所定地域(ローカルエリア)に含まれない場合(S14N)には前記係数(係数テーブル133)を用いて前記高度を算出する(S21)。
前記プロセッサー(処理部120)は、電子機器1の存在する位置が所定地域(ローカルエリア)に含まれる場合と含まれない場合とで、気温テーブル132A、132Bと多項式の係数(係数テーブル133)とを使い分ける。従って、電子機器1は、電子機器1の存在する位置に応じた柔軟な気圧高度計測を行うことができる。
例えば、前記プロセッサー(処理部120)は、前記位置が所定地域(ローカルエリア)に含まれる場合は、所定地域(ローカルエリア)の気温を高精度に算出するための気温テーブル132A、132Bを用い、前記位置が所定地域(ローカルエリア)に含まれない場合は、所定地域(ローカルエリア)とは異なる地域を含む地域(グローバルエリア)の気温を少ないデータ量で算出するための係数(係数テーブル133)を用いる。この場合、電子機器1は、記憶部130の容量を抑えつつ、気圧高度計測の精度低下が抑えられる地域を広く確保し、しかも一部の地域にて気圧高度計測の精度低下を特に強く抑えることができる。
(4)本実施形態の電子機器1において、前記記憶部130は、期間毎(1ヶ月毎)の前記情報を記憶し、前記プロセッサー(処理部120)は、期間毎の前記情報のうち、現在の時刻が含まれる期間の前記情報を用いて前記高度を算出する。
記憶部130は、期間毎に前記情報を記憶し、プロセッサー(処理部120)は期間毎の前記情報を現在の時刻に応じて使い分ける。従って、電子機器1は、期間による気温の相違(四季や月数による相違)に依らず、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる
(5)本実施形態の電子機器1において、前記情報には、緯度と日中の気温との関係を示す日中用の情報(気温テーブル132A)と、緯度と夜間の気温との関係を示す夜間用の情報(気温テーブル132B)とが含まれ、前記プロセッサー(処理部120)は、現在の時刻が日中である場合には、前記日中用の情報を用いて前記高度を算出し、現在の時刻が日中でない場合には、前記夜間用の情報を用いて前記高度を算出する(S15、S16、S17)。
プロセッサー(処理部120)は、前記日中用の気温テーブル132Aと前記夜間用の気温テーブル132Bとを、現在の時刻が日中であるか否か(S15)に応じて使い分ける。従って、電子機器1は、日中の気温と夜間の気温との相違を考慮した気圧高度計測を行うことができる。
具体的には、電子機器1は、現在の時刻が日中である場合と夜間である場合との双方において、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
(6)本実施形態の電子機器1において、前記プロセッサー(処理部120)は、現在の時刻が日中であるか否かに応じて、前記情報又は前記情報を用いて算出される気温を、補正する(S23、S24)。
プロセッサー(処理部120)は、現在の時刻が日中に含まれるか否かに応じて、前記情報又は前記情報を用いて算出される気温(多項式の係数又は多項式により算出される気温)を補正する。従って、記憶部130が日中用の情報(係数)と夜間用の情報(係数)とを別々に記憶せずとも、電子機器1は、日中の気温と夜間の気温との相違を考慮した気圧高度計測を行うことができる。
具体的には、電子機器1は、現在の時刻が日中である場合と夜間である場合との双方において、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
(7)本実施形態の電子機器1において、前記多項式は、2次の多項式である。
2次の多項式の係数の数は、通常は「3」である。よって、前記記憶部130は前記情報として3種類の前記係数を記憶すればよい。
(8)本実施形態の電子機器1において、前記プロセッサー(処理部120)は、前記日中であるか否かを、日の出時刻及び日の入り時刻を用いて判定する(S15、S22)。
プロセッサー(処理部120)は、日の出時刻と日の入り時刻とを用いるので、現在の時刻が日中であるか否かを正確に判定することができる。従って、電子機器1は、気温に対する太陽の運動の影響を考慮した気圧高度計測を行うことができる。
(9)本実施形態の電子機器1において、前記プロセッサー(処理部120)は、前記気圧を前記高度に変換する変換部122と、前記測位用信号に基づいて算出される前記緯度と前記情報とを用いて前記変換部のキャリブレーションを行うキャリブレーション部123と、を含む。
キャリブレーション部123は、前記情報と、測位用信号に基づいて算出される緯度とを用いて、気圧を高度に変換する変換部122のキャリブレーション(気圧高度計測のキャリブレーション)を行う。従って、電子機器1は、前記情報によってキャリブレーショ
ンの精度を高めることにより、気圧高度計測の精度低下を抑えることができる。
(10)本実施形態の電子機器1は、携帯型の電子機器である。
本実施形態の電子機器1は携帯型なので、仮に温度センサーを搭載しても、ユーザーの体温の影響を受けるため、電子機器1の存在する地点の気温を正確に測定することが難しい。しかし、前記プロセッサー(処理部120)は、温度センサーではなく前記記憶部130が予め記憶した前記情報を用いるので、体温の影響を受けずに気温を算出することができる。従って、電子機器1は、携帯型であるにもかかわらず、ユーザーの体温の影響を受けずに気圧高度計測をすることができる。
4.その他の変形例
本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。以下、実施形態で登場した要素と基本的機能が同じ要素には共通の符号を付し、その説明を省略する。
例えば、上記の実施形態では、サーバー4の機能の一部が情報端末2又は電子機器1に搭載されてもよいし、情報端末2又は電子機器1の機能の一部がサーバー4に搭載されてもよい。また、上記の実施形態では、電子機器1の機能の一部又は全部が情報端末2に搭載されてもよいし、情報端末2の機能の一部又は全部が電子機器1に搭載されてもよい。
また、電子機器1又は情報端末2には、公知のスマートフォンの機能、例えば、カメラ機能、通話機能、運動に関するセンシング機能(例えば、加速度センサー、角速度センサーなどの慣性センサーなど)、生体活動に関するセンシング機能(例えば、湿度センサー、脈センサーなど)が搭載されてもよい。
また、電子機器1又は情報端末2は、リスト型電子機器、イヤホン型電子機器、指輪型電子機器、ペンダント型電子機器、スポーツ器具に装着して使用する電子機器、スマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mount Display)など、様々なタイプの携帯情報機器として構成することができる。
また、電子機器1又は情報端末2の用途としては、登山の他、スキー(クロスカントリーやスキージャンプも含む)、ランニング、自転車、ウォーキング、テニス、スイミング、ダイエット、リハビリテーションの他に、スケート、ゴルフ、野球、サッカー、バイク、モータースポーツ、ボート(競艇)、ヨット、トレイルランニング、パラグライダー、カイト、犬ぞり、飛行ロボット(ラジコン)、ナビゲーション、などが挙げられる。
また、上記の実施形態の電子機器1又は情報端末2は、ユーザーに対する情報の通知を、画像表示、音出力、振動の何れで行ってもよいし、画像表示、音出力、振動のうち少なくとも2つの組み合わせにより行ってもよい。
また、上記の実施形態では、全地球衛星測位システムとしてGPS(Global Positioning System)を利用したが、他の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation
Satellite System)を利用してもよい。例えば、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1又は2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augm
entation System)を利用してもよい。
また、上述した各実施形態及び各変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…電子機器、110…GPSセンサー、120…処理部、130…記憶部、111…地磁気センサー、112…気圧センサー、150…操作部、160…計時部、170…表示部、180…音出力部、190…通信部、2…情報端末、3…ネットワーク、4…サーバー、121…信号処理部、122…変換部、123…キャリブレーション部
例えば、気象庁のホームページ(Website)で公開されている気象データを用いて、多項式は、図6に示すとおり、グローバルエリアにおける気温の統計データをフィッティングすることによって得られたものである。図6の横軸は、緯度[度]であり、図6の縦軸は気温[℃]であり、図6における統計データ(各ドット)は、経度が共通かつ緯度の異なる各地点における10月の平均気温を表す。

Claims (12)

  1. 気圧を検出する気圧センサーと、
    測位用衛星から測位用信号を受信する受信部と、
    緯度と気温との関係を示す情報を予め記憶する記憶部と、
    前記気圧と、前記測位用信号に基づいて算出される緯度と、前記情報とを用いて、高度を算出するプロセッサーと、を含む、
    電子機器。
  2. 前記情報には、
    緯度毎の気温を格納した気温テーブル、及び、
    緯度と気温との関係を表す多項式の係数、
    のうち少なくとも一方が含まれる、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記情報には、
    所定地域における緯度毎の気温を格納した気温テーブルと、
    少なくとも前記所定地域とは異なる地域を含む地域の緯度と気温との関係を表す多項式の係数と、
    が含まれ、
    前記プロセッサーは、
    前記測位用信号に基づいて算出される位置が前記所定地域に含まれる場合には前記気温テーブルを用いて前記高度を算出し、前記位置が前記所定地域に含まれない場合には前記係数を用いて前記高度を算出する、
    請求項1又は2に記載の電子機器。
  4. 前記記憶部は、
    期間毎の前記情報を記憶し、
    前記プロセッサーは、
    期間毎の前記情報のうち、現在の時刻が含まれる期間の前記情報を用いて前記高度を算出する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器。
  5. 前記情報には、
    緯度と日中の気温との関係を示す日中用の情報と、緯度と夜間の気温との関係を示す夜間用の情報とが含まれ、
    前記プロセッサーは、
    現在の時刻が日中である場合には、前記日中用の情報を用いて前記高度を算出し、前記現在の時刻が日中でない場合には、前記夜間用の情報を用いて前記高度を算出する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の電子機器。
  6. 前記プロセッサーは、
    現在の時刻が日中であるか否かに応じて、前記情報又は前記情報を用いて算出される気温を補正する、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の電子機器。
  7. 前記多項式は、
    2次の多項式である、
    請求項2又は3の何れか一項に記載の電子機器。
  8. 前記プロセッサーは、
    前記日中であるか否かを、日の出時刻及び日の入り時刻を用いて判定する、
    請求項5〜7の何れか一項に記載の電子機器。
  9. 前記プロセッサーは、
    前記気圧を前記高度に変換する変換部と、
    前記測位用信号に基づいて算出される前記緯度と前記情報とを用いて前記変換部のキャリブレーションを行うキャリブレーション部と、を含む、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の電子機器。
  10. 前記電子機器は、
    携帯型の電子機器である、
    請求項1〜9の何れか一項に記載の電子機器。
  11. 気圧を検出することと、
    測位用衛星から測位用信号を受信することと、
    前記気圧と、前記測位用信号に基づいて算出される緯度と、予め記憶された、緯度と気温との関係を示す情報とを用いて、高度を算出することと、
    を含む、高度算出方法。
  12. 気圧センサーによって検出された気圧と、測位用衛星から受信した測位用信号に基づいて算出された緯度と、予め記憶された、緯度と気温との関係を示す情報とを用いて、高度を算出すること、
    をコンピューターに実行させる、高度算出プログラム。
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