JP2017026272A - 冷媒回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒回収時間を短縮することができる冷媒回収装置を得ること。
【解決手段】アキュムレータの底部を加熱する加熱装置と、加熱装置に電力を供給する電源と、冷凍サイクル装置の第一圧縮機の吸入側および吐出側のうち少なくとも一方と接続され、アキュムレータ内のガス冷媒を吸い込む第二圧縮機と、第二圧縮機が吸い込んだガス冷媒を液化する第二凝縮器と、第二凝縮器で液化した冷媒を収容する回収ボンベと、を備え、アキュムレータを加熱しながら冷媒回収を行う冷媒回収装置であって、第一圧縮機の吐出側の圧力を測定する圧力測定手段と、アキュムレータの外壁面の温度を測定する温度測定手段と、圧力測定手段で測定した圧力と温度測定手段で測定した温度とに応じて、電源を制御して、加熱装置に投入される電力を制御する制御装置と、を備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば空気調和機に使用されている冷媒を回収する冷媒回収装置に関するものである。
空気調和機などの冷凍サイクル装置の修理、リプレイス、廃棄時などに、装置内の冷媒を回収する必要が生じる。冷媒の回収方法として、加熱装置を備えた冷媒回収装置の使用が一般的となっている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1では、蒸発器の下部に設けられた霜取り用加熱装置で蒸発器を加熱しながら冷媒の回収を行っている。また、特許文献2では、圧縮機の下部に設けられた冷媒回収用加熱装置で圧縮機を加熱しながら冷媒の回収を行っている。
特開平6−257898号公報 特開平10−306961号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されているような従来の冷媒回収装置において、回収時間が経過するにつれて、気化熱によって熱を奪われて温度低下を起こした冷媒液相に対して、熱エネルギーを効率的に与えることができず、冷媒回収時間の遅延につながってしまうという課題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、冷媒回収時間を短縮することができる冷媒回収装置を得ることを目的としている。
本発明に係る冷媒回収装置は、第一圧縮機、第一凝縮器、絞り装置、蒸発器、アキュムレータが順次配管接続され、冷媒が循環する冷凍サイクル装置に用いられるものであり、前記アキュムレータの底部を加熱する加熱装置と、前記加熱装置に電力を供給する電源と、前記第一圧縮機の吸入側および吐出側のうち少なくとも一方と接続され、前記アキュムレータ内のガス冷媒を吸い込む第二圧縮機と、前記第二圧縮機が吸い込んだガス冷媒を液化する第二凝縮器と、前記第二凝縮器で液化した冷媒を収容する回収ボンベと、を備え、前記アキュムレータを加熱しながら冷媒回収を行う冷媒回収装置であって、前記第一圧縮機の吐出側の圧力を測定する圧力測定手段と、前記アキュムレータの外壁面の温度を測定する温度測定手段と、前記圧力測定手段で測定した圧力と前記温度測定手段で測定した温度とに応じて、前記電源を制御して、前記加熱装置に投入される電力を制御する制御装置と、を備えたものである。
本発明に係る冷媒回収装置によれば、圧力測定手段で測定した圧力と温度測定手段で測定した温度とに応じて電源を制御して、加熱装置に投入される電力を制御することで、冷媒回収速度を速くすることができるため、冷媒回収時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態1に係る冷媒回収装置が使用されている空気調和機の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係るアキュムレータの底部に加熱装置を設けた場合におけるアキュムレータ周辺を拡大した正面視概略図である。 本発明の実施の形態1に係るアキュムレータの側面に加熱装置を設けた場合におけるアキュムレータ周辺を拡大した正面視概略図である。 図2Aで示すようにアキュムレータの底部を加熱装置で加熱したときの時間に対するアキュムレータの温度変化を示すグラフである。 図2Bで示すようにアキュムレータの側面を加熱装置で加熱したときの時間に対するアキュムレータの温度変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係るアキュムレータを拡大した正面視概略図である。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収時における時間に対する回収重量を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収時における時間に対するアキュムレータ内の圧力を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収時における時間に対するアキュムレータの外壁面の温度を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係るアキュムレータおよび加熱装置周辺を拡大した正面視概略図である。 本発明の実施の形態2に係る加熱装置の平面視概略図である。 本発明の実施の形態2に係る空気調和機の冷媒回収時における投入電力に対する回収時間を示す第一のグラフである。 本発明の実施の形態3に係る加熱装置周辺の回路図である。 本発明の実施の形態3に係る空気調和機の冷媒回収時における投入電力に対する回収時間を示す第二のグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷媒回収装置が使用されている空気調和機の冷媒回路図である。
本実施の形態1に係る空気調和機は、室外機1と室内機7との間で冷媒を循環させることにより冷凍サイクルを構成する。
室外機1は、室外圧縮機4と、室外熱交換器2と、四方弁3と、アキュムレータ5と、を備えている。また、室内機7は、膨張弁17と、室内熱交換器18と、を備えている。
図1に示すように、室外機1と室内機7とは銅管で接続されており、室外圧縮機4、四方弁3、室外熱交換器2、膨張弁17、室内熱交換器18、アキュムレータ5が順次配管接続されている。
なお、室外圧縮機4は本発明の「第一圧縮機」に相当し、室外熱交換器2および室内熱交換器18は本発明の「第一凝縮器」または「蒸発器」に相当し、膨張弁17は本発明の「絞り装置」に相当する。また、流路切換弁として、四方弁3の代わりに、例えば二方弁、三方弁を組み合わせて使用してもよい。
室外圧縮機4の吐出側の配管内には、吐出側の圧力を測定する圧力計21が設けられている。また、アキュムレータ5の底部にはアキュムレータ5を加熱する加熱装置(ヒーター)14が設けられており、アキュムレータ5の外壁面には、温度を測定する熱電対20が設けられている。また、加熱装置14に電力を供給する電源15と、圧力計21で測定した圧力と熱電対20で測定した温度とに応じて電源15を制御する、つまり、加熱装置14に投入される電力を制御して、加熱装置14による加熱量を制御する制御装置19が設けられている。
なお、熱電対20は本発明の「温度測定手段」に相当し、圧力計21は本発明の「圧力測定手段」に相当する。また、温度が測定できるものであれば熱電対20に限定されず、圧力が測定できるものであれば圧力計21に限定されない。
室外圧縮機4の吸入側の配管には低圧ポート22が、吐出側の配管には高圧ポート23が、それぞれ設けられており、それらはマニホールド8を介して回収ユニット9と、ホースで接続されている。さらに回収ユニット9と回収ボンベ13とが配管接続されている。回収ユニット9は、圧縮機10と、凝縮器11と、を備えており、低圧ポート22および高圧ポート23に対して、圧縮機10、凝縮器11、回収ボンベ13が、順次接続されている。また、回収ボンベ13の下部には、回収ボンベ13の重量を測定する電子天秤12が設けられている。
なお、圧縮機10は本発明の「第二圧縮機」に相当し、凝縮器11は本発明の「第二凝縮器」に相当する。
また、本実施の形態1では、回収ユニット9が低圧ポート22および高圧ポート23と接続されている構成としたが、それに限定されず、回収ユニット9が低圧ポート22および高圧ポート23のうち少なくとも一方を接続されていればよい。
次に、本実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収動作について説明する。
室外圧縮機4で圧縮された冷媒は室外熱交換器2で凝縮する。凝縮した冷媒は室内機7に移動後、膨張弁17で減圧され、室内熱交換器18で蒸発して温度が低下する。この温度の低下した室内熱交換器18に室内の空気を循環通過させることによって室内の温度を下げる。室内熱交換器18で気化した冷媒は四方弁3を通過後、アキュムレータ5を通じて再度室外圧縮機4に戻る。
なお、四方弁3を切り替えることにより、室内熱交換器18で冷媒が凝縮し、室外熱交換器2で冷媒が蒸発するようになり、室内の冷房と暖房とを切り替えることができる。通常、この配管内に封じ込められた冷媒が循環して冷房、暖房などの空気調和が行われている。しかし、空気調和機の修理、リプレイス、廃棄時などに、空気調和機内の冷媒を配管内から回収する必要がある。冷媒は通常、地球温暖化係数の高いものが使用されているため、空気中に放出することが禁じられている。
本実施の形態1では、室外機1内の配管に設けられている低圧ポート22および高圧ポート23にホースをつなげて、回収ユニット9により冷媒を回収する。具体的には、回収ユニット9内の圧縮機10を作動させることにより、アキュムレータ5内に貯まっている冷媒液相は、気化しながら圧縮機10に吸い込まれる。そして、気化したガス冷媒は、圧縮機10にて圧縮されて高温高圧となり、凝縮器11に送り込まれる。凝縮器11に送り込まれたガス冷媒は、凝縮器11にて冷却・液化された後、回収ボンベ13に送り込まれ、回収(収容)される。このとき、回収ボンベ13の重量変化を電子天秤12により測定することで、回収(収容)した冷媒重量を知ることができる。
なお、冷媒液相の量にもよるが、アキュムレータ5内に貯まっている冷媒液相の温度は、気化熱により−60〜−80℃まで低下する。温度が低下すると冷媒液相の蒸気圧が下がり、冷媒の気化が律速になり冷媒回収までに要する時間が長くなる。本実施の形態1では、冷媒液相を加熱するため、アキュムレータ5の底部に加熱装置14を設けている。しかし、R410Aなどの混合冷媒では圧力が高く、周辺温度を40℃以下に保つ必要がある。
図2Aは、本発明の実施の形態1に係るアキュムレータ5の底部に加熱装置14Aを設けた場合におけるアキュムレータ5周辺を拡大した正面視概略図であり、図2Bは、本発明の実施の形態1に係るアキュムレータ5の側面に加熱装置14Bを設けた場合におけるアキュムレータ5周辺を拡大した正面視概略図であり、図3Aは、図2Aで示すようにアキュムレータ5の底部を加熱装置14Aで加熱したときの時間に対するアキュムレータ5の温度変化を示すグラフであり、図3Bは、図2Bで示すようにアキュムレータ5の側面を加熱装置14Bで加熱したときの時間に対するアキュムレータ5の温度変化を示すグラフである。
図2Aおよび図2Bにおいて、熱電対20によりアキュムレータ5の外壁面の温度を測定しており、図2Aの温度測定点A1および図2Bの温度測定点B1は、アキュムレータ5内の冷媒液相温度が測定可能な測定点であり、図2Aの温度測定点A2および図2Bの温度測定点B2は、アキュムレータ5内の冷媒気相温度が測定可能な測定点である。つまり、熱電対20によりアキュムレータ5の外壁面の温度を測定することで、アキュムレータ5内の冷媒液相温度または冷媒気相温度を測定している。
また、図3Aおよび図3Bにおいて、横軸が冷媒回収開始点を0分とした時間を、縦軸がアキュムレータ5の温度をそれぞれ示しており、図中実線が液相冷媒温度を、図中破線が気相冷媒温度をそれぞれ示している。
次に、アキュムレータ5を加熱する位置による効果について説明する。
図3Aの測定条件は、加熱装置14A面積500cm、加熱装置14A投入電力160W、回収終了までに要した時間65分、回収終了までに要した加熱装置14A電力量は148Whである。
図3Aに示すように、アキュムレータ5の底部を加熱した場合、冷媒液相温度(図中実線)は、−40℃で時間に対する傾きが緩やかになり、冷媒回収終了間際に大きく−50℃まで低下している。一方、冷媒気相温度(図中破線)は、−10℃まで徐々に低下し、−12℃で一定になり、冷媒回収終了とともに温度上昇している。
図3Bの測定条件は、加熱装置14B面積500cm、加熱装置14B投入電力280W、回収終了までに要した時間80分、回収終了までに要した加熱装置14B電力量は220Whである。
図3Bに示すように、アキュムレータ5の側面を加熱した場合、冷媒液相温度(図中実線)は、冷媒回収終了まで−50℃まで徐々に低下している。一方、冷媒気相温度(図中破線)は、0℃まで下がった後に上昇している。
以上より、アキュムレータ5の側面に加熱装置14Bを設けた図3Bの場合には、冷媒気相温度は上昇するが、冷媒液相温度の上昇に寄与する割合は少ない。一方、図3Aに示すアキュムレータ5の底部に加熱装置14Aを設けた場合は、冷媒気相温度の温度上昇は少ないが、冷媒液相は−40℃で傾きが緩やかになっている。
このように、アキュムレータ5内では、冷媒の液相と気相との熱伝達が悪い。また、アキュムレータ5の壁面は鉄でできているため、熱伝導はよいが過剰に加熱装置14にて加熱すると、冷媒の放熱がない部分において40℃以上の温度まで昇温してしまう。そのため、加熱装置14では吸熱量が大きい冷媒液相に最も近い点で加熱することが望ましくなる。
図4は、本発明の実施の形態1に係るアキュムレータ5を拡大した正面視概略図である。
アキュムレータ5は圧力容器であり、図4に示すように、下半部51と上半部52とが中央で溶接されている場合が多い。このような場合においては、中央部での熱伝導が悪いため上半部52の加熱は無駄になる。
よって、図2Aに示すように、アキュムレータ5の下半部51(底部)を加熱することが望ましい。
なお、冷媒の回収状況は回収ボンベ13に回収された冷媒量を電子天秤12の重量変化で読み取ることができる。しかし、回収開始前に空気調和機に内封されている冷媒重量を予め正確に知ることは困難である。そこで、室外圧縮機4の吐出側の配管内に取り付けた圧力計21、および、アキュムレータ5の外壁面に貼り付けた熱電対20により、冷媒の回収状況を知ることができる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収時における時間に対する回収重量を示すグラフであり、図6は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収時における時間に対するアキュムレータ5内の圧力を示すグラフであり、図7は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回収時における時間に対するアキュムレータ5の外壁面の温度を示すグラフである。なお、図5において回収作業時の冷媒重量は電子天秤12で回収ボンベ13を測定したものであり、図6において回収作業時のアキュムレータ5内の圧力は、室外圧縮機4の吐出側の圧力を圧力計21で測定したものであり、図7においてアキュムレータ5の外壁面の温度は、アキュムレータ5内の冷媒液相温度が測定可能な測定点を熱電対20で測定したものである。
図5に示すように、冷媒の回収重量の時間変化は、開始後5分で一番傾きが大きく、その後傾きが緩やかになっている。また、同様に図6に示すアキュムレータ5内の圧力変化も、開始後5分で最も傾きが大きい。このように、冷媒の回収重量と配管内の圧力とには相関がみられる。また、図3Aに示す冷媒液相温度(図中実線)冷媒液相温度と、図7に示す冷媒液相温度とは、図7に示す冷媒液相温度の方が約10℃高い状態となっており、相関がみられる。
このように、圧力計21で測定した値(信号)と熱電対20で測定した値(信号)とを制御装置19に取り込み、圧力計21で測定した値(信号)により、圧力勾配が緩やかになったら冷媒液相の気化が鈍化したとみなし、電源15を制御して加熱装置14の投入電力を増加させる、つまり、加熱装置14による加熱量を増加させることで、より冷媒回収速度を速くすることができる。また、そうすることで、熱エネルギーを効率的に冷媒液相に与えることができる。
また、冷媒温度は熱電対20の値(信号)でモニタすることができるため、加熱装置14の電力の過不足を判断することが可能になる。とくに冷媒回収開始時には冷媒温度も常温付近であり、加熱装置14に電力を投入すると温度が下降するため、温度勾配が緩やかになったら加熱装置14の電力が不足しているとみなし、(回収開始後10分以後に)大きな電力を投入した方がよい。また、加熱装置14とアキュムレータ5との接触が不十分である場合、加熱装置14の放熱が十分でなく、加熱装置14の温度が過昇温する。そのため、加熱面積を大きくして電力密度を低下させるため、加熱装置14とアキュムレータ5との間に熱伝導シート、伝熱グリスなどを入れることが望ましい。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては(一部の)説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図8は、本発明の実施の形態2に係るアキュムレータ5および加熱装置14周辺を拡大した正面視概略図であり、図9は、本発明の実施の形態2に係る加熱装置14の平面視概略図である。
前述のとおり、アキュムレータ5において、内部で冷媒液相と接していない部分の外壁面を加熱しても電力を無駄に投入するだけである。冷媒の回収が進むとアキュムレータ5内に残存する冷媒液相の量が減少して冷媒液相とアキュムレータ5の壁面との接触面積は徐々に減少していくことにより、冷媒液相に選択的に熱エネルギーを与えることが可能になる。
本実施の形態2に係る加熱装置30は、図8および図9に示すように、加熱領域を同心円状に複数区分し、各々単独で加熱および加熱停止をすることができるようにしたものである。加熱装置30の加熱領域は、図8に示すように、加熱装置30を正面視した状態において、下側から上側(または、中心(内側)から外周側(外側))に向かって第一加熱領域31、第二加熱領域32、第三加熱領域33の三つに区分されている。
そして、電源15から第一加熱領域31に電力が供給される経路には第一開閉器34が、電源15から第二加熱領域32に電力が供給される経路には第二開閉器35が、電源15から第三加熱領域33に電力が供給される経路には第三開閉器36が、それぞれ設けられており、第一開閉器34、第二開閉器35、第三開閉器36を開閉することにより、各加熱領域の加熱および加熱停止を制御する。
なお、以下、第一開閉器34、第二開閉器35、第三開閉器36の総称として「開閉器」と称することがある。
次に、本実施の形態2に係る空気調和機の冷媒回収動作について説明する。
冷媒回収作業の開始時には、第一開閉器34、第二開閉器35、第三開閉器36をすべて閉として、第一加熱領域31、第二加熱領域32、第三加熱領域33でアキュムレータ5を加熱する。冷媒の回収状況を圧力計21で測定した値(信号)と熱電対20で測定した値(信号)とにより判断して、制御装置19で、第三開閉器36、第二開閉器35の順に開状態にする。なお、第三開閉器36を予め設定された時間開にして、熱電対20で測定した温度が下がるようであれば、再び閉にするような制御であってもよい。
このように、圧力計21で測定した値(信号)と熱電対20で測定した値(信号)とにより冷媒量を予測して、冷媒量に合わせて開閉器を開閉することで加熱装置30の加熱量を低減させることが可能になる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る空気調和機の冷媒回収時における投入電力に対する回収時間を示す第一のグラフである。なお、図10は、第一加熱領域31、第二加熱領域32、第三加熱領域33に投入する電力を1:1:1としたときを示している。
加熱装置30の各加熱領域にすべて同じ電力が投入された場合において、冷媒回収作業の開始から終了まで第一開閉器34、第二開閉器35、第三開閉器36がすべて閉の場合には、図10中の×印の位置だったものが、回収時間の経過に合わせて第二開閉器35、第三開閉器36を開にした場合には、図10中の●印の位置になった。
つまり、冷媒回収作業の開始から終了まで開閉器をすべて閉にした場合には、アキュムレータ5において、内部で冷媒液相と接していない部分の外壁面を加熱して電力を無駄に投入してしまっていた。しかし、回収時間の経過、または、冷媒液相とアキュムレータ5の壁面との接触面積の減少に合わせて第二開閉器35、第三開閉器36を開にした場合には、アキュムレータ5において、内部で冷媒液相と接していない部分の外壁面を加熱せず、内部で冷媒液相と接している部分の外壁面(のみ)を加熱することができる。そのため、回収時間の経過とともに気化熱により奪われた熱エネルギーを、アキュムレータ5を介して効率的に冷媒液相に与えることができ、投入電力の低下とともに、冷媒回収速度を速くすることができる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3について説明するが、実施の形態1および2と重複するものについては(一部の)説明を省略し、実施の形態1および2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
図11は、本発明の実施の形態3に係る加熱装置30周辺の回路図である。
図11に示すように、本実施の形態3に係る加熱装置30は、加熱領域毎に設けられた抵抗体でできている。詳しくは、第一加熱領域31には第一抵抗体37が、第二加熱領域32には第二抵抗体38が、第三加熱領域33には第三抵抗体39が、それぞれ設けられている。また、第二抵抗体38を短絡させる第二開閉器35、および、第三抵抗体39を短絡させる第三開閉器36が、それぞれ設けられている。つまり、加熱装置30の抵抗体を短絡する回路が設けられている。なお、第一抵抗体37を短絡させる第一開閉器34を設けてもよい。
そのため、冷媒量が減少すると同時に、冷媒液相温度が低下した場合に第三開閉器36を閉にすることで、第三抵抗体39が短絡し、第三加熱領域33で電力が消費されなくなり、第一加熱領域31、第二加熱領域32に投入できる電力を増加させることができる。さらに、第二開閉器35を閉にすることで、第二抵抗体38が短絡し、第二加熱領域32でも電力が消費されなくなり、第一加熱領域31に投入できる電力をさらに増加させることができる。
図12は、本発明の実施の形態3に係る空気調和機の冷媒回収時における投入電力に対する回収時間を示す第二のグラフである。なお、図12は、第一加熱領域31、第二加熱領域32、第三加熱領域33に投入する電力を2:1.5:1としたときを示している。
実施の形態2に係る図10と同様に、加熱装置30の各加熱領域にすべて同じ電力が投入された場合において、冷媒回収作業の開始から終了まで第一開閉器34、第二開閉器35、第三開閉器36がすべて閉の場合には、図12中の×印の位置だったものが、加熱装置30の第一加熱領域31、第二加熱領域32、第三加熱領域33に投入する電力を、2:1.5:1と下側(中心)にいくほど多く電力が投入された場合において、回収時間の経過に合わせて第二開閉器35、第三開閉器36を開にした場合には、図12中の■印の位置になった。
このように、加熱装置30の第一加熱領域31、第二加熱領域32、第三加熱領域33に投入する電力を、2:1.5:1と下側(中心)にいくほど多く電力が投入された場合において、回収時間の経過、または、冷媒液相とアキュムレータ5の壁面との接触面積の減少に合わせて第二開閉器35、第三開閉器36を開にした場合には、投入電力は増加するが、回収時間は早くなる。
つまり、回収時間の経過、または、冷媒液相とアキュムレータ5の壁面との接触面積の減少に合わせて、より大きな電力を投入して、アキュムレータ5において、内部で冷媒液相と接している部分の外壁面を加熱することで、回収時間の経過とともに気化熱により奪われた熱エネルギーを補うことができ、冷媒回収速度をより速くすることができる。
なお、実施の形態1〜3では、冷媒回収装置の使用例として空気調和機を例に説明したが、それに限定されず、例えば冷蔵庫など他の冷凍サイクル装置にも使用できる。
1 室外機、2 室外熱交換器、3 四方弁、4 室外圧縮機、5 アキュムレータ、7 室内機、8 マニホールド、9 回収ユニット、10 圧縮機、11 凝縮器、12 電子天秤、13 回収ボンベ、14 加熱装置、14A 加熱装置、14B 加熱装置、15 電源、17 膨張弁、18 室内熱交換器、19 制御装置、20 熱電対、21 圧力計、22 低圧ポート、23 高圧ポート、30 加熱装置、31 第一加熱領域、32 第二加熱領域、33 第三加熱領域、34 第一開閉器、35 第二開閉器、36 第三開閉器、37 第一抵抗体、38 第二抵抗体、39 第三抵抗体、51 下半部、52 上半部。

Claims (4)

  1. 第一圧縮機、第一凝縮器、絞り装置、蒸発器、アキュムレータが順次配管接続され、冷媒が循環する冷凍サイクル装置に用いられるものであり、
    前記アキュムレータの底部を加熱する加熱装置と、
    前記加熱装置に電力を供給する電源と、
    前記第一圧縮機の吸入側および吐出側のうち少なくとも一方と接続され、前記アキュムレータ内のガス冷媒を吸い込む第二圧縮機と、
    前記第二圧縮機が吸い込んだガス冷媒を液化する第二凝縮器と、
    前記第二凝縮器で液化した冷媒を収容する回収ボンベと、を備え、
    前記アキュムレータを加熱しながら冷媒回収を行う冷媒回収装置であって、
    前記第一圧縮機の吐出側の圧力を測定する圧力測定手段と、
    前記アキュムレータの外壁面の温度を測定する温度測定手段と、
    前記圧力測定手段で測定した圧力と前記温度測定手段で測定した温度とに応じて、前記電源を制御して、前記加熱装置に投入される電力を制御する制御装置と、を備えた
    ことを特徴とする冷媒回収装置。
  2. 前記加熱装置は、
    複数の抵抗体を備え、正面視して下側から上側に向かって複数の加熱領域が形成されており、
    前記加熱領域毎に加熱および加熱停止が可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の冷媒回収装置。
  3. 前記制御装置は、
    前記アキュムレータにおいて、内部で冷媒液相と接していない部分の外壁面を加熱せず、内部で冷媒液相と接している部分の外壁面を加熱するように、前記加熱装置を制御するものである
    ことを特徴とする請求項2に記載の冷媒回収装置。
  4. 前記加熱装置の前記抵抗体を短絡する回路を備え、
    上側の前記加熱領域の前記抵抗体を短絡させることで、
    下側の前記加熱領域に上側の前記加熱領域よりも大きい電力を投入可能である
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の冷媒回収装置。
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