JP2015232410A - 熱融通設備 - Google Patents

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幸雄 石井
藤吉 充
Mitsuru Fujiyoshi
充 藤吉
英司 原田
Eiji Harada
英司 原田
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Abstract

【課題】空気温調装置及び給湯装置の一方から他方へ熱を供給可能な熱融通設備を提供する。
【解決手段】被空調空間を温度調整する室内機側熱交換器11と屋外に配置された室外機側熱交換器12が熱媒循環回路13によって接続された空気温調装置14と、貯湯タンク15内に湯水を貯留する給湯装置16と、貯湯タンク15内の湯水と熱媒循環回路13を流れる熱媒を熱交換する熱交換回路17とを備え、熱交換回路17を介した貯湯タンク15内から熱媒循環回路13への熱の供給、及び、熱交換回路17を介した熱媒循環回路13から貯湯タンク15内への熱の供給のいずれか一方、又は、双方を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気温調装置と給湯装置の間で熱交換を行う熱融通設備に関する。
空気温調装置は、特許文献1に記載されているように、室外機側熱交換器で吸収した熱を室内機側熱交換器から放出して暖房し、室内機側熱交換器で熱を吸収して室外機側熱交換器から放熱し冷房する。
また、給湯装置は、特許文献2に記載されているように、貯湯タンク内の沸き上げを行い給湯用の湯を貯留する。
特開2008−144990号公報 特開2012−220119号公報
しかしながら、空気温調装置と給湯装置は、それぞれ、別個の独立した装置であるため、一方の熱を他方が利用することはできなかった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、空気温調装置及び給湯装置の一方から他方へ熱を供給可能な熱融通設備を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る熱融通設備は、被空調空間を温度調整する室内機側熱交換器と屋外に配置された室外機側熱交換器が熱媒循環回路によって接続された空気温調装置と、貯湯タンク内に湯水を貯留する給湯装置と、前記貯湯タンク内の湯水と前記熱媒循環回路を流れる熱媒を熱交換する熱交換回路とを備え、前記熱交換回路を介した前記貯湯タンク内から前記熱媒循環回路への熱の供給、及び、前記熱交換回路を介した前記熱媒循環回路から前記貯湯タンク内への熱の供給のいずれか一方、又は、双方を行う。
本発明に係る熱融通設備において、前記貯湯タンク内の湯水の熱を、前記熱交換回路及び前記熱媒循環回路を介して前記室内機側熱交換器に与え、該室内機側熱交換器から放熱して前記被空調空間の暖房を行うのが好ましい。
本発明に係る熱融通設備において、浴槽と、前記貯湯タンク内の湯水を循環させて前記浴槽内の湯水に熱を与える追焚き回路とを備え、前記室内機側熱交換器に熱を与えるのは、前記浴槽内の湯水に熱を与えて温度が低下した前記貯湯タンク内の湯水であるのが好ましい。
本発明に係る熱融通設備において、浴槽と、前記貯湯タンク内の湯水を循環させて前記浴槽内の湯水の熱を前記貯湯タンク内に回収する熱回収回路とを備え、前記室内機側熱交換器に熱を与えるのは、前記浴槽内の湯水の熱を回収して昇温した前記貯湯タンク内の湯水であるのが好ましい。
本発明に係る熱融通設備において、前記室外機側熱交換器を蒸発器として機能させて前記被空調空間の暖房を行い該室外機側熱交換器に生じた霜を、前記貯湯タンク内の湯水の熱を前記熱交換回路及び前記循環回路を介して前記室外機側熱交換器に与えて、除去するのが好ましい。
本発明に係る熱融通設備において、前記室外機側熱交換器から前記熱媒循環回路に取り込んだ外気の熱を、前記熱交換回路を介して、前記貯湯タンク内の湯水に与えて加熱するのが好ましい。
本発明に係る熱融通設備において、前記室内機側熱交換器から前記熱媒循環回路に取り込んだ前記被空調空間内の熱を、前記熱交換回路を介して、前記貯湯タンク内の湯水に与えて、前記被空調空間の冷房と共に前記貯湯タンク内の湯水の加熱を行うのが好ましい。
本発明に係る熱融通設備は、貯湯タンク内の湯水と熱媒循環回路を流れる熱媒を熱交換する熱交換回路を備えて、熱交換回路を介した貯湯タンク内から熱媒循環回路への熱の供給、又は、熱交換回路を介した熱媒循環回路から貯湯タンク内への熱の供給の少なくとも1つを行うので、空気温調装置及び給湯装置の一方から他方へ熱を供給可能である。
本発明の一実施の形態に係る熱融通設備の空気温調装置の回路図である。 同熱融通設備の給湯装置の回路図である。 外気の熱を利用した暖房の様子を示す説明図である。 熱を外気に放出する冷房の様子を示す説明図である。 貯湯タンク内の熱を利用した暖房の様子を示す説明図である。 貯湯タンク内の熱を利用した除霜の様子を示す説明図である。 外気の熱を利用した貯湯タンク内の加熱の様子を示す説明図である。 冷房と共に貯湯タンク内の加熱を行う様子を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る熱融通設備10は、被空調空間を温度調整する室内機側熱交換器11と屋外に配置された室外機側熱交換器12が熱媒循環回路13によって接続された空気温調装置14と、貯湯タンク15内に湯水を貯留する給湯装置16と、貯湯タンク15内の湯水と熱媒循環回路13を流れる熱媒を熱交換する熱交換回路17とを備えている。以下、詳細に説明する。
空気温調装置14は、図1に示すように、屋外に配置された筺体18及び被空調空間内(本実施の形態では、室内)に配置された筺体19を備えている。筺体18内には、室外機側熱交換器12、圧縮機20及び膨張弁21が設けられ、筺体19内には、室内機側熱交換器11が設けられている。
室外機側熱交換器12、圧縮機20、膨張弁21及び室内機側熱交換器11は、熱媒(以下、「熱媒R1」と言う)が循環する熱媒循環回路13によって接続され、熱媒R1は、圧縮機20の作動により、熱媒循環回路13を循環する。
熱媒循環回路13には、圧縮機20から吐出された熱媒R1の送り先を切り替える四方弁22が設けられている。四方弁22が、圧縮機20から吐出された熱媒を室内機側熱交換器11に送る一次位置の状態にあるとき、図3に示すように、圧縮機20で圧縮された熱媒R1は、室内機側熱交換器11を通過中に凝縮して被空調空間に放熱した後、膨張弁21で減圧され、室外機側熱交換器12を通過中に蒸発して外気から吸熱し、圧縮機20で再び圧縮される。これによって、被空調空間の暖房が行われる。
一方、四方弁22が、圧縮機20から吐出された熱媒R1を室外機側熱交換器12に送る二次位置の状態にあるとき、図4に示すように、圧縮機20で圧縮された熱媒R1は、室外機側熱交換器12を通過中に凝縮して外気に放熱し、膨張弁21で減圧された後、室内機側熱交換器11を通過しながら蒸発して被空調空間から吸熱し、圧縮機20に送られる。これによって、被空調空間の冷房が行われる。
また、筺体19内には、図1に示すように、室内機側熱交換器11を通過する熱媒R1と熱交換された空気を筺体19外に送り出すクロスフローファン23が設けられている。
そして、筺体18内には、室外機側熱交換器12による熱媒R1と外気との熱交換を促進するプロペラファン24、圧縮機20に熱媒が液状で流入するのを防止するアキュムレータ25、圧縮機20の作動音を抑制するマフラ26、熱媒循環回路13内の水分を取り除くドライヤ27、及び、熱媒循環回路13を循環する熱媒R1の温度を計測する複数の温度センサ28が設けられている。
更に、筺体18内には、外気温度を計測する温度センサ29、室外機側熱交換器12の表面温度を計測する温度センサ30、熱媒循環回路13の室外機側熱交換器12と四方弁22の間に配置された開閉弁31、及び、熱媒循環回路13の室内機側熱交換器11と膨張弁21の間に配置された開閉弁33が設けられている。
熱媒循環回路13には、筺体18、19を接続する4つの連結部材32が取り付けられている。
熱媒循環回路13には、一方側が膨張弁21と室内機側熱交換器11の間に連結されたバイパス管34が接続されている。バイパス管34の他方側は、2つに分岐して分岐路35、36を形成し、分岐路35は圧縮機20の上流側(熱媒が流入する側)で熱媒循環回路13に接続され、分岐路36は圧縮機20の下流側(熱媒が吐出される側)で熱媒循環回路13に接続されている。
分岐路35、36には、開閉弁37、38がそれぞれ取り付けられている。熱媒循環回路13を流れる熱媒R1は、開閉弁37が開かれた状態で分岐路35に流入可能となり、開閉弁37が閉じられた状態で、分岐路35に流入できなくなる。これと同様に、熱媒循環回路13を流れる熱媒R1は、開閉弁38が開かれた状態で分岐路36に流入可能となり、開閉弁38が閉じられた状態で、分岐路36に流入できなくなる。
本実施の形態において、開閉弁31、33、37、38は、電磁弁であるが、これに限定されず、例えば、電動弁であってもよい。
バイパス管34の分岐していない領域には、バイパス管34を流れる熱媒R1を減圧可能な膨張弁39に加え、熱交換器40が設けられている。バイパス管34に接続された熱交換器40には、熱媒(以下、「熱媒R2」と言う)が循環する熱交換回路17が接続され、熱交換器40は、バイパス管34を流れる熱媒R1と熱交換回路17を循環する熱媒R2を熱交換可能である。
熱交換回路17は、図1、図2に示すように、貯湯タンク15内の下部に配置された熱交換器41につながっている。熱交換器41は、貯湯タンク15内の熱交換器41の近傍にある湯水(湯及び水を意味する)と熱交換器41を流れる熱媒R2を熱交換するので、熱交換回路17は、熱媒R2の循環によって、貯湯タンク15内の湯水とバイパス管34を流れる熱媒R1を熱交換することができる。
ここで、バイパス管34を通過した熱媒R1は、熱媒循環回路13に流入することから、結果として、熱交換回路17は、熱媒循環回路13を流れる熱媒R1と貯湯タンク15内の湯水を熱交換することになる。
熱交換回路17には、図1に示すように、熱媒R2を蓄えたタンク42、循環ポンプ43及び温度センサ44、45が設けられている。熱媒R2は、循環ポンプ43の作動により、図5に示すように、熱交換器40、41、タンク42及び循環ポンプ43を、順に通過して、熱交換回路17を循環する。
温度センサ44、45は、それぞれ、熱交換器41の上流側及び下流側で、熱媒R2の温度を計測する。
また、貯湯タンク15は、図2に示すように、給水管47が接続された下部と給湯管48が連結された上部とが、湯沸し回路49によって接続され、湯沸し回路49に連結された熱交換器50には、外気から吸熱するヒートポンプユニット51が連結されている。
湯沸し回路49に設けられたポンプ52の作動によって、貯湯タンク15の下部から取り出された湯水は、熱交換器50を通過の際に、ヒートポンプユニット51が得た外気の熱を与えられて加熱される。
湯沸し回路49には、熱交換器50の下流側に、湯沸し回路49を流れる湯水を、貯湯タンク15の下部に送るバイパス管53が、三方弁54を介して接続されている。
三方弁54は、ヒートポンプユニット51が、貯湯タンク15内の湯水を加熱するのに十分な熱を外気から得ていないとき、貯湯タンク15から湯沸し回路49に流れ出た湯水の送り先をバイパス管53にし、ヒートポンプユニット51が、貯湯タンク15内の湯水を加熱可能な状態になった際、湯水の送り先を、貯湯タンク15の上部に切り替える。三方弁54は、このように動作することによって、貯湯タンク15の上部に所定温度(例えば60℃)以下の湯が供給されるのを防止する。
貯湯タンク15には、給湯管48及び湯張り管56を介して、浴槽55が接続されている。湯張り管56には、給湯管48から供給される貯湯タンク15内の湯水と給水管47から供給される水とを混合する混合弁57、浴槽55への湯張りの際に開かれる開閉弁58、及び、浴槽55内の湯水の逆流を防止する逆止弁59が設けられている。
浴槽55には、浴槽55の湯水を循環させる湯水循環回路60が接続され、湯張り管56の一部は湯水循環回路60の一部として兼用されている。湯水循環回路60には、浴槽55から湯水循環回路60に湯水を送り出す循環ポンプ61、浴槽55内の湯水の温度を計測する温度センサ62、及び、湯水循環回路60を湯水が循環しているのを検出する水流センサ63が設けられている。
湯水循環回路60には、熱交換器64が接続され、熱交換器64には、貯湯タンク15内の湯水を循環させて浴槽55の湯水に熱を与える追焚き回路65が接続されている。追焚き回路65は、一側及び他側が、貯湯タンク15の上部及び下部にそれぞれ接続されている。
追焚き回路65に設けられた循環ポンプ66の作動により、貯湯タンク15内の湯水は、貯湯タンク15の上部から追焚き回路65に流入し、熱交換器64を通過中に湯水循環回路60を循環する浴槽55内の湯水を加熱した後、貯湯タンク15の下部に送られる。
浴槽55から湯水循環回路60に流れ出た湯水は、追焚き回路65を流れる貯湯タンク15の湯水から吸熱して、浴槽55に戻り、浴槽55内の湯水全体の温度を上昇させる。これによって、浴槽55内の湯水の追焚きが行われる。
浴槽55内の湯水に熱を与えて温度が低下した貯湯タンク15内の湯水の温度は、浴槽55内の湯水の温度等により異なるが、本実施の形態では、35〜45℃になる。
追焚き回路65の他側(貯湯タンク15の下部に接続されている側)は、貯湯タンク15内の湯水を循環させて浴槽55内の湯水の熱を貯湯タンク15内に回収する熱回収回路67の一部に兼用されている。熱回収回路67は、一側及び他側が共に貯湯タンク15の下部に接続されている。熱交換器64及び循環ポンプ66は、追焚き回路65及び熱回収回路67の共用領域に設けられ、熱回収回路67から独立した追焚き回路65と追焚き回路65から独立した熱回収回路67が合流する箇所には、貯湯タンク15の湯水の取り出し元を切り替える三方弁68が取り付けられている。
三方弁68が貯湯タンク15の上部から湯を取り出す状態では、循環ポンプ66の作動によって、貯湯タンク15の上部の湯が追焚き回路65を経由して貯湯タンク15の下部に送られる。これに対し、三方弁68が貯湯タンク15の下部から湯を取り出す状態では、循環ポンプ66の作動によって、貯湯タンク15の下部の湯水が熱回収回路67を経由して貯湯タンク15の下部に送られる。
熱回収回路67を流れる貯湯タンク15の下部からの湯水は、熱交換器64を通過中に湯水循環回路60を循環する浴槽55内の湯水から吸熱して昇温した後、貯湯タンク15の下部に送られる。これによって、浴槽55内の湯水の貯湯タンク15内への熱回収が行われる。
浴槽55内の湯水から吸熱して貯湯タンク15内に流入する湯水の温度は、浴槽55内の湯水の温度等にもよるが、本実施の形態では、30〜45℃になる。
貯湯タンク15の下部には、熱回収回路67に送り出される湯水の温度を計測する温度センサ69が設けられ、温度センサ69が計測した温度及び温度センサ62が計測した浴槽55内の湯水の温度を基に、図示しない制御手段が、浴槽55内の湯水の熱回収が可能であるか否かを判定し、熱回収が可能と判定した場合に、循環ポンプ61、66を作動して浴槽55内の湯水の熱回収を開始する。なお、制御手段は、例えばマイクロコンピュータであり、三方弁54、68や開閉弁58等の動作を制御する。
また、貯湯タンク15の下部には、貯湯タンク15内の熱交換器41の配置高さにある湯水の温度を計測する温度センサ70が取り付けられている。
また、熱融通設備10は、貯湯タンク15内の湯水の熱を利用して、被空調空間の暖房や、室外機側熱交換器12に生じた霜の除去を行うことができる。以下、貯湯タンク15内の湯水の熱を利用した被空調空間の暖房、及び、貯湯タンク15内の湯水の熱を利用した室外機側熱交換器12の除霜について説明する。
貯湯タンク15内の湯水の熱を用いて被空調空間を暖房する際、図5に示すように、制御手段によって、四方弁22は一次位置の状態にされ、膨張弁21及び開閉弁38は閉じられ、開閉弁33、37は開かれ、膨張弁39は通過する熱媒R1を減圧する状態にされた上で、圧縮機20及び循環ポンプ43が作動する。
これによって、熱媒R2は、熱交換回路17を循環し、圧縮機20から吐出された熱媒R1は、室内機側熱交換器11、膨張弁39、熱交換器40を順に通過した後、圧縮機20に送られて再び圧縮機20から吐出される。
このとき、熱交換器40において、熱交換器41を通過して貯湯タンク15内の湯水から吸熱した熱媒R2と、膨張弁39を通過して減圧された熱媒R1との間で熱交換がなされ、熱媒R2の熱が熱媒R1に与えられて、熱媒R1は蒸発する。熱媒R2から吸熱した熱媒R1は、圧縮機20によって圧縮された後、室内機側熱交換器11を通過の際に凝縮して被空調空間に放熱する。
従って、貯湯タンク15内の湯水の熱が、熱交換回路17、バイパス管34、及び、熱媒循環回路13を介して、室内機側熱交換器11に与えられ、室内機側熱交換器11から放熱されて被空調空間の暖房が行われることになる。
貯湯タンク15内の熱交換器41の近傍の湯水が、被空調空間を暖房するのに必要とされる温度であるか否かは、制御手段が、温度センサ70の計測温度を基に判定する。
ここで、被空調空間の気温が7℃のとき、熱交換器41の近傍の貯湯タンク15内の湯水の温度が10℃以上であれば、被空調空間の暖房が可能であることが確認されている。
本実施の形態において、浴槽55内の湯水の熱回収が完了した後、あるいは、浴槽55内の湯水の追焚きが完了した後、貯湯タンク15内の熱交換器41近傍の湯水の温度は、30〜45℃であり、これは、被空調空間の暖房が可能な温度であることを意味する。
本実施の形態では、室内機側熱交換器11に熱を与える湯水に、追焚きによって浴槽55内の湯水に熱を与えて温度が低下した貯湯タンク15内の湯水や、浴槽55内の湯水の熱を回収して昇温した貯湯タンク15内の湯水を利用することができる。貯湯タンク15内の湯水において、30〜45℃の湯水は、給湯用に利用するには低温であるため、30〜45℃の湯水を被空調空間の暖房に利用するのは有効である。
次に、貯湯タンク15内の湯水の熱を用いた室外機側熱交換器12の除霜について説明する。室外機側熱交換器12が、図3に示すように、蒸発器として機能し、室内機側熱交換器11が凝縮器として機能して被空調空間の暖房を行う(このとき、開閉弁37、38は閉じられている)と、室外機側熱交換器12の表面に霜が生じることがある。
室外機側熱交換器12に生じた霜を除去するには、図6に示すように、制御手段によって、四方弁22は二次位置の状態にされ、開閉弁33、38は閉じられ、膨張弁21は開かれ、膨張弁39は通過する熱媒R1を減圧する状態にされた上で、圧縮機20及び循環ポンプ43が作動する。
これによって、膨張弁39を通過して減圧された熱媒R1は、熱交換器40を通過中に、熱交換回路17を循環している熱媒R2から吸熱して蒸発し、圧縮機20により圧縮された後、室外機側熱交換器12を通過中に凝縮して室外気側熱交換器12に生じている霜を除去する。
なお、本実施の形態において、膨張弁21(他の膨張弁についても同じ)を開くとは、熱媒R1を減圧することなく通過させる状態を意味する。ここで、図5、図6では、熱交換器40において、熱媒R1と熱媒R2が同じ向きに流れているが、熱交換回路17を設計変更して、熱交換器40において、熱媒R2が熱媒R1に対して逆向きに流れるようにしてもよい。
室外機側熱交換器12の除霜は、貯湯タンク15内の湯水の熱を利用せずとも、図4に示すように、四方弁22を二次位置の状態にし、開閉弁37、38を閉じ、室外機側熱交換器12を凝縮器として機能させ、室内機側熱交換器11を蒸発器として機能させることによっても、取り除くことが可能であるが、室内機側熱交換器11が蒸発器として機能するため、被空調空間内の温度を低下させることになる。これに対し、貯湯タンク15内の湯水の熱を利用した室外機側熱交換器12の除霜は、被空調空間の温度を低下させないため、有効である。
ここで、貯湯タンク15内の湯水の熱を用いた被空調空間の暖房、及び、貯湯タンク15内の湯水の熱を利用した室外機側熱交換器12の除霜は、熱交換回路17を介した貯湯タンク15内から熱媒循環回路13への熱の供給にあたる。
また、四方弁22が、図7に示すように、一次位置の状態にされ、開閉弁33、37が閉じられ、開閉弁38及び膨張弁21が開かれ、膨張弁39が通過する熱媒R1を減圧する状態にされて、圧縮機20及び循環ポンプ43が作動することによって、膨張弁39を通過して減圧された熱媒R1は、室外機側熱交換器12を通過中に蒸発して外気から熱を取り込み、圧縮機20によって圧縮された後、熱交換器40を通過中に凝縮して、熱交換回路17を循環する熱媒R2に熱を与えるようになる。
熱媒R1から熱を与えられた熱媒R2は、熱交換器41を通過中に、貯湯タンク15内の湯水に放熱して、貯湯タンク15内の湯水を加熱する。
従って、本実施の形態における熱融通設備10は、室外機側熱交換器12から熱媒循環回路13に取り込んだ外気の熱を、熱交換回路17を介して、貯湯タンク15内の湯水に与えて、貯湯タンク15内の湯水を加熱することができる。この貯湯タンク15内の湯水の加熱(即ち、室外機側熱交換器12から取り込んだ外気の熱を利用した貯湯タンク15内の湯水の加熱)は、単独で行ってもよいし、ヒートポンプユニット51の作動による貯湯タンク15内の湯水の加熱と共に行ってもよい。
そして、四方弁22が、図8に示すように、二次位置の状態にされ、開閉弁31、37が閉じられ、開閉弁33、38が開かれ、膨張弁39が通過する熱媒R1を減圧する状態にされて、圧縮機20及び循環ポンプ43が作動することによって、膨張弁39を通過して減圧された熱媒R1は、室内機側熱交換器11を通過中に蒸発して被空調空間から熱を取り込み、圧縮機20によって圧縮された後、熱交換器40を通過中に凝縮して、熱交換器40を通過中の熱媒R2に熱を与えるようになる。
熱交換器40を通過の際に、熱媒R1から熱を得た熱媒R2は、熱交換器41を通過中に、貯湯タンク15内の湯水に熱を与えて加熱する。
従って、熱融通設備10は、室内機側熱交換器11から熱媒循環回路13に取り込んだ被空調空間内の熱を、熱交換回路17を介して、貯湯タンク15内の湯水に与えて、被空調空間の冷房と共に貯湯タンク15内の湯水の加熱を行うことができる。
室内機側熱交換器11から熱媒循環回路13に取り込んだ被空調空間内の熱を利用した貯湯タンク15内の湯水の加熱、及び、室外機側熱交換器12から取り込んだ外気の熱を利用した貯湯タンク15内の湯水の加熱は、熱交換回路17を介した熱媒循環回路13から貯湯タンク15内への熱の供給にあたる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、熱交換回路に接続された熱交換器は、貯湯タンク内でなく、貯湯タンク外に配置してもよい。熱交換回路に接続された熱交換器を貯湯タンク外に配置する場合、熱交換回路に接続された熱交換器に貯湯タンク内の湯水を貯湯タンクから取り出す回路を接続して、貯湯タンク内から取り出した湯水と熱交換回路を循環する熱媒R2が熱交換できるようにすればよい。
また、熱交換回路によって熱媒R2と熱交換されるのは、貯湯タンク内の下部の湯水に限定されず、追焚き回路から貯湯タンクに湯水が流入する高さ位置等に応じて、その他の高さ位置の湯水、例えば、貯湯タンクの上部や上下方向中央部の湯水であってもよい。
そして、室内機側熱交換器を収容した筺体は、温度調整した空気を被空調空間に供給できれば、被空調空間外に配置されてもよい。例えば、温度調整した空気の吹き出し口と被空調空間をダクトで接続することによって、室内機側熱交換器を収容した筺体は、被空調空間外である床下や屋根裏に配置可能である。
更に、室内機側熱交換器は、被空調空間に温度調整した空気を供給するものではなく、被空調空間の床に設置されて、床暖房及び床冷房の少なくとも1を行うものであってもよい。
また、熱融通設備は、熱交換回路を介した貯湯タンク内から熱媒循環回路への熱の供給、及び、熱交換回路を介した熱媒循環回路から貯湯タンク内への熱の供給のいずれか一方のみを行うように設計されていてもよい。
10:熱融通設備、11:室内機側熱交換器、12:室外機側熱交換器、13:熱媒循環回路、14:空気温調装置、15:貯湯タンク、16:給湯装置、17:熱交換回路、18、19:筺体、20:圧縮機、21:膨張弁、22:四方弁、23:クロスフローファン、24:プロペラファン、25:アキュムレータ、26:マフラ、27:ドライヤ、28、29、30:温度センサ、31:開閉弁、32:連結部材、33:開閉弁、34:バイパス管、35、36:分岐路、37、38:開閉弁、39:膨張弁、40、41:熱交換器、42:タンク、43:循環ポンプ、44、45:温度センサ、47:給水管、48:給湯管、49:湯沸し回路、50:熱交換器、51:ヒートポンプユニット、52:ポンプ、53:バイパス管、54:三方弁、55:浴槽、56:湯張り管、57:混合弁、58:開閉弁、59:逆止弁、60:湯水循環回路、61:循環ポンプ、62:温度センサ、63:水流センサ、64:熱交換器、65:追焚き回路、66:循環ポンプ、67:熱回収回路、68:三方弁、69、70:温度センサ

Claims (7)

  1. 被空調空間を温度調整する室内機側熱交換器と屋外に配置された室外機側熱交換器が熱媒循環回路によって接続された空気温調装置と、
    貯湯タンク内に湯水を貯留する給湯装置と、
    前記貯湯タンク内の湯水と前記熱媒循環回路を流れる熱媒を熱交換する熱交換回路とを備え、
    前記熱交換回路を介した前記貯湯タンク内から前記熱媒循環回路への熱の供給、及び、前記熱交換回路を介した前記熱媒循環回路から前記貯湯タンク内への熱の供給のいずれか一方、又は、双方を行うことを特徴とする熱融通設備。
  2. 請求項1記載の熱融通設備において、前記貯湯タンク内の湯水の熱を、前記熱交換回路及び前記熱媒循環回路を介して前記室内機側熱交換器に与え、該室内機側熱交換器から放熱して前記被空調空間の暖房を行うことを特徴とする熱融通設備。
  3. 請求項2記載の熱融通設備において、浴槽と、前記貯湯タンク内の湯水を循環させて前記浴槽内の湯水に熱を与える追焚き回路とを備え、前記室内機側熱交換器に熱を与えるのは、前記浴槽内の湯水に熱を与えて温度が低下した前記貯湯タンク内の湯水であることを特徴とする熱融通設備。
  4. 請求項2記載の熱融通設備において、浴槽と、前記貯湯タンク内の湯水を循環させて前記浴槽内の湯水の熱を前記貯湯タンク内に回収する熱回収回路とを備え、前記室内機側熱交換器に熱を与えるのは、前記浴槽内の湯水の熱を回収して昇温した前記貯湯タンク内の湯水であることを特徴とする熱融通設備。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱融通設備において、前記室外機側熱交換器を蒸発器として機能させて前記被空調空間の暖房を行い該室外機側熱交換器に生じた霜を、前記貯湯タンク内の湯水の熱を前記熱交換回路及び前記熱媒循環回路を介して前記室外機側熱交換器に与えて、除去することを特徴とする熱融通設備。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱融通設備において、前記室外機側熱交換器から前記熱媒循環回路に取り込んだ外気の熱を、前記熱交換回路を介して、前記貯湯タンク内の湯水に与えて加熱することを特徴とする熱融通設備。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱融通設備において、前記室内機側熱交換器から前記熱媒循環回路に取り込んだ前記被空調空間内の熱を、前記熱交換回路を介して、前記貯湯タンク内の湯水に与えて、前記被空調空間の冷房と共に前記貯湯タンク内の湯水の加熱を行うことを特徴とする熱融通設備。
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