JP2008196794A - ヒートポンプ給湯冷暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートポンプ式給湯冷暖房装置の室内機102に給湯器能と空調機能を持たせ、簡単に設置できるとともに、消費電力を削減させることを目的とする。
【解決手段】 室内機102と室外機101に別れ、室内機102の冷媒回路105は少なくとも室内空気熱交換器11、全閉可能な第2の絞り装置12、給湯用熱交換器13を配管で接続し、室内空気熱交換器11と第2の絞り装置12の間の配管と、給湯用熱交換器13が室外機101と連絡する配管を開閉手段14を介して接続したバイパス回路104を設けて構成し、給湯用熱交換器13と貯湯槽16で構成された給湯回路106を冷媒回路105と一体になるように室内機102の中に構成する。
【選択図】図1
【解決手段】 室内機102と室外機101に別れ、室内機102の冷媒回路105は少なくとも室内空気熱交換器11、全閉可能な第2の絞り装置12、給湯用熱交換器13を配管で接続し、室内空気熱交換器11と第2の絞り装置12の間の配管と、給湯用熱交換器13が室外機101と連絡する配管を開閉手段14を介して接続したバイパス回路104を設けて構成し、給湯用熱交換器13と貯湯槽16で構成された給湯回路106を冷媒回路105と一体になるように室内機102の中に構成する。
【選択図】図1
Description
この発明は、室内機に空調機能と給湯機能とを有する一体構成とし、空調および給湯を省エネルギーで運転するセパレート式ヒートポンプ給湯冷暖房装置に関するものである。
例えば、従来のヒートポンプ給湯冷暖房装置としては、給湯ユニットの給湯用熱交換器と室外熱交換器とを並列に配置したものが知られている。
具体例として、図11に従来のヒートポンプ給湯冷暖房装置の概念を示す。
図11に示すように、従来のヒートポンプ給湯冷暖房装置は、圧縮機1と、圧縮機1の吐出側に接続された四方弁2と、四方弁2に一端が接続された室外熱交換器3と、室外熱交換器3の他端に第1の絞り装置4、第3の絞り装置61を介して接続された室内空気熱交換器62と、室内空気熱交換器62が四方弁2を介して圧縮機1の吸入側に接続されることで冷凍サイクルを構成している。
また、圧縮機1と四方弁2とを結ぶ配管には第1の電磁弁63が設けてある。
そして、圧縮機1と第1の電磁弁63とを結ぶ配管は途中で分岐しており、その分岐の先には、第2の電磁弁64を介して給湯用熱交換器65が設けられている。
さらに、給湯用熱交換器65は、第4の絞り装置66を介して第1の絞り装置4と第3の絞り装置61とを結ぶ配管に接続している。
図11の構成において、冷房運転のみを行う場合は、四方弁2を実線の位置に合わせ、第1の絞り装置4を全開にし、第3の絞り装置61を所定開度に絞る一方、第2の電磁弁64、第4の絞り装置66を全閉にすると共に、第1の電磁弁63を開くようにする。
その結果、圧縮機1から吐出された冷媒は、四方弁2、室外熱交換器3、第1の絞り装置4、第3の絞り装置61、室内空気熱交換器62、四方弁2及び圧縮機1の順に循環するため、室内空気熱交換器62を設けた居室内は冷やされることになる。
次に、暖房運転のみを行う場合は、図12に示すように四方弁2を実線の位置に切替えた後、第1の絞り装置4を全開にし、第3の絞り装置61を所定開度に絞る一方、第2の電磁弁64、第4の絞り装置66を全閉にすると共に、第1の電磁弁63を開くようにする。
その結果、圧縮機1から吐出された冷媒は、四方弁2、室内空気熱交換器62、第3の絞り装置61、第1の絞り装置4、室外熱交換器3、四方弁2、圧縮機1の順に循環するため、室内空気熱交換器62を設けた居室内は暖められることになる。
更に、冷房運転時に、給湯あるいは貯湯運転が必要な場合には、図13に示すように、四方弁2を実線の位置に合わせると共に、第1の絞り装置4、第1の電磁弁63を全閉に、第3の絞り装置61を所定開度とし、第4の絞り装置66を全開にする。
そして、第2の電磁弁64を開くと、圧縮機1から吐出された冷媒が、給湯用熱交換器65、第4の絞り装置66、第3の絞り装置61、室内空気熱交換器62、四方弁2および圧縮機1の順に循環することになる。
この結果、圧縮機1から吐出された冷媒が、給湯用熱交換器65で凝縮し、室内空気熱交換器62で蒸発することになるため、室内空気熱交換器62を用いた居室の冷房運転と給湯用熱交換器65を用いた給湯あるいは貯湯運転が可能となる。
また、暖房運転時に、給湯あるいは貯湯運転が必要な場合には、図14に示すように、四方弁2を実線の位置に合わせると共に、第1の絞り装置4を全開に、第3の絞り装置61と第4の絞り装置66を所定開度にする。
そして、第1の電磁弁63と第2の電磁弁64とを開くと、圧縮機1から吐出された冷媒が、第2の電磁弁64、給湯用熱交換器65、第4の絞り装置66から第1の絞り装置4へと循環し、給湯あるいは貯湯運転を行う冷媒の流れと、第1の電磁弁63、室内空気熱交換器62、第3の絞り装置61から第1の絞り装置4へと循環し、居室内を暖房する冷媒の流れとに分割される。
この二つの流れは、第1の絞り装置4の手前で合流し、室外熱交換器3、四方弁2を経て圧縮機1へと循環することになる。
この結果、圧縮機1から吐出された冷媒は、給湯用熱交換器65、室内空気熱交換器62で凝縮し、室外熱交換器3で蒸発することになるため、給湯用熱交換器65を用いた給湯あるいは貯湯運転と、室内空気熱交換器62を用いた暖房運転が可能となる(例えば特許文献1参照)。
特開平10−122684号公報
しかしながら、上記従来のヒートポンプ給湯冷暖房装置では、冷房と給湯(貯湯を含む)、あるいは暖房と給湯(貯湯を含む)の両方の運転を同時に行う場合、室内側に配置された室内空気熱交換器62と給湯用熱交換器65とが並列接続となるように配されているため、次のような課題があった。
すなわち、冷房と給湯(貯湯を含む)、あるいは暖房と給湯(貯湯を含む)運転を行う場合、室内空気熱交換器62と貯湯用熱交換器65とを流れる冷媒の流量を適宜分割して流す必要があり、各々、冷房、暖房、給湯(貯湯を含む)単独運転時よりも各熱交換器62、65に流れる冷媒量が減少することとなり、各運転における能力低下を招いていた。
そこで本発明は、冷房と給湯(貯湯を含む)、あるいは暖房と給湯(貯湯を含む)運転における最適流量の冷媒流路を実現し、各運転の能力低下を抑制することで、室内機に空調機能と給湯機能とを持つ一体構成とした省エネルギーのセパレート式ヒートポンプ給湯冷暖房装置を提供することである。
上記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ給湯冷暖房装置は、室内機と室外機とからなり、室外機には、少なくとも冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮した冷媒の流れを切り替える四方弁と、第1の絞り装置と、室外熱交換器とを配管にて接続して室外機の冷媒回路とし、室内機には、給湯用熱交換器と貯湯槽とを接続してなる給湯回路と、室内空気熱交換器と、第2の絞り装置と、給湯用熱交換器とを配管にて接続して室内機の冷媒回路とし、この室内機側の冷媒回路に、室内空気熱交換器と第2の絞り装置とを連絡する配管と、給湯用熱交換器が室外機と連絡する配管とを開閉手段を介してなるバイパス回路を設けるというものである。
本構成とすることにより、給湯用熱交換器と室内空気熱交換器とを直列に接続し、給湯用熱交換器から流出した冷媒を室内空気熱交換器へと導くことで、貯湯運転に寄与した冷媒を居室内の暖房運転にも用いることができる。
本発明のヒートポンプ給湯冷暖房装置は、暖房運転時に給湯用熱交換器と室内空気熱交換器とが必要とする熱量の違いを利用して、給湯用熱交換器と室内空気熱交換器とを直列に配置することにより、効率的な暖房給湯、あるいは暖房貯湯運転を行うことができる。
その結果、特に暖房給湯、あるいは暖房貯湯運転時に消費するエネルギーを低減することが可能となる。
本発明の実施の形態は、室内機と室外機とからなり、室外機には、少なくとも冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮した冷媒の流れを切り替える四方弁と、第1の絞り装置と、室外熱交換器とを配管にて接続して室外機の冷媒回路とし、室内機には、給湯用熱交換器と貯湯槽とを接続してなる給湯回路と、室内空気熱交換器と、第2の絞り装置と、給湯用熱交換器とを配管にて接続して室内機の冷媒回路とし、この室内機側の冷媒回路に、室内空気熱交換器と第2の絞り装置とを連絡する配管と、給湯用熱交換器が室外機と連絡する配管とを開閉手段を介してなるバイパス回路を設けるというものである。
本構成とすることにより、給湯用熱交換器と室内空気熱交換器とを直列に接続し、給湯用熱交換器から流出した冷媒を室内空気熱交換器へと導くことで、貯湯運転に寄与した冷媒を居室内の暖房運転にも用いることができる。
しかも、冷媒用の配管はセパレート式空調機と同じ施工にて接続することができ、給水、給湯用の配管は室内に設置する給湯器と同じ施工で行うことができるため、簡易な設置が可能である。
また本発明は、貯湯槽の周囲に冷媒配管を巻くことで、給湯熱交換器を構成したため、構成部材を少なくすることができ、その結果、安価な冷暖房給湯機を提供できる。
また、本発明は、貯湯槽の内部に冷媒配管を挿入することで、給湯熱交換器を構成し、冷媒配管から周囲空気への熱損失をなくすことができ、より効率の高い給湯運転が可能である。
また、本発明は、室内機の給湯回路の貯湯槽と給湯熱交換器の間に循環ポンプを設け、貯湯槽内の水を循環ポンプにより給湯熱交換器に流し、冷媒と熱交換させて給湯回路を構成したため、給湯熱交換器を小型にすることができ、さらに効率の高い給湯運転を行うことができる。
さらに本発明は、第1から4の発明の冷媒回路の冷媒として炭酸ガスを用いたので、給湯水の高温化を高効率で実現すると共に、冷媒が外部に漏れた場合にも、地球温暖化への影響は非常に少なくなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
なお、各実施の形態において、同じ構成、同じ動作をする部分については同一符号を付与し、詳細な説明を援用する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯冷暖房装置の構成図を示すものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるヒートポンプ給湯冷暖房装置の構成図を示すものである。
図1において、一点鎖線で囲った枠101は室外機を、同様に、一点鎖線で囲った枠102は室内機を表している。
室外機101内部には、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器3、第1の絞り装置4、二方弁6、三方弁8を配管で接続した室外機101の冷媒回路103が設けてある。
二方弁6には、室内機102と冷媒をやり取りするための接続配管5が接続してある。
同様に、三方弁8には、室内機102と冷媒をやり取りするための接続配管7が接続してある。
また、四方弁2は、後述する制御装置30からの指示により、冷房や暖房などの運転条件に対応して、図に示す実線、破線いずれかの流路を確保するように冷媒回路103の冷媒の流れを切換えている。
さらに、室外熱交換器3近傍には、室外送風ファン9が設けてある。この室外送風ファン9は、室外空気と室外熱交換器3内を流れる冷媒との熱交換を促進するものである。
次に、室内機102内部には、室内空気熱交換器11、全閉可能な第2の絞り装置12、給湯用熱交換器13を配管で接続した回路に、破線104で囲んだバイパス回路を設けて室内機102の冷媒回路105が配してある。
このバイパス回路104は、一方を室内空気熱交換器11と第2の絞り装置12との間の配管に接続し、他方を給湯用熱交換器13と接続配管7とを連絡する配管に接続してあり、その途中には開閉手段である電磁弁14が設けてある。
また、室内空気熱交換器11の近傍には、室内空気と室内空気熱交換器11内を流れる冷媒との熱交換を促進するための室内送風ファン15を配している。
さらに室内機102内には、貯湯槽16、循環手段である循環ポンプ17、給湯用熱交換器13を順に接続した給湯回路106が配設してあり、室内機102の冷媒回路105と一体構造をなして室内機102内に収めてある。
なお、給湯回路106は、室外機101に設けた圧縮機1より吐出された高温高圧の加熱ガス冷媒を給湯用熱交換器13に導くことで、給湯回路106内を循環する水などの流体との熱交換を実現している。
上述した構成において、室内機102の冷媒回路105と給湯回路106には、さまざまなセンサーが取り付けてある。
すなわち、給湯用熱交換器13の出入口には、流入する入水温度を検知する入水温度センサー21と、流出する出湯温度を検知する出湯温度センサー22とが設けてある。
また、室内空気熱交換器11には、室内気温を検知する室内気温センサー23が設けてある。
また、貯湯槽16には、貯湯槽16内の残湯量を検出するために、複数の残湯温度センサー24〜26が設けてある。
これらのセンサーは、その目的に応じて適宜最適な位置に配されることとなる。
例えば給湯回路106において、貯湯槽16の下部から給湯用熱交換器13に対して水を流出し、給湯用熱交換器13から貯湯槽16の上部へ湯が戻る構成の場合、残湯温度センサー24〜26は、鉛直上下方向に配されることになる。
なお、本実施の形態において、残湯温度センサーの数を3個として説明しているが、その個数を増やせば、より細やかな制御が可能となることはいうまでもない。
そして、各々のセンサー21〜26が検知した内容は、制御装置30に入力される。
この入力値に基づいて、使用者が望む運転条件を実現するための諸条件が制御装置30にて演算される。
この演算結果が、制御装置30から室外機101、室内機102の各部に伝えられる。
すなわち、制御装置30の出力値に基づき、圧縮機1の運転周波数や第1の絞り装置4や第2の絞り装置12の開度、あるいは室外送風ファン9や室内送風ファン15の回転数、循環ポンプ17の回転数、バイパス回路104に設けた電磁弁14の開閉などが制御されれる。
なお、制御装置30は、各図面において、室外機101、及び室内機102の外部に配してあるが、室外機101、室内機102のいずれかの内部に配してあってもよいことは、いうまでもない。
また、制御装置30は、より細やかな制御を行うために、適宜必要な設定を行うことで、上述した構成以外のものを制御することも可能である。
つぎに、図2には、本発明の実施の形態1におけるセパレート式ヒートポンプ給湯冷暖房装置の室内機の構成図を示してある。
このような構成とすれば、空調機能と給湯機能とを実現するための冷媒回路105と、給湯回路106とを一体構造とする室内機102を得ることが可能となる。
その結果、接続配管5、7に関する施工は、セパレート式空調機と同じ施工にて行うことが可能となる。
同じく、図示しないが、給水、給湯に用いる配管も、室内に設置する給湯器と同じ施工にて実施することが可能となるため、従来と同様の施工が可能となり、簡易な設置が行える。
このセパレート式ヒートポンプ給湯冷暖房装置について、以下その動作、作用を説明する。
(1.貯湯運転)
最初に、貯湯運転を行う場合について、図3を用いて説明する。
(1.貯湯運転)
最初に、貯湯運転を行う場合について、図3を用いて説明する。
使用者の指示により、制御装置30から室外機101、室内機102の各部に対して、つぎのような制御信号が出力される。
まず、四方弁2は、図3の実線に示す位置へと切り替わる。
そして、室内機102の冷媒回路105各部は、第2の絞り装置12を全開、電磁弁14を閉、室内送風ファン15は停止となるように制御される。
このような回路構成で、圧縮機1が運転される。
図中、細い矢印を付与して冷媒回路103、105内を流れる冷媒の流れを示す。
すなわち、圧縮機1にて圧縮され、高温高圧となった冷媒は、四方弁2によって三方弁8方向へと導かれる。
そして、接続配管7を経由して室内機102の冷媒回路105へとたどり着き、給湯用熱交換器13へと流入する。
このとき、給湯用熱交換器13では、冷媒回路105を流れる冷媒から給湯回路106を流れる水へと熱伝達が行われる。つまり、水を加熱することで冷媒は熱を放出することになる(図中、太い矢印)。
その後、冷媒は、第2の絞り装置12を介して室内空気熱交換器11へと至る。
このとき、既に冷媒は給湯用熱交換器13にて放熱しているため、上述したように室内送風ファン15を停止することで、積極的な室内空気熱交換器11での放熱は行わない。
さらに、冷媒は、接続配管5、二方弁6を介して、第1の絞り装置4に至る。
適切な開度に設定された第1の絞り装置4によって低温低圧となった冷媒は、室外熱交換器3において、室外送風ファン9が稼動することで室外空気との熱交換が促進され、室外空気から吸熱する(図中、太い矢印)ことで蒸発する。
その後、四方弁2を通って圧縮機1に戻る。
一方、室内機102内に設けた給湯回路106では、循環ポンプ17によって、貯湯槽16の下部(残湯温度センサー26側)から給湯用熱交換器13へと水が供給される。
このとき、前述したように給湯用熱交換器13では、冷媒回路105内を流れる冷媒によって、給湯回路106内を流れる水が加熱される(例えば、65℃)。
そして、加熱され高温となった水(湯)は、貯湯槽16の上部(残湯温度センサー24側)へと流入するので、貯湯槽16は、上部から次第に貯湯されることになる。
その後、貯湯槽16内が湯でいっぱいになり、沸き上げ運転(貯湯運転)が完了近くになると、湯と水が混ざった湯水混合層が貯湯槽16から給湯用熱交換器13へと流入することになり、給湯用熱交換器13の入口の水温(入水温度)は上昇する。
その結果、入水温度センサー21が、入水温度が予め設定された所定の設定値(例えば、55℃)に達したことを検知すると、制御装置30は、貯湯槽16には充分な湯が貯まったものと判断し、圧縮機1の運転を停止する。
通常、給湯端末から供給される湯温は45℃以下である。
しかしながら、貯湯運転において、給湯回路106の加熱温度を60℃以上と設定することで貯湯槽16への蓄熱量を増加させることにより、貯湯槽16の容量を少なくすることが可能となり、貯湯槽16を小型にすることができる。
なお、例えば、給湯端末から45℃で給湯しようとする場合、市水温度や外気温度は季節により変動するため、冷媒回路103、105が給湯回路106へと熱を供給する能力、すなわちヒートポンプ給湯冷暖房装置の加熱に必要とされる能力は変動する。
このような場合、外気温度や市水温度を検知するセンサーを別途設け、これらの検知した値に応じて給湯回路106の加熱温度を60℃から90℃に変化させて、貯湯槽16への蓄熱量を変化させる。
このような制御を行うことで、冬期など市水温度と外気温度が低下することでヒートポンプ給湯冷暖房装置の加熱能力が低下した場合でも、給湯回路106の加熱温度を高くすることで、貯湯槽16への蓄熱量を増加させることができる。
その結果、屋外の環境条件が変化しても、給湯端末から供給する湯温を所定値に保つことが可能となるので、使用者がヒートポンプ給湯冷暖房装置を快適に使用することができる。
(2.暖房運転)
次に、暖房運転を行う場合について、図4を用いて説明する。
(2.暖房運転)
次に、暖房運転を行う場合について、図4を用いて説明する。
使用者の指示により、制御装置30から室外機101、室内機102の各部に対して、つぎのような制御信号が出力される。
まず、四方弁2は、図4の実線に示す位置へと切り替わる。
そして、室内機102の冷媒回路105各部は、第2の絞り装置12を全開、電磁弁14を開、室内送風ファン15は所定回転数で稼動するように制御される。
また、室外機101の冷媒回路103に設けた第1の絞り装置4は、所定の開度を保つように制御される。
このような回路構成で、圧縮機1が運転される。
図中、細い矢印を付与して冷媒回路103、105内を流れる冷媒の流れを示す。
すなわち、圧縮機1にて圧縮され、高温高圧となった冷媒は、四方弁2によって三方弁8方向へと導かれる。
そして、接続配管7を経由して室内機102の冷媒回路105へとたどり着く。
ここで、上述した(1.貯湯運転)の場合と異なることは、バイパス回路104に設けた電磁弁14が開となっているため、冷媒回路105にたどり着いた冷媒が、バイパス回路104と、給湯用熱交換器13から第2の絞り装置12へと至る流路とを並列して流れるというところにある。
なお、給湯用熱交換器13で冷媒溜りを発生させないように第2の絞り装置12を開いて冷媒を流すが、貯湯運転を行うための循環ポンプ17を停止することで、給湯用熱交換器13における冷媒からの積極的な放熱を抑制している。
その後、室内空気熱交換器11へと流入した冷媒は、室内送風ファン15により送られた室内空気と熱交換を行うことになる。
すなわち、冷媒が放熱することで室内空気が加熱されることになり、その結果として、居室内を暖房することになる。
そして、冷媒は、接続配管5、二方弁6を介して、第1の絞り装置4に至る。
第1の絞り装置4にて低温低圧となった冷媒は、室外熱交換器3において、室外送風ファン9が稼動することで室外空気から吸熱し(図中、太い矢印)、蒸発する。
その後、四方弁2を通って圧縮機1に戻る。
以上の説明から明らかなように、給湯回路106を停止することで、室内機102の冷媒回路105における主要熱伝達部が室内空気熱交換器11となり、空調機などが広く行っている暖房運転と同等の暖房運転能力を確保することができる。
(3.貯湯及び暖房の同時運転)
次に貯湯運転と暖房運転とを同時に行う場合について、図4、5を用いて説明する。
(3.貯湯及び暖房の同時運転)
次に貯湯運転と暖房運転とを同時に行う場合について、図4、5を用いて説明する。
ヒートポンプ給湯冷暖房装置における冷媒回路103、105の仕様は、(2.暖房運転)の状態を基本としている。
まず、貯湯槽16に設けた残湯温度センサー24〜26の検出値により、貯湯槽16内の残湯量を算出する。
算出した結果、残湯量が規定量より多く、暖房運転を優先できる場合、上述した(2.暖房運転)と同じ制御を行う(図4の状態)。
その後、室内気温を検知する室内気温センサー23により、居室内の室内気温が所望温度に近くなると、循環ポンプ17を運転する。
このとき、給湯用熱交換器13では、(1.貯湯運転)にて説明したように、冷媒回路105を流れる冷媒から給湯回路106を流れる水へと熱伝達が行われることとなり、暖房運転と貯湯運転とを同時に行うことが可能となる(図5の状態)。
ところで、給湯用熱交換器13と室内空気熱交換器11とは、必要とされる冷媒の温度範囲が異なる。
具体的には、給湯を行うために必要とされる冷媒温度が60℃、居室内を暖房するために必要とされる冷媒温度が40℃から45℃程度である。
このとき、従来例のように、給湯用熱交換器65と室内空気熱交換器62とを並列に接続し、各熱交換器62、65に流れる冷媒の流量を分割した場合、各々の単独運転時に比べて各熱交換器62、65に供給される冷媒量は少なくなるため、貯湯および暖房運転能力の低下を招いていた。
しかしながら、給湯用熱交換器13から流れ出た冷媒の温度が40℃から45℃以上であれば、十分、居室内の暖房運転に用いるだけの熱量を有していることになる。
そこで、本発明のように、給湯用熱交換器13と室内空気熱交換器11とを直列に接続し、給湯用熱交換器13から流出した冷媒を室内空気熱交換器11へと導くことで、貯湯運転に寄与した冷媒を居室内の暖房運転にも用いることができる。
このように、冷媒が有する熱量を有効に利用することで、貯湯及び暖房運転を効率的に行うことができ、省エネルギー化を促進することができる。
ところで、暖房単独運転から暖房運転と貯湯運転とを同時に行うように運転状態を変更した場合、給湯用熱交換器13側の流路を流れた冷媒は給湯用熱交換器13において給湯回路106へと放熱するため、室内空気熱交換器11において冷媒が室内空気に供給できる熱量は少なくなってしまう。
このような場合、制御装置30から、圧縮機1の運転周波数、循環ポンプ17の回転数や室内送風ファン15の回転数を制御することで、給湯用熱交換器13で放出した冷媒熱量の不足分を補うようにする。
具体的には、貯湯槽16に供給する湯の温度を一定に保ちながら、室内機102から吹出す温風の温度が、室温より一定温度(例えば、10deg)以上高い温度となるように暖房運転を行うようにするというものである。
そして、室内温度が、使用者が設定した温度に到達すると、室内送風ファン15の風量を最弱な状態とするか、あるいは、室内送風ファン15を停止して、貯湯単独運転に移行する。
実使用において上述した運転状態は、貯湯槽16から湯が供給される給湯状態において、特に有効な制御となる。
すなわち、給湯器としての大命題である、所定温度、所定量の湯を提供しながら、居室内の室温を設定温度に近い状態に保つことが可能となる。
(4.冷房運転)
次に、冷房運転を行う場合について、図6を用いて説明する。
(4.冷房運転)
次に、冷房運転を行う場合について、図6を用いて説明する。
使用者の指示により、制御装置30から室外機101、室内機102の各部に対して、つぎのような制御信号が出力される。
まず、四方弁2は、図6の実線に示す位置へと切り替わる。
そして、室内機102の冷媒回路105各部は、第2の絞り装置12を全閉、電磁弁14を開、室内送風ファン15は所定回転数で稼動するように制御される。
また、室外機101の冷媒回路103に設けた第1の絞り装置4は、所定の開度を保つように制御される。
このような回路構成で、圧縮機1が運転される。
図中、細い矢印を付与して冷媒回路103、105内を流れる冷媒の流れを示す。
すなわち、圧縮機1にて圧縮され、高温高圧となった冷媒は、四方弁2によって室外熱交換器3へと導かれる。
このとき、室外送風ファン9は、制御装置30の指示により、所定の回転数で稼動している。
従って、室外熱交換器3において、室外熱交換器3内を流れる冷媒は室外空気に対して放熱することで凝縮することになる。
そして、第1の絞り装置4へと進んだ冷媒は、この第1の絞り装置4によって低温低圧の冷媒へと状態を変化させることになる。
その後、冷媒は、二方弁6、接続配管5を介して、室内機102内の冷媒回路105へと流れ込む。
室内空気熱交換器11に至った冷媒は、室内送風ファン15によって供給される室内空気から吸熱することで居室内を冷房する。
そして、バイパス回路104、接続配管7、三方弁8を介して、再び室外機101の冷媒回路103に戻った冷媒は、四方弁2を通って圧縮機1に戻る。
この時、第2の絞り装置12が全閉状態であるので、給湯用熱交換器13への冷媒の流入はなく、しかも、循環ポンプ17を停止することで、給湯用熱交換器13への水の流入もないため、給湯用熱交換器13における冷媒から水への熱交換(放熱)はない。
従って、貯湯運転も行わない。
すなわち、給湯回路106を停止することで、室内機102の冷媒回路105における主要熱伝達部が室内空気熱換器11となり、空調機などが広く行っている冷房運転と同等の冷房運転能力を確保することができる。
(5.冷房及び給湯の同時運転)
次に、冷房運転を行い、その排熱により給湯運転を行う場合について、図7、8を用いて説明する。
(5.冷房及び給湯の同時運転)
次に、冷房運転を行い、その排熱により給湯運転を行う場合について、図7、8を用いて説明する。
使用者の指示により、制御装置30から室外機101、室内機102の各部に対して、つぎのような制御信号が出力される。
まず、四方弁2は、図7の実線に示す位置へと切り替わる。
そして、室内機102の冷媒回路105各部は、第2の絞り装置12が所定の開度に制御され、電磁弁14を閉、室内送風ファン15は所定回転数で稼動するように制御される。
また、室外機101の冷媒回路103に設けた第1の絞り装置4を全開、室外送風ファン9は停止となるように制御される。
このような回路構成で、圧縮機1が運転される。
図中、細い矢印を付与して冷媒回路103、105内を流れる冷媒の流れを示す。
すなわち、圧縮機1にて圧縮され、高温高圧となった冷媒は、四方弁2によって三方弁8方向へと導かれる。
そして、接続配管7を経由して室内機102の冷媒回路105へとたどり着き、給湯用熱交換器13へと流入する。
このとき、給湯用熱交換器13では、冷媒回路105を流れる冷媒から給湯回路106を流れる水へと熱伝達が行われる。つまり、水を加熱することで冷媒は放熱を行う(図中、太い矢印)。
その後、冷媒は、第2の絞り装置12を通ることで低温低圧となった状態で室内空気熱交換器11へと至る。
室内空気熱交換器11において、低温低圧の冷媒は、室内送風ファン15が稼動することにより供給される室内空気から吸熱することで、居室内を冷房する。
さらに、冷媒は、接続配管5、二方弁6、第1の絞り装置4、室外熱交換器3を経て四方弁2に至り、圧縮機1へと戻る。
このとき、上述したように室外送風ファン9は停止しているため、室外熱交換器3から室外空気への積極的な熱伝達はなされない(図7の状態)。
その後、居室内の温度が、使用者が設定した温度よりも低下した場合、室内送風ファン15を停め、冷房運転を停止する。
なお、さらに継続して給湯運転を行う場合は、室外送風ファン9を運転する。
つまり、室外熱交換器3において、室外送風ファン9によって室外熱交換器3へと供給される室外空気から冷媒へと熱伝達(吸熱)することにより、前述した説明において、室内空気熱交換器11にて行っていた冷媒への吸熱作用を代行する(図8の状態)。
その結果、居室内の温度を設定温度以下に下げることがないため、居室内の使用者に不快感を与えることなく、給湯運転を継続することが可能となり、給湯器としての主目的である安定した湯の供給ができる。
このように、比較的負荷変動の小さい給湯運転に対して、居室内の温度変化により負荷変動が大きくなる冷房運転に必要とされる冷媒の吸熱を、室外熱交換器3の運転、停止を制御することで賄うことにより、冷媒の流れを変更することなく、円滑に切り替えることができる。
したがって、従来のヒートポンプ給湯冷暖房装置では、四方弁2の切り替えを必要としていた冷房および給湯運転と給湯単独運転との切り替えを円滑に行うことができる。
その結果、従来、冷媒の差圧により、四方弁2切り替え時に発生していた切り替え音が発生することがない。
しかも、四方弁2切り替えによる冷媒回路の効率低下を抑制することができる。
以上の説明から明らかなように、制御装置30を用いて冷媒回路103、105と給湯回路106とを制御することにより、使用者が望む貯湯運転、暖房運転、暖房・貯湯運転、冷房運転、冷房・貯湯運転を行うことができる。
また冷房時の排熱を給湯に使用することで、消費電力を削減することができる。
また、図9に示すように、本実施の形態の給湯用熱交換器を貯湯槽16の周囲に冷媒を流す配管31を巻きつける構成とすることにより、安価な冷暖房給湯機を提供できる。
さらに、図10に示すように、貯湯槽16の内部に冷媒を流す配管31を挿入し給湯熱交換器を構成することにより、安価で、かつ、冷媒配管から周囲空気への熱損失をなくすことができ、より効率の高い給湯運転が可能である。
また、冷媒回路の冷媒として炭酸ガスを用いることにより、給湯水の高温化を高効率で実現すると共に、冷媒が外部に漏れた場合にも、地球温暖化への影響は非常に少なくすることができる。
以上のように、本発明にかかるヒートポンプ給湯冷暖房装置は、冷房排熱を利用して貯湯運転を行うことができるので、高温を得るヒートポンプ給湯機や高温風を得る空調機等の用途にも適用できる。
1 圧縮機
2 四方弁
3 室外熱交換器
4 第1の絞り装置
5 接続配管
6 二方弁
7 接続配管
8 三方弁
9 室外送風ファン
11 室内空気熱交換器
12 第2の絞り装置
13 給湯用熱交換器
14 電磁弁(開閉手段)
15 室内送風ファン
16 貯湯槽
17 循環ポンプ(循環手段)
101 室外機
102 室内機
103 (室外機の)冷媒回路
104 バイパス回路
105 (室内機の)冷媒回路
106 給湯回路
2 四方弁
3 室外熱交換器
4 第1の絞り装置
5 接続配管
6 二方弁
7 接続配管
8 三方弁
9 室外送風ファン
11 室内空気熱交換器
12 第2の絞り装置
13 給湯用熱交換器
14 電磁弁(開閉手段)
15 室内送風ファン
16 貯湯槽
17 循環ポンプ(循環手段)
101 室外機
102 室内機
103 (室外機の)冷媒回路
104 バイパス回路
105 (室内機の)冷媒回路
106 給湯回路
Claims (5)
- 室内機と室外機とからなり、前記室外機には、少なくとも冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮した冷媒の流れを切り替える四方弁と、第1の絞り装置と、室外熱交換器とを配管にて接続して室外機の冷媒回路とし、前記室内機には、給湯用熱交換器と貯湯槽とを接続してなる給湯回路と、室内空気熱交換器と、第2の絞り装置と、前記給湯用熱交換器とを配管にて接続して室内機の冷媒回路とし、この室内機側の冷媒回路に、前記室内空気熱交換器と前記第2の絞り装置とを連絡する配管と、前記給湯用熱交換器が前記室外機と連絡する配管とを開閉手段を介してなるバイパス回路を設けたことを特徴とするヒートポンプ給湯冷暖房装置。
- 前記貯湯槽の周囲に冷媒を流す配管を巻くことで、前記給湯用熱交換器を構成することを特徴する請求項1記載のヒートポンプ給湯冷暖房装置。
- 前記貯湯槽の内部に冷媒を流す配管を挿入することで、前記給湯用熱交換器を構成することを特徴する請求項1記載のヒートポンプ給湯冷暖房装置。
- 前記給湯回路の前記貯湯槽と前記給湯用熱交換器の間に循環手段を設け、前記貯湯槽内の水を前記循環手段により前記給湯熱交換器に流し、冷媒と熱交換させることを特徴する請求項1記載のヒートポンプ給湯冷暖房装置。
- 冷媒として炭酸ガスを用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯冷暖房装置。
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JP2007033195A JP2008196794A (ja) | 2007-02-14 | 2007-02-14 | ヒートポンプ給湯冷暖房装置 |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011075178A (ja) * | 2009-09-30 | 2011-04-14 | Fujitsu General Ltd | ヒートポンプサイクル装置 |
JP2012047415A (ja) * | 2010-08-27 | 2012-03-08 | Hitachi Appliances Inc | 冷凍装置の排熱利用システム |
JP2015232410A (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-24 | 株式会社長府製作所 | 熱融通設備 |
JP2018063090A (ja) * | 2016-10-14 | 2018-04-19 | 株式会社コロナ | 冷暖房機能付きヒートポンプ給湯機 |
JP2018063091A (ja) * | 2016-10-14 | 2018-04-19 | 株式会社コロナ | 冷房機能付きヒートポンプ給湯機 |
JP2018063092A (ja) * | 2016-10-14 | 2018-04-19 | 株式会社コロナ | 暖房機能付きヒートポンプ給湯機 |
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-
2007
- 2007-02-14 JP JP2007033195A patent/JP2008196794A/ja active Pending
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