JP2008134045A - ヒートポンプシステム - Google Patents

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知明 西川
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    • Y02B30/12Hot water central heating systems using heat pumps

Abstract

【課題】給湯や冷暖房を行うヒートポンプシステムに関し、冬季においても凍結の心配がなく、COP(成績係数)が高くて暖房の際の温度立ち上げが早い構成を提供する。
【解決手段】ヒートポンプ回路部1と、ブライン回路31と、水流通回路32を持つ。ヒートポンプ回路部1の蒸発器は、ヒートポンプ回路部1の冷媒とブライン回路31との間で熱交換を行いブラインが冷却される。ブライン回路31には水流通回路32を流れる水との間で熱交換を行う第3熱交換器が設けられており、水流通回路32の水が冷却される。蒸発器たる第2熱交換器を流れるのはブラインであり、ブラインが滞っていても凍結しない。自動暖房モードの際には、暖房運転の初期に貯湯タンク10,11の湯を取り出して暖房し、その後に暖房モードを切り替え、ヒートポンプ回路部1の熱を貯留することなく暖房に利用する直接暖房モードで運転させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプサイクルを利用して給湯や冷暖房を行うヒートポンプシステムに関するものである。
ヒートポンプサイクルは、低温の熱源から熱をくみ上げて昇温させる熱サイクルであり、ヒートポンプサイクルを利用した昇温装置は、電気ヒータ等のジュール熱を利用した昇温装置に比べて効率が高い。
また近年、ヒートポンプ回路に蓄熱装置を付加し、安価な夜間電力を使用して蓄熱装置に蓄熱し、より高い経済効果を発揮させるヒートポンプシステムが知られている。さらにヒートポンプサイクルの高温側を利用するだけでなく、ヒートポンプサイクルの冷却側に発生する低温を利用し、冷水を生成する方策も知られている(特許文献1)。
即ち特許文献1に開示された発明は、ヒートポンプ回路と二基の貯湯タンクを備えている。ヒートポンプ回路は圧縮機、第1熱交換器、第1減圧器、第2熱交換器、第2減圧器及び室外機を有している。特許文献1で採用するヒートポンプ回路では、第1熱交換器が高温状態となり、第2熱交換器が低温状態となる。そして第1熱交換器及び第2熱交換器でそれぞれ冷媒と水とを熱交換し、温水と冷水を作る。
第1熱交換器で作られた温水は、第1タンクに貯留し、第2熱交換器で作られた冷水は、第1タンクに貯留される。
特開2005−180836号公報
ヒートポンプサイクルで生じる高温を利用して高温水を生成して風呂や給湯に使用し、さらに低温側で冷水を生成させて冷房に利用すれば、ヒートポンプが発生する高温と低温の双方を利用することができ、効率がよい。
しかしながら、冷水を利用する期間は限られており、冬季においては冷水の需要は少ない。
そのため冬季においては、冷水を生成させる必要はない。
しかしながら特許文献1に開示されたヒートポンプシステムでは、冷水を作らない場合であっても第2熱交換器の二次側に水が滞留している。そのため特許文献1に開示されたヒートポンプシステムでは、第2熱交換器の通水を停止すると、第2熱交換器内に残留する水が凍結してしまい、第2熱交換器を破損してしまう。また第2熱交換器の二次側に通水されていても、生成された冷水が消費されないから、二次熱交換器を通過する冷水の温度が次第に低下し、遂には凍結してしまう。
そのため特許文献1に開示されたヒートポンプシステムでは、第2熱交換器の凍結を防止するために二次熱交換器を他の熱源で加熱したり、第2熱交換器の二次側に湯水を循環させたりする必要があり、冬季におけるCOP(成績係数)が低下してしまうという問題があった。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、冬季においても凍結の心配がなく、COP(成績係数)が高いヒートポンプを提供することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、ヒートポンプ回路と、水を貯留及び消費する水流通回路と、冷房又は暖房の少なくともいずれかに用いる温調端末に熱又は冷熱を供給する熱エネルギー供給回路と、ブラインを循環させるブライン回路とを備え、ブライン回路は熱エネルギー供給回路に熱エネルギーを供給可能であり、前記ヒートポンプ回路は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と少なくとも一つの蒸発器を備え、前記凝縮器はヒートポンプ回路の冷媒と水流通回路を流れる水との間で熱交換を行う第1熱交換器であり、蒸発器の少なくとも一つはヒートポンプ回路の冷媒とブライン回路を流れるブラインとの間で熱交換を行う第2熱交換器であり、さらにブライン回路には水流通回路を流れる水との間で熱交換を行う第3熱交換器が設けられていることを特徴とするヒートポンプシステムである。
本発明のヒートポンプシステムで採用するヒートポンプ回路は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と少なくとも一つの蒸発器を備える。そして公知のヒートポンプサイクルと同様に、凝縮器で高温が作られ、蒸発器で低温が作られる。
本発明のヒートポンプシステムでは、凝縮器はヒートポンプ回路の冷媒と水流通回路を流れる水との間で熱交換を行う第1熱交換器であり、当該第1熱交換器で直接的に温水が作られる。
これに対して本発明で採用する蒸発器は、ヒートポンプ回路の冷媒とブライン回路を流れるブライン(不凍液)との間で熱交換を行う第2熱交換器であり、本発明においては、蒸発器たる第2熱交換器でブラインが冷却される。そしてブライン回路には水流通回路を流れる水との間で熱交換を行う第3熱交換器が設けられており、第3熱交換器を介して水流通回路の水が冷却される。
冬季においては、冷水の需要が減少するから、第2熱交換器に対するブラインの流通を停止する場合もあるが、本発明では、蒸発器たる第2熱交換器を流れるのはブラインであり、凝固点が低いから、たとえ第2熱交換器内にブラインが滞っていても凍結しない。
また請求項2に記載の発明は、ヒートポンプ回路は、第2熱交換器と圧縮機との間に第4熱交換器が設けられ、第4熱交換器を通過したときヒートポンプ回路を流れる冷媒が完全に気化されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステムである。
本発明のヒートポンプシステムでは、第2熱交換器と圧縮機との間に第4熱交換器が設けられ、第4熱交換器で冷媒が完全に気化されるから、いわゆる圧縮機に対する液戻りが生じない。
請求項3に記載の発明は、水流通回路は1又はそれ以上の貯湯タンクを備え、前記貯湯タンクに温水又は冷水を貯留可能であり、貯湯タンク内に貯留された水を取り出して第3熱交換器に通過させてブライン回路を流れるブラインの温度を変化させ、ブライン回路の熱を熱エネルギー供給回路に供給して冷房又は暖房を行うことが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプシステムである。
本発明のヒートポンプシステムでは、貯湯タンクに熱或いは冷熱を貯留することができる。そして貯湯タンクに貯留された熱あるいは冷熱を利用して冷房や暖房を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、ヒートポンプ回路を動作させてヒートポンプ回路内に冷媒を循環させ、同時にブライン回路のブラインを循環させて第2熱交換器でブラインを冷却し、ブライン回路を流れるブラインを直接的に熱エネルギー供給回路に流通させて冷房を行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートポンプシステムである。
本発明のヒートポンプシステムでは、ヒートポンプで発生する冷熱を貯留することなく直接的に冷房に活用することができる。
特に請求項3に記載の構成と、請求項4に記載の構成の双方を具備するヒートポンプシステムでは、貯留された冷水を使用した冷房と、冷熱を直接的に利用する冷房とを選択的に実施することができる。
また貯留された温水を使用した暖房と、冷熱を直接的に利用する冷房とを選択的に実施することもできる。
請求項5に記載の発明は、水流通回路内の昇温された水を循環させると共に、ブライン回路のブラインを循環させ、水流通回路内の水とブライン回路のブラインを第3熱交換器に通過させてブライン回路を流れるブラインを昇温し、ヒートポンプ回路の除霜運転を行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のヒートポンプシステムである。
本発明のヒートポンプシステムでは、例えば貯湯タンクに貯留された温水を水流通回路に循環させ、第3熱交換器を介してブラインを昇温することができる。そして本発明では、ブライン回路を昇温したブラインが循環し、第2熱交換器を通過する。そのため本発明のヒートポンプシステムでは、ヒートポンプ回路の除霜運転を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、水流通回路には浴槽内の湯水と熱交換する第5熱交換器が設けられ、浴槽内の湯水を第5熱交換器に流通させて浴槽内の熱を水流通回路側に回収可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のヒートポンプシステムである。
本発明のヒートポンプシステムでは、浴槽内の余熱を回収することができる。特に前記した請求項5に記載の構成と、請求項6に記載の構成の双方を具備するヒートポンプシステムでは、浴槽内の余熱を利用してヒートポンプ回路の除霜運転を行うことができるので、無駄が無い。
請求項7に記載の発明は、貯湯タンクは、内部に温度成層を形成して湯水を貯留する温度成層式タンクであり、水流通回路には、前記温度成層式タンクの低温側から取り出された水が前記第1熱交換器を経由して温度成層式タンクの低温側に戻される待機循環流路が形成されることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のヒートポンプシステムである。
ここで、内部に温度成層が形成された温度成層式タンクにおいて、タンクの高温側に低温の水が導入されると温度成層が乱されるおそれがある。
請求項7のヒートポンプシステムは、温度成層式タンクの低温側から取り出された水が再び低温側に戻されるため、ヒートポンプ回路の起動直後などの第1熱交換器が十分に加熱されていない段階で、低温の水が温度成層式タンクに導入されたとしても、タンク内部に形成された温度成層が乱れるおそれが少ない。
また請求項7のヒートポンプシステムでは、第1熱交換器から供給される温水を貯湯タンクに貯留する前に、待機循環流路に湯水を循環させることが推奨される。第1熱交換器が十分に加熱されていない段階で第1熱交換器に湯水が導入されておらず、第1熱交換器が加熱された段階で初めて第1熱交換器に湯水が導入されても、第1熱交換器から供給される湯水の温度を正確に把握することは難しい。けれども予め待機循環流路に湯水を循環させておけば、第1熱交換器から供給される湯水の温度を容易に把握することができるからである。
請求項8に記載の発明は、第1熱交換器以外の熱交換器と前記待機循環流路との間には、水の流れを遮断する開閉弁が設けられ、前記開閉弁を閉状態にして前記待機流路から第1熱交換器以外の熱交換器への水の流れが遮断されることを特徴とする請求項7に記載のヒートポンプシステムである。
請求項8のヒートポンプシステムは、開閉弁を閉じることにより、待機循環流路から第1熱交換器以外の熱交換器への水および熱の流れを遮断することができ、第1熱交換器以外の熱交換器での吸熱を防止して無駄な熱損失をなくすことができる。
請求項9に記載の発明は、前記第1熱交換器を通過した水の温度を検知する温度検知手段を備え、前記温度検知手段で検知された検知温度が所定の温度よりも高くなることを条件に、待機循環流路が、温度成層式タンクの低温側から取り出された水が第1熱交換器を経由して前記温度成層式タンクの高温側に導入される温水貯留循環流路に切り替えられることを特徴とする請求項7又は8に記載のヒートポンプシステムである。
これにより請求項9のヒートポンプシステムは、第1熱交換器から供給される水の温度が所定の温度に達するまでは、待機循環流路に水を循環させて待機しておき、第1熱交換器から供給される水が所定の温度に達した段階で貯湯タンクへの温水の貯留を開始することができる。
請求項10に記載の発明は、ヒートポンプ回路を流れる冷媒は二酸化炭素であり、ヒートポンプ回路は超臨界ヒートポンプ回路であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のヒートポンプシステムである。
二酸化炭素は自然界に存在する気体であるため、請求項10のヒートポンプシステムは、オゾン層を破壊する懸念がない。また請求項10のヒートポンプシステムは、二酸化炭素を冷媒とする超臨界ヒートポンプ回路が採用されているので、成績係数が高い。
本発明のヒートポンプシステムは、冬季においても凍結することがなく、故障が少ない。また凍結防止のための運転を最小限におさえることができるので、熱効率が高い。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図である。
本実施形態のヒートポンプシステムは、ヒートポンプを利用して温水と冷水を作り、これをタンクに貯留したり直接熱負荷に供給する等によって活用するものである。
本実施形態のヒートポンプシステムは、大きく分けてヒートポンプ回路部1と熱貯留部30とによって構成されている。
ヒートポンプ回路部1は、二酸化炭素を熱媒体とし、超臨界ヒートポンプ回路を構成するものが望ましい。また代替フロン等の相変化する熱媒体を循環させるものであってもよい。
ただし一般にヒートポンプサイクルと称される熱サイクル(狭義のヒートポンプサイクル)は、熱媒体の流れを切り換えて温熱を取り出したり冷熱を取り出したりする構造のものを指すが、本実施形態で採用するヒートポンプ回路部1は、熱媒体の流れを切り換える機能を持たない。本実施形態で採用するのは広義のヒートポンプサイクルであり、本実施形態のヒートポンプ回路部1は、暖房サイクル又は冷凍サイクルだけを構成しているものとも言える。
即ち冷凍サイクルと称される熱サイクルと暖房サイクルと称される熱サイクルは、いずれも二つの熱交換器を持ち、この内の一つが凝縮器として機能し、他の一つが蒸発器として機能する。冷凍サイクル及び暖房サイクルと称される熱サイクルでは、熱交換器の機能が凝縮又は蒸発のいずれかに特定されている。
これに対して一般的にヒートポンプサイクルと称される熱サイクルは、内部に切替え弁を持ち、熱媒体が通過する熱交換器の順序を切り換え、一つの熱交換器をある時は凝縮器として使用し、ある時は蒸発器として使用する。
前記した様に本実施形態で採用するヒートポンプ回路部1は、熱媒体の循環方向を切り換える機能を持たないので、暖房サイクル又は冷凍サイクルだけを構成しているものである。
ヒートポンプ回路部1は、図1の様に圧縮機6、給湯熱交換器(第1熱交換器)3、膨張弁(膨張手段)4、冷水熱交換器(第2熱交換器)2、及び空気熱交換器(第4熱交換器)5が環状に接続されたものであり、内部に前記した二酸化炭素または代替フロン等の相変化する熱媒体が充填されている。
ヒートポンプ回路部1の構成部材たる圧縮機6は、公知のそれと同一であり、レシプロ式、ロータリー式、あるいはスクロール式の圧縮機である。
給湯熱交換器(第1熱交換器)3は、凝縮機としての機能を果たすものであり、一次側流路と二次側流路を持つ。そして一次側の流路に二酸化炭素または代替フロン等の熱媒体が流れ、二次側の流路に上水が流れる。
また給湯熱交換器3の二次側流路の入側近傍には、二次側流路に送り込まれる水の温度を検知できる給湯入側センサ75が設けられ、給湯熱交換器3の二次側流路の出側近傍には、二次側流路から送り出される水の温度を検知できる給湯出側センサ76が設けられている。
膨張弁4は、公知の冷凍機等に使用されるものである。
冷水熱交換器(第2熱交換器)2は、これに続く空気熱交換器(第4熱交換器)5と共に蒸発器として機能する。冷水熱交換器2は、一次側流路と二次側流路を持つ。そして一次側の流路に二酸化炭素または代替フロン等の熱媒体が流れ、二次側の流路にブラインが流れる。
空気熱交換器(第4熱交換器)5は、いわゆる室外機であり、冷媒流路と送風通路を有する。そして冷媒流路を二酸化炭素または代替フロン等の熱媒体が流れ、送風通路を流れる送風と熱交換するものである。空気熱交換器5の近傍には図1の様に送風機が設けられている。
またヒートポンプ回路部1は、圧縮機6、膨張弁4をはじめとする各部の動作を司るヒートポンプ制御部(図示せず)を備える。
ヒートポンプ回路部1には前記した様に二酸化炭素または代替フロン等の熱媒体が充填されている。そして熱媒体は、圧縮機6で断熱圧縮されて高温高圧状態となる。高温高圧状態となった熱媒体は下流の給湯熱交換器(第1熱交換器)3に流れる。給湯熱交換器3は、前記した様に凝縮器として機能するものであり、熱媒体は二次側を流れる上水と熱交換して温度降下し、液化する。二次側の上水は、熱媒体から熱を奪って昇温する。
給湯熱交換器3から排出された熱媒体は、膨張弁4から放出され、さらに冷水熱交換器(第2熱交換器)2に入って気化する。このとき熱媒体は周囲の熱を奪い、温度が低下する。一方、冷水熱交換器2の二次側を流れるブラインは、熱を奪われて温度が低下する。
冷水熱交換器(第2熱交換器)2を出た熱媒体は、空気熱交換器5に入り、外気によって加熱されて気化が完了し、圧縮機6に戻る。本実施形態では、熱媒体が空気熱交換器5で加熱され、完全に気化するので、圧縮機6には気体状態の熱媒体が戻る。
次に熱貯留部30について説明する。
熱貯留部30は、前記したヒートポンプ回路部1と、給湯熱交換器(第1熱交換器)3及び冷水熱交換器(第2熱交換器)2で熱的に連結されている。即ちヒートポンプ回路部1の熱媒体は給湯熱交換器3及び冷水熱交換器2の一次側を流れるのに対し、これらの二次側の流路が熱貯留部30と連通している。
また熱貯留部30は、入水部56と給湯部52によって外部と接続されている。即ち入水部56が外部の上水源に接続されている。また給湯部52は図示しないシャワー、カラン、浴槽等に接続されている。
熱貯留部30は、温調端末機40とも接続されている。温調端末機40は、具体的にはエアコンの室内機であり、冷房機能と暖房機能とを兼ね備えている。もちろんエアコンの室内機は、温調端末機40の一例に過ぎず、ファンコンベクターや床暖房機であってもよい。また温調端末機40は複数であってもよい。
さらに熱貯留部30は、外部の浴槽(風呂)とも接続されている。
熱貯留部30の内部には、二個の貯湯タンク10,11と冷暖房熱交換器(第3熱交換器)8、風呂熱交換器(第5熱交換器)9、膨張タンク16、第1主流路循環ポンプ7、ブライン循環ポンプ13、第2主流路循環ポンプ14が設けられ、これらの間に湯水やブラインが循環できる様に配管接続がなされている。
また必要に応じて流路を切り換えることができる様に第1弁から第13弁まで13個の切替え弁が設けられている。ここで第1弁から第7弁及び第10弁は二方弁であり、第8弁、第9弁、第11弁、第12弁、第13弁は三方切替え弁である。
加えて熱貯留部30は、上記各切替え弁や第1主流路循環ポンプ7、ブライン循環ポンプ13、第2主流路循環ポンプ14をはじめとする各部の動作を司り、前記ヒートポンプ制御部(図示せず)との間で情報を送受できるタンク制御部(図示せず)を備える。
本実施形態で採用する二個の貯湯タンク10,11は、内部に温度成層を構成させて湯又は冷水を貯留させるものである。また二個の貯湯タンク10,11は、いずれも高温の湯と冷水の双方を選択的に貯留させることができる。
二個の貯湯タンク10,11は特徴的な構造として、上部側と下部側にそれぞれ二個の湯水出入り口を持つ。即ち二個の貯湯タンク10,11はいずれも4個の開口を持ち、その内の2個がタンク上部に設けられ、残る2個がタンク下部に設けられている。
説明上、それぞれの開口を上a開口、上b開口、下a開口、下b開口と称する。
配管は、大きくブラインが流れるブライン回路31と水が流れる水流通回路32及び風呂循環回路37によって構成されている。これら三者は熱的には繋がっているが流路は完全に分離されており、水とブラインが混じり合ったり、浴槽の水と水流通回路32を流れる水とが混じり合うことはない。
ブライン回路31は一部が熱エネルギー供給回路と重複している。
また水流通回路32は2系統の主たる回路とこれらの流れ方向を切り換えるための補助的な流路によって構成されている。
風呂循環回路37は、浴槽の水をヒートポンプシステムに取り込み、風呂の追い焚きや残存する熱エネルギーの回収を行う回路である。
前記したブライン回路31はブラインが流れ、第1主流路35及び第2主流路36(水流通回路32)は湯又は冷水が流れる。また風呂循環回路37は外部に設置された浴槽(風呂)の水を取り込んで循環させる流路である。
ブライン回路31から順次説明すると、ブライン回路31は、前記したヒートポンプ回路部1の冷水熱交換器2と冷暖房熱交換器8及び外部の温調端末機40の間にブラインを流通させるための流路であり、その間に膨張タンク16とブライン循環ポンプ13が介在されている。
即ちブライン回路31は、ヒートポンプ回路部1の冷水熱交換器2の二次側流路の一方の開口を始端とすれば、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13及び冷暖房熱交換器8を順次経由して外部の温調端末機40に至り、冷水熱交換器2に戻る流路である。なお外部の温調端末機40に至る流路はエネルギー供給回路45として機能する。
そして補助的な流路として外部の温調端末機40をバイバスする端末バイパス流路46と、冷水熱交換器2をバイパスする冷水熱交バイパス流路47を持つ。
また温調端末機40をバイバスする端末バイパス流路46には第3弁たる二方弁が設けられている。冷水熱交バイパス流路47には第2弁たる二方弁が設けられている。冷水熱交換器2の上流側であって冷水熱交バイパス流路47の分岐点と冷水熱交換器2との間には第1弁たる二方弁が設けられている。
前記したブライン循環ポンプ13を起動することによりブライン回路31に充填されたブライン(不凍液)を循環させることができる。
また端末バイパス流路46に設けられた第3弁を開閉することによってエネルギー供給回路45を流れるブラインの量を増減させ、温調端末機40に至るブライン量を調節することができる。具体的には、ブライン循環ポンプ13を起動して端末バイパス流路46に設けられた第3弁を閉じるとブライン回路31を流れるブラインの全量がエネルギー供給回路45を流れ、温調端末機40を通過する。
逆に端末バイパス流路46に設けられた第3弁を開くと、ブライン回路31を流れるブラインの略全量がエネルギー供給回路45を迂回して端末バイパス流路46を流れる。
また冷水熱交バイパス流路47に設けられた第2弁を閉じ、冷水熱交バイパス流路47と冷水熱交換器2との間に設けられた第1弁を開くと、ブライン回路31を流れるブラインの全量が冷水熱交換器2を通過する。
逆に冷水熱交バイパス流路47に設けられた第2弁を開き、冷水熱交バイパス流路47と冷水熱交換器2との間に設けられた第1弁を閉じると、ブライン回路31を流れるブラインの全量が冷水熱交換器2を迂回する。
さらに冷水熱交バイパス流路47に設けられた第2弁と、冷水熱交バイパス流路47と冷水熱交換器2との間に設けられた第1弁の双方を開くと、ブライン回路31を流れるブラインの一部が冷水熱交換器2に流れる。
次に水流通回路32について説明する。水流通回路32は前記した様に第1主流路35と第2主流路36によって構成されている。なお図1では、第1主流路35が第2主流路36の外側を取り巻く様に描かれている。
第1主流路35は、給湯熱交換器3に対して第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11を並列に接続した流路である。第1主流路35には、当該流路に湯水を循環させるための第1主流路循環ポンプ7と逆止弁15が設けられている。また各貯湯タンク10、11との接続流路に弁が設けられている(第7弁、第4弁)。第7弁、第4弁はいずれも二方弁である。
さらに後記する第2主流路36と連結するための三方弁(第11弁)が設けられている。
また第1主流路35には入水部56と給湯部52が設けられている。
第1主流路35についてさらに具体的に説明すると、給湯熱交換器3を中心としてこの二次側流路に給湯熱交出側流路48がある。なお図において給湯熱交換器3の上部側が出水口であり、上部側の流路が給湯熱交出側流路48である。そしてこの給湯熱交出側流路48が分岐されて第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11に接続されている。給湯熱交出側流路48から第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11に至る接続部は、いずれもタンク10、11の上部側に設けられた開口である。より具体的には給湯熱交出側流路48の分岐部は第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11の上b開口に接続されている。
そして第1貯湯タンク10に至る分岐流路には第7弁が取り付けられ、第2貯湯タンク11に至る分岐流路には第4弁が取り付けられている。第7弁及び第4弁はいずれも二方弁である。
また給湯熱交換器3から第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11に至る間に第11弁たる三方弁が設けられている。三方弁の一つの開口には後記する第1連通路50が接続されている。即ち第11弁たる三方弁は、Gポート、Jポート、Hポートを持ち、図の様に第1主流路35の主たる流路にGポート、Jポートが接続され、Hポートには第2主流路36に至る第1連通路50が接続されている。
また給湯熱交出側流路48は、逆止弁51を介して給湯部52に至っている。
一方、給湯熱交換器3の入り側(二次側流路の入り側)には給湯熱交入側流路53がある。なお図において給湯熱交換器3の下部側が入水口であり、下側の流路が給湯熱交入側流路53である。
そしてこの給湯熱交入側流路53が分岐されて第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11に接続されている。
給湯熱交入側流路53が接続されているのはいずれもタンク10,11の下部に設けられた開口であり、より具体的には下b開口である。
また給湯熱交換器3と第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11の間には第1主流路循環ポンプ7があり、さらに第1主流路循環ポンプ7の下流側に逆止弁15が設けられている。
第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11と第1主流路循環ポンプ7との間には分岐部があり、後記する第2連通路54が接続されている。
給湯熱交入側流路53には入水部56が接続されており、入水部56には、上水の給水源が接続されている。また入水部56から第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11に至る導入部分には、バイパス路57が設けられ、バイパス路57の他端側は給湯熱交出側流路48に接続されている。バイパス路57の末端には湯水混合弁58が設けられ、バイパス路57の中途には逆止弁60が設けられている。バイパス路57は給湯熱交出側流路48を流れる高温の湯に入水部56から供給された常温の水を混合し、出湯温度を調節するために設けられたものである。
第1主流路35に設けられた第1主流路循環ポンプ7を起動すると、第1主流路35に水流が生じる。そして各弁を開閉することにより、貯湯タンク10,11の湯水(冷水を含む)を出し入れすることができる。
即ち第1主流路35の第1貯湯タンク10の上部に設けられた第7弁を開くと、給湯熱交換器3と第1貯湯タンク10とによって構成される環状流路が開き、給湯熱交換器3を通過した湯水が第1貯湯タンク10の上部の上b開口から第1貯湯タンク10に入る。そして第1貯湯タンク10の下部に設けられた下b開口から第1貯湯タンク10内の湯水が押し出され、第1主流路循環ポンプ7を経て給湯熱交換器3に戻る。
また第1主流路35の第2貯湯タンク11の上部に設けられた第4弁を開くと、給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11とによって構成される環状流路が開き、給湯熱交換器3を通過した湯水が第2貯湯タンク11の上部の上b開口から第2貯湯タンク11に入る。そして第2貯湯タンク11の下部に設けられた下b開口から第2貯湯タンク11内の湯水が押し出され、第1主流路循環ポンプ7を経て給湯熱交換器3に戻る。
また第11弁たる三方弁のGポートとHポートとの間を連通させると、給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8とを連通させることができる。
次に第2主流路36について説明する。第2主流路36は、冷暖房熱交換器8に対して風呂熱交換器9、第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11を並列に接続した流路である。第2主流路36には、当該流路に湯水を循環させるための第2主流路循環ポンプ14が設けられている。また4個の三方弁と2個の二方弁が設けられている。
第2主流路36についてさらに具体的に説明すると、冷暖房熱交換器8を中心としてこの二次側流路の入側に冷暖房熱交入側流路61があり、出側に冷暖房熱交出側流路62がある。なお図において、冷暖房熱交換器8の上部側が入水口である。
そして冷暖房熱交入側流路61が分岐されて風呂熱交換器9、第1貯湯タンク10が接続され、冷暖房熱交入側流路61の末端部が第2貯湯タンク11に接続されている。冷暖房熱交入側流路61から第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11に至る接続部は、いずれもタンク10,11の上部側に設けられた開口である。より具体的には冷暖房熱交入側流路61の分岐部及び末端部は第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11の上a開口に接続されている。
そして冷暖房熱交入側流路61と第1貯湯タンク10との分岐部分に第8弁たる三方弁が取り付けられている。第8弁たる三方弁は、Aポート、Bポート、Cポートを持ち、この内のAポート、Cポートが第2主流路36の主たる流路に接続されている。従って第8弁のCポートは冷暖房熱交入側流路61の末端に接続された第2貯湯タンク11に繋がっている。また第8弁のBポートは、第1貯湯タンク10の上部の開口たる上a開口に接続されている。
また冷暖房熱交入側流路61には他に第5弁たる二方弁と、第12弁たる三方弁が設けられている。なお風呂熱交換器9に至る分岐部は第5弁たる二方弁と、第12弁たる三方弁の間にある。
風呂熱交換器9の他端側は冷暖房熱交換器8の出側と第2主流路循環ポンプ14の吸い込み側との間に接続されている。風呂熱交換器9を含む分岐流路70には第6弁たる二方弁が設けられている。
前記した第12弁たる三方弁は、図の様にKポート、Lポート、Mポートを持ち、この内のKポート、Mポートが第2主流路36の主たる流路に接続され、Lポートが第1渡り配管65に接続されている。なお第1渡り配管65の他端側は冷暖房熱交出側流路62に接続されている。また第12弁たる三方弁と第1貯湯タンク10との分岐部分に設けられた第8弁の間には、第2渡り配管66の末端側が接続されている。
冷暖房熱交入側流路61であって冷暖房熱交換器8と第5弁たる二方弁との間は分岐されて第1連通路50が設けられている。第1連通路50の他端側は、第1主流路の給湯熱交出側流路48に設けられた三方弁(第11弁)のHポートに接続されている。
一方、冷暖房熱交換器8の出側(二次側流路の出側)には冷暖房熱交出側流路62がある。なお図においては、下部側が冷暖房熱交換器8の出側である。そしてこの冷暖房熱交出側流路62が分岐されて第1貯湯タンク10に接続され、冷暖房熱交出側流路62の末端が第2貯湯タンク11に接続されている。
冷暖房熱交換器8の出側(二次側流路の出側)が接続されているのはいずれも貯湯タンク10,11の下部に設けられた開口であり、より具体的には下a開口である。
冷暖房熱交出側流路62と第1貯湯タンク10及び第2貯湯タンク11の間には第2主流路循環ポンプ14がある。
そして冷暖房熱交出側流路62の第1貯湯タンク10との分岐部分に第9弁たる三方弁が取り付けられている。第9弁たる三方弁は、図の様にDポート、Eポート、Fポートを持ち、その内のDポート、Fポートが冷暖房熱交出側流路62の主たる流路に接続されている。従って第9弁のFポートは第2貯湯タンク11に繋がっている。また第9弁のEポートが第2貯湯タンクの下部に設けられた下a開口に接続されている。
また冷暖房熱交出側流路62であって、第2主流路循環ポンプ14と第9弁との間には第13弁たる三方弁が設けられている。第13弁たる三方弁は、図の様にOポート、Pポート、Qポートを持ち、その内のOポート、Qポートが冷暖房熱交出側流路62の主たる流路に接続され、Pポートが第2渡り配管66に接続され、前記した様に他端側が冷暖房熱交入側流路61に接続されている。また第13弁たる三方弁と第1貯湯タンク10との分岐部分に設けられた第9弁の間には、第1渡り配管65の末端側が接続されている。
第13弁たる三方弁と第1渡り配管65の末端接続部との間が更に分岐されて第2連通路54が設けられている、第2連通路54には第10弁たる二方弁が設けられている。
第2連通路54の他端側は、給湯熱交入側流路53であって第1貯湯タンク10と第1主流路循環ポンプ7との間に接続されている。
第2主流路36に設けられた第2主流路循環ポンプ14を起動すると、第2主流路36に水流が生じる。そして各弁を開閉することにより、貯湯タンク10,11の湯水(冷水を含む)を出し入れすることができる。
即ち第2主流路36の第12弁をMポートとKポートが連通する状態とし、第13弁をOポートとQポートが連通する状態を前提とし、第1貯湯タンク10の上部に設けられた第8弁のAポートとBポートを連通させ、第1貯湯タンク10の下部に設けられた第9弁のDポートとEポートを連通させると、冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10とによって構成される環状流路が開き、冷暖房熱交換器8を通過した湯水が第1貯湯タンク10の下部の下a開口から第1貯湯タンク10に入る。そして第1貯湯タンク10の上部に設けられた上a開口から第1貯湯タンク10内の湯水が押し出され、冷暖房熱交換器8に戻る。
また第2主流路36の第1貯湯タンク10の上部に設けられた第8弁のAポートとCポートを連通させ、第1貯湯タンク10の下部に設けられた第9弁のDポートとFポートを連通させると、冷暖房熱交換器8と第2貯湯タンク11とによって構成される環状流路が開き、冷暖房熱交換器8を通過した湯水が第2貯湯タンク11の下部の下a開口から第2貯湯タンク11に入る。そして第1貯湯タンク11の上部に設けられた上a開口から第2貯湯タンク11内の湯水が押し出され、冷暖房熱交換器8に戻る。
また第5弁たる二方弁と第6弁たる二方弁を開くと、第2主流路循環ポンプ14に対して冷暖房熱交換器8と風呂熱交換器9とが並列接続され、冷暖房熱交換器8と風呂熱交換器9の双方に湯水が流れる。
第12弁と第13弁を切り替え、第12弁たる三方弁のKポートとLポートを連通させ、第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させると、貯湯タンク10,11に対する入水、出水の方向が逆転する。即ち通常のルートとして、第12弁たる三方弁のKポートとMポートを連通させ、第13弁たる三方弁のOポートとQポートを連通させた状態(通常状態)で第2主流路循環ポンプ14を動作させると、前記した様に、冷暖房熱交換器8を通過した湯水が第1、第2貯湯タンク10,11の下部の下a開口から第1、第2貯湯タンク10,11に入り、第1、第2貯湯タンク10,11の上部に設けられた上a開口から第1、第2貯湯タンク10,11内の湯水が押し出され、冷暖房熱交換器8に戻る。
これに対して第12弁たる三方弁のKポートとLポートを連通させ、第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させると、貯湯タンク10,11に対する入水、出水の方向が逆転し、冷暖房熱交換器8を通過した湯水は第1、第2貯湯タンク10,11の上部上a開口から第1、第2貯湯タンク10,11に入り、第1、第2貯湯タンク10,11の下部に設けられた下a開口から第1、第2貯湯タンク10,11内の湯水が押し出され、第2主流路循環ポンプ14を経て冷暖房熱交換器8に戻る。
即ち第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させ、OポートとQポートの間を遮断すると、第2主流路循環ポンプ14から吐出された湯水が第13弁たる三方弁で遮断され、第2主流路循環ポンプ14の吐出側と第2渡り配管66とが連通し、さらに冷暖房熱交入側流路61の一部を経由して第1、第2貯湯タンク10,11の上部側開口たる上a開口と連通する。
同様に、第12弁たる三方弁のKポートとLポートを連通させ、KポートとMポートの間の流通を遮断すると、第1、第2貯湯タンク10,11の下部側開口たる下a開口と第1渡り配管65とが連通する。そしてさらに第1渡り配管65が冷暖房熱交換器8の入り側に連通し、冷暖房熱交換器8を経由して第2主流路循環ポンプ14の入り側に至る。
従って第12弁たる三方弁のKポートとLポートを連通させ、第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させると、貯湯タンク10,11に対する入水箇所と出水箇所が入れ代わり、貯湯タンク10,11の上部側から入水し、下部側から出水する構成となる。
次に風呂循環回路37について説明する。風呂循環回路37は、前記した風呂熱交換器9に外部の浴槽(風呂)の湯水を循環させる回路であり、浴槽へ湯水を送る往き側配管と、浴槽から湯を風呂熱交換器9に戻す戻り側流路によって構成されている。そして戻り側流路(風呂から風呂熱交換器9に向かう側)に風呂ポンプ12が設けられている。
風呂ポンプ12を起動すると、外部の浴槽内の湯水が風呂熱交換器9に導入され、さらに外部の浴槽に戻される。
次に本実施形態のヒートポンプシステムの動作モードについて説明する。
本実施形態のヒートポンプシステムは、冷温水貯留モード、温水貯留モード、貯湯タンクを利用した冷房モード、直接冷房モード、貯湯タンクを利用した暖房モード、直接暖房モード、風呂熱回収モード、出湯モード、風呂熱回収による除霜モード、暖房及び温水貯留同時モード、タンクとヒートポンプを併用した暖房モード、冷房及び風呂追い焚き同時モード、凍結予防モード、温水貯留待機モードの各モードで動作させることができる。
以下順次説明する。
(冷温水貯留モードについて)
図2は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、冷水と温水を生成させて貯留する冷温水貯留モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
冷温水貯留モードは、ヒートポンプ回路部1を動作させて温水と冷水を生成させ、これをそれぞれ貯湯タンクに貯留するモードである。
本実施形態では、第1貯湯タンク10に冷水を貯留し、第2貯湯タンク11に温水を貯留する。
前記した様に本実施形態のヒートポンプシステムは、大きく分けてヒートポンプ回路部1と熱貯留部30とによって構成され、さらに熱貯留部30はブライン回路31と、水流通回路32及び風呂循環回路37を持つ。またさらに水流通回路32は第1、第2主流路35、36によって構成されている。
従って本実施形態のヒートポンプシステムの流路構成は、ヒートポンプ回路部1と、ブライン回路31と、第1、第2主流路35、36と、風呂循環回路37の5流路によって構成されていると言える。
冷温水貯留モードにおいては、前記した5流路の内、ヒートポンプ回路部1と、ブライン回路31と、第1、第2主流路35、36の4流路を利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となり、冷水熱交換器(第2熱交換器)2の冷媒流路側が低温となる。
ブライン回路31においては、冷水熱交換器2から膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、端末バイパス流路46を経由して冷水熱交換器2に戻る流路を開く。そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷水熱交換器2、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、端末バイパス流路46、冷水熱交換器2の回路にブラインを循環させる。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)る。そして第1主流路35は、給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち給湯熱交換器3から第2貯湯タンク11の上b開口、第2貯湯タンク11の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路を開く。
そして第1主流路循環ポンプ7を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
第2主流路36は、冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち冷暖房熱交換器8から第2主流路循環ポンプ14、第1貯湯タンク10の下a開口、第1貯湯タンク10の上a開口を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そして第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
冷温水貯留モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表1の通りである。
Figure 2008134045
冷温水貯留モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られ、冷水熱交換器2で低温が作られる。
そして前記した様に第1主流路35によって給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯水は、第1主流路循環ポンプ7によって第2貯湯タンク11の上部側に供給される。
第2貯湯タンク11内では、高温の湯水が第2貯湯タンク11の上から層状に貯留される。即ち第2貯湯タンク11内では、新たに供給された高温の湯水と、タンク内に残留していた低温の湯水との間に明確な境界ができて両者が混じり合わず、第2貯湯タンク11内に温度成層が構成される。
また低温の湯水は、第2貯湯タンク11の底部から押し出され、給湯熱交換器3に戻る。
この循環を繰り返し、しだいに第2貯湯タンク11内が高温の湯で満たされてゆく。
また冷水熱交換器2で低温が作られるが、前記したようにブライン回路31においては、冷水熱交換器2から膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、端末バイパス流路46を経由して冷水熱交換器2に戻る流路が開かれ、ブライン循環ポンプ13によってブライン回路31内のブラインが循環する。そのため冷水熱交換器2によってブラインが冷却され、当該冷却されたブラインが冷暖房熱交換器8に移動して二次側の湯水を冷却する。
ここで前記した様に第2主流路36によって冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10を結ぶ環状流路が開かれ、第2主流路循環ポンプ14によって当該流路の湯水が循環移動されるから、冷暖房熱交換器8を通過する湯水は、第2主流路循環ポンプ14によって第1貯湯タンク10の下部側に供給される。
第1貯湯タンク10内では、冷水が第1貯湯タンク10の下から層状に貯留される。即ち第1貯湯タンク10内では、新たに供給された冷水とタンク内に残留していた常温の湯水との間に明確な境界ができて両者が混じり合わず、第1貯湯タンク10内に温度成層が構成される。
また常温の湯水は、第1貯湯タンク10の上部から押し出され、冷暖房熱交換器8に戻る。
この循環を繰り返し、しだいに第1貯湯タンク10内が低温の水で満たされてゆく。
上記した実施形態では、第1貯湯タンク10に冷水を貯留し、第2貯湯タンク11に温水を貯留したが、逆に第1貯湯タンク10に温水を貯留し、第2貯湯タンク11に冷水を貯留してもよい。
(温水貯留モードについて)
図3は、本発明のヒートポンプシステムの温水貯留モードにおける作動原理図であり、第2貯湯タンクに対して温水を貯留する場合における弁の開閉状況と湯水の流れを示す。図4は、本発明のヒートポンプシステムの温水貯留モードにおける作動原理図であり、第1貯湯タンクに対して温水を貯留する場合における弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
温水貯留モードは、ヒートポンプ回路を動作させて温水を生成させ、これを第1貯湯タンクと第2貯湯タンクの双方に貯留するモードである。
温水貯留モードにおいては、ヒートポンプ回路部1と、第1主流路35を利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となる。また温水貯留モードにおいては、ヒートポンプ回路部1で作られた低温は不要であるから、空気熱交換器5で大気と熱交換して冷媒を気化させる。
温水貯留モードにおいては、ブライン回路31を使用しないので、ブライン循環ポンプ13を停止させる。
その結果、ブライン回路31の冷水熱交換器2が低温状態となり、冷水熱交換器2内のブラインが極めて低い温度環境下に置かれるが、ブラインはその性質上、凝固点が低いので凍結することはない。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)、第1主流路35だけを使用する。即ち第2主流路36の第2主流路循環ポンプ14は停止する。
第1主流路35は、前記した冷温水貯留モードと同様に、給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち給湯熱交換器3から第2貯湯タンク11の上b開口、第2貯湯タンク11の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路を開く。
そして第1主流路循環ポンプ7を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
温水貯留モードにおいて第2貯湯タンクに温水を貯留する場合における各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表2の通りである。
Figure 2008134045
温水貯留モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られる。
そして前記した様に第1主流路35によって給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯水は、第1主流路循環ポンプ7によって第2貯湯タンク11の上部側に供給され、高温の湯水が第2貯湯タンク11の上から層状に貯留される。
また低温の湯水は、第2貯湯タンク11の底部から押し出され、給湯熱交換器3に戻る。
この循環を繰り返し、しだいに第2貯湯タンク11内が高温の湯で満たされてゆく。
第2貯湯タンク11内が高温の湯で満たされたら、湯を貯留する貯湯タンクを第2貯湯タンク11から第1貯湯タンク10に切替え、第1貯湯タンク10に高温の湯を供給する。
即ち図4の様に、第1主流路35は、給湯熱交換器3と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。具体的には、給湯熱交換器3から第1貯湯タンク10の上b開口、第1貯湯タンク10の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路を開く。
そして第1主流路循環ポンプ7を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
温水貯留モードにおいて第1貯湯タンク10に温水を貯留する場合における各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表3の通りである。
Figure 2008134045
この場合も同様に、給湯熱交換器3で高温が作られ、第1主流路35によって給湯熱交換器3と第1貯湯タンク10を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯水は、第1主流路循環ポンプ7によって第1貯湯タンク10の上部側に供給され、高温の湯水が第1貯湯タンク10の上から層状に貯留される。
(貯湯タンクを利用した冷房モードについて)
図5は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、貯湯タンクを利用した冷房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
貯湯タンクを利用した冷房モードは、前記した冷温水貯留モードによって貯留された冷水を利用して冷房を行うものである。
本実施形態では、第1貯湯タンク10に貯留した冷水を利用して温調端末機40で冷房を行う例を示すが、第2貯湯タンク11に貯留した冷水を利用してもよい。
貯湯タンクを利用した冷房モードにおいては、ブライン回路31と、第2主流路36を利用する。
ヒートポンプ回路部1は使用しないので圧縮機6は停止させる。
ブライン回路31においては、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。即ち第1弁を閉じて冷水熱交換器2に至る流路を遮断し、代わって第2弁を開いて冷水熱交バイパス流路47を開放する。また第3弁を閉じて端末バイパス流路46を閉じる。
そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路にブラインを循環させる。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)、第2主流路36だけを使用する。また第12弁及び第13弁を切り換えて第1渡り配管65及び第2渡り配管66に通水可能な状態とする。
即ち第12弁たる三方弁のKポートとLポートを連通させ、第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させ、冷暖房熱交換器8、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第2渡り配管66、第1貯湯タンク10の上a開口、第1貯湯タンク10の下a開口、第2渡り配管65、第12弁を経て冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そして第2主流路循環ポンプ14起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
貯湯タンクを利用した冷房モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表4の通りである。
Figure 2008134045
貯湯タンクを利用した冷房モードにおいては、第1貯湯タンク10の下部側に溜まった冷水が第1貯湯タンク10の下a開口、第2渡り配管65、第12弁を経て冷暖房熱交換器8に至る。そして冷暖房熱交換器8でブライン回路31を流れるブラインと熱交換し、ブラインを冷却する。
冷暖房熱交換器8で冷熱を受けて温度低下したブラインは、エネルギー供給回路45を経て外部の温調端末機40に至り、冷房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る。
(直接冷房モードについて)
図6は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、直接冷房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
直接冷房モードは、ヒートポンプ回路を動作させて低温を作り、この冷熱を貯留することなく温調端末機40に移動させて冷房するモードである。また本動作モードでは、同時に第2貯湯タンク11に温水を貯留する。
直接冷房モードを行う際の流路構成は、前述した冷温水貯留モードと類似するものであり、前記冷温水貯留モードでは冷暖房熱交換器8を利用して水流通回路32を流れる水を冷却したのに対し、直接冷房モードでは、ブラインを温調端末機40側に送って直接冷熱を消費する点で異なる。
直接冷房モードにおいては、ヒートポンプ回路部1と、ブライン回路31と、第1主流路35を利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となり、冷水熱交換器(第2熱交換器)2の冷媒流路側が低温となる。
ブライン回路31においては、冷水熱交換器2から膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45を経由して冷水熱交換器2に戻る流路を開く。そして上記した回路にブラインを循環させる。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)、第1主流路35だけを使用する。第1主流路35は、給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち給湯熱交換器3から第2貯湯タンク11の上b開口、第2貯湯タンク11の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路を開く。
そして第1主流路循環ポンプ7を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
直接冷房モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表5の通りである。
Figure 2008134045
直接冷房モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られ、冷水熱交換器2で低温が作られる。
そして前記した様に第1主流路35によって給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯水は、第1主流路循環ポンプ7によって第2貯湯タンク11の上部側に供給され、高温の湯水が第2貯湯タンク11の上から層状に貯留される。
また低温の湯水は、第2貯湯タンク11の底部から押し出され、給湯熱交換器3に戻る。
この循環を繰り返し、しだいに第2貯湯タンク11内が高温の湯で満たされてゆく。
また冷水熱交換器2で低温が作られるが、前記したようにブライン回路31においては、冷水熱交換器2から膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路45を経由して外部の温調端末機40に至る流路が開かれ、冷房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、冷水熱交換器2に戻る。
(貯湯タンクを利用した暖房モードについて)
図7は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第1貯湯タンクを利用した暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
第1貯湯タンクを利用した暖房モードは、第1貯湯タンクに貯留された温水を利用して暖房を行うものである。
第1貯湯タンクを利用した暖房モードにおいては、ブライン回路31と、第2主流路36を利用する。
ヒートポンプ回路部1は使用しないので圧縮機6は停止させる。
ブライン回路31の流路構成は、前記した貯湯タンクを利用した冷房モードの場合と同一である。
即ち第1貯湯タンクを利用した暖房モードにおいては、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路にブラインを循環させる。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)、第2主流路36だけを使用する。そして第2主流路36は、冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち冷暖房熱交換器8から第2主流路循環ポンプ14、第1貯湯タンク10の下a開口、第1貯湯タンク10の上a開口を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そして第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
第1貯湯タンクを利用した暖房モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表6の通りである。
Figure 2008134045
第1貯湯タンクを利用した暖房モードにおいては、第1貯湯タンク10の上部側に溜まった温水が第1貯湯タンク10の上a開口から排出されて冷暖房熱交換器8に至る。そして冷暖房熱交換器8でブライン回路31を流れるブラインと熱交換し、ブラインを昇温する。
冷暖房熱交換器8で熱を受けて温度上昇したブラインは、エネルギー供給回路45を経て外部の温調端末機40に至り、暖房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る。
以上は、第1貯湯タンク10を利用して暖房を行う場合であるが、第2貯湯タンク11を利用した暖房モードも可能である。
図8は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第2貯湯タンクを利用した暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
第2貯湯タンク11を利用した暖房モードは、第2貯湯タンク11に貯留された温水を利用して暖房を行うものであり、前記した第1貯湯タンク10を利用した暖房モードに類似した動作である。
即ち前記した第1貯湯タンク10を利用した暖房モードでは、第2主流路36の弁を開閉し、冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖したのに対し、第2貯湯タンク11を利用した暖房モードは、冷暖房熱交換器8と第2貯湯タンク11を結ぶ環状ルートを開く点だけが相違し、他は同一である。
第2貯湯タンク11を利用した暖房モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表7の通りである。
Figure 2008134045
第2湯タンク11を利用した暖房モードにおいては、第2貯湯タンク11の上部側に溜まった温水が第2貯湯タンク11の上a開口から排出されて冷暖房熱交換器8に至る。そして冷暖房熱交換器8でブライン回路31を流れるブラインと熱交換し、ブラインを昇温する。
冷暖房熱交換器8で熱を受けて温度上昇したブラインは、エネルギー供給回路45を経て外部の温調端末機40に至り、暖房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る。
(直接暖房モードについて)
図9は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、直接暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
直接暖房モードは、ヒートポンプ回路を動作させて高温を作り、この熱を貯留することなく温調端末機40に移動させて暖房するモードである。
直接暖房モードにおいては、ヒートポンプ回路部1と、ブライン回路31と、第1主流路35の一部と第2主流路36の一部とを利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となり、冷水熱交換器(第2熱交換器)2の冷媒流路側が低温となる。
ブライン回路31は、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路にブラインを循環させる。
第1主流路35及び第2主流路36は、第1連通路50及び第2連通路54を経由して連通させ、給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち第11弁たる三方弁のGポートとHポートとの間を連通させ、第1連通路50を経由して給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8とを連通させる。さらに第10弁を開いて第2連通路54を開通させ、冷暖房熱交換器8の吐出側と給湯熱交換器3とを連通させる。
その結果、給湯熱交換器3から、第11弁、第1連通路50、冷暖房熱交換器8、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第10弁、第2連通路54、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路が開かれる。
そして第1主流路循環ポンプ7及び第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
直接暖房モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表8の通りである。
Figure 2008134045
直接暖房モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られ、給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7及び第2主流路循環ポンプ14によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯は、冷暖房熱交換器8に運ばれてブライン回路と熱交換する。
冷暖房熱交換器8で熱を受けて昇温したブラインは、エネルギー供給回路45を経て外部の温調端末機40に至り、暖房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る。
直接暖房モードにおいては、ブライン回路31を使用するものの、ブラインはヒートポンプ回路部1の冷水熱交換器2を迂回するので、ブライン回路31の冷水熱交換器2が低温状態となり、冷水熱交換器2内のブラインが極めて低い温度環境下に置かれるが、ブラインはその性質上、凝固点が低いので凍結することはない。
(風呂熱回収モードについて)
図10は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第1貯湯タンクを利用した風呂熱回収モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。図11は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第2貯湯タンクを利用した風呂熱回収モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
風呂熱回収モードは、風呂循環回路37を利用して風呂熱交換器9に外部の浴槽の湯水を循環させ、風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーを回収するものである。
風呂熱回収モードでは、風呂ポンプ12を起動し、外部の浴槽内の湯水を風呂熱交換器9に導入する。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)、第2主流路36だけを使用する。また第12弁及び第13弁を切り換えて第1渡り配管65及び第2渡り配管66に通水可能な状態とする。
即ち第12弁たる三方弁のKポートとLポートを連通させ、第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させる。また第5弁を閉じて冷暖房熱交換器8に至る流路を遮断し、代わって第6弁を開いて風呂熱交換器9に至る流路を開放する。
そして風呂熱交換器9、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第2渡り配管66、第1貯湯タンク10の上a開口、第1貯湯タンク10の下a開口、第2渡り配管65、第12弁を経て風呂熱交換器9に戻る流路を開く。
そして第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
第1貯湯タンク10を利用した風呂熱回収モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表9の通りである。
Figure 2008134045
第1貯湯タンク10を利用した風呂熱回収モードにおいては、前記した様に風呂ポンプ12を起動し、外部の浴槽内の湯水を風呂熱交換器9に導入する。また第2主流路循環ポンプ14起動し、第1貯湯タンク10の下部に溜まった水を抜き出して風呂熱交換器9に導く。ここで浴槽内に湯があり、さらにその湯が常温よりも高いならば、風呂熱交換器9で風呂側から第1貯湯タンク10側の水に熱移動があり、風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーが回収される。
そして風呂熱交換器9で昇温された水は、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第2渡り配管66を経て、第1貯湯タンク10の上a開口から第1貯湯タンク10に導入される。
以上説明したのは、第1貯湯タンク10に風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーを回収する場合の流路であるが、第1貯湯タンク10を第2貯湯タンク11に切り換えることによって第2貯湯タンクに風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーを回収することもできる。
図11は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第2貯湯タンクを利用した風呂熱回収モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
第2貯湯タンク11を利用した風呂熱回収モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表10の通りである。
Figure 2008134045
(出湯モードについて)
図12は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第1貯湯タンクを利用した出湯モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
出湯モードは、第1貯湯タンク10又は第2貯湯タンク11内の湯を出湯させるモードである。
出湯モードにおいては、入水口と第1貯湯タンク10又は第2貯湯タンク11を経由し、給湯口に至る流路だけを開き、他の流路を全て遮断する。
第1貯湯タンク10を利用した出湯モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表11の通りである。
Figure 2008134045
第1貯湯タンク10を利用した出湯モードでは、給水が第1貯湯タンク10の下部に導入され、第1貯湯タンク10の上部に溜まった高温の湯が押し出されて給湯部52に至る。またバイパス路57を流れる水が第1貯湯タンク10から排出された湯と混合されて温度調節がなされる。
第1貯湯タンク10を第2貯湯タンク11に切り換えることによって第2貯湯タンク11内の湯を出湯させることもできる。
(風呂熱回収による除霜モードについて)
図13は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、風呂熱回収による除霜モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
風呂熱回収による除霜モードは、風呂循環回路37を利用して風呂熱交換器9に外部の浴槽の湯水を循環させ、風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーを回収し、その熱をブライン回路に導入し、さらにこの熱を利用してヒートポンプ回路の除霜運転を行う運転モードである。また、除霜モードにおいては、第2貯湯タンク11の焚き上げも同時に行われる。
風呂熱回収による除霜モードにおいては、ヒートポンプ回路部1と、ブライン回路31と、第1、第2主流路35、36及び風呂循環回路37を利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となり、冷水熱交換器(第2熱交換器)2の冷媒流路側が低温となる。
ブライン回路31においては、冷水熱交換器2から膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、端末バイパス流路46を経由して冷水熱交換器2に戻る流路を開く。そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷水熱交換器2、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13、冷暖房熱交換器8、端末バイパス流路46、冷水熱交換器2の回路にブラインを循環させる。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)る。そして第1主流路35は、給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち給湯熱交換器3から第2貯湯タンク11の上b開口、第2貯湯タンク11の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路を開く。
そして第1主流路循環ポンプ7を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
第2主流路36は、第1貯湯タンク10と第2貯湯タンク11を共に迂回させ、冷暖房熱交換器8から第2渡り配管66を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。即ち第13弁たる三方弁のOポートとPポートを連通させ、第2渡り配管66を流れる流路を開く。さらに 第6弁を開いて冷暖房熱交換器8を通る流路と並列に風呂熱交換器9を通過する流路を開く。
そして第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
第2主流路循環ポンプ14から吐出された湯水は、第13弁を経由して第2渡り配管66に流れ、冷暖房熱交換器8側に流れる。ただし湯水は中途で分流され、一部は冷暖房熱交換器8に流れ、残部は風呂熱交換器9を通過する。冷暖房熱交換器8及び風呂熱交換器9を出た湯水は、合流されて第2主流路循環ポンプ14に戻る。
また風呂循環回路37を利用して風呂熱交換器9に外部の浴槽の湯水を循環させ、風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーを回収する。即ち風呂ポンプ12を起動し、外部の浴槽内の湯水を風呂熱交換器9に導入する。
風呂熱回収による除霜モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表12の通りである。
Figure 2008134045
風呂熱回収による除霜モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られ、冷水熱交換器2は低温となる。
そして前記した様に第1主流路35によって給湯熱交換器3と第2貯湯タンク11を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯水は、第1主流路循環ポンプ7によって第2貯湯タンク11の上部側に供給される。
第2貯湯タンク11内では、高温の湯水が第2貯湯タンク11の上から層状に貯留される。即ち第2貯湯タンク11内では、新たに供給された高温の湯水と、タンク内に残留していた低温の湯水との間に明確な境界ができて両者が混じり合わず、第2貯湯タンク11内に温度成層が構成される。
また低温の湯水は、第2貯湯タンク11の底部から押し出され、給湯熱交換器3に戻る。
また冷水熱交換器2は低温となるが、風呂熱回収による除霜モードにおいては、冷水熱交換器2が風呂から回収された熱によって昇温される。
即ち前記した様に、風呂ポンプ12を起動し、外部の浴槽内の湯水が風呂熱交換器9に導入される。また第2主流路循環ポンプ14が起動され、第2主流路循環ポンプ14から吐出された湯水の一部が分流されて風呂熱交換器9を通過する。ここで浴槽内に湯があり、さらにその湯が常温よりも高いならば、風呂熱交換器9で風呂側から第2主流路36側の水に熱移動があり、風呂の残り湯に含まれる熱エネルギーが回収されて第2主流路36側の水が昇温する。
そして風呂熱交換器9で昇温された水は、冷暖房熱交換器8にも流れ込み、冷暖房熱交換器8を経由してブライン回路31を流れるブラインが昇温する。
前記したようにブライン回路31においては、冷暖房熱交換器8から端末バイパス流路46を経由して冷水熱交換器2に戻る流路が開かれ、ブライン循環ポンプ13によってブライン回路31内のブラインが循環している。そのため冷暖房熱交換器8で昇温されたブラインが冷水熱交換器2に入り、冷水熱交換器2が昇温されて除霜される。
(タンク暖房及び温水貯留同時モード(暖房・貯湯併用モード)について)
図14は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、タンク暖房及び温水貯留同時モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
タンク暖房及び温水貯留同時モード(暖房・貯湯併用モード)は、第1貯湯タンク10又は第2貯湯タンク11から湯を抜き出して暖房に供すると同時に、ヒートポンプ回路部1を動作させて温水を生成させ、これを第1貯湯タンク10又は第2貯湯タンク11に貯留するモードである。タンク暖房及び温水貯留同時モード(暖房・貯湯併用モード)には第1貯湯タンク10を利用する場合と、第2貯湯タンク11を利用する場合があるが、図14は、第1貯湯タンクを利用する場合の作動原理図を示している。
タンク暖房及び温水貯留同時モード(暖房・貯湯併用モード)においては、ヒートポンプ回路部1と、第1主流路35及び第2主流路36を利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となる。また温水貯留モードにおいては、ヒートポンプ回路部1で作られた低温は不要であるから、空気熱交換器5で大気と熱交換して冷媒を気化させる。
ブライン回路31の流路構成は、前記した貯湯タンクを利用した冷房モードや、貯湯タンクを利用したタンク暖房モード(暖房単独モード)の場合と同一である。
即ちタンク暖房及び温水貯留同時モードにおいては、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路にブラインを循環させる。本運転モードでは、第2弁を開き、冷水熱交バイパス流路47にブラインを通過させるので、冷水熱交換器2にはブラインは流れない。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を独立させ(縁切り)る。しかしながら、タンク暖房及び温水貯留同時モード(暖房・貯湯併用モード)においては、第1主流路35と第2主流路36の双方を使用する。
第1主流路35は、前記した冷温水貯留モードと同様に、給湯熱交換器3と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち給湯熱交換器3から第1貯湯タンク10の上b開口、第1貯湯タンク11の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路を開く。
そして第1主流路循環ポンプ7を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
第2主流路36は、冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートを開き、他の流路を閉鎖する。即ち冷暖房熱交換器8から第2主流路循環ポンプ14、第1貯湯タンク10の下a開口、第1貯湯タンク10の上a開口を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そして第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
タンク暖房及び温水貯留同時モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表13の通りである。
Figure 2008134045
タンク暖房及び温水貯留同時モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られる。
そして前記した様に第1主流路35によって給湯熱交換器3と第1貯湯タンク10を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7によって当該流路の湯水が循環移動されるから、給湯熱交換器3を通過する湯水は、第1主流路循環ポンプ7によって第1貯湯タンク10の上部側に供給され、高温の湯水が第1貯湯タンク10の上から層状に貯留される。
また低温の湯水は、第1貯湯タンク10の底部から押し出され、給湯熱交換器3に戻る。
さらにタンク暖房及び温水貯留同時モードにおいては、第1貯湯タンク10の上部側に溜まった温水が第1貯湯タンク10の上a開口から排出されて冷暖房熱交換器8に至る。そして冷暖房熱交換器8でブライン回路31を流れるブラインと熱交換し、ブラインを昇温する。
ここでタンク暖房及び温水貯留同時モードにおいては、ヒートポンプ回路部1が運転されており、冷水熱交換器2は冷却されるものの、ブラインは冷水熱交バイパス流路47を流れてヒートポンプ回路部1の冷水熱交換器2を迂回するので、ブラインが冷却されることはない。
ブライン回路31の冷水熱交換器2が低温状態となり、冷水熱交換器2内のブラインが極めて低い温度環境下に置かれるが、ブラインはその性質上、凝固点が低いので凍結することはない。
また冷水熱交換器2内のブラインが収縮しても、膨張タンク16から第2熱交換器側2にブラインが流れ込み、第2熱交換器内が極度の負圧になることがなく、第2熱交換器が傷まない。
冷暖房熱交換器8で熱を受けて温度上昇したブラインは、エネルギー供給回路45を経て外部の温調端末機40に至り、暖房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、第2弁(冷水熱交バイパス流路47)、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る。
(タンクとヒートポンプを併用した暖房モードについて)
図15は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、タンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
タンクとヒートポンプを併用した暖房モードは、第1貯湯タンク10又は第2貯湯タンク11の湯と、ヒートポンプ回路部1で新たに生成される湯を双方とも利用して暖房を行うモードである。
即ちタンクとヒートポンプを併用した暖房モードでは、第1貯湯タンク10又は第2貯湯タンク11から湯を抜き出して暖房に供すると同時に、ヒートポンプ回路部1を動作させて高温の温水を作り、この熱を貯留することなく温調端末機40に移動させて暖房するモードである。
タンクとヒートポンプを併用した暖房モードには第1貯湯タンク10を利用する場合と、第2貯湯タンク11を利用する場合があるが、図15は、第1貯湯タンクを利用する場合の作動原理図を示している。
タンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおいては、ヒートポンプ回路部1と、第1主流路35及び第2主流路36を利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となる。またタンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおいては、ヒートポンプ回路部1で作られた低温は不要であるから、空気熱交換器5で大気と熱交換して冷媒を気化させる。
ブライン回路31の流路構成は、前記した貯湯タンクを利用した冷房モードや、貯湯タンクを利用したタンク暖房モード(暖房単独モード)の場合と同一である。
即ちタンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおいては、冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
そしてブライン循環ポンプ13を起動し、前記した冷暖房熱交換器8、エネルギー供給回路(往き側)45、外部の温調端末機40、エネルギー供給回路(戻り側)45、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路にブラインを循環させる。本運転モードにおいては、第2弁を開き、冷水熱交バイパス流路47にブラインを通過させるので、冷水熱交換器2にはブラインは流れない。
第1、第2主流路35、36においては、第1主流路35と第2主流路36を連通させる。即ち第1主流路35及び第2主流路36は、第1連通路50及び第2連通路54を経由して連通させ、給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8を結ぶ環状ルートを開く。
また第2主流路36の冷暖房熱交換器8と第1貯湯タンク10を結ぶ環状ルートについても開き、その他の流路を閉鎖する。即ち冷暖房熱交換器8から第2主流路循環ポンプ14、第1貯湯タンク10の下a開口、第1貯湯タンク10の上a開口を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路を開く。
具体的には、第11弁たる三方弁のGポートとHポートとの間を連通させ、第1連通路50を経由して給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8とを連通させる。さらに第10弁を開いて第2連通路54を開通させ、冷暖房熱交換器8の吐出側と給湯熱交換器3とを連通させる。
その結果、給湯熱交換器3から、第11弁、第1連通路50、冷暖房熱交換器8、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第10弁、第2連通路54、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路が開かれる。
また冷暖房熱交換器8から第2主流路循環ポンプ14、第1貯湯タンク10の下a開口、第1貯湯タンク10の上a開口を経由して冷暖房熱交換器8に戻る流路について開く。 そして第1主流路循環ポンプ7及び第2主流路循環ポンプ14を起動し、上記した流路に湯水を循環させる。
タンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表14の通りである。
Figure 2008134045
タンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおいては、給湯熱交換器3で高温が作られ、給湯熱交換器3と冷暖房熱交換器8を結ぶ環状流路が開かれ、第1主流路循環ポンプ7及び第2主流路循環ポンプ14によって当該流路の湯水が循環移動される。そのため給湯熱交換器3を通過する湯は、冷暖房熱交換器8に運ばれる。
さらにタンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおいては、第1貯湯タンク10内の湯も冷暖房熱交換器8に運ばれてブライン回路と熱交換する。
即ち本動作モードにおいては、第1貯湯タンク10の上部側に溜まった温水が第1貯湯タンク10の上a開口から排出され、第1連通路50との分岐部80で給湯熱交換器3側から供給された湯と合流し、冷暖房熱交換器8に至る。
従ってタンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおいては、給湯熱交換器3で作られた湯と、第1貯湯タンク10から取り出された湯が合流して冷暖房熱交換器8に流れ、冷暖房熱交換器8でブライン回路31を流れるブラインと熱交換し、ブラインを昇温する。
冷暖房熱交換器8で熱を受けて昇温したブラインは、エネルギー供給回路45を経て外部の温調端末機40に至り、暖房に寄与する。温調端末機40を出たブラインは、第2弁、膨張タンク16、ブライン循環ポンプ13を経由して冷暖房熱交換器8に戻る。
(直接冷房及び風呂追い焚き同時モードについて)
直接冷房及び風呂追い焚き同時モードは、ヒートポンプ回路を動作させて低温を作り、この冷熱を温調端末機40に移動させて冷房を行い、同時に第2貯湯タンク11に温水を貯留して、貯湯された温水を風呂の追い焚きに利用するモードである。
図16は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、直接冷房と風呂追い焚き同時モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
本実施形態では、第2貯湯タンク11を用いる例を示すが、第1貯湯タンク10を用いてもよい。
直接冷房及び風呂追い焚き同時モードは、ヒートポンプ回路部1とブライン回路31と水流通回路32と風呂循環回路37とを利用する。
即ちヒートポンプ回路部1においては、圧縮機6を起動してヒートポンプ回路に冷媒を流通させる。その結果、給湯熱交換器(第1熱交換器)3の冷媒流路側が高温となり、冷水熱交換器(第2熱交換器)2の冷媒流路側が低温となる。
ブライン回路31は、図6の直接冷房モードと同一の流路構成であり、ブライン循環ポンプ13を起動させて、ブラインを循環させる。
また水流通回路32は、第1主流路35と第2主流路36を独立させる(縁切り)。
第1主流路35の流路構成は、直接冷房モードと同一の環状流路であり、第1主流路循環ポンプ7を起動させて、この流路に湯水を循環させる。
第2主流路36には、風呂熱交換器9と第2貯湯タンク11とを結ぶ環状流路が開かれる。具体的な環状流路は、風呂熱交換器9から順に、第6弁、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第9弁、第2貯湯タンク11、第8弁、第12弁を経由して風呂熱交換器9に戻る流路である。そして第2主流路循環ポンプ14を起動させ、この流路に湯水を循環させる。
直接冷房及び風呂追い焚き同時モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表15の通りである。
Figure 2008134045
直接冷房及び風呂追い焚き同時モードでは、直接冷房モードと同様に、ヒートポンプ回路部1の給湯熱交換器3で生成された温水が貯湯タンクに貯留され、冷水熱交換器2で冷却されたブラインが冷房に寄与する。
風呂熱交換器9の一次側流路には、第2主流路循環ポンプ14によって第2貯湯タンク11に貯留された温水が流され、風呂熱交換器9の二次側流路には、風呂ポンプ12によって外部の浴槽内の湯水が流される。ここで一次側流路を流れる温水が二次側流路を流れる湯水よりも高温ならば、1次側流路を流れる温水から2次側流路を流れる湯水への熱移動があり、浴槽内の湯水が昇温され風呂の追い焚きが行われる。
(凍結予防モードについて)
凍結予防モードは、冬季の朝方など冷え込みが厳しい時期に、水流通回路32内の水を循環させて、水流通回路32内の水が凍結するのを防止するものである。
図17は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、凍結予防モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
凍結予防モードでは、水流通回路32が利用されて環状流路が形成される。具体的な環状流路は、給湯熱交換器3から順に、第11弁、第1連通路50、冷暖房熱交換器8、第2主流路循環ポンプ14、第13弁、第10弁、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路である。そして、第1主流路循環ポンプ7および第2主流路循環ポンプ14を起動させて、上記流路の湯水が循環される。
凍結予防モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表16の通りである。
なお、冬季など冷え込みが厳しく水流通回路32内の水が凍結するおそれが高い場合には、表16に示すように第1主流路循環ポンプ7および第2主流路循環ポンプ14の双方を起動させて環状流路内に大量の湯水を循環させることが望ましいが、外気の温度がそれほど低くなければ、第1主流路循環ポンプ7または第2主流路循環ポンプ14のいずれか一方のみを起動させる構成であってもよい。
Figure 2008134045
(温水貯留待機モードについて)
温水貯留待機モードは、給湯熱交換器3から供給される水の温度が所定の温度に達するまでの間、水流通回路32内に形成した環状流路(待機循環流路)に湯水を循環させるモードであり、主として図3,4の温水貯留モード前に実行される。
図18は、本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、温水貯留待機モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
本実施形態では、第2貯湯タンク11を利用した例を示すが、第1貯湯タンク10を利用してもよい。
温水貯留待機モードにおいては、ヒートポンプ回路部1と、水流通回路32の第1主流路35の一部と第2主流路36の一部とを利用する。
ヒートポンプ回路部1および水流通回路32の流路構成は、図9の直接暖房モードと同一である。
温水貯留待機モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表17の通りである。
Figure 2008134045
温水貯留待機モードでは、ヒートポンプ回路部1が起動されてから、給湯熱交換器3で加熱される水の温度が所定の温度に達するまでの間、第1主流路循環ポンプ7および第2主流路循環ポンプ14を起動させて、水流通回路32に形成された環状流路内で湯水を循環させる。そして給湯出側センサ76の検知温度が所定の温度よりも高くなると、タンク制御部(図示せず)によって熱貯留部30の流路構成を変更して、動作モードを図3,4の温水貯留モードに切り替える。
これにより第2貯湯タンク11には、所定の温度にまで加熱された温水を導入することができ、十分に加熱されていない低温の水が第2貯湯タンク11に導入されて内部の温度成層を崩すおそれがない。
また上記実施形態の第10弁たる二方弁を、図19の様に三方弁に変更することで、図18で示した温水貯留待機モードよりも熱効率を向上させることもできる。
図19は、本発明の変形例のヒートポンプシステムの作動原理図であり、温水貯留待機モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
具体的に説明すると、第10弁たる三方弁は、図19の様にRポート、Sポート、Tポートを持ち、この内のRポートおよびTポートには、第2連通路54の主たる流路が接続され、Sポートには給湯熱交出側流路48に至る第3連通路55の一方の端部が接続されている。なお第3連通路55の他方の端部は、給湯熱交出側流路48の給湯熱交換器3と第11弁との間に接続されている。
図19に示す変形例のヒートポンプシステムにおける温水貯留待機モードは、水流通回路32に形成される環状流路の流路構成が、図18に示す温水貯留モードと相違する。
変形例の環状流路は、冷暖房熱交換器8および風呂熱交換器9から独立され(縁切り)、給湯熱交換器3から順に、第3連通路55、第10弁、第9弁、第2貯湯タンク11の下a開口、第2貯湯タンク11、第2貯湯タンク11の下b開口、第1主流路循環ポンプ7、逆止弁15を経由して給湯熱交換器3に戻る流路である。そして、第1主流路循環ポンプ7を起動させることにより、上記の流路に湯水を循環させる。
変形例の温水貯留待機モードにおける各弁の開閉状態及び各ポンプの起動状態は、次の表18の通りである。
Figure 2008134045
また上記実施形態のヒートポンプシステムは、給湯入側センサ75によって検知される検知温度によって、圧縮器6の回転数を変更させてヒートポンプ回路部1の加熱能力を制御する構成にすることができる。
この構成を採用すると、図18の温水貯留待機モードでは、動作モードの切替直前において環状流路内の水温が所定温度近くにまで上昇してしまう。そのため給湯入側センサ75で検知される検知温度が高くなっており、ヒートポンプ回路部1の加熱能力は低い状態にされる。
このタイミングで、動作モードが切り替えられると、給湯熱交換器3に導入される水の温度が急激に低下してしまうので、ヒートポンプ回路部1では圧縮器6の回転数を上げて加熱能力を高める必要がある。そのため、図18の温水貯留待機モードでは、動作モードの切替直後からヒートポンプ回路部1の加熱能力が高まるまでの間、給湯熱交換器3から供給される温水の温度が所定の温度よりも低くなってしまうおそれがある。
これに対し、図19に示す変形例の温水貯留待機モードは、第2貯留タンク11の下b開口から取り出された水が給湯熱交換器3に導入される構成である。このため動作モードが温水貯留モードに切り替えられても、給湯熱交換器3に導入される水については温水貯留待機モードと同一であるので、給湯熱交換器3に導入される水の温度は変動しない。よってヒートポンプ回路部1の加熱能力を変更させる必要がなく、動作モードの切替直後から所定温度に加熱された温水を第2貯湯タンク11に貯留させることができる。
また図19に示す変形例の温水貯留待機モードで形成される環状流路は、冷暖房熱交換器8および風呂熱交換器9と縁切りされており、これらの熱交換器への水の流れが遮断されている。このため変形例のヒートポンプシステムは、温水貯留待機モードにおいて環状流路を循環する湯水が冷暖房熱交換器8や風呂熱交換器9に流れて収熱されるのを防止し、熱損失を低減させることができる。
この様に本実施形態のヒートポンプシステムは、多様な運転モードに対応することができる効果がある。
また本実施形態のヒートポンプシステムでは、全ての運転モードにおいて、冷暖房熱交換器8内で向流熱交換を行わしめることができる効果がある。風呂熱交換器9についても同様であり、全ての運転モードにおいて、風呂熱交換器9内で向流熱交換を行わしめることができる効果がある。
本発明のヒートポンプシステムの作動原理図である。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、冷水と温水を生成させて貯留する冷温水貯留モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの温水貯留モードにおける作動原理図であり、第2貯湯タンクに対して温水を貯留する場合における弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの温水貯留モードにおける作動原理図であり、第1貯湯タンクに対して温水を貯留する場合における弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、貯湯タンクを利用した冷房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、直接冷房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第1貯湯タンクを利用した暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第2貯湯タンクを利用した暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、直接暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第1貯湯タンクを利用した風呂熱回収モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第2貯湯タンクを利用した風呂熱回収モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、第1貯湯タンクを利用した出湯モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、風呂熱回収による除霜モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、暖房及び温水貯留同時モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、タンクとヒートポンプを併用した暖房モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、直接冷房及び風呂追い焚き同時モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、凍結予防モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの作動原理図であり、温水貯留待機モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。 本発明のヒートポンプシステムの変形例の作動原理図であり、温水貯留待機モードにおける弁の開閉状況と湯水の流れを示す。
符号の説明
1 ヒートポンプ回路部
2 冷水熱交換器(第2熱交換器)
3 給湯熱交換器(第1熱交換器)
4 膨張弁(膨張手段)
5 空気熱交換器(第4熱交換器)
6 圧縮機
7 第1主流路循環ポンプ
8 冷暖房熱交換器(第3熱交換器)
9 風呂熱交換器(第5熱交換器)
10 第1貯湯タンク
11 第2貯湯タンク
13 ブライン循環ポンプ
14 第2主流路循環ポンプ
16 膨張タンク
30 熱貯留部
31 ブライン回路
32 水流通回路
35 第1主流路
36 第2主流路
37 風呂循環回路
40 温調端末機
46 端末バイパス流路
47 冷水熱交バイパス流路
48 給湯熱交出側流路
50 第1連通路
53 給湯熱交入側流路
54 第2連通路
62 冷暖房熱交出側流路
65 第1渡り配管

Claims (10)

  1. ヒートポンプ回路と、水を貯留及び消費する水流通回路と、冷房又は暖房の少なくともいずれかに用いる温調端末に熱又は冷熱を供給する熱エネルギー供給回路と、ブラインを循環させるブライン回路とを備え、ブライン回路は熱エネルギー供給回路に熱エネルギーを供給可能であり、前記ヒートポンプ回路は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と少なくとも一つの蒸発器を備え、前記凝縮器はヒートポンプ回路の冷媒と水流通回路を流れる水との間で熱交換を行う第1熱交換器であり、蒸発器の少なくとも一つはヒートポンプ回路の冷媒とブライン回路を流れるブラインとの間で熱交換を行う第2熱交換器であり、さらにブライン回路には水流通回路を流れる水との間で熱交換を行う第3熱交換器が設けられていることを特徴とするヒートポンプシステム。
  2. ヒートポンプ回路は、第2熱交換器と圧縮機との間に第4熱交換器が設けられ、第4熱交換器を通過したときヒートポンプ回路を流れる冷媒が完全に気化されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
  3. 水流通回路は1又はそれ以上の貯湯タンクを備え、前記貯湯タンクに温水又は冷水を貯留可能であり、貯湯タンク内に貯留された水を取り出して第3熱交換器に通過させてブライン回路を流れるブラインの温度を変化させ、ブライン回路の熱を熱エネルギー供給回路に供給して冷房又は暖房を行うことが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートポンプシステム。
  4. ヒートポンプ回路を動作させてヒートポンプ回路内に冷媒を循環させ、同時にブライン回路のブラインを循環させて第2熱交換器でブラインを冷却し、ブライン回路を流れるブラインを直接的に熱エネルギー供給回路に流通させて冷房を行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
  5. 水流通回路内の昇温された水を循環させると共に、ブライン回路のブラインを循環させ、水流通回路内の水とブライン回路のブラインを第3熱交換器に通過させてブライン回路を流れるブラインを昇温し、ヒートポンプ回路の除霜運転を行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
  6. 水流通回路には浴槽内の湯水と熱交換する第5熱交換器が設けられ、浴槽内の湯水を第5熱交換器に流通させて浴槽内の熱を水流通回路側に回収可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
  7. 貯湯タンクが、内部に温度成層を形成して湯水を貯留する温度成層式タンクであり、
    水流通回路には、前記温度成層式タンクの低温側から取り出された水が前記第1熱交換器を経由して温度成層式タンクの低温側に戻される待機循環流路が形成されることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
  8. 第1熱交換器以外の熱交換器と前記待機循環流路との間には、水の流れを遮断する開閉弁が設けられ、
    前記開閉弁を閉状態にして前記待機流路から第1熱交換器以外の熱交換器への水の流れが遮断されることを特徴とする請求項7に記載のヒートポンプシステム。
  9. 前記第1熱交換器を通過した水の温度を検知する温度検知手段を備え、
    前記温度検知手段で検知された検知温度が所定の温度よりも高くなることを条件に、待機循環流路が、温度成層式タンクの低温側から取り出された水が第1熱交換器を経由して前記温度成層式タンクの高温側に導入される温水貯留循環流路に切り替えられることを特徴とする請求項7又は8に記載のヒートポンプシステム。
  10. ヒートポンプ回路を流れる冷媒は二酸化炭素であり、ヒートポンプ回路は超臨界ヒートポンプ回路であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
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