JP2017025763A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジエータに冷却水が供給されない状態において、エンジンが低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行うことが可能なエンジン冷却装置を提供する。
【解決手段】このエンジン冷却装置100は、エンジン101を冷却する冷却水の吐出流量を制御可能な電動ウォータポンプ1と、冷却水を冷却するラジエータ2と、ラジエータ2が設けられ、冷却水が流通可能な冷却水流路7aと、冷却水流路7aに対して並列に設けられ、冷却水が流通可能な冷却水流路7bと、電動ウォータポンプ1とラジエータ2との間に設けられ、電動ウォータポンプ1側の冷却水の圧力P2とラジエータ2側の冷却水の圧力P1との差圧△P(=P1−P2)に応じて開閉される差圧弁5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン冷却装置に関する。
従来、ウォータポンプを備えたエンジン冷却装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、水冷エンジンと電動ポンプとが配置される主回路と、ラジエータが配置されるラジエータ側の回路と、ヒータコアが配置されるバイパス回路とが並列に設けられた冷却水循環回路が開示されている。この冷却水循環回路では、電動ポンプは、水冷エンジンを冷却するための冷却水の流れ方向を正流と正流とは逆の逆流とに切り替え可能なように構成されている。また、冷却水循環回路のラジエータ側の回路には、冷却水の流れが正流の場合には冷却水を流通させる一方、逆流の場合には冷却水の流通を阻止する逆止弁が設けられている。これにより、冷却水循環回路では、電動ポンプにより冷却水の流れ方向を切り替えることによって、ラジエータに冷却水を供給するか否かを切り替え可能なように構成されている。
特開2009−209708号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された冷却水循環回路では、冷却水の流れ方向を全く逆方向に切り替える必要があるため、切り替えに時間がかかるという不都合があると考えられる。このため、たとえば、冷却水の流れ方向が逆流の状態(ラジエータに冷却水が供給されない状態)において、水冷エンジンが低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合には、ラジエータに冷却水を供給するために冷却水の流れ方向を正流に切り替えるのに時間がかかってしまい、その結果、ラジエータにおける冷却水の冷却が迅速に行われないという問題点がある。この場合、冷却水に熱が蓄積することに起因して水冷エンジンを十分に冷却することができなくなる場合がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ラジエータに冷却水が供給されない状態において、エンジンが低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行うことが可能なエンジン冷却装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるエンジン冷却装置は、エンジンを冷却する冷却水の吐出流量を制御可能なウォータポンプと、冷却水を冷却するラジエータと、ラジエータが設けられ、冷却水が流通可能な第1流路と、第1流路に対して並列に設けられ、冷却水が流通可能な第2流路と、ウォータポンプとラジエータとの間に設けられ、ウォータポンプ側の冷却水の圧力とラジエータ側の冷却水の圧力との差圧に応じて開閉される差圧弁と、を備える。
この発明の一の局面によるエンジン冷却装置では、上記のように、ウォータポンプとラジエータとの間に、ウォータポンプ側の冷却水の圧力とラジエータ側の冷却水の圧力との差圧に応じて開閉される差圧弁を設ける。これにより、ウォータポンプを用いて差圧弁に対して差圧を発生させるだけで、差圧弁が設けられた流路における冷却水の流通を制御してラジエータに冷却水を供給することができるので、冷却水の流れを逆流させる場合と比べて、ラジエータに冷却水を供給するのにかかる時間を短縮することができる。この結果、ラジエータに冷却水が供給されない状態において、エンジンが低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行うことができる。また、差圧弁を用いてラジエータに冷却水を供給することにより、膨張するのに時間がかかるサーモワックスを用いるサーモスタットの開閉に基づいてラジエータに冷却水を供給する場合と比べても、より迅速に冷却水の冷却を行うことができる。したがって、冷却水に熱が蓄積するのを抑制することができるので、エンジンの冷却を迅速かつ十分に行うことができる。
上記一の局面によるエンジン冷却装置において、好ましくは、ウォータポンプは、エンジンにおける負荷が増大した場合に、回転数を所定の回転数以上に大きくして冷却水の吐出流量を増加させることによって、差圧を差圧弁が開弁される開弁差圧以上に大きくするように構成されている。このように構成すれば、エンジンにおける負荷が増大してエンジンを冷却する必要が生じた場合に、ウォータポンプの回転数を所定の回転数以上に大きくするだけで、差圧弁を開弁してラジエータに冷却水を供給することができるので、ラジエータにおける冷却水の冷却を迅速に行うことができる。これにより、冷却水に熱が蓄積するのを抑制することができるので、負荷が急激に増大したエンジンの冷却を迅速に行うことができる。
この場合、好ましくは、第1流路に設けられ、ラジエータへの冷却水の流通の有無を切り替える弁部材と、弁部材を迂回するとともに、差圧弁が設けられる第3流路と、をさらに備え、差圧弁は、ウォータポンプの回転数が所定の回転数未満の場合には閉弁される一方、ウォータポンプの回転数が所定の回転数以上の場合には開弁されて、弁部材による切替状態に拘わらず、第3流路を介してラジエータに冷却水を流通させるように構成されている。このように構成すれば、弁部材がラジエータへ冷却水を流通させない状態に切り替えられている場合であっても、ウォータポンプの回転数を所定の回転数以上にすることによって、差圧弁を開弁して、第3流路を介して冷却水をラジエータに流通させることができる。これにより、ラジエータにおいて冷却水の冷却を迅速かつ確実に行うことができる。
上記弁部材をさらに備える構成において、好ましくは、ウォータポンプの所定の回転数は、ウォータポンプの最大の回転数近傍の回転数である。このように構成すれば、ウォータポンプが最大の回転数近傍の回転数で駆動されなければ差圧弁が開弁されないので、ウォータポンプを小さな回転数で駆動させただけで意図せずに差圧弁が開弁してしまうのを抑制することができる。これにより、不必要にラジエータにおいて冷却水が冷却されてしまうのを抑制することができるので、冷却水の熱をエンジンの暖機などに有効に活用することができる。
上記ウォータポンプをエンジンにおける負荷が増大した場合に回転数を大きくする構成において、好ましくは、差圧弁は、ウォータポンプとラジエータとの間の第1流路に設けられているとともに、ウォータポンプの回転数に応じて開度が変化するように構成されている。このように構成すれば、開度が変化する差圧弁により、ウォータポンプの回転数に応じてラジエータに供給される冷却水の流通量を制御することができる。これにより、ラジエータに冷却水が供給されない状態において、エンジンが低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行いつつ、エンジンの状態や冷却水の熱の利用状況などに合わせて、ラジエータにおける冷却水の冷却を迅速かつ適切に行うことができる。
なお、本出願では、以下のような他の構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記ウォータポンプをエンジンにおける負荷が増大した場合に回転数を大きくする構成において、エンジンにおける負荷に基づいて、ウォータポンプの回転数を制御する制御部をさらに備え、制御部は、エンジンを冷却した後の冷却水の温度に基づいて、ウォータポンプの回転数を制御するように構成されている。
(付記項2)
また、上記一の局面によるエンジン冷却装置において、第2流路に設けられるヒータコアをさらに備える。
(付記項3)
また、上記一の局面によるエンジン冷却装置において、ウォータポンプは、電動ウォータポンプである。
(付記項4)
また、上記弁部材をさらに備える構成において、弁部材は、サーモスタットである。
本発明によれば、ラジエータに冷却水が供給されない状態において、エンジンが低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行うことができる。
本発明の第1実施形態によるエンジン冷却装置とエンジンとを示した模式図である。 本発明の第1実施形態による差圧弁の開度特性を示したグラフである。 本発明の第1実施形態によるサーモスタットの開度動特性を示したグラフである。 本発明の第1実施形態によるエンジン低負荷状態の初期におけるエンジン冷却装置の状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態によるエンジン低負荷状態の後期におけるエンジン冷却装置の状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態によるエンジン高負荷状態の初期におけるエンジン冷却装置の状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態によるエンジン高負荷状態の後期におけるエンジン冷却装置の状態を示した模式図である。 本発明の第2実施形態によるエンジン冷却装置とエンジンとを示した模式図である。 本発明の第2実施形態による差圧弁の開度特性を示したグラフである。 本発明の第2実施形態によるエンジン低負荷状態におけるエンジン冷却装置の状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態によるエンジン負荷状態におけるエンジン冷却装置の状態を示した模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例によるエンジン冷却装置とエンジンとを示した模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
<エンジン冷却装置の構成>
図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態によるエンジン冷却装置100の構成について説明する。
本発明の第1実施形態のエンジン冷却装置100は、図示しない車両に搭載されており、冷却水を車両に搭載されたエンジン101に供給してエンジン101を冷却するとともに、エンジン101の熱により暖められた冷却水をラジエータ2などにより冷却する冷却装置である。
図1に示すように、エンジン冷却装置100は、電動ウォータポンプ(電動W/P)1と、ラジエータ2と、ヒータコア3と、サーモスタット4と、差圧弁5とを備えている。また、エンジン冷却装置100は、エンジン101の回転数などを制御するエンジンコントロールユニット(ECU)6により制御されるように構成されている。また、エンジン冷却装置100では、冷却水循環流路7を冷却水が流通して循環するように構成されている。なお、電動W/P1は、特許請求の範囲の「ウォータポンプ」の一例であり、サーモスタット4は、特許請求の範囲の「弁部材」の一例である。
冷却水循環流路7は、冷却水流路7aおよび7bを含んでいる。冷却水流路7aには、エンジン101と、電動W/P1と、ラジエータ2とが配置されている。なお、電動W/P1は、エンジン101の上流側に配置されており、ラジエータ2は、エンジン101の下流側に配置されている。冷却水流路7bは、分岐点8aにおいて冷却水流路7aから分岐して冷却水流路7aに対して並列に延びるとともに、合流点8bにおいて冷却水流路7aに合流するように設けられている。冷却水流路7bには、ヒータコア3が配置されている。また、合流点8bにおける冷却水流路7aには、サーモスタット4が配置されている。なお、冷却水流路7aおよび7bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1流路」および「第2流路」の一例である。
また、冷却水循環流路7は、合流点8bに配置されたサーモスタット4を迂回するように、冷却水流路7aにおける電動W/P1の上流側とラジエータ2の下流側とを接続する迂回流路7cをさらに含んでいる。迂回流路7cには、差圧弁5が配置されている。これにより、差圧弁5は、電動W/P1とラジエータ2との間に配置されている。また、迂回流路7cを構成する管部材の内径D1は、冷却水流路7aを構成する管部材の内径D2よりも小さい。なお、迂回流路7cは、特許請求の範囲の「第3流路」の一例である。
電動W/P1は、ECU6からの駆動信号に基づいて所定の回転数Wで回転することによって、電動W/P1から吐出される冷却水の吐出流量が制御されるように構成されている。なお、電動W/P1を、図示しないバッテリから供給される電力によって駆動されるように構成することによって、エンジン101に対して独立して駆動させることが可能である。また、電動W/P1は、冷却水流路7aにおいて、エンジン101とは反対側から冷却水を吸入するとともに、エンジン101側に向かって冷却水を吐出するように構成されている。なお、電動W/P1は、吐出効率に優れた電動式の遠心ポンプであるのが好ましい。
ラジエータ2では、ラジエータ2内を流通する冷却水と走行風(空気)との間で熱交換が行われるように構成されている。これにより、ラジエータ2を流通する冷却水が冷却される。
ヒータコア3は、図示しない車内において暖房運転が行われる際に、ECU6からの信号に基づいて図示しないファンにより送風されるように構成されている。これにより、ヒータコア3内を流通する冷却水と風(空気)との間で熱交換が行われて、冷却水が冷却されるとともに、暖かい空気が車内に供給されて、車内が暖房される。なお、ヒータコア3における冷却水の放熱性能は、ラジエータ2における冷却水の放熱性能よりも低い。特に、暖房運転が行われない場合には、ファンにより送風されないため、ヒータコア3において冷却水はほとんど冷却されない。
サーモスタット4は、図示しない弁構造と弁を開閉させるためのサーモワックスとを有しており、冷却水の温度の上昇に応じてサーモワックスが膨張することによって、弁が開閉されるように構成されている。これにより、サーモスタット4は、冷却水流路7aにおいて、冷却水の温度に応じてラジエータ2と電動W/P1との間における冷却水の流通の有無を切り替える機能を有している。より具体的には、冷却水の温度が第1の温度(たとえば、約85℃)未満である場合には、サーモスタット4は完全閉弁状態になる。これにより、ラジエータ2と電動W/P1との間においてサーモスタット4を介した冷却水の流通は行われない。また、サーモスタット4は、冷却水の温度が第1の温度以上第2の温度(たとえば、約95℃)未満である場合には、冷却水の温度に応じて変化する開度に基づいて、サーモスタット4は一部開弁状態になる。これにより、冷却水の一部は、サーモスタット4を介してラジエータ2と電動W/P1との間を流通する。そして、サーモスタット4は、冷却水の温度が第2の温度以上である場合には、サーモスタット4は完全開弁状態になる。これにより、冷却水は、サーモスタット4を介してラジエータ2と電動W/P1との間を流通する。
なお、サーモスタット4は、冷却水流路7aと冷却水流路7bとの間の冷却水の流通の有無は切り替えないように構成されている。これにより、電動W/P1が駆動されている状態においては、冷却水流路7bのヒータコア3に冷却水が流通され続けるように構成されている。
差圧弁5は、球状の弁体5aと、弁体5aが嵌め込まれる円錐台形状(漏斗形状)の弁座5bと、ねじりばねから構成される付勢部材5cとを含んでいる。付勢部材5cには、プリロード(初期荷重)が設定されており、その結果、付勢部材5cは、弁座5bに向かって弁体5aを付勢している。この結果、差圧弁5では、図2に示すように、差圧弁5の上流側(ラジエータ2側)における冷却水の圧力P1と、差圧弁5の下流側(電動W/P1側)の圧力P2との差圧△P(=P1−P2)が所定の開弁圧力P0以下である場合には、プリロードが設定された付勢部材5cにより、弁体5aが弁座5bの開口部5dを閉鎖し続ける。これにより、差圧弁5は、完全閉弁状態を続ける。一方、差圧弁5では、差圧△Pが開弁圧力P0を超える場合には、付勢部材5cの付勢力に抗して弁体5aが弁座5bの開口部5dを開弁することにより、差圧弁5は開弁状態になる。つまり、差圧弁5は、差圧△Pに基づいて開閉されるように構成されている。
また、付勢部材5cとして、ばね定数が十分に小さいねじりばねが選択されている。これにより、差圧△Pの変化量に対する付勢部材5cの変位を大きくすることができるので、差圧弁5では、図2に示すように、差圧△Pが開弁圧力P0の前後の狭い領域で、完全閉弁状態と完全開弁状態とが切り替わるように構成されている。
また、図1に示すように、差圧弁5の差圧△Pは、差圧弁5の上流側の冷却水の流量と下流側の冷却水の流量との差によって生じる。つまり、差圧△Pは、冷却水の吐出流量を制御可能な電動W/P1の回転数Wに依存している。この電動W/P1の回転数Wは、エンジン101の回転数やエンジン101の吸気量、スロットルバルブの開度などのエンジン101から送信される負荷情報に基づいて、ECU6によって決定される。そして、ECU6により決定した回転数で駆動するように電動W/P1に駆動指示が行われることによって、電動W/P1が回転数Wで回転駆動するように構成されている。
ここで、第1実施形態では、ユーザが図示しない車両のアクセルを強く踏んだ際など、エンジン101における負荷が急激に増大されてエンジン101が低負荷状態から高負荷状態に急激に変化された場合には、冷却水の温度が第1の温度以下から短時間に第2の温度以上に変化してしまう。このような場合、サーモスタット4は、サーモワックスの膨張速度に律速されて、図3に示すような開度動特性を示す。つまり、サーモスタット4は、完全閉弁状態から完全開弁状態になるまでに、たとえば、約16秒から約20秒の時定数を要してしまい、その結果、完全に開弁するまでに時間がかかってしまう。
一方、差圧弁5では、付勢部材5cの付勢力と差圧△Pとのつり合いにより開閉が制御されるため、サーモワックスの膨張速度により開閉が制御されるサーモスタット4と比べて、時定数が十分に小さい。これにより、差圧弁5は、サーモスタット4の完全閉弁状態と完全開弁状態との切替速度と比べて、より短時間で完全閉弁状態と完全開弁状態とが切り替わるように構成されている。この結果、短時間に冷却水の温度が上昇される場合には、差圧弁5が迅速に開弁される一方、サーモスタット4は完全閉弁状態から開弁状態に切り替わるまでに時間がかかる。したがって、エンジン101が低負荷運転から高負荷運転に変化されるような場合であっても、サーモスタット4が完全閉弁状態から開弁状態に切り替わる前に、差圧弁5が開放状態である迂回流路7cを介してラジエータ2に冷却水を流通させることができ、その結果、冷却水をラジエータ2において迅速に冷却することが可能である。
また、差圧弁5が開弁される差圧△P(=開弁圧力P0)は、電動W/P1の回転数Wが実駆動時における最大回転数Wmaxの場合に生じるように構成されている。つまり、差圧弁5は、電動W/P1の回転数Wが最大回転数Wmax未満の場合には閉弁される一方、電動W/P1の回転数Wが最大回転数Wmaxの場合には開弁されて、サーモスタット4による切替状態に拘わらず、迂回流路7cを介してラジエータ2に冷却水を流通させるように構成されている。
また、差圧弁5が設けられた迂回流路7cは、サーモスタット4が開弁状態に切り替わらないような不都合が生じた場合のフェイルセーフとしても機能するように構成されている。つまり、冷却水の温度が第2の温度以上になった後でもサーモスタット4が開弁状態に切り替わらない場合であっても、ECU6により電動W/P1の回転数Wが最大回転数Wmaxに設定されることによって、差圧弁5が開弁状態になる。これにより、迂回流路7cを介してラジエータ2に冷却水を流通させることができるので、不具合が生じたサーモスタット4を介さずに、冷却水をラジエータ2において冷却することが可能である。
(差圧弁を用いた冷却水流路制御)
次に、図4〜図7を参照して、第1実施形態における冷却水流路制御について説明する。
エンジン101が低負荷状態であり、かつ、冷却水の温度がサーモスタット4が開弁する第1の温度未満である場合(エンジン低負荷状態、初期)には、図4に示すように、ECU6は、電動W/P1を回転駆動させないか、または、小さな回転数Wで回転駆動させる。この際、サーモスタット4は、サーモスタット4を介してラジエータ2に冷却水を流通させない完全閉弁状態であり、差圧弁5は閉弁状態である。そして、冷却水は、冷却水循環流路7を流通しないか、または、冷却水流路7aのうちのエンジン101および電動W/P1の部分と、冷却水流路7bとを流通する一方、ラジエータ2には冷却水が供給されない。
なお、図4に示すラジエータ2に冷却水が供給されない状態から、サーモスタット4の時定数以上の時間をかけて徐々に冷却水の温度が第2の温度以上に上昇された場合(エンジン低負荷状態、後期)には、ECU6は、電動W/P1を最大回転数Wmax未満の回転数Wで回転駆動させる。これにより、図5に示すように、サーモスタット4が完全閉弁状態から開弁状態に切り替わり、冷却水流路7bだけでなく、冷却水流路7aの内のラジエータ2の部分にも冷却水が流通する。これにより、冷却水はラジエータ2において冷却される。なお、この際、差圧弁5の上流側と下流側との差圧△Pが開弁圧力P0未満であることによって、差圧弁5は閉弁状態である。
ここで、図4に示すラジエータ2に冷却水が供給されない状態から、エンジン101における負荷が急激に増大してエンジン101が低負荷状態から高負荷状態に急激に変化された場合には、ECU6は、電動W/P1を最大回転数Wmaxで回転駆動させる。これにより、図6に示す初期状態(エンジン高負荷状態、初期)では、電動W/P1が最大回転数Wmaxで回転駆動されたことにより、電動W/P1の冷却水の吐出流量が増加される。これにより、差圧弁5の上流側と下流側との差圧△Pが開弁圧力P0以上になり、差圧弁5が開弁される。一方で、エンジン101が低負荷状態から高負荷状態に変化されて、冷却水の温度がサーモスタット4が開弁する第2の温度以上に上昇した場合であっても、初期状態では、サーモスタット4では、完全閉弁状態から開弁状態に切り替わり始めるものの、その切り替わり速度は遅く、その結果、ほとんど完全閉弁状態のままである。この結果、冷却水流路7bを流通していた冷却水の一部が、サーモスタット4ではなく迂回流路7cを介してラジエータ2に迅速に供給されることによって冷却され始める。したがって、冷却水が早期に冷却されないことに起因して冷却水に熱が蓄積するのが抑制されるので、冷却水によりエンジン101が十分に冷却されなくなるのが抑制される。
そして、冷却水の温度が上昇してからサーモスタット4の時定数だけ時間が経過した後(後期)には、図7に示す「エンジン高負荷状態、後期」のように、サーモスタット4は、完全開弁状態に切り替わる。この結果、迂回流路7cだけでなくサーモスタット4を介して冷却水がラジエータ2に流通されることにより、冷却水はラジエータ2において冷却される。これにより、ラジエータ2に供給される冷却水の量が増加することによって、冷却水の冷却がより促進される。
その後、エンジン101の負荷情報に基づいて電動W/P1の回転数Wが最大回転数Wmax未満に小さくされた場合には、図5に示すように、差圧△Pが開弁圧力P0未満になり、差圧弁5が閉弁状態にされる。しかしながら、サーモスタット4が開弁状態であることにより、冷却水は、ラジエータ2において冷却され続ける。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、電動W/P1とラジエータ2との間に、電動W/P1側の冷却水の圧力P2とラジエータ2側の冷却水の圧力P1との差圧△P(=P1−P2)に応じて開閉される差圧弁5を設ける。これにより、差圧弁5に対して差圧△Pを発生させるだけで、差圧弁5が設けられた迂回流路7cにおける冷却水の流通を制御してラジエータ2に冷却水を供給することができるので、冷却水の流れを逆流させる場合と比べて、ラジエータ2に冷却水を供給するのにかかる時間を短縮することができる。この結果、ラジエータ2に冷却水が供給されない状態において、エンジン101が低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行うことができる。また、差圧弁5を用いてラジエータ2に冷却水を供給することにより、膨張するのに時間がかかるサーモワックスを弁の開閉に用いるサーモスタット4の開閉に基づいてラジエータ2に冷却水を供給する場合と比べても、より迅速に冷却水の冷却を行うことができる。したがって、冷却水に熱が蓄積するのを抑制することができるので、エンジン101の冷却を迅速かつ十分に行うことができる。この結果、エンジン101の点火タイミングを遅くしたり、エンジン101内で噴射される燃料の量を増加させたりせずとも、エンジン101の温度が上昇するのを抑制することができるので、エンジン101の燃費が悪化したり、エンジン101のトルクが減少したりするのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、電動W/P1を、エンジン101における負荷が増大した場合に、回転数Wを最大回転数Wmaxに大きくして冷却水の吐出流量を増加させることによって、差圧△Pを差圧弁5が開弁される開弁差圧P0以上に大きくするように構成する。これにより、エンジン101における負荷が増大してエンジン101を冷却する必要が生じた場合に、電動W/P1の回転数を最大回転数Wmaxに大きくするだけで、差圧弁5を開弁してラジエータ2に冷却水を供給することができるので、ラジエータ2において冷却水の冷却を迅速に行うことができる。この結果、冷却水に熱が蓄積するのを抑制することができるので、負荷が急激に増大したエンジン101の冷却を迅速に行うことができる。
また、第1実施形態では、差圧弁5を、電動W/P1の回転数Wが最大回転数Wmax未満の場合には閉弁される一方、電動W/P1の回転数Wが最大回転数Wmax以上の場合には開弁されて、サーモスタット4による切替状態に拘わらず、迂回流路7cを介してラジエータ2に冷却水を流通させるように構成する。これにより、サーモスタット4がラジエータ2へ冷却水を流通させない完全閉弁状態に切り替えられている場合であっても、電動W/P1の回転数Wを最大回転数Wmaxにすることによって、差圧弁5を開弁して、迂回流路7cを介して冷却水をラジエータ2に流通させることができる。この結果、ラジエータ2において冷却水の冷却を迅速かつ確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、差圧弁5が開弁される電動W/P1の回転数Wを、電動W/P1の最大回転数Wmaxにする。これにより、電動W/P1が最大回転数Wmaxで駆動されなければ差圧弁5が開弁されないので、電動W/P1を小さな回転数Wで駆動させただけで意図せずに差圧弁5が開弁してしまうのを抑制することができる。この結果、不必要にラジエータ2において冷却水が冷却されてしまうのを抑制することができるので、冷却水の熱をエンジン101の暖機などに有効に活用することができる。
また、第1実施形態では、冷却水流路7bにヒータコア3を設ける。これにより、ヒータコア3により、冷却水流路7bを流通する冷却水の熱を用いて車内の暖房をおこなうことができる。
また、第1実施形態では、電動ウォータポンプ1を用いることによって、エンジン101の駆動状態に依存せずに独立して駆動制御することができるので、容易に駆動制御を行うことができる。また、たとえば、車両が平坦な高速道路を走行している場合のような、エンジン101が高回転で、かつ、低負荷状態である場合には、エンジン101の回転に応じて回転駆動されるウォータポンプと異なり、電動ウォータポンプ1を不必要に高速回転させないように制御することができるので、電動ウォータポンプ1において消費される動力を削減することができる。
また、第1実施形態では、冷却水流路7aにおいて、ラジエータ2と電動W/P1との間における冷却水の流通の有無を切り替えるためにサーモスタット4を用いる。このように、完全に開弁するまでに時間がかかるサーモスタット4を用いる場合であっても、サーモスタット4を迂回する迂回流路7cを設け、迂回流路7cに差圧弁5を配置することによって、サーモスタット4の切替状態に拘わらず、差圧弁5を開弁して、迂回流路7cを介して冷却水をラジエータ2に流通させることができる。これにより、冷却水の冷却を迅速に行うことができる。
また、第1実施形態では、迂回流路7cを構成する管部材の内径D1を、冷却水流路7aを構成する管部材の内径D2よりも小さくする。これにより、主としてサーモスタット4を介して冷却水が流通し、エンジン101が低負荷状態から高負荷状態に変化された場合などの限られた場合にのみ迂回流路7cを介して冷却水をラジエータ2に流通させるようなエンジン冷却装置100の構成において、限られた場合にしか用いない迂回流路7cの内径D1が大きいことに起因して、エンジン冷却装置100が不必要に大型化するのを抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図8〜図11を参照して、第2実施形態によるエンジン冷却装置200の構成について説明する。第2実施形態によるエンジン冷却装置200では、上記第1実施形態のエンジン冷却装置100とは異なり、サーモスタットを設けない例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
<エンジン冷却装置の構成>
第2実施形態におけるエンジン冷却装置200は、図8に示すように、電動W/P1と、ラジエータ2と、ヒータコア3と、差圧弁205とを備えている。また、エンジン冷却装置200は、ECU206により制御されるように構成されている。また、エンジン冷却装置200では、冷却水循環流路207を冷却水が流通して循環するように構成されている。
冷却水循環流路207は、上記第1実施形態の冷却水循環流路7と異なり、迂回流路は設けられていない。また、冷却水流路207aには、エンジン101、電動W/P1およびラジエータ2に加えて、差圧弁205が配置されている。なお、差圧弁205は、冷却水流路207aにおいてラジエータ2の下流側で、かつ、合流点8bおよび電動W/P1の上流側に配置されており、この結果、差圧弁205は、電動W/P1とラジエータ2との間に配置されている。また、冷却水流路207aは、特許請求の範囲の「第1流路」の一例である。
差圧弁205は、弁体5aおよび弁座5bと、ねじりばねから構成される付勢部材205cとを含んでいる。この付勢部材205cには、プリロードが設定されており、その結果、付勢部材205cは、弁座5bに向かって弁体5aを付勢している。この結果、差圧弁205では、差圧弁205の上流側(ラジエータ2側)における冷却水の圧力P1と、差圧弁205の下流側(電動W/P1側)の圧力P2との差圧△P(=P1−P2)が所定の開弁圧力P3以下である場合には、プリロードが設定された付勢部材205cにより、差圧弁205は、完全閉弁状態を続ける。一方、差圧弁205では、差圧△Pが開弁圧力P3を超える場合には、付勢部材205cの付勢力に抗して、差圧弁205は開弁状態になる。つまり、差圧弁205は、差圧△Pに基づいて開閉されるように構成されている。
また、付勢部材205cとして、ばね定数がある程度大きなねじりばねが選択されている。これにより、差圧△Pの変化量に対する付勢部材205cの変位をある程度小さくすることによって、図9に示すように、差圧△Pが開弁圧力P3以上の圧力において、開度が一次関数的に大きくなるように構成されている。なお、差圧弁205の差圧△Pは、差圧弁205の上流側の冷却水の流量と下流側の冷却水の流量との差によって生じる。つまり、差圧△Pは、冷却水の吐出流量を制御可能な電動W/P1の回転数Wに依存している。なお、差圧△Pが開弁圧力P3である際の電動W/P1の回転数Wは、W1である。
また、第2実施形態では、エンジン冷却装置200は、冷却水流路207aにおいてエンジン101よりも下流側に配置され、エンジン101を冷却した後の冷却水の温度(出口温度)を検出する温度センサ209をさらに備えている。この温度センサ209により検出された出口温度は、出口温度情報としてECU206に送信されるように構成されている。そして、ECU206は、出口温度情報に基づいて電動W/P1の回転数Wを決定し、回転数Wで電動W/P1を回転駆動させるように構成されている。
ここで、第2実施形態では、ECU206は、電動W/P1の回転数WをW1以上の所定の大きさにすることによって、差圧弁205の開度を調整するように構成されている。そして、ECU206は、出口温度情報に基づいて、電動W/P1の回転数Wをフィードバック制御により適宜調整することによって、差圧弁205の開度を調整するように構成されている。これにより、ECU206により、ラジエータ2に供給される冷却水の流量が適切な流量にフィードバック制御される。この結果、冷却水の温度(出口温度)が所定の最適温度に維持されて、エンジン101の過剰な冷却と不十分な冷却との両方が抑制される。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(差圧弁を用いた冷却水流路制御)
次に、図10および図11を参照して、第2実施形態における差圧弁205を用いた冷却水流路制御について説明する。
エンジン101が低負荷状態であり、かつ、冷却水の温度がサーモスタット4が開弁する第1の温度未満である場合(エンジン低負荷状態)には、図10に示すように、ECU206は、電動W/P1を回転駆動させないか、または、小さな回転数Wで回転駆動させる。この際、差圧弁205は閉弁状態である。この際、冷却水は、冷却水循環流路207を流通しないか、または、冷却水流路207aのうちのエンジン101および電動W/P1の部分と、冷却水流路7bとを流通する一方、ラジエータ2には冷却水が供給されない。
ここで、図10に示すラジエータ2に冷却水が供給されない状態から、エンジン101における負荷がある程度増大した場合(エンジン負荷状態)には、ECU206は、電動W/P1を所定の回転数W1以上の回転数Wで回転駆動させる。これにより、図11に示すように、電動W/P1が所定の回転数W1以上の回転駆動されたことにより、電動W/P1の冷却水の吐出流量が増加される。これにより、差圧弁205の上流側と下流側との差圧△Pが開弁圧力P3以上になり、差圧弁205が開弁される。この際、差圧弁205の開度は、図9に示すグラフに示すように、差圧△P(回転数W)に応じてECU206により所定の開度に制御される。なお、この差圧弁205の開弁はサーモスタットと比べて直ちに行われる。この結果、冷却水流路7bを流通していた冷却水の一部が、冷却水流路207aを流通することにより、ラジエータ2に供給されて冷却され始める。したがって、冷却水が早期に冷却されないことに起因して冷却水に熱が蓄積するのが抑制されるので、冷却水によりエンジン101が十分に冷却されなくなるのが抑制される。
さらに、ECU206により、出口水温情報に基づいて、差圧弁205の開度がフィートバック制御されることによって、冷却水の温度(出口温度)が所定の最適温度に維持されて、エンジン101の過剰な冷却と不十分な冷却との両方が抑制される。
なお、第2実施形態において、図10に示すラジエータ2に冷却水が供給されない状態から、エンジン101における負荷が急激に増大してエンジン101が低負荷状態から高負荷状態に急激に変化された場合においては、上記第1実施形態と同様に、ECU206は、電動W/P1を最大回転数で回転駆動させる。これにより、差圧弁205が完全に開弁されて、多くの冷却水が冷却水流路207aを流通する。この結果、冷却水がラジエータ2において迅速に冷却される。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、電動W/P1とラジエータ2との間に、電動W/P1側の冷却水の圧力P2とラジエータ2側の冷却水の圧力P1との差圧△P(=P1−P2)に応じて開閉される差圧弁205を設ける。これにより、第1実施形態と同様に、ラジエータ2に冷却水が供給されない状態において、エンジン101が低負荷状態から高負荷状態に急激に変化した場合にも、冷却水の冷却を迅速に行うことができる。
また、第2実施形態では、差圧弁205を、電動W/P1とラジエータ2との間の冷却水流路207aに設けるとともに、電動W/P1の回転数Wに応じて開度が変化するように構成する。これにより、開度が変化する差圧弁205により、電動W/P1の回転数Wに応じてラジエータ2に供給される冷却水の流通量を制御することができる。これにより、エンジン101の状態や冷却水の熱の利用状況などに合わせて、ラジエータ2における冷却水の冷却を迅速かつ適切に行うことができる。
また、第2実施形態では、ECU206を、エンジン101を冷却した後の冷却水の温度(出口温度)に基づいて、電動W/P1の回転数Wを制御するように構成する。これにより、ECU206により、冷却水の出口温度に基づいてエンジン101の冷却状態が適切に把握されるので、把握したエンジン101の冷却状態に基づいて、ECU206は、電動W/P1の回転数Wを適切に制御して、差圧弁205の開度を調整することができる。この結果、冷却水の冷却状態をエンジン101の冷却状態に対応させることができるので、冷却水の冷却状態を適切に制御することによって、エンジン101を最適温度近傍で作動させ続けることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、サーモスタット4を合流点8bに設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図12に示す第1実施形態の変形例のエンジン冷却装置300のように、サーモスタット304を合流点8bに設けずに、冷却水流路307aのラジエータ2の下流側で、かつ、合流点8bおよび電動W/P1の上流側に設けてもよい。この場合、差圧弁5が配置される迂回流路307cは、差圧弁5がサーモスタット304を迂回するように、ラジエータ2の下流側で、かつ、サーモスタット304の上流側で分岐し、合流点8bの下流側で、かつ、電動W/P1の上流側で合流するように設けられる。この結果、差圧弁5は、ラジエータ2と電動W/P1との間に配置される。なお、冷却水流路307aおよび迂回流路307cは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1流路」および「第3流路」の一例である。
また、上記第1および第2実施形態では、差圧弁5(205)が、球状の弁体5aと、弁体5aが嵌め込まれる円錐台形状の弁座5bと、ねじりばねから構成される付勢部材5c(205c)とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、差圧弁の構成は、差圧弁の上流側における冷却水の圧力と、差圧弁の下流側の圧力との差圧に基づいて開閉が行われるような構成であれば上記構成に限られない。
また、上記第1実施形態では、サーモスタット4を、冷却水流路7aと冷却水流路7bとの間の冷却水の流通は切り替えないように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、サーモスタット4を、冷却水流路7aにおいて、ラジエータ2と電動W/P1との間における冷却水の流通の有無を切り替えるのに加えて、冷却水流路7aと冷却水流路7bとの間の冷却水の流通の有無を切り替えるように構成してもよい。たとえば、サーモスタット4を、ラジエータ2と電動W/P1との間において冷却水を流通させている場合には、冷却水流路7aと冷却水流路7bとの間において冷却水を流通させないように構成するとともに、ラジエータ2と電動W/P1との間において冷却水を流通させていない場合には、冷却水流路7aと冷却水流路7bとの間において冷却水を流通させるように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、差圧弁5が開弁される電動W/P1の回転数Wを、電動W/P1の最大回転数Wmaxにした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、差圧弁が開弁される電動W/Pの回転数Wを、電動W/Pの最大回転数Wmaxよりも小さな回転数W以上の回転数に設定してもよい。たとえば、差圧弁が開弁される電動W/Pの回転数Wを、電動W/Pの最大回転数Wmaxの約0.8倍以上の回転数に設定してもよい。なお、差圧弁が開弁される電動W/Pの回転数Wは、電動W/Pの最大回転数Wmaxの近傍の回転数であるのが好ましい。
また、上記第1および第2実施形態では、ウォータポンプとして、電動W/P1を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ウォータポンプとして、エンジンのクランクシャフトなどから回転駆動力が伝達される、電動ではないウォータポンプを用いてもよい。なお、この場合、ウォータポンプ内のインペラとカバーとの離間距離を調整可能に構成することによって、ウォータポンプから吐出される冷却水の吐出流量を制御することが可能である。また、トランスミッションやクラッチなどの駆動力を制御することが可能な部材を用いてクランクシャフトから伝達される回転駆動力を制御することによっても、ウォータポンプから吐出される冷却水の吐出流量を制御することが可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、冷却水流路7b(第2流路)にヒータコア3を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヒータコアの代わりに、第2流路にオイルヒータなどの部材を配置してもよい。また、第2流路に何も配置しなくてもよい。
また、上記第2実施形態では、ECU206が、エンジン101を冷却した後の冷却水の温度(出口温度)に関する出口温度情報に基づいて電動W/P1の回転数Wを決定する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、ECUは、エンジンを冷却する前の冷却水の温度(入口温度)に関する入口温度情報に基づいて電動W/Pの回転数Wを決定してもよいし、その他の指標(エンジンの燃焼に関する指標)に基づいて電動W/Pの回転数Wを決定してもよい。
また、上記第1実施形態では、エンジン冷却装置100が車両に搭載される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明のエンジン冷却装置を船舶などに設けてもよい。なお、本発明のエンジン冷却装置は、急加速が頻繁に行われるような負荷が変化しやすいエンジンを搭載する車両などに用いるのが好ましい。
1 電動ウォータポンプ(ウォータポンプ)
2 ラジエータ
3 ヒータコア
4 サーモスタット(弁部材)
5、205 差圧弁
6、206 ECU(制御部)
7a、207a、307a 冷却水流路(第1流路)
7b 冷却水流路(第2流路)
7c、307c 迂回流路(第3流路)
100、200、300 エンジン冷却装置
101 エンジン

Claims (5)

  1. エンジンを冷却する冷却水の吐出流量を制御可能なウォータポンプと、
    前記冷却水を冷却するラジエータと、
    前記ラジエータが設けられ、前記冷却水が流通可能な第1流路と、
    前記第1流路に対して並列に設けられ、前記冷却水が流通可能な第2流路と、
    前記ウォータポンプと前記ラジエータとの間に設けられ、前記ウォータポンプ側の前記冷却水の圧力と前記ラジエータ側の前記冷却水の圧力との差圧に応じて開閉される差圧弁と、を備える、エンジン冷却装置。
  2. 前記ウォータポンプは、前記エンジンにおける負荷が増大した場合に、回転数を所定の回転数以上に大きくして前記冷却水の吐出流量を増加させることによって、前記差圧を前記差圧弁が開弁される開弁差圧以上に大きくするように構成されている、請求項1に記載のエンジン冷却装置。
  3. 前記第1流路に設けられ、前記ラジエータへの前記冷却水の流通の有無を切り替える弁部材と、
    前記弁部材を迂回するとともに、前記差圧弁が設けられる第3流路と、をさらに備え、
    前記差圧弁は、前記ウォータポンプの回転数が前記所定の回転数未満の場合には閉弁される一方、前記ウォータポンプの回転数が前記所定の回転数以上の場合には開弁されて、前記弁部材による切替状態に拘わらず、前記第3流路を介して前記ラジエータに前記冷却水を流通させるように構成されている、請求項2に記載のエンジン冷却装置。
  4. 前記ウォータポンプの前記所定の回転数は、前記ウォータポンプの最大の回転数近傍の回転数である、請求項3に記載のエンジン冷却装置。
  5. 前記差圧弁は、前記ウォータポンプと前記ラジエータとの間の前記第1流路に設けられているとともに、前記ウォータポンプの回転数に応じて開度が変化するように構成されている、請求項2に記載のエンジン冷却装置。
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