JP2017025717A - 微粒子捕集装置のpm再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置のpm再生制御方法 - Google Patents

微粒子捕集装置のpm再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置のpm再生制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積しているときのPM再生制御時において、微粒子捕集装置の破損(溶損)を防止することができる微粒子捕集装置のPM再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置のPM再生制御方法を提供する。【解決手段】第2PM再生制御の終了から次回の開始までの捕集期間において、エンジン回転数と負荷に基づいて算出されるPM捕集量の累積算出値Ccを横軸にして、この累積算出値Ccの算出時に対応する差圧センサで検出される前後差圧の検出値ΔPを縦軸にプロットした図における前後差圧の検出値ΔPの増加度合いを示す傾斜角度αpaを算出し、この算出した傾斜角度αpaに基づいて、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、微粒子捕集装置2における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配設され、ウォールフロータイプのフィルタで構成される微粒子捕集装置のPM再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置のPM再生制御方法に関する。
一般に、ディーゼルエンジン等の内燃機関では、排気ガスに含まれる微粒子状物質(Particulate Matter:PM、煤)を捕集除去する微粒子捕集装置を備えた排気ガス浄化システムを排気通路に設けている。
この微粒子捕集装置には捕集できるPMの量に上限があるため、この捕集されたPMを除去するPM再生制御を定期的に行っている。このPM再生制御は、主に、NOx増加制御による再生制御と、排気ガス昇温制御による再生制御(強制PM再生制御)の2種類の再生制御で構成される。
NOx増加制御では、微粒子捕集装置の温度が、微粒子捕集装置に捕集したPMを排気ガスに含まれるNOxにより高効率で酸化除去できる温度範囲(350℃〜400℃)にあるときに、例えば、排気通路より吸気通路に還流させるEGRガスの量を減少させる等により、排気ガスに含まれるNOx量を増加させることで、微粒子捕集装置に捕集したPMを酸化除去する。
また、排気ガス昇温制御では、一定量以上のPMが微粒子捕集装置に捕集されたときに、排気ガスを昇温制御して、微粒子捕集装置に捕集されたPMを燃焼除去する。この制御を実施するか否かの判定は、すなわち、微粒子捕集装置へのPMの捕集量が一定量を超えたか否かの判定は、微粒子捕集装置の前後差圧(圧力損失)が一定差圧値を超えたか否かによって行われる場合が多い。
一方、車両の走行距離や走行時間が長くなるにつれて、PMの堆積だけでなく、PMとは別に排気ガスに含まれる、エンジンオイルの成分に起因するアッシュ(灰性状物質)の堆積の影響によっても、微粒子捕集装置の前後差圧が大きくなる。この分解温度が概ね800℃以上のアッシュの分解除去には、800℃以上の高熱の環境が必要となるため、600℃程度に昇温した排気ガスを微粒子捕集装置に通過させて微粒子状物質を燃焼除去させる通常の強制PM再生制御では、アッシュの除去ができず、アッシュは微粒子捕集装置に堆積し続ける。
ここで、この微粒子捕集装置は、一般的に、多孔質のセラミックのハニカムのセル(チャンネル)の入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム型ウォールフロータイプのフィルタ等で形成される。そして、排気ガスに含まれるPMとアッシュは、この多孔質のセラミックの壁で捕集される。なお、この壁の部分に、白金や酸化セリウム等の酸化触媒やPM酸化触媒を担持する場合が多い。このモノリスハニカム型ウォールフロータイプのフィルタに堆積されるアッシュは、堆積場所によって、プラグアッシュとウォールアッシュの2種類に大別される。
プラグアッシュPAは、図3に示すように、出口側を目封じした各セル(インレット側の各セル)10aの下流側の目封じ部分10aaに堆積して、各セル10aの一端側を閉塞させるため、プラグアッシュ堆積後は、微粒子捕集装置の下流側に排気ガスが流れなくなる。その結果、プラグアッシュが堆積して閉塞されていない上流側にPMが堆積することになり、この閉塞分に相当する面積分だけ、微粒子捕集装置2の各セル10a、10bを仕切るPM捕集用の壁10c(10ca、10cb、10cc)の面積(PM捕集面積)が実質的に減少する。このプラグアッシュPAは、PM捕集用の壁(煤捕集壁)10cをガスが透過するときの抵抗への影響はないが、実質的にPM捕集面積を減少させるため、図7に示すように、微粒子捕集装置10における前後差圧(圧力損失)が上昇して、傾斜角度αpaが大きくなる。
一方、ウォールアッシュWAは、図4に示すように、PM捕集用の壁10cの表面に一様に堆積して形成される層状のアッシュである。このウォールアッシュWAは、PM捕集面積には影響しないが、アッシュ層に相当する分だけ、図7に示すように、PM捕集用の壁10cのガス透過時の抵抗が多くなるので、強制PM再生制御直後の圧力損失ΔPwaを上昇させる。なお、実際には、図5に示すように、各セルにプラグアッシュPAとウォールアッシュWAが両方とも混在して堆積する。
次に、ウォールアッシュWAからプラグアッシュPAへの遷移原理(形成原理)について説明する。微粒子捕集装置2には、まず、PMがPM捕集用の壁(煤捕集壁)10cに徐々に捕集されるとともに、アッシュ粒子がウォールアッシュWAの形態でPM捕集用の壁10cに堆積して、この位置とほぼ同じ位置にアッシュ層を形成していく。
そして、強制PM再生制御時に、高温の排気ガスGにより、煤捕集壁10cの全体に捕集されたPMが徐々に分解されて燃焼除去されるとともに、ウォールアッシュ粒子WAが高温の排気ガスGに曝されることで凝集して、より粒子径が大きくなる。ウォールアッシュ粒子WAは、この粒子径の拡大で排気ガスGによる力を受け易くなり、微粒子捕集装置2の下流側に流されてプラグアッシュPAを形成していく。すなわち、強制PM再生制御時に、ウォールアッシュWAの一部はプラグアッシュPAへと変化することとなる。
上述したように、微粒子捕集装置2にプラグアッシュPAが堆積することで、微粒子捕集装置2の強制PM再生制御時には、PMが堆積した上流側、即ち、プラグアッシュPAが堆積して閉塞していない側の各領域R1〜R(i)(1≦i≦X−1、好ましくは5≦X≦10)でのみ、排気ガスGが煤捕集壁10cを通過してPMが燃焼除去されるので、図1、図6に示すように、PMが堆積した上流側の温度(各領域R1〜R(i)の温度であるT1〜T(i))が上昇する。その一方で、PMの堆積していない下流側、即ち、プラグアッシュPAが堆積して閉塞している側の温度(各領域R(i+1)〜R(X)の温度であるT(i+1)〜T(X))は相対的に低くなる。
したがって、特に、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積しているときに、微粒子捕集装置2を通過する排気ガスGの温度が高温であると、微粒子捕集装置2の内部の温度分布では、この上流側の領域R(i+1)の温度と下流側の領域R(i)の温度の温度差ΔT(i)(=T(i+1)−T(i))が大きくなるので、この温度差ΔTに起因して、熱膨張の影響により、微粒子捕集装置2が破損(溶損)する虞が生じる。
これに関連して、例えば、排ガス中に含まれる灰分が排ガス浄化フィルタの壁面に堆積するのか底部に堆積するのかを、自然再生か強制再生かに基づいて、あるいは、フィルタの入口温度、ベッド温度、PM堆積量に基づいて判定して、壁面に堆積する灰分による圧力損失影響代と底部に堆積する灰分による圧力損失影響代を算出し、検出したフィルタ前後差圧からこれらの圧力損失影響代を常に除くことで、PMによる圧力損失を求めて、堆積するPM量を推定する排ガス浄化フィルタのパティキュレート堆積量検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4682877号
本発明者は、微粒子捕集装置へのアッシュ(プラグアッシュ、ウォールアッシュ)の堆積は不可避であるが、微粒子捕集装置の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を防止するためには、微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積したことを検知したときに、通常時に行うPM再生制御モードとは、別の制御モードである緊急時用のPM再生制御モードに切り替えて、微粒子捕集装置全体の温度上昇を抑制しながら、微粒子捕集装置のPM再生制御を行うことが有効であるとの知見を得た。
そして、本発明者は、ウォールアッシュからプラグアッシュへの遷移原理(形成原理)と、微粒子捕集装置の前後差圧に対する、ウォールアッシュとプラグアッシュの影響仕方が異なることを鑑みて、微粒子捕集装置の前後差圧に基づいて、プラグアッシュの堆積状態を推定することで、微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積したか否かを判定できるとの知見を得た。
本発明は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の排気通路に配設され、ウォールフロータイプのフィルタで構成される微粒子捕集装置であって、該微粒子捕集装置に捕集されたPMを、NOx増加制御による第1PM再生制御と排気ガス昇温制御による第2PM再生制御(強制PM再生制御)のいずれか一方又は両方により構成されるPM再生制御で除去させる微粒子捕集装置のPM再生制御システムに関し、特に、微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積しているか否かを高精度で推定することができるとともに、微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積していると判定したときには、通常時に行うPM再生制御モードから別の制御モードである緊急時用のPM再生制御モードに切り替えて、微粒子捕集装置全体の温度上昇を抑制しながら、微粒子捕集装置のPM再生制御を行うことで、微粒子捕集装置の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を防止することができる微粒子捕集装置のPM再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置のPM再生制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の微粒子捕集装置のPM再生制御システムは、ウォールフロータイプのフィルタで構成され、内燃機関の排気通路に配設されて、該排気通路を通過する排気ガス中のNOxを増加するNOx増加制御を行う第1PM再生制御、または、前記排気通路を通過する排気ガスを昇温する排気ガス昇温制御を行う第2PM再生制御で捕集したPMを除去する微粒子捕集装置のPM再生制御システムにおいて、前記微粒子捕集装置の前後差圧を検出する差圧検出装置を設けるとともに、当該PM再生制御システムを制御する制御装置が、前記第2PM再生制御の終了から次回の前記第2PM再生制御の開始までの捕集期間における前記微粒子捕集装置のPM捕集量に関して、エンジン回転数と負荷に基づいて算出されるPM捕集量の累積算出値を横軸にして、この累積算出値の算出時に対応する前記差圧検出装置で検出される前後差圧の検出値を縦軸にプロットした図における前記前後差圧の検出値の増加度合いを示す傾斜角度を算出するとともに、この算出した前記傾斜角度に基づいて、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、前記微粒子捕集装置における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うように構成される。
上述したように、微粒子捕集装置のPM再生制御時に、ウォールアッシュの一部がプラグアッシュに変化する。また、微粒子捕集装置の前後差圧に対して、ウォールアッシュよりプラグアッシュの方が影響が大きい、つまり、前後差圧をより大きくする。これらのことを鑑みて、微粒子捕集装置の各強制PM再生制御(第2PM再生制御)後に、エンジン回転数及び負荷に基づいて算出される微粒子捕集装置のPM捕集量の累積算出値に対する、差圧検出装置(差圧センサ)で検出される前後差圧の検出値の増加度合いを示す傾斜角度を算出し、この算出した傾斜角度に基づいて、微粒子捕集装置のPM再生制御を、通常時に行う通常時用PM再生制御モードから、緊急時用PM再生制御モードに切り替える。この緊急時用PM再生制御モードは、通常時に行うPM再生制御モードとは別の制御モードであり、微粒子捕集装置へのプラグアッシュの堆積状態を考慮して設定される、微粒子捕集装置全体の温度上昇を抑制するための制御モードである。
したがって、この構成によれば、微粒子捕集装置へのプラグアッシュの堆積状態に基づいて、微粒子捕集装置のPM再生制御を、緊急時用PM再生制御モードに切り替えてPM再生制御を行うので、微粒子捕集装置の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を防止することができる。
また、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御システムにおいて、前記制御装置が、前記微粒子捕集装置の最初の微粒子捕集の際の前記捕集期間における前記前後差圧の検出値の曲線に基づいて第1累積算出値とこの第1累積算出値より大きな値となる第2累積算出値を予め設定し、前記捕集期間において、前回の前記第2PM再生制御の終了直後から前記第1累積値未満までのデータを使用せずに、前記第1累積値と前記第2累積値の間のデータ、若しくは、前記第1累積値と次回の前記第2PM再生制御の開始直前の間のデータを使用して、前記傾斜角度を算出して、この傾斜角度が予め設定した判定角度以上の場合に判定用回数をカウントすると共に、この判定用回数が予め設定した判定回数値を超えたときに、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、前記通常時用PM再生制御モードから、前記緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うように構成される。
この構成によれば、前回の前記第2PM再生制御の終了直後から第1累積値未満までのデータを使用しないので、微粒子捕集装置へのプラグアッシュの堆積状態を高精度で推定することができ、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積したことを高精度で判定することができる。それと共に、微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積していると判定したときには、緊急時用PM再生制御モードに切り替えるので、微粒子捕集装置の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を確実に防止することができる。
ここで、図8に示すように、微粒子捕集装置のPM捕集量の累積算出値が微小量(図8の斜線部分)であるときは、微粒子捕集装置内部のPM捕集用の壁へのPMの深層濾過が発生する領域(深層濾過エリア)であり、微粒子捕集装置のPM捕集量の累積算出値に対する、微粒子捕集装置の前後差圧(圧力損失)の検出値の変化が大きく、この微粒子捕集装置の前後差圧の検出値に基づいて算出される傾斜角度の算出誤差が大きくなる。
したがって、第1累積値と第2累積値の間を、微粒子捕集装置内部のPM捕集用の壁へのPMの深層濾過が発生した後の領域(スートケーク濾過エリア)に設定することで、微粒子捕集装置のPM捕集量の累積算出値に対する、微粒子捕集装置の前後差圧の検出値が略一定で増加する範囲で傾斜角度を算出することで、傾斜角度の算出誤差を小さくする。この結果、微粒子捕集装置へのプラグアッシュの堆積状態を高精度で確実に推定することができる。
また、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御システムにおいて、前記制御装置が、前記緊急時用PM再生制御モードにおいて、前記第1PM再生制御の前記NOx増加制御を行う時間を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも長くするか、または、前記第2PM再生制御の前記排気ガス昇温制御における、排気ガスの昇温速度を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも小さくするか、または、前記第2PM再生制御における排気ガスの温度の上限設定値を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも低くするか
のいずれか一つまたはいずれか二つの組み合わせまたは全部を行うように構成される。
この構成によれば、プラグアッシュの堆積が進行した状態での、微粒子捕集装置のPM再生制御時における微粒子捕集装置全体の温度上昇を抑制することができるので、微粒子捕集装置の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を確実に防止することができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の内燃機関は、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御システムを備えて構成され、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御システムが奏する効果と同様の効果を奏することができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の微粒子捕集装置のPM再生制御方法は、ウォールフロータイプのフィルタで構成され、内燃機関の排気通路に配設されて、該排気通路を通過する排気ガス中のNOxを増加するNOx増加制御を行う第1PM再生制御、または、前記排気通路を通過する排気ガスを昇温する排気ガス昇温制御を行う第2PM再生制御で捕集したPMを除去する微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、前記第2PM再生制御の終了から次回の前記第2PM再生制御の開始までの捕集期間における前記微粒子捕集装置のPM捕集量に関して、エンジン回転数と負荷に基づいてPM捕集量の累積算出値を算出すると共に、この累積算出値の算出時に対応する前記微粒子捕集装置における前後差圧の検出値を差圧検出装置で検出し、前記累積算出値を横軸にして、この累積算出値の算出時に対応する前記前後差圧の検出値を縦軸にプロットした図における前記前後差圧の検出値の増加度合いを示す傾斜角度を算出するとともに、この算出した前記傾斜角度に基づいて、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、前記微粒子捕集装置における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うことを特徴とする方法である。
また、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、前記微粒子捕集装置の最初の微粒子捕集の際の前記捕集期間における前記前後差圧の検出値の曲線に基づいて第1累積算出値とこの第1累積算出値より大きな値となる第2累積算出値を予め設定し、前記捕集期間において、前回の前記第2PM再生制御の終了直後から前記第1累積値未満までのデータを使用せずに、前記第1累積値と前記第2累積値の間のデータ、若しくは、前記第1累積値と次回の前記第2PM再生制御の開始直前の間のデータを使用して、前記傾斜角度を算出して、この傾斜角度が予め設定した判定角度以上の場合に判定用回数をカウントすると共に、この判定用回数が予め設定した判定回数値を超えたときに、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、前記通常時用PM再生制御モードから、前記緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う。
また、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、前記緊急時用PM再生制御モードにおいて、前記第1PM再生制御の前記NOx増加制御を行う時間を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも長くするか、または、前記第2PM再生制御の前記排気ガス昇温制御における、排気ガスの昇温速度を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも小さくするか、または、前記第2PM再生制御における排気ガスの温度の上限設定値を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも低くするかのいずれか一つまたはいずれか二つの組み合わせまたは全部を行う。
これらの方法によれば、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御システムと同様の効果を奏することができる。
本発明の微粒子捕集装置のPM再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置の再生制御方法によれば、微粒子捕集装置へのプラグアッシュの堆積状態を高精度で推定することができ、微粒子捕集装置に大量のプラグアッシュが堆積していると推定したときには、微粒子捕集装置における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替えるので、微粒子捕集装置の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を確実に防止することができる。
(a)は、本発明に係る実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御システムにおける、微粒子捕集装置の構成を模式的に示す図であり、(b)は、(a)の微粒子捕集装置のセルの一部に蓄積したプラグアッシュの様子を模式的に示す図である。 本発明に係る実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御方法の制御フローを示す図である。 微粒子捕集装置のセル内のプラグアッシュの堆積状況を模式的に示す図である。 微粒子捕集装置のセル内のウォールアッシュの堆積状況を模式的に示す図である。 微粒子捕集装置のプラグアッシュ及びウォールアッシュの両方の堆積状況を模式的に示す図である。 PM再生中の微粒子捕集装置の内部の各領域の温度推移を示す図で、プラグアッシュ堆積の有無の差を例示する図である。 微粒子捕集装置へのアッシュ堆積状況毎に、PM捕集量の算出値に対する、微粒子捕集装置の前後差圧(圧力損失)の推移を示す図である。 微粒子捕集装置のPM捕集量の累積算出値が微小量であるときにおける、PM捕集量の累積算出値に対する、微粒子捕集装置の前後差圧(圧力損失)の変化の大きさを示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御システム、内燃機関、及び微粒子捕集装置のPM再生制御方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る実施の形態の内燃機関は、本発明に係る実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御システム1を備えて構成され、後述する微粒子捕集装置のPM再生制御システム1と同様の作用効果を奏することができる。
図1に示すように、本発明に係る実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御システム1が対象とする微粒子捕集装置2は、エンジン(内燃機関)(図示しない)の排気通路(図示しない)に配設され、その内部にウォールフロータイプのフィルタを備えて構成される。
図1の(b)に示すように、このタイプのフィルタは、多孔質のセラミックのハニカムのセル(チャンネル)の入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム型ウォールフロータイプのフィルタであり、このフィルタの出口側を目封じした各セル(インレット側のセル:図面の上側のセル)10aと、入口側を目封じした各セル(アウトレット側のセル:図面の下側のセル)10bを仕切るPM捕集用の壁10ca、10cb、10cc(以下総称では10cとする)で、排気ガスGに含まれるPM(微粒子状物質)(図示しない)を捕集する。
また、この微粒子捕集装置2には、PMとは別で、排気ガスGに含まれ、エンジンオイルの成分に起因するアッシュ(灰性状物質)が堆積していく。このアッシュは、堆積状態により、プラグアッシュPAとウォールアッシュWAの2種類に大別される。プラグアッシュPAは、図3に示すように、インレット側の各セル10aの下流側の目封じ部分10aaに堆積するアッシュ(クロスハッチング部分)である。また、ウォールアッシュWAは、図4に示すように、PM捕集用の壁10cの表面に一様に堆積して形成されるアッシュ(アッシュ層:斜線部分)である。図5に、このプラグアッシュPAとウォールアッシュWAの両方の堆積状態を示す。
ここで、ウォールアッシュWAからプラグアッシュPAへの遷移原理(形成原理)について説明する。微粒子捕集装置2には、まず、PMがPM捕集用の壁(煤捕集壁)10cに徐々に捕集されるとともに、アッシュ粒子がウォールアッシュWAの形態でPM捕集用の壁10cに堆積して、アッシュ層を形成していく。なお、アッシュ粒子は、PMが堆積した位置とほぼ同じ位置のPM捕集用の壁10cに堆積していく。そして、強制PM再生制御時に、高温の排気ガスGにより、PM捕集用の壁10cの全体に捕集されたPMが徐々に分解されて燃焼除去されるとともに、このウォールアッシュ粒子WAが高温の排気ガスGに曝されることでウォールアッシュ粒子WAが凝集して、より粒子径の大きいウォールアッシュ粒子となる。この粒子径の大きいウォールアッシュ粒子WAは排気ガスGによる力を受け易くなり、微粒子捕集装置2の下流側に流されてプラグアッシュPAを形成していく。すなわち、強制PM再生制御時に、ウォールアッシュWAの一部はプラグアッシュPAへと変化することとなる。
ここで、微粒子捕集装置2へのプラグアッシュPAの堆積のみ考えると、排気ガスGがPM捕集用の壁10cの単位透過面積を通過するときの抵抗は変わらないが、プラグアッシュPAの分だけ(図1における、幅DX)、PM捕集用の壁10cの透過面積が小さくなり、PM捕集容量が小さくなるので、圧力損失は大幅に大きくなり、その分、前後差圧ΔPは大幅に大きくなり、図7に示すように、PM捕集量の累積算出値に対する前後差圧ΔPでは、傾斜角度αpaが大きくなる。
ウォールアッシュWAによる圧力損失の影響は、図7に示すように、微粒子捕集装置2のPM捕集用の壁10cにPMが捕集されていないときには、ウォールアッシュ層WAの分だけ、排気ガスGが透過するときの抵抗は大きくなるので、排気ガスGがPM捕集用の壁10cを通過するときの圧力損失ΔPwaは大きくなり、その分、PM捕集時の前後差圧ΔPは大きくなる。なお、新製品時にはアッシュの堆積が無いため、図7に示すようにPMの堆積による前後差圧ΔPは、PM捕集用の壁10cの表面空孔にPMが捕集されていくにつれて、深層濾過からスートケーク濾過に移行し、深層濾過のような急激な前後差圧ΔPの上昇は起こらなくなる。
上記を踏まえて、本願発明の実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御システム1は、ウォールフロータイプのフィルタで構成され、内燃機関の排気通路に配設されて、この排気通路を通過する排気ガス中のNOxを増加するNOx増加制御を行う第1PM再生制御、または、排気通路を通過する排気ガスを昇温する排気ガス昇温制御を行う第2PM再生制御で捕集したPMを除去する微粒子捕集装置2のPM再生制御システム1である。
この微粒子捕集装置のPM再生制御システム1において、微粒子捕集装置2の前後差圧ΔPを検出する差圧センサ(差圧検出装置:図示しない)を設ける。それとともに、このPM再生制御システム1を制御する制御装置(図示しない)を次のように構成する。
つまり、制御装置が、第2PM再生制御(強制PM再生制御)の終了から次回の第2PM再生制御の開始までの捕集期間における微粒子捕集装置2のPM捕集量に関して、エンジン回転数と負荷に基づいてPM捕集量の累積算出値Ccを算出し、この算出されたPM捕集量の累積算出値Ccを横軸にして、この累積算出値Ccの算出時に対応する差圧センサで検出される前後差圧の検出値ΔPを縦軸にプロットした図(例えば、図7及び図8)における前後差圧の検出値ΔPの増加度合いを示す傾斜角度αpaを算出し、更に、図8に示すように、この算出した傾斜角度αpa(=ΔPd/ΔCc)に基づいて、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、微粒子捕集装置2における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うように構成される。ここで、この制御装置は、例えば、エンジン全般の運転状態を制御するエンジンコントロールユニット(ECU)に組み込んで構成してもよいし、独立して設けてもよい。
言い換えれば、微粒子捕集装置2のPM再生制御時に、ウォールアッシュWAの一部がプラグアッシュPAに変化する。また、微粒子捕集装置2の前後差圧に対して、ウォールアッシュWAとプラグアッシュPAとの影響の仕方が異なる。これらのことを鑑みて、微粒子捕集装置2の各強制PM再生制御(第2PM再生制御)後に、エンジン回転数及び負荷に基づいて算出される微粒子捕集装置2のPM捕集量の累積算出値Ccに対する、差圧センサで検出される前後差圧の検出値ΔPの増加度合いを示す傾斜角度αpaを算出し、この算出した傾斜角度αpaに基づいて、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時に行う通常時用PM再生制御モードから、緊急時用PM再生制御モードに切り替える。この緊急時用PM再生制御モードは、通常時に行うPM再生制御モードとは別の制御モードであり、微粒子捕集装置2へのプラグアッシュPAの堆積状態を考慮して設定される、微粒子捕集装置2全体の温度上昇を抑制するための制御モードである。
より具体的には、制御装置が、図8に示すように、微粒子捕集装置2の最初の微粒子捕集の際の捕集期間における前後差圧の検出値ΔPの曲線に基づいて第1累積算出値ccdとこの第1累積算出値Ccdより大きな値となる第2累積算出値Ccuを予め設定しておく。
それと共に、制御装置が、捕集期間において、前回の第2PM再生制御の終了直後Cc0から第1累積値Ccd未満までのデータを使用せずに、第1累積値Ccdと第2累積値Ccuの間のデータ、若しくは、第1累積値Ccdと次回の第2PM再生制御の開始直前Ccsの間のデータを使用して、傾斜角度αpaを算出して、この傾斜角度αpaが予め実験結果などから設定した判定角度αpa0以上の場合に判定用回数Cをカウントすると共に、この判定用回数Cが予め設定した判定回数値C0を超えたときに、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う。
この構成によれば、前回の第2PM再生制御の終了直後Cc0から第1累積値Ccd未満までのデータを使用しないので、微粒子捕集装置2へのプラグアッシュPAの堆積状態を高精度で推定することができ、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積したことを高精度で判定することができる。それとともに、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積していると判定したときには、緊急時用PM再生制御モードに切り替えるので、微粒子捕集装置2の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を確実に防止することができる。
ここで、図8に示すように、微粒子捕集装置2のPM捕集量の累積算出値Ccが微小量(図8の斜線部分)であるときは、微粒子捕集装置2内部のPM捕集用の壁10cへのPMの深層濾過が発生する領域(深層濾過エリア)であり、微粒子捕集装置2のPM捕集量の累積算出値Ccに対する、微粒子捕集装置2の前後差圧(圧力損失)の検出値ΔPの変化が大きく、この微粒子捕集装置2の前後差圧の検出値ΔPに基づいて算出される傾斜角度αpaの算出誤差が大きくなる。
したがって、第1累積値Ccdと第2累積値Ccuの間を、微粒子捕集装置2内部のPM捕集用の壁10cへのPMの深層濾過が発生した後の領域(スートケーク濾過エリア)に設定することで、微粒子捕集装置2のPM捕集量の累積算出値Ccに対する、微粒子捕集装置2の前後差圧の検出値ΔPが略一定で増加する範囲で傾斜角度αpa(=ΔPd/ΔCc:ΔCc=Ccu−Ccd)を算出することで、傾斜角度αpaの算出誤差を小さくする。この結果、微粒子捕集装置2へのプラグアッシュPAの堆積状態を高精度で確実に推定することができる。
また、この緊急時用PM再生制御モードにおいては、第1PM再生制御のNOx増加制御を行う時間を、通常時用PM再生制御モードのときよりも長くするか、または、第2PM再生制御の排気ガス昇温制御における、排気ガスの昇温速度を、通常時用PM再生制御モードのときよりも小さくするか、または、第2PM再生制御における排気ガスの温度の上限設定値を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも低くするかのいずれか一つまたはいずれか二つの組み合わせまたは全部を行うように構成される。
この構成によれば、プラグアッシュPAの堆積が進行した状態での、微粒子捕集装置2のPM再生制御時における微粒子捕集装置2全体の温度上昇を抑制することができるので、微粒子捕集装置2の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を確実に防止することができる。
なお、PM再生制御を緊急時用PM再生制御モードに移行したときは、微粒子捕集装置2の破損(溶損)を防止しながらの運転になり、燃費の悪化等が懸念されるので、車両の運転席に警告灯(図示しない)を設け、PM再生制御が緊急時用PM再生制御モードに移行したときにこの警告灯を点灯または点滅させて、運転者に微粒子捕集装置2の早期洗浄を促すように構成するのが好ましい。
次に、上記の微粒子捕集装置のPM再生制御方法について、図2の制御フローを参照しながら説明する。図2の制御フローは、微粒子捕集装置2のPM再生制御の終了時に上級の制御フローから呼ばれて実施され、実施後に上級の制御フローに戻る制御フローであり、微粒子捕集装置2のPM再生制御が終了する毎に繰り返し呼ばれて実施される。なお、この図2の制御フローに基づく制御の途中で、内燃機関が運転停止するとき等では、割り込みが生じて、リターンにいって上級の制御フローに戻り、この上級の制御フローの終了と共に終了する。
この図2の制御フローがスタートすると、ステップS11で、第2PM再生制御(強制PM再生制御)の終了から次回の第2PM再生制御の開始までの捕集期間における微粒子捕集装置2のPM捕集量に関して、エンジン回転数と負荷に基づいてPM捕集量の累積算出値Ccを算出する。
また、ステップS12で、差圧センサで前後差圧の検出値ΔPを検出する。次のステップS13で、前後差圧の検出値ΔPと累積算出値Ccとを対応させて、PM捕集量の累積算出値Ccを横軸にして、この累積算出値Ccの算出時に対応する前後差圧の検出値ΔPを縦軸にプロットした図(例えば、図8)における前後差圧の検出値ΔPの増加度合いを示す傾斜角度αpaを算出する。
ステップS14にて、傾斜角度αpaが、実験などにより予め設定された判定角度αpa0以上であるか否かを判定する。このステップS14にて、傾斜角度αpaが判定角度αpa0以上である場合(YES)に、ステップS15にて判定用回数Cをカウントすると共に、ステップS16で、この判定用回数Cが予め設定した判定回数値C0を超えたか否かを判定する。ステップS16にて、判定用回数Cが予め設定した判定回数値C0を超えたときには、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積していると判定して、ステップS17に行き、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う。その後、リターンして、上級の制御フローに戻る。
このステップS14にて、傾斜角度αpaが判定角度αpa0未満である場合(NO)には、そのまま、判定用回数Cをカウントすることなく、また、PM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うことなく、リターンして、上級の制御フローに戻る。
次に、本発明の実施の形態の微粒子捕集装置のPM再生制御方法について説明する。この微粒子捕集装置のPM再生制御方法は、ウォールフロータイプのフィルタで構成され、内燃機関の排気通路に配設されて、該排気通路を通過する排気ガス中のNOxを増加するNOx増加制御を行う第1PM再生制御、または、前記排気通路を通過する排気ガスを昇温する排気ガス昇温制御を行う第2PM再生制御で捕集したPMを除去する微粒子捕集装置のPM再生制御方法である。
この微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、第2PM再生制御の終了から次回の第2PM再生制御の開始までの捕集期間における微粒子捕集装置のPM捕集量に関して、エンジン回転数と負荷に基づいてPM捕集量の累積算出値Ccを算出すると共に、この累積算出値Ccの算出時に対応する微粒子捕集装置2における前後差圧の検出値ΔPを差圧センサで検出し、累積算出値Ccを横軸にして、この累積算出値Ccの算出時に対応する前後差圧の検出値ΔPを縦軸にプロットした図における前後差圧の検出値ΔPの増加度合いを示す傾斜角度αpaを算出するとともに、この算出した傾斜角度αpaに基づいて、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、微粒子捕集装置2における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う方法である。
また、この微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、微粒子捕集装置2の最初の微粒子捕集の際の捕集期間における前後差圧の検出値ΔPの曲線に基づいて第1累積算出値Ccdとこの第1累積算出値Ccdより大きな値となる第2累積算出値Ccuを予め設定し、捕集期間において、前回の第2PM再生制御の終了直後Cu0から第1累積値未満Cudまでのデータを使用せずに、第1累積値Ccdと第2累積値Ccuの間のデータ、若しくは、第1累積値Ccdと次回の第2PM再生制御の開始直前Cusの間のデータを使用して、傾斜角度αpaを算出して、この傾斜角度αpaが予め設定した判定角度αpa0以上の場合に判定用回数Cをカウントすると共に、この判定用回数Cが予め設定した判定回数値C0を超えたときに、微粒子捕集装置2のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う。
また、この微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、緊急時用PM再生制御モードにおいて、第1PM再生制御のNOx増加制御を行う時間を、通常時用PM再生制御モードのときよりも長くするか、または、第2PM再生制御の排気ガス昇温制御における、排気ガスの昇温速度を、通常時用PM再生制御モードのときよりも小さくするか、または、第2PM再生制御における排気ガスの温度の上限設定値を、通常時用PM再生制御モードのときよりも低くするかのいずれか一つまたはいずれか二つの組み合わせまたは全部を行う。
上記の構成の微粒子捕集装置のPM再生制御システム1、内燃機関、及び微粒子捕集装置の再生制御方法によれば、微粒子捕集装置2へのプラグアッシュPAの堆積状態を高精度で推定することができ、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積しているか否かを高精度で推定することができるとともに、微粒子捕集装置2に大量のプラグアッシュPAが堆積していると判定したときには、緊急時用PM再生制御モードに切り替えるので、微粒子捕集装置2の内部の温度分布に起因する破損(溶損)を確実に防止することができる。
1 微粒子捕集装置のPM再生制御システム
2 微粒子捕集装置
10a インレット側のセル
10aa インレット側のセルの目封じ部分
10b アウトレット側のセル
10bb アウトレット側のセルの目封じ部分
10c、10ca、10cb、10cc PM捕集用の壁
C 判定回数の積算値
C0 設定閾値
Cc PM捕集量の累積算出値
Cc0 前回の第2PM再生制御の終了直後
Ccd 第1累積算出値
Ccu 第2累積算出値
Ccs 次回の第2PM再生制御の開始直前
C 判定用回数
C0 判定回数値
G 排気ガス
Gc 浄化処理された排気ガス
PA プラグアッシュ
WA ウォールアッシュ
αpa 傾斜角度
αpa0 判定角度
ΔCc PM捕集量の累積算出値の増加
ΔP 前後差圧の検出値
ΔPd 前後差圧の検出値の増加量

Claims (7)

  1. ウォールフロータイプのフィルタで構成され、内燃機関の排気通路に配設されて、該排気通路を通過する排気ガス中のNOxを増加するNOx増加制御を行う第1PM再生制御、または、前記排気通路を通過する排気ガスを昇温する排気ガス昇温制御を行う第2PM再生制御で捕集したPMを除去する微粒子捕集装置のPM再生制御システムにおいて、
    前記微粒子捕集装置の前後差圧を検出する差圧検出装置を設けるとともに、
    当該PM再生制御システムを制御する制御装置が、
    前記第2PM再生制御の終了から次回の前記第2PM再生制御の開始までの捕集期間における前記微粒子捕集装置のPM捕集量に関して、
    エンジン回転数と負荷に基づいて算出されるPM捕集量の累積算出値を横軸にして、この累積算出値の算出時に対応する前記差圧検出装置で検出される前後差圧の検出値を縦軸にプロットした図における前記前後差圧の検出値の増加度合いを示す傾斜角度を算出するとともに、
    この算出した前記傾斜角度に基づいて、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、前記微粒子捕集装置における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うように構成されたことを特徴とする微粒子捕集装置のPM再生制御システム。
  2. 前記制御装置が、
    前記微粒子捕集装置の最初の微粒子捕集の際の前記捕集期間における前記前後差圧の検出値の曲線に基づいて第1累積算出値とこの第1累積算出値より大きな値となる第2累積算出値を予め設定し、
    前記捕集期間において、前回の前記第2PM再生制御の終了直後から前記第1累積値未満までのデータを使用せずに、前記第1累積値と前記第2累積値の間のデータ、若しくは、前記第1累積値と次回の前記第2PM再生制御の開始直前の間のデータを使用して、前記傾斜角度を算出して、この傾斜角度が予め設定した判定角度以上の場合に判定用回数をカウントすると共に、
    この判定用回数が予め設定した判定回数値を超えたときに、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、前記通常時用PM再生制御モードから、前記緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うように構成された請求項1に記載の微粒子捕集装置のPM再生制御システム。
  3. 前記制御装置が、
    前記緊急時用PM再生制御モードにおいて、
    前記第1PM再生制御の前記NOx増加制御を行う時間を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも長くするか、
    または、前記第2PM再生制御の前記排気ガス昇温制御における、排気ガスの昇温速度を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも小さくするか、
    または、前記第2PM再生制御における排気ガスの温度の上限設定値を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも低くするか
    のいずれか一つまたはいずれか二つの組み合わせまたは全部を行うように構成された請求項1または2に記載の微粒子捕集装置のPM再生制御システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子捕集装置のPM再生制御システムを備えたことを特徴とする内燃機関。
  5. ウォールフロータイプのフィルタで構成され、内燃機関の排気通路に配設されて、該排気通路を通過する排気ガス中のNOxを増加するNOx増加制御を行う第1PM再生制御、または、前記排気通路を通過する排気ガスを昇温する排気ガス昇温制御を行う第2PM再生制御で捕集したPMを除去する微粒子捕集装置のPM再生制御方法において、
    前記第2PM再生制御の終了から次回の前記第2PM再生制御の開始までの捕集期間における前記微粒子捕集装置のPM捕集量に関して、
    エンジン回転数と負荷に基づいてPM捕集量の累積算出値を算出すると共に、この累積算出値の算出時に対応する前記微粒子捕集装置における前後差圧の検出値を差圧検出装置で検出し、
    前記累積算出値を横軸にして、この累積算出値の算出時に対応する前記前後差圧の検出値を縦軸にプロットした図における前記前後差圧の検出値の増加度合いを示す傾斜角度を算出するとともに、
    この算出した前記傾斜角度に基づいて、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、通常時用PM再生制御モードから、前記微粒子捕集装置における熱負荷を通常時用PM再生制御モードよりも低くする緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行うことを特徴とする微粒子捕集装置のPM再生制御方法。
  6. 前記微粒子捕集装置の最初の微粒子捕集の際の前記捕集期間における前記前後差圧の検出値の曲線に基づいて第1累積算出値とこの第1累積算出値より大きな値となる第2累積算出値を予め設定し、
    前記捕集期間において、前回の前記第2PM再生制御の終了直後から前記第1累積値未満までのデータを使用せずに、前記第1累積値と前記第2累積値の間のデータ、若しくは、前記第1累積値と次回の前記第2PM再生制御の開始直前の間のデータを使用して、前記傾斜角度を算出して、この傾斜角度が予め設定した判定角度以上の場合に判定用回数をカウントすると共に、
    この判定用回数が予め設定した判定回数値を超えたときに、前記微粒子捕集装置のPM再生制御を、前記通常時用PM再生制御モードから、前記緊急時用PM再生制御モードに切り替える制御を行う請求項5に記載の微粒子捕集装置のPM再生制御方法。
  7. 前記緊急時用PM再生制御モードにおいて、
    前記第1PM再生制御の前記NOx増加制御を行う時間を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも長くするか、
    または、前記第2PM再生制御の前記排気ガス昇温制御における、排気ガスの昇温速度を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも小さくするか、
    または、前記第2PM再生制御における排気ガスの温度の上限設定値を、前記通常時用PM再生制御モードのときよりも低くするか
    のいずれか一つまたはいずれか二つの組み合わせまたは全部を行う請求項5または6に記載の微粒子捕集装置のPM再生制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022191307A1 (ja) * 2021-03-11 2022-09-15 いすゞ自動車株式会社 監視装置および車両

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