JP2017025418A - 導電編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】心電図や筋電図等のデータ採取、或いは電気治療や電磁波治療などを対象者に対して行う場合に、対象者の肌面に接触させる電極などとして好適に使用できるなど、接触面の立体性や表面性状などに影響されることなく良好な導電性が得られるようにする。【解決手段】熱融着材料又は熱合着材料の少なくとも一方が混用された導電糸10によって製編された導電部3を有しており、前記導電部3は前記導電糸10同士の交差部を前記熱融着材料による熱融着又は前記熱合着材料による合着で結合(F)されている。【選択図】図3

Description

本発明は、電極などとして好適に使用できる導電編地に関する。
心電図や筋電図等のデータ採取、或いは電気治療や電磁波治療などを対象者に対して行う場合に使用する弾性着衣が、従来、提案されている(特許文献1参照)。この弾性着衣は、弾性布地に導電繊維をフロート編により編み込むことで、裏面側(対象者の肌面へ接触させる側)の導電繊維の表出量を表面側への表出量よりも多くする構成としたものである。フロート編は、コース方向に沿いつつ所定ピッチで裏面側へ浮き糸を表出させる一方で、浮き糸と浮き糸との間に、表面側へ表出するループを介在させた編組織である。
ところで、弾性布地を編地本体としてその限られた領域内にフロート編を編み込むためには、カットボス編を採用しなければならない。カットボス編は、編地本体の製編を進めて行く過程で、フロート編の開始位置では導電繊維の糸入れをしてコース方向への編み込みを開始し、また同一コース上におけるフロート編の終了位置では導電繊維の糸抜けをし、直ちに糸切りを行い、これをウエール方向(コース方向に対して編地面上で垂直に交差する方向)の同一箇所で同じ様に所定コースにわたって繰り返す編み方である。
そのため、フロート編を行った領域は、必然的に、導電繊維の糸端が開始位置及び終了位置の2箇所(コース方向の両端部)で浮遊状態に延び出して、自由端として残存することになる。しかも、このような浮遊状態の糸端はウエール方向で列を成し、導電繊維の編み込み領域全体として見れば、肉厚的にボリュウムが増した編地端を形成するようになっている。
一方、フロート編は、1コース内の編み込み終了位置で必ず編みを行って(編み込みのループを形成させて)、コースごとに編み込みを終了させる必要がある。そうでなければ、浮き糸自体が浮遊状態となるので、延び出す浮遊糸長が異様に長くなってしまうからである。
特許第4609923号公報
前記従来の弾性着衣では、前記したように導電繊維の編み込みをカットボス編により行わざるを得なかったので、導電繊維の編み込み領域における始端位置及び終端位置に、浮遊糸端が列を成した編地端が発生している。このような編地端が肌面に触れると掻痒感(かゆさ)や痛感などの違和感に繋がり、着心地を悪化させることは言うまでもない。編地端を形成しているのが硬質の導電繊維であることが、着心地の悪化に一層拍車をかけることになるのは明らかである。
また、このような編地端では、伸び出した導電繊維の糸端が引っ掛かりなどの原因となりやすく、導電繊維の編み込み領域にほつれを誘発するおそれもあった。
一方、フロート編では、編み込みを終了する位置で必ず編みを行う(ループを形成させる)ことが要求されるため、編設計(浮き糸を生じさせるためのコース方向のピッチ等)が制限され、結果としてフロート編で形成する領域の形状や大きさが制限されてしまうという不自由さがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、導電性を有する編地において、編地外周部に浮遊糸端を要因として肉厚的なボリュウムを増した編地端が生じることを可及的に防止でき、肌触りの悪化を防止できると共に、形成させる領域や大きさに制限が付されることなく自由な選択ができるようにした導電編地を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る導電編地は、熱融着材料又は熱合着材料の少なくとも一方が混用さ
れた導電糸によって製編された導電部を有しており、前記導電部は前記導電糸同士の交差部を前記熱融着材料による熱融着又は前記熱合着材料による合着で結合されていることを特徴とする。
前記導電部は、非導電性の地糸により製編された編地本体に対して領域を限って設けられたものとすることができる。
この場合、前記導電部はカットボス編により前記編地本体の片面又は両面に編み込まれており、前記導電部の外周部には、前記熱融着材料又は前記熱合着材料によるほつれ止め処理が施されたものとすることができる。
前記導電部は、前記編地本体の片面で厚み方向に前記地糸の編組織高さを超えて前記導電糸が隆起することで形成された良導接触面と、前記良導接触面を形成する前記導電糸とは別の導電糸により当該良導接触面と対応させて編み込まれた集電面とを有したものとすることができる。
本発明に係る導電編地では、導電性を有する編地において、編地外周部に浮遊糸端を要因として肉厚的なボリュウムを増した編地端が生じることを可及的に防止でき、肌触りの悪化を防止できると共に、形成させる領域や大きさに制限が付されることなく自由な選択ができるようになっている。
本発明に係る導電編地の第1実施形態を示した斜視図である。 図1のA−A線に対応させて模式的に示した断面構造図である。 第1実施形態の導電部に熱セットを施した状態を模式的に示した編組織である。 第1実施形態における導電部の良導接触面(フロート編層によるもの)について編地本体を省略したうえで模式的に示した編組織である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図4は、本発明に係る導電編地1の第1実施形態を示している。図1から明らかなように、この導電編地1は導電糸によって製編された導電部3を主要部とする。本第1実施形態では、導電部3は編地本体2に対して領域を限って編み込まれたものとしてある。
まず概要について説明する。編地本体2は、例えば図1に示すように筒状に形成されており、心電図や筋電図等のデータ採取、或いは電気治療や電磁波治療などを対象者に対して行う場合に、対象者の腕や脚、胴部などを通すことができるようになっている。
なお、装着箇所に応じて筒形状(ストレート形やテーパ形、或いは瓢箪形など)や筒径を変更可能であることは言うまでもない。また、筒状とすること以外に、衣類形体(シャツ形やズボン形など)としてもよいし、帯状にして巻き付けによる装着を可能としたものとしてもよい。導電部3についても、図1では四角形状の領域として且つ2箇所に配置されたものとしているが、装着箇所や必要接点数などに応じて領域形状、大きさ、配置数などを適宜変更可能であることは言うまでもない。
次に、導電部3について説明する。前記したように、本第1実施形態において、導電部3は編地本体2に対して領域を限って編み込まれたものとしているので、この導電部3の外周部は、編地本体2に臨んで境界を形成する辺部として存在している。この辺部には、熱融着材料又は熱合着材料を用いたほつれ止め処理が施されている。
ほつれ止め処理は、導電部3の形成に用いた導電糸が編組織の中で交差している部分を固定させる処理であって、このほつれ止め処理を施すことで、導電糸の糸端が浮遊状態となるのを阻止している。すなわち、このほつれ止め処理が施されていることから、導電部3は外周部の辺部が異様に浮き上がることなく、編地本体2に馴染んで一体状(略フラットな状態)に形成されている。
このことから、導電部3の辺部は、従来の弾性着衣(前記特許文献1)とは異なって、「コース方向の両端部に浮遊状態で延び出した導電繊維の糸端が、ウエール方向で列を成
すことにより、肉厚的にボリュウムが増すことになった編地端」を発生させたものではない、と言うことができる。
ほつれ止め処理の実施方法は、導電部3の形成に用いる導電糸に対し、熱融着材料又は熱合着材料の少なくとも一方を混用させ、そのうえで導電部3を製編し、製編後に熱セットを行うという手順とする。
熱融着材料と熱合着材料との差異は、半溶融状態からの冷却により生じる結合力の強弱によって区別すればよく、結合力が強い(熱融着)ものは熱融着材料とし、これよりも結合力が弱い(合着)ものは熱合着材料とする。この区別は明確とは言えず曖昧模糊とした部分を含むが、要は、本発明では熱セットによって導電糸10の交差部を結合できる材料であればよいものとおく。従って、伸縮性(弾性)に優れ、加熱によって熱融着し、かつ、熱融着部位においては伸縮性(弾性)が失われることなく、高度の伸縮性(弾性)が保有されるものを用いることができる。
具体的には、熱融着材料又は熱合着材料の代表例として低融点ポリウレタンを挙げることができる。低融点ポリウレタンは、最適例であると言える。その他、ポリエチレンやナイロン(6や66)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ビニル系ポリマー、ポリアミド等の縮合系ポリマーなどを採用可能である。
更なる具体例をとしては、低融点ポリアミド繊維糸、低融点ポリエステル系繊維糸(低融点ポリエステル共重合体繊維糸、低融点脂肪族ポリエステル繊維糸)等が挙げられる。なかでも、低融点ポリエステル系繊維糸が好ましい。
前記低融点ポリエステル共重合体繊維糸を構成する低融点ポリエステル共重合体の好ましい共重合成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキ シカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタ エリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、 2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタ ル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
前記低融点脂肪族ポリエステル繊維糸を構成する低融点脂肪族ポリエステルと しては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレートバ リレート、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
前記熱融着性繊維糸の市販品としては、他に、80〜130℃の乾熱や、50〜100℃の湿熱で溶融する低融点ポリアミド繊維糸、例えば、フロール(ユニチカ社製)、エルダー(東レ社製)、ジョイナー(フジボウ社製)等を用いることができる。
また、80〜130℃の乾熱や、50〜100℃の湿熱で溶融する低融点ポリエステル繊維糸、例えば、ソフィット(クラレ社製)、メルティ(ユニチカ社製)、ソルスター(三菱レイヨン社製)、ベルコンビ(鐘紡社製)、エステナール(東洋紡績社製)等を用いてもよい。
前記熱融着性繊維糸を熱処理して熱融着させる手段としては、湿熱または乾熱による熱処理が用いられる。湿熱処理としては、例えば、蒸気や、熱水、染色浴などの熱液体による処理が挙げられる。乾熱処理としては、例えば、熱風乾燥などによる熱処理などの処理が挙げられる。
なお、精練や染色、ソーピング等の浴中工程を行う場合は、浴中で湿熱処理による熱融着が可能となるため、工程削減にもなり好ましい。この場合の熱処理温度は、好ましい下限が50℃、好ましい上限が100℃である。より好ましい下限としては60℃、さらに好ましい下限は65℃である。
導電糸10に対して熱融着材料や熱合着材料を混用させる方法には、導電糸10を「芯」とし、熱融着材料製の糸又は熱合着材料製の糸を「カバー」とするカバリング糸(SC
YでもDCYでもよい)を用いる方法や、導電糸に熱融着材料製の糸又は熱合着材料製の糸を引き揃える(プレーティング編としてもしなくてもよい)方法などがある。
熱セットでは、図3に示すように、加熱された熱融着材料が熱融着を生じたり、熱合着材料が合着を生じたりすることが要因で、導電糸10同士の交差部が結合されることになる(図3の矢符F)。この場合、熱セット後の導電糸10は、糸表面の一部又は全部に導電成分が露出した状態とすることが求められる。そのため、熱融着材料製の糸又は熱合着材料製の糸としての太さや糸量(本数)、熱セットを行う際の加熱温度などを適宜調整して、導電糸10の露出部分を生じさせるようにする。
このようなほつれ止め処理を施すことで、導電部3はその外周部の辺部で導電糸10の糸端が浮遊状態に生じないので、糸端による引っ掛かりを防止でき、その結果として導電部3のほつれ止め効果に繋がることなる。また、ほつれ止め効果が得られることで、糸端の延び出しを可及的に短く切断することができることになり、その結果、肌面に接触した際の掻痒感や痛感を可及的に抑止できることになる。加えて、導電糸10同士の交差部が熱融着材料や熱合着材料の付着によって被覆されるので、肌面との接触感が緩和されると共に滑りがよくなって、肌触り感の向上にも役立つようになる。
なお、本第1実施形態では、導電部3の外周部が全て編地本体2に臨むようになっている(全周が編地本体2で囲まれている)が、導電部3は、編地本体2の端部位置に配置することもでき、この場合には、導電部3に自由端(編地本体2に臨まない辺部)が生じることになる。また、編地本体2を備えず、導電部3を単独物として構成することもでき、この場合には、導電部3の外周部が全て自由端となる。このような自由端においても、ほつれ止め処理を施すことは勿論可能である。
図2に示すように、本第1実施形態において導電部3は、良導接触面5と集電面6とを有したものとしている。これら良導接触面5及び集電面6は、いずれも導電糸10により編地本体2に編み込まれている。実際には、編地本体2を製編するときに、導電部3の配置に対応させてカットボス編によって良導接触面5及び集電面6を同時に編み込むようにする。前記したほつれ止め処理は、これら良導接触面5及び集電面6の両方に対して施してもよいし、いずれか一方のみに施しても良い。
良導接触面5と集電面6とは、編地本体2を挟んで表裏に振り分けられ、互いに合致する配置とされている。良導接触面5が対象者の肌面へ向けられる側(導電編地1としての裏側)に配置され、集電面6が外方へ向けられる側(導電編地1としての表側)に配置されている。
なお、図2は理解を容易にするためのイメージ図であるが、この図2に示したのとは異なり、良導接触面5や集電面6はそれらの肉厚を編地本体2に重ね合わせたような積層構造を形成するものではなく、実際には、編地本体2に編み込まれた状態でその片面又は両面に隆起状態を伴って現出する状態となっている。
良導接触面5を形成する導電糸10と、集電面6を形成する導電糸10とは、それぞれ別の糸とされている。別の糸(導電糸10)とは、良導接触面5と集電面6とが別の編み組織として編み込まれている状態(別の給糸口から給糸されて製編された状態)を言う。すなわち、糸種を異ならせるといった意味ではないので、良導接触面5を形成する導電糸10と集電面6を形成する導電糸10とを同じ糸種とすることには何ら問題はない。
良導接触面5の編み込みに用いる導電糸10や、集電面6の編み込みに用いる導電糸10は、金属素線や金属被覆線、又は炭素繊維などにより形成されたものとする。
金属素線や金属被覆線における金属成分の具体例としては、金、白金、銀、銅、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、アルミ、タングステン、ステンレスなどが好適となる。その他にも、チタン、マグネシウム、錫、バナジウム、コバルト、モリブデン、タンタル等の純金属をはじめ、それらの合金(真鍮、ニクロムなど)を挙げることができる。
金属素線には、連続した長線だけでなく単線を撚り合わせたものを使用することもできる。一方、金属被覆線において、その芯材を樹脂製の繊維や線材若しくは動植物繊維とするときは、樹脂メッキ法などに採用されるメッキ処理をはじめ、湿式塗布法や粉体付着法などを行えばよい。また、芯材を金属製の線材とするときでは溶射法、スパッタ法、CV
D法等を採用することもできる。芯材にはモノフィラメント、マルチフィラメント、紡績(スパン)糸を使用すればよく、或いはウーリー加工糸やSCY、DCYなどのカバリング糸、毛羽加工糸などの嵩高加工糸を使用することもできる。
その他、これら金属素線や金属被覆線、炭素繊維を非導電繊維と混用させるものでもよい。例えば、紡績(スパン)糸を用いて混紡糸やカバリング糸、引き揃えとすることができる。また、熱セット温度よりも融点、軟化点が高い繊維との混用とすることも可能である。
良導接触面5は、編地本体2を形成している地糸の編組織に対し、その厚み方向の高さを超えて導電糸が隆起するように構成したものである。図4に示すように、本第1実施形態ではフロート編を採用してフロート編層を形成させることにより、導電糸10による浮き糸11が対象者の肌面へ向けられる側(導電編地1としての裏側)で露出する状態を生じさせ、この露出した浮き糸11が面状に分布する状態として、良導接触面5を形成させている。
このようなフロート編層は、浮き糸11が形成されるコース方向のピッチを、隣接するコースごとにずらし、浮き糸11の少なくとも一端位置(編地本体2に対して編み込まれるループ12)が、隣接するコース間で不揃いになるようにする。コース方向へずらす量は特に限定されるものではなく、ループ数で数えて1個や2個としてもよいし、或いはそれ以上としてもよい。また図例では、浮き糸11の両端位置が、共に隣接するコース間で不揃いとなるようにしてあるが、一端位置のみをずらす(すなわち、浮き糸11の長さが異なる)ようにしてもよい。
このような良導接触面5では、対象者の肌面に存在する3次元的で且つ複雑な曲面や凹凸、柔軟部位などに対して確実に接触することになる。また肌面の細かな動きにも的確に追従するようになる。従って、確実な導電性が得られるものである。
また、良導接触面5を形成しているフロート編層では、浮き糸11の一端位置又は両端位置が、隣接するコース間で不揃いに配置されているので、コース方向に沿って浮き糸11と浮き糸11との間に生じるループ12(編地本体2に編み込まれる部分)がウエール方向で直線状に揃うことがない。すなわち、良導接触面5は全体が面としての広がりを有したものとなって、浮き糸11の集密度が高く(対象者の肌面と導通する接触面積が大きく)なり、それだけ導電性が高いと言える。
これに対し、集電面6は、編地本体2に対してフルニットで編み込むことで構成されている。集電面6に採用する編組織は、例えば、平編、ゴム編、スムース編、パール編又はそれらの変化組織(例えば、ミラノリブや段ボールニットなど)を採用することができる。この集電面6は、前記したように編地本体2を介して良導接触面5に合致する配置とするので、この集電面6の編み込みによって良導接触面5を形成しているフロート編層(全コース)が全て電気的に接続されることになる。
すなわち、この集電面6を設けることにより、導電部3に用いる導電糸10の総糸量を増やすことができ、また導電糸10相互の接点も増えるので、結果として導電部3としての電気抵抗を低くすることもできる。
そのため、心電図や筋電図等のデータ採取等を行うに際しては、対象者の肌面に接触させた良導接触面5からこの集電面6を介して電流波形を良好に取り出すことができ、また電気治療や電磁波治療等を行うに際しては、この集電面6から良導接触面5を介して対象者の肌面に電流を良好に印加することができる。
次に、編地本体2について説明する。編地本体2は、非導電性の地糸により製編されている。地糸には、合成繊維(例えばポリエステル繊維やナイロン繊維等)や天然繊維、合成繊維と弾性糸とを混用した素材等を使用することができる。
また、編地本体2に採用する編組織は何ら限定されるものではない。例えば、平編、ゴム編、スムース編、パール編又はそれらの変化組織(例えば、ミラノリブや段ボールニットなど)を採用することができる。当然に、製編には丸編機に限らず横編機などを使用することができる。またこれら列挙したような緯編みで編成される組織に限らず、経編みで編成される組織(トリコット編、ラッシェル編、ミラニーズ編など)としてもよい。
編地本体2を前記のように筒状に製編することで対象者の腕や脚、胴部などを通す構成とする場合などでは、編地本体2の製編時に更に弾性糸を混用して、筒径(周長)や筒軸長さを拡縮する方向で豊富な伸縮が得られるようにするのが、対象者への装着や装着位置固定、及び取り外しを容易にするうえで好適である。
ここにおいて「弾性糸」は、引っ張り力の無負荷時(非伸長時=常態)では収縮状態を維持し、引っ張り力が負荷されたときには引っ張り力に応じて自由に伸長するものであって、且つ、この引っ張り力を解除して無負荷時に戻せば、伸長状態から元の収縮状態に復元する(収縮する)素材を言う。
弾性糸の混用方法としては、インレイ、引き揃え、又は複合糸の少なくとも一つから選択される形態を採用すればよい。弾性糸には、ポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を単独で用いてもよいし、「芯」にポリウレタンやゴム系のエラストマー材料を用い、「カバー」にナイロンやポリエステルを用いたカバリング糸などを採用することができる。このようなカバリング糸を採用することで、導電編地1に親水性、撥水性、耐食・防食性、カラーリング等の機能を付与させることができる。また触感(肌触り)の向上や伸びの制御にも有用である。
以上、詳説したところから明らかなように、本発明の導電編地1は、導電部3の外周部にほつれ止め処理が施されているので、導電部3はその外周部の辺部で導電糸10の糸端が浮遊状態に生じない。そのため、導電糸10の糸端による引っ掛かりを防止でき、その結果として導電部3のほつれ止め効果に繋がることなる。
また、ほつれ止め効果が得られることで、糸端の延び出しを可及的に短く切断することができることになり、その結果、肌面に接触した際の掻痒感や痛感を防止できることになる。加えて、導電糸10同士の交差部が熱融着材料や熱合着材料の付着によって被覆されるので、肌面との接触感が緩和されると共に滑りがよくなって、肌触り感の向上にも役立つようになる。
のみならず、ほつれ止め効果によって糸端の固定ができるために、導電部3にフロート編などを採用した場合でも、コース方向において編み込みを終了する位置で必ず編みを行う(ループを形成させる)といった必要がなくなる。そのため、編設計(浮き糸を生じさせるためのコース方向のピッチ等)を自由に行えるものとなり、フロート編等を形成させる領域や大きさなどを自由な選択できるという利点がある。
ところで、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
本発明に係る導電編地1はその用途が限定されるものではなく、電子、電気分野での導電性が必要とされる多方面において実施することができる。例えば、良導接触面5をヒーターとして使用するようなこともできる。
導電部3は、良導接触面5と集電面6とを備えることが限定されるものではなく、いずれか一方でもよい。また、良導接触面5と集電面6とを両方備える場合にあって、良導接触面5と集電面6とは、必ずしも編地本体2の表裏間で配置や領域形状を完全一致させる必要はない。従って、良導接触面5よりも集電面6の方を小さくしたり反対に大きくしたりすることができる。
導電部3において、良導接触面5をフロート編層の編み込みによって構成させる場合にあって、フロート編に代えて、フロート編に類似した編組織が得られる裏毛編などを採用することも可能である。
導電部3において、良導接触面5をタック編層の編み込みによって構成させる場合にあって、タック編に代えて、タック編に類似した編組織が得られる鹿の子編や片畦編などを採用することも可能である。
1 良導接触面を備えた導電編地(導電編地)
2 編地本体
3 導電部
5 良導接触面
6 集電面
10 導電糸
11 浮き糸
12 ループ
15 部位

Claims (4)

  1. 熱融着材料又は熱合着材料の少なくとも一方が混用された導電糸によって製編された導電部を有しており、前記導電部は前記導電糸同士の交差部を前記熱融着材料による熱融着又は前記熱合着材料による合着で結合されていることを特徴とする導電編地。
  2. 前記導電部は、非導電性の地糸により製編された編地本体に対して領域を限って設けられたものであることを特徴とする請求項1記載の導電編地。
  3. 前記導電部はカットボス編により前記編地本体の片面又は両面に編み込まれており、前記導電部の外周部には、前記熱融着材料又は前記熱合着材料によるほつれ止め処理が施されていることを特徴とする請求項2記載の導電編地。
  4. 前記導電部は、前記編地本体の片面で厚み方向に前記地糸の編組織高さを超えて前記導電糸が隆起することで形成された良導接触面と、前記良導接触面を形成する前記導電糸とは別の導電糸により当該良導接触面と対応させて編み込まれた集電面とを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電編地。
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