JP2017024952A - コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法 - Google Patents

コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法 Download PDF

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Tetsushige Yoshida
哲茂 吉田
小林 伸行
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伸行 小林
幸信 由良
Yukinobu Yura
幸信 由良
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Abstract

【課題】高い歩留りで表面平滑性に優れた高品位なコバルト酸リチウム配向焼結板を簡便な手法で製造する。【解決手段】(a)Co3O4粒子を含んでなるグリーンシートを用意し、(b)このグリーンシートを900〜1450℃で焼成して焼成中間体とし、(c)この焼成中間体を降温し、(d)得られたCo3O4配向焼結板にリチウムを導入し、(e)Co3O4配向焼結板及び/又はコバルト酸リチウム配向焼結板をコバルト酸リチウム粉末及びリチウム化合物と共に焼成することを含む、コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法。(e)工程においては、Co3O4配向焼結板及び/又はコバルト酸リチウム配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成し、その上にリチウム化合物を載置して焼成する。こうして、表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板を得る。【選択図】図2

Description

本発明は、コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法に関する。
リチウム二次電池(リチウムイオン二次電池と称されることもある)における正極活物質として、層状岩塩構造を有するリチウム複合酸化物(リチウム遷移金属酸化物)を用いたものが広く知られている。この種の正極活物質においては、その内部でのリチウムイオン(Li)の拡散が(003)面の面内方向(すなわち(003)面と平行な平面内の任意の方向)で行われる一方、(003)面以外の結晶面(例えば(101)面や(104)面)でリチウムイオンの出入りが生じることが知られている。
そこで、この種の正極活物質において、リチウムイオンの出入りが良好に行われる結晶面((003)面以外の面、例えば(101)面や(104)面))をより多く電解質と接触する表面に露出させることで、リチウム二次電池の電池特性を向上させる試みがなされている。例えば、特許文献1(国際公開第2010/074304号)には、Coを含むグリーンシートを焼成して(h00)面がシート面と平行に配向したCo粒子を含むシートを形成し、その後Liを導入することにより、(104)面がシート面と平行に配向したLiCoOセラミックスシート(正極活物質膜)を製造することが開示されている。また、Coを含むグリーンシートに粒成長促進材としてBiをさらに添加することもこの文献には記載されている。
国際公開第2010/074304号
ところで、特許文献1に開示される方法では、1回目の焼成でCoがCoOに変態し、厚さ方向に粒子1個まで粒成長させることで配向を実現している。しかしながら、CoOの段階での粒界部(特に三重点)が、後にピンホールを形成して欠陥となりやすい。また、Coへの変態やリチウムの導入時に、表面に特異なモフォロジーを形成しやすく、後の固体電解質成膜において欠陥につながりやすい。全固体リチウム電池における正極板と固体電解質の界面は、特に固体電解質膜を厚さ5μm以下とする場合、密着性及び信頼性の観点から算術平均粗さRaが0.1〜0.7μmである平滑性が好ましいが、特許文献1の手法では0.7μmを超えてしまうとの不都合があった。また、厚さ20μm以上の厚い配向正極板を作製しようとすると、リチウムが導入されにくくなり、正極板内部での合成不良や低配向化といった問題が起こりやすいとの問題もある。配向正極板は厚い方がエネルギー密度が高くなり好ましいことから、上記問題を解消することが望まれる。
本発明者らは、今般、一旦作製したコバルト酸リチウム配向焼結板又はその前駆体(Co配向焼結板)の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を設け、さらにはその上にリチウム化合物を載置して焼成するという簡単な操作を行うだけで、表面平滑性が改善された高品位なコバルト酸リチウム配向焼結板を得ることができる、すなわち高い歩留りで表面平滑性に優れた高品位のコバルト酸リチウム配向焼結板を簡便な手法で製造できるとの知見を得た。しかも、この簡便な手法によれば、高い配向性を付与しながらコバルト酸リチウム配向焼結板を厚くすることができるとの知見も得た。
したがって、本発明の目的は、高い歩留りで表面平滑性に優れた高品位なコバルト酸リチウム配向焼結板を簡便な手法で製造することにある。また、本発明のもう一つの目的は、高い配向性を付与しながらコバルト酸リチウム配向焼結板を厚くすることが可能なコバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法を提供することにもある。
本発明の一態様によれば、コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法であって、
(a)Co粒子を含んでなる、厚さ100μm以下のグリーンシートを用意する工程と、
(b)前記グリーンシートを900〜1450℃で焼成して、Co粒子の全部又は一部が、(h00)面をシート面と平行に配向したCoOに変化した焼成中間体とする工程と、
(c)前記焼成中間体を、Coに戻すように降温して、Co相を含むCo配向焼結板を得る工程と、
(d)前記Co配向焼結板にリチウムを導入して、LiCoOからなるコバルト酸リチウム配向焼結板を形成する工程と、
(e)前記Co配向焼結板及び/又は前記コバルト酸リチウム配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成し、該被覆層上にリチウム化合物を載置し、850℃以上の温度で焼成し、それにより表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板を得る工程と、
を含んでなる、方法が提供される。
例1(比較)に作製された、表面平滑性が改善されていないコバルト酸リチウム配向焼結板の表面を観察したSEM画像である。 例2において作製された、表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板の表面を観察したSEM画像である。 例3において作製された、表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板の表面を観察したSEM画像である。 例4において作製された、表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板の表面を観察したSEM画像である。
コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法
本発明は、コバルト酸リチウム配向焼結板(LiCoO配向焼結板)の製造方法に関する。本発明により製造される配向焼結板はLiCoOからなるものである。LiCoOは層状岩塩構造を有するものであるが、本発明のコバルト酸リチウム配向焼結板は、典型的には、LiCoOの(101)面及び(104)面の少なくともいずれか一方が板面と平行に配向してなるものである。ただし、コバルト酸リチウム配向焼結板の厚さが厚くなると(101)面の配向が優勢となる。もっとも、コバルト酸リチウム配向焼結板は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Cu,Zn,Ga,Ge,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Ag,Sn,Sb,Te,Ba,Bi,Ni,Mn等の元素が1種以上更にドーピング又はそれに準ずる形態(例えば結晶粒子の表層への部分的な固溶、偏析、コーティング、又は付着)で微量含んでいてもよい。
本発明の方法によるコバルト酸リチウム配向焼結板の製造は、(a)Co粒子を含んでなるグリーンシートを用意し、(b)このグリーンシートを900〜1450℃で焼成して焼成中間体とし、(c)この焼成中間体を降温してCo相を含むCo配向焼結板とし、(d)Co配向焼結板にリチウムを導入し、(e)Co配向焼結板及び/又はコバルト酸リチウム配向焼結板をコバルト酸リチウム粉末及びリチウム化合物の共存下で焼成することにより行われる。この(e)工程においては、Co配向焼結板及び/又はコバルト酸リチウム配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成し、該被覆層上にリチウム化合物を載置し、850℃以上の温度で焼成する。こうして、表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板を得ることができる。このように本発明の方法によれば、一旦作製したコバルト酸リチウム配向焼結板又はその前駆体(Co配向焼結板)の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を設け、さらにはその上にリチウム化合物を載置して焼成するという簡単な操作を行うだけで、表面平滑性が改善された高品位なコバルト酸リチウム配向焼結板を得ることができる、すなわち高い歩留りで表面平滑性に優れた高品位のコバルト酸リチウム配向焼結板を簡便な手法で製造することができる。したがって、前述したように、全固体リチウム電池において正極板と固体電解質の界面において密着性及び信頼性の観点から好ましいとされる、算術平均粗さRaが0.1〜0.7μmである平滑性を実現することができる。しかも、この簡便な手法によれば、高い配向性を付与しながらコバルト酸リチウム配向焼結板を厚くすることができる。特に、厚いコバルト酸リチウム配向焼結板を作製しようとすると配向度の低下を一般的に招きやすいが、本発明の手法によれば配向度の高いコバルト酸リチウム配向焼結板又はその前駆体(Co配向焼結板)を比較的薄く作製しておき、それを高い配向度を維持したまま厚いコバルト酸リチウム配向焼結板に成長ないし変化させることができる。したがって、全固体リチウム電池に適した厚い配向正極板(好ましくは厚さ20μm以上)を全固体リチウム電池に適した高い表面平滑性(好ましくは算術平均粗さRaが0.1〜0.7μm)を備えた形態で簡便な操作で得ることができる。
上記工程(e)により表面平滑性の改善や配向性を伴った厚板化が可能なメカニズムは必ずしも定かではないが、次のように考えることができる。すなわち、コバルト酸リチウム粉末を含む被覆層はリチウム化合物の存在化で、配向焼結板表面の配向に倣いながら緻密化も進むためと考えられる。この点、リチウム化合物は液相化してフラックスとして働く一方、剰余のリチウム化合物は揮発する等して除去されることになる。そして、被覆層は配向するとともに粒界も生成しないため、電池性能(レート特性)を落とすことなく、配向焼結板を厚くすることができると考えられる。
以下、本発明の製造方法の各工程の詳細について説明する。
(a)グリーンシートの用意
この工程(a)では、Co粒子を含んでなる、厚さ100μm以下のグリーンシートを用意する。グリーンシートは粒成長促進材としてビスマス酸化物(典型的にはBi粒子)をさらに含んでなるのが好ましい。グリーンシートは、Co粒子及び所望によりビスマス酸化物(典型的にはBi粒子)を含む原料をシート状に成形することにより作製すればよい。Bi粒子の添加量は特に限定されないが、Co粒子及びBi粒子の全体量に対して、0.1〜30重量%とするのが好ましく、より好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは3〜10重量%である。また、Co粒子の体積基準D50粒径は、0.1〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2μmである。Bi粒子の体積基準D50粒径は、0.1〜1.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5μmである。また、グリーンシートの厚さは100μm以下であり、好ましくは1〜90μm、より好ましくは5〜60μmである。なお、グリーンシートは、Co粒子の全部又は一部に代えて、CoO粒子及び/又はCo(OH)粒子を含んでなるものであってもよく、この場合においても、工程(b)の焼成に付することで、(h00)面をシート面と平行に配向したCoO焼成中間体とすることができ、その結果、Co粒子を含んでなるグリーンシートを用いる場合と同様にコバルト酸リチウム配向焼結板を製造することができる。
グリーンシートを形成する方法の例としては、(i)原料粒子を含むスラリーを用いたドクターブレード法、(ii)熱したドラム上へ原料を含むスラリーを塗布し、乾燥させたものをスクレイパーで掻きとる、ドラムドライヤーを用いた手法、(iii)熱した円板面へスラリーを塗布し、これを乾燥させてスクレイパーで掻きとる、ディスクドライヤーを用いた手法、(iv)原料粒子を含む坏土を用いた押出成形法等が挙げられる。特に好ましいシート形成方法はドクターブレード法である。ドクターブレード法を用いる場合、可撓性を有する板(例えばPETフィルム等の有機ポリマー板)にスラリーを塗布し、塗布したスラリーを乾燥固化して成形体とし、この成形体と板とを剥離することにより、グリーンシートを作製すればよい。成形前にスラリーや坏土を調製するときには、無機粒子を分散媒に分散させ、バインダーや可塑剤等を適宜加えてもよい。また、スラリーは、粘度が500〜4000cPとなるように調製するのが好ましく、減圧下で脱泡するのが好ましい。
(b)焼成中間体の作製(焼成工程)
この工程(b)では、グリーンシートを900〜1450℃で焼成して、Co粒子の全部又は一部(望ましくは全部)が、(h00)面(hは任意の整数、例えばh=2である)をシート面と平行に配向したCoOに変化した焼成中間体とする。すなわち、Coの酸化物は、900℃以上(例えば920℃以上)では、室温におけるCoで表されるスピネル構造からCoOの岩塩構造に相変態する。この焼成によりCoの全部又は一部が還元されてCoOに相変態するとともに、シートが緻密化される。焼成前のCo粒子は等方的な形態を有し、それ故グリーンシートは配向性を当初は有しないが、焼成によりCo粒子がCoOに相変態して粒成長する段階で配向が生じる(以下、CoOの配向粒成長という)。特に、ビスマス酸化物(典型的にはBi)の共存下ではCoOの配向粒成長が促進される。もっとも、グリーンシートがビスマス酸化物を含む場合には、この焼成時にビスマスは揮発してシートから除去される。グリーンシートの焼成温度は900〜1450℃であり、好ましくは1000〜1300℃、より好ましくは1100〜1300℃である。グリーンシートは上記焼成温度で1〜20時間焼成されるのが好ましく、より好ましくは2〜10時間である。
CoOの配向粒成長には、100μm以下というグリーンシートの厚さが寄与している。すなわち、厚さ100μm以下のグリーンシートにおいては、シート面内方向(厚さ方向と直交する方向)に比べて、厚さ方向に存在する材料の量が極めて少ない。このため、厚さ方向に複数個の粒子がある初期段階には、ランダムな方向に粒成長する。一方、粒成長が進行して厚さ方向の材料が消費されると、粒成長方向はシート面内の二次元方向(以下、面方向という)に制限されることになる。これにより、面方向への粒成長が確実に促進される。特に、グリーンシートを可能な限り薄く形成したり(例えば数μm以下)、あるいはグリーンシートが比較的厚め(最大で100μm程度、例えば20μm程度)の場合であっても粒成長を可能な限り大きく促進したりすることで、面方向への粒成長を確実に促進させることができる。いずれにしても、焼成の際、表面エネルギーの最も低い結晶面をグリーンシートの面内に持つ粒子のみが選択的に面方向へ扁平状(板状)に粒成長することになる。その結果、グリーンシートの焼成により、アスペクト比が大きく、(h00)面が粒子の板面と平行となるように配向したCoO板状結晶粒子が、その(h00)面をシート面と平行に配向し、粒界部にて面方向に結合してなる焼成中間体が得られる。
(c)配向焼結板の作製(降温工程)
この工程(c)は工程(b)の焼成に引き続き(すなわち焼成温度から)行われる降温工程である。すなわち、工程(c)では、焼成中間体を(工程(b)の焼成温度から)Coに戻すように降温して、Co相を含むCo配向焼結板を得る。Co配向焼結板は部分的に残留したCoOを含んでいてもよい。焼成後の降温速度は、好ましくは10〜200℃/hであり、より好ましくは20〜100℃/hである。
この工程(c)では焼成中間体の温度が下がる過程でCoOがCoに酸化される。その際、CoOの配向方位がCoに引き継がれることで、(h00)面が粒子の板面と平行となるように配向したCo結晶粒子が得られる。その結果、(h00)面がシート面と平行となるように配向された多数のCo粒子からなる、独立した板状のシートが形成される。「独立した」シートとは、焼成後に他の支持体から独立して単体で取り扱い可能なシートのことをいう。すなわち、「独立した」シートには、焼成により他の支持体(基板等)に固着されて当該支持体と一体化された(分離不能あるいは分離困難となった)ものは含まれない。こうして(h00)面が粒子の板面と平行となるように配向した多数の粒子が結合した自立した配向焼結板が得られる。この自立板は、上述のような多数の粒子が隙間なく結合した、緻密なセラミックスシートとなり得る。
(d)リチウムの導入
この工程(d)では、Co配向焼結板にリチウムを導入して、LiCoOからなるコバルト酸リチウム配向焼結板を形成する。リチウム導入は、Co配向焼結板をリチウム化合物と反応させることにより行われるのが好ましい。リチウム導入のためのリチウム化合物の例としては、(i)水酸化リチウム、(ii)炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム、シュウ酸リチウム、クエン酸リチウム等の各種リチウム塩、(iii)リチウムメトキシド、リチウムエトキシド等の各種リチウムアルコキシド等が挙げられ、特に好ましくは炭酸リチウム及び水酸化リチウムである。リチウム導入する際の条件、例えば、混合比、加熱温度、加熱時間、雰囲気等は、リチウム源として用いる材料の融点や分解温度、反応性等を考慮して適宜設定すればよく、特に限定されない。例えば、(h00)配向したCo配向焼結板上に所定量の炭酸リチウムを載置し、加熱することにより、Co粒子にリチウムを導入することができる。炭酸リチウムの載置は、炭酸リチウムを含んでなるリチウム含有シートの形態で成形体シート上に載置することにより行われてもよいが、Co配向焼結板を上下からリチウム含有シートで挟み込むことにより行われるのが厚い配向焼結板を作製する場合に十分にリチウムを導入できる点で特に好ましい。リチウム含有シートは、炭酸リチウムをスラリー化してテープ成形に付することにより得られたものであるのが好ましく、テープ成形の手法については前述した工程(a)で述べた手法と同様にして行えばよい。リチウム含有シートの厚さは上記Li/Co比が所望の値となるような量の炭酸リチウムを与えるように適宜決定すればよく、例えば20〜60μmである。あるいは、他の手法として、(h00)配向したCo配向焼結板に、LiOH粉末の分散したスラリーを所定量塗布して乾燥させた後、加熱することにより、Co粒子にリチウムを導入してもよい。いずれの手法においても、加熱温度は700〜900℃が好ましく、この範囲内の温度で2〜30時間加熱を行うのが好ましい。また、Co配向焼結板に付着させるリチウム化合物の量はLi/Co比(すなわちCo配向焼結板に含まれるCo量に対する、リチウム化合物に含まれるLi量のモル比)で1.0以上とするのが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0、さらに好ましくは1.2〜3.0である。Liが多すぎる場合であっても余剰分のLiは加熱に伴い揮発して消失するため問題は無い。こうして得られるコバルト酸リチウム配向焼結板は、LiCoOの(104)面が板面と平行に配向してなるものであるが、表面平滑性に関しては更なる改善が望まれるレベルである。したがって、本発明においては次の工程(e)により表面平滑性の改善が行われる。
(e)平滑性の改善
この工程(e)では、まず、Co配向焼結板及び/又はコバルト酸リチウム配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成する。すなわち、(d)工程と(e)工程が同時に行われてもよいし、(d)工程の後に(e)工程が行われてもよい。したがって、(d)工程と(e)工程が同時に行われる場合にはCo配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成すればよいし、(d)工程の後に(e)工程が行われる場合にはコバルト酸リチウム配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成すればよい。コバルト酸リチウム粉末を含む被覆層の形成手法は特に限定されず、コバルト酸リチウム粉末を含むスラリーの塗布及び乾燥、コバルト酸リチウム粉末を含むグリーンシートの載置等でありうるが、特に好ましくはスラリーの塗布である。スラリーの濃度を適宜調整することで被覆層の厚さを制御することができる。スラリーの塗布はスピンコート、ディップコート、印刷等より行われるのが好ましく、特に好ましくはスピンコートである。いずれの手法にしても、被覆層に用いるコバルト酸リチウム粉末の体積基準D50粒径は、0.1〜2.0μmであるのが好ましく、より好ましくは0.3〜1.2μmである。
次いで、被覆層上にリチウム化合物を載置する。被覆層上に載置されるリチウム化合物の例としては、基本的にリチウム導入で用いられるリチウム化合物と同様であることができるが、(i)水酸化リチウム、(ii)炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、塩化リチウム、シュウ酸リチウム、クエン酸リチウム等の各種リチウム塩、(iii)リチウムメトキシド、リチウムエトキシド等の各種リチウムアルコキシド等が挙げられ、特に好ましくは炭酸リチウムである。このとき、リチウム化合物(例えば炭酸リチウム)の量をLi/Co比(すなわち配向焼結板及び被覆層に含まれる合計Co量に対する、配向焼結板、被覆層及びその上に載置されるリチウム化合物に含まれる合計Li量のモル比)を好ましくは0.7以上、より好ましくは0.7〜4.0、さらに好ましくは1.0〜3.5、特に好ましくは1.2〜3.0となる量とすればよい。炭酸リチウムの載置は、炭酸リチウムを含んでなるリチウム含有シートの形態で成形体シート上に載置することにより行えばよい。リチウム含有シートは、炭酸リチウムをスラリー化してテープ成形に付することにより得られたものであるのが好ましく、テープ成形の手法については前述した工程(a)で述べた手法と同様にして行えばよい。リチウム含有シートの厚さは上記Li/Co比が所望の値となるような量の炭酸リチウムを与えるように適宜決定すればよく、例えば20〜60μmである。
最後に、被覆層上にリチウム化合物が載置された配向焼結板を850℃以上の温度で焼成する。こうして、表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板を得る。このときの焼成温度は、850℃以上であり、好ましくは850〜960℃、より好ましくは880〜920℃である。配向焼結板は上記焼成温度で1〜30時間焼成されるのが好ましく、より好ましくは2〜20時間である。焼成は大気中で行えばよい。こうして表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板の表面はJIS B0601−2001に準拠して測定される算術平均粗さRaが、好ましくは0.10〜0.70μmであり、より好ましくは0.10〜0.50μmである。
こうして得られるコバルト酸リチウム配向焼結板は、LiCoOの(101)面及び(104)面の少なくともいずれか一方が板面と平行に配向してなるものである。したがって、リチウムイオンの出入りが良好に行われる(101)面や(104)面が配向焼結板の板面と平行となるように配向する。このため、この配向焼結板を正極活物質として用いて電池を構成した場合に、電解質に対する当該面の露出(接触)がより多くなるとともに、当該粒子や板の表面における(003)面(リチウムイオンの出入りに適さない面)の露出割合が極めて低くなる。したがって、例えば、コバルト酸リチウム配向焼結板を固体型リチウム二次電池の正極材料として用いた場合に、高容量と高レート特性とを同時に達成することができる。
(e)工程で得られるコバルト酸リチウム配向焼結板の厚さは、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは20〜100μmであり、さらに好ましくは20〜90μm、特に好ましくは20〜70μmである。このようにコバルト酸リチウム配向焼結板が厚いことでエネルギー密度の高い全固体リチウム電池を作製することが可能となる。また、コバルト酸リチウム配向焼結板のサイズは、好ましくは5mm×5mm平方以上、より好ましくは10mm×10mm〜100mm×100mm平方であり、さらに好ましくは10mm×10mm〜50mm×50mm平方であり、別の表現をすれば、好ましくは25mm以上、より好ましくは100〜10000mmであり、さらに好ましくは100〜2500mmである。
上述したように、コバルト酸リチウム配向焼結板は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、Mg,Al,Si,Ca,Ti,V,Cr,Fe,Cu,Zn,Ga,Ge,Sr,Y,Zr,Nb,Mo,Ag,Sn,Sb,Te,Ba,Bi,Ni,Mn等の元素が1種以上含まれていてもよく、そのような元素の添加は上述した工程(a)〜(e)のいずれか(典型的には工程(a)、工程(d)又は工程(e))において行えばよい。添加元素を板の表面のみに偏析させたり、付着のみさせるような場合には、例えば工程(e)の後に、さらに添加元素を被覆し、熱処理するようにして行えばよい。
なお、本発明では、配向コバルト酸リチウム焼結板の表面平滑性改善のために、同じ材料であるコバルト酸リチウム粉末を被覆しているが、電解質との反応抑制や正極板の膨張収縮抑制の観点から、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(NCM)やマンガン酸リチウム等、コバルト酸リチウム以外のリチウム複合酸化物粉末で被覆することも可能である。
本発明を以下の例によってさらに具体的に説明する。
例1(比較)
(1)LiCoO配向焼結板の作製
比較例として、以下の手順により、本発明の手法による表面平滑性の改善を行うことなく、LiCoO配向焼結板を作製した。
(1a)グリーンシートの作製
Co原料粉末(体積基準D50粒径0.3μm、正同化学工業株式会社製)に10wt%の割合でBi(体積基準D50粒径0.3μm、太陽鉱工株式会社製)を添加して混合粉末を得た。この混合粉末100重量部と、分散媒(トルエン:イソプロパノール=1:1)100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)10重量部と、可塑剤(DOP:フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、黒金化成株式会社製)4重量部と、分散剤(製品名レオドールSP−O30、花王株式会社製)2重量部とを混合した。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱泡するとともに、4000cPの粘度に調製した。なお、粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。上記のようにして調製されたスラリーを、ドクターブレード法によって、PETフィルムの上に、乾燥後の厚さが24μmとなるように、シート状に成形してグリーンシートを得た。
(1b)配向焼結板の作製
PETフィルムから剥がしたグリーンシートを、カッターで50mm角に切り出し、突起の大きさが300μmのエンボス加工を施したジルコニア製セッター(寸法90mm角、高さ1mm)の中央に載置し、1300℃で5時間焼成後、降温速度50℃/hにて降温し、セッターに溶着していない部分をCo配向焼結板として取り出した。
(1c)リチウムの導入
(1c−1)リチウムシートの作製
LiCO原料粉末(体積基準D50粒径2.5μm、本荘ケミカル製)100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)5重量部と、可塑剤(DOP:フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、黒金化成株式会社製)2重量部と、分散剤(製品名レオドールSP−O30、花王株式会社製)2重量部とを混合した。この混合物を、減圧下で撹拌することで脱泡するとともに、4000cPの粘度に調製した。なお、粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。上記のようにして調製されたスラリーを、ドクターブレード法によって、PETフィルムの上に、乾燥後の厚さが25μmとなるように、シート状に成形してグリーンシートを得た。
(1c−2)リチウムの導入
(1b)にて作製したCo配向焼結板を、(1c―1)で作製したリチウムシートで、Li/Co比(すなわちCo配向焼結板に含まれるCo量に対する、リチウムシートに含まれるLi量のモル比)が1.2〜3.0になるように上下挟み込み、大気中にて840℃で20時間加熱処理してLiCoO配向焼結板を得た。
例2:薄い被覆層を形成したLiCoO配向焼結板の作製
例1で作製されたLiCoO焼結板に対し、コバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成して焼成することで、表面平滑化したLiCoO配向焼結板を作製した。具体的には以下のとおりである。なお、本例の工程は例1の工程に続く工程であるため、例1の工程番号に続く番号を付してある。
(2a)コバルト酸リチウム粉末の作製
Co原料粉末(体積基準D50粒径0.3μm、正同化学工業株式会社製)に、54wt%の割合で、LiOH・HO粉末(和光純薬工業株式会社製)をジェットミルで1μm以下に粉砕したものを添加して混合粉末を得た。この混合粉末をハイブリッミキサーを用いて1000rpmで30秒間攪拌した。この攪拌を3回繰り返した後、大気中にて650℃で20時間混合粉末の焼成を行った。得られた粉末をポットミルにて3時間解砕することで、コバルト酸リチウム粉末を得た。
(2b)コバルト酸リチウムスラリーの作製
本例の(2a)工程にて作製したコバルト酸リチウム粉末100重量部と、バインダー(ポリビニルブチラール:品番BM−2、積水化学工業株式会社製)6重量部と、分散剤(製品名マリアリムSC−0505K、日油株式会社製)2重量部とを混合した。この混合物を、3本ロールミルで10回攪拌することで、コバルト酸リチウムスラリーを得た。
(2c)コバルト酸リチウム被覆層の形成
例1の(1c−2)工程にて作製したLiCoO配向焼結板に対し、本例の(b)工程にて作製したコバルト酸リチウムスラリーを2エチルヘキサノール(三菱化学株式会社製)で65wt%のスラリー濃度に希釈した後、1000rpmにてスピンコートを行い、60℃で3時間乾燥させることで、コバルト酸リチウム配向焼結板に3μmの被覆層を形成した。
(2d)表面平滑化処理
表面に被覆層を形成したコバルト酸リチウム配向焼結板に、例1の(1c−1)工程で作製したリチウムシートをLi/Co比(すなわちLiCoO配向焼結板及び被覆層に含まれる合計Co量に対する、LiCoO配向正極板、被覆層及びリチウムシートに含まれる合計Li量のモル比)が1.2〜3.0になるように載置し、大気中にて880℃で20時間焼成することで、表面平滑化したコバルト酸リチウム配向焼結板を得た。
例3:厚い被覆層を形成したLiCoO配向焼結板の作製
上記(2c)工程の代わりに以下の(3c)工程を行って厚い被覆層を形成したこと以外は例2と同様の手順により、表面平滑化したコバルト酸リチウム配向焼結板を作製した。
(3c)コバルト酸リチウム被覆層の形成
例1の(1c−2)工程にて作製したLiCoO配向焼結板に対し、例2の(2b)工程にて作製したコバルト酸リチウムスラリーを2エチルヘキサノール(三菱化学株式会社製)で70wt%のスラリー濃度に希釈した後、1000rpmにてスピンコートを行い、60℃で3時間乾燥させることで、コバルト酸リチウム配向焼結板に10μmの被覆層を形成した。
例4:リチウム導入と被覆層の形成の同時実施によるLiCoO配向焼結板の作製
スラリーで被覆する対象として、LiCoO配向焼結板ではなく、例1の(1b)にて作製されたCo配向焼結板を用いたこと以外は、例2と同じ手順により、表面平滑化したコバルト酸リチウム配向焼結板を作製した。
各種評価
例1〜4において作製されたLiCoO配向焼結板について以下の評価を行った。得られた評価結果は表1に示されるとおりであった。
<正極板表面の算術平均粗さRa>
3Dレーザー顕微鏡(オリンパス社製、OLS4000)を用いて、コバルト酸リチウム正極板の表面プロファイルを0.13mmの範囲で測定し、JIS B0601−2001に準拠して算術平均粗さRaを測定した。この測定は、正極板上で測定位置を変えて6回行い、それらの平均値を正極板表面の算術平均粗さRaとした。
<XRD測定による配向性の確認>
LiCoO配向焼結板において(101)面が板面に平行に配向していることを確認すべく、XRD(X線回折)測定を行った。具体的には、XRD装置(株式会社リガク製、 ガイガーフレックスRAD−IB)を用い、焼結板の表面に対してX線を照射したときのXRDプロファイルを測定した。このXRDプロファイルから(101)面による回折強度(ピーク高さ)に対する(003)面による回折強度(ピーク高さ)の比率I[003]/I[101]を求めたところ、0.3であった。一方、同じ焼結板を乳鉢で十分に粉砕して粉末状にしたうえで、粉末XRDのプロファイルを測定したところ、I[003]/I[101]は1.7であった。このことから、(101)面が板面に平行に多数存在している、すなわち配向していることを確認した。なお、ここでは(101)面を基準として配向性の確認を行ったが、(104)面のピークも出ており、(104)面を基準とすることもできる。もっとも、LiCoO配向焼結板の厚さが厚くなると(101)面の配向が優勢となるのは前述したとおりである。
<電池の作製及び評価>
(1)正極の作製
LiCoO配向焼結板を、導電性カーボンを分散させたエポキシ系の導電接着剤でステンレス集電板に固定して正極を作製した。
(2)固体電解質層の作製
直径4インチ(約10cm)のリン酸リチウム焼結体ターゲットを準備した。このターゲットを用いてスパッタリング装置(キャノンアネルバ製、SPF−430H)を用いてRFマグネトロン方式にてガス種Nを0.2Pa、出力0.2kWにて膜厚3μmとなるようにスパッタリングを行なった。こうして、厚さ3μmのLiPON系固体電解質スパッタ膜を正極板上に形成した。
(3)全固体リチウム電池の作製
イオンスパッタリング装置(日本電子製、JFC−1500)を用いたスパッタリングにより、固体電解質層上に厚さ500ÅのAu膜を形成した。次に、真空蒸着装置(サンユー電子製、カーボンコーターSVC−700)を用いて、Au膜上にLi薄膜を設ける蒸着を行った。こうして、固体電解質スパッタ膜上に、膜厚3.5μmのLi蒸着膜を形成した単電池を作製した。上記単電池のLi負極層上に、負極集電体としてステンレスを載置し、200℃のホットプレートを用いて加圧圧着し、Ar雰囲気中でAlラミネートフィルムからなる外装材に封入することで全固体リチウム電池を得た。
(4)電池評価
得られた全固体リチウム電池を(i)0.1Cレートの電流値で電池電圧が4.0Vとなるまで定電流充電し、その後(ii)電池電圧を4.0Vに維持する電流条件で、その電流値が1/10(0.01C)に低下するまで定電圧充電した後10分間休止した。その際、漏れ電流により充電できない(電流が流れ続ける)もの、または抵抗率が3000Ω・cm以上(短絡で過放電が進み、正極/LiPON界面剥離)あり、充電できない(電流がすぐにカットされる)ものを「不良品」と評価し、そうでないものを「良品」と評価した。この電池評価を上記と同様にして作製した10個の電池について行い、10個の電池に占める良品の割合(すなわち歩留まり)を算出した。続いて(iii)0.02Cレートの電流値で電池電圧が3.0Vになるまで定電流放電した後10分間休止した。この時に得られた放電容量をWとした。再度、放電レートを0.1Cレートとしたこと以外は上記(i)〜(iii)と同じ充放電を繰り返し、その際の放電容量をWとし、WをWで除することで、レート特性を得た。なお、この測定は25℃の条件下で行った。

Claims (9)

  1. コバルト酸リチウム配向焼結板の製造方法であって、
    (a)Co粒子を含んでなる、厚さ100μm以下のグリーンシートを用意する工程と、
    (b)前記グリーンシートを900〜1450℃で焼成して、Co粒子の全部又は一部が、(h00)面をシート面と平行に配向したCoOに変化した焼成中間体とする工程と、
    (c)前記焼成中間体を、Coに戻すように降温して、Co相を含むCo配向焼結板を得る工程と、
    (d)前記Co配向焼結板にリチウムを導入して、LiCoOからなるコバルト酸リチウム配向焼結板を形成する工程と、
    (e)前記Co配向焼結板及び/又は前記コバルト酸リチウム配向焼結板の表面にコバルト酸リチウム粉末を含む被覆層を形成し、該被覆層上にリチウム化合物を載置し、850℃以上の温度で焼成し、それにより表面平滑性が改善されたコバルト酸リチウム配向焼結板を得る工程と、
    を含んでなる、方法。
  2. 前記(d)工程と前記(e)工程が同時に行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記(d)工程の後に前記(e)工程が行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記(e)工程で得られる前記コバルト酸リチウム配向焼結板の表面が、JIS B0601−2001に準拠して測定される0.10〜0.70μmの算術平均粗さRaを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記(e)工程で得られる前記コバルト酸リチウム配向焼結板が20μm以上の厚さを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記グリーンシートがビスマス酸化物をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記コバルト酸リチウム配向焼結板は、LiCoOの(101)面及び(104)面の少なくともいずれか一方が板面と平行に配向してなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記(d)工程におけるリチウム導入が、前記Co配向焼結板をリチウム化合物と反応させることにより行われる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記(e)工程における焼成が、850〜960℃の温度で行われる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。

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