JP2017024681A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングに対して、ロードインフォメーションに起因する振動は確実に伝達しつつ、サスペンションの前後方向の大きな振動に起因するラック軸の大きな振動は伝えないようにした電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】Kn:弾性支持機構48の剛性、Mnm:回転駆動機構46等の合計等価慣性質量とするときに、(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2の値がサスペンションの前後方向の共振周波数の範囲内となるように、Kn及びMnmの大きさを定めた。
【選択図】図3
【解決手段】Kn:弾性支持機構48の剛性、Mnm:回転駆動機構46等の合計等価慣性質量とするときに、(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2の値がサスペンションの前後方向の共振周波数の範囲内となるように、Kn及びMnmの大きさを定めた。
【選択図】図3
Description
本発明は電動パワーステアリング装置に関する。
特許文献1には、電動モータの駆動力を利用して左右の前輪の操舵をアシストする電動パワーステアリング装置が開示されている。
この電動パワーステアリング装置は以下の構造である。
この電動パワーステアリング装置は以下の構造である。
車体下部の前側部分には、車体の幅方向である左右方向に延びる筒状ハウジングが固定されている。
このハウジングの内部には、左右方向に延びるラック軸が挿入されている。ラック軸はハウジングに対して、左右方向にスライド可能かつ自身の軸線まわりに回転不能である。ラック軸の左右両端部にはタイロッドが接続されており、各タイロッドは(他の部材を介して)左右の前輪に接続されている。
このハウジングの内部には、左右方向に延びるラック軸が挿入されている。ラック軸はハウジングに対して、左右方向にスライド可能かつ自身の軸線まわりに回転不能である。ラック軸の左右両端部にはタイロッドが接続されており、各タイロッドは(他の部材を介して)左右の前輪に接続されている。
ハウジングには、ラック軸と噛み合うピニオンシャフトが回転可能に支持されている。
このピニオンシャフトには、自身の軸線まわりに回転可能な棒状部材であるステアリングシャフトの一端(下端)が接続されている。
さらにステアリングシャフトの他端(上端)にはステアリングが固定されている。
このピニオンシャフトには、自身の軸線まわりに回転可能な棒状部材であるステアリングシャフトの一端(下端)が接続されている。
さらにステアリングシャフトの他端(上端)にはステアリングが固定されている。
さらにハウジングの内部には、ラック軸に対してラック軸の軸線まわりに回転可能かつラック軸と噛み合う回転ナット(ボールねじナット)が設けられている。回転ナットが回転すると、回転ナットと噛み合っているラック軸が左右方向にスライドする。
ハウジングの内部には、回転ナットをハウジングに対して回転可能に支持するための軸受が設けられている。
さらにハウジングには、電動モータと、電動モータの回転駆動力を回転ナットに伝達するための減速機と、が設けられている。
ハウジングの内部には、回転ナットをハウジングに対して回転可能に支持するための軸受が設けられている。
さらにハウジングには、電動モータと、電動モータの回転駆動力を回転ナットに伝達するための減速機と、が設けられている。
ドライバーがステアリングを回転操作すると、ステアリングシャフト及びピニオンシャフトが一緒に回転する。するとピニオンシャフトと噛み合っているラック軸がハウジングに対して左右方向の一方向に相対スライドするので、左右の前輪の操舵角が変化する。
さらに、ドライバーがステアリングを回転操作したときに、ピニオンシャフトの回転操作トルク(操舵トルク)がトルク検出センサによって検出される。すると、制御装置(演算手段)が操舵トルクに応じた目標操舵アシストトルクを演算し、さらに目標操舵アシストトルクが得られるように電動モータを作動させる。その結果、電動モータの駆動力が減速機を介して回転ナットに伝達されるので回転ナットが回転する。このときの回転ナットの回転方向は、ラック軸を上記一方向にスライドさせる方向である。即ち、ナットの回転力は、ステアリング操作によるラック軸のスライド動作をアシストする力となる。
さらに、ドライバーがステアリングを回転操作したときに、ピニオンシャフトの回転操作トルク(操舵トルク)がトルク検出センサによって検出される。すると、制御装置(演算手段)が操舵トルクに応じた目標操舵アシストトルクを演算し、さらに目標操舵アシストトルクが得られるように電動モータを作動させる。その結果、電動モータの駆動力が減速機を介して回転ナットに伝達されるので回転ナットが回転する。このときの回転ナットの回転方向は、ラック軸を上記一方向にスライドさせる方向である。即ち、ナットの回転力は、ステアリング操作によるラック軸のスライド動作をアシストする力となる。
さらにこのパワーステアリング装置には、軸受をハウジングに対して、微小範囲で左右方向にスライド可能に支持する弾性支持機構が設けられている。
この弾性支持機構は、軸受の左右両端面にそれぞれ接触しかつ左右方向に弾性変形可能な左右一対のバネ手段(弾性体)と、左右のバネ手段とハウジングの内面との間に位置する左右一対のスペーサ(被挟持部材)と、を備えている。
従って、軸受並びに軸受によってハウジングに対して回転可能に支持された回転ナット及びラック軸は、ハウジングに対して左右方向に微小範囲でスライド可能である。
この弾性支持機構は、軸受の左右両端面にそれぞれ接触しかつ左右方向に弾性変形可能な左右一対のバネ手段(弾性体)と、左右のバネ手段とハウジングの内面との間に位置する左右一対のスペーサ(被挟持部材)と、を備えている。
従って、軸受並びに軸受によってハウジングに対して回転可能に支持された回転ナット及びラック軸は、ハウジングに対して左右方向に微小範囲でスライド可能である。
このパワーステアリング装置は、弾性支持機構を設けずに軸受の左右移動を実質的に規制した場合と比べて、ラック軸に軸方向入力が入ったときにラック軸が左右方向に振動し易い。
そのため、走行中の車両状態や路面状態に関する情報、即ちロードインフォメーションに起因する振動を、前輪、ラック軸、ピニオンシャフト、ステアリングシャフト及びステアリング等を介して、微振動としてドライバーに伝達し易い。
そのため、走行中の車両状態や路面状態に関する情報、即ちロードインフォメーションに起因する振動を、前輪、ラック軸、ピニオンシャフト、ステアリングシャフト及びステアリング等を介して、微振動としてドライバーに伝達し易い。
一般的に、車体は前後のサスペンションを具備している。前後のサスペンションはそれぞれ左右の車輪を回転可能として支持している。
そして前側のサスペンションには、ステアリング装置のハウジングが固定される。
そして前側のサスペンションには、ステアリング装置のハウジングが固定される。
走行中の車両の車輪に対してブレーキパッドからブレーキ力を及ぼしたときに、ブレーキパッドが車輪に及ぼすブレーキトルクが変動することがある。
ブレーキトルクが変動すると、前側のサスペンションが共振して前後方向に大きく振動することがある。すると前側のサスペンションの前後方向の大きな振動が、タイロッド等を介して軸方向の力としてラック軸に入力される。
すると、弾性支持機構の働きによって左右方向へ振動し易くなっているラック軸が、この軸方向入力によって左右方向に大きく振動し、ラック軸の大きな振動がピニオンシャフト、ステアリングシャフト及びステアリングを介してドライバーに伝達される。
ブレーキトルクが変動すると、前側のサスペンションが共振して前後方向に大きく振動することがある。すると前側のサスペンションの前後方向の大きな振動が、タイロッド等を介して軸方向の力としてラック軸に入力される。
すると、弾性支持機構の働きによって左右方向へ振動し易くなっているラック軸が、この軸方向入力によって左右方向に大きく振動し、ラック軸の大きな振動がピニオンシャフト、ステアリングシャフト及びステアリングを介してドライバーに伝達される。
しかしながら、前側のサスペンションの前後方向の大きな振動に起因するラック軸の大きな振動は、上述のロードインフォメーションに起因する振動とは異なり、ドライバーにとって有益なものではない。
従って、ステアリングに対してロードインフォメーションに起因する振動は確実に伝達しつつ、前側のサスペンションの前後方向の大きな振動に起因するラック軸の大きな振動は伝えないようにするのが理想的である。
従って、ステアリングに対してロードインフォメーションに起因する振動は確実に伝達しつつ、前側のサスペンションの前後方向の大きな振動に起因するラック軸の大きな振動は伝えないようにするのが理想的である。
本発明は、上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の1つは、ステアリングに対して、ロードインフォメーションに起因する振動は確実に伝達しつつ、サスペンションの前後方向の大きな振動に起因するラック軸の大きな振動は伝えないようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の電動パワーステアリング装置(30)は、車体(11)に支持されかつ車輪(25R、25L)を回転可能に支持するサスペンション(15)と、該サスペンションに支持された、前記車体の幅方向である左右方向に延びる筒状ハウジング(31)と、該ハウジングに対して前記車体の左右方向にスライド可能かつ回転不能に前記ハウジング内に挿入され、スライドすることにより前記車輪の操舵角を変化させるラック軸(32)と、該ラック軸と噛み合う回転可能なピニオンシャフト(34)と、回転することにより前記ピニオンシャフトを回転させて前記ラック軸を前記左右方向にスライドさせるステアリングシャフト(36)と、該ステアリングシャフトと一緒に回転するステアリング(37)と、前記ラック軸に対して噛み合い、回転することにより前記ラック軸を前記左右方向にスライドさせる回転ナット(43)と、前記回転ナットを前記ハウジングに対して、前記左右方向にスライド可能に支持する弾性支持機構(48)と、前記ハウジングに支持されかつ前記回転ナットを回転させる駆動力を発生する電動モータを有する回転駆動機構(43、46、53、52)と、を備え、
Kn:弾性支持機構の剛性(合計値)
Mnm:回転駆動機構の合計等価慣性質量
とするときに、
(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2の値が前記サスペンションの前後方向の共振周波数の範囲内となるように、Kn及びMnmの大きさを定めている。
Kn:弾性支持機構の剛性(合計値)
Mnm:回転駆動機構の合計等価慣性質量
とするときに、
(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2の値が前記サスペンションの前後方向の共振周波数の範囲内となるように、Kn及びMnmの大きさを定めている。
本発明の電動パワーステアリング装置は、回転ナットをハウジングに対してスライド可能に支持する弾性支持機構を備えている。そのため、ステアリングに対してロードインフォメーションに起因する振動を確実に伝達することが可能である。
その一方で、(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2の値が、サスペンションの前後方向の共振周波数の範囲内となるようにKn及びMnmの大きさを定めている。従って、サスペンションの前後方向の大きな振動に起因してラック軸が振動したときには、ラック軸の振動を大幅に減少させながらステアリングに対して伝達することが可能である。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置について説明する。
まずは電動パワーステアリング装置を備える車両10の全体構造を、図1及び図2に基づいて簡単に説明する。
車両10の車体11の前部にはサスペンション15が設けられている。
サスペンション15は図2に示された構造であり、主な構成要素として、サスペンションメンバ16、アッパーアーム17、ロアアーム18、ブッシュ19、キャリア20、コイルスプリング21及びショックアブソーバ22を備えている。
車両10の車体11の前部にはサスペンション15が設けられている。
サスペンション15は図2に示された構造であり、主な構成要素として、サスペンションメンバ16、アッパーアーム17、ロアアーム18、ブッシュ19、キャリア20、コイルスプリング21及びショックアブソーバ22を備えている。
サスペンションメンバ16は車体11の前部に対して弾性部材を介して支持されており、その正面形状は略V字形状である。
左右一対のアッパーアーム17は、その内側端部がサスペンションメンバ16に対して固定されている。
左右一対のロアアーム18は、その内側端部がサスペンションメンバ16に対して回転可能に支持されている。より具体的には、サスペンションメンバ16及びロアアーム18にはこれらの一部を前後方向に貫通する孔が形成されている。そして、前後方向に延びるボルト(図示略)がこれらの孔に挿入されており、各ボルトの先端側にはナット(図示略)が締結されている。従って、左右のロアアーム18はサスペンションメンバ16に対してボルトまわりに回転可能である。さらにボルトと上記孔との間には弾性材料製の筒状部材であるブッシュ19が装着してある。
左右一対のアッパーアーム17は、その内側端部がサスペンションメンバ16に対して固定されている。
左右一対のロアアーム18は、その内側端部がサスペンションメンバ16に対して回転可能に支持されている。より具体的には、サスペンションメンバ16及びロアアーム18にはこれらの一部を前後方向に貫通する孔が形成されている。そして、前後方向に延びるボルト(図示略)がこれらの孔に挿入されており、各ボルトの先端側にはナット(図示略)が締結されている。従って、左右のロアアーム18はサスペンションメンバ16に対してボルトまわりに回転可能である。さらにボルトと上記孔との間には弾性材料製の筒状部材であるブッシュ19が装着してある。
左右のアッパーアーム17とロアアーム18との先端部間には、それぞれキャリア20(ナックルアーム)がキングピン軸まわりに回転可能として支持されている。左右のキャリア20は前輪25R、25Lをそれぞれ水平軸まわりに回転可能に支持している。
車体11の前部の下面には左右一対のコイルスプリング21の上端がそれぞれ固定されており、左右のコイルスプリング21の下端は左右のロアアーム18に対して固定されている。
車体11の前部の下面には左右一対のショックアブソーバ22(ダンパー)の上端がそれぞれ固定されており、左右のショックアブソーバ22の下端は左右のロアアーム18に対して固定されている。
車体11の前部の下面には左右一対のコイルスプリング21の上端がそれぞれ固定されており、左右のコイルスプリング21の下端は左右のロアアーム18に対して固定されている。
車体11の前部の下面には左右一対のショックアブソーバ22(ダンパー)の上端がそれぞれ固定されており、左右のショックアブソーバ22の下端は左右のロアアーム18に対して固定されている。
車両10の車体11の後部にもサスペンション(図示略)が設けられており、このサスペンションが左右の後輪26R、26Lをそれぞれ水平軸まわりに回転可能に支持している。
以上の構成であるサスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)は、サスペンション15のバネ下荷重とブッシュ19の左右方向バネ定数とによっておおよそ決まる。本実施形態におけるバネ下荷重とは、コイルスプリング21によって車体11に支持された全ての部材、即ちサスペンションメンバ16、アッパーアーム17、ロアアーム18、ブッシュ19、キャリア20、前輪25R、25L、ハウジング31及びラック軸32等の合計重量のことである。なお、スペンション15の前後方向の共振周波数(fb)は14〜18Hzの範囲内の大きさである。
続いて電動パワーステアリング装置30の詳しい構造について説明する。
サスペンションメンバ16の上面には、車体11の幅方向、即ち左右方向に延びる筒状のハウジング31が固定されている。
ハウジング31の内部には、左右方向に延びる棒状部材であるラック軸32が挿入されている。ラック軸32はハウジング31に対して左右方向にスライド可能かつ自身の軸線まわりに回転不能である。さらに図3(a)に示すように、ラック軸32の外周面にはねじ溝32aが螺旋状に形成されている。
ラック軸32の左右両端部には左右一対のタイロッド33の内側端部が接続されており、左右のタイロッド33の外側端部は左右のキャリア20に対して接続されている。
サスペンションメンバ16の上面には、車体11の幅方向、即ち左右方向に延びる筒状のハウジング31が固定されている。
ハウジング31の内部には、左右方向に延びる棒状部材であるラック軸32が挿入されている。ラック軸32はハウジング31に対して左右方向にスライド可能かつ自身の軸線まわりに回転不能である。さらに図3(a)に示すように、ラック軸32の外周面にはねじ溝32aが螺旋状に形成されている。
ラック軸32の左右両端部には左右一対のタイロッド33の内側端部が接続されており、左右のタイロッド33の外側端部は左右のキャリア20に対して接続されている。
ハウジング31の一部には第一貫通孔(図示略)が形成されている。そしてこの第一貫通孔を介して、ピニオンシャフト34の下部がハウジング31の内部に挿入されている。ピニオンシャフト34はハウジング31に対して自身の軸線方向に相対移動不能として支持されている。但し、ピニオンシャフト34は自身の軸線まわりに回転可能であり、ハウジング31の内部においてラック軸32(ねじ溝32a)と噛み合っている。
ピニオンシャフト34には、棒状部材であるステアリングシャフト36の一端(下端)がユニバーサルジョイント35を介して接続されている。
さらにステアリングシャフト36の他端(上端)にはステアリング37が固定されている。
従って、ステアリング37を回転させると、この回転力がステアリングシャフト36及びユニバーサルジョイント35を介してピニオンシャフト34に伝わりに、ピニオンシャフト34が自身の軸線まわりに回転する。
さらにハウジング31には、ピニオンシャフト34の回転トルク(操舵トルク)を検出するためのトルクセンサ38が設けられている。図1に示すようにトルクセンサ38は制御装置13に接続されている。
ピニオンシャフト34には、棒状部材であるステアリングシャフト36の一端(下端)がユニバーサルジョイント35を介して接続されている。
さらにステアリングシャフト36の他端(上端)にはステアリング37が固定されている。
従って、ステアリング37を回転させると、この回転力がステアリングシャフト36及びユニバーサルジョイント35を介してピニオンシャフト34に伝わりに、ピニオンシャフト34が自身の軸線まわりに回転する。
さらにハウジング31には、ピニオンシャフト34の回転トルク(操舵トルク)を検出するためのトルクセンサ38が設けられている。図1に示すようにトルクセンサ38は制御装置13に接続されている。
ハウジング31の内部空間には全体として環状をなす周知のボール軸受39が、ラック軸32と同軸的に設けられている。
ボール軸受39は、ハウジング31の内周面に相対回転不能として接触する外輪40と、外輪40の内周側に位置する内輪41と、外輪40と内輪41との間に挟持された自転可能な複数のボール42と、を備えている。
従って、内輪41は外輪40に対してラック軸32の軸線まわりに相対回転可能である。
ボール軸受39は、ハウジング31の内周面に相対回転不能として接触する外輪40と、外輪40の内周側に位置する内輪41と、外輪40と内輪41との間に挟持された自転可能な複数のボール42と、を備えている。
従って、内輪41は外輪40に対してラック軸32の軸線まわりに相対回転可能である。
さらにハウジング31の内部には、ラック軸32の外周側に位置する回転ナット43が配設されている。図3(a)に示すように、回転ナット43はラック軸32と同軸の筒状部材であり、その内周面にはねじ溝43aが螺旋状に形成されている。
さらにハウジング31の内部には、回転ナット43の外周側に位置する従動プーリ46が設けられている。従動プーリ46は回転ナット43と同軸の筒状体であり、その内周面は回転ナット43の外周面に対して固定されている。従動プーリ46の外周面の一部には歯部46aが形成されている。
従動プーリ46の外周面の歯部46aとは異なる部位に対して内輪41が固定されている。従って、回転ナット43及び従動プーリ46は、ボール軸受39の働きによって、ハウジング31に対してラック軸32の軸線まわりに相対回転可能である。
さらにハウジング31の内部には、回転ナット43の外周側に位置する従動プーリ46が設けられている。従動プーリ46は回転ナット43と同軸の筒状体であり、その内周面は回転ナット43の外周面に対して固定されている。従動プーリ46の外周面の一部には歯部46aが形成されている。
従動プーリ46の外周面の歯部46aとは異なる部位に対して内輪41が固定されている。従って、回転ナット43及び従動プーリ46は、ボール軸受39の働きによって、ハウジング31に対してラック軸32の軸線まわりに相対回転可能である。
さらにラック軸32のねじ溝32aと回転ナット43のねじ溝43aとの間に形成された螺旋状の通路には複数のボール44が回転可能に挿入されている。
図示は省略してあるが、回転ナット43の内部にはねじ溝43aの両端とそれぞれ連通しかつ各ボール44が移動可能な通路が形成されている。即ち、ねじ溝32aとねじ溝43aとの間に形成された螺旋状の前記通路と回転ナット43の内部に形成された当該通路とにより一つの環状通路が形成されている。従って、回転ナット43がラック軸32に対して相対回転すると、各ボール44が自転しながらこの環状通路内を循環する。
このようにラック軸32、回転ナット43及びボール44によって周知のボールねじナット機構が構成されている。従って、回転ナット43がラック軸32に対して相対回転すると、ボール44を環状通路内で循環させながら、ラック軸32がハウジング31及び回転ナット43に対して左右方向にスライドする。
図示は省略してあるが、回転ナット43の内部にはねじ溝43aの両端とそれぞれ連通しかつ各ボール44が移動可能な通路が形成されている。即ち、ねじ溝32aとねじ溝43aとの間に形成された螺旋状の前記通路と回転ナット43の内部に形成された当該通路とにより一つの環状通路が形成されている。従って、回転ナット43がラック軸32に対して相対回転すると、各ボール44が自転しながらこの環状通路内を循環する。
このようにラック軸32、回転ナット43及びボール44によって周知のボールねじナット機構が構成されている。従って、回転ナット43がラック軸32に対して相対回転すると、ボール44を環状通路内で循環させながら、ラック軸32がハウジング31及び回転ナット43に対して左右方向にスライドする。
さらに図3(a)(b)に示すように、ハウジング31と従動プーリ46との間の環状空間には弾性支持機構48が配設されている。
弾性支持機構48は、外輪40の左右両端面にそれぞれ接触しかつ左右方向に弾性変形可能な左右一対の皿バネ49と、左右の皿バネ49とハウジング31の内面とに接触する左右一対の環状スペーサ50と、を備えている。皿バネ49及び環状スペーサ50はいずれも、ラック軸32と同軸をなしながら従動プーリ46の外周側に位置している。
左右の皿バネ49は、左右方向に弾性変形可能である。
一方、左右の環状スペーサ50は実質的に弾性変形不能である。
弾性支持機構48は、外輪40の左右両端面にそれぞれ接触しかつ左右方向に弾性変形可能な左右一対の皿バネ49と、左右の皿バネ49とハウジング31の内面とに接触する左右一対の環状スペーサ50と、を備えている。皿バネ49及び環状スペーサ50はいずれも、ラック軸32と同軸をなしながら従動プーリ46の外周側に位置している。
左右の皿バネ49は、左右方向に弾性変形可能である。
一方、左右の環状スペーサ50は実質的に弾性変形不能である。
このようにして左右の皿バネ49によって支持された外輪40は、ハウジング31に対する左右方向移動が規制されていない。従って、外輪40はハウジング31に対して、左右の皿バネ49が弾性変形可能な微小範囲内において左右方向に相対移動可能である。
さらに外輪40と内輪41の左右方向の相対スライドは実質的に規制されている。そのため、内輪41並びに内輪41に固定された従動プーリ46及び回転ナット43も、ハウジング31に対して左右の皿バネ49が弾性変形可能な微小範囲内において左右方向に相対移動可能である。
さらに外輪40と内輪41の左右方向の相対スライドは実質的に規制されている。そのため、内輪41並びに内輪41に固定された従動プーリ46及び回転ナット43も、ハウジング31に対して左右の皿バネ49が弾性変形可能な微小範囲内において左右方向に相対移動可能である。
さらにハウジング31の外周面に固定された第一支持部材(図示略)には、電動モータ52の本体部が固定されている。電動モータ52は、その本体部から突出する回転出力軸(図示略)を備えている。回転出力軸は左右方向に延びており、自身の軸線まわりに回転可能である。さらに回転出力軸には駆動プーリ(図示略)が同軸的に固定されている。さらに図1に示すように、電動モータ52は制御装置13に接続されている。
ハウジング31の一部の上記第一貫通孔とは別の部位には第二貫通孔(図示略)が形成されている。
電動モータ52の駆動プーリ及び従動プーリ46には、環状をなしかつ内周面に歯部を有するベルト53が噛み合っている。このベルト53は、その一部が第二貫通孔を通してハウジング31内に位置しており、ハウジング31内において従動プーリ46と噛み合っている。ベルト53は僅かに可撓性を有するものの、ガラス繊維等を含んでいるためのその剛性は高い。従って、電動モータ52の駆動プーリが回転すると、この回転力がベルト53を介して従動プーリ46に伝わるので、従動プーリ46及び回転ナット43が回転する。従動プーリ46の歯数は駆動プーリの歯数より多い。従って、電動モータ52が回転するとき、(電動モータ52の)駆動プーリ、従動プーリ46及びベルト53は減速機として機能する。さらに当該減速機、回転ナット43、及び電動モータ52は「回転駆動機構」の構成要素である。
電動モータ52の駆動プーリ及び従動プーリ46には、環状をなしかつ内周面に歯部を有するベルト53が噛み合っている。このベルト53は、その一部が第二貫通孔を通してハウジング31内に位置しており、ハウジング31内において従動プーリ46と噛み合っている。ベルト53は僅かに可撓性を有するものの、ガラス繊維等を含んでいるためのその剛性は高い。従って、電動モータ52の駆動プーリが回転すると、この回転力がベルト53を介して従動プーリ46に伝わるので、従動プーリ46及び回転ナット43が回転する。従動プーリ46の歯数は駆動プーリの歯数より多い。従って、電動モータ52が回転するとき、(電動モータ52の)駆動プーリ、従動プーリ46及びベルト53は減速機として機能する。さらに当該減速機、回転ナット43、及び電動モータ52は「回転駆動機構」の構成要素である。
続いて、以上構成の電動パワーステアリング装置30の動作及びこの動作に伴う車両10の動作について説明する。
車両10に乗車しているドライバーが手でステアリング37を一方向に回転操作すると、この回転力がステアリングシャフト36及びユニバーサルジョイント35を介してピニオンシャフト34に伝わり、ピニオンシャフト34が自身の軸線まわりに回転する。するとピニオンシャフト34と噛み合っているラック軸32がハウジング31に対して左右方向の一方向に相対スライドするので、タイロッド33及びキャリア20を介してラック軸32と連係している前輪25R、25Lの操舵角が変化する。
車両10に乗車しているドライバーが手でステアリング37を一方向に回転操作すると、この回転力がステアリングシャフト36及びユニバーサルジョイント35を介してピニオンシャフト34に伝わり、ピニオンシャフト34が自身の軸線まわりに回転する。するとピニオンシャフト34と噛み合っているラック軸32がハウジング31に対して左右方向の一方向に相対スライドするので、タイロッド33及びキャリア20を介してラック軸32と連係している前輪25R、25Lの操舵角が変化する。
さらにピニオンシャフト34が回転すると、トルクセンサ38がピニオンシャフト34の回転転操作トルク(操舵トルク)を検出し、検出値を制御装置13へ送信する。すると、制御装置13が送信された回転操作トルクに応じた目標操舵アシストトルクを演算し、さらに目標操舵アシストトルクが得られるように電動モータ52を作動させる。
すると、電動モータ52の回転出力軸及び駆動プーリが回転するので、駆動プーリと噛み合っているベルト53が回転する。するとベルト53の回転力が従動プーリ46を介して回転ナット43に伝わるので、回転ナット43がラック軸32に対して相対回転し、回転ナット43(ねじ溝43a)の回転力がボール44を介してラック軸32(ねじ溝32a)に伝達される。即ち、回転ナット43の回転力が、ステアリング37によって一方向にスライドさせられたラック軸32を当該一方向にスライドさせるためのアシスト力としてラック軸32に伝達される。従って、ドライバーは大きな力をステアリング37に付与することなくかつ前輪25R、25Lが所望の操舵角となるように、ラック軸32をスライドさせることが可能である。
すると、電動モータ52の回転出力軸及び駆動プーリが回転するので、駆動プーリと噛み合っているベルト53が回転する。するとベルト53の回転力が従動プーリ46を介して回転ナット43に伝わるので、回転ナット43がラック軸32に対して相対回転し、回転ナット43(ねじ溝43a)の回転力がボール44を介してラック軸32(ねじ溝32a)に伝達される。即ち、回転ナット43の回転力が、ステアリング37によって一方向にスライドさせられたラック軸32を当該一方向にスライドさせるためのアシスト力としてラック軸32に伝達される。従って、ドライバーは大きな力をステアリング37に付与することなくかつ前輪25R、25Lが所望の操舵角となるように、ラック軸32をスライドさせることが可能である。
さらに走行中の車両10の前輪25R、25Lに対してブレーキパッド(図示略)からブレーキ力を及ぼしたときに、ブレーキパッドが前輪25R、25Lに及ぼすブレーキトルクが変動することがある。
前輪25R、25Lに及ぼしたブレーキトルクが変動すると、この変動の影響によりサスペンション15が前後方向に振動する。そして、このときのサスペンション15の前後方向の振動の周波数がサスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)と一致すると、サスペンション15が前後方向に大きく振動する。
前輪25R、25Lに及ぼしたブレーキトルクが変動すると、この変動の影響によりサスペンション15が前後方向に振動する。そして、このときのサスペンション15の前後方向の振動の周波数がサスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)と一致すると、サスペンション15が前後方向に大きく振動する。
サスペンション15が前後方向に大きく振動すると、この振動がキャリア20及びタイロッド33等を介してラック軸32に伝わる。より詳細には、この振動はラック軸32を左右方向に移動させる軸方向入力としてラック軸32に伝達される。その結果、ラック軸32が左右方向に振動する。
ラック軸32の振動に伴って回転ナット43及び従動プーリ46がラック軸32と一緒に振動すると、ボール軸受39もラック軸32と一緒に振動する。するとボール軸受39によって一方の皿バネ49が弾性変形させられる。例えば、ラック軸32、回転ナット43、従動プーリ46及びボール軸受39が右側に振動しているとき(瞬間)は、左右の皿バネ49が弾性変形してボール軸受39を左側に押圧する弾性力を発生させる。一方、ラック軸32、回転ナット43、従動プーリ46及びボール軸受39が左側に振動しているとき(瞬間)は、左右の皿バネ49が弾性変形してボール軸受39を右側に押圧する弾性力を発生させる。このように左右の皿バネ49がラック軸32の振動に伴うボール軸受39の振動を吸収するように働く。
さらにラック軸32の振動に伴って、ボールねじナット機構(ラック軸32、回転ナット43及びボール44)を介して、ラック軸32から減速機(駆動プーリ、従動プーリ46及びベルト53)および電動モータ52に対して回転方向の外力が伝わる。すなわち回転駆動機構はラック軸32からの逆入力によって回転させられることになる。このとき、サスペンション15からラック軸32に伝わる振動の周波数が極めて低ければ回転駆動機構の回転慣性モーメントによる慣性力は無視できるため、ラック軸32の変位と回転駆動機構の変位は同位相であり、またその比率はボールねじナット機構および減速機機構による減速比に等しい。しかしラック軸32に伝わる振動の周波数が高くなると回転駆動機構の回転慣性モーメントが皿ばね49の剛性に対して無視できなくなる。そして、この高い周波数が、回転駆動機構の回転慣性モーメントを減速比で変換した合計等価慣性質量と皿ばね49の剛性とで決まる共振周波数と等しいとき、回転駆動機構は自身の慣性力がラック軸32の変位振動を打ち消すように回転振動する。即ちラック軸32は、皿バネ49を介して回転駆動機構から慣性力を受け、振動を減衰させられる。
このように回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52、駆動プーリ及びベルト53は、ラック軸32の振動を減少させるダイナミックダンパ(動吸振器)として機能する。
そして本実施形態では、
(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2・・・式1(但し、Kn[N/m]:弾性支持機構48の剛性 Mnm:回転駆動機構(回転ナット43、電動モータ52及び減速機)の合計等価慣性質量[kg])の値を、サスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)の範囲(14≦fb≦18Hz)内の大きさに設定している。
即ち、14(Hz)≦(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2≦18(Hz)が成立するように、Kn及びMnmを選定している。換言すると、この条件が成立するように、回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52及びベルト53の仕様(材質、形状等)を定めている。
(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2・・・式1(但し、Kn[N/m]:弾性支持機構48の剛性 Mnm:回転駆動機構(回転ナット43、電動モータ52及び減速機)の合計等価慣性質量[kg])の値を、サスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)の範囲(14≦fb≦18Hz)内の大きさに設定している。
即ち、14(Hz)≦(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2≦18(Hz)が成立するように、Kn及びMnmを選定している。換言すると、この条件が成立するように、回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52及びベルト53の仕様(材質、形状等)を定めている。
そのため、サスペンション15の前後方向の共振に伴ってラック軸32が左右方向に振動したときに、回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52及びベルト53を備えるダイナミックダンパによってラック軸32の振動が大幅に減少させられる。
従って、サスペンション15の前後方向の共振に起因する大きな振動が、ラック軸32、ピニオンシャフト34、ユニバーサルジョイント35、ステアリングシャフト36及びステアリング37等を介してドライバーにそのまま伝達されることはない。即ち、図4のグラフから明らかなように、ラック軸32への入力の周波数が14〜18Hzの範囲にある場合は、ステアリング37の振動の大きさをラック軸32への入力の大きさで割った値(振動伝達比)は大幅に低減される。
従って、サスペンション15の前後方向の共振に起因する大きな振動が、ラック軸32、ピニオンシャフト34、ユニバーサルジョイント35、ステアリングシャフト36及びステアリング37等を介してドライバーにそのまま伝達されることはない。即ち、図4のグラフから明らかなように、ラック軸32への入力の周波数が14〜18Hzの範囲にある場合は、ステアリング37の振動の大きさをラック軸32への入力の大きさで割った値(振動伝達比)は大幅に低減される。
一方、ロードインフォメーションが前輪25R、25L、キャリア20及びタイロッド33を介してラック軸32に軸方向の入力として伝わった場合は、回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52及びベルト53を備えるダイナミックダンパは、サスペンション15が前後方向に共振した場合とは異なる動作をする。
即ち、ロードインフォメーションに起因する振動の周波数はサスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)よりも大きい(例えば、20Hz以上)。従って、この場合は回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52及びベルト53を備えるダイナミックダンパは、ロードインフォメーションに起因するラック軸32の振動を大幅に遮断してしまうことはない(図4参照)。換言すると、この場合は振動伝達比を低減しすぎることがない。
即ち、ロードインフォメーションに起因する振動の周波数はサスペンション15の前後方向の共振周波数(fb)よりも大きい(例えば、20Hz以上)。従って、この場合は回転ナット43、従動プーリ46、弾性支持機構48、電動モータ52及びベルト53を備えるダイナミックダンパは、ロードインフォメーションに起因するラック軸32の振動を大幅に遮断してしまうことはない(図4参照)。換言すると、この場合は振動伝達比を低減しすぎることがない。
即ち、本実施形態の電動パワーステアリング装置30は、サスペンション15の前後方向の共振に起因する振動(14〜18Hz)がステアリング37へ伝達されるのを抑制しつつ、ロードインフォメーションに起因する振動(20Hz以上)を前輪25R、25L、キャリア20及びタイロッド33、ラック軸32、ピニオンシャフト34、ステアリングシャフト36及びステアリング37等を介して、微振動としてステアリング37に確実に伝達することが可能である。
その一方で、図4から明らかなように、式1のKnを「Kn×(*)2」に代えたり、Knを「Kn/2」に代えたりした場合は、電動パワーステアリング装置は本実施形態とは異なる挙動を行う。
例えばKnを「Kn×2」に代えた場合は、ロードインフォメーションに起因する振動(20Hz以上)のステアリング37への伝達が過剰に遮断されてしまっている(振動伝達比が過剰に低減されている)。さらに、サスペンション15の前後方向の共振に起因する振動(14〜18Hz)が、あまり低減されないままステアリング37へ伝達されている。
一方、Knを「Kn/2」に代えた場合は、ロードインフォメーションに起因する振動(20Hz以上)についてはステアリング37へ確実に伝達できる。しかし、サスペンション15の前後方向の共振に起因する振動(14〜18Hz)については、Kn×2の場合よりもさらに振動の低減率が小さい。即ち、共振に起因する振動が、Kn×2の場合よりも大きいままステアリング37へ伝達されてしまう。
例えばKnを「Kn×2」に代えた場合は、ロードインフォメーションに起因する振動(20Hz以上)のステアリング37への伝達が過剰に遮断されてしまっている(振動伝達比が過剰に低減されている)。さらに、サスペンション15の前後方向の共振に起因する振動(14〜18Hz)が、あまり低減されないままステアリング37へ伝達されている。
一方、Knを「Kn/2」に代えた場合は、ロードインフォメーションに起因する振動(20Hz以上)についてはステアリング37へ確実に伝達できる。しかし、サスペンション15の前後方向の共振に起因する振動(14〜18Hz)については、Kn×2の場合よりもさらに振動の低減率が小さい。即ち、共振に起因する振動が、Kn×2の場合よりも大きいままステアリング37へ伝達されてしまう。
以上、本発明を上記各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、ベルト53の代わりにギア列によって従動プーリ46と電動モータ52(駆動プーリ)を連係してもよい。この場合は、駆動プーリ、従動プーリ46及びギア列が減速機の構成要素となる。
例えば、ベルト53の代わりにギア列によって従動プーリ46と電動モータ52(駆動プーリ)を連係してもよい。この場合は、駆動プーリ、従動プーリ46及びギア列が減速機の構成要素となる。
15・・・サスペンション、16・・・サスペンションメンバ、30・・・電動パワーステアリング装置、31・・・ハウジング、32・・・ラック軸、32a・・・ねじ溝、34・・・ピニオンシャフト、36・・・ステアリングシャフト、37・・・ステアリング、39・・・ボール軸受、43・・・回転ナット、44・・・ボール、46・・・従動プーリ、48・・・弾性支持機構、49・・・皿バネ、50・・・環状スペーサ、52・・・電動モータ、53・・・ベルト。
Claims (1)
- 車体に支持されかつ車輪を回転可能に支持するサスペンションと、
該サスペンションに支持された、前記車体の幅方向である左右方向に延びる筒状ハウジングと、
該ハウジングに対して前記車体の左右方向にスライド可能かつ回転不能に前記ハウジング内に挿入され、スライドすることにより前記車輪の操舵角を変化させるラック軸と、
該ラック軸と噛み合う回転可能なピニオンシャフトと、
回転することにより前記ピニオンシャフトを回転させて前記ラック軸を前記左右方向にスライドさせるステアリングシャフトと、
該ステアリングシャフトと一緒に回転するステアリングと、
前記ラック軸に対して噛み合い、回転することにより前記ラック軸を前記左右方向にスライドさせる回転ナットと、
前記回転ナットを前記ハウジングに対して、前記左右方向にスライド可能に支持する弾性支持機構と、
前記ハウジングに支持されかつ前記回転ナットを回転させる駆動力を発生する電動モータを有する回転駆動機構と、
を備え、
Kn:弾性支持機構の剛性
Mnm:回転駆動機構の合計等価慣性質量
とするときに、
(1/2π)×(Kn/Mnm)1/2の値が前記サスペンションの前後方向の共振周波数の範囲内となるように、Kn及びMnmの大きさを定めた、
電動パワーステアリング装置。
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Citations (5)
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-
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- 2015-07-28 JP JP2015148628A patent/JP2017024681A/ja active Pending
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