JP2016043721A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この車両用ステアリング装置において、交差軸ギヤのギヤ噛み合い部の下方位置に、ギヤ噛み合い力を増す方向の押し付け力を与える押し付け部材を配置した。
すなわち、転舵時等において交差軸ギヤに噛み合い負荷が生じたとき、ギヤ噛み合い部に与えられた押し付け力が、ギヤ歯面間の隙間を縮める方向に作用するだけでなく、噛み合い負荷を低減する方向、つまり、モーメントの発生をキャンセルする方向に作用する。
この結果、モーメントの発生による交差軸ギヤの軸倒れが抑制され、交差軸ギヤの噛み合い剛性ガタ性能を向上することができる。
実施例1におけるインホイールモータ車用ステアリング装置(車両用ステアリング装置の一例)の構成を、「モータ駆動転舵輪の全体構成」、「転舵機構の詳細構成」に分けて説明する。
図1は、インホイールモータ車用ステアリング装置が適用されたモータ駆動転舵輪を転舵機構及びサスペンション機構と共に示す。以下、図1に基づき、モータ駆動転舵輪の全体構成を説明する。
図2〜図7は実施例1のインホイールモータ車用ステアリング装置における転舵機構S1を示す。以下、図2〜図7に基づき、実施例1の転舵機構S1の詳細構成を説明する。
これにより、同じピニオンギヤ部22aの回転角速度でも、不等速フェースギヤ23の回転角速度は連続的に変化する(バリアブルギヤ比)。しかし、不等速フェースギヤ23のギヤ噛み合い部29の位置は、軸心(キングピン軸Kp)から離れた位置にあるため、ギヤ噛み合い部29に力が作用する負荷時には、不等速フェースギヤ23をキングピン軸Kpに対して倒そうとするモーメントが発生する。
Fr=Ft×tanα …(1)
となる。
このため、接線力Ftに対するラジアル力Frは、回転位相(圧力角α)によって異なる。このラジアル力Frが、不等速フェースギヤ23の倒れモーメントの要因となるため、これをキャンセルする押し付け力が必要となる。これに対し、押し付け力調整プレート25を、不等速フェースギヤ23の歯面に加わる噛み合い接線力Ftと圧力角αにより得られるラジアル力Frの変化に合わせて押し付けバネ力を変えるようにしている。
実施例1のインホイールモータ車用ステアリング装置における作用を、「不等速フェースギヤの剛性ガタ性能向上作用」、「他の特徴作用」に分けて説明する。
キングピン軸の軸線上に配置され、交差軸ギヤの回転によりキングピン軸の周りにタイヤを転舵させる転舵機構を備えた自動車用ステアリング装置では、高剛性でありガタが無いことが求められる。このため、交差軸ギヤのバックラッシュを除去するために交差軸ギヤの軸方向から押し付け力を与えることが望ましい。しかし、交差軸ギヤのギヤ噛み合い部は軸中心からずれた位置にあるため、負荷によって交差軸ギヤにモーメントが発生し、倒れてしまう。これにより剛性ガタ性能が悪化してしまう。
よって、キングピン軸Kpの周りにモータ駆動転舵輪1を転舵させるとき、不等速フェースギヤ23のギヤ噛み合い部29の下方位置に配置した押し付けバネ24により、ギヤ噛み合い押し付け力が与えられた状態で不等速フェースギヤ23が回転する。
すなわち、転舵時等において不等速フェースギヤ23に噛み合い負荷が生じたとき、ギヤ噛み合い部29に与えられた押し付け力が、ギヤ歯面間の隙間を縮める方向に作用(バックラッシュ除去作用)するだけでなく、噛み合い負荷を低減する方向、つまり、モーメントの発生をキャンセルする方向に作用する。この結果、モーメントの発生による不等速フェースギヤ23の軸倒れを抑制することで、不等速フェースギヤ23の噛み合い剛性ガタ性能を向上することができる。
上記のように、交差軸ギヤのギヤ噛み合い部に押し付け力を与えるとき、不等速フェースギヤ23のように歯の形状が変化するにもかかわらず、押し付け力を変化させない場合を比較例とする。この比較例の場合、最も大きい押し付け力が必要な回転位相に合わせて押し付け力を設定すると、それ以外の回転位相では、過渡な押し付け力が発生し、フリクションが増大してしまう。逆に、最も小さい押し付け力でよい回転位相に合わせて押し付け力を設定すると、他の回転位相のときに押し付け力が不足し、剛性ガタ性能が悪化してしまう。
これにより、不等速フェースギヤ23の歯形状変化によって変化する噛み合いラジアル力に対応して、最適な押し付けバネ力を与えることができる。つまり、図2に示す回転位相Aよりも図3に示す回転位相Bの方が、圧力角αが大きく、ラジアル力Frも大きくなるため、押し付けバネ24のバネ縮み量も大きくなっている。このように、ラジアル力Frはtanαに比例して変化するため、バネ縮み量も同様にtanαに比例して変化させることが望ましい。
したがって、歯形状が変化する不等速フェースギヤ23のいずれの回転位相でも、フリクション増大や剛性ガタ性能悪化が抑制される。
すなわち、不等速フェースギヤ23のギヤ噛み合い部29に作用するラジアル力Frに対し、逆方向で同じ力の押し付けバネ力を与えると、狙いとするモーメントの発生をキャンセルする作用が得られる。
これに対し、ラジアル力Frの変化に合わせて押し付けバネ力を変えることで、具体的な押し付けバネ力の最適値に設定できる。
すなわち、押し付け力調整プレート25のキングピン軸方向のプレート高さを変化させるだけで、押し付けバネ力が回転位相により変化する。
したがって、押し付けバネ力を回転位相により変化させるための新たな部品を必要としないので、コスト増を抑制できる。
実施例1のインホイールモータ車用ステアリング装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
交差軸ギヤ(不等速フェースギヤ23)のギヤ噛み合い部29の下方位置に、ギヤ噛み合い力を増す方向の押し付け力を与える押し付け部材(押し付けバネ24)を配置した(図2)。
このため、交差軸ギヤ(不等速フェースギヤ23)の噛み合い剛性ガタ性能を向上することができる。
このため、(1)の効果に加え、押し付け部材をバネ部材(押し付けバネ24)により構成するため、簡単で安価な押し付け機構を構成することができる。
不等速フェースギヤ23の回転位相に応じて、バネ部材(押し付けバネ24)による押し付けバネ力を変える押し付け力調整部材(押し付け力調整プレート25)を配置した(図3)。
このため、(2)の効果に加え、歯形状が変化する不等速フェースギヤ23のいずれの回転位相でも、フリクション増大や剛性ガタ性能悪化を抑制することができる。
このため、(1)の効果に加え、ラジアル力Frの変化に合わせて押し付けバネ力を変えることで、具体的な押し付けバネ力の最適値に設定することができる。
押し付け力調整プレート25は、キングピン軸方向のプレート高さを回転位相により変化させることで押し付けバネ力を設定した(図2)。
このため、(1)の効果に加え、回転位相により押し付けバネ力を変化させるに際、新たな部品を必要としないので、コスト増を抑制することができる。
図8は実施例2のインホイールモータ車用ステアリング装置における転舵機構S2を示す。以下、図8に基づき、実施例2の転舵機構S2の詳細構成を説明する。
したがって、ギヤ噛み合い部29をキングピン軸方向に支持するとき、2点支持構成となるため、ギヤ噛み合い部29の噛み合い傾きが抑えられ、軸方向支持が安定する。
したがって、不等速フェースギヤ23のギヤ歯部23aの半径方向位置が変わっても、不等速フェースギヤ23の軸倒れモーメントを安定してキャンセルさせる。なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例2のインホイールモータ車用ステアリング装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
第1バネ24aと第2バネ24bを、不等速フェースギヤ23に形成されている歯(ギヤ歯部23a)の径方向位置変化の範囲よりも内径側位置と外径側位置にそれぞれ配置した(図8)。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、不等速フェースギヤ23の歯(ギヤ歯部23a)の半径方向位置が変わっても、不等速フェースギヤ23の軸倒れモーメントを安定してキャンセルすることができる。
図9〜図12は実施例3のインホイールモータ車用ステアリング装置における転舵機構S3を示す。以下、図9〜図12に基づき、実施例3の転舵機構S3の詳細構成を説明する。
バネ群24-1〜24-5及び中間部材30-1〜30-5は、不等速フェースギヤ23に埋め込まれ、不等速フェースギヤ23とともに回転する。このとき、バネ群24-1〜24-5のそれぞれは、回転位相ごとに必要な押し付け力に応じて異なるばね定数が設定される。また、バネ群24-1〜24-5の半径方向の位置は、不等速フェースギヤ23のギヤ歯部23aの位置に応じて変化させている。したがって、不等速フェースギヤ23のギヤ歯部23aとバネ群24-1〜24-5の軸方向位置を略一致させることで、不等速フェースギヤ23を回転させるとき、軸倒れモーメントをキャンセルすることができる。
実施例3のインホイールモータ車用ステアリング装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
バネ群24-1〜24-5の各バネ定数を、回転位相に応じて押し付けバネ力が変化するように異ならせた(図9)。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、バネ群24-1〜24-5を不等速フェースギヤ23に埋め込んで配置できることで、転舵機構S3の軸方向寸法を短縮して小型化を図ることができる。
このため、(7)の効果に加え、押し付けバネ力の発生位置をギヤ噛み合い部29に合わせて設定できることで、効果的に軸倒れを抑制することができる。
押し付け力調整プレート25’は、噛み合い位置近傍で押し付けバネ力が大きくなり、回転によって噛み合い位置から外れるほど押し付けバネ力が小さくなるようにプレート高さを設定した(図12)。
このため、(8)の効果に加え、意図しない軸倒れモーメントが発生しないことで、不等速フェースギヤ23の回転に対し安定して軸倒れを抑制することができる。
1 モータ駆動転舵輪(タイヤ)
21 ギヤケース
22 ピニオンギヤシャフト
23 不等速フェースギヤ(交差軸ギヤ)
24 押し付けバネ(押し付け部材)
24a 第1バネ(バネ部材)
24b 第2バネ(バネ部材)
24-1〜24-5 バネ群(バネ部材)
25 押し付け力調整プレート(押し付け力調整部材)
25’ 押し付け力調整プレート(押し付け力調整部材)
Kp キングピン軸
Claims (9)
- キングピン軸の軸線上に配置され、交差軸ギヤの回転により前記キングピン軸の周りにタイヤを転舵させる転舵機構を備えた車両用ステアリング装置において、
前記交差軸ギヤのギヤ噛み合い部の下方位置に、ギヤ噛み合い力を増す方向の押し付け力を与える押し付け部材を配置した
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項1に記載された車両用ステアリング装置において、
前記押し付け部材を、前記交差軸ギヤのギヤ噛み合い部に押し付けバネ力を与えるバネ部材により構成した
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項2に記載された車両用ステアリング装置において、
前記交差軸ギヤを、転舵入力により回転するピニオンギヤとの噛み合いにより回転すると共に、歯形状を回転位相によって変化させた不等速フェースギヤとし、
前記不等速フェースギヤの回転位相に応じて、前記バネ部材による押し付けバネ力を変える押し付け力調整部材を配置した
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項3に記載された車両用ステアリング装置において、
前記押し付け力調整部材を、前記不等速フェースギヤの歯面に加わる噛み合い接線力と圧力角により得られるラジアル力の変化に合わせて押し付けバネ力を変える部材とした
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項4に記載された車両用ステアリング装置において、
前記押し付け力調整部材を、前記不等速フェースギヤの背面位置に固定した押し付け力調整プレートとし、
前記押し付け力調整プレートは、キングピン軸方向のプレート高さを回転位相により変化させることで押し付けバネ力を設定した
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載された車両用ステアリング装置において、
前記バネ部材として、前記不等速フェースギヤの半径方向の2箇所位置に配置した第1バネと第2バネを備え、
前記第1バネと前記第2バネを、前記不等速フェースギヤに形成されている歯の径方向位置変化の範囲よりも内径側位置と外径側位置にそれぞれ配置した
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載された車両用ステアリング装置において、
前記バネ部材として、前記不等速フェースギヤの周方向に沿った複数箇所に設けたバネ群を備え、
前記バネ群の各バネ定数を、回転位相に応じて押し付けバネ力が変化するように異ならせた
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項7に記載された車両用ステアリング装置において、
前記バネ群の各バネの配置を、前記不等速フェースギヤに形成された歯の位置の半径方向の変化に合わせて変えた
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 請求項8に記載された車両用ステアリング装置において、
前記押し付け力調整部材を、転舵機構ケースに固定され、前記不等速フェースギヤの背面位置に配置した押し付け力調整プレートとし、
前記押し付け力調整プレートは、噛み合い位置近傍で押し付けバネ力が大きくなり、回転によって噛み合い位置から外れるほど押し付けバネ力が小さくなるようにプレート高さを設定した
ことを特徴とする車両用ステアリング装置。
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CN109035631A (zh) * | 2018-08-29 | 2018-12-18 | 合肥浮点信息科技有限公司 | 一种便于移动的一卡通充值机 |
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JPH06200987A (ja) * | 1992-12-28 | 1994-07-19 | Kayaba Ind Co Ltd | ハイポイド歯車伝達装置 |
JP2013103665A (ja) * | 2011-11-16 | 2013-05-30 | Nissan Motor Co Ltd | インホイールモータ駆動車輪の転舵装置 |
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2014
- 2014-08-20 JP JP2014167181A patent/JP6390262B2/ja active Active
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CN109035631A (zh) * | 2018-08-29 | 2018-12-18 | 合肥浮点信息科技有限公司 | 一种便于移动的一卡通充值机 |
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