JP2017024526A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェット性能の低下を抑制しつつ、サイプ底部でのクラックを防止させる。
【解決手段】トレッド部2に、タイヤ周方向に連続してのびる主溝3が複数本設けられることにより、主溝3、3間及び主溝3とトレッド接地端Teとの間に複数の陸部が形成された空気入りタイヤ1である。各陸部は、サイプ幅が0mmのサイピングが、タイヤ周方向に隔設される。サイピング7は、タイヤ軸方向に対し10〜45°で傾斜する。サイピング7のタイヤ軸方向の両端部9、9は、主溝3又はトレッド接地端Teに連通し、サイピングの両端部9、9には、深さが、サイピング7の中央部11の深さよりも小さい浅底部10が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部2に、タイヤ周方向に連続してのびる主溝3が複数本設けられることにより、主溝3、3間及び主溝3とトレッド接地端Teとの間に複数の陸部が形成された空気入りタイヤ1である。各陸部は、サイプ幅が0mmのサイピングが、タイヤ周方向に隔設される。サイピング7は、タイヤ軸方向に対し10〜45°で傾斜する。サイピング7のタイヤ軸方向の両端部9、9は、主溝3又はトレッド接地端Teに連通し、サイピングの両端部9、9には、深さが、サイピング7の中央部11の深さよりも小さい浅底部10が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、サイピングを有する空気入りタイヤに関し、より詳しくはウェット性能の低下を抑制しつつ、サイプ底部でのクラックを防止させた空気入りタイヤに関する。
トレッド部に、加硫金型のナイフブレードによって設けられたサイピングが配された空気入りタイヤが知られている。このようなサイピングは、一定のサイプ幅を有するため、サイピングのエッジによってワイピング効果を発揮して、ウェット性能を向上させる。
しかしながら、この種のサイピングでは、走行時の荷重によって、サイピングが大きく開くため、サイプ底部に大きな応力が集中し、この部分でクラックが発生し易いという問題があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、加硫金型のナイフブレードではなく、鋭利な刃部で切り込まれたサイピングを採用し、かつ、その両端部に浅底部を設けることを基本として、ウェット性能の低下を抑制しつつ、サイプ底部でのクラックを防止させた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる主溝が複数本設けられることにより、前記主溝間及び前記主溝とトレッド接地端との間に複数の陸部が形成された空気入りタイヤであって、前記各陸部は、サイプ幅が0mmのサイピングが、タイヤ周方向に隔設され、前記サイピングは、タイヤ軸方向に対し10〜45°で傾斜し、該サイピングのタイヤ軸方向の両端部は、前記主溝又は前記トレッド接地端に連通し、前記サイピングの両端部には、深さが、サイピングの中央部の深さよりも小さい浅底部が形成されていることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記浅底部のタイヤ軸方向の長さは、前記浅底部が形成されている前記陸部のタイヤ軸方向の陸部幅の12.5%〜25.0%である請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記サイピングは、タイヤ軸方向で隣り合う陸部に夫々に隔設され、該陸部間の主溝のタイヤ軸方向両側に設けられた前記浅底部のタイヤ軸方向の長さの差が2.0mm以下である請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記浅底部は、サイピングに沿った断面において、トレッド部の外面に対して±5°の角度で直線状にのびている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記陸部は、タイヤ軸方向に対して10°以下の角度の複数本の横溝が設けられることにより複数のブロックがタイヤ周方向に隔設されたブロック列であり、前記ブロックは、タイヤ周方向の両端側に配された一対の外側サイピングを含む前記サイピングがタイヤ周方向に複数本設けられ、一対の前記外側サイピング間のタイヤ周方向長さは、前記外側サイピングと前記ブロックのタイヤ周方向外側の端縁であるブロック縁とで区分されたブロック端片のタイヤ周方向の最小長さの1.2〜2.5倍である請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤでは、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる主溝が複数本設けられることにより、主溝間及び主溝とトレッド接地端との間に複数の陸部が形成される。各陸部は、サイプ幅が0mm、即ち、サイプ幅を有しないサイピングが、タイヤ周方向に隔設される。このため、サイピングで区分された陸部片同士が常に支え合い、陸部の剛性が大きく確保される。従って、サイプ底部でのクラックが防止されるとともに、耐偏摩耗性能が向上する。また、走行時には、タイヤの転動により、サイピングが開く。このため、サイピングのエッジによるワイピング効果が発揮され、ウェット性能が確保される。
また、サイピングは、タイヤ軸方向に対し10〜45°で傾斜する。これにより、走行時、とりわけ直進走行時の荷重が分散されるため、さらにサイプ底部でのクラックが防止される。
また、サイピングのタイヤ軸方向の両端部は、主溝又はトレッド接地端に連通し、サイピングの両端部には、深さが、サイピングの中央部の深さよりも小さい浅底部が形成されている。このようなサイピングは、両端部の剛性が高く確保されるため、より一層、サイプ底部でのクラックが抑制される。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、例えばトラック・バス用の重荷重用タイヤとして好適に利用され、そのトレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝3と、該主溝3と交差する向きにのびる複数本の横溝4とが設けられる。本実施形態では、主溝3は、タイヤ赤道Cの両側をのびる1対のセンター主溝3Aと、該センター主溝3Aのタイヤ軸方向外側をのびる一対のショルダー主溝3Bとからなる。また、本実施形態の横溝4は、複数本のセンター横溝4Aと複数本のミドル横溝4Bと複数本のショルダー横溝4Cからなる。センター横溝4Aは、センター主溝3A、3A間を継いでいる。ミドル横溝4Bは、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとを継いでいる。ショルダー横溝4Cは、ショルダー主溝3Bとトレッド接地端Teとの間を継いでいる。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)は、例えばトラック・バス用の重荷重用タイヤとして好適に利用され、そのトレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる複数本の主溝3と、該主溝3と交差する向きにのびる複数本の横溝4とが設けられる。本実施形態では、主溝3は、タイヤ赤道Cの両側をのびる1対のセンター主溝3Aと、該センター主溝3Aのタイヤ軸方向外側をのびる一対のショルダー主溝3Bとからなる。また、本実施形態の横溝4は、複数本のセンター横溝4Aと複数本のミドル横溝4Bと複数本のショルダー横溝4Cからなる。センター横溝4Aは、センター主溝3A、3A間を継いでいる。ミドル横溝4Bは、センター主溝3Aとショルダー主溝3Bとを継いでいる。ショルダー横溝4Cは、ショルダー主溝3Bとトレッド接地端Teとの間を継いでいる。
これにより、トレッド部2には、主溝3と横溝4とで区分される複数個のブロック5が配される。本実施形態では、トレッド部2は、センターブロック列5A1と、ミドルブロック列5B1と、ショルダーブロック列5C1とが配される。センターブロック列5A1は、一対のセンター主溝3A及びセンター横溝4Aにより区分される複数個のセンターブロック5Aがタイヤ周方向に並んで形成されている。ミドルブロック列5B1は、センター主溝3A、ショルダー主溝3B及びミドル横溝4Bにより区分される複数個のミドルブロック5Bがタイヤ周方向に並んで形成されている。ショルダーブロック列5C1は、ショルダー主溝3B、トレッド接地端Te及びショルダー横溝4Cにより区分される複数個のショルダーブロック5Cがタイヤ周方向に並んで形成されている。なお、トレッド部2は、このようなパターン形状に限定されるものではなく、例えば、リブ列を含んでも良い。
ここで、前記「トレッド接地端」Teは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。そして、このトレッド接地端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離が接地幅TWとして定められる。また、タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない場合、前記正規状態での値とする。
また前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。
また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
前記主溝3は、タイヤ周方向に沿った直線状をなす。このような主溝3は、排水抵抗が小さいため、主溝3内の排水をスムーズにタイヤ回転方向後着側に排出できる。なお、主溝3は、このような態様に限定されるものではなく、例えば波状やジグザグ状等種々の形状に変えることができる。
前記横溝4は、タイヤ軸方向に対して10°以下の角度θ1で形成されるのが望ましい。このような横溝4によって区分されるブロック5は、横剛性が大きくなるとともに、タイヤ軸方向のエッジ効果を大きく発揮するため、偏摩耗が抑制されるとともに、駆動性能や制動性能が高められる。本実施形態の横溝4A乃至4Cは、タイヤ軸方向に対する角度θ1が0°かつ直線状で形成されている。
主溝3の溝幅(溝の長手方向と直角な溝幅で、以下、他の溝についても同様とする。)W1及び溝深さD1(図2に示す)や横溝4の溝幅W2及び溝深さ(図示せず)については、慣例に従って種々定めることができる。しかしながら、これらの溝幅又は溝深さが小さくなるとウェット性能が悪化するおそれがある。逆に、これらの溝幅又は溝深さが大きくなると各ブロック5A乃至5Cの剛性が低下するおそれがある。このため、主溝3の溝幅W1は、例えば、接地幅TWの2%〜8%が望ましい。主溝3の溝深さD1は15〜20mmが望ましい。同様に、横溝4の溝幅W2は、例えば、接地幅TWの1%〜5%が望ましい。横溝4の溝深さは10〜15mmが望ましい。
また、各ブロック5A乃至5Cの剛性とウェット性能とをバランスよく確保するため、センター主溝3Aの溝中心線G1とタイヤ赤道Cとの間のタイヤ軸方向距離L1は、接地幅TWの5%〜15%が望ましい。同様の観点より、ショルダー主溝3Bの溝中心線G2とタイヤ赤道Cとの間のタイヤ軸方向距離L2は、接地幅TWの25%〜35%が望ましい。
前記ブロック5には、加硫済みのタイヤに、鋭利な刃部をトレッド踏面2Aからタイヤ半径方向内側に移動させて切り込むことにより形成されたサイピング7が、タイヤ周方向に隔設される。このようなサイピング7は、例えば、加硫金型のナイフブレード(図示せず)によって加硫成形されたサイピングとは異なり、サイプ幅を有しない(即ち、サイプ幅は0mmである)。従って、このようなサイピング7を有するブロック5は、サイピング7で区分されたブロック片同士が互いに支え合い、剛性が大きく確保され、サイプ底部7s(図2に示す)でのクラックが防止されるとともに、耐偏摩耗性能が向上する。また、走行時には、タイヤの転動により、サイピング7が開く。このため、サイピング7のエッジによるワイピング効果が発揮され、ウェット性能が確保される。なお、本実施形態のサイピング7は、加硫成形後のタイヤに、例えば、周知の自動切り込み機を用いた機械加工によって設けられる。
本実施形態では、全てのブロック5A乃至5Cにサイピング7が配される。これにより、上述の作用がより効果的に発揮される。
また、本実施形態のサイピング7は、直線状にのびている。このようなサイピング7は、ブロック5の剛性を確保しつつワイピング効果を高めるのに役立つ。
サイピング7のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、10〜45°に限定される。即ち、サイピング7の角度θ2が45°を超えると、サイピング7の実長さが大きくなるため、ワイピング効果が小さくなり、ウェット性能が悪化する。逆に、サイピング7の角度θ2が10°未満になると、直進走行時のサイプ底部7sへの荷重が分散されず、サイプ底部7sでのクラックを抑制できない。このため、前記角度θ2は、好ましくは20°以上、より好ましくは25°以上であり、好ましくは40°以下、より好ましくは35°以下である。
図2には、図1のX−X断面図が示される。ここでは、各ブロック5A乃至5Cのサイピング7に沿った断面が示される。図2に示されるように、本実施形態の各サイピング7は、タイヤ軸方向の両端部9、9が、主溝3又はトレッド接地端Teに連通したオープンタイプである。このようなサイピング7は、トレッド踏面2Aの水膜をエッジによるワイピング効果によって、スムーズに主溝3又はトレッド接地端Teへと排出するため、ウェット性能がさらに向上する。
本実施形態のサイピング7の両端部9、9には、サイピング7の中央部11の深さDcよりも小さい深さDaの浅底部10が形成されている。これにより、大きな荷重の作用するサイピング7の両端部9、9側の剛性が高く確保されるため、より一層、サイプ底部7sでのクラックが抑制される。
浅底部10は、本実施形態では、サイピング7に沿った断面において、トレッド部2の外面2Tに対して±5°の角度α1で直線状にのびている。これにより、各ブロック5A乃至5Cの両端部9、9の各浅底部10、10に対して、接地圧が均等に作用するため、各ブロック5A乃至5Cのタイヤ軸方向両側での偏摩耗を抑制することができる。なお、トレッド部2の外面2Tとは、サイピング7に沿った断面に表される各ブロック5A乃至5Cの踏面とする。図2には、外面2Tと平行な面2Taが仮想線として示される。
上述の作用を効果的に発揮させるため、中央部11も、サイピング7に沿った断面において、トレッド部2の外面2Tに対して±5°の角度α2で直線状にのびるのが望ましい。
また、浅底部10の深さDaは、好ましくは中央部11の深さDcの0.50倍以上、より好ましくは0.55倍以上であり、好ましくは0.70倍以下、より好ましくは0.65倍以下である。即ち、浅底部10の深さDaが大きくなると、両端部9、9の剛性を確保できない。逆に、浅底部10の深さDaが小さくなると、ワイピング効果が小さくなり、主溝3やトレッド接地端Teへブロック5の水膜を排出できないおそれがある。なお、中央部11の深さDcが変化する場合、該深さDcは、中央部11での最大の深さで定義される。
中央部11の深さDcは、好ましくは主溝3の溝深さD1の0.5倍以上、より好ましくは0.6倍以上であり、好ましくは1.0倍以下、より好ましくは0.9倍以下が望ましい。これにより、ブロック5の剛性を高く確保しつつ、ワイピング効果を高めることができる。
本実施形態では、浅底部10と中央部11とは、タイヤ半径方向内側に向って凸となる円弧を含んで滑らかに接続されている。これにより、ブロック5の曲げ剛性が高められ、サイプ底部7sでのクラックがさらに抑制される。
図3には、ミドルブロック5B及びショルダーブロック5Cの平面図が示される。浅底部10のタイヤ軸方向の長さhは、該浅底部10が形成されているブロック5のタイヤ軸方向の陸部幅Lmの好ましくは12.5%以上、より好ましくは17.0%以上であり、好ましくは25.0%以下、より好ましくは21.0%以下である。即ち、浅底部10の長さhが大きくなると、ワイピング効果が小さくなり、ウェット性能が悪化するおそれがある。逆に、浅底部10の長さhが小さくなると、ブロック5の剛性が確保されず、サイプ底部7sでのクラックを抑制できないおそれがある。
タイヤ軸方向で隣り合うブロック5、5間の主溝3(本図では、ショルダー主溝3B)のタイヤ軸方向両側に設けられた浅底部10a、10bのタイヤ軸方向の長さの差の絶対値|h1−h2|は、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。即ち、浅底部10、10のタイヤ軸方向の長さの差|h1−h2|が大きくなると、タイヤ軸方向で隣り合うブロック5、5間の主溝3近傍の剛性差が大きくなり、これらのブロック5、5で偏摩耗が生じやすくなる。
同様の観点より、サイピング7の両端部9、9の浅底部10b、10c(本図では、ショルダーブロック5Cに設けられた浅底部10)のタイヤ軸方向の長さの差の絶対値|h2−h3|は、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
また、各ブロック5は、タイヤ周方向の両端側に配された一対の外側サイピング12、12を含むサイピング7がタイヤ周方向に複数本設けられている。これにより、ワイピング効果がさらに発揮され、ウェット性能が一層向上する。本実施形態では、ブロック5A乃至5Cには、一対の外側サイピング12、12と、該一対の外側サイピング12、12間に配された1本の内側サイピング13とからなる3本のサイピング7が夫々設けられる。
一対の外側サイピング12、12間のタイヤ周方向距離Lbは、ブロック端片14のタイヤ周方向の最小長さLaの好ましくは1.2倍以上、より好ましくは1.4倍以上であり、好ましくは2.5倍以下、より好ましくは2.2倍以下である。ブロック端片14は、外側サイピング12とブロック5のタイヤ周方向外側の端縁であるブロック縁5eとで区分されたブロック5の一部である。即ち、前記タイヤ周方向距離Lbが前記最小長さLaに比して小さくなると、一対の外側サイピング12、12及び内側サイピング13が同時に接地し易くなるのでブロック5の一対の外側サイピング12、12間の剛性が小さくなる。このため、外側サイピング12と内側サイピング13との開きが大きくなり、サイプ底部7sにクラックが生じやすくなる。逆に、一対の外側サイピング12、12間のタイヤ周方向距離Lbがブロック端片14のタイヤ周方向の最小長さLaに比して大きくなると、該ブロック端片14の剛性が小さくなる。このため、外側サイピング12のサイプ底部7sでのクラックやブロック端片14のブロック縁5eでの偏摩耗が生じやすくなる。
上述の作用を、より効果的に発揮させるため、前記タイヤ周方向距離Lbは、ブロック5のタイヤ周方向長さLsの好ましくは0.3倍以上、より好ましくは0.4倍以上であり、好ましくは0.7倍以下、より好ましくは0.6倍以下である。
なお、内側サイピング13の本数は、1本に限定されることなく2本以上でもよい。しかしながら、内側サイピング13の本数が多くなると、ブロック5の剛性が小さくなり、サイプ底部7sでのクラックや偏摩耗を抑制できないおそれがある。このため、本実施形態のように、ブロック5のタイヤ周方向長さLsが、25〜50mmの場合、内側サイピング13は、1〜45本が望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1のパターンを有しかつ表1の仕様に基づいた重荷重用の空気入りタイヤ(サイズ:11R22.5)が試作された。そして、この各試供タイヤについて、耐偏摩耗性能(段差摩耗性能)、サイプ底部のクラック、及びウェット性能についてテストがされた。なお、比較例1のサイピングは、加硫金型のブレードで加硫成形され、その他の例のサイピングは、タイヤを加硫成形した後に、刃部の切り込みによって製作された。また、主な共通仕様は以下の通りである。
リムサイズ:8.5×22.5
接地幅TW:260mm
<主溝>
溝幅W1/接地幅TW:3.5%
溝深さD1:20.0mm
<横溝>
溝幅W2/接地幅TW:5.6%
溝深さ:14.5mm
<サイピング>
中央部での深さDc(最大):14.0mm
比較例1のサイプ幅:0.4mm
テストの方法は、次の通りである。
リムサイズ:8.5×22.5
接地幅TW:260mm
<主溝>
溝幅W1/接地幅TW:3.5%
溝深さD1:20.0mm
<横溝>
溝幅W2/接地幅TW:5.6%
溝深さ:14.5mm
<サイピング>
中央部での深さDc(最大):14.0mm
比較例1のサイプ幅:0.4mm
テストの方法は、次の通りである。
<段差摩耗性能>
各試供タイヤを10屯積み2−DD車(後輪駆動)の全輪に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースを下記条件にて、10000km走行させた。そして、各センターブロックの浅底部を挟んでタイヤ周方向両側のブロック片の摩耗量(浅底部の中心の位置)の差を測定し、その平均値が算出された。結果は、実施例1の摩耗量の差の逆数の平均を100とする指数で表示され、数値が大きいほど、段差摩耗量が少なく良好であることを示す。
内圧:830kPa
荷重:JATMAの最大負荷能力
速度:80km/h
各試供タイヤを10屯積み2−DD車(後輪駆動)の全輪に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースを下記条件にて、10000km走行させた。そして、各センターブロックの浅底部を挟んでタイヤ周方向両側のブロック片の摩耗量(浅底部の中心の位置)の差を測定し、その平均値が算出された。結果は、実施例1の摩耗量の差の逆数の平均を100とする指数で表示され、数値が大きいほど、段差摩耗量が少なく良好であることを示す。
内圧:830kPa
荷重:JATMAの最大負荷能力
速度:80km/h
<サイプ底部でのクラック>
上記走行後、浅底部からブロック壁面にのびたクラックが調べられた。結果は、ブロック壁面のサイプ底部からのびたクラックのタイヤ半径方向長さの実測値(mm)で示され、数値が小さい程、クラックの発生が抑制され、良好である。
上記走行後、浅底部からブロック壁面にのびたクラックが調べられた。結果は、ブロック壁面のサイプ底部からのびたクラックのタイヤ半径方向長さの実測値(mm)で示され、数値が小さい程、クラックの発生が抑制され、良好である。
<ウェット性能>
半径100mのアスファルト路面のテストコースに、水深10mm、長さ20mの水たまりを設けた。上記テスト車両を速度を70km/hから90km/hまで、10km/hピッチで段階的に増加させながら水たまりに進入させ、そのときの横加速度(横G)が計測され、前輪の平均横Gが算出された。なお、内圧及び荷重は上述のテストと同じ値である。結果は、実施例1の平均横Gを100とする指数で表示され、数値が大きいほど良好であることを示す。
テストの結果は、表1に示される。
半径100mのアスファルト路面のテストコースに、水深10mm、長さ20mの水たまりを設けた。上記テスト車両を速度を70km/hから90km/hまで、10km/hピッチで段階的に増加させながら水たまりに進入させ、そのときの横加速度(横G)が計測され、前輪の平均横Gが算出された。なお、内圧及び荷重は上述のテストと同じ値である。結果は、実施例1の平均横Gを100とする指数で表示され、数値が大きいほど良好であることを示す。
テストの結果は、表1に示される。
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて各種性能が向上していることが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2A トレッド踏面
3 主溝
7 サイピング
9 サイピングの両端部
10 浅底部
11 サイピングの中央部
Te トレッド接地端
2 トレッド部
2A トレッド踏面
3 主溝
7 サイピング
9 サイピングの両端部
10 浅底部
11 サイピングの中央部
Te トレッド接地端
Claims (5)
- トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる主溝が複数本設けられることにより、前記主溝間及び前記主溝とトレッド接地端との間に複数の陸部が形成された空気入りタイヤであって、
前記各陸部は、サイプ幅が0mmのサイピングが、タイヤ周方向に隔設され、
前記サイピングは、タイヤ軸方向に対し10〜45°で傾斜し、
該サイピングのタイヤ軸方向の両端部は、前記主溝又は前記トレッド接地端に連通し、
前記サイピングの両端部には、深さが、サイピングの中央部の深さよりも小さい浅底部が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記浅底部のタイヤ軸方向の長さは、前記浅底部が形成されている前記陸部のタイヤ軸方向の陸部幅の12.5%〜25.0%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイピングは、タイヤ軸方向で隣り合う陸部に夫々に隔設され、該陸部間の主溝のタイヤ軸方向両側に設けられた前記浅底部のタイヤ軸方向の長さの差が2.0mm以下である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- 前記浅底部は、前記サイピングに沿った断面において、前記トレッド部の外面に対して±5°の角度で直線状にのびている請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 前記陸部は、タイヤ軸方向に対して10°以下の角度の複数本の横溝が設けられることにより複数のブロックがタイヤ周方向に隔設されたブロック列であり、
前記ブロックは、タイヤ周方向の両端側に配された一対の外側サイピングを含む前記サイピングがタイヤ周方向に複数本設けられ、
一対の前記外側サイピング間のタイヤ周方向長さは、前記外側サイピングと前記ブロックのタイヤ周方向外側の端縁であるブロック縁とで区分されたブロック端片のタイヤ周方向の最小長さの1.2〜2.5倍である請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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