(実施形態1)
以下、本実施形態の電源装置100について、図1を参照しながら説明する。
電源装置100は、光源部200を点灯させるように構成されている。
光源部200は、複数の固体発光素子21を備えている。複数の固体発光素子21の各々は、LED(Light Emitting Diode)である。複数の固体発光素子21の電気的な接続関係は、直列接続である。複数の固体発光素子21それぞれの発光色は、白色である。
電源装置100は、ダイオードブリッジ11と、コンバータ12と、制御部13とを備えている。コンバータ12は、トランスT1を備えている。トランスT1は、1次巻線L1と、2次巻線L2とを有している。
ダイオードブリッジ11の一対の入力端は、交流電源50と電気的に接続される。交流電源50は、所定範囲内(例えば、90〜270V)の交流電圧を出力するように構成されている。言い換えれば、ダイオードブリッジ11の一対の入力端間には、上記所定範囲内の交流電圧が印加されるように構成されている。ダイオードブリッジ11の一対の出力端は、後述の一対の入力端子1A,1Bと電気的に接続されている。
コンバータ12は、SEPICである。コンバータ12は、一対の入力端子1A,1Bと、一対の出力端子2A,2Bとを具備する。また、コンバータ12は、コンデンサC1と、1次巻線(以下、「第1インダクタ」)L1及びスイッチング素子Q1の直列回路とを具備する。さらに、コンバータ12は、コンデンサC2及び2次巻線(以下、「第2インダクタ」)L2の直列回路と、ダイオードD1及びコンデンサC3の直列回路とを具備する。本実施形態では、コンデンサC1と第1インダクタL1とスイッチング素子Q1との直列回路が、コンデンサC1と第1インダクタL1とスイッチング素子Q1とを有する閉回路に相当する。
一対の入力端子1A,1B間には、コンデンサC1が電気的に接続されている。一対の出力端子2A,2B間には、コンデンサC3が電気的に接続されている。また、一対の出力端子2A,2B間には、光源部200が電気的に接続される。
コンデンサC2は、一対の入力端子1A,1Bと一対の出力端子2A,2Bとを直流的に絶縁するカップリングコンデンサである。コンデンサC2の1次側の端子は、第1インダクタL1と電気的に接続されている(第1インダクタL1と直接的または間接的に接続されている)。コンデンサC2の2次側の端子は、第2インダクタL2と電気的に接続されている(第2インダクタL2と直接的または間接的に接続されている)。
コンバータ12は、コンデンサC1の両端電圧をスイッチング素子Q1の動作(スイッチング動作)により直流の出力電圧に変換して一対の出力端子2A,2Bから上記出力電圧を出力するように構成されている。
スイッチング素子Q1は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。なお、図1中のスイッチング素子Q1の図記号のダイオードは、寄生ダイオードを表している。
スイッチング素子Q1のドレイン端子は、第1インダクタL1の一端1aと電気的に接続されている。第1インダクタL1の他端1bは、コンデンサC1の高電位側の端子と電気的に接続されている。本実施形態では、第1インダクタL1の他端1bとコンデンサC1の高電位側の端子との間に、逆流防止部14が設けられている。言い換えれば、コンバータ12は、逆流防止部14をさらに具備する。なお、逆流防止部14の詳細については、後述する。
スイッチング素子Q1のゲート端子は、制御部13と電気的に接続されている。スイッチング素子Q1のソース端子は、コンデンサC1の低電位側の端子と電気的に接続されている。
スイッチング素子Q1のドレイン端子は、コンデンサC2の1次側の端子と電気的に接続されている。コンデンサC2の2次側の端子は、第2インダクタL2の一端2aと電気的に接続されている。第2インダクタL2の他端2bは、コンデンサC1の低電位側の端子と電気的に接続されている。また、第2インダクタL2の他端2bは、スイッチング素子Q1のソース端子と電気的に接続されている。
また、コンデンサC2の2次側の端子は、ダイオードD1のアノードと電気的に接続されている。ダイオードD1のカソードは、コンデンサC3の高電位側の端子と電気的に接続されている。コンデンサC3の低電位側の端子は、スイッチング素子Q1のソース端子と電気的に接続されている。
電源装置100では、第1インダクタL1及び第2インダクタL2がトランス結合(強結合)されており、第1インダクタL1及び第2インダクタL2の結合係数は、例えば、0.98である。
コンデンサC1及びコンデンサC2それぞれの静電容量は、コンバータ12において高い力率(例えば、0.95以上)を得るために、100nF以下に設定されている。なお、コンデンサC1及びコンデンサC2の静電容量は、互いに同じ値であってもよいし、互いに異なる値であってもよい。
制御部13は、コンバータ12を制御するように構成されている。具体的に説明すると、制御部13は、制御信号によりスイッチング素子Q1を制御するように構成されている。制御信号は、PWM(Pulse Width Modulation)信号である。
制御部13は、例えば、マイクロプロセッサである。マイクロプロセッサは、メモリを備えている。メモリには、プログラムが記録されている。プログラムは、マイクロプロセッサを制御部13として機能させるためのプログラムである。このプログラムには、電源装置100を動作させる動作モード等が記述されている。なお、プログラムは、マイクロプロセッサのメモリに記録されているが、これに限らず、例えば、メモリカード等の記録媒体に記録して提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。
制御部13は、スイッチング素子Q1を不連続モードで動作(スイッチング動作)させるように構成されている。より詳細には、制御部13は、ダイオードブリッジ11の一対の入力端間に上記所定範囲内のいずれの交流電圧が印加されたとしても、スイッチング素子Q1を不連続モードで動作させるように構成されている。これにより、電源装置100では、ダイオードD1に流れる電流がゼロになった後に制御部13がスイッチング素子Q1をオンすることが可能になるので、ダイオードD1にリカバリ電流が発生するのを抑制可能となる。すなわち、電源装置100では、ダイオードD1の損失(リカバリ損失)が発生するのを抑制可能となる。要するに、電源装置100では、ダイオードD1のソフトスイッチングが可能になる。なお、不連続モードとは、第1インダクタL1に流れる電流IL1がゼロになる期間が発生するように、スイッチング素子Q1を動作させる動作モードを意味する。
逆流防止部14は、コンデンサC1と第1インダクタL1とスイッチング素子Q1とを有する閉回路に、コンデンサC1の放電電流と逆向きの電流が流れるのを防止するように構成されている。
逆流防止部14は、ダイオードである。この逆流防止部14は、コンデンサC1の両端間において、コンデンサC1の放電電流を通過させる向きに、第1インダクタL1及びスイッチング素子Q1と電気的に直列接続されている。具体的に接続すると、逆流防止部14のアノードは、コンデンサC1の高電位側の端子と電気的に接続されている。逆流防止部14のカソードは、第1インダクタL1の他端1bと電気的に接続されている。逆流防止部14として例示したダイオードは、コンバータ12の回路(より詳細には、上記閉回路)内の共振電流を抑制するためのダイオードである。
以下、本実施形態の電源装置100の動作について、図1に基づいて簡単に説明する。なお、電源装置100の動作は、コンバータ12の動作が主な動作であって、コンバータ12の動作は、一般的なSEPICの動作と同じである。
電源装置100では、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態になると、コンデンサC1の高電位側の端子、逆流防止部14、第1インダクタL1、スイッチング素子Q1、コンデンサC1の低電位側の端子の経路で電流が流れる。また、電源装置100では、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態になると、コンデンサC2の1次側の端子、スイッチング素子Q1、第2インダクタL2、コンデンサC2の2次側の端子の経路で電流が流れる。すなわち、電源装置100では、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態になると、第1インダクタL1及び第2インダクタL2にエネルギーが蓄積される。
一方、電源装置100では、スイッチング素子Q1がオン状態からオフ状態になると、第1インダクタL1に逆起電力が発生する。これにより、電源装置100では、第1インダクタL1の一端1a、コンデンサC2、ダイオードD1、コンデンサC3、コンデンサC1、逆流防止部14、第1インダクタL1の他端1bの経路で電流が流れる。
また、電源装置100では、スイッチング素子Q1がオン状態からオフ状態になると、第2インダクタL2に逆起電力が発生する。これにより、電源装置100では、第2インダクタL2の一端2a、ダイオードD1、コンデンサC3、第2インダクタL2の他端2bの経路で電流が流れる。
以下、逆流防止部14を備えていない点のみが本実施形態の電源装置100と相違する比較例の電源装置(以下、「比較例1の電源装置」)90について、図2に基づいて説明する。
比較例1の電源装置90の基本構成は、図2に示すように、電源装置100と同じ構成である。なお、比較例1の電源装置90では、電源装置100と共通する構成要素に同一の符号を付して説明を適宜省略する。なお、図2中のL1rは、第1インダクタL1の漏れインダクタンスを表している。また、図2中のL2rは、第2インダクタL2の漏れインダクタンスを表している。
比較例1の電源装置90において、トランスT1の漏れインダクタンスとコンバータ12のキャパシタンスとで決まる振動周波数と、スイッチング素子Q1の駆動周波数とが近い値(例えば、上記駆動周波数の5%の誤差範囲内)になる場合がある。詳細には、比較例1の電源装置90において、上記振動周波数及び上記駆動周波数は、上記振動周波数をA、上記駆動周波数をBとするとき、A=n×Bの式(関係式)を満たす場合がある。なお、nは、自然数を表す。トランスT1の漏れインダクタンスは、第1インダクタL1の漏れインダクタンスL1rと第2インダクタL2の漏れインダクタンスLr2との合成インダクタンスである。コンバータ12のキャパシタンスは、コンデンサC1のキャパシタンスとコンデンサC2のキャパシタンスとの合成キャパシタンスである。
比較例1の電源装置90では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合に、トランスT1の漏れインダクタンスとコンバータ12のキャパシタンスとの共振回路によって、第1インダクタL1の電流IL1が振動する(図3参照)。なお、図3中のId1は、スイッチング素子Q1のドレイン電流の波形を表している。図3中のID1は、ダイオードD1に流れる電流の波形を表している。図3中のIL2は、第2インダクタL2に流れる電流の波形を表している。図3中のVds1は、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧の波形を表している。
図3中の電流IL1の波形図から分かるように、比較例1の電源装置90では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、第1インダクタL1の電流IL1が逆流する期間(図3中のTx1期間)がある。言い換えれば、比較例1の電源装置90において、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、コンデンサC1の放電電流と逆向きの電流が流れることがある。すなわち、電源装置90では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、図2に示すように、コンバータ12の一対の入力端子1A,1Bから一対の出力端子2A,2Bへの電力伝達に寄与しない電流(無効電流)Irが流れる場合がある。その結果、比較例1の電源装置90では、コンバータ12の回路内の共振電流に起因して、電力伝達の効率が低下する可能性がある。なお、電力伝達の効率とは、電源装置100の出力側の電力を電源装置100の入力側の電力で除算した値で表される比率を意味する。
本実施形態の電源装置100では、図1に示すように、コンデンサC1の高電位側の端子と第1インダクタL1の他端1bとの間に、逆流防止部14が設けられている。よって、電源装置100では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、第1インダクタL1に流れる電流IL1が逆流するのを抑制することが可能になる(図4参照)。言い換えれば、電源装置100では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、図2に示すような無効電流Irが流れるのを抑制することが可能になる。その結果、電源装置100では、比較例1の電源装置90に比べて、コンバータ12の回路内の共振電流を抑制することが可能となり、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。なお、図4中のId1,ID1,IL2,Vds1は、図3中のId1,ID1,IL2,Vds1と同じである。
本実施形態の電源装置100では、第1インダクタL1及び第2インダクタL2がトランス結合されているので、トランス結合しない場合に比べて、回路基板における第1インダクタL1及び第2インダクタL2の占有面積を小さくすることが可能になる。つまり、電源装置100では、小型化を図ることが可能になる。また、電源装置100では、無効電流Irが流れるのを抑制することができるので、比較例1の電源装置90に比べて、コンバータ12の回路内の共振電流を抑制することが可能となり、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。すなわち、本実施形態の電源装置100では、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。
本実施形態の電源装置100では、トランスT1の巻数比が1よりも小さい場合、後述の所定期間に、第2インダクタL2に流れる電流IL2の共振が助長されることがあった。トランスT1の巻数比は、第2インダクタL2の巻数を第1インダクタL1の巻数で除算した値で表される。つまり、トランスT1の巻数比が1よりも小さい場合とは、第2インダクタL2の巻数が第1インダクタL1の巻数よりも少ない場合であって、第2インダクタL2のインピーダンスが第1インダクタL1のインピーダンスよりも小さい場合を意味する。所定期間は、スイッチング素子Q1がオン状態になった時点から逆流防止部14が非導通状態になった時点までの期間である。
また、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1よりも小さい場合、図5に示すように、トランスT1の巻数比が小さくなるに従って、第2インダクタL2に流れる電流IL2の実効値が増加する。なお、図5中のX1,X2,X3,X4,X5は、それぞれ第2インダクタL2のインダクタンスが100μH,250μH,300μH,350μH,400μHの場合の特性を表している。
電源装置100では、第1インダクタL1及び第2インダクタL2がトランス結合されているので、第2インダクタL2に流れる電流IL2が共振すると、第1インダクタL1に流れる電流IL1も共振する。その結果、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1よりも小さい場合、電力伝達の効率が低下する可能性がある。また、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1よりも小さい場合、図6に示すように、トランスT1の巻数比が小さくなるに従って、スイッチング素子Q1のドレイン電流のピーク値が増加する。そのため、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1よりも小さく、かつ、一対の出力端子2A,2Bから所定の出力電圧を得る場合、図7に示すように、トランスT1の巻数比が小さくなるに従って、制御信号のデューティ比を減少させる必要がある。なお、図6中のY1,Y2,Y3,Y4,Y5は、図5中のX1,X2,X3,X4,X5と同じである。また、図7中のZ1,Z2,Z3,Z4,Z5は、図5中のX1,X2,X3,X4,X5と同じである。
そこで、トランスT1の巻数比は、1以上であることが好ましく、1よりも大きいことがより好ましい。この場合、電源装置100では、第2インダクタL2のインピーダンスが第1インダクタL1のインピーダンスよりも大きくなるので、第2インダクタL2に流れる電流IL2の共振を抑制することが可能になる。これにより、電源装置100では、第1インダクタL1に流れる電流IL1の共振も抑制することが可能となり、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。すなわち、電源装置100では、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になる。
また、電源装置100では、図5及び図6に示す相関図から分かるように、トランスT1の巻数比が1以上になると、第2インダクタL2に流れる電流IL2の実効値及びスイッチング素子Q1のドレイン電流のピーク値が略一定となる。また、電源装置100では、図7に示す相関図から分かるように、トランスT1の巻数比が1以上になると、制御信号のデューティ比が略一定となる。すなわち、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1以上で、かつ、コンバータ12の一対の出力端子2A,2Bから所定の出力電圧を得る場合、トランスT1の巻数比に従って制御信号のデューティ比を変化させる必要がない。言い換えれば、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1以上である場合、トランスT1の巻数比に関わらず、コンバータ12の一対の出力端子2A,2Bから所定の出力電圧を得やすくなる。その結果、電源装置100では、トランスT1の巻数比が1以上である場合、コンバータ12の一対の出力端子2A,2Bからの出力電圧の電圧値を変更しやすくなる。よって、電源装置100では、トランスT1の巻数比を1以上にすることで、小型化を図りながらも電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になり、かつ、光源部200の光出力を変更しやすくなる。なお、制御部13は、光源部200の調光レベルがいずれの調光レベルであったとしても、スイッチング素子Q1を不連続モードで動作させるように構成されていることが望ましい。光源部200の調光レベルとは、光源部200の光出力の度合い(程度)を意味し、光源部200が全点灯するときの調光レベルを100%と定義する。
以上説明した本実施形態の電源装置100は、コンバータ12と、制御部13とを備えている。コンバータ12は、一対の入力端子1A,1B、一対の出力端子2A,2B、1次巻線L1及び2次巻線L2が磁気的に結合されたトランスT1、コンデンサC1、及びスイッチング素子Q1を具備する。制御部13は、スイッチング素子Q1を制御するように構成されている。一対の入力端子1A,1B間には、コンデンサC1が電気的に接続されている。コンバータ12は、コンデンサC1の両端電圧をスイッチング素子Q1のスイッチング動作により直流の出力電圧に変換して一対の出力端子2A,2Bから上記出力電圧を出力するように構成されている。コンバータ12は、コンデンサC1と1次巻線L1とスイッチング素子Q1とを有する閉回路にコンデンサC1の放電電流と逆向きの電流が流れるのを防止する逆流防止部14を、さらに具備する。
これにより、電源装置100では、振動周波数と駆動周波数とが上記関係式を満たす場合に逆流防止部14にて無効電流Irが流れるのを抑制することができるので、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。
コンバータ12は、上述のように、一対の入力端子1A,1Bと一対の出力端子2A,2Bとを直流的に絶縁するカップリングコンデンサC2を、さらに具備することが好ましい。カップリングコンデンサC2の1次側の端子は、1次巻線L1と電気的に接続されていることが好ましい。カップリングコンデンサC2の2次側の端子は、2次巻線L2と電気的に接続されていることが好ましい。これにより、電源装置100では、一対の入力端子1A,1Bに電気的に接続されたダイオードブリッジ11と、一対の出力端子2A,2Bに電気的に接続された光源部200とを直流的に絶縁できる。
2次巻線L2の巻数を1次巻線L1の巻数で除算した値で表されるトランスT1の巻数比は、1以上であることが好ましい。これにより、電源装置100では、第2インダクタL2のインピーダンスが第1インダクタL1のインピーダンスよりも大きくなるので、第2インダクタL2に流れる電流IL2の共振を抑制することが可能になる。よって、電源装置100では、第1インダクタL1に流れる電流IL1の共振も抑制することが可能となり、電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になる。
制御部13は、スイッチング素子Q1を不連続モードで動作させるように構成されていることが好ましい。これにより、電源装置100では、ダイオードD1に流れる電流がゼロになった後に制御部13がスイッチング素子Q1をオンすることが可能になるので、ダイオードD1にリカバリ電流が発生するのを抑制可能となる。すなわち、電源装置100では、ダイオードD1の損失が発生するのを抑制可能となる。
コンバータ12は、上述のように、SEPICであることが好ましい。これにより、電源装置100では、SEPICの利点を有し、かつ、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。
逆流防止部14は、上述のように、コンデンサC1の両端間においてコンデンサC1の放電電流を通過させる向きに、1次巻線L1及びスイッチング素子Q1と電気的に直列接続されたダイオードであることが好ましい。これにより、電源装置100では、この電源装置100の構成を簡略化することができる。
以下、実施形態1の電源装置100を備えた照明器具300の一例について、図8に基づいて説明する。
照明器具300は、天井材80に直付けされるように構成されている。照明器具300は、ベースライトである。
照明器具300は、電源装置100と、光源部200と、器具本体31とを備えている。
光源部200は、直管型のLEDランプである。本実施形態では、照明器具300が、光源部200を2つ備えている。
器具本体31は、電源装置100を収納するように構成されている。また、器具本体31は、光源部200を保持するように構成されている。
器具本体31は、光源部200を保持する一対の保持具32A,32Bを備えている。本実施形態では、器具本体31が、一対の保持具32A,32Bを2組備えている。
なお、照明器具300は、天井材80に直付けされるように構成されているが、この構成に限らない。照明器具300は、例えば、天井材80に埋め込み配置するように構成されていてもよい。また、照明器具300は、ベースライトであるが、これに限らず、例えば、ダウンライト等であってもよい。
以上説明した実施形態1の照明器具300は、電源装置100と、電源装置100から供給される電力により点灯可能な光源部200とを備えている。これにより、照明器具300では、小型化を図りながらも電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能な電源装置100を備えた照明器具300を、提供することができる。
ところで、本実施形態の変形例として、電源装置100は、逆流防止部14が、コンデンサC1の低電位側の端子と、第2インダクタL2の他端2b及びスイッチング素子Q1のソース端子の接続点P1との間に、設けられていてもよい。この場合、逆流防止部14のアノードが接続点P1と電気的に接続され、逆流防止部14のカソードがコンデンサC1の低電位側の端子と電気的に接続される。
逆流防止部14は、ダイオードであるが、これに限らず、例えば、MOSFET、サイリスタ等であってもよい。
スイッチング素子Q1は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFETであるが、これに限らない。
制御部13は、マイクロプロセッサであるが、これに限らず、例えば、マイクロコントローラ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等であってもよい。
本実施形態では、複数の固体発光素子21の電気的な接続関係を直列接続としているが、この接続に限らず、例えば、並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。また、本実施形態では、固体発光素子21の数を複数としているが、1つであってもよい。さらに、本実施形態では、固体発光素子21としてLEDを用いているが、これに限らず、例えば、半導体レーザ素子、有機エレクトロルミネッセンス素子等を用いてもよい。また、本実施形態では、複数の固体発光素子21それぞれの発光色を白色としているが、この色に限らない。
(実施形態2)
以下、本実施形態の電源装置110について、図9に基づいて説明する。
本実施形態の電源装置110の基本構成は、実施形態1の電源装置100と同じである。電源装置110は、図9に示すように、コンバータ15が、実施形態1の電源装置100におけるコンバータ12と相違する。なお、電源装置110では、実施形態1の電源装置100と同様の構成要素に同一の符号を付して説明を適宜省略する。
コンバータ15は、Cukコンバータである。なお、コンバータ15は、コンバータ12との相違点のみについて説明する。
コンバータ15は、コンデンサC4と、1次巻線(以下、「第3インダクタ」)L3及びスイッチング素子Q2の直列回路とを具備する。また、コンバータ15は、コンデンサC5及びダイオードD2の直列回路と、2次巻線(以下、「第4インダクタ」)L4及びコンデンサC6の直列回路とを具備する。本実施形態では、コンデンサC4と第3インダクタL3とスイッチング素子Q2との直列回路が、コンデンサC4と第3インダクタL3とスイッチング素子Q2とを有する閉回路に相当する。また、第3インダクタL3及び第4インダクタL4の結合係数は、例えば、0.84である。
コンデンサC5の2次側の端子は、ダイオードD2のアノードと電気的に接続されている。ダイオードD2のカソードは、スイッチング素子Q2のソース端子と電気的に接続されている。
また、コンデンサC5の2次側の端子は、第4インダクタL4の一端4aと電気的に接続されている。第4インダクタL4の他端4bは、コンデンサC6の高電位側の端子と電気的に接続されている。コンデンサC6の低電位側の端子は、ダイオードD2のカソードと電気的に接続されている。
以下、本実施形態の電源装置110の動作について、図9に基づいて簡単に説明する。なお、電源装置110の動作は、コンバータ15の動作が主な動作であって、コンバータ15の動作は、一般的なCukコンバータの動作と同じである。
電源装置110では、スイッチング素子Q2がオフ状態からオン状態になると、コンデンサC4の高電位側の端子、逆流防止部16、第3インダクタL3、スイッチング素子Q2、コンデンサC4の低電位側の端子の経路で電流が流れる。また、電源装置110では、スイッチング素子Q2がオフ状態からオン状態になると、コンデンサC6の高電位側の端子、第4インダクタL4、コンデンサC5、スイッチング素子Q2、コンデンサC6の低電位側の端子の経路で電流が流れる。すなわち、電源装置110では、スイッチング素子Q2がオフ状態からオン状態になると、第3インダクタL3及び第4インダクタL4にエネルギーが蓄積される。
一方、電源装置110では、スイッチング素子Q2がオン状態からオフ状態になると、第3インダクタL3に逆起電力が発生する。これにより、電源装置110では、第3インダクタL3の一端3a、コンデンサC5、ダイオードD2、コンデンサC4、逆流防止部16、第3インダクタL3の他端3bの経路で電流が流れる。
また、電源装置110では、スイッチング素子Q2がオン状態からオフ状態になると、第4インダクタL4に逆起電力が発生する。これにより、電源装置110では、第4インダクタL4の一端4a、ダイオードD2、コンデンサC6、第4インダクタL4の他端4bの経路で電流が流れる。
以下、逆流防止部16を備えていない点のみが本実施形態の電源装置110と相違する比較例の電源装置(以下、「比較例2の電源装置」)について説明する。比較例2の電源装置の基本構成は、電源装置110と同じ構成である。そのため、比較例2の電源装置では、電源装置110と共通する構成要素に同一の符号を付して説明及び図示を省略する。
比較例2の電源装置では、比較例1の電源装置90と同様に、トランスT2の漏れインダクタンスとコンバータ15のキャパシタンスとで決まる振動周波数と、スイッチング素子Q2の駆動周波数とが近い値になる場合がある。すなわち、比較例2の電源装置では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合に、トランスT2の漏れインダクタンスとコンバータ15のキャパシタンスとの共振回路によって、第3インダクタL3の電流IL3が振動する(図10参照)。なお、図10中のId2は、スイッチング素子Q2のドレイン電流の波形を表している。図10中のIL4は、第4インダクタL4に流れる電流の波形を表している。図10中のILEDは、光源部200に流れる電流の波形を表している。図10中のVds2は、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間電圧の波形を表している。
図10中の電流IL3の波形図から分かるように、比較例2の電源装置では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、第3インダクタL3の電流IL3が逆流する期間(図10中のTx2期間)がある。つまり、比較例2の電源装置では、比較例1の電源装置90と同様に、コンデンサC4の放電電流と逆向きの電流(無効電流)が流れることがある。
本実施形態の電源装置110では、図9に示すように、コンデンサC4の高電位側の端子と第3インダクタL3の他端3bとの間に、逆流防止部16が設けられている。よって、電源装置110では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、第3インダクタL3に流れる電流IL3が逆流するのを抑制することが可能になる(図11参照)。要するに、電源装置110では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、無効電流が流れるのを抑制することが可能になる。なお、図11中のId2,IL4,ILED,Vds2は、図10中のId2,IL4,ILED,Vds2と同じである。
トランスT2の巻数比は、実施形態1の電源装置100におけるトランスT1と同様に、1以上であることが好ましく、1よりも大きいことがより好ましい。トランスT2の巻数比は、第4インダクタL4の巻数を第3インダクタL3の巻数で除算した値で表される。これにより、電源装置110では、第4インダクタL4のインピーダンスが第3インダクタL3のインピーダンスよりも大きくなるので、第4インダクタL4に流れる電流IL4の共振を抑制することが可能になる。よって、電源装置110では、第3インダクタL3に流れる電流IL3の共振も抑制することが可能となり、電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になる。すなわち、電源装置110では、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になる。
以上説明した本実施形態の電源装置110では、コンバータ15は、Cukコンバータである。本実施形態の電源装置110でも、実施形態1の電源装置100と同様に、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。
(実施形態3)
以下、本実施形態の電源装置120について、図12に基づいて説明する。
本実施形態の電源装置120の基本構成は、実施形態1の電源装置100と同じである。電源装置120は、図12に示すように、コンバータ17が、実施形態1の電源装置100におけるコンバータ12と相違する。なお、電源装置120では、実施形態1の電源装置100と同様の構成要素に同一の符号を付して説明を適宜省略する。
コンバータ17は、Zetaコンバータである。なお、コンバータ17は、コンバータ12との相違点のみについて説明する。
コンバータ17は、コンデンサC7と、スイッチング素子Q3及び1次巻線(以下、「第5インダクタ」)L5の直列回路とを具備する。また、コンバータ17は、コンデンサC8及びダイオードD3の直列回路と、2次巻線(以下、「第6インダクタ」)L6及びコンデンサC9の直列回路とを具備する。本実施形態では、コンデンサC7と第5インダクタL5とスイッチング素子Q3との直列回路が、コンデンサC7と第5インダクタL5とスイッチング素子Q3とを有する閉回路に相当する。また、第5インダクタL5及び第6インダクタL6の結合係数は、例えば、0.93である。
スイッチング素子Q3のドレイン端子は、コンデンサC7の高電位側の端子と電気的に接続されている。スイッチング素子Q3のソース端子は、第5インダクタL5の一端5aと電気的に接続されている。第5インダクタL5の他端5bは、コンデンサC7の低電位側の端子と電気的に接続されている。
コンデンサC8の2次側の端子は、ダイオードD3のカソードと電気的に接続されている。ダイオードD3のアノードは、第5インダクタL5の他端5bと電気的に接続されている。
ダイオードD3のカソードは、第6インダクタL6の一端6aと電気的に接続されている。第6インダクタL6の他端6bは、コンデンサ9の高電位側の端子と電気的に接続されている。コンデンサC9の低電位側の端子は、ダイオードD3のアノードと電気的に接続されている。本実施形態では、第5インダクタL5の他端5bと、コンデンサC7の低電位側の端子及びダイオードD3のアノードの接続点P2との間に、実施形態1の電源装置100における逆流防止部14と同じ機能を有する逆流防止部18が設けられている。
逆流防止部18のアノードは、第5インダクタL5の他端5bと電気的に接続されている。逆流防止部18のカソードは、接続点P2と電気的に接続されている。
以下、本実施形態の電源装置120の動作について、図12に基づいて簡単に説明する。なお、電源装置120の動作は、コンバータ17の動作が主な動作であって、コンバータ17の動作は、一般的なZetaコンバータの動作と同じである。
電源装置120では、スイッチング素子Q3がオフ状態からオン状態になると、コンデンサC7の高電位側の端子、スイッチング素子Q3、第5インダクタL5、逆流防止部18、コンデンサC7の低電位側の端子の経路で電流が流れる。また、電源装置120では、スイッチング素子Q3がオフ状態からオン状態になると、コンデンサC7の高電位側の端子、スイッチング素子Q3、コンデンサC8、第6インダクタL6、コンデンサC9、コンデンサC7の低電位側の端子の経路で電流が流れる。すなわち、電源装置120では、スイッチング素子Q3がオフ状態からオン状態になると、第5インダクタL5及び第6インダクタL6にエネルギーが蓄積される。
一方、電源装置120では、スイッチング素子Q3がオン状態からオフ状態になると、第5インダクタL5に逆起電力が発生する。これにより、電源装置120では、第5インダクタL5の他端5b、逆流防止部18、ダイオードD3、コンデンサC8、第5インダクタL5の一端5aの経路で電流が流れる。
また、電源装置120では、スイッチング素子Q3がオン状態からオフ状態になると、第6インダクタL6に逆起電力が発生する。これにより、電源装置120では、第6インダクタL6の他端6b、コンデンサC9、ダイオードD3、第6インダクタL6の一端6aの経路で電流が流れる。
以下、逆流防止部18を備えていない点のみが本実施形態の電源装置120と相違する比較例の電源装置(以下、「比較例3の電源装置」)について説明する。比較例3の電源装置の基本構成は、電源装置120と同じ構成である。そのため、比較例3の電源装置では、電源装置120と共通する構成要素に同一の符号を付して説明及び図示を省略する。
比較例3の電源装置では、比較例1の電源装置90と同様に、トランスT3の漏れインダクタンスとコンバータ17のキャパシタンスとで決まる振動周波数と、スイッチング素子Q3の駆動周波数とが近い値になる場合がある。すなわち、比較例3の電源装置では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合に、トランスT3の漏れインダクタンスとコンバータ17のキャパシタンスとの共振回路によって、第5インダクタL5の電流IL5が振動する(図13参照)。なお、図13中のId3は、スイッチング素子Q3のドレイン電流の波形を表している。図13中のIL6は、第6インダクタL6に流れる電流の波形を表している。図13中のILEDは、光源部200に流れる電流の波形を表している。図13中のVds3は、スイッチング素子Q3のドレイン−ソース間電圧の波形を表している。
図13中の電流IL5の波形図から分かるように、比較例3の電源装置では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、第5インダクタL5の電流IL5が逆流する期間(図13中のTx3期間)がある。つまり、比較例3の電源装置では、比較例1の電源装置90と同様に、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、コンデンサC7の放電電流と逆向きの電流(無効電流)が流れることがある。
本実施形態の電源装置120では、図12に示すように、第5インダクタL5の他端5bと接続点P2との間に、逆流防止部18が設けられている。よって、電源装置120では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、第5インダクタL5に流れる電流IL5が逆流するのを抑制することが可能になる(図14参照)。要するに、電源装置120では、上記振動周波数と上記駆動周波数とが上記関係式を満たす場合、無効電流が流れるのを抑制することが可能になる。なお、図14中のId3,IL6,ILED,Vds3は、図13中のId3,IL6,ILED,Vds3と同じである。
トランスT3の巻数比は、実施形態1の電源装置100におけるトランスT1と同様に、1以上であることが好ましく、1よりも大きいことがより好ましい。トランスT3の巻数比は、第6インダクタL6の巻数を第5インダクタL5の巻数で除算した値で表される。これにより、電源装置120では、第6インダクタL6のインピーダンスが第5インダクタL5のインピーダンスよりも大きくなるので、第6インダクタL6に流れる電流IL6の共振を抑制することが可能になる。よって、電源装置120では、第5インダクタL5に流れる電流IL5の共振も抑制することが可能となり、電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になる。すなわち、電源装置120では、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのをより抑制することが可能になる。
以上説明した本実施形態の電源装置120では、コンバータ17は、Zetaコンバータである。本実施形態の電源装置120でも、実施形態1の電源装置100と同様に、小型化を図りながらも、電力伝達の効率が低下するのを抑制することが可能になる。
ところで、本実施形態の変形例として、電源装置120は、逆流防止部18が、スイッチング素子Q3のソース端子及びコンデンサC8の接続点P3と、第5インダクタL5の一端5aとの間に、設けられていてもよい。この場合、逆流防止部18のアノードが接続点P3と電気的に接続され、逆流防止部18のカソードが第5インダクタL5の一端5aと電気的に接続される。