JP2017022921A - 回転機およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)本発明の回転機は、固定子と、固定子に対して相対回転する回転子と、を備える回転機であって、前記固定子または前記回転子は、磁気回路を構成する継鉄を備え、該継鉄は、純鉄または鉄合金からなる軟磁性部と該軟磁性部よりも飽和磁化が小さい非磁性部とを有し、該非磁性部は、窒素(N)を固溶させてできたオーステナイト相を有することを特徴とする。
(1)本発明は上述した回転機のみならず、その製造方法としても把握できる。すなわち本発明は、純鉄または鉄合金からなる軟磁性部の一部である被処理部へ、窒素を含有する雰囲気中で高エネルギービームを相対移動させつつ照射することにより、該被処理部を構成するフェライト相の少なくとも一部をオーステナイト相へ改質する改質工程を備え、該被処理部に上述した非磁性部が形成されることを特徴とする回転機の製造方法でもよい。
(1)本明細書では、母材中にNを固溶させてオーステナイト相の割合を増加させる改質処理を適宜、単に「窒化」ともいう。
本発明の回転機には、種々のタイプが含まれる。例えば、回転機は、電動機でも発電機でもよい。また回転機は、直流機でも交流機でもよい。交流機は、同期機でも誘導機でも無整流子機(ブラシレスDCモータ等)でもよい。なお、永久磁石を用いる場合、内包型(IPM等)でも表面型(SPM等)でもよい。さらに、回転子は、インナーロータ型でもアウターロータ型でもよい。
継鉄を構成する軟磁性部は、飽和磁化の大きい純鉄または鉄合金からなる。具体的にいうと、軟磁性部は主にフェライト相からなり、その飽和磁化は1.5T以上、1.6T以上、1.7T以上さらには1.8T以上であると好ましい。
本発明に係る非磁性部は、N固溶により生成または維持されたオーステナイト相を有する部分(継鉄の一部)である。非磁性部に含まれるN固溶量や、それに応じて生じるオーステナイト相の割合(オーステナイト化率)を調整することにより、非磁性部の磁気特性(透磁率、飽和磁化、磁化率等)、つまり非磁性化率を制御し得る。この結果、磁性または非磁性という単純な区別に限らず、継鉄の局所を好適な飽和磁化や透磁率等に制御でき、磁気回路の形成自由度の拡大を図ることも可能となる。
(1)本発明に係る非磁性部を形成する方法は種々考えられる。もっとも、純鉄または鉄合金からなる軟磁性部の一部である被処理部へ、窒素を含有する雰囲気中で高エネルギービームを照射する改質工程(または照射工程)を行うことにより、例えば、局所的な非磁性部でも、効率的に形成可能となる。
《試料の製作》
(1)供試材(母材)
SUS430(JIS)の板材から切り出した供試材(15.0×9.0×7.5mm)を複数用意した。
高エネルギービームとして、近紫外線領域の波長をもつパルス幅がナノ秒レベルのパルスレーザ(このレーザを単に「近紫外ナノ秒レーザ」という。)を準備した。このレーザを用いて、各供試材の被処理部へ窒素含有ガスを吹き付けつつ照射した。照射条件は、波長:355nm、パルス幅:<20ns、出力:0.6W(出力密度:150MW/cm2)、走査速度:2mm/s、焦点位置:供試材の被処理部の最表面上(焦点はずし距離:0μmつまりジャストフォーカス)とした。但し、各試料毎に照射条件を微調整した。
(1)EPMA
各試料の被処理部を電子線マイクロアナライザー(EPMA)で解析した。これにより得られた各被処理部のN濃度(N固溶量)を求めた。一例として、N濃度が0.9質量%である試料の被処理部に係る窒素マッピング像を図1に示した。
各試料の被処理部(具体的には最表面から10μmの部分)についてXRD(FeKα線源)による解析を行った。そして、各試料に係るX線回折プロファイルに現れたfcc(γ相)ピークとbcc(α相)ピークを用いて、各試料の被処理部におけるγ相の割合(fcc化率)を定量化した。このfcc化率の算出はリートベルト(Reitveld)法により行った。具体的にいうと、fcc化率は、α相とγ相の2相混合モデルを前提に、リートベルト解析ソフト:RIETAN−FPにより算出した。この際、フィッティング関数には拡張分割pseudo−Voigt関数を用いた。こうして得られた各試料のfcc化率とN濃度の関係を図2に示した。
改質処理した各試料の被処理部に係る飽和磁化(H1)をVSMで測定した。また、処理前の試料の飽和磁化(H0)も同様に測定した。各試料について算出した非磁性化率(φ=100×(H0−H1)/H0)とN濃度の関係を図3に示した。なお、飽和磁化は、室温におけるVSMの測定結果と母材(未処理)の密度から換算して求めた。
(1)図1からわかるように、被処理部は最表面から約150μmの深さまで改質されていることがわかる。また、その被処理部には約0.9質量%のNが導入されていた。
(1)試料の製作
第1実施例で用いた母材に替えて、表1に示す合金組成からなる供試材を用意した。なお、試料3および試料C3(改質処理なし)には、市販されている電磁鋼板を用いた。これら各供試材(試料C3を除く)に対して、第1実施例の場合と同様な改質処理を行い、被処理部を窒化した各試料を得た。
各試料の被処理部を第1実施例の場合と同様にXRD分析し、各試料について得られたプロファイルを図4に示した。また、各試料のプロファイルに基づいて、実施例1の場合と同様に算出したfcc(γ相)とbcc(α相)の比率を図5に示した。
回転機を構成する継鉄の一部に、改質する被処理部を配置したモデルを作成し、その改質(非磁性化)による効果をシミュレーションにより確認した。具体的には次の通りである。
図6に示すような、4極の内包磁石型モータ(同期モータ/IPM)を対象モデルとした。被処理部は、内包する永久磁石を内包するロータコア(継鉄/軟磁性部)のスロットの外周縁側と、各極を構成する1対の永久磁石の隣接端側に、非磁性部を配置した。ロータコアは、厚さ0.35mmの電磁鋼板(フェライト相:100%、飽和磁化:2.12T)を128枚積層した積層体からなり、外径:60mm×軸方向長さ:45mmを想定した。非磁性部は、各電磁鋼板の所定位置で、厚さ方向(積層体の軸方向)全体を貫くように形成されているものとした。永久磁石は断面長方形(3×6mm)で、軸方向長さはロータコアと同じとした。なお、永久磁石は、希土類焼結磁石を想定し、磁気特性:860000A/m、透磁率:1.05とした。
処理前の母材(基準材)の飽和磁化(H0)に対して、被処理部の飽和磁化(H1)を所定の割合(10%、30%または70%)で減磁(非磁性化)した各場合について、最大トルクと電流振幅の関係を算出した。そして、被処理部を減磁(改質)しなかったときに対する被処理部を減磁したときの最大トルクの変化率(最大トルク増加率)と電流振幅の関係を図7に示した。なお、電流振幅とはステータの相コイルに入力する電流の実効値である。
Claims (11)
- 固定子と、
固定子に対して相対回転する回転子と、
を備える回転機であって、
前記固定子または前記回転子は、磁気回路を構成する継鉄を備え、
該継鉄は、純鉄または鉄合金からなる軟磁性部と該軟磁性部よりも飽和磁化が小さい非磁性部とを有し、
該非磁性部は、窒素(N)を固溶させてできたオーステナイト相を有することを特徴とする回転機。 - 前記軟磁性部は、飽和磁化が1.5T以上である請求項1に記載の回転機。
- 前記鉄合金は、全体を100質量%(以下、単に「%」という。)として、ケイ素(Si)を1〜8%含む請求項1または2に記載の回転機。
- 前記鉄合金は、全体を100質量%として、アルミニウム(Al)を0.2〜5%含む請求項1〜3のいずれかに記載の回転機。
- 前記鉄合金は、全体を100質量%として、クロム(Cr)を0.1〜7%含む請求項1〜4のいずれかに記載の回転機。
- 前記非磁性部は、全体を100質量%として、Nを0.2質量%以上含む請求項1に記載の回転機。
- 前記非磁性部は、該非磁性部の金属組織全体に対するオーステナイト相の割合であるオーステナイト化率(fcc率)が30体積%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の回転機。
- 前記非磁性部は、下式により求まる非磁性化率(φ)が20%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の回転機。
φ=100×(H0−H1)/H0、
H0:軟磁性部の飽和磁化、H1:非磁性部の飽和磁化 - 前記非磁性部のオーステナイト相は、前記軟磁性部のフェライト相の少なくとも一部が相変態してなる請求項1〜8のいずれかに記載の回転機。
- 前記継鉄は、電磁鋼板の積層体からなる請求項1〜9のいずれかに記載の回転機。
- 純鉄または鉄合金からなる軟磁性部の一部である被処理部へ、窒素を含有する雰囲気中で高エネルギービームを相対移動させつつ照射することにより、該被処理部を構成するフェライト相の少なくとも一部をオーステナイト相へ改質する改質工程を備え、
該被処理部に請求項1〜10のいずれかに記載の非磁性部が形成されることを特徴とする回転機の製造方法。
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CN115627425A (zh) * | 2022-09-20 | 2023-01-20 | 武汉两仪材料有限公司 | 一种金属材料及其制备和应用 |
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JP2014181371A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Toyota Central R&D Labs Inc | 高耐食性金属部材およびその製造方法 |
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