JP2017022048A - 端子付き電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネス - Google Patents

端子付き電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネス Download PDF

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Abstract

【課題】圧着力の異方性が存在する場合であっても、きわめて簡易な構造を採用しつつ電線と端子の間の止水性を向上可能な端子付き電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスを提供する。【解決手段】圧着部31の開口端31eから被覆材22の剥離端22aまでの範囲にある被覆材22の外周面の一部には、他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域22b、22cが1つ又は複数形成される。粗化領域22b、22cは、電線2の軸心23を挟んで互いに対向する、外周面の上にある2本の仮想線24、25の少なくとも一方を周方向(θ)に沿って跨ぐと共に、剥離端22a又はその周辺の位置に形成される。【選択図】図4

Description

本発明は、電線と端子を圧着接続してなる端子付き電線、及びその製造方法、並びに当該端子付き電線を組み込んだワイヤハーネスに関する。
従来から、例えば車両に搭載されるワイヤハーネスには、端子をかしめて電線に圧着する接続構造を備えた端子付き電線が用いられる。この種の端子付き電線において、露出した線材及び端子の内壁の間の接続部分に水分を含む液体が付着すると、接続部分及びその近傍の表面の酸化が進み、電気抵抗の増加又は腐食の発生が起こる場合がある。
近時、ワイヤハーネスの軽量化を図るべく、例えば、アルミニウム合金からなる線材と銅合金からなる端子を組み合わせた端子付き電線が開発されている。このように、異なる種類の金属同士が接触する端子付き電線の一形態として、有底筒状の圧着部を備えるクローズドバレル型端子による、防水性が高い接続構造が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2014−164913号公報
ところで、本発明者の鋭意検討によれば、互いに対向する2つの方向から、クローズドバレル型端子をかしめた場合、電線の被覆材が端子に与える反発力(つまり圧着力)が電線の周方向によって有意に異なることを見出した。この「圧着力の異方性」により、1つの端子付き電線には、電線と端子の密着性が相対的に高い部位と低い部位が併存する。
そうすると、電線と端子の密着性が相対的に低い部位に僅かな隙間が生じ、この隙間を通じて、外部からの液体が上記の接続部位に浸入する可能性がある。特に、被覆材が薄肉化された電線の場合、その影響が大きくなり得る。つまり、この種の端子付き電線には、止水性の観点で改良の余地が十分に残されている。
本発明は上記した課題に鑑みてなされたものであり、圧着力の異方性が存在する場合であっても、きわめて簡易な構造を採用しつつ電線と端子の間の止水性を向上可能な端子付き電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスを提供することを目的とする。
本発明に係る「端子付き電線」は、導電性の線材と、該線材を被覆する絶縁性の被覆材とを有し、前記被覆材の剥離により前記線材の先端側が露出する露出部が形成された電線と、筒状の圧着部を有し、少なくとも前記露出部を前記圧着部に挿入させて前記電線と圧着接続した端子とを備え、前記圧着部の開口端から前記被覆材の剥離端までの範囲にある前記被覆材の外周面の一部には、他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域が1つ又は複数形成され、前記粗化領域は、前記電線の軸心を挟んで互いに対向する、前記外周面の上にある2本の仮想線の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐと共に、前記剥離端又は該剥離端の周辺の位置に形成される。
このように、圧着部の開口端から被覆材の剥離端までの範囲にある被覆材の外周面の一部に粗化領域を設けたので、当該粗化領域内における濡れ性が低くなると共に、撥水性が高くなる。これにより、外部からの液体が、毛細管現象により、電線と端子の間にある隙間を通じて剥離端に浸入するのを阻止可能である。
圧着力の異方性は、電線の軸心に対して概ね線対称に現われる傾向がある。そこで、この粗化領域を、電線の軸心を挟んで互いに対向する、外周面の上にある2本の仮想線の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐ位置に設けることで、液体が浸入する可能性が高い部位に確実に配置できる。具体的には、2本の仮想線の位置を、相対的な圧着力が最小となる部位に一致させればよい。
また、被覆材の有無に起因する電線の段差がある剥離端側の方が、電線の段差がない開口端側よりも強く圧縮される傾向がある。換言すれば、電線と端子の間に生じる隙間に関して、剥離端側の方が開口端側よりも小さくなる傾向がある。そこで、この粗化領域を、被覆材の剥離端又はその周辺の位置に設けることで、撥水性による止水効果を最大限に発揮可能である。
以上に述べたように、圧着力の異方性が存在する場合であっても、きわめて簡易な構造を採用しつつ電線と端子の間の止水性を向上できる。
また、前記粗化領域は、前記2本の仮想線のうちいずれか一方を中心線とする対称の形状を有することが好ましい。これにより、仮想線に沿った方向から斜めに進路を逸らした場合であっても、進路のずれ量に対するマージンを有効に確保できる。或いは、電線を圧着部に挿入する際の、向きのずれ量に対するマージンについても同様である。
また、前記粗化領域は2つであり、前記電線の軸心に対して線対称に形成されることが好ましい。これにより、液体が浸入する可能性が高い周方向の範囲を効率的に網羅可能であり、その分だけ粗化領域を形成する工数を削減できる。
また、前記粗化領域は1つであり、環状に形成されることが好ましい。これにより、電線の挿入向きを特に意識することなく、液体が浸入する可能性が高い部位を確実に網羅できる。
また、前記粗化領域は、前記電線の軸心方向に沿って、100μm以上の幅をもって形成されることが好ましい。これと併せて或いはこれとは別に、前記粗化領域は、前記電線の軸心方向に沿って、前記開口端から前記剥離端までの前記被覆材の長さの30%以上の幅をもって形成されることが好ましい。軸心方向に沿った幅を十分確保することで、粗化領域の位置まで浸入した液体が、粗化領域をそのまま通過するのを阻止できる。
また、前記粗化領域は、5質量%濃度の塩水に対する接触角が90度以上であることが好ましい。これにより、上記した塩水に組成が類似する海水に対しても有効な止水効果が得られる。
また、前記粗化領域は、前記外周面の一部にレーザ加工を施すことで形成されることが好ましい。これにより、表面形状を目論見通りに加工可能であり、所望の表面粗さが得られる。
また、前記電線の圧着方向は、前記2本の仮想線を包摂する仮想平面に直交することが好ましい。一般的に言えば、圧着方向に等しい周方向の位置にて圧着力が最大となると共に、圧着方向から最も離れた周方向の位置にて圧着力が最小となる。圧着方向が仮想平面に直交する場合、2本の仮想線の位置が、圧着力が最小となる部位に一致する。
また、前記線材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。これにより、電線の軽量化を図ることができ、端子付き電線全体の軽量化も達成される。
本発明に係る「端子付き電線の製造方法」は、導電性の線材と、該線材を被覆する絶縁性の被覆材とを有し、前記被覆材の剥離により前記線材の先端側が露出する露出部が形成された電線と、筒状の圧着部を有し、少なくとも前記露出部を前記圧着部に挿入させて前記電線と圧着接続した端子とを備える端子付き電線を製造する方法であって、前記電線を圧着接続する前に、前記被覆材の外周面に他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域を1つ又は複数形成する形成工程を備え、前記形成工程では、前記電線を圧着接続する際に、前記圧着部の開口端から前記被覆材の剥離端までの範囲にあって、前記電線の軸心を挟んで互いに対向する、前記外周面の上にある2本の仮想線の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐと共に、前記剥離端又は該剥離端の周辺の位置に対応する部位に前記粗化領域を形成する。
また、前記形成工程では、前記電線を圧着接続する際に、前記外周面の上であって前記開口端よりも基端側の位置に対応する部位に、前記電線の向き決め用マークを更に形成することが好ましい。電線を挿入する際に、圧着部の外側から粗化領域の位置が視認できない場合であっても、向き決めマークの位置を手掛かりにして、電線を正しい向きに案内できる。
また、前記形成工程では、前記外周面の一部にレーザ加工を施すことで前記粗化領域及び前記向き決めマークをそれぞれ形成することが好ましい。粗化領域及び向き決めマークを同一の工程内で形成することで、加工を開始するまでの準備が1回で済み、端子付き電線の生産効率が向上する。
本発明に係る「ワイヤハーネス」は、上記したいずれかの端子付き電線を複数束ねてなる。
本発明に係る端子付き電線及びその製造方法、並びにワイヤハーネスによれば、圧着力の異方性が存在する場合であっても、きわめて簡易な構造を採用しつつ電線と端子の間の止水性を向上できる。
この実施形態に係る端子付き電線の斜視図である。 図1に示す端子付き電線の部分拡大縦断面図である。 図1に示す電線の軸心に沿った断面図である。 電線の外周面をなす被覆材の展開図である。 粗化領域による止水効果を説明する概略図である。 図1に示す端子付き電線の製造方法を説明するフローチャートである。 ステップS2の形成工程を説明する概略図である。 ステップS4の圧着工程を説明する概略図である。 図1に示す端子付き電線を組み込んだワイヤハーネスの斜視図である。 変形例に係る被覆材の展開図である。
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施形態を採用し得る。
<端子付き電線1の全体構成>
図1は、この実施形態に係る端子付き電線1の斜視図である。詳しくは、図1(a)は電線2と端子3とを圧着接続した後の全体斜視図であり、図1(b)は電線2と端子3とを圧着接続する前の分解斜視図である。
図2は、図1に示す端子付き電線1の部分拡大縦断面図であり、詳しくは、電線2に圧着接続した圧着部31の圧着形状を示す。図3は、図1に示す電線2の軸心23に沿った断面図であり、詳しくは、後述する粗化領域22b、22cに対応する位置での電線2の断面形状を示す。
図1〜図3に示すように、端子付き電線1は、電線2と、端子3とを基本的に備えている。電線2は、導電性の線材21と、線材21を被覆する絶縁性の被覆材22とを有してなる。
線材21は、素線21aを複数本撚り合わせてなる撚り線である。素線21aは、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅或いは銅合金からなる金属材料からなる。線材21の形態は、撚り線に限られることなく単線であってもよい。
被覆材22は、線材21を外部から絶縁する物質であれば材料の種類は問わない。被覆材22は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋ポリエチレンを含む絶縁樹脂からなる。
被覆材22の一部が剥離されることで、電線2には、線材21の先端側が露出する露出部2aが形成されている。なお、電線2を構成する露出部2aを除く部位、すなわち、被覆材22が剥離されずに残っている部位を「被覆部2b」と称する。また、被覆材22の剥離により形成される端面、すなわち、露出部2aと被覆部2bとの境界面の位置を「剥離端22a」と称する。
以下、説明の便宜のため、端子3の延在方向を「X方向」、端子3の圧着側を「矢印X1側」、端子3の非圧着側を「矢印X2側」とそれぞれ定義する。また、X方向は、電線2の軸心23に沿った方向(以下、軸心方向)に一致するとの前提の下に説明する。
端子3は、クローズドバレル型の雌型圧着端子であり、略筒状の圧着部31と、中空四角柱状のボックス部32とを有する。圧着部31とボックス部32との間には、両者を機械的及び電気的に接続する所定の長さのトランジション部33が位置する。圧着部31、ボックス部32及びトランジション部33は、一体的に端子3を構成する。端子3は、表面が錫メッキ(Snメッキ)された黄銅等の銅合金条で構成されている。
圧着部31は、少なくとも露出部2aを挿入した電線2を圧着する部位である。圧着部31は、周方向全体において連続する形状、具体的には有底筒状に形成されている。以下、圧着部31のうち、被覆材22に対して圧着する部位を「被覆圧着部31a」、露出部2aに対して圧着する部位を「導体圧着部31b」とそれぞれいう場合がある。
被覆圧着部31aの矢印X1側は開口部31dをなし、導体圧着部31bの矢印X2側は閉じた底部31cをなす。露出部2aと被覆部2bの間には、被覆材22の厚さ程度の段差があるため、導体圧着部31bが強く圧縮される傾向がある。これにより、被覆圧着部31aから導体圧着部31bへの移行部は、導体圧着部31bが強く押し込まれた形状になっている。
底部31cは、矢印X2側において略平板状に押し潰すように変形されて、上下方向に対向する所定部分が互いに重なり合った扁平形状である。また、底部31cから開口部31dの位置にわたって、X方向に対してほぼ平行に延びる突き合わせ部31fが設けられている。
ボックス部32は、図示しない雄型圧着端子が備える挿入タブの挿入を受容する。ボックス部32は、底面部32a、側面部32b、32c、上面部32dを有する。弾性接触片32eは、底面部32aを矢印X1側に向かって内側に折り曲げてなり、雄型圧着端子を挿入する際に上記した挿入タブに接触する。
<被覆材22の外形的特徴>
被覆圧着部31aに対応する被覆材22の外周面の一部には、2つの粗化領域22b、22cが周方向に沿って形成されている。ここで、「粗化領域」とは、開口端31eから剥離端22aまでの範囲にある他の領域と比べて表面粗さが大きい領域を意味する。また「開口端31e」とは、矢印X1側における圧着部31と被覆材22との境界面の位置をいう。
「表面粗さ」は、JIS B 0601(1994)、JIS B 0031(1994)に定義される物理量である。つまり、粗化領域22b、22cは、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)、凹凸の平均間隔(Sm)、局部山頂の平均間隔(S)及び負荷長さ率(tp)のうちの少なくとも1つが相対的に大きい領域ともいえる。
2つの粗化領域22b、22cは、互いに同じ形状、より詳しくは、平面視にて矩形状を有すると共に、電線2の軸心23に対して線対称となる位置に形成されている。
図4は、電線2の外周面をなす被覆材22の展開図であり、説明の便宜のため二次元グラフを用いて位置を表現する。グラフの横軸は、剥離端22aを基準とする軸心方向の相対位置X(単位:μm)であり、剥離端22aの位置を0μmとし、矢印X1側を正の方向とする。グラフの縦軸は、周方向の角度θ(単位:度)であり、突き合わせ部31fの位置を0度(360度)とし、矢印X2側から電線2を見て時計回りを正の方向とする。
粗化領域22bは、剥離端22aから隙間G[μm](正値又はゼロ値)だけ離れ、かつ、θ=90度を中心とする位置に配されている。また、粗化領域22bは、軸心方向の幅がWa[μm]であり、かつ、周方向の幅(角距離)がWc[度(θ)](正値)である。つまり、粗化領域22bは、軸心方向ではG〜(G+Wa)[μm]の範囲に、周方向では(90−Wc/2)〜(90+Wc/2)[度]の範囲に存在する。
粗化領域22cは、剥離端22aから隙間G[μm]だけ離れ、かつ、θ=270度を中心とする位置に配されている。また、粗化領域22cは、軸心方向の幅がWa[μm]であり、かつ、周方向の幅(角距離)がWc[度(θ)]である。つまり、粗化領域22cは、軸心方向ではG〜(G+Wa)[μm]の範囲に、周方向では(270−Wc/2)〜(270+Wc/2)[度]の範囲に存在する。
剥離端22aと開口端31eとの間の距離をLと定義すると、本図例では、G=0.1L[μm]、Wa=0.4L[μm]、Wc=90度である。粗化領域22b、22cはそれぞれ、開口端31eよりも剥離端22aに近い位置、すなわち、剥離端22a又は剥離端22aの周辺の位置に形成されている。剥離端22aの位置はG=0μmを意味し、周辺の位置は概ね0<G≦100[μm]を意味する。
ところで、θ=0度、X=L+ΔX[μm]の位置、つまり開口端31eよりも矢印X1側の位置に、円形状のマーク(以下、調整用マーク22m)が併せて形成されている。調整用マーク22mは、電線2を圧着部31に挿入する際、電線2の周方向(角度θ)を調整するための「向き決め用マーク」に相当する。
<粗化領域22b、22cによる止水効果>
この実施形態に係る端子付き電線1は、以上のように構成される。具体的には、端子付き電線1は、導電性の線材21と、線材21を被覆する絶縁性の被覆材22とを有し、被覆材22の剥離により線材21の先端側が露出する露出部2aが形成された電線2と、有底筒状の圧着部31を有し、少なくとも露出部2aを圧着部31に挿入させて電線2と圧着接続した端子3とを備えている。
互いに対向する2つの圧着方向P1(図8)から、クローズドバレル型の端子3をかしめる場合、電線2の被覆材22が端子3に与える反発力(つまり圧着力)が電線2の周方向によって有意に異なることがある。この「圧着力の異方性」により、1つの端子付き電線1には、電線2と端子3の密着性が相対的に高い部位と低い部位が併存する。そうすると、電線2と端子3の密着性が相対的に低い部位に僅かな隙間26が生じ、この隙間26を通じて、外部からの水分Wが浸入する可能性がある。
そこで、この実施形態において、圧着部31の開口端31eから被覆材22の剥離端22aまでの範囲にある被覆材22の外周面の一部には、他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域22b、22cが複数(図4例では2つ)形成される。粗化領域22b、22cによる止水効果について、図5を参照しながら説明する。
図5は、被覆材22と圧着部31の間の境界を示す部分拡大断面図に相当する。詳しくは、図5(a)は粗化領域22b、22cが存在しない部位を示し、図5(b)は粗化領域22b、22cが存在する部位を示す。
図5(a)に示すように、被覆材22と圧着部31の間に1μmオーダの隙間26が存在することを想定する。例えば、被覆材22がポリ塩化ビニルである場合、5質量%濃度の塩水に対する接触角は68度程度であり、濡れ性が高くなっている。すなわち、被覆材22の撥水性が低いため、毛細管現象による水分Wの浸入を十分に阻止できない場合がある。
ここで「接触角」は、固体、液体及び気体(一般的には空気、以下空気という。)の接する部位から、液体の曲面に接線を引いたとき、この接線と固体表面のなす角度のことをいう(「JIS R 3257、基板ガラス表面のぬれ性試験方法」参照)。
図5(b)に示すように、被覆材22の外周面の一部には、粗化領域22b、22cが形成されている。例えば、5質量%濃度の塩水に対する接触角は90度以上(より好ましくは96度以上)であり、濡れ性が低くなっている。すなわち、被覆材22の撥水性が高いため、毛細管現象による水分Wの浸入を十分に阻止できる。特に、上記した塩水に組成が類似する海水に対しても有効な止水効果が得られる。
なお、粗化領域22b、22cは、被覆材22の外周面の一部にレーザ加工を施すことで形成されてもよい。これにより、表面形状を目論見通りに加工可能であり、所望の表面粗さが得られる。
<粗化領域22b、22cの配置及び形状>
圧着力の異方性は、電線2の軸心23に対して概ね線対称に現われる傾向がある。そこで、この粗化領域22b、22cを、軸心23を挟んで互いに対向する、外周面の上にある2本の仮想線24、25(図4)の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐ位置に設けることで、水分Wが浸入する可能性が高い部位に確実に配置できる。具体的には、2本の仮想線24、25の位置を、相対的な圧着力が最小となる部位に一致させればよい。
また、被覆材22の有無に起因する電線2の段差がある剥離端22a側の方が、電線2の段差がない開口端31e側よりも強く圧縮される傾向がある。換言すれば、電線2と端子3の間に生じる隙間26に関して、剥離端22a側の方が開口端31e側よりも小さくなる傾向がある。そこで、この粗化領域22b、22cを、被覆材22の剥離端22a又はその周辺の位置に設けることで、撥水性による止水効果を最大限に発揮可能である。
以上に述べたように、この端子付き電線1によれば、圧着力の異方性が存在する場合であっても、きわめて簡易な構造を採用しつつ電線2と端子3の間の止水性を向上できる。
図4に戻って、粗化領域22b(22c)は、2本の仮想線24(25)のうちいずれか一方を中心線とする対称の形状を有してもよい。これにより、仮想線24、25に沿った方向から斜めに進路を逸らした場合であっても、進路のずれ量に対するマージンを有効に確保できる。或いは、電線2を圧着部31に挿入する際の、向きのずれ量に対するマージンについても同様である。
また、粗化領域22b、22cは2つであり、軸心23に対して線対称に形成されてもよい。これにより、水分Wが浸入する可能性が高い周方向の範囲を効率的に網羅可能であり、その分だけ粗化領域22b、22cを形成する工数を削減できる。
また、粗化領域22b、22cは、電線2の軸心方向(X方向)に沿って、100μm以上の幅(Wa)をもって形成されてもよい。これと併せて或いはこれとは別に、粗化領域22b、22cは、X方向に沿って、開口端31eから剥離端22aまでの被覆材22の長さ(L)の30%以上の幅(Wa)をもって形成されてもよい。この幅(Wa)を十分確保することで、粗化領域22b、22cの位置まで浸入した水分Wが、粗化領域22b、22cをそのまま通過するのを阻止できる。
また、周方向に沿った幅(Wc)は、0<Wc<180の任意の値であってもよく、60≦Wc≦120[θ]を満たすことが好ましい。剥離端22a側の境界位置(G)は、絶対値としては0≦G≦100[μm]、相対値としては0≦G≦0.3Lをそれぞれ満たすことが好ましい。また、開口端31e側の境界位置(G+Wa)は、L[μm]未満であることが好ましく、0.5L[μm]以下であることが更に好ましい。
<端子付き電線1の製造方法>
続いて、上記した端子付き電線1の製造方法について、図6のフローチャート、図7及び図8を参照しながら詳細に説明する。
図6のステップS1である「用意工程」において、圧着接続させる電線2及び端子3を用意する。具体的には、被覆材22の先端側を所定の長さだけ剥離することで、露出部2aが形成された電線2を作製する。
これと併せて、所定の形状に打ち抜き加工された金属板を筒状に折り曲げ、ファイバレーザ等を用いて端部同士を溶接し、突き合わせ部31fを形成する。その後、筒状部の一端を潰して底部31cを形成し、当該箇所を塞ぐように溶接して封止する。これにより、有底筒状の圧着部31を備える端子3を成形する。
なお、端子3に底部31cを形成しなくてもよい。底部31cを形成しない場合には、電線2の受容後に、端子3の電線2を受容した側とは反対側の一端を所定の封止材(例えば、絶縁性の樹脂材)によって封止すればよい。
図6のステップS2である「形成工程」において、被覆材22の外周面の上に、粗化領域22b、22c及び調整用マーク22mを形成する。以下、図7を参照しながら詳細に説明する。
図7(a)に示すように、ステップS1にて用意された電線2は、被覆材22の外周面に対して加工がなされていない。先ず、図示しないレーザ加工装置をセットすることで、該レーザ加工装置が備える照射部を、粗化領域22bの対応位置に指向させる。その後、例えば、出力が15W、掃引速度が2000[mm/s]の条件下にレーザ光線を掃引照射することで、照射前と比べて表面粗さを大きくする粗化処理が施される。
図7(b)に示すように、この加工処理により、他の部位と比べて表面粗さが相対的に大きく、平面視にて矩形状である粗化領域22bが形成される。同様の手順により、これとは別の粗化領域22cが形成される。なお、粗化領域22b、22cは、レーザ加工の他、サンドブラスト加工を含む公知の微細加工手法により形成されてもよい。
その後、レーザ加工装置をセットすることで、該レーザ加工装置が備える照射部を、マーク22mの対応位置に指向させる。その後、例えば掃引速度が1000[mm/s]の条件下にレーザ光線を掃引照射することで、照射前と比べて視認性が高い色(例えば、黒色或いは灰色)に変色するマーキング処理が施される。
図7(c)に示すように、この加工処理により、他の部位と比べて視認性が相対的に高く、平面視にて円形状である調整用マーク22mが形成される。ここでは、電線2を圧着接続する際に、被覆材22の外周面の上であって開口端31eよりも矢印X1側(基端側)の位置に対応する部位に、調整用マーク22mを形成する。電線2を挿入する際に、圧着部31の外側から粗化領域22b、22cの位置が視認できない場合であっても、調整用マーク22mの位置を手掛かりにして、電線2を正しい向きに案内できる。
好ましくは、レーザ加工を施すことで粗化領域22b、22c及び調整用マーク22mをそれぞれ形成する。同一の工程内で形成することで、加工を開始するまでの準備が1回で済み、端子付き電線1の生産効率が向上する。
なお、調整用マーク22mを形成する際に、上記したレーザ加工を除く他の加工処理を採用してもよい。例えば、サンドブラスト加工の他、印刷加工を施してもよいし、所定温度に加熱された焼き鏝(こて)を被覆材22の外周面に押し付け、その焼き鏝の熱により変色させてもよい。更に、調整用マーク22mの個数を、複数個に設定してもよく、形状に関しては、例えば三角、四角、星形、菱形、楕円形、×等の判別しやすい形状に設定してもよい。また、粗化領域22b、22c、及び調整用マーク22mの形成順序の先後は問わない。
図6のステップS3である「挿入工程」において、ステップS2にて加工された電線2を、所定の向きに、所定の長さだけ端子3に挿入する。具体的には、電線2の露出部2aを端子3の開口部31dに近づけた上で、被覆材22に形成された調整用マーク22mが正しい位置にあるか否かを確認する。具体的には、電線2の調整用マーク22mと、端子3の突き合わせ部31fとの周方向の位置(角度θ)が一致するか否かを確認する。
両者の位置が一致しない場合、両者の差異を小さくする方向に電線2を回動させた後、位置の一致性を再度確認する。一方、両者の位置が一致した場合、その位置関係を保ったまま、電線2の露出部2aを端子3の開口部31dから挿入する。
なお、調整用マーク22mは、電線2の挿入量を調整するための位置決め用マークとしても機能する。具体的には、調整用マーク22mと、開口端31eとの軸心方向の位置(相対位置X)に応じて挿入量を決定してもよい。
図6のステップS4である「圧着工程」において、ステップS3にて挿入した電線2を圧着する。以下、図8を参照しながら詳細に説明する。
図8に示すように、圧着接続前の電線2及び端子3を圧着型4bにセットし、圧着型4bの上方にある圧着型4aを下降させる。その後、端子3の圧着部31を圧着方向P1からかしめることで、電線2及び端子3を圧着接続する。ここで、圧着方向P1は、2本の仮想線24、25を包摂する仮想平面27にほぼ直交する。この場合、圧着方向P1に対応する周方向の位置(θ=0度、180度)にて圧着力が最大となると共に、側方向P2に対応する周方向の位置(θ=90度、270度)にて圧着力が最小となる。
このようにして、端子付き電線1の製造は、ステップS1〜S4をもって終了する。この製造方法によれば、電線2を圧着接続する前に、被覆材22の外周面に他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域22b、22cを複数形成する形成工程(図6のステップS2)を備える。形成工程では、電線2を圧着接続する際に、開口端31eから剥離端22aまでの範囲にあって、軸心23を挟んで互いに対向する、外周面の上にある2本の仮想線24、25の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐと共に、剥離端22a又はその周辺の位置に対応する部位に粗化領域22b、22cを形成する。これにより、上記した作用効果を奏する端子付き電線1を製造できる。
<応用例>
続いて、この端子付き電線1の応用例について説明する。図9は、図1に示す端子付き電線1を組み込んだワイヤハーネス100の斜視図である。
ワイヤハーネス100は、端子付き電線1、1、1、‥‥と、それらの端部にそれぞれ取り付けられたコネクタ102、102、102、‥‥とで構成される接続構造体104A、104B、104C、‥‥を有している。そして、ワイヤハーネス100は、各接続構造体104A(B、C、‥‥)を図示しない部材と組み合わせ、巻テープ106で束ねた後に、その端部に集合コネクタ108を配置してなる組み電線である。
以上のように、端子付き電線1を複数束ねることで、軽量化及び高い止水性を両立可能なワイヤハーネス100が得られる。例えば、このワイヤハーネス100を車両に搭載すれば、車両の大幅な軽量化を図れると共に、燃費効率の向上に繋がる。
<変形例>
図10は、変形例に係る被覆材122の展開図であり、図4と同様に、二次元グラフを用いて位置を表現する。被覆材122の外周面の一部には、1つの粗化領域22dのみが周方向に沿って形成される点で、上記した実施形態(図4の被覆材22)と異なる。
粗化領域22dは、剥離端22aから隙間G[μm]だけ離れて配されている。また、粗化領域22dは、軸心方向の幅がWa[μm]であり、かつ、周方向の幅がWc=360度である。つまり、粗化領域22bは、軸心方向ではG〜(G+Wa)[μm]の範囲に、周方向では0〜360[度]の範囲に存在する。
以上のように、粗化領域22dは1つであり、環状に形成されてもよい。これにより、電線2の挿入向きを特に意識することなく、水分Wが浸入する可能性が高い部位を確実に網羅できる。
<補足>
ところで、端子3の圧着方向P1(図8参照)を把握する方法について説明する。
[1]圧着工程(図6のステップS4)に立ち会うことが最も確実な手段である。これに代わって、以下に示すように、製造後の端子付き電線1を分析することで圧着方向P1を推定してもよい。
[2]圧着部31の形状によって圧着方向P1を推定できる場合がある。例えば、金属板を筒状に折り曲げて端部同士を溶接する場合、突き合わせ部31fの位置から圧着方向P1を推定できる。
[3]電線2の断面形状によって圧着方向P1を推定できる。なぜならば、電線2及び端子3の圧着工程を経て、電線2の断面形状が異方的に変形するためである。具体的には、圧着方向P1は、軸心23を通る角度方向のうち、電線2の厚さが最小値となる方向に相当する。例えば、電線2の断面形状が楕円である場合、圧着方向P1は短軸方向であると推定できる。
[4]圧着部31におけるバリの発生箇所によって圧着方向P1を推定できる。なぜならば、電線2及び端子3の圧着工程を経て、一対の圧着型4a、4b(図8)の境界面に沿って圧着部31が塑性変形するためである。具体的には、圧着方向P1は、2本のバリを包摂する仮想平面27の法線方向に相当する。なお、バリの発生箇所に代わって、バリを研磨した箇所を用いてもよい。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、特にこれらの実施例に限定されることはない。
以下の各実施例1〜5及び比較例1においては、端子及び電線を備えた端子付き電線を用いて塩水噴霧試験及び腐食評価を実施した。なお、端子に使用した金属基材の詳細は以下の通りである。
端子の金属基材として、古河電気工業製の銅合金板材FAS−680(厚さ0.25mm、H材)を用いた。FAS−680の合金組成は、ニッケル(Ni)を2.0〜2.8質量%、シリコン(Si)を0.45〜0.6質量%、亜鉛(Zn)を0.4〜0.55質量%、すず(Sn)を0.1〜0.25質量%、及びマグネシウム(Mg)を0.05〜0.2質量%含有し、残部が銅(Cu)及び不可避不純物である。FAS−680のビッカース硬さは約200Hvである。なお、少なくとも、溶接部が形成される金属基材の部分には、めっき部としてすずめっきが施された金属部材を用いた。
アルミニウム電線の芯線は、古河電気工業製のアルミ合金MSAl(線、線径0.43mm)を用いた。MSAlの合金組成は、鉄(Fe)を約0.2%、銅(Cu)を約0.2%、マグネシウム(Mg)を約0.1%、シリコン(Si)を約0.04%、残部がアルミニウム(Al)及び不可避不純物である。MSAlを用い2.5sq、19本撚りの電線にした。また、電線の被覆材は、ハロゲンフリー樹脂としてエチレン酢酸ビニル共重合体を用いた。被覆材は、電線の周囲を外径が2.4mmとなるように押出し法により形成し、被覆材の肉厚は150μmである。被覆材の外周面のθ=90度、270度を中心とする位置に、2つの粗化領域を形成した。
この状態で電線を端子の圧着部に差し込み、被覆材を覆う圧着部を、圧着型を用いて強圧縮することで圧着接続した。
塩水噴霧試験及び腐食評価は、以下の手順で実施した。
端子付き電線をキャビティに挿入し、電線側が天井、端子側が地面向きになるようにして、キャビティが中空に浮くように試験装置にセットし、塩水噴霧試験を行った。塩水噴霧試験は、5質量%塩水を35℃に調整し、連続で96時間噴霧した。
その後、端子を解体して圧着部内の導体の腐食(劣化)状況を目視で確認・評価した。
なお、実施例1〜5及び比較例1ともにそれぞれ10本の端子付き電線ついて、試験・評価を実施した。
以下、実施例1〜5及び比較例1における、剥離端と粗化領域の軸心方向の隙間G、粗化領域の軸心方向の幅Wa、粗化領域の周方向の幅Wc及び剥離端と開口端との間の距離Lについて示す。
(実施例1)
G:50μm
Wa:100μm
Wc:90度
L:2000μm
(実施例2)
G:50μm
Wa:150μm
Wc:90度
L:2000μm
(実施例3)
G:50μm
Wa:200μm
Wc:90度
L:2000μm
(実施例4)
G:50μm
Wa:500μm
Wc:90度
L:2000μm
(実施例5)
G:50μm
Wa:1000μm
Wc:90度
L:2000μm
(比較例1)
G:0μm
Wa:0μm
Wc:0度
L:2000μm
上記した実施例1〜5及び比較例1の試験結果及び評価を表1に示す。
この表1では、腐食試験観察評価について3段階に分けて評価をした。圧着部内の導体の腐食状況を目視により、○、△、×の3段階の評価をした。
○・・・腐食なし
△・・・腐食なしがあり
×・・・腐食あり(「腐食なし」がない)
Figure 2017022048
表1に示すように、粗化領域の幅Waが、比較例1のように0μmの場合には、試験を実施した10本の端子付き電線の全てに腐食が見られた。つまり、圧着接続だけでは、止水効果は得られないことが分かった。
これに対して、粗化領域の幅Waが、実施例1のように100μmの場合には、10本中7本に腐食が観察されず、高い確率で腐食のない端子付き電線を得ることができた。粗化領域の幅Waが、実施例2〜5のように150μm、200μm、500μm、1000μmの場合には、10本中10本全ての端子付き電線に腐食が観察されなかった。
1 端子付き電線
2 電線
2a 露出部
3 端子
21 線材
22、122 被覆材
22b、22c、22d 粗化領域
22m 調整用マーク(向き決め用マーク)
22a 剥離端
23 軸心
24、25 仮想線
31 圧着部
31e 開口端
100 ワイヤハーネス

Claims (14)

  1. 導電性の線材と、該線材を被覆する絶縁性の被覆材とを有し、前記被覆材の剥離により前記線材の先端側が露出する露出部が形成された電線と、
    筒状の圧着部を有し、少なくとも前記露出部を前記圧着部に挿入させて前記電線と圧着接続した端子と
    を備える端子付き電線であって、
    前記圧着部の開口端から前記被覆材の剥離端までの範囲にある前記被覆材の外周面の一部には、他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域が1つ又は複数形成され、
    前記粗化領域は、前記電線の軸心を挟んで互いに対向する、前記外周面の上にある2本の仮想線の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐと共に、前記剥離端又は該剥離端の周辺の位置に形成される
    ことを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記粗化領域は、前記2本の仮想線のうちいずれか一方を中心線とする対称の形状を有する請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記粗化領域は2つであり、前記電線の軸心に対して線対称に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子付き電線。
  4. 前記粗化領域は1つであり、環状に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子付き電線。
  5. 前記粗化領域は、前記電線の軸心方向に沿って、100μm以上の幅をもって形成されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の端子付き電線。
  6. 前記粗化領域は、前記電線の軸心方向に沿って、前記開口端から前記剥離端までの前記被覆材の長さの30%以上の幅をもって形成されることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の端子付き電線。
  7. 前記粗化領域は、5質量%濃度の塩水に対する接触角が90度以上であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の端子付き電線。
  8. 前記粗化領域は、前記外周面の一部にレーザ加工を施すことで形成されることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の端子付き電線。
  9. 前記電線の圧着方向は、前記2本の仮想線を包摂する仮想平面に直交することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の端子付き電線。
  10. 前記線材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の端子付き電線。
  11. 導電性の線材と、該線材を被覆する絶縁性の被覆材とを有し、前記被覆材の剥離により前記線材の先端側が露出する露出部が形成された電線と、
    筒状の圧着部を有し、少なくとも前記露出部を前記圧着部に挿入させて前記電線と圧着接続した端子と
    を備える端子付き電線を製造する方法であって、
    前記電線を圧着接続する前に、前記被覆材の外周面に他の領域と比べて表面粗さが大きい粗化領域を1つ又は複数形成する形成工程を備え、
    前記形成工程では、前記電線を圧着接続する際に、
    前記圧着部の開口端から前記被覆材の剥離端までの範囲にあって、前記電線の軸心を挟んで互いに対向する、前記外周面の上にある2本の仮想線の少なくとも一方を周方向に沿って跨ぐと共に、前記剥離端又は該剥離端の周辺の位置に対応する部位に前記粗化領域を形成する
    ことを特徴とする端子付き電線の製造方法。
  12. 前記形成工程では、前記電線を圧着接続する際に、
    前記外周面の上であって前記開口端よりも基端側の位置に対応する部位に、前記電線の向き決め用マークを更に形成する
    ことを特徴とする請求項11に記載の端子付き電線の製造方法。
  13. 前記形成工程では、前記外周面の一部にレーザ加工を施すことで前記粗化領域及び前記向き決めマークをそれぞれ形成することを特徴とする請求項12に記載の端子付き電線の製造方法。
  14. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の端子付き電線を複数束ねてなることを特徴とするワイヤハーネス。
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