JP2017020991A - X線検査装置、及びx線検査方法 - Google Patents

X線検査装置、及びx線検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017020991A
JP2017020991A JP2015141197A JP2015141197A JP2017020991A JP 2017020991 A JP2017020991 A JP 2017020991A JP 2015141197 A JP2015141197 A JP 2015141197A JP 2015141197 A JP2015141197 A JP 2015141197A JP 2017020991 A JP2017020991 A JP 2017020991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
ray
unit
debye
fluorescent plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015141197A
Other languages
English (en)
Inventor
楠田 達文
Tatsufumi Kusuda
達文 楠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Advance Technology Corp
Original Assignee
Nidec Read Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Read Corp filed Critical Nidec Read Corp
Priority to JP2015141197A priority Critical patent/JP2017020991A/ja
Publication of JP2017020991A publication Critical patent/JP2017020991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

【課題】複数の検査箇所の検査時間を短縮することが容易な、すなわち大量生産に適したX線検査装置及びX線検査方法を提供する。【解決手段】検査対象となる1又は複数の検査対象物Tにおける複数の検査箇所TP1〜TP4に対してX線を照射することにより検査箇所TP1〜TP4でそれぞれ回折した複数の回折X線322を、ルミネセンスによる発光を生じる板状の蛍光板Pに照射するX線照射部3と、蛍光板Pに、蛍光板Pを発光させるための熱エネルギーを付与する加熱用ハロゲンランプ52と、発光により生じたデバイ環D1〜D4を撮像するカメラ53と、カメラ53により撮像されたデバイ環D1〜D4に基づき、検査箇所TP1〜TP4の良否を判定する判定部81とを備えた。【選択図】図4

Description

本発明は、X線を用いて検査を行うX線検査装置、及びX線検査方法に関する。
従来より、X線が照射された試料にて回折散乱されたX線を測定する装置であって、熱蛍光シートを加熱する加熱ヒータと、熱蛍光シートを加熱して現像する際に熱蛍光シートから放出される光を検出する光検出器と、熱蛍光シートの現像後に、前記熱蛍光シートを冷却するための冷却手段とを備えたX線検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−285797号公報
しかしながら、上述のX線検査装置では、試料へのX線の照射後、熱蛍光シートの加熱、光検出、冷却の各工程を順次実行しなければ、次の新たな試料の検査を行うことができない。そのため、複数の検査箇所、あるいは複数の試料を検査する場合、検査に長時間かかるという不都合があった。そのため、例えば量産製品の出荷検査などにX線検査装置を用いる場合、全数検査を行うと検査に非常に長い時間がかかってしまうため、抜き取り検査を行わざるを得なかった。
本発明の目的は、複数の検査箇所の検査時間を短縮することが容易な、すなわち大量生産に適したX線検査装置及びX線検査方法を提供することである。
本発明に係るX線検査装置は、検査対象となる1又は複数の検査対象物における複数の検査箇所に対してX線を照射することにより前記複数の検査箇所でそれぞれ回折した複数の回折X線を、ルミネセンスによる発光を生じる板状の蛍光板に照射するX線照射部と、前記蛍光板に、前記蛍光板を発光させるためのエネルギーを付与するエネルギー付与部と、前記発光により生じたデバイ環を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像されたデバイ環に基づき、前記複数の検査箇所の良否を判定する判定部とを備える。
また、本発明に係るX線検査方法は、検査対象となる1又は複数の検査対象物における複数の検査箇所に対してX線を照射することにより前記複数の検査箇所でそれぞれ回折した複数の回折X線を、ルミネセンスによる発光を生じる板状の蛍光板に照射するX線照射工程と、前記蛍光板に、前記蛍光板を発光させるためのエネルギーを付与するエネルギー付与工程と、前記発光により生じたデバイ環を撮像する撮像工程と、前記撮像工程により撮像されたデバイ環に基づき、前記複数の検査箇所の良否を判定する判定工程とを含む。
これらの構成によれば、検査対象となる1又は複数の検査対象物における複数の検査箇所に対してX線が照射され、前記複数の検査箇所でそれぞれ回折した複数の回折X線が蛍光板に照射される。そして、蛍光板に、ルミネセンスによる発光を生じるためのエネルギーが付与され、発光により生じたデバイ環、すなわち複数の検査箇所に対応するデバイ環が撮像される。さらに、撮像部により撮像された複数のデバイ環に基づき、複数の検査箇所の良否が判定される。背景技術に記載のように試料にX線を照射する都度、熱蛍光シートを加熱、現像するとすれば、加熱、現像に必要な時間のために複数箇所の検査に長時間かかってしまうところ、この構成によれば、一枚の蛍光板にエネルギーを付与するだけでその蛍光板から複数の検査箇所に対応するデバイ環を取得することができ、その複数のデバイ環に基づき、複数の検査箇所の良否を判定することができる。従って、複数の検査箇所の検査時間を短縮することが容易となり、すなわち大量生産に適したX線検査装置又はX線検査方法を提供することが可能となる。
また、前記X線照射部は、前記複数の回折X線を、前記蛍光板の、互いに異なる位置に照射することが好ましい。
この構成によれば、複数の回折X線により得られるデバイ環が、蛍光板上の互いに異なる位置に形成されるので、各デバイ環を解析する等して良否を判定することが容易となる。その結果、判定部が、各デバイ環に基づき良否を判定することが容易となる。
また、前記X線照射部は、前記各回折X線により前記蛍光板に形成されるデバイ環が、その重心位置が互いに異なり、かつ重なるように前記各回折X線を前記蛍光板に照射することが好ましい。
この構成によれば、各デバイ環の位置が互いに異なりつつ、かつ環が部分的に重なるように形成される。その結果、各デバイ環に基づく良否判定を容易にしつつ、複数のデバイ環を形成するために必要な蛍光板の面積を縮小することができる。
また、前記判定部は、前記検査において、前記撮像部により撮像された複数のデバイ環のそれぞれに対して良否を判定することが好ましい。
この構成によれば、複数のデバイ環は複数の検査箇所に対応しているので、複数のデバイ環のそれぞれに対して良否を判定することによって、検査箇所毎に良否を判定することが可能となる。
また、前記判定部は、前記撮像部により撮像された、前記各デバイ環の重心位置、前記各デバイ環の幅、前記各デバイ環の歪み、前記各デバイ環が歪んでいる場合の頂点の位置、前記各デバイ環が歪んでいる場合の長軸の軸方向、前記各デバイ環が歪んでいる場合の短軸の軸方向、及び前記各デバイ環における所定の光度の閾値より明るい部分である抽出デバイ環が途切れるときの前記光度の閾値のうち少なくとも一つに基づき前記判定を行うことが好ましい。
複数のデバイ環が、その重心位置が互いに異なり、かつ重なるように形成されていた場合、すなわち環がずれて重ねられた場合であっても、各デバイ環から各デバイ環の重心位置、各デバイ環の幅、各デバイ環の歪み、各デバイ環が歪んでいる場合の頂点の位置、各デバイ環が歪んでいる場合の長軸の軸方向、各デバイ環が歪んでいる場合の短軸の軸方向、及び前記光度の閾値の各指標を、各デバイ環から取得することは容易である。従って、この構成によれば、複数のデバイ環が、その重心位置が互いに異なり、かつ重なるように形成することで、蛍光板の面積を縮小容易にしつつ、各デバイ環から取得容易な各指標に基づき、容易に良否を判定することができる。
また、正常な前記複数の検査箇所に対応して得られるデバイ環の画像である基準画像を予め記憶する判定基準記憶部をさらに備え、前記判定部は、前記検査において、前記撮像部により撮像されたデバイ環と、前記判定基準記憶部に記憶されている基準画像とを比較することにより前記判定を行うことが好ましい。
この構成によれば、複数の検査箇所に対応して得られるデバイ環の良否を判定することが容易である。
また、前記1又は複数の検査対象物を振動させる振動印加部をさらに備え、前記X線照射部は、前記検査対象物が振動している状態で、前記複数の検査箇所に対してX線を照射してその複数の検査箇所で前記X線を反射させることにより前記複数の回折X線を生じさせることが好ましい。
検査対象物にX線を反射させた場合、X線の浸透深さよりもさらに深い位置に欠陥があると、反射した回折X線にはその欠陥が反映されないので、通常は欠陥を検出できない。しかしながら、この構成によれば、X線の浸透深さよりもさらに深い位置に欠陥があった場合であっても、検査対象物を振動させることで、欠陥の有無に応じてX線の浸透領域の応力分布が変化し、その応力分布の変化が回折X線に反映される。その結果、X線の浸透深さよりもさらに深い位置の欠陥を不良と判定することが可能となる。
このような構成のX線検査装置及びX線検査方法は、複数の検査箇所の検査時間を容易に短縮することができる。
本発明の第一実施形態に係るX線検査装置を概略的に示す概念図である。 図1に示すX線検査装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す露光部の構成の一例を概念的に示す側面図である。 露光工程にて得られるデバイ環の一例を示す説明図である。 図1に示す露光部の別の構成の一例を概念的に示す側面図である。 図1に示す検査部の構成の一例を概念的に示す側面図である。 判定基準情報の一例を示す表形式の説明図である。 判定基準情報の判定項目の一例を説明するための説明図である。 図1に示すX線検査装置及びX線検査方法に係るX線照射工程における動作の一例を示すフローチャートである。 図1に示すX線検査装置及びX線検査方法に係るエネルギー付与工程、撮像工程、及び判定工程における動作の一例を示すフローチャートである。 検査対象物を振動させながら、X線を照射することの効果を説明するための説明図である。 図4に示すデバイ環の他の一例を示す説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係るX線検査装置を概略的に示す概念図である。図1は、X線検査装置を上方から見た状態を示している。
図1に示すX線検査装置1は、回転台2、X線照射部3、予備加熱部4、検査部5、初期化部6、及び冷却部7を備えている。回転台2は、上面が略平坦な略円盤状の板状部材である。回転台2は、例えば回転台2の下方に配設された後述の搬送用モータ21によって、回転台2の中心部を中心にして水平に回転駆動される。
回転台2の周縁部の内側上面には、円周Cに沿って複数、例えば16枚の蛍光板P1〜P16が配置されている。蛍光板P1〜P16は、回転台2上に載置されていてもよく、固着されていてもよい。以下、蛍光板P1〜P16を総称して蛍光板Pと称する。
蛍光板Pは、例えば一辺3cm〜10cm程度の矩形板状の形状を有している。蛍光板Pは、熱ルミネセンス(thermo-luminescence)現象を生じる板状の熱ルミネセンス蛍光板である。蛍光板Pは、例えばLiF、CaF2、CaSO4、SrSO4、Mg2SiO4:Tb等の熱ルミネセンスを生じる物質を、板状の部材に塗布することで構成してもよく、これらの物質そのものを板状に成形したものであってもよい。
蛍光板Pは、放射線のエネルギーを吸収すると、結晶原子の電離、励起作用により生成された電子の一部が捕獲中心に捕獲される。捕獲された電子は、加熱されると再励起され、基底状態に戻るときに光を放出する。このときの発光量は、蛍光板Pに吸収された放射線のエネルギーに比例する。
そこで、後述するように、検査対象物TにX線を照射して得られた回折X線を蛍光板Pに照射すると、蛍光板Pに回折X線の二次元画像が潜像として記憶されることになる。このようにして回折X線画像が記憶された蛍光板Pを、加熱することによりその回折X線画像を発光させて撮像することによって、回折X線画像を取得することができる。この回折X線画像は環状となり、デバイ環(デバイ・シェラー環)と称される。
回折X線の潜像が形成された蛍光板Pは、長時間、例えば10〜90分の間、高温、例えば200℃〜400℃の初期化温度に維持することによって、潜像が消去されて初期化され、再び新たな検査対象物Tの検査に用いることができる。
図1中、円周Cに沿って、反時計回りに照射位置31、予備加熱位置41、発光位置51、初期化位置61、及び冷却位置71が配置されている。これにより、回転台2が反時計回りに回転すると、回転台2上の蛍光板Pが、照射位置31、予備加熱位置41、発光位置51、初期化位置61、及び冷却位置71を順次通過して、再び照射位置31に戻るようになっている。
照射位置31にはX線照射部3が配置され、予備加熱位置41には予備加熱部4が配置され、発光位置51には検査部5が配置され、初期化位置61には初期化部6が配置され、冷却位置71には冷却部7が配置されている。
図2は、図1に示すX線検査装置1の電気的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すX線検査装置1は、搬送用モータ21、X線発生装置32、保持部35、振動装置38、エアブロワ36、X線照射指示ボタン37、予備加熱ヒータ42、加熱用ハロゲンランプ52(エネルギー付与部)、カメラ53(撮像部)、送風ファン54、初期化用ヒータ62、冷却ファン72、表示装置13、及び制御部8を備える。表示装置13は、例えば液晶表示装置等の表示装置である。
制御部8は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、所定の制御プログラム等を記憶する不揮発性のROM(Read Only Memory)、フラッシュROM、あるいはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部、タイマ回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。そして、制御部8は、例えば上述の制御プログラムを実行することにより、搬送用モータ21、X線発生装置32、保持部35、エアブロワ36、予備加熱ヒータ42、加熱用ハロゲンランプ52、カメラ53(撮像部)、送風ファン54、初期化用ヒータ62、及び冷却ファン72の動作を制御する。
また、制御部8は、例えば上述の制御プログラムを実行することにより、X線照射処理部80、及び判定部81として機能する。また、上記記憶部は、カメラ53で撮像されたデバイ環の画像に基づき検査対象物Tの良否を判定するための判定基準情報を記憶する判定基準記憶部82として用いられる。
搬送用モータ21は、例えば回転台2の下方に配設され、回転台2の中心部を中心にして回転台2を水平に回転させる。X線照射指示ボタン37は、ユーザからのX線発生装置32によるX線照射の実行指示を受け付けるものであり、例えば操作ボタンである。
図3は、図1に示すX線照射部3の構成の一例を概念的に示す側面図である。X線照射部3は、回転台2上の照射位置31を覆うように配設された筐体33と、筐体33内に配設された、X線発生装置32、保持部35、及び振動装置38(振動印加部)を備えている。筐体33には、開閉可能な扉34が設けられている。筐体33と保持部35については断面図で示している。
保持部35は、検査対象物Tが載置され、あるいは保持可能にされている。保持部35は、図略のアクチュエータにより、X線照射処理部80からの制御信号に応じてその位置を上下左右に調節したり、検査対象物Tを回転させるなどして向きを調節したりする等、検査対象物Tを保持すると共に、その位置や向きを適宜変更可能にされている。保持部35は、検査対象物Tの位置や向きを適宜変更することにより、検査対象物T上の任意の検査箇所に、X線照射部3からのX線を照射させることができる。保持部35は、複数の検査対象物Tを同時に保持可能であってもよい。
保持部35には、振動装置38が取り付けられている。振動装置38は、保持部35によって保持されている検査対象物Tを振動させる。振動装置38としては、例えば振動スピーカ、超音波振動子、あるいは振動モータ等、種々の振動発生装置を用いることができる。
なお、保持部35が検査対象物Tの位置や向きを変更することにより、検査対象物TへのX線の照射位置を変更する構成に限らない。例えば、X線発生装置32がそのX線の照射方向を変更することにより、検査対象物TへのX線の照射位置を変更する構成であってもよい。
ユーザは、扉34を開いて、筐体33内に検査対象となる検査対象物Tを出し入れし、保持部35によって検査対象物Tを保持させることにより、筐体33内の所定の配置位置に検査対象物Tを配置可能とされている。筐体33は、例えば鉛板や鉄板などを積層することで、X線を遮蔽する構造とされている。
X線発生装置32は、X線照射処理部80からの制御信号に応じてX線を発生させ、そのX線を、保持部35によって保持された検査対象物Tに照射する。X線発生装置32は、例えば10kV〜150kV、1〜9mA程度の出力のものを用いることができる。X線発生装置32の出力部には、例えば内径が1〜3mm程度の鉛パイプが取り付けられており、照射するX線の直径を1〜3mm程度に絞るようにされている。
検査対象物Tは、特に限定されないが、例えば、自動車に搭載される車載部品、モータ(特に溶接箇所)、アルミダイキャスト部品、あるいはコネクタ等の金属部品や金属を含む部品等が、検査対象物Tとして好適である。図3に示す検査対象物Tには、内部に空洞Hが形成されている。
上述したように、X線発生装置32によって照射されるX線の直径は、1〜3mm程度にされている。そのため、検査対象物TがX線の照射範囲より大きいと、検査対象物T全体に一度にX線を照射することはできない。この場合、検査対象物T全体を一度に検査することは困難である。そこで、検査対象物Tには、検査対象の箇所が複数、例えば検査箇所TP1,TP2,TP3,TP4として設定されている。以下、検査箇所TP1,TP2,TP3,TP4を総称して、検査箇所TPと称する。
ユーザは、保持部35によって検査対象物Tを保持させ、扉34を閉じた後、X線照射指示ボタン37を押下することによって、X線検査装置1に対して検査を指示する。X線照射指示ボタン37が押下されると、X線照射部3は、X線照射処理部80からの制御指示に応じて以下の露光工程を実行する。
X線照射処理部80は、露光工程において、振動装置38によって検査対象物Tを振動させる。X線照射処理部80は、検査対象物Tを振動させた状態で、保持部35及びX線発生装置32を制御して、検査対象物Tの検査しようとする検査箇所TP1〜TP4の表面に対し、順次、X線321を照射させる。例えば検査箇所TP1に対して入射角θでX線が照射されると、X線321が検査対象物Tで回折して得られた回折X線322が、出射角θを中心とする円環状に蛍光板Pに照射される。これにより、蛍光板Pに、いわゆるデバイ環と称される回折X線の二次元画像が潜像として記憶される。以下、検査箇所TPiから得られたデバイ環を、デバイ環Diと称する(i=1,2,3,・・・)。
X線照射処理部80は、検査箇所TP1へのX線照射が終了すると、保持部35により検査箇所TP2をX線照射位置に移動させ、X線発生装置32によって検査箇所TP2にX線を照射させ、蛍光板Pにデバイ環D2の潜像を形成させる。このとき、X線照射処理部80は、蛍光板Pに形成されるデバイ環D1の位置と、デバイ環D2の位置とがずれるように、検査対象物Tの位置や向きを保持部35によって調節させる。この場合、X線発生装置32によるX線照射角度を変更して各デバイ環の位置をずらすようにしてもよく、蛍光板Pの位置を例えばX−Yテーブルなどの移動機構により移動させることにより、各デバイ環の位置をずらすようにしてもよい。
X線照射処理部80は、すべての検査箇所に対応するデバイ環の潜像が蛍光板Pに形成されるまで、各検査箇所へのX線照射を繰り返させる。なお、保持部35は、それぞれに検査箇所が1又は複数設定された複数の検査対象物Tを保持し、X線照射処理部80は、これら複数の検査対象物Tのすべての検査箇所に対応するデバイ環の潜像が一枚の蛍光板Pに形成されるまで、各検査箇所へのX線照射を繰り返させるようにしてもよい。また、複数の検査対象物Tを順次交換しながら保持部35で保持し、X線照射処理部80は、これら複数の検査対象物Tのすべての検査箇所に対応するデバイ環の潜像が一枚の蛍光板Pに形成されるまで、各検査箇所へのX線照射を順次繰り返させるようにしてもよい。
図4は、露光工程にて得られるデバイ環の一例を示す説明図である。図4では、四つの検査箇所TP1〜TP4に対応して、デバイ環D1〜D4の四つのデバイ環が得られる例を記載している。露光工程では、図4に示すデバイ環D1〜D4は、蛍光板Pに潜像として記録されている。後述する検査工程では、図4に示すデバイ環D1〜D4が発光することになる。以下、デバイ環D1〜D4を総称して、デバイ環Dと称する。
図4に示すように、デバイ環D1〜D4が、その重心位置(中心位置)が互いに異なり、かつ環が重なるように、保持部35及びX線発生装置32によって、検査箇所TP1〜TP4に対応する各回折X線が蛍光板Pに照射される。
なお、図3では、反射型のX線照射部3を示したが、例えば図5に示すX線照射部3aのように、X線発生装置32から照射されたX線321が、検査対象物Tを透過するように照射され、検査対象物Tを透過して得られた回折X線322が、蛍光板Pに照射される構成としてもよい。
エアブロワ36は、照射位置31と発光位置51との間、例えば照射位置31と予備加熱位置41との間に配設されている。回転台2によって蛍光板Pが搬送される過程で、エアブロワ36は、蛍光板P表面に空気を吹き付けることによって、蛍光板P表面の埃などのパーティクルを吹き飛ばす。
蛍光板P表面にパーティクルが付着していると、後述の検査部5において撮像されるデバイ環の画像にパーティクルの影が写り、検査精度が低下する。また、検査部5では、加熱用ハロゲンランプ52によって蛍光板Pが高温に加熱されるので、蛍光板Pにパーティクルが付着していると、蛍光板Pにパーティクルの焼き付きが生じ、蛍光板Pを劣化させてしまうおそれがある。
そこで、発光位置51で蛍光板Pが加熱される前に、エアブロワ36によって蛍光板Pのパーティクルを吹き飛ばすことによって、検査精度の低下や蛍光板Pの劣化が生じるおそれを低減することができる。予備加熱位置41では、発光位置51よりは低温ではあるものの蛍光板Pが予備的に加熱されるので、焼き付きを防止する観点では、予備加熱位置41に蛍光板Pが搬送される前に蛍光板Pにエアブロワ36による吹きつけが行われる構成とすることがより好ましい。あるいは、予備加熱位置41でエアブロワ36による吹きつけが行われる構成としてもよい。
予備加熱部4は、回転台2によって予備加熱位置41に運ばれてきた蛍光板Pを、予備的に加熱する予備加熱工程を実行する。予備加熱位置41としては、回転台2上に配設された複数、例えば三枚の蛍光板Pを収容可能な広さの領域が設定されている。予備加熱部4は、予備加熱位置41の蛍光板Pを、蛍光板Pが蛍光発光し始める温度よりもわずかに低い温度に予め設定された予備加熱温度、例えば80℃程度に加熱する。
具体的には、予備加熱部4は、例えば予備加熱位置41を覆う略箱状の予備加熱カバー43と、例えば予備加熱カバー43の天井から、予備加熱位置41の蛍光板Pと対向するように吊り下げられた予備加熱ヒータ42とを備えている。
なお、予備加熱ヒータ42の代わりにハロゲンランプ等の光源を用い、その光を蛍光板Pに当てて加熱する構成としてもよい。また、予備加熱部4は、カバーを有していなくてもよい。また、例えば予め回転台2上の全ての蛍光板Pの下部に、それぞれヒータを配設しておき、制御部8が、回転台2によって予備加熱位置41に運ばれてきた蛍光板P下部のヒータを予備加熱温度に加熱することによって、それらのヒータを予備加熱ヒータとして機能させる構成としてもよい。あるいは、予備加熱部4は、予備加熱位置41に運ばれてきた蛍光板Pに熱風を当てることにより、蛍光板Pを予備加熱する構成としてもよい。
図6は、図1に示す検査部5の構成の一例を概念的に示す側面図である。図6に示す検査部5は、遮光カバー55、加熱用ハロゲンランプ52、カメラ53、及び送風ファン54を備えている。遮光カバー55は、略箱状形状を有し、回転台2上の発光位置51を覆うように配設されている。遮光カバー55は、外部からの光を遮光するようになっている。加熱用ハロゲンランプ52、カメラ53、及び送風ファン54は、遮光カバー55内に配設されている。
加熱用ハロゲンランプ52は、発光位置51に配設された蛍光板Pの上方に配設され、蛍光板Pに対して近赤外域〜可視域の光を照射することによって熱エネルギーを付与し、蛍光板Pを100℃〜300℃、より好ましくは200℃程度の発光温度に蛍光板Pを加熱する。そうすると、X線照射部3で蛍光板Pに照射された回折X線322により生じた複数のデバイ環、例えば図4に示すデバイ環D1〜D4が、熱ルミネセンス作用(熱蛍光作用)により発光する。
制御部8は、搬送用モータ21によって回転台2を回転させて新たな蛍光板Pを発光位置51に搬送させると回転台2を停止させ、以下の検査工程を実行する。制御部8は、検査工程では、加熱用ハロゲンランプ52を点灯させて蛍光板Pを発光温度に加熱させた後に加熱用ハロゲンランプ52を消灯させ、熱ルミネセンス作用により発光した複数のデバイ環D1〜D4の発光画像をカメラ53によって撮像させる。なお、エネルギー付与部として光を出さないホットプレート等のヒータを用いる場合には、蛍光板Pを加熱しつつデバイ環の撮像を行う構成としてもよい。
カメラ53は、例えばレンズユニット531と、CCD(Charge Coupled Device)532とを備えている。これにより、発光したデバイ環D1〜D4(図4)がCCD532に結像され、その画像を示す画像データが制御部8へ送信される。
デバイ環の撮像が終了し、検査工程が終了すると、制御部8は、再び搬送用モータ21によって回転台2を回転させて新たな蛍光板Pを発光位置51に搬送させる。
なお、エネルギー付与部は、加熱用ハロゲンランプ52に限らない。エネルギー付与部としては、予備加熱部4と同様、種々の加熱手段を用いることができる。また、蛍光板Pは、熱ルミネセンス作用(熱蛍光作用)により発光するものに限らない。例えば、蛍光板Pは、光ルミネセンス作用(光輝尽発光:photo stimulated luminescence)を生じるものであってもよい。この場合、予備加熱部4を備えず、加熱用ハロゲンランプ52の代わりにレーザ装置をエネルギー付与部として備え、検査部5はレーザ光を蛍光板Pに照射することにより蛍光板Pを発光させるようにしてもよい。
このような光ルミネセンス作用を生じる材料としては、例えば、BaFBr:Eu2+、BaFI:Eu2+、RbBr:Tl+等を用いることができる。
ここで、検査部5で蛍光板Pが発光温度に加熱される前に、予備加熱部4によって蛍光板Pが予備加熱温度に加熱されているので、検査部5で蛍光板Pを発光温度にするための時間が短縮される。従って、検査部5での検査のために蛍光板Pを発光位置51に位置させておく時間、すなわち回転台2を停止させておく必要のある検査工程の時間が短縮される。その結果、X線検査装置1による単位時間あたりの蛍光板Pの検査能力であるスループットが向上し、複数の検査対象物Tの検査時間を短縮することができる。
蛍光板Pの、熱ルミネセンス作用による発光は一時的なものであり、回折X線322により捕獲中心に捕獲された電子が基底状態に戻ってしまうと発光しなくなる。そこで、カメラ53は、CCD532の露光時間を大きくして、光を十分に積分してデバイ環の像を撮像するようにされている。
蛍光板Pが高温に加熱されると、蛍光板Pの上方に陽炎が発生し、カメラ53の撮像画像に歪みが生じるおそれがある。そこで、遮光カバー55内に、カメラ53と蛍光板Pとの間に送風する送風ファン54が設けられている。送風ファン54は、カメラ53と蛍光板Pとの間に送風することによって、陽炎の発生を防止し、ひいてはデバイ環の撮像画像の歪みが発生するおそれを低減する。
このようにして撮像されたデバイ環は、X線照射部3で検査対象物TにX線321が照射して得られた回折X線322に基づいているから、検査対象物TにX線321が照射された検査箇所TPにクラックや溶接不良、ボイド等の不良があると、デバイ環の画像が乱れる。
射出などの成型品の場合、金属が溶けた状態で型に入れられ、その後冷却される。膨張した状態で型に入れられた金属は、温度が冷えることによって縮むが、型内の外側と内側で膨張量が異なると、それが応力として残る。木材が乾燥した時に一部に亀裂が入るように、通常応力は表面で引っ張る力として働く。そこに微小なクラックが入るとその応力が解放されることになる。従って、デバイ環に反映された応力を、良品の場合と比較することで、クラックを検出することが可能となる。
判定基準記憶部82には、検査対象物Tの良否を判定するための判定基準情報が記憶されている。図7は、判定基準情報の一例を示す表形式の説明図である。図7に示す判定基準情報は、検査対象物Tの検査箇所TP1〜TP4と、その検査箇所TP1〜TP4に対応するデバイ環D1〜D4から検査箇所TP1〜TP4が良好であると判定するための判定項目である「重心位置」、「幅(mm)」、「歪み(短径/長径)」、「頂点位置」、「長軸方向(度)」、「短軸方向(度)」、及び「光度の閾値」の各判定基準が対応付けられている。
図7に示す判定基準は、例えば複数の良品の検査対象物Tの検査箇所TP1〜TP4から得られたデバイ環D1〜D4について、各判定基準の値を測定し、その平均値とその標準偏差σとを判定基準値としている。これにより、例えば検査箇所TP1の、「重心位置」であれば、その座標(x1,y1)を中心とする半径3σの座標範囲、「幅」であればW1+3σ〜W1−3σの数値範囲、「歪み」であればST1+3σ〜ST1−3σの比率範囲、「頂点位置」であれば四つの頂点座標を中心として各頂点座標の3σを半径とする各座標範囲、「長軸方向」であれば例えばデバイ環D1の長軸がX座標に対してなす角度R11+3σ〜R11−3σ、「短軸方向」であれば例えばデバイ環D1の短軸がX座標に対してなす角度R12+3σ〜R12−3σを良好な範囲とすることができる。
「光度の閾値」は、例えば以下のようなものである。蛍光板Pは、照射された回折X線322の強度が強いほど、その発光強度(光度)が高く(明るく)なる。そこで、光度の閾値を適宜設定し、デバイ環Dの画像の各部の光度に応じてその閾値より明るい部分を抽出することで、デバイ環Dの、その閾値より明るい部分が抽出デバイ環として抽出される。この閾値を徐々に高めながら(明るくしながら)抽出デバイ環を抽出すると、所定の閾値で抽出デバイ環の環が途切れる。この環が途切れたときの閾値を「光度の閾値th」とすることができる。
図7に示す例では、例えば検査箇所TP1であれば、「光度の閾値」がth1+3σ〜th1−3σを良好な範囲とすることができる。例えば、「検査箇所T1が不良だった場合、その不良検査箇所T1に対応する抽出デバイ環D1が途切れる(欠落が生じる)「光度の閾値th」が、光度の閾値の良好な範囲(例えばth1+3σ〜th1−3σの範囲)の範囲外になる。
図8は、判定基準情報の判定項目の一例を説明するための説明図である。図8では、デバイ環D1を例示している。図8に示すデバイ環D1は、楕円形状を有している。各デバイ環は、例えばカメラ53の撮影範囲に基づくX−Y座標上に表される。デバイ環D1の「重心位置」の座標は(x1,y1)、デバイ環D1の「幅」はW1、デバイ環D1の長軸LAの長さすなわち長径はLla、短軸SAの長さすなわち短径はLsaとなっている。
デバイ環には幅があるため、図4に示す例では、長径と短径とをデバイ環の内側で示している。しかしながら、長径と短径とは、デバイ環の外側を基準にした長さであってもよく、デバイ環の幅の中央を基準にした長さであってもよく、基準となる位置は適宜設定すればよい。
「歪み」を表す指標としては、種々の指標を用いることができ、例えば楕円の扁平率を「歪み」の指標として用いることができる。図8に示すデバイ環D1の例では、歪みST=扁平率=(Lla−Lsa)/Llaとなる。
楕円の頂点は長軸LAの両端と、短軸SAの両端とに位置しており、「頂点位置」は、座標(x11,y11)、(x12,y12)と、座標(x13,y13)、(x14,y14)とになっている。「長軸方向」は、例えば長軸LAがX軸方向に対してなす鋭角側の角度で表され、角度R11となっている。「短軸方向」は、例えば短軸SAがX軸方向に対してなす鋭角側の角度で表され、角度R12となっている。
なお、デバイ環が歪んだ場合、必ずしも楕円になるとは限らない。しかしながら、デバイ環が楕円とはことなる形状に歪んだ場合であっても、その図形の重心を通って環に交差する最長の直線を長軸、その交差する点までの長さを長径、その図形の重心を通って環に交差する最短の直線を短軸、その長さを短径とすることにより、デバイ環が楕円形に歪んだ場合と同様に取り扱うことができる。また、デバイ環が歪むことなく円形であった場合、長径と短径とが等しいものとして取り扱えばよい。
判定部81は、カメラ53で撮像された複数のデバイ環D1〜D4から、それぞれ「重心位置」、「幅」、「歪み」、「頂点位置」、「長軸方向」、「短軸方向」、及び「光度の閾値」の各指標を測定、取得する。そして、判定部81は、その各指標が、判定基準記憶部82に記憶された判定基準情報で示される基準の範囲内か否かに応じてデバイ環D1〜D4のそれぞれに対して、すなわち検査箇所TP1〜TP4のそれぞれに対して、良否を判定する。そして、判定部81は、例えば表示装置13にその判定結果を表示させる。
例えば複数の検査対象物T1,T2を検査する場合において、検査箇所TP1,TP2が検査対象物T1の検査箇所であり、検査箇所TP3,TP4が検査対象物T2の検査箇所であり、かつ検査箇所TP3が不良であった場合、判定部81は、検査対象物T2が不良である旨、表示装置13に表示させてもよい。
判定部81は、デバイ環Dの上記各指標を測定するにあたって、デバイ環Dの画像に所定の前処理を施した上で、上記各指標を測定するようにしてもよい。例えば、判定部81は、デバイ環Dの画像の各部の光度に応じて、予め設定された閾値より明るい部分を抽出することによって、デバイ環Dのコントラストを高めた上で、上記各指標を測定してもよい。この構成によれば、デバイ環Dのコントラストが向上するので、上記各指標の測定が容易となる。
なお、判定部81は、必ずしも「重心位置」、「幅」、「歪み」、「頂点位置」、「長軸方向」、「短軸方向」、及び「光度の閾値」の指標のすべてを用いて判定を行う例に限らない。判定部81は、これらの指標のうち少なくとも一つに基づき判定を行えばよく、あるいは判定部81は、これらの指標とは別の指標を用いて判定を行ってもよい。
また、判定基準記憶部82は、必ずしも「重心位置」、「幅」、「歪み」、「頂点位置」、「長軸方向」、「短軸方向」、及び「光度の閾値」等の指標で表された判定基準情報を記憶する例に限らず、判定部81は、必ずしもこれらの指標に基づいて良否を判定する例に限らない。
判定基準記憶部82は、例えば、正常な複数の検査箇所に対応して得られるデバイ環の画像、すなわち例えば図4に示すような複数のデバイ環D1〜D4を含む基準画像を予め記憶し、判定部81は、検査工程において、カメラ53により撮像されたデバイ環D1〜D4と、判定基準記憶部82に記憶されている基準画像とを比較することにより、例えば画像に差異のあるデバイ環を特定することにより複数の検査箇所TP1〜TP4のうちいずれかに異常があるか否かを判定し、異常箇所を特定するようにしてもよく、あるいは画像全体の差異の有無に基づき、異常箇所を特定することなく複数の検査箇所TP1〜TP4全体を一括して良否を判定するようにしてもよい。
また、判定部81は、検査工程において、カメラ53により撮像されたデバイ環D1〜D4の画像に対して、画像データにフィルタリングや正規化処理、その他の演算処理を施す構成としてもよい。
初期化部6は、回転台2によって初期化位置61に運ばれてきた蛍光板Pを、初期化のための初期化温度に加熱する初期化工程を実行する。初期化位置61としては、回転台2上に配設された複数、例えば4枚の蛍光板Pを収容可能な広さの領域が設定されている。初期化部6は、例えば初期化位置61を覆う略箱状の初期化用カバー63(初期化用収容部)と、例えば予備加熱ヒータ42と同様に構成された初期化用ヒータ62とを備えている。
蛍光板Pは、回転台2の回転動作により初期化位置61の領域を通過する間、初期化温度に加熱される。従って、初期化位置61の領域の広さは、蛍光板Pを初期化温度に加熱する時間と対応する。従って、X線検査装置1によれば、初期化位置61の領域広さを適宜設定することにより、蛍光板Pを初期化するために必要な時間を設定することができる。
初期化部6としては、上述の予備加熱部4と同様、種々の加熱手段を用いることができる。初期化部6によって初期化された蛍光板Pは、再び新たな検査対象物Tの検査に用いることが可能となる。初期化された蛍光板Pは、高温に加熱されているので、X線照射部3で回折X線322を照射する前に冷却する必要がある。そこで、初期化された蛍光板Pは、回転台2によって初期化位置61から冷却位置71へ送られる。
冷却部7は、例えば冷却位置71の蛍光板Pに風を送って冷却する冷却工程を実行する冷却ファン72を備えている。初期化部6で高温に加熱された蛍光板Pは、冷却ファン72によって冷却され、例えば室温に戻されてから、回転台2によって照射位置31へ送られる。照射位置31へ送られた蛍光板Pは、再び新たな検査対象物Tの検査のために用いられる。
制御部8は、搬送用モータ21によって、回転台2を、円周Cの中心を中心にして水平に回転させることにより、各蛍光板Pを、照射位置31、予備加熱位置41、発光位置51、初期化位置61、及び冷却位置71を順次通過させ、再び照射位置31に搬送させる動作を繰り返す。
また、制御部8は、検査部5において検査工程を実行中に、並行してX線照射部3(X線発生装置32)によるX線照射、予備加熱部4(予備加熱ヒータ42)による予備加熱、初期化部6(初期化用ヒータ62)による初期化、及び冷却部7(送風ファン54)による冷却を実行させる。これにより、複数の蛍光板Pに対して、露光工程、予備加熱工程、検査工程、初期化工程、及び冷却工程が並行して実行されるので、複数の検査対象物Tを検査する場合の一つあたりの検査時間が短縮され、検査のスループットが向上する。
また、蛍光板Pを加熱する必要のある予備加熱工程、検査工程、初期化工程、及び蛍光板Pを冷却する冷却工程は、その工程の実行に必要な時間に差がある。そのため、もし仮に、各工程がそれぞれ一枚の蛍光板Pに対して実行される場合には、最も時間のかかる工程の実行が終わるまで、他の工程を新たな蛍光板Pに対して実行することができず、検査のスループットが低下する。
しかしながら、図1に記載のX線検査装置1によれば、時間のかかる工程ほど、その工程を実行するための領域が広くされ、その工程を並行して実行できる蛍光板Pの数が増大されている。具体的には、例えば、検査工程の時間に対し、予備加熱工程の時間が三倍、初期化工程の時間が四倍、冷却工程の時間が二倍である場合、その倍率に応じて、予備加熱部4で並行して三枚の蛍光板Pを予備加熱可能とし、初期化部6で並行して四枚の蛍光板Pを初期化可能とし、冷却部7で並行して二枚の蛍光板Pを冷却可能とするように、予備加熱位置41、初期化位置61、及び冷却部7の領域の広さが設定されている。
これにより、各工程の、蛍光板P一枚あたりの処理時間、ひいては検査対象物T一つあたりの検査にかかる時間が平準化され、各工程を並列実行した場合のスループットが向上する。
次に、上述の様に構成されたX線検査装置1の動作の一例について説明する。図9は、図1に示すX線検査装置1及びX線検査方法に係るX線照射工程における動作の一例を示すフローチャートである。まず、X線照射処理部80は、蛍光板Pの番号を示す変数jに1を代入して初期化する(ステップS1)。
次に、X線照射処理部80は、ユーザに対して検査対象物Tの保持部35への取付を促す案内表示を表示装置13に表示させる(ステップS2)。そして、ユーザが、扉34を開いて検査対象物Tを保持部35に取り付け、扉34を閉じる(ステップS3)。
次に、制御部8は、搬送用モータ21を駆動して回転台2を回転させ、初期化済みの蛍光板Pjを照射位置31に位置させる(ステップS4)。回転台2を回転させると蛍光板Pj以外の蛍光板Pも移動するので、制御部8は、ステップS4では、実行中の他の工程、例えば検査部5によるエネルギー付与工程〜判定工程といった処理が終了するのを待って、回転台2を回転させる。
そして、ユーザがX線照射指示ボタン37を押下すると(ステップS5でYES)、X線照射処理部80は、検査箇所TPの番号を示す変数iに1を代入して初期化する(ステップS6)。
次に、X線照射処理部80は、保持部35を制御して、検査箇所TPiを、X線が照射されるX線照射位置に位置決めする(ステップS7)。そして、X線照射処理部80は、振動装置38によって検査対象物Tを振動させる(ステップS8)。この状態で、X線照射処理部80は、X線発生装置32によって、検査箇所TPiへX線321を照射させ、回折X線322を蛍光板Pjに反射させることにより、蛍光板Pjにデバイ環Diの潜像を形成させる(ステップS9)。
このとき、X線照射処理部80は、回折X線322が蛍光板Pjの所定位置に照射されるように、保持部35によって検査対象物Tの向きや角度を調節させる。検査箇所TPの数、すなわち1枚の蛍光板Pjに形成されるデバイ環Dの数をnとすると、X線照射処理部80は、デバイ環D1〜Dnが潜像として蛍光板Pj上に形成される位置が、互いに異なるように、具体的にはデバイ環D1〜Dnが、その重心位置が互いに異なり、かつ重なるように、保持部35によって検査対象物Tの向きや角度を調節させる。
図11は、検査対象物Tを振動させながら、X線を照射することの効果を説明するための説明図である。図11は、検査箇所TP1付近の検査対象物Tの壁Taを拡大して示している。(a)は静止状態の壁Taの断面を示す断面図、(b)は振動状態の壁Taの断面を示す断面図である。図3に示すように、検査対象物Tの内部には空洞Hが形成されており、検査箇所TP1付近は壁状(板状)となっている。壁Taの厚さW2である。そして、壁Taの内面Tinには、クラック、ボイド、溶接不良等の欠陥Tbが形成されている。
ここで、X線発生装置32の出力が壁Taの厚さW2に対して弱いと、壁Taの外面ToutにあたったX線321は、欠陥Tbに到達することなく回折X線322として反射する。この場合、図11(a)に示すように、壁Taが振動していなければ、欠陥Tbは回折X線322に影響を与えることがなく、従って、判定部81は、回折X線322(デバイ環D1)に基づき欠陥Tbを検出することができない。
一方、X線検査装置1は、振動装置38を備え、図11(b)に示すように、壁Taを振動させながらX線を検査箇所TP1へ照射する。壁Taは、振動すれば、壁Taの内部に振動に伴う所定の応力分布が生じる。この応力分布は回折X線322に影響を与えるので、デバイ環D1は、検査箇所TP1の応力分布が反映される。ここで、壁Taの内面Tinに欠陥Tbの欠陥が生じていると、その欠陥の影響で検査箇所TP1の応力分布が変化する。検査箇所TP1の応力分布が変化すると、デバイ環D1も変化する。
従って、X線検査装置1によれば、検査対象物Tを振動させながらX線を照射することにより、X線が到達できない位置にある欠陥を、デバイ環Dに基づき検出することが可能となる。特に、検査対象物Tのように空洞Hが形成されている検査対象物では、空洞H内の内面Tinに直接X線を照射することができない。しかしながら、X線検査装置1によれば、直接X線を照射することができない位置にある欠陥も、検出することが可能となる。
また、壁Taを振動させながらX線を検査箇所TPへ照射することにより、図5に示すように、X線を、検査箇所TPを透過させなくても、反射により得られた回折X線322に基づいて、検査箇所TPの深い位置にある欠陥を検出することができる。従って、X線発生装置32として、検査対象物を透過可能なX線出力パワーを有さない、小パワーのX線発生装置を用いることができるので、X線発生装置32のコストを低減することが容易である。また、X線発生装置32を小パワーとすることで、X線を遮蔽する筐体33の壁面を薄くすることが可能となるので、X線照射部3全体のコストを低減することが可能となる。
蛍光板Pjにデバイ環Diの潜像を形成後、X線照射処理部80は、振動装置38による振動を停止させる(ステップS10)。
次に、X線照射処理部80は、すべての検査箇所TPに対するX線照射が終了したか否かを確認するべく、検査箇所TPの番号iと、検査箇所数nとを比較する(ステップS11)。例えば、検査箇所がTP1〜TP4の四カ所であれば、検査箇所数nは4である。そして、番号iが検査箇所数nに満たなければ(ステップS11でNO)、まだX線照射されていない検査箇所TPが残っているから、新たな検査箇所TPへのX線照射を実行するべく番号iに1を加算し(ステップS12)、再びステップS7〜S11を繰り返す。
一方、番号iが検査箇所数n以上であれば(ステップS11でYES)、検査対象物Tのすべての検査箇所TP1〜TPnに対するX線照射が終了しているから、新たな検査対象物Tに対するX線照射、及び新たな蛍光板Pに対するデバイ環の潜像形成を実行するべくステップS13へ移行する。
ステップS1〜S12によれば、図4に示すように、複数のデバイ環D1〜Dnの潜像が、蛍光板Pjに形成される。
ステップS13において、X線照射処理部80は、蛍光板Pの番号jと、蛍光板Pの数mとを比較する(ステップS13)。図1に示す例では、蛍光板数mは16である。そして、蛍光板番号jが蛍光板数mに満たなければ(ステップS13でNO)、X線照射処理部80は蛍光板番号jに1を加算し(ステップS14)、再びステップS2〜S13が繰り返される。これにより、ステップS4において、新たな蛍光板Pjが照射位置31に位置され、新たな検査対象物Tに対応する新たなデバイ環D1〜Dnの潜像が、新たな蛍光板Pjに形成される。
一方、蛍光板番号jが蛍光板数m以上であれば(ステップS13でYES)、回転台2が一回転して蛍光板番号jが1に戻るから、X線照射処理部80は、ステップS1に移行して蛍光板番号jを1に初期化し、以下、新たな蛍光板Pに対して同様にステップS2〜S13が繰り返される。
X線照射工程が実行され、デバイ環D1〜Dnの潜像が形成された蛍光板Pは、回転台2によって予備加熱位置41へ送られて予備加熱部4により上述の予備加熱工程が実行され、予備加熱ヒータ42によって予備的に加熱される。予備的に加熱された蛍光板Pは、回転台2によって発光位置51へ送られ、検査部5によってエネルギー付与工程、撮像工程、及び判定工程を含む検査工程が実行される。
図10は、図1に示すX線検査装置1及びX線検査方法に係るエネルギー付与工程、撮像工程、及び判定工程における動作の一例を示すフローチャートである。まず、制御部8は、回転台2によって送られてきた蛍光板Pkが、発光位置51に配置されたか否かを確認する(ステップS21)。ここで、「k」は、発光位置51に送られてきた蛍光板Pの蛍光板番号である。蛍光板Pkが発光位置51に配置されたとき(ステップS21でYES)、制御部8は、加熱用ハロゲンランプ52を点灯し、蛍光板Pkを発光温度に加熱することによりデバイ環D1〜Dnを発光させる(ステップS22:エネルギー付与工程)。
次に、制御部8は、加熱用ハロゲンランプ52を消灯し(ステップS23)、カメラ53によって、発光するデバイ環D1〜Dnを撮像させる(ステップS24:撮像工程)。
次に、判定部81は、撮像されたデバイ環D1〜Dnの画像から、デバイ環D1〜Dnそれぞれについて、「重心位置」、「幅」、「歪み」、「頂点位置」、「長軸方向」、「短軸方向」、及び「光度の閾値」の各指標を抽出する(ステップS25)。そして、判定部81は、各指標の値が、判定基準記憶部82に記憶された判定基準情報で示される基準の範囲内か否かに応じてデバイ環D1〜Dn(検査箇所TP1〜TPn)のそれぞれに対して、良否を判定する(ステップS26:判定工程)。
次に、判定部81は、蛍光板Pkに対応する検査対象物Tの検査結果として、表示装置13に判定結果を表示させ(ステップS27)、以後、新たな蛍光板Pの検査を行うべくステップS21〜S27を繰り返す。
検査部5によって検査された蛍光板Pkは、回転台2によって初期化位置61に運ばれて初期化部6により初期化され、さらに冷却位置71へ送られて冷却部7で冷却され、再び照射位置31へ送られる。照射位置31へ送られた蛍光板Pは、再び新たな検査対象物Tの検査のために用いられる。
以上、ステップS1〜S12のX線照射工程、及びステップS21〜S27のエネルギー付与工程、撮像工程、及び判定工程によれば、一枚の蛍光板Pに対して複数の検査箇所TP1〜TPnに対応するデバイ環D1〜Dnの潜像を形成し、これを発光、撮像することにより、デバイ環D1〜Dnの画像を得ることができる。
蛍光板Pを発光させるためには、発光温度まで加熱する必要があり、発光させるのに時間がかかる。また、発光させた蛍光板Pを新たな検査に用いるためには初期化温度に加熱して初期化した後、常温まで冷却しなければならない。このような、初期化のための加熱及び冷却にも時間がかかる。もし仮に、各検査箇所毎に一枚の蛍光板Pを用いて、一枚の蛍光板Pに一つのデバイ環の潜像を形成した場合、蛍光板Pの加熱、初期化、冷却という、時間のかかる処理を検査箇所毎に実行する必要があり、検査時間が長くなるため、大量生産される検査対象物Tの出荷検査には適さない。
一方、図1に示すX線検査装置1によれば、一枚の蛍光板Pに対して複数の検査箇所TP1〜TPnに対応するデバイ環D1〜Dnの潜像を一括して蛍光板Pに形成し、一枚の蛍光板Pに基づき複数の検査箇所TP1〜TPnの良否判定を行うことができる。
その結果、検査箇所毎に蛍光板Pを加熱、初期化、冷却する必要がないので、複数の検査箇所TPの検査時間を短縮することが容易となり、ひいては複数の検査対象物Tの検査時間を短縮することが容易となる。これにより、大量生産に適したX線検査装置を提供することが可能となる。
さらに、X線照射部3は、X線照射工程において、図4に示すように、デバイ環D1〜Dnが、その重心位置が互いに異なり、かつ環が重なるように、保持部35及びX線発生装置32によって、検査箇所TP1〜TPnに対応する各回折X線を蛍光板Pに照射するので、小さな面積の蛍光板Pに数多くのデバイ環Dの潜像を形成することができる。これにより、蛍光板Pの面積を低減し、蛍光板Pのコストを低減することができる。
また、図4に示すようにデバイ環D1〜Dnが重なっていた場合であっても、「重心位置」、「幅」、「歪み」、「頂点位置」、「長軸方向」、「短軸方向」、及び「光度の閾値」の各指標は、デバイ環D1〜Dnのそれぞれから容易に計測、取得することができる。従って、判定部81は、上記指標を判定に用いることにより、重なり合ったデバイ環D1〜Dnに基づいて、デバイ環D1〜Dnの良否、すなわち検査箇所TP1〜TPnの良否を容易に判定することができる。
なお、X線照射部3は、必ずしもデバイ環D1〜Dnの位置を互いに異ならせるようにデバイ環D1〜Dnの潜像を蛍光板Pに形成する例に限らない。X線照射部3は、デバイ環D1〜Dnを蛍光板Pの同一位置に重ねて形成してもよい。デバイ環D1〜Dnを蛍光板Pの同一位置に重ねて形成した場合であっても、デバイ環D1〜Dnが重なった画像は、検査箇所TP1〜TPnのいずれかに欠陥があった場合となかった場合とでは、デバイ環の発光画像に差異が生じる。従って、デバイ環D1〜Dnを蛍光板Pの同一位置に重ねて形成した場合であっても、デバイ環D1〜Dnの発光画像に基づき、検査箇所TP1〜TPnの全体について、一括して良否を判定することができる。その結果、検査箇所TP1〜TPnが設定された一つ又は複数の検査対象物Tについて、良否を判断することが可能になる。
また、X線照射部3は、必ずしもデバイ環D1〜Dnが互いに重なるように、デバイ環D1〜Dnの潜像を蛍光板Pに形成する例に限らない。例えば図12に示すように、一枚の蛍光板Pに、互いに重ならないように複数のデバイ環D1〜Dnの潜像を形成してもよい。一枚の蛍光板Pに、互いに重ならないように複数のデバイ環D1〜Dnの潜像を形成した場合であっても、検査箇所毎に蛍光板Pを加熱、初期化、冷却する必要がないので、複数の検査箇所TPの検査時間を短縮することが容易となり、ひいては複数の検査対象物Tの検査時間を短縮することが容易となる。これにより、大量生産に適したX線検査装置を提供することが可能となる。
1 X線検査装置
2 回転台
3,3a X線照射部
4 予備加熱部
5 検査部
6 初期化部
7 冷却部
8 制御部
13 表示装置
21 搬送用モータ
31 照射位置
32 X線発生装置
33 筐体
34 扉
35 保持部
36 エアブロワ
37 X線照射指示ボタン
38 振動装置(振動印加部)
41 予備加熱位置
42 予備加熱ヒータ
43 予備加熱カバー
51 発光位置
52 加熱用ハロゲンランプ(エネルギー付与部)
53 カメラ(撮像部)
54 送風ファン
55 遮光カバー
61 初期化位置
62 初期化用ヒータ
63 初期化用カバー
71 冷却位置
72 冷却ファン
80 X線照射処理部
81 判定部
82 判定基準記憶部
321 X線
322 回折X線
531 レンズユニット
D,D1〜D4,Di,Dn デバイ環
H 空洞
LA 長軸
P,P1〜P16,Pj,Pk 蛍光板
SA 短軸
T,T1,T2 検査対象物
Ta 壁
Tb 欠陥
Tin 内面
Tout 外面
TP,TP1〜TP4,TPn,TPi 検査箇所

Claims (8)

  1. 検査対象となる1又は複数の検査対象物における複数の検査箇所に対してX線を照射することにより前記複数の検査箇所でそれぞれ回折した複数の回折X線を、ルミネセンスによる発光を生じる板状の蛍光板に照射するX線照射部と、
    前記蛍光板に、前記蛍光板を発光させるためのエネルギーを付与するエネルギー付与部と、
    前記発光により生じたデバイ環を撮像する撮像部と、
    前記撮像部により撮像されたデバイ環に基づき、前記複数の検査箇所の良否を判定する判定部とを備えるX線検査装置。
  2. 前記X線照射部は、前記複数の回折X線を、前記蛍光板の、互いに異なる位置に照射する請求項1記載のX線検査装置。
  3. 前記X線照射部は、前記各回折X線により前記蛍光板に形成されるデバイ環が、その重心位置が互いに異なり、かつ重なるように前記各回折X線を前記蛍光板に照射する請求項2記載のX線検査装置。
  4. 前記判定部は、前記検査において、前記撮像部により撮像された複数のデバイ環のそれぞれに対して良否を判定する請求項2又は3記載のX線検査装置。
  5. 前記判定部は、前記撮像部により撮像された、前記各デバイ環の重心位置、前記各デバイ環の幅、前記各デバイ環の歪み、前記各デバイ環が歪んでいる場合の頂点の位置、前記各デバイ環が歪んでいる場合の長軸の軸方向、前記各デバイ環が歪んでいる場合の短軸の軸方向、及び前記各デバイ環における所定の光度の閾値より明るい部分である抽出デバイ環が途切れるときの前記光度の閾値のうち少なくとも一つに基づき前記判定を行う請求項3又は4記載のX線検査装置。
  6. 正常な前記複数の検査箇所に対応して得られるデバイ環の画像である基準画像を予め記憶する判定基準記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、前記検査において、前記撮像部により撮像されたデバイ環と、前記判定基準記憶部に記憶されている基準画像とを比較することにより前記判定を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のX線検査装置。
  7. 前記1又は複数の検査対象物を振動させる振動印加部をさらに備え、
    前記X線照射部は、前記検査対象物が振動している状態で、前記複数の検査箇所に対してX線を照射してその複数の検査箇所で前記X線を反射させることにより前記複数の回折X線を生じさせる請求項1〜6のいずれか1項に記載のX線検査装置。
  8. 検査対象となる1又は複数の検査対象物における複数の検査箇所に対してX線を照射することにより前記複数の検査箇所でそれぞれ回折した複数の回折X線を、ルミネセンスによる発光を生じる板状の蛍光板に照射するX線照射工程と、
    前記蛍光板に、前記蛍光板を発光させるためのエネルギーを付与するエネルギー付与工程と、
    前記発光により生じたデバイ環を撮像する撮像工程と、
    前記撮像工程により撮像されたデバイ環に基づき、前記複数の検査箇所の良否を判定する判定工程とを含むX線検査方法。
JP2015141197A 2015-07-15 2015-07-15 X線検査装置、及びx線検査方法 Pending JP2017020991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015141197A JP2017020991A (ja) 2015-07-15 2015-07-15 X線検査装置、及びx線検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015141197A JP2017020991A (ja) 2015-07-15 2015-07-15 X線検査装置、及びx線検査方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017020991A true JP2017020991A (ja) 2017-01-26

Family

ID=57888295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015141197A Pending JP2017020991A (ja) 2015-07-15 2015-07-15 X線検査装置、及びx線検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017020991A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6873680B2 (en) Method and apparatus for detecting defects using digital radiography
JP2006329982A (ja) 検査装置およびその方法
KR102250742B1 (ko) 플래시 서모그래피 포토박스
US10622232B2 (en) Semiconductor manufacturing apparatus and method of manufacturing semiconductor device using the same
CN106896138A (zh) 一种扫描热激励红外成像检测系统及方法
JP2007256119A (ja) 検査装置、積層装置、及び検査方法
KR101528200B1 (ko) 3차원 열영상 측정 장치 및 방법
JP2017020991A (ja) X線検査装置、及びx線検査方法
JP3746433B2 (ja) ガラス製品の製造方法及び製造装置
JP7300835B2 (ja) バッテリの試験
Szwedo et al. Qualitative diagnostics of wind-turbine blades inspection using active thermography
JP2016536571A (ja) サーモグラフィ非破壊評価システム用のランプ組立体
JP2017015487A (ja) X線検査装置
JP6539139B2 (ja) 赤外線画像データの画像処理方法及び赤外線画像処理装置
JP2003156453A (ja) 側面検査方法
KR101564287B1 (ko) 웨이퍼 검사장치 및 웨이퍼 검사방법
JP2019060808A5 (ja)
JP2012122957A (ja) パルスブラックライト
JP2008134074A (ja) タイヤ検査方法
CN113340924A (zh) 检验系统及检验系统的控制方法
JP2004325408A (ja) 赤外線映像検査装置および赤外線映像検査方法
JP2016065765A (ja) 内部欠陥検出装置及び内部欠陥検出方法
JPWO2019003329A1 (ja) X線インライン検査方法および装置
JPWO2018198242A1 (ja) 検査装置、検査方法および検査対象物の製造方法
Tehranipoor et al. Physical tests for counterfeit detection