JP2017020517A - 保持器付きボールねじ - Google Patents

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【課題】滑りねじよりも優れた位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図った保持器付きボールねじを提供する。【解決手段】外周面に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、これに外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝3aが形成されたナット3と、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボール4と、これらボール4を保持する円筒状の保持器5を備えた保持器付きボールねじ1において、保持器5に、ナット3のねじ溝3aに対応して螺旋状に複数のポケット8が形成され、この内径がボール4の外径よりも大径に形成されると共に、ポケット8の開口部に複数の突起が一体形成されてボール4が転動自在に保持され、保持器5がナット3に対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で圧入固定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、放電加工機やタッピングセンター等の各種工作機械、あるいは自動車の電動パワーステアリングやアクチュエータ等に使用される保持器付きボールねじに関し、特に、ボールの循環機能を省略した無限ストロークタイプの保持器付きボールねじに関する。
例えば、各種駆動部に使用される電動アクチュエータにおいて、電動モータの回転運動を軸方向の直線運動に変換する機構として、台形ねじあるいはラックアンドピニオン等の歯車機構が一般的に使用されている。これらの変換機構は、滑り接触部を伴うため動力損失が大きく、電動モータの大型化や消費電力の増大を余儀なくされている。そのため、より効率的なアクチュエータとしてボールねじ機構が採用されるようになってきた。
ボールねじは、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナットと、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、転動路を周回経路とする循環機構とを備え、例えば、ナットを回転運動させることでねじ軸を直線運動させる運動変換機構として使用されている。
近年、設備の高性能化が進み、より優れた作動特性、低振動、低騒音、高耐久性能の特性を有するボールねじが求められている。ボールねじは、高速回転で使用する一般的な転がり軸受とは異なり、隣り合うボールとの間隔を一定に保つための保持器は用いられておらず、理論上、無限ストローク運動が可能となるように、ボールを無限循環させるための循環部材を装着してボールを前の経路に戻している。
一般的にボールねじにはボールの循環機構が異なる種々の形式のものがあり、その一つに駒式と呼ばれるものがある。この駒式ボールねじは、ねじ溝の連結路を有し、転動路を周回経路とする循環用の駒部材がナットに装着されているもので、構成が比較的簡素で、かつコンパクトに構成できる利点がある。駒部材内のボールの循環溝(連結溝)はナットのねじ溝よりも若干深く設定されているが、ボールが循環する経路は、ボールが荷重を受けながらねじ溝内を転動する負荷圏と駒部材内の無負荷圏および両者を繋ぐボール掬い上げ部(繋ぎ部)で構成されているため、通常の転がり軸受と比較した場合、負荷の変動が大きく、ボール同士に競り合いや衝突等により、前述した特性は不利になる。また、ナットと駒部材が別体であるため、駒部材の固定方法が悪いと、ナットのねじ溝と駒部材の循環溝の横方向のズレが発生してさらに特性が悪化する恐れがある。
一方、前述した台形ねじ等の滑りねじでは、ボールを使用していないため、前述したボール循環による悪影響はないが、滑りを発生させるという機能上、一般的なボールねじと比較して、ねじ軸とナット間に大きなすきまが必要となり、ボールねじより高精度な位置決めは難しい。
ボールねじの特性悪化のための対策として、保持器を用いてボール同士の直接接触を避けてボールの競り合いをなくすことが考えられる。その一例として、図6に示すような保持器付きボールねじが知られている。この保持器付きボールねじ50は、外周に螺旋状のねじ溝51aが形成されたねじ軸51と、このねじ軸51に多数のボール52を介して挿通され、内周にねじ軸51のねじ溝51aに対向する螺旋状のねじ溝53aが形成されたナット53と、ねじ軸51とナット53とのすきまに設けられて螺旋状の負荷転動通路54内のボール52を所定間隔で整列させる保持器55とを備えている。
保持器55にはボール52の直径よりも僅かに大きな内径の保持孔56が所定の間隔をおいて多数貫通形成され、前記負荷転動通路54を転動するボール52が各保持孔56に一つずつ収容されている。ナット53の内周端部には前記負荷転動通路54内のボール52の転動方向に面した係止面57を有する一対のストッパ部材58が装着される一方、保持器55には、ストッパ部材58の係止面57に対向する係止受け面59が形成され、これら係止面57と係止受け面59の接触によって保持器55の移動域が制限されている。
これにより、保持器55がストッパ部材58に突き当たっても、係るストッパ部材58に対し過度に大きな力が作用することがなく、ストッパ部材58のナット53に対する取付強度を低下させることが可能となり、また、保持器55がストッパ部材58と噛み込んでしまうことがなく、ナット53に対するねじ軸51の正転、逆転を円滑に繰り返すことが可能となる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−70997号公報
然しながら、この従来の保持器付きボールねじ50では、ねじ軸51が定位置で回転し、ナット53が回転しないような仕様態様の場合に、ねじ軸51の回転につれてナット53と共に軸方向に保持器55が移動する(保持器55の移動量はナット53の移動量の半分)、所謂有限ストロークタイプのボールねじとなるため、使用箇所と使用スペースに制約が生じるだけでなく、ナット53の移動ストロークが大きいと、ナット53から保持器55が抜けてボール52が脱落するのを防止するための様々な手段が必要となり、低コスト化を阻害する要因となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ボールねじと滑りねじとの中間の特性を備えたボールねじに着目し、滑りねじよりも優れた位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図った保持器付きボールねじを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、対向する前記両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、これらボールを保持する円筒状の保持器と、を備えた保持器付きボールねじにおいて、前記保持器に、前記ナットのねじ溝に対応して螺旋状に複数のポケットが形成され、これらのポケットに前記ボールが転動自在に保持されると共に、当該保持器が前記ナットに対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で取り付けられている。
このように、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、対向する両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、これらボールを保持する円筒状の保持器と、を備えた保持器付きボールねじにおいて、保持器に、ナットのねじ溝に対応して螺旋状に複数のポケットが形成され、これらのポケットにボールが転動自在に保持されると共に、当該保持器がナットに対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で取り付けられているので、滑りねじよりも優れた位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図った保持器付きボールねじを提供することができる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記ポケットの内径が前記ボールの外径よりも大径に形成されると共に、前記ポケットの開口部に複数の爪状の突起が一体形成されていれば、これらの突起を弾性変形させてボールを装着することができると共に、突起によりボールがポケットから脱落するのを防止することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記ポケットの内径が前記ボールの外径よりも小径に形成されると共に、前記保持器の外径が前記ナットのねじ溝に位置する前記ボールのピッチ円直径よりも小径に形成されていれば、ポケットの開口部に突起を形成しなくてもボールの脱落を防止した状態で、転動自在に保持することができ、保持器の成形性を向上させて低コスト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記保持器が熱可塑性の合成樹脂から射出成形によって形成されていれば、優れた摩耗性と摺動特性に優れ、強度・剛性が高くなり長期間に亘って耐久性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記保持器がスーパーエンジニアリングプラスチックによって形成されていれば、耐熱性、耐薬品性、滑り性、成形性、難燃性等に優れている。
また、請求項6に記載の発明のように、前記保持器に繊維状強化材が10〜40wt%充填されていれば、耐摩耗性に優れ、強度・剛性が高くなり長期間に亘って耐久性を向上させることができる。
また、請求項7に記載の発明のように、前記保持器が、前記ナットの内周面に径方向すきまを介して嵌挿された円筒部と、この円筒部から径方向外方に延び、前記ナットの端面に密着する円板部と、この円板部から軸方向に延びる円筒状の圧入部とからなる断面コの字状の固定部を備えていれば、ナットに対して、保持器を軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で圧入固定することができる。
本発明に係る保持器付きボールねじは、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、対向する前記両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、これらボールを保持する円筒状の保持器と、を備えた保持器付きボールねじにおいて、前記保持器に、前記ナットのねじ溝に対応して螺旋状に複数のポケットが形成され、これらのポケットに前記ボールが転動自在に保持されると共に、当該保持器が前記ナットに対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で取り付けられているので、滑りねじよりも優れた位置決め精度を確保すると共に、ボールを循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図った保持器付きボールねじを提供することができる。
本発明に係る保持器付きボールねじの一実施形態を示す縦断面図である。 (a)は、図1のボール・保持器サブアッセンブリを斜視図、(b)は、(a)のボール・保持器サブアッセンブリをナットに装着した状態を示す斜視図である。 (a)は、図1の保持器単体を示す平面図、(b)は、(a)のポケット部を示す要部拡大図である。 図1の保持器の変形例を示す要部拡大図である。 図1の固定方法の変形例を示す斜視図である。 従来の保持器付きボールねじを示す斜視図である。
外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、対向する前記両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、これらボールを保持する円筒状の保持器と、を備えた保持器付きボールねじにおいて、前記保持器に、前記ナットのねじ溝に対応して螺旋状に複数のポケットが形成され、これらのポケットの内径が前記ボールの外径よりも大径に形成されると共に、前記ポケットの開口部に複数の爪状の突起が一体形成されて前記ボールが転動自在に保持され、当該保持器が前記ナットに対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で取り付けられている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る保持器付きボールねじの一実施形態を示す縦断面図、図2(a)は、図1のボール・保持器サブアッセンブリを斜視図、(b)は、(a)のボール・保持器サブアッセンブリをナットに装着した状態を示す斜視図、図3(a)は、図1の保持器単体を示す平面図、(b)は、(a)のポケット部を示す要部拡大図、図4は、図1の保持器の変形例を示す要部拡大図、図5は、図1の固定方法の変形例を示す斜視図である。
図1に示す保持器付きボールねじ1は、例えば、自動車の電動パワーステアリングの駆動部等、比較的回転数が低く、かつ、軽荷重が負荷される用途に使用され、外周面に螺旋状のねじ溝2aが形成されたねじ軸2と、このねじ軸2に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝3aが形成されたナット3と、対向する両ねじ溝2a、3aにより形成された転動路に収容された多数のボール4と、これらボール4を回転自在に保持する保持器5と、を備えている。なお、ボール4は、図2(a)に示すように、保持器5のポケット8に転動自在に収容されると共に、後述するボール・保持器サブアッシー9として、(b)に示すように、ナット3に装着される。なお、図2(a)では、説明のために2箇所にボールを抜いた図にしているが、ボール4はポケット8の全てに収容されている。
各ねじ溝2a、3aの断面形状は、サーキュラアーク形状であってもゴシックアーク形状であっても良いが、ここではボール4との接触角が大きくとれ、アキシアルすきまが小さく設定できるゴシックアーク形状に形成されている。これにより、軸方向荷重に対する剛性が高くなり、かつ振動の発生を抑制することができる。
本発明に係る保持器付きボールねじ1は、図1に示すように、例えば、ボールの循環部材となる駒部材、すなわち、ナット3のねじ溝3aの略1周の部分を繋ぎ、ボールの転動路を構成する連結溝が形成された駒部材が省略された無限ストロークタイプであって、ボールねじと滑りねじとの中間の特性を備え、一般的なボールねじとは異なり、ナット3に固定された保持器5によってボール4は転動自在に保持される一方、ボール4はねじ軸2のねじ溝2a上を摺動する。
ねじ軸2はS55C等の中炭素鋼やSCM415等の肌焼き鋼からなり、転造加工によってねじ溝2aが形成され、この転造加工の後、旋削等の切削加工によって成形加工を完了させている。その後、熱処理によってその表面に55〜62HRCの範囲の硬化層が形成されている。熱処理は、浸炭焼入れでも高周波誘導加熱による焼入れでも良いが、表層に粒界酸化層が抑制でき、また、局部加熱ができて硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波焼入れが好適である。
さらに、熱処理によりねじ溝2a等に付着したスケールや表層の粒界酸化層を除去し、耐久性を向上させるためにショットピーニングによる仕上げ加工(図示せず)が行われている。このショットピーニングは、スチールビーズの粒径を20〜100μm、噴射時間は約90秒、噴射圧は1〜3kg/cm、噴射ノズルとワークの表面までの距離は略140mmとした。
一方、ナット3はSCM415やSCM420等の肌焼き鋼からなり、旋削等の切削加工によってねじ溝3aが形成され、真空浸炭焼入れによってその表面に55〜62HRCの範囲に硬化処理が施されている。これにより、熱処理後のスケール除去のためのバフ加工等を省略することができ、低コスト化を図ることができる。
保持器5はPPA(ポリフタルアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の所謂エンジニアリングプラスチックと呼称される熱可塑性の合成樹脂やポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール(POM)等の所謂スーパーエンジニアリングプラスチックと呼称される熱可塑性の合成樹脂から射出成形によって形成されている。これらの合成樹脂は耐熱性、耐薬品性、滑り性、成形性、難燃性等に優れている。
なお、これらの材質に限らず、例えば、GF(ガラスファイバー)等の繊維状強化材が10〜40wt%充填されたPA(ポリアミド)66やPA6・12等の熱可塑性の合成樹脂から射出成形によって形成しても良い。これにより、耐摩耗性に優れ、強度・剛性が高くなり長期間に亘って耐久性を向上させることができる。
なお、GFの充填量が10wt%未満ではその補強効果が発揮されず、また、40wt%を超えて充填されると、成形品内の繊維が異方性を引き起こして密度が大きくなって寸法安定性が低下すると共に、靭性が低下する恐れがあるため好ましくない。なお、繊維状強化材としては、GFに限らず、CF(炭素繊維)やアラミド繊維、ホウ素繊維等を例示することができる。
保持器5は、図1および図3(a)に示すように、ナット3の内周面に所定の径方向すきまを介して嵌挿された円筒部6と、この円筒部6から径方向外方に延び、ナット3の端部に圧入固定される断面コの字状の固定部7を備えている。この固定部7は、円板部7aと、この円板部7aから軸方向に延びる円筒状の圧入部7bからなり、円板部7aがナット3の端面に密着した状態で圧入部7bがナット3の端部外周に圧入嵌合され、保持器5がナット3に対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で取り付けられている。これにより、ナット3のねじ溝3aに対してボール4の軸方向の位置決め精度が向上し、ボール4がねじ溝3a上をスムーズに転動することができ、滑りねじよりも優れた位置決め精度を確保するができると共に、作動特性、低振動、低騒音、高耐久性能が実現できる。また、ボール4を循環させる循環部材を廃止し、かつ組立を簡便化して低コスト化を図った保持器付きボールねじ1を提供することができる。
また、保持器5の円筒部6には、ナット3のねじ溝3aに対応して螺旋状に複数のポケット8が形成されている。そして、これらのポケット8の内径はボール4の外径よりも僅かに大径に形成され、ポケット8内にボール4が転動自在に保持される。少なくともポケット8内には潤滑グリースが充填されると共に、図3(b)に示すように、ポケット8の開口部にはポケット8内に突出する複数(ここでは、4個)の爪状の突起8aが一体形成されている。ボール4をポケット8内に装着する際、これらの突起8aを弾性変形させて装着される。また、一旦装着されたボール4は突起8aによりポケット8から脱落するのが防止されている。
図4は、前述した保持器5のポケット8部の変形例である。この保持器13のポケット14は、前述した突起8aを形成せずにボール4の脱落を防止したものである。具体的には、ポケット14は、保持器13の内外径を貫く円筒状に形成され、このポケット14の内径はボール4の外径よりも僅かに小径に形成されている。そして、保持器13の外径Dがナット3のねじ溝3aに位置するボール4のピッチ円直径(PCD)よりも小径に形成されている。つまり、ボール4のピッチ円直径よりも小径側の内抱きで保持されている。これにより、ポケット14の開口部に突起を形成しなくてもボール4の脱落を防止した状態で、転動自在に保持することができ、保持器13の成形性を向上させて低コスト化を図ることができる。この場合、ナット3に保持器13を嵌挿して固定した後、保持器13の内径側からボール4をポケット14内に装着することにより組み立てることができる。
次に、図1を用いて、この保持器付きボールねじ1の組立方法について説明する。まず、保持器5のポケット8内にボール4を装着して図2(a)に示すように、ボール・保持器サブアッシー9とする。次に、これらのボール4をナット3のねじ溝3aに係合した状態で、ボール・保持器サブアッシー9をナット3に回転させながら挿入して行く。そして、保持器5の円板部7aがナット3の端面に密着するまで保持器5の圧入部7bをナット3の外周に圧入し、(b)に示すように、保持器5をナット3に固定する。最後に、ボール4をねじ軸2のねじ溝2aに係合した状態で、ねじ軸2を保持器5に螺合させて組立を終了する。
なお、保持器5のナット3への固定方法は、これ以外にも、例えば、図5に示すように、ナット3’の端面に雌ねじ(図示せず)を形成すると共に、保持器5’の固定部10の円板部10aに円孔11を形成し、固定ねじ12によって締結しても良い。なお、図示はしないが、ナットの端部外周に雌ねじを形成すると共に、保持器の圧入部に円孔を形成し、固定ねじよって締結しても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る保持器付きボールねじは、自動車の電動アクチュエータ等に使用されるボールねじに適用することができる。
1 保持器付きボールねじ
2 ねじ軸
2a、3a ねじ溝
3、3’ ナット
4 ボール
5、5’、13 保持器
6 円筒部
7、10 固定部
7a、10a 円板部
7b 圧入部
8、14 ポケット
8a 突起
9 ボール・保持器サブアッシー
11 円孔
12 固定ねじ
50 保持器付きボールねじ
51 ねじ軸
51a、53a ねじ溝
52 ボール
53 ナット
54 負荷転動通路
55 保持器
56 保持孔
57 係止面
58 ストッパ部材
59 係止受け面
D 保持器の外径
PCD ボールのピッチ円直径

Claims (7)

  1. 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、
    このねじ軸に外嵌され、内周面に螺旋状のねじ溝が形成された円筒状のナットと、
    対向する前記両ねじ溝により形成された転動路に収容された多数のボールと、
    これらボールを保持する円筒状の保持器と、を備えた保持器付きボールねじにおいて、
    前記保持器に、前記ナットのねじ溝に対応して螺旋状に複数のポケットが形成され、これらのポケットに前記ボールが転動自在に保持されると共に、当該保持器が前記ナットに対して、軸方向に不動に位置決めされた状態で、かつ相対回転不可な状態で取り付けられていることを特徴とする保持器付きボールねじ。
  2. 前記ポケットの内径が前記ボールの外径よりも大径に形成されると共に、前記ポケットの開口部に複数の爪状の突起が一体形成されている請求項1に記載の保持器付きボールねじ。
  3. 前記ポケットの内径が前記ボールの外径よりも小径に形成されると共に、前記保持器の外径が前記ナットのねじ溝に位置する前記ボールのピッチ円直径よりも小径に形成されている請求項1に記載の保持器付きボールねじ。
  4. 前記保持器が熱可塑性の合成樹脂から射出成形によって形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の保持器付きボールねじ。
  5. 前記保持器がスーパーエンジニアリングプラスチックによって形成されている請求項4に記載の保持器付きボールねじ。
  6. 前記保持器に繊維状強化材が10〜40wt%充填されている請求項4に記載の保持器付きボールねじ。
  7. 前記保持器が、前記ナットの内周面に径方向すきまを介して嵌挿された円筒部と、この円筒部から径方向外方に延び、前記ナットの端面に密着する円板部と、この円板部から軸方向に延びる円筒状の圧入部とからなる断面コの字状の固定部を備えている請求項1に記載の保持器付きボールねじ。
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