JP2017018988A - スライドクッション装置兼用ダイクッション装置及びその制御方法 - Google Patents

スライドクッション装置兼用ダイクッション装置及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイクッション装置に使用されるサーボモータを含む駆動源をスライドクッション装置にも使用し、比較的高価な駆動源の付加価値を向上させる。【解決手段】スライドクッション装置兼用ダイクッション装置1は、サーボモータにより駆動される油圧ポンプ/モータとスライドクッション力を発生させる油圧シリンダ120A,120Bとの間の流路、又は油圧ポンプ/モータとダイクッション力を発生させる油圧シリンダ220A、220Bとの流路を、切換弁により選択的に開閉する。スライドクッション力作用開始前に、油圧シリンダ120A,120Bに逆止弁190を介して所要のスライドクッション力を発生させ、スライドクッション力作用時には、ロジック弁を有する油圧回路150A,150Bにより油圧シリンダ120A,120Bの圧力を制御するとともに、油圧シリンダ220A、220Bのダイクッション圧力を制御する。【選択図】図1

Description

本発明はスライドクッション装置兼用ダイクッション装置及びその制御方法に係り、特にダイクッション装置に使用されるサーボモータをスライドクッション装置に兼用する技術に関する。
従来、サーボモータを使用するサーボダイクッション装置として、特許文献1、2に記載のものがある。
特許文献1に記載のダイクッション装置は、クッションパッドを支持する油圧シリンダの下室(圧力発生室)に油圧ポンプ/モータの吐出口を直接接続し、この油圧ポンプ/モータの回転軸に接続されたサーボモータをトルク制御することにより、油圧シリンダの下室の圧力(ダイクッション力)を制御できるようにしている。
また、特許文献1に記載のダイクッション装置は、ダイクッション作用時にダイクッション作用に要する仕事率を、全てダイクッション作用と同時に賄うことができる大容量のサーボモータが必要になり、サーボモータが大容量化すれば、装置が大型化するとともに受電設備も大容量化する。
特許文献2に記載のダイクッション装置は、油圧ポンプ/モータを駆動するためのサーボモータの大容量化を低減するために、油圧シリンダの下室にそれぞれ比例弁及び油圧ポンプ/モータを並列に配設し、ダイクッション力の制御時に比例弁の開度及びサーボモータのトルクを制御するようにしている。
特許第4576639号明細書 特許第5296806号明細書
図10は、プレス1サイクル期間のプレス機械のスライド位置、ダイクッション装置のダイクッション位置及びダイクッション力を示す波形図である。
図10に示すようにプレス1サイクル期間をAとし、クッションパッドにダイクッション力を作用させるダイクッション工程と製品のノックアウト動作を含むノックアウト工程との総和であるダイクッション仕事期間をBとすると、プレス1サイクル期間Aに対するダイクッション仕事期間Bの比(B/A)は、多くとも50%、通常は20〜30%である。即ち、従来のダイクッション装置のサーボモータは、プレス1サイクル期間の大半において、仕事をしていないことになる。
サーボダイクッション装置は、ダイクッション力作用に関する機能性が高い(利点を有す)反面、高価な側面(欠点)を有している。ダイクッション力(能力)の割に、大容量の(モータ容量×必要数の)サーボモータを要す為である。
特許文献2に記載のダイクッション装置は、油圧ポンプ/モータ(+サーボモータ)と比例弁とを併用することにより、サーボモータの容量を低減させることができるが、サーボモータが、プレス1サイクル期間の大半において仕事をしていない点では同じである。また、油圧シリンダから吐出される油流を、油圧ポンプ/モータ(+サーボモータ)と並列に設けられた比例弁により絞ることによりダイクッション力の一部を担うため、比例弁により圧力損失が生じ、油圧ポンプ/モータ(+サーボモータ)単独のものに比べてエネルギ効率が良くない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ダイクッション装置に使用されるサーボモータを含む駆動源をスライドクッション装置にも使用し、比較的高価なサーボモータを含む駆動源の付加価値を向上させることができるスライドクッション装置兼用ダイクッション装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置は、上ブランクホルダを上クッションピンを介して支持する上クッションパッドと、プレス機械のスライドに配設された第1の液圧シリンダであって、前記上クッションパッドを支持し、前記スライドの下降時に前記上ブランクホルダにスライドクッション力を発生させる第1の液圧シリンダと、前記第1の液圧シリンダの圧力発生室に接続されたスライドクッション圧力発生ラインに逆止弁を介して圧液の供給が可能な第1の配管と、前記スライドクッション圧力発生ラインに配設され、前記第1の液圧シリンダの圧力発生室から押し退けられる圧液を低圧源に開放する圧力制御弁を含み、前記第1の液圧シリンダの圧力発生室の液圧を制御することにより前記スライドクッション力を発生させる液圧回路と、下ブランクホルダを下クッションピンを介して支持する下クッションパッドと、前記下クッションパッドを支持し、前記下ブランクホルダにダイクッション力を発生させる第2の液圧シリンダと、前記第2の液圧シリンダの圧力発生室に接続された第2の配管と、前記第1の配管又は前記第2の配管を介して前記第1の液圧シリンダ又は前記第2の液圧シリンダを駆動するための圧液を発生させる液圧ポンプ/モータと、前記液圧ポンプ/モータの回転軸に接続されたサーボモータと、前記第1の配管及び前記第2の配管に配設され、前記液圧ポンプ/モータと前記第1の液圧シリンダとの間の流路の開閉、及び前記液圧ポンプ/モータと前記第2の液圧シリンダとの間の流路の開閉を切り換える切換弁と、前記プレス機械のプレス1サイクルのうちのスライドクッション力作用開始前の第1の時点から少なくともダイクッション力作用開始前の第2の時点であって、前記第1の時点よりも遅い第2の時点までの第1の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第1の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換え、前記第2の時点から少なくともダイクッション力作用終了までの第2の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第2の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換える弁制御器と、前記第1の時点から前記第2の時点までの期間に前記サーボモータを制御し、前記第1の液圧シリンダにスライドクッション力を発生させるスライドクッション制御器と、前記第2の期間に前記サーボモータを制御し、少なくとも前記第2の液圧シリンダにダイクッション力を発生させるダイクッション制御器と、を備えている。
本発明の一の態様によれば、サーボモータにより駆動される液圧ポンプ/モータから吐出される圧液を、切換弁を介してスライドクッション力を発生させる第1の液圧シリンダ、又はダイクッション力を発生させる第2の液圧シリンダに選択的に供給可能にし、スライドクッション力作用開始前に、前記サーボモータを制御し、前記第1の液圧シリンダにスライドクッション力を発生させる。
通常、スライドクッション力は、スライドの下降時に上クッションパッドが上ブランクホルダを介して材料に衝突し、衝突後のスライドの下降中に前記第1の液圧シリンダの圧力発生室から押し退けられる圧液が圧力制御弁を介して低圧源に開放されることにより発生する。したがって、前記第1の液圧シリンダの圧力発生室から圧液が押し退けられ始めてから、スライドが一定の下降ストロークを経て(一定の応答時間が経過後に)(成形に必要な)スライドクッション力が発生する。つまり、スライドクッション力の立ち上がり応答は極めて遅い。本発明の一の態様によれば、スライドクッション力作用開始前にスライドクッション力を発生させるため、スライドクッション力作用開始時点(上クッションパッドの衝突時点)からスライドクッション力を発生させることができ、スライドクッション力の立ち上がり応答の遅れを改善することができる。また、ダイクッション機能期間以外の期間(剰余期間)にダイクッション装置に使用されるサーボモータを含む駆動源をスライドクッション装置の駆動源として使用し、サーボモータを含む駆動源の付加価値を向上させるようにしている。また、サーボモータを含む駆動源は、圧液を供給するものであるため、切換弁による圧液の切り換えにより第1の液圧シリンダ又は第2の液圧シリンダへの適用が容易である。
本発明の他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記液圧回路の圧力制御弁は、前記スライドクッション圧力発生ラインと低圧源に接続された低圧ラインとの間に配設され、スライドクッション力作用時にメインリリーフ弁として動作可能なパイロット駆動式のロジック弁と、前記スライドクッション圧力発生ラインに絞り弁を介して接続されたパイロット圧力発生ラインと、前記パイロット圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間に配設され、前記ロジック弁を制御するパイロット圧力を前記パイロット圧力発生ラインに発生させるパイロットリリーフ弁と、からなることが好ましい。
本発明の他の態様によれば、前記ロジック弁と前記パイロットリリーフ弁とを組み合わせた、パイロット駆動式(バランスピストン式)リリーフ弁を備え、スライドクッション力作用時には、前記ロジック弁がメインリリーフ弁として動作し、前記パイロットリリーフ弁により発生されるパイロット圧力に応じたスライドクッション力(圧力)を発生させることができる。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記液圧回路は、前記ロジック弁のパイロットポートに作用する圧力を、前記パイロット圧力と前記低圧源の低圧とのいずれかに前記プレス1サイクルの期間中に切り換える第1の電磁弁と、前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間に配設され、両ライン間を開閉する第2の電磁弁と、を有することが好ましい。前記第1の電磁弁により前記ロジック弁のパイロットポートにパイロット圧力が作用するように切り換えると、パイロット圧力に対応したスライドクッション圧力をスライドクッション圧力発生ラインに発生させることができる。また、前記第1の電磁弁により前記ロジック弁のパイロットポートに低圧が作用するように切り換えると、圧力発生ラインに発生したスライドクッション圧力を低圧に脱圧し、脱圧後、その位置近傍で停止させることができる。また、前記第2の電磁弁を開放状態にすることにより、上クッションパッドの下降(ノックアウト)動作を可能にする。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記第1の時点以前からスライドクッション力作用終了時点までの期間、前記ロジック弁のパイロットポートに前記パイロット圧力が印加可能に前記第1の電磁弁を制御するとともに、前記第1の時点以前から前記上クッションパッドのノックアウト開始時点までの期間、前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間を閉じるように前記第2の電磁弁を制御する制御器を備えることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記制御器は、前記スライドクッション力作用終了時点に前記ロジック弁のパイロットポートに前記低圧源の低圧が印加可能に前記第1の電磁弁を制御し、前記スライドクッション力作用終了時点から前記上クッションパッドのロッキング期間の経過後の前記上クッションパッドのノックアウト開始時点に前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間を開くように前記第2の電磁弁を制御することが好ましい。即ち、スライドクッション力作用終了時点に前記ロジック弁のパイロットポートに前記低圧源の低圧を印加し、前記ロジック弁を開放することにより、前記第2の液圧シリンダの圧力発生室の圧力を脱圧する。これにより、上クッションパッドは脱圧した時点の位置近傍で停止し、スライドが上昇すると、スライドと一体となって上昇する(ロッキング工程)。その後、上クッションパッドのロッキング期間の経過後(上クッションパッドのノックアウト開始時点)に、前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間を開くことにより、前記低圧源の低圧を前記スライドクッション圧力発生ラインを介して前記第2の液圧シリンダの圧力発生室に供給し、上クッションパッドをスライドに対して相対的に降下させるようにしている。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、スライドクッション力指令を出力するスライドクッション力指令器と、前記第1の液圧シリンダに発生するスライドクッション力を検出するスライドクッション力検出器と、を備え、前記スライドクッション制御器は、前記スライドクッション力指令と前記スライドクッション力検出器によって検出されたスライドクッション力とに基づいて、前記第1の液圧シリンダから発生するスライドクッション力が前記スライドクッション力指令に対応するスライドクッション力になるように前記サーボモータのトルクを制御することが好ましい。
本発明の更に他の態様によれば、スライドクッション力作用開始前にサーボモータのトルク制御により、前記スライドクッション力指令器により指令されたスライドクッション力を発生させることができる。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、ダイクッション力指令を出力するダイクッション力指令器と、前記第2の液圧シリンダから発生するダイクッション力を検出するダイクッション力検出器と、を備え、前記ダイクッション制御器は、前記ダイクッション力指令と前記ダイクッション力検出器によって検出されたダイクッション力とに基づいて、前記第2の液圧シリンダから発生するダイクッション力が前記ダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるように前記サーボモータのトルクを制御することが好ましい。即ち、応答性のよいサーボモータのトルク制御により、ダイクッション力制御開始時のサージ圧抑制を図ることが可能で、ダイクッション力指令に対する追従性のよい制御が可能である。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記液圧ポンプ/モータと並列に接続され、ダイクッション力作用時に前記第2の液圧シリンダの圧力発生室から押し退けられる圧液の一部を低圧源に開放する比例弁を備え、前記ダイクッション制御器は、前記ダイクッション力指令と前記ダイクッション力検出器によって検出されたダイクッション力とに基づいて、前記第2の液圧シリンダから発生するダイクッション力が前記ダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるように前記サーボモータのトルク及び前記比例弁の開度を制御することが好ましい。
本発明の更に他の態様によれば、比例弁で絞り制御する液圧サーボ式の制御機能と、液圧ポンプ/モータ(+サーボモータ)を使用する電動サーボ式の制御機能とを併設し、前記比例弁の開度とサーボモータのトルクを制御することにより、ダイクッション力がダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるようにしている。特にダイクッション力作用時に、第2の液圧シリンダから押し退けられる液量は、比例弁及び液圧ポンプ/モータを介して放出することができ、これにより、サーボモータ(+液圧ポンプ/モータ)単独でダイクッション力を制御する場合に比べて、サーボモータの小容量化が可能となり、その結果、装置の小型化及び低価格化が可能になる。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記プレス機械のダイクッション力作用時に前記第2の液圧シリンダが受けるダイクッション力作用に要したエネルギを、前記液圧ポンプ/モータ及び前記サーボモータを介して電気エネルギとして回生する回生部を有することが好ましい。即ち、プレス機械のダイクッション力作用時に下クッションパッドが受けるダイクッション力作用に要したエネルギを第2の液圧シリンダ、液圧ポンプ/モータ及びサーボモータを介して電気エネルギとして回生することができ、エネルギ効率のよい装置となる。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置において、前記下クッションパッドの位置を検出するダイクッション位置検出器を備え、前記ダイクッション制御器は、前記ダイクッション位置検出器によって検出されるダイクッション位置信号を、ノックアウト動作時に前記下クッションパッドを昇降させる場合の位置フィードバック信号として前記サーボモータの制御に用いることが好ましい。これにより、第2の液圧シリンダ(下クッションパッド)の位置制御を可能とし、上昇動作(ノックアウト動作)を安定して行うことができる。
更に他の態様に係る本発明は、上述のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法であって、前記弁制御器により前記第1の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第1の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換える工程と、前記弁制御器により前記第2の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第2の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換える工程と、前記第1の時点から前記第2の時点までの期間に前記スライドクッション制御器により前記サーボモータを制御し、前記第1の液圧シリンダにスライドクッション力を発生させるスライドクッション工程と、前記第2の期間に前記ダイクッション制御器により前記サーボモータを制御し、少なくとも前記第2の液圧シリンダにダイクッション力を発生させるダイクッション工程と、を含む。
本発明の更に他の態様によれば、プレス1サイクル期間中の前記第1の時点から前記第2の時点までの期間(ダイクッション機能が開始するまでの剰余期間)には、サーボモータにより駆動される液圧ポンプ/モータから吐出される圧液を、切換弁の切り換えにより第1の液圧シリンダに供給可能にし、一方、ダイクッション装置を機能させる第2の期間には、サーボモータにより駆動される液圧ポンプ/モータから吐出される圧液を、切換弁の切り換えにより第2の液圧シリンダに供給可能にし、これによりダイクッション装置に使用されるサーボモータを含む駆動源を剰余期間にスライドクッション装置に使用し、サーボモータを含む駆動源の付加価値を向上させるようにしている。
本発明の更に他の態様に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法において、前記第2の期間は、前記第2の時点から前記スライドが前記下クッションパッドに衝突するまでの待機期間と、前記スライドが下死点に到達した後、前記下クッションパッドの待機位置に達するまでのノックアウト期間とを含み、前記待機期間に前記ダイクッション制御器により前記サーボモータを制御し、前記下クッションパッドを前記待機位置に待機させる待機工程と、前記ノックアウト期間に前記ダイクッション制御器により前記サーボモータを制御し、前記下クッションパッドを前記待機位置まで上昇させるノックアウト工程と、を含む。
本発明によれば、ダイクッション機能期間以外の期間(剰余期間)にサーボモータを含む駆動源を、スライドクッション装置に使用するようにしたため、比較的高価なサーボモータを含む駆動源の付加価値を向上させることができる。また、スライドクッション力作用開始前にサーボモータを制御し、スライドクッション装置の上クッションパッドにスライドクッション力を発生させるようにしたため、圧力制御弁により制御されるスライドクッション力の立ち上がり応答の遅れを改善することができる。
図1は、本発明に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の実施形態を示す構成図である。 図2は、図1に示した油圧回路を示す回路図を含むスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の構成図である。 図3は、図2に示したロジック弁158の拡大図である。 図4は、油圧回路250A、250Bの実施形態を示す回路図である。 図5は、制御装置300の実施形態を示すブロック図である。 図6は、スライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法の実施形態を示すフローチャートである。 図7は、プレス1サイクル期間におけるスライド位置、スライドクッション力、スライドクッション位置、ダイクッション力、及びダイクッション位置を示すグラフである。 図8は、油圧回路250Aの他の実施形態を示す回路図である。 図9は、図8に示した油圧回路を使用する場合のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御装置のブロック図である。 図10は、プレス1サイクル期間のプレス機械のスライド位置、ダイクッション装置のダイクッション位置及びダイクッション力を示す波形図である。
以下添付図面に従って本発明に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の好ましい実施形態について詳説する。
[スライドクッション装置兼用ダイクッション装置の構成]
図1は本発明に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の実施形態を示す構成図である。
図1において、本発明に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置1が適用されるプレス機械は、クランク機構を介して駆動力が伝達されるスライド10を有するクランクプレスであり、スライド10は、駆動手段によって回転駆動力が伝達されるクランク軸12を含むクランク機構によって図1上で上下方向に移動させられる。尚、クランク軸12には、クランク軸の角度(クランク角)を検出するクランク角検出器14及びクランク角速度検出器16が設けられている。
スライド10には上型20が装着され、プレス機械のボルスタ30上には下型40が装着されている。
また、図1に示すようにスライドクッション装置兼用ダイクッション装置1は、スライドクッション装置100と、ダイクッション装置200とから構成されている。
<スライドクッション装置>
スライドクッション装置100は、主として上(スライド)ブランクホルダ102と、上ブランクホルダ102を上クッションピン104を介して支持する上クッションパッド110と、上クッションパッド110を支持し、上クッションパッド110に上クッション力(スライドクッション力)を発生させる複数の油圧シリンダ120A,120B(第1の液圧シリンダ)と、複数の油圧シリンダ120A、120Bをそれぞれ駆動する複数の油圧回路150A,150B(液圧回路)とから構成されている。
油圧シリンダ120A,120Bはスライド10に配設され、スライド10とともに移動し、スライド10の下降時に上クッションパッド110にスライドクッション力を発生させる。尚、図1上で、112は、上クッションパッド110の突出し限ストッパであり、突出し限ストッパ112は、スライド10に設けられている。
油圧回路150A、150Bは、それぞれスライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室(下降側油圧室)120a、120bに接続されており、スライドクッション力作用時に油圧シリンダ120A,120Bにスライドクッション圧力(力)を発生させる。尚、詳細については後述する。
また、スライドクッション圧力発生ライン152には、逆止弁190を介して配管(第1の配管)192が接続されており、後述するダイクッション駆動装置兼スライドクッション補助駆動装置として機能する油圧回路250A,250Bから、配管192、逆止弁190及びスライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室120aに圧油(圧液)が供給可能になっている。
<ダイクッション装置>
ダイクッション装置200は、主として下(ダイ)ブランクホルダ202と、下ブランクホルダ202を下クッションピン204を介して支持する下クッションパッド210と、下クッションパッド210を支持し、下クッションパッド210に下クッション力(ダイクッション力)を発生させる複数の油圧シリンダ220A,220B(第2の液圧シリンダ)と、複数の油圧シリンダ220A、220Bをそれぞれ駆動する複数の油圧回路250A,250Bとから構成されている。
油圧シリンダ220A、220Bには、それぞれピストンロッドの伸縮方向の位置を、下クッションパッド210の昇降方向の位置(ダイクッション位置)として検出するダイクッション位置検出器224A、224Bが設けられている。
上型20と下型40との間には、下ブランクホルダ202が配置され、下側が複数の下クッションピン204を介して下クッションパッド210で支持され、上側には材料206がセットされる(接触する)。
<油圧回路150A,150B>
次に、図1に示した油圧シリンダ120A,120Bをそれぞれ駆動する油圧回路150A,150Bの構成について説明する。
図2は、図1に示した油圧回路150A、150Bを示す回路図を含む、スライドクッション装置兼用ダイクッション装置1の構成図である。尚、油圧回路150A、150Bは、それぞれ同一の構成を有するため、以下、油圧回路150Aの構成について詳述し、油圧回路150Bの構成の詳細な説明は省略する。
図2に示すように油圧回路150Aは、スライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aに接続されており、主として低圧の圧油を蓄積するアキュムレータ154が接続された低圧ライン156と、スライドクッション圧力発生ライン152と低圧ライン156との間に配設され、スライドクッション力作用時にメインリリーフ弁として動作可能なパイロット駆動式のロジック弁158と、スライドクッション圧力発生ライン152に絞り弁166を介して接続されたパイロット圧力発生ライン162と、パイロット圧力発生ライン162と低圧ライン156との間に配設され、ロジック弁158を制御するパイロット圧力を発生させるパイロットリリーフ弁160と、から構成されている。尚、アキュムレータ154は、タンクの役割を担っており、低圧ライン156を介してダイクッション駆動装置の油圧回路250A,250Bのアキュムレータ154(図4)と接続されている。これにより、両油圧回路の低圧の圧油が均衡化されている。
また、油圧回路150Aは、ロジック弁158のパイロットポートに作用する圧力を、パイロット圧力発生ライン162に発生するパイロット圧力と、低圧ライン156の低圧とのいずれかに切り換える第1の電磁弁164を備えている。尚、スライドクッション圧力発生ライン152とパイロット圧力発生ライン162との間には、絞り弁(可変絞り弁)166が設けられており、ここでパイロット圧力を調整している。
更に、スライドクッション圧力発生ライン152と低圧ライン156との間には、絞り弁170及び第2の電磁弁172が配設されている。第2の電磁弁172は、ON/OFF制御され、OFF(全閉)時にリークが僅かな(ノンリークの)ポペット式電磁弁であることが好ましい。
更にまた、スライドクッション圧力発生ライン152には、スライドクッション力検出器として機能する圧力検出器180が設けられている。尚、図2において、182は、異常なスライドクッション圧力が作用した場合に安全弁として機能するリリーフ弁である。
尚、第1の電磁弁164及び第2の電磁弁172の具体的なON/OFF制御のタイミングについては後述する。また、第1の電磁弁164及び第2の電磁弁172のON/OFF制御は、制御装置300内の弁制御器により行うことができるが、プレス機械の制御器の一部を流用して行うようにしてもよい。
<油圧回路150Aによるスライドクッション圧力(力)制御>
次に、油圧回路150Aのロジック弁158及びパイロットリリーフ弁160によるスライドクッション圧力制御について説明する。
図2において、プレス機械のスライド10が下降し、スライド10とともに上クッションパッド110が下降すると、上クッションピン104を介して上クッションパッド110に支持された上ブランクホルダ102が、材料206を介して下型40に衝突(インパクト)する。衝突後の上クッションパッド110には、スライド10とともに下降する油圧シリンダ120A,120Bによりスライドクッション力が加えられるが、このスライドクッション力(油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室120a、120bの圧力と断面積で決まるスライドクッション力)は、ロジック弁158及びパイロットリリーフ弁160により制御される。
図3は、図2に示したロジック弁158の拡大図である。図3において、ロジック弁158のAポート及びBポートには、それぞれスライドクッション圧力発生ライン152及び低圧ライン156が接続され、スライドクッション圧力及び低圧が加えられ、パイロットポート(Xポート)には、第1の電磁弁164のON/OFFによりパイロット圧力又は低圧が加えられるようになっている。
いま、ロジック弁158の各ポートの面積、圧力、及びばね力を、下記の記号で表す。
:Aポート側受圧面積
:Bポート側受圧面積
:Xポート側受圧面積
:Aポート圧力(スライドクッション圧力)
:Bポート圧力(低圧)
:Xポート圧力(パイロット圧力)
F:ばね力
ここで、以下に示す[数1]式を満たす場合、ロジック弁158のポペット158aには、Xポート側に押し下げられる力が働いて弁が開き、[数2]式を満たす場合、ロジック弁158のポペット158aには、Aポート側に押し下げられる力が働いて弁が閉じる。
[数1]
・P+A・P>A・P+F
[数2]
・P+A・P<A・P+F
[数1]式、[数2]式において、A、A、A、P、Fは定数であるため、ロジック弁158では、スライドクッション圧力(Aポート圧力)Pとパイロット圧力(Xポート圧力)Pとのバランスに応じて弁の開閉動作が行われる。
また、パイロット圧力Pは、パイロットリリーフ弁160での圧力設定により調整可能であるため、ロジック弁158は、パイロットリリーフ弁160に設定されるパイロット圧力(リリーフ圧力)に応じてスライドクッション圧力(力)を調整することができる。
図2に戻って、前述したように第1の電磁弁164は、ON/OFFされることによりロジック弁158のパイロットポート(Xポート)にパイロット圧力又は低圧を加える。第1の電磁弁164がONされ、ロジック弁158のパイロットポートに低圧が加えられると、ロジック弁158が開き、スライドクッション圧力発生ライン152(油圧シリンダ120Aの圧力発生室120a)の圧力は、低圧ライン156の圧力Pにロジック弁158のバネ力Fによる発生する圧力(F/A)を加算した圧力P’に脱圧される。
(A・P’=A・P+F → P’=P+F/A
この時、バネ力Fによる発生する圧力(差分)は僅かである(小さい)。下死点で脱圧した後、スライド10が上昇し、上ブランクホルダ102が材料(製品)から離脱すると、上クッションパッド110に連動する油圧シリンダ120A,120Bは非拘束状態になり、油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室120a,120bは、低圧ライン156の圧力にロジック弁158のバネ力Fによる発生する圧力を加算した圧力P’が消滅(解放)する過程で、微小量(1mm以内程度)下方に動作するが、圧力P’が消滅(記載は省略するが主に油圧シリンダ120A,120Bの上昇側加圧室に作用する圧力による上向きの力と上クッションパッドに連動する可動質量に作用する重力と前記圧力による下向きの力が釣り合う圧力値まで低下)した時点で、上クッションパッド110を下方に押す力は消滅し、上クッションパッド110はその位置で停止する。即ち、上クッションパッド110は、スライド10と一体となって上昇し、スライド10に対して移動しないように固定される。
このように、第1の電磁弁164は、上クッションパッド110の脱圧を司ると共に、上クッションパッド110をその位置に停止させる機能(ロッキング機能)を司る。
第2の電磁弁172は、第1の電磁弁164のONにより油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aの圧力が脱圧された後、上クッションパッド110のロッキング期間の経過後の上クッションパッド110のノックアウト開始時点にONされ、アキュムレータ154で保持される低圧ライン156から低圧の圧油を、絞り弁170及びスライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aに供給可能にする。これにより、油圧シリンダ120Aは、圧力発生室120aに供給される低圧の圧油及び上クッションパッド110等の自重により、上クッションパッド110が突出し限ストッパ112に当接するまでピストンロッドを伸長させ、上クッションパッドを下降(ノックアウト)動作させる。尚、絞り弁170により油圧シリンダ120Aに供給される油量が制限され、上クッションパッド110の下降速度が制限される。
<油圧回路250A,250B>
次に、図1、図2に示した油圧シリンダ220A,120Bをそれぞれ駆動する油圧回路250A,250Bの構成について説明する。
図4は、油圧回路250A、250Bの実施形態を示す回路図である。尚、油圧回路250A、250Bは、それぞれ同一の構成を有するため、以下、油圧回路250Aの構成について詳述し、油圧回路250Bの構成の詳細な説明は省略する。
図4に示すように油圧回路250Aは、アキュムレータ261と、油圧ポンプ/モータ262と、油圧ポンプ/モータ262の回転軸に接続されたサーボモータ263と、サーボモータ263の駆動軸の角速度(モータ角速度ω)を検出するモータ角速度検出器264と、リリーフ弁265と、逆止弁266と、2ポート2位置電磁切換弁(以下、単に「第1の切換弁」という)267と、3ポート2位置電磁切換弁(以下、単に「第2の切換弁」という)268と、から構成されている。
アキュムレータ261は、低圧のガス圧がセットされ、タンクの役割を果たすとともに、逆止弁266を介して略一定の低圧油を、第1の切換弁267及び第2の切換弁268のポートPに供給し、油圧ポンプ/モータ262の駆動時に昇圧される圧油を昇圧しやすくする役割も果す。尚、アキュムレータ261は、油圧回路250A、250Bに共通に使用され、また、前述したように低圧ライン156を介してダイクッション駆動装置の油圧回路250A,250Bのアキュムレータ154(図2)と接続されている。
油圧ポンプ/モータ262の一方のポート(吐出口)は、第1の切換弁267及び第2の切換弁268のポートPに接続され、他方のポートはアキュムレータ261に接続されている。油圧ポンプ/モータ262はサーボモータ263により駆動され、第1の切換弁267のポートP及び第2の切換弁268のポートPに圧油を供給する。
尚、リリーフ弁265は、異常圧力発生時(ダイクッション力制御、スライドクッション力制御が不能で、突発的な異常圧力発生時)に動作し、油圧機器の破損を防止する手段として設けられている。また、図4において、269はダイクッション力検出器に相当する圧力検出器であり、この圧力検出器269は、油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aの圧力(ダイクッション圧力)を検出する。
ここで、第1の切換弁267のソレノイド267aを励磁すると(第1の切換弁267をONすると)、第1の切換弁267は弁開状態になり、油圧ポンプ/モータ262と配管251との間の流路を開放(第1の切換弁267のポートPとポートAとを接続)する。これにより、油圧ポンプ/モータ262から第1の切換弁267を介して油圧シリンダ220Aの圧力発生室220aに圧油を供給可能にし、又はダイクッション作用時に油圧シリンダ220Aの圧力発生室220aから吐出される圧油を、第1の切換弁267を介して油圧ポンプ/モータ262に流入可能にする。
一方、第1の切換弁267のソレノイド267aを消磁すると(第1の切換弁267をOFFすると)、第1の切換弁267は弁閉状態になり、油圧ポンプ/モータ262と配管251との間の流路を閉成(第1の切換弁267のポートPとポートAとを遮断)する。これにより、下クッションパッド210等の自重に抗して下クッションパッド210等を保持する。
また、第2の切換弁268のソレノイド268aを励磁すると(第2の切換弁268をONすると)、第2の切換弁268は弁開状態になり、油圧ポンプ/モータ262と配管192との間の流路を開放(第2の切換弁268のポートPとポートAとを接続)する。これにより、油圧ポンプ/モータ262から第2の切換弁268を介して配管192(逆止弁190及びスライドクッション圧力発生ライン152に接続された配管192(図2参照))に圧油を供給可能に切り換わる。
一方、第2の切換弁268のソレノイド268aを消磁すると(第2の切換弁268をOFFすると)、第2の切換弁268は弁閉状態になり、油圧ポンプ/モータ262と配管192との間の流路を閉成(第2の切換弁268のポートPとポートAとを遮断)する。これにより、油圧ポンプ/モータ262から配管192(油圧シリンダ120A)への圧油の供給が遮断される。
これらの第1の切換弁267及び第2の切換弁268のON/OFF制御は、制御装置300により行われる。即ち、制御装置300に含まれる弁制御器307(図5)は、プレス機械センサ信号(例えば、クランク角検出器14により検出されるクランク角度信号)に基づいて第1の切換弁267及び第2の切換弁268のON/OFF制御を行う。尚、ON/OFF制御のタイミングの詳細については後述する。
また、第1の切換弁267及び第2の切換弁268としては、内部漏れが微小なポペット形の電磁切換弁に限らず、パイロット駆動逆止弁等を使用することができる。
[ダイクッション力制御の原理]
ダイクッション力は、2つの油圧シリンダ220A、220Bの圧力発生室220a、220bの圧力とシリンダ面積の積で表すことができるため、ダイクッション力を制御することは、油圧シリンダ220A、220Bの圧力発生室220aの圧力を制御することを意味する。2つの油圧シリンダ220A,220Bは、それぞれ独立して制御することができ、以下、油圧シリンダ220Aを制御する場合について説明する。尚、油圧シリンダ220Bも油圧シリンダ220Aと同様に制御することができる。
いま、油圧シリンダ220Aのダイクッション圧力発生側断面積:a
油圧シリンダ220Aのダイクッション圧力発生側体積:V
ダイクッション圧力:P
サーボモータ263の駆動トルク:T
サーボモータ263に作用する負荷トルク:t
サーボモータ263の慣性モーメント:I
サーボモータ263の粘性抵抗係数:DM
サーボモータ263の摩擦トルク:fM
油圧ポンプ/モータ262の押し退け容積:Q
スライドから油圧シリンダ220Aのピストンロッドに加わる力:Fslide
プレスに押されて発生するパッド速度:v
油圧シリンダ220Aのピストンロッド+パッドの慣性質量:M
油圧シリンダ220Aの粘性抵抗係数:DS
油圧シリンダ220Aの摩擦力:fS
圧油に押されて回転するサーボモータ263のモータ角速度:ω
作動油の体積弾性係数:K
比例定数:k1、k2
とすると、静的な挙動は、次式で表すことができる。
[数3]
P=∫K((v・a−k1Q・ω)/V)dt
[数4]
t=k2・PQ/(2π)
また、動的な挙動は、[数3]式、[数4]式に加えて、次式で表すことができる。
[数5]
P・a−Fslide=M・dv/dt+DS・v+fS
[数6]
T−t=I・dω/dt+DM・ω+fM
上記[数3]式〜[数6]式が意味するもの、即ち、スライド10から下クッションパッド210を介して油圧シリンダ220Aに伝わった力は、油圧シリンダ220Aの圧力発生室220aを圧縮し、ダイクッション圧力を発生させる。同時に、ダイクッション圧力によって油圧ポンプ/モータ262を油圧モータ作用させ、この油圧ポンプ/モータ262に発生する負荷トルクがサーボモータ263の駆動トルクに抗じたところで、サーボモータ263を回転させ、圧力の上昇が抑制される。結局、ダイクッション圧力(ダイクッション力)は、サーボモータ263の駆動トルクに応じて決定される。
[制御装置300]
スライドクッション装置兼用ダイクッション装置1の制御装置300(図1)は、スライドクッション制御装置及びダイクッション制御装置を含む。
<スライドクッション制御装置及びダイクッション制御装置>
図5は、制御装置の実施形態を示すブロック図であり、特にスライドクッション装置100の油圧シリンダ120A及びダイクッション装置200の油圧シリンダ220Aを制御する制御装置300に関して示している。尚、制御装置300は、スライドクッション装置100の油圧シリンダ120B及びダイクッション装置200の油圧シリンダ220Bも、油圧シリンダ120A及び油圧シリンダ220Aと同様に制御するため、その詳細な説明は省略する。
図5において、制御装置300は、主としてダイクッション制御器として機能するダイクッション制御装置302と、スライドクッション制御器として機能するスライドクッション制御装置304と、動力指令(サーボモータトルク指令)を選択する選択器306と、第1の電磁弁164、第2の電磁弁172、第1の切換弁267、第2の切換弁268を制御する弁制御器307と、これらを統括制御する統括制御器308とを有している。
ダイクッション制御装置302は、主としてダイクッション力(圧力)指令器310と、ダイクッション位置指令器312と、ダイクッション力(圧力)制御器314と、ダイクッション位置制御器316とから構成されている。
ダイクッション制御装置302には、プレス機械センサ信号としてスライド位置信号及びスライド速度信号が加えられ、駆動装置センサ信号としてモータ角速度検出器264からのモータ角速度信号、圧力検出器269からのダイクッション圧力信号、及びダイクッション位置検出器224Aからのダイクッション位置信号が加えられている。尚、スライド位置信号及びスライド速度信号は、クランク角検出器14及びクランク角速度検出器16(図1)からの検出信号に基づいてそれぞれ算出することできる。
ダイクッション力指令器に相当するダイクッション圧力指令器310には、スライド10の位置に応じたダイクッション圧力値が予め設定されており、ダイクッション圧力指令器310は、スライド位置信号に基づいてダイクッション圧力指令を、ダイクッション力制御器314に出力する。
一方、ダイクッション位置指令器312には、ダイクッション位置信号が加えられており、ダイクッション位置指令器312は、スライド10が下死点に到達すると、プレス加工後の製品のノックアウト動作を行うとともに、下クッションパッド210を初期位置に待機させるために、ダイクッション位置(下クッションパッド210の位置)を制御するダイクッション位置指令を出力する。
ダイクッション力制御器314は、入力するダイクッション圧力指令と駆動装置センサ信号とに基づいてサーボモータ263のトルクを制御する動力指令(ダイクッション力制御用の動力指令)を生成し、生成した動力指令を選択器306に出力する。即ち、スライド10が下クッションパッド210に衝突後、スライド10の動力によって、下ブランクホルダ202、下クッションピン204及び下クッションパッド210を介して、油圧シリンダ220Aの圧力発生室120aに圧力が発生し、油圧シリンダ220Aの圧力発生室120aから押し退けられる圧油は、配管(第2の配管)251及び第1の切換弁267を介して油圧ポンプ/モータ262に流入し、油圧ポンプ/モータ262を油圧モータ作用させて押し退けて回転させる。この時、ダイクッション力制御器314は、入力するダイクッション圧力指令、ダイクッション圧力信号、スライド速度信号、及びモータ角速度信号に基づいてサーボモータ263のトルクを加圧側に作用させる動力指令を出力する。
選択器306は、詳細は後述するが、スライド10が下クッションパッド210に衝突後、下死点に至るまでのダイクッション工程時にダイクッション力制御器314から出力される動力指令を選択し、選択器306により選択された動力指令は、増幅器兼パルス幅変調器340を介してサーボモータ263に出力される。
また、ダイクッション工程時にスライド10から下クッションパッド210が受ける動力によって油圧シリンダ220Aの圧力発生室220aから圧油が油圧ポンプ/モータ262に流入し、油圧ポンプ/モータ262が油圧モータとして作用する。この油圧ポンプ/モータ262によってサーボモータ263が従動して発電機として作用する。サーボモータ263によって発電された電力は、増幅器兼パルス幅変調器340及び回生部として機能する回生機能付き直流電源装置342を介して交流電源344に電気エネルギとして回生される。
一方、ダイクッション位置制御器316は、ダイクッション位置指令器312から入力するダイクッション位置指令と駆動装置センサ信号とに基づいてサーボモータ263のトルクを制御する動力指令(ダイクッション位置制御用の動力指令)を生成し、生成した動力指令を選択器306に出力する。即ち、スライド10が下死点に到達(プレス成形が終了)すると、ダイクッション制御装置302は、ダイクッション圧力制御状態からダイクッション位置(保持)制御状態に切り換えられる。このダイクッション位置制御状態では、ダイクッション位置制御器316は、入力するダイクッション位置指令と、位置フィードバック信号としてのダイクッション位置信号と、及び角速度信号に基づいて下クッションパッド210を位置制御するための動力指令を生成する。この時、ダイクッション位置制御器316は、スライド10が上昇を開始してから一定時間、下クッションパッド210を停止させ、その後、油圧シリンダ220A(下クッションパッド210)を上昇させ、下型40に密着した製品をノックアウトし、初期位置(待機位置)に戻し、次サイクルに備えるための動力指令を出力する。
選択器306は、詳細は後述するが、スライド10が下死点に到達後、待機位置に至るまでのノックアウト工程時にダイクッション位置制御器316から出力される動力指令を選択し、選択器306により選択された動力指令は、増幅器兼パルス幅変調器340を介してサーボモータ263に出力される。
一方、スライドクッション制御装置304は、主としてスライドクッション圧力指令器322と、スライドクッション力(圧力)制御器324とから構成されている。
スライドクッション力指令器に相当するスライドクッション圧力指令器322は、予め設定されたスライドクッション圧力指令をスライドクッション力制御器324に出力する。尚、スライドクッション圧力指令は、油圧回路150A,150Bのパイロットリリーフ弁160で決定するメインリリーフ弁として動作するロジック弁158の設定圧力と同じか、少し小さい値に設定される。
スライドクッション力制御器324の他の入力には、圧力検出器180(図2)により検出されたスライドクッション圧力信号が加えられており、スライドクッション力制御器324は、入力するスライドクッション圧力指令とスライドクッション圧力信号とに基づいてサーボモータ263のトルクを制御する動力指令(スライドクッション力制御用の動力指令)を生成し、生成した動力指令を選択器306に出力する。
選択器306は、詳細は後述するが、スライドクッション力作用開始前にスライドクッション制御装置304から入力する動力指令を選択し、選択した動力指令を増幅器兼パルス幅変調器340を介してサーボモータ263に出力する。これらは統括制御器308によって統括される。これにより、スライドクッション力作用開始前にサーボモータ263のトルク制御により、油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aにスライドクッション圧力指令器により指令されたスライドクッション圧力を発生させることができる。尚、スライドクッション力作用開始前に油圧シリンダ120A、120Bを介して上クッションパッド110にスライドクッション力が加えられても、上クッションパッド110は突出し限ストッパ112に当接しているため、スライド10に対して相対的に移動(下降)することはない。
[スライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法]
次に、上記構成のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法について説明する。
図6は、スライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法の実施形態を示すフローチャートであり、図7は、プレス1サイクル期間におけるスライド位置、スライドクッション力、スライドクッション位置、ダイクッション力、及びダイクッション位置を示すグラフである。
まず、ダイクッション装置200の制御方法について説明する。
図6及び図7において、プレス機械のプレス1サイクル期間Aのうちの上死点(クランク角a(=0°)からクランク角bの期間は、第1の切換弁267をONし、かつダイクッション位置制御状態にし、下クッションパッド210を所定の待機位置に位置制御する(ステップS10、待機工程)。即ち、ダイクッション位置制御器316は、下クッションパッド210の待機位置を示すダイクッション位置指令、ダイクッション位置信号及びサーボモータ角速度信号に基づいて下クッションパッド210を位置制御するための動力指令を生成し、生成した動力指令を選択器306及び増幅器兼パルス幅変調器340を介してサーボモータ263に出力する。これにより、下クッションパッド210は、所定の待機位置に保持される。以下、サーボモータ263の駆動による待機工程を、待機工程(x)という。
続いて、ステップS10の待機工程が終了したか否か(本例ではクランク角bに達したか否か)を判別し(ステップS12)、クランク角bに達すると(「Yes」の場合)、切換弁による油圧回路の切り換えを行う(第1の切換弁267をOFFし、第2の切換弁268をONする)(ステップS14)。
第1の切換弁267がOFFされると、第1の切換弁267は弁閉状態になり、下クッションパッド210等の自重に抗して下クッションパッド210等が保持され、下クッションパッド210は、現在の待機位置に保持される(ステップS16)。
次に、クランク角cに達したか否かを判別し(ステップS18)、クランク角cに達すると(「Yes」の場合)、再度、切換弁による油圧回路の切り換えを行う(第1の切換弁267をONする)(ステップS20)。
ここで、プレス機械のプレス1サイクルのうちのスライドクッション力作用開始前の第1の時点(本例では、クランク角bになる時点)から、少なくとも第1の時点よりも遅い第2の時点(本例では、クランク角cになる時点)までの期間(第1の期間)は、スライドクッション力作用開始前の所定の期間であり、後述するようにサーボモータ263を含む油圧回路250A,250Bは、第1の期間にスライドクッション装置100に使用される。一方、プレス1サイクル期間Aのうちの第2の時点(本例では、クランク角cになる時点)少なくともダイクッション力作用終了までの期間、あるいはプレス1サイクル期間Aのうちの第1の期間以外の期間(第2の期間)は、ダイクッション装置を機能させるダイクッション機能期間であり、サーボモータ263を含む油圧回路250A,250Bは、少なくとも第2の期間にダイクッション装置200に使用される。
ステップS20において、切換弁による油圧回路の切り換えが行われると(第1の切換弁267がONされると)、クランク角c〜eの期間、ステップS10と同様に再びダイクッション位置制御状態にし、下クッションパッド210を待機位置に位置制御する(ステップS22、待機工程(x))。
スライド10が下クッションパッド210に衝突するクランク角eに達すると、ダイクッション力(圧力)制御状態に切り換えられ、クランク角eから下死点(クランク角f)までの間、ダイクッション力制御が行われる(ステップS24、ダイクッション工程)。
続いて、スライド10が下死点(クランク角f)に達すると、クランク角fからクランク角gまでの期間、ダイクッション位置制御によるノックアウト工程に切り換えられる(ステップS26、ノックアウト工程)。尚、ダイクッション工程及びノックアウト工程は、主たるダイクッション装置200のダイクッション仕事期間Bである。
ステップS26でのノックアウト工程が終了すると、再び下クッションパッド210は待機位置に位置制御される(ステップS28、待機工程(x))。
尚、ステップS28からステップS10の待機工程(x)(クランク角h〜a及びa〜b)は、一連の位置制御処理である。また、本例のステップS22(クランク角c〜eの期間の待機工程(x))では、下クッションパッド210を待機位置に位置制御により待機させているが、スライド10の下クッションパッド210への衝突時の衝撃力を抑制する目的で、下クッションパッド210を下降方向に予備加速する位置制御を行うようにしてもよい。
次に、スライドクッション装置100の制御方法について、上記ダイクッション装置200の動作と対比しながら説明する。
図6及び図7において、クランク角a〜bの間の所定の時点abよりも前の期間、第1の電磁弁164及び第2の電磁弁172はそれぞれONされ、油圧シリンダ120A、120Bの圧力発生室120a、120bは、アキュムレータ154(低圧ライン156)と接続され、アキュムレータ154に蓄圧された低圧に保圧される(ステップS40、低圧保持工程)。これにより、上クッションパッド110は、突出し限ストッパ112に当接した状態で保持(低圧保持)される。その後、クランク角b(第1の時点)以前の所定の時点abおいて、第1の電磁弁164及び第2の電磁弁172はそれぞれOFFされ、油圧シリンダ120A、120Bの圧力発生室120aは、アキュムレータ154(低圧ライン156)から遮断される。
続いて、ステップS40の低圧保持工程が終了したか否か(本例ではクランク角bに達したか否か)を判別し(ステップS42)、クランク角bに達すると(「Yes」の場合)、切換弁による油圧回路の切り換えを行う(第1の切換弁267をOFFし、第2の切換弁268をONする)(ステップS44)。この時、第1の切換弁267がOFFした後、第2の切換弁268をONさせる。第2の切換弁268がONされると、第2の切換弁268は弁開状態になり、油圧回路250A,250Bから配管192、逆止弁190及びスライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室120aに圧油が供給可能になる。
第2の切換弁268がONされると、クランク角b〜cの期間(第1の期間)、サーボモータ263を含む油圧回路250A,250Bは、スライドクッション装置100に使用される。即ち、スライドクッション力制御器324は、入力するスライドクッション圧力指令とスライドクッション圧力信号とに基づいてサーボモータ263のトルクを制御する動力指令を生成し、生成した動力指令を選択器306、及び増幅器兼パルス幅変調器340を介してサーボモータ263に出力する。そして、サーボモータ263により駆動される油圧ポンプ/モータ262から設定圧の圧油が、第2の切換弁268、配管192、逆止弁190、及びスライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室120aに供給される(ステップS46、設定圧制御工程)。これにより、上クッションパッド110は、予め設定されたスライドクッション圧力(力)が作用した状態で突出し限ストッパ112に当接する。
次に、クランク角cに達したか否かを判別し(ステップS48)、クランク角cに達すると(「Yes」の場合)、再度、切換弁による油圧回路の切り換えを行う(第1の切換弁267をONし、第2の切換弁268をOFFする)(ステップS50)。この時、第2の切換弁268がOFFした後、第1の切換弁267をONさせることが好ましい。
第2の切換弁268がOFFされると、油圧シリンダ120A,120Bの圧力発生室120a、120bは、逆止弁190により遮断され、クランク角c〜dの期間、スライドクッション圧力指令により制御された設定圧に保圧される(ステップS52、保圧工程)。
その後、クランク角dに達し、上クッションパッド110に保持された上ブランクホルダ102が材料206を介して下型40に衝突すると、油圧シリンダ120A.120Bの圧力発生室120a、120bには、ロジック弁158、絞り弁166、パイロットリリーフ弁160の相乗作用により、スライドクッション力に比例するスライドクッション圧力が発生する。つまり、スライドクッション圧力発生ライン152から低圧ライン156に至る、スライドクッション圧力を源に絞り弁166、パイロットリリーフ弁160を介すことで発生する油流(単位時間に流れる圧油の流量)に伴い、絞り弁166とパイロットリリーフ弁160との間(パイロット圧力発生ライン162)に、スライドクッション圧力より小さいパイロット圧力が発生し、ロジック弁158のポペットには、主にスライドクッション圧作用側受圧面積に作用するスライドクッション圧力と、低圧作用側受圧面積に作用する低圧と、第1の電磁弁164を介してパイロット圧力作用側受圧 面積(Xポート側受圧面積)に作用するパイロット圧力と、ロジック弁内部のバネ力と、ロジック弁158にスライドクッション圧力発生ライン152から低圧ライン156に至る圧油の流れを妨げる(弁を閉める)方向に作用する流体力とが、力の均衡を保持すべく作用しており、ロジック弁158のポペット位置(開度)は、上クッションパッド110の速度に応じて(その速度が一定なら、ほぼ一定に)保持され、この一連の作用の中で、スライドクッション圧力は発生する(ステップS54、スライドクッション工程)。
続いて、スライド10がスライドクッション力作用終了時点である下死点(クランク角f)に達すると、まず、第1の電磁弁164をONし、ロジック弁158を開放し、スライドクッション圧力発生ライン152(油圧シリンダ120Aの圧力発生室120a)の圧力を、低圧ライン156の圧力にロジック弁のバネ力Fによる発生する圧力を加算した圧力P’に脱圧する。その後、スライド10が上昇すると、油圧シリンダ120A,120Bによる上クッションパッド110を下方に押す力は消滅し、スライド10がクランク角gに至るまで、上クッションパッド110は脱圧した時点の位置(より少し下の)近傍に停止する(ロッキング工程)。続いて、スライド10がクランク角gに至ると(上クッションパッド110が停止するロッキング期間が経過すると)、第2の電磁弁172をONし、アキュムレータ154で保持される低圧ライン156から低圧の圧油を、絞り弁170及びスライドクッション圧力発生ライン152を介して油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aに供給し、上クッションパッド110が突出し限ストッパ112に当接するまで、スライド10に対して相対的に降下させる(ステップS56、低圧ノックアウト工程→低圧保持工程)。
上記のようにスライドクッション装置兼用ダイクッション装置は、ステップS10からステップS28に示したダイクッション装置200に対する制御と、ステップS40からステップS56に示したスライドクッション装置100に対する制御とを、プレス1サイクル毎に繰り返し実行する。
<油圧回路の他の実施形態>
図8は、油圧回路250Aの他の実施形態を示す回路図である。
図8に示す油圧回路250A’は、油圧シリンダ220Aに対応する油圧回路である。この油圧回路250A’は、図4に示した油圧回路250Aと比較し、主として比例弁368を有する点で相違する。尚、図4に示した油圧回路250Aと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
油圧回路250A’は、主として低圧源として使用されるアキュムレータ261と、油圧ポンプ/モータ362と、油圧ポンプ/モータ362の回転軸に接続されたサーボモータ363と、サーボモータ363の駆動軸の角速度を検出するモータ角速度検出器364と、リリーフ弁265と、逆止弁366と、比例弁368と、第1の切換弁267と、第2の切換弁268とから構成されている。
一方、油圧シリンダ220Aの下降側油圧室に接続された配管は、アキュムレータ379と接続されている。アキュムレータ379には、電動モータ380で駆動される油圧ポンプ382から吐出される圧油が逆止弁384を介して蓄積される。アキュムレータ379での圧油の蓄積が充分な場合は、油圧ポンプ382から吐出される作動油は、アンロード操作弁386を介して低圧状態で作動油冷却器388を循環し、冷却される。
尚、後述するようにダイクッション力作用時において、比例弁368から圧油が開放される場合は、圧油の絞り作用により発熱するため、作動油の冷却を要す。また、390は、作動油冷却器388に冷却水を供給するための水用電磁弁であり、391はフィルタである。
また、アキュムレータ379に蓄積された圧油は、2方弁368aと電磁比例流量制御弁368bとから構成される比例弁368の2方弁368aを、電磁比例流量制御弁368bを介して開閉させるためのパイロット圧として使用され、また非制御(非駆動)時に油圧シリンダ220A(に連動する下クッションパッド210)の自重による落下を防止するための強制開放駆動式の逆止弁366を、制御(駆動)時に強制開放するためのパイロット圧として使用され、更に油圧シリンダ220Aの圧力発生室120aに常時作用させることにより、油圧シリンダ120Aが下降する為の動力源の一端を担い、予備加速時等下降時の加速動作を行い易くすると共に、上下動作を容易にする(サーボモータ363の一方向のトルク操作のみで行えるようにする)ために使用される。
尚、比例弁368には、比例弁368の開度を検出するためのスプール位置検出器392が配設され、また、アキュムレータ379と低圧側との間には、それぞれリリーフ弁394及び電磁方向切換弁(脱圧弁)396が接続されている。
比例弁368は、油圧ポンプ/モータ362と並列に設けられ、ダイクッション力制御開始直後で、スライド速度が大きい場合のダイクッション工程時に油圧シリンダ120Aの圧力発生室120aから吐出される油量の一部を、ダイクッション圧力を確保しつつ(絞りながら)、低圧側(アキュムレータ261側)に開放する。また、ダイクッション工程時にサーボモータ263により制御される油圧ポンプ/モータ362は、ダイクッション工程時に油圧シリンダ220Aの圧力発生室120aから吐出される油量の一部(残分)をサーボモータ363で、ダイクッション圧力を確保しつつ(トルクを回転方向と逆方向に作用させながら)、低圧側に押し退け開放する。
即ち、この油圧回路250A’は、ダイクッション工程時に油圧シリンダ220Aの圧力発生室120aから吐出される油量の一部を比例弁368で絞り開放し、これにより油圧ポンプ/モータ+サーボモータのみで押し退け開放する場合に対して、小サイズ(外観がコンパクト)ながら破格に大容量を処理可能であり、ダイクッション圧力制御の開始時点のスライド速度が比較的速い場合でもダイクッション圧力制御を問題無く可能にしている。
次に、油圧回路250A’を使用する場合のダイクッション圧力制御の原理について説明する。
油圧シリンダ220Aに作用するダイクッション力は、油圧シリンダ220Aの圧力発生室120aの圧力を制御(即ち、比例弁368の開度、及び油圧ポンプ/モータ362のトルクを制御)することにより発生する。
いま、油圧シリンダ220Aのダイクッション圧力発生側断面積:A
油圧シリンダ120Aのダイクッション圧力発生側体積:V
ダイクッション圧力:P
サーボモータ363の駆動トルク:T
サーボモータ363に作用する負荷トルク:t
サーボモータ363の慣性モーメント:I
サーボモータ363の粘性抵抗係数:DM
サーボモータ363の摩擦トルク:fM
油圧ポンプ/モータ362の押し退け容積:Q
スライド10から油圧シリンダ220Aのピストンロッドに加わる力:F
プレスに押されて発生するクッションパッド速度:v
油圧シリンダ220Aのピストンロッド+クッションパッドの慣性質量:M
油圧シリンダ220Aの粘性抵抗係数:DS
油圧シリンダ220Aの摩擦力:fS
圧油に押されて回転するモータ角速度:ω
作動油の体積弾性係数:K
比例定数:k1、k2
比例弁による開放油量:qv
比例弁指令量:R
比例弁流量係数:Cv
とすると、静的な挙動は、次式で表すことができる。
[数7]
P=∫K((v・A−k1Q・ω−qv)/V)dt
[数8]
qv=R・Cv√P
[数9]
t=k2・PQ/(2π)
また、動的な挙動は、[数6]式、[数7]式に加えて次式で表すことができる。
[数10]
P・A−F=M・dv/dt+DS・v+fS
[数11]
T−t=I・dω/dt+DM・ω+fM
上記[数7]式〜[数11]式が意味するもの、即ち、スライド10から下クッションパッド210を介して油圧シリンダ220Aに伝わった力は、油圧シリンダ220Aの圧力発生室220aを圧縮し、ダイクッション圧力(力)を発生させる。
比例弁368によりダイクッション圧力を保持しつつ油量を開放し(開度を制御し)、同時に、ダイクッション圧力によって油圧ポンプ/モータ362を油圧モータ作用させ、この油圧ポンプ/モータ362に発生する回転軸トルクがサーボモータ363の駆動トルクに抗じたところで、サーボモータ363を回転させ、圧力の上昇が抑制される。
結局、ダイクッション圧力は、比例弁368の開度とサーボモータ363の駆動トルクに応じて決定する。
この時、ダイクッション圧力値を予め設定した設定値通り、かつ安定に制御するために、ダイクッション圧力Pやモータ角速度ωやプレスに押されて発生するクッションパッド速度v(またはスライド速度)を検出して、比例弁368の開度及びサーボモータ363のトルクを決定するための補償に用いる。また、製品のノックアウト動作を制御するためにダイクッション位置を検出し、ダイクッション作用開始タイミングを得るためにスライド位置を検出して用いる。
図9は、上記油圧回路250A’を使用する場合のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置1の制御装置300(図1)のブロック図である。尚、図5に示したブロック図と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9に示す制御装置300と図6に示した制御装置300とは、主としてダイクッション制御装置が相違し、特にダイクッション制御装置302’のダイクッション力制御器314’が、図5に示したダイクッション力制御器314と相違する。
ダイクッション力制御器314’は、主としてサーボモータ制御器314aと、比例弁制御器314bとを備えている。
サーボモータ制御器314a及び比例弁制御器314bには、それぞれダイクッション圧力指令、ダイクッション圧力信号、及びスライド速度信号が加えられ、更にサーボモータ制御器314aには、モータ角速度信号が加えられ、比例弁制御器314bには比例弁開度信号が加えられる。
サーボモータ制御器314aは、上記各種の入力信号に基づいてサーボモータ363のトルクを制御する動力指令(ダイクッション力制御用の動力指令)を生成し、生成した動力指令を選択器306に出力し、比例弁制御器314bは、各種の入力信号に基づいて比例弁368の開度を制御する開度指令を比例弁368に出力する。
先に記述したように、スライド10が下クッションパッド210に衝突後、スライド10の動力によって、下ブランクホルダ202、下クッションピン204及び下クッションパッド210を介して、油圧シリンダ220Aに圧力が発生し、油圧シリンダ220Aから押し退けられる圧油は、一方で油圧ポンプ/モータ362を油圧モータ作用させて押し退けて回転させる。この時、サーボモータ制御器314aは、入力するダイクッション圧力指令、ダイクッション圧力信号、スライド速度信号、及びモータ角速度信号等に基づいてサーボモータ363のトルクを加圧側に作用させる動力指令を出力する。
油圧シリンダ220Aから押し退けられる圧油は、もう一方で比例弁368を介して低圧側(タンク)に開放される。この時、比例弁制御器314bは、入力するダイクッション圧力指令、ダイクッション圧力信号、スライド速度信号、及び比例弁開度信号等に基づいて開度指令を生成し、生成した開度指令を比例弁368に出力し、比例弁368による圧油の絞り作用によりダイクッション圧力を発生させる。
尚、比例弁制御器314bは、例えばクランクやリンク機構式の機械式プレスにおいて、生産速度(サイクル数/時間)が速い場合であって、スライド位置が下死点から高くスライド速度が大きい場合に限り、比例弁368の開度を制御し、生産速度が遅い(サイクル全般的にスライド速度が遅い)場合や、生産速度が速くてもスライド位置が下死点に近づきスライド速度が小さい場合には、比例弁368の開度を制御しない(開度0=全閉)ことが好ましい。
また、サーボモータ制御器314aによるサーボモータ363のトルク制御によるダイクッション圧力制御と、比例弁制御器314bによる比例弁368の開度によるダイクッション圧力制御とが同時に行われている期間は、両者によって協調制御されるダイクッション圧力が、ダイクッション圧力指令が示すダイクッション圧力になるように、サーボモータ制御器314a及び比例弁制御器314bは、それぞれサーボモータ363のトルク及び比例弁368の開度を制御する。
本例では、第2の切換弁268をONし、スライドクッション装置100を駆動する場合には、比例弁368を全閉にしてサーボモータ363のみを制御する。
[その他]
油圧回路の圧油の方向を切り換える切換弁は、図4に示した第1の切換弁267、第2の切換弁268に限らず、種々の構成の切換弁の適用が可能である。また、本発明によれば、スライドクッション制御装置及びダイクッション制御装置は、制御装置として共通(用)化を図ることができる。
更に、スライドクッション圧力がダイクッション圧力よりも高い値に設定されている場合、第2の切換弁268をOFF(弁閉状態)にするタイミングは、ダイクッション力作用開始前の時点(本例のクランク角cの時点)に限らず、ダイクッション力作用開始後の時点(例えば、クランク角180°の下死点の時点)でもよい。この場合、スライドクッション圧力がダイクッション圧力よりも高いため、ダイクッション力作用に供した圧油は、第2の切換弁268から配管192及び逆止弁190を介して油圧シリンダ120A,120Bに流れることがない。
本実施形態では、油圧シリンダ120A、120B,油圧シリンダ220A、220B、油圧回路150A,150B、及び油圧回路250A,250Bは、それぞれ複数(2つずつ)設けるようにしたが、本発明はこれらの油圧シリンダ等の個数に限定されない。また、本実施形態では、油圧回路150A,150Bの圧力制御弁として、パイロット駆動式のロジック弁を使用しているが、これに限らず、例えば、比例リリーフ弁を適用したり、比例流量制御弁を適用し比例流量制御弁の開度を制御したりして所望のスライドクッション力を発生させるものでもよい。
更に、本実施形態では、スライドクッション装置及びダイクッション装置の作動液として油を使用した場合について説明したが、これに限らず、水やその他の液体を使用してもよい。即ち、本願実施例においては、油圧シリンダ、油圧ポンプ/モータを使用した形態で説明したが、これらに限定されるものではなく、水やその他の液体を使用した液圧シリンダ、液圧ポンプ/モータを本発明において使用できることは言うまでもない。また、本発明に係るスライドクッション装置兼用ダイクッション装置は、クランクプレスに限らず、機械式プレスを筆頭に、あらゆる種類のプレス機械に適用することができる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
1…スライドクッション装置兼用ダイクッション装置、10…スライド、14…クランク角検出器、16…クランク角速度検出器、20…上型、30…ボルスタ、40…下型、100…スライドクッション装置、102…上ブランクホルダ、104…上クッションピン、110…上クッションパッド、120A、120B、220A、220B…油圧シリンダ、224A…ダイクッション位置検出器、150A、150B、250A、250B、250A’…油圧回路、152…スライドクッション圧力発生ライン、154、261…アキュムレータ、156…低圧ライン、158…ロジック弁、160…パイロットリリーフ弁、164…第1の電磁弁、166、170…絞り弁、190…逆止弁、192…配管、262、362…油圧ポンプ/モータ、263、363…サーボモータ、264、364…モータ角速度検出器、180、269…圧力検出器、200…ダイクッション装置、202…下ブランクホルダ、204…下クッションピン、210…下クッションパッド、300…制御装置、302、302’…ダイクッション制御装置、304…スライドクッション制御装置、306…選択器、310…ダイクッション圧力指令器、312…ダイクッション位置指令器、314、314’…ダイクッション力制御器、314a…サーボモータ制御器、314b…比例弁制御器、316…ダイクッション位置制御器、322…スライドクッション圧力指令器、324…スライドクッション力制御器

Claims (12)

  1. 上ブランクホルダを上クッションピンを介して支持する上クッションパッドと、
    プレス機械のスライドに配設された第1の液圧シリンダであって、前記上クッションパッドを支持し、前記スライドの下降時に前記上ブランクホルダにスライドクッション力を発生させる第1の液圧シリンダと、
    前記第1の液圧シリンダの圧力発生室に接続されたスライドクッション圧力発生ラインに逆止弁を介して圧液の供給が可能な第1の配管と、
    前記スライドクッション圧力発生ラインに配設され、前記第1の液圧シリンダの圧力発生室から押し退けられる圧液を低圧源に開放する圧力制御弁を含み、前記第1の液圧シリンダの圧力発生室の液圧を制御することにより前記スライドクッション力を発生させる液圧回路と、
    下ブランクホルダを下クッションピンを介して支持する下クッションパッドと、
    前記下クッションパッドを支持し、前記下ブランクホルダにダイクッション力を発生させる第2の液圧シリンダと、
    前記第2の液圧シリンダの圧力発生室に接続された第2の配管と、
    前記第1の配管又は前記第2の配管を介して前記第1の液圧シリンダ又は前記第2の液圧シリンダを駆動するための圧液を発生させる液圧ポンプ/モータと、
    前記液圧ポンプ/モータの回転軸に接続されたサーボモータと、
    前記第1の配管及び前記第2の配管に配設され、前記液圧ポンプ/モータと前記第1の配管との間の流路の開閉、及び前記液圧ポンプ/モータと前記第2の配管との間の流路の開閉を切り換える切換弁と、
    前記プレス機械のプレス1サイクルのうちのスライドクッション力作用開始前の第1の時点から少なくともダイクッション力作用開始前の第2の時点であって、前記第1の時点よりも遅い第2の時点までの第1の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第1の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換え、前記第2の時点から少なくともダイクッション力作用終了までの第2の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第2の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換える弁制御器と、
    前記第1の時点から前記第2の時点までの期間に前記サーボモータを制御し、前記第1の液圧シリンダにスライドクッション力を発生させるスライドクッション制御器と、
    前記第2の期間に前記サーボモータを制御し、少なくとも前記第2の液圧シリンダにダイクッション力を発生させるダイクッション制御器と、
    を備えたスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  2. 前記液圧回路の圧力制御弁は、前記スライドクッション圧力発生ラインと低圧源に接続された低圧ラインとの間に配設され、スライドクッション力作用時にメインリリーフ弁として動作可能なパイロット駆動式のロジック弁と、前記スライドクッション圧力発生ラインに絞り弁を介して接続されたパイロット圧力発生ラインと、前記パイロット圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間に配設され、前記ロジック弁を制御するパイロット圧力を前記パイロット圧力発生ラインに発生させるパイロットリリーフ弁と、からなる請求項1に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  3. 前記液圧回路は、前記ロジック弁のパイロットポートに作用する圧力を、前記パイロット圧力と前記低圧源の低圧とのいずれかに前記プレス1サイクルの期間中に切り換える第1の電磁弁と、前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間に配設され、両ライン間を開閉する第2の電磁弁と、を有する請求項2に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  4. 前記第1の時点以前からスライドクッション力作用終了時点までの期間、前記ロジック弁のパイロットポートに前記パイロット圧力が印加可能に前記第1の電磁弁を制御するとともに、前記第1の時点以前から前記上クッションパッドのノックアウト開始時点までの期間、前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間を閉じるように前記第2の電磁弁を制御する制御器を備えた請求項3に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  5. 前記制御器は、前記スライドクッション力作用終了時点に前記ロジック弁のパイロットポートに前記低圧源の低圧が印加可能に前記第1の電磁弁を制御し、前記スライドクッション力作用終了時点から前記上クッションパッドのロッキング期間の経過後の前記上クッションパッドのノックアウト開始時点に前記スライドクッション圧力発生ラインと前記低圧ラインとの間を開くように前記第2の電磁弁を制御する請求項4に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  6. スライドクッション力指令を出力するスライドクッション力指令器と、前記第1の液圧シリンダに発生するスライドクッション力を検出するスライドクッション力検出器と、を備え、
    前記スライドクッション制御器は、前記スライドクッション力指令と前記スライドクッション力検出器によって検出されたスライドクッション力とに基づいて、前記第1の液圧シリンダから発生するスライドクッション力が前記スライドクッション力指令に対応するスライドクッション力になるように前記サーボモータのトルクを制御する請求項1から5のいずれか1項に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  7. ダイクッション力指令を出力するダイクッション力指令器と、前記第2の液圧シリンダから発生するダイクッション力を検出するダイクッション力検出器と、を備え、
    前記ダイクッション制御器は、前記ダイクッション力指令と前記ダイクッション力検出器によって検出されたダイクッション力とに基づいて、前記第2の液圧シリンダから発生するダイクッション力が前記ダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるように前記サーボモータのトルクを制御する請求項1から6のいずれか1項に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  8. 前記液圧ポンプ/モータと並列に接続され、ダイクッション力作用時に前記第2の液圧シリンダの圧力発生室から押し退けられる圧液の一部を低圧源に開放する比例弁を備え、
    前記ダイクッション制御器は、前記ダイクッション力指令と前記ダイクッション力検出器によって検出されたダイクッション力とに基づいて、前記第2の液圧シリンダから発生するダイクッション力が前記ダイクッション力指令に対応するダイクッション力になるように前記サーボモータのトルク及び前記比例弁の開度を制御する請求項7に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  9. 前記プレス機械のダイクッション力作用時に前記第2の液圧シリンダが受けるダイクッション力作用に要したエネルギを、前記液圧ポンプ/モータ及び前記サーボモータを介して電気エネルギとして回生する回生部を有する請求項1から8のいずれか1項に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  10. 前記下クッションパッドの位置を検出するダイクッション位置検出器を備え、
    前記ダイクッション制御器は、前記ダイクッション位置検出器によって検出されるダイクッション位置信号を、ノックアウト動作時に前記下クッションパッドを昇降させる場合の位置フィードバック信号として前記サーボモータの制御に用いる請求項1から8のいずれか1項に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置。
  11. 請求項1に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法であって、
    前記弁制御器により前記第1の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第1の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換える工程と、
    前記弁制御器により前記第2の期間に前記液圧ポンプ/モータと前記第2の液圧シリンダとの間の流路が開くように前記切換弁を切り換える工程と、
    前記第1の時点から前記第2の時点までの期間に前記スライドクッション制御器により前記サーボモータを制御し、前記第1の液圧シリンダにスライドクッション力を発生させるスライドクッション工程と、
    前記第2の期間に前記ダイクッション制御器により前記サーボモータを制御し、少なくとも前記第2の液圧シリンダにダイクッション力を発生させるダイクッション工程と、
    を含むスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法。
  12. 前記第2の期間は、前記第2の時点から前記スライドが前記下クッションパッドに衝突するまでの待機期間と、前記スライドが下死点に到達した後、前記下クッションパッドの待機位置に達するまでのノックアウト期間とを含み、
    前記待機期間に前記ダイクッション制御器により前記サーボモータを制御し、前記下クッションパッドを前記待機位置に待機させる待機工程と、
    前記ノックアウト期間に前記ダイクッション制御器により前記サーボモータを制御し、前記下クッションパッドを前記待機位置まで上昇させるノックアウト工程と、
    を含む請求項11に記載のスライドクッション装置兼用ダイクッション装置の制御方法。
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