JP2017018589A - 射出装置 - Google Patents

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Taisuke Matsuda
泰典 松田
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Abstract

【課題】試し塗りエリアや試し塗り用紙を必要とすることなく精度の高い吐出位置調整を可能にする。【解決手段】対象物に対して液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部を移動させるモータ部と、前記対象物を撮像する撮像部と、前記吐出部の動作、および、前記モータ部による前記吐出部の移動動作を制御するものであり、かつ、前記撮像部の撮像画像を入力とする制御部とを備え、前記制御部は、前記対象物に前記液滴を吐出する前に、前記対象物に、前記吐出部によって、位置調整用マークを出力させ、前記位置調整用マークが出力された対象物の画像を基にして、前記吐出部による吐出位置を調整する、射出装置を提供する。【選択図】図4A

Description

本発明は、射出装置に関する。
最近、指の爪にネイルデザインを施すために、ユーザが選択した色や絵柄を爪に印刷することができるネイルプリンタが普及し始めている。そして特許文献1には、試し塗り用紙を用いて試し塗りを行うことが可能なネイルプリント装置の構成が開示されている。
特開2012−232039号公報
特許文献1では、ネイルデザインの仕上がりをよくするために、試し塗りを行えるようにしている。ところが、この構成では、ネイルプリンタに試し塗りエリアを設ける必要があるため、これはネイルプリンタの小型化の妨げになる。また、試し塗り用紙が必要となるため、ユーザの利用コストが高くなる。また、試し塗りエリアと実際に爪に印刷するエリアとが異なるため、必ずしも精度の高い印刷位置調整を実現することはできない。
一方で、爪以外の皮膚一部や、人体以外の三次元形状の対象物(例えば、3Dプリンタで作成した物や、コップ、フィギュア、サドル等の立体構造物)に対し、試し塗りすることなく、正確に液滴を射出したいという要求がある。
本発明は、試し塗りエリアや試し塗り用紙を必要とすることなく、高い精度でインク等の液滴を射出可能な射出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し目的を達成するため、本発明の一実施形態における射出装置は、対象物に対して液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部を移動させるモータ部と、前記対象物を撮像する撮像部と、前記吐出部の動作、および、前記モータ部による前記吐出部の移動動作を制御するものであり、かつ、前記撮像部の撮像画像を入力とする制御部とを備え、前記制御部は、前記対象物に前記液滴を吐出する前に、前記対象物に、前記吐出部によって、位置調整用マークを出力させ、前記位置調整用マークが出力された対象物の画像を基にして、前記吐出部による吐出位置を調整することを特徴とする。
本発明によると、試し塗りエリアや試し塗り用紙を必要とすることなく、高い精度でインク等の液滴を射出可能な射出装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るプリンタの主要部の概略構成を示す図。 本発明の一実施形態に係るプリンタの機能構成を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作の流れを示すフローチャート。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る画像の例を示す図。 本発明の一実施形態に係る位置調整用マークのずれ量認識を説明するための図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る位置調整用マークのずれ量認識を説明するための図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係るプリンタの主要部の概略構成を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作の流れを示すフローチャート。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作を示す図。 本発明の一実施形態に係る画像の例を示す図。 本発明の一実施形態に係る位置調整用マークのずれ量認識を説明するための図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の一実施形態におけるプリンタ(射出装置)が、爪に任意の色や絵柄を印刷することができるネイルプリンタである例を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの主要部の概略構成を示す図である。図1の構成において、5は指FNを所定位置に固定するための指固定機構であり、10は所定位置に置かれた指FNの爪NLに印刷を行うインク機構である。1はX軸モータであり、インク機構10と連結されたX軸モータベルト3を駆動することによって、インク機構10をX方向、すなわち指FNが延びる方向と平面的に見て垂直をなす方向に移動させる。2はY軸モータであり、インク機構10と連結されたY軸モータシャフト4を回転させることによって、インク機構10をY方向、すなわち指FNが延びる方向に移動させる。X方向において、向きX1とその反対の向きX2を図示しており、Y方向において、向きY1とその反対の向きY2を図示している。
インク機構10は、爪NLにインク(液滴)を吐出する印刷ヘッド11(吐出部)を備えている。印刷ヘッド11は、色インク用の第1印刷ヘッド11aと、下地インク用の第2印刷ヘッド11bとを含むものとする。色インク用の第1印刷ヘッド11aは、爪NLにカラーデザインを施すための印刷を行う。下地インク用の第2印刷ヘッド11bは、例えば色インクの発色を向上させる等のための印刷を行う。本実施形態では、ネイルデザインの印刷は第1印刷ヘッド11aによって行い、ベースコートおよびトップコートの塗布は第2印刷ヘッド11bによって行うものとする。なお、印刷ヘッドの個数や種類は、ここで説明したものに限られるものではない。またここでは、印刷ヘッド11は、インクを微滴化し、爪に対して直接に吹き付けて印刷を行うインクジェット方式の印刷ヘッドであるものとする。ただし、印刷ヘッドの印刷方式はインクジェット方式に限られるものではない。
またインク機構10は、撮像部としてのカメラ15を備えている。カメラ15は、所定位置に置かれた指FNの爪NLを撮像する。撮像された画像は例えば、爪NLの範囲、言い換えると印刷を行う範囲を特定するのに用いられる。
図2は、本発明の一実施形態に係るプリンタの機能構成を示すブロック図である。制御部20はプリンタの印刷動作を制御する。具体的には、制御部20は、モータ駆動制御部5との間で信号の入出力を行い、X軸モータ1およびY軸モータ2の動作を制御する。X軸モータ1、Y軸モータ2、X軸モータベルト3,Y軸モータシャフト4、およびモータ駆動制御部5等によって、モータ駆動によりインク機構10を移動させるモータ部が構成されている。すなわち、制御部20は、モータ部によるインク機構10の移動動作を制御する。
また制御部20は、インク機構10の動作、例えば、印刷ヘッド11からインクを吐出する動作を制御する。さらに、カメラ15の撮像画像を入力とし、この撮像画像から例えば爪NLの範囲すなわち印刷範囲の設定を行う。またこれ以外にも、詳細な説明は省略するが、プリンタに設けられたスイッチ類6およびセンサ類7との間の信号入出力を行う。
本実施形態では、インク機構10は、印刷を実行するとき、制御部20の制御によって、X方向(第1方向に相当する)に移動しつつ、インクを吐出する動作を行う。そして、X方向に移動しつつインクを吐出する動作を、Y方向(第1方向と垂直をなす第2方向に相当する)移動しながら、繰り返し行う。
本実施形態では、制御部20は、爪NLに対して印刷を行う前に、印刷位置(吐出位置)調整動作を行う。この印刷位置調整動作では、爪NLに位置調整用マークを印刷(出力)する。ここでは、X方向における印刷位置を調整するものとする。
図3は、本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作の流れを示すフローチャートである。図3のフローに従い、図4を参照して、本実施形態における印刷位置調整動作について説明する。図4Aに示すように、本実施形態に係るプリンタでは、指FNの爪NLが置かれる印刷エリアの近傍における筐体に、基準位置を示す基準マーク21が設けられている。基準マーク21は例えば、筐体に設けられた刻印であってもよいし、筐体に印刷されたものでもよい。基準マーク21はカメラ15の撮像範囲内に設けられている。
制御部20はまず、爪NLの画像をカメラ15によって撮像し、取得する(S11)。そして図5Aに示すように、取得した爪画像から、画像認識によって爪NLの範囲を認識する(S12)。図5Aにおいてハッチが付されている爪NLの範囲が印刷範囲となる。なお、制御部20は、印刷範囲を正確に認識するため、露出等を調整して複数枚の画像を取得してもよい。
そして制御部20は、図4Bに示すように、爪NLに、インク機構10によって位置調整用マークM1を印刷する(S13)。位置調整用マークM1は、例えば、下地用の印刷ヘッド11bによって印刷すればよい。また、位置調整用マークM1は、例えば、ネイルデザインの印刷に用いられるインクの色調よりも低い色調で印刷されてもよい。このとき制御部20は、爪画像において認識した爪NLの範囲に対して、所定位置例えば中央部に、位置調整用マークM1を印刷する。制御部20は、例えば、図4Bに示されるように、横幅(X軸方向)が、爪NLの範囲の20%程度の大きさの位置調整用マークM1を印刷することができる。制御部20は、任意の大きさの位置調整用マークM1を印刷することができる。ところが実際には、位置調整用マークM1は、モータのバックラッシュなどに起因して、必ずしも爪範囲の所定位置に印刷されるとは限らない。すなわち、制御部20が印刷を意図した所定位置と実際に印刷される位置との間にずれが生じる可能性がある。このため、印刷位置の調整が必要である。
制御部20は、位置調整用マークM1が印刷された爪NLの画像をカメラ15によって撮像し、取得する(S14)。そして取得した爪画像から、位置調整用マークM1のずれ量を認識する(S15)。このときは、基準マーク21を基準としてずれ量を認識する。すなわち、図5Bに示すように、X方向において、基準マーク21の位置と爪範囲の所定位置例えば中央部(図5Bにおいて一点鎖線で示す位置)とのずれ量dx1を求め、また、基準マーク21の位置と位置調整用マークM1の印刷位置とのずれ量dx2を求める。そして、これら2つのずれ量dx1,dx2を比較することによって、位置調整用マークM1のずれ量を求める。なお、このときのずれ量は、基準マーク21の位置を零として、ずれの向きに応じて正負の値をとるものとする。例えば、向きX1の側を正、向きX2の側を負とすればよい。また、制御部20は、位置調整用マークM1のずれ量を正確に認識するため、露出等を調整して複数枚の画像を取得してもよい。
制御部20は、位置調整用マークM1のずれ量(|dx2−dx1|)が上限値以下であるか否かを判断する(S16)。ここでの上限値とは例えば、爪NLに印刷されたネイルデザインが見た目で違和感が生じない程度の値にすればよい。例えば0.5mm程度とすればよい。そして、位置調整用マークM1のずれ量が上限値を超えているとき(S16でNO)は、位置調整用マークのずれ量が小さくなるように、モータ部によって、インク機構10による印刷位置を調整する(S17)。そして、ステップS13に戻り、図4Cに示すように、再度、位置調整用マークM2を印刷する。
制御部20は、位置調整用マークM1(あるいはM2)のずれ量が上限値以下であるとき(S16でYES)は、調整を終了する(S18)。そして、ネイルデザインのための印刷動作に移行する。例えば図4Dに示すように、ベースコートBCの塗布を行う。このベースコートBCによって、位置調整用マークM1,M2は隠されて消える。その後、ネイルデザインの印刷、トップコートの塗布が行われる。
このように本実施形態によると、爪NLに対して印刷を行う前に印刷位置調整動作が行われる。この印刷位置調整動作では、爪NLに位置調整用マークM1を印刷し、位置調整用マークM1が印刷された爪NLの画像をカメラ15によって撮像し、得られた爪画像を基にしてインク機構10による印刷位置を調整する。これにより、実際に印刷が行われる爪NLの所で印刷位置調整が行われるため、印刷位置調整の精度が高くなるので、仕上がりのいい、きれいなネイルデザインが実現できる。また、位置調整用の試し塗りエリアを別途設ける必要がないので、プリンタの小型化が可能になる。さらに、位置調整用の試し塗り用紙が不要なので、ユーザの利用コストが低減される。また、印刷位置調整動作に続いて爪への印刷動作が行われるため、ユーザの操作が簡易になり、ユーザにストレスを感じさせずに済む。
また、印刷位置動作において印刷された位置調整用マークは、その後に塗布されるベースコートによって隠される。なお、この代わりに例えば、印刷した位置調整用マークを爪から消す機構を別途設けてもかまわない。
(第2実施形態)
第2実施形態におけるプリンタの構成および動作は、第1実施形態とほぼ同様である。本実施形態では、印刷位置調整動作において、X方向およびY方向の両方について、印刷位置を調整する。
図3のフローに従い、図6を参照して、本発明の一実施形態における印刷位置調整動作について説明する。図6Aに示すように、本実施形態に係るプリンタでは、指FNの爪NLが置かれる印刷エリアの近傍における筐体に、基準位置を示す基準マーク21,22が設けられている。基準マーク21はX方向における位置調整に用いられ、基準マーク22はY方向における位置調整に用いられる。基準マーク21,22は例えば、筐体に設けられた刻印であってもよいし、筐体に印刷されたものでもよい。基準マーク21,22はカメラ15の撮像範囲内に設けられている。
制御部20はまず、爪NLの画像をカメラ15によって撮像し、取得する(S11)。そして取得した爪画像から、画像認識によって爪NLの範囲を認識する(S12)。認識された爪NLの範囲が印刷範囲となる。
そして制御部20は、図6Bに示すように、爪NLに、インク機構10によって位置調整用マークM1を印刷する(S13)。位置調整用マークM1は例えば、下地用の印刷ヘッド11bによって印刷すればよい。このとき制御部20は、爪画像において認識した爪NLの範囲に対して、所定位置例えば中央部に、位置調整用マークM1を印刷する。ところが実際には、位置調整用マークM1は、モータのバックラッシュなどに起因して、必ずしも爪範囲の所定位置に印刷されるとは限らない。すなわち、制御部20が印刷を意図した所定位置と実際に印刷される位置との間にずれが生じる可能性がある。このため、印刷位置の調整が必要である。
制御部20は、位置調整用マークM1が印刷された爪NLの画像をカメラ15によって撮像し、取得する(S14)。そして取得した爪画像から、位置調整用マークM1のずれ量を認識する(S15)。このときは、基準マーク21を基準としてX方向におけるずれ量を認識するとともに、基準マーク22を基準としてY方向におけるずれ量を認識する。X方向におけるずれ量の認識は、第1実施形態で説明したものと同様に行えばよい。また、Y方向におけるずれ量の認識についても、同様に行えばよい。すなわち、図7に示すように、Y方向において、基準マーク22の位置と爪範囲の所定位置例えば中央部(図7において一点鎖線で示す位置)とのずれ量dy1を求め、また、基準マーク22の位置と位置調整用マークM1の印刷位置とのずれ量dy2を求める。そして、これら2つのずれ量dy1,dy2を比較することによって、位置調整用マークM1のずれ量を求める。なお、このときのずれ量は、基準マーク22の位置を零として、ずれの向きに応じて正負の値をとるものとする。例えば、向きY1の側を正、向きY2の側を負とすればよい。
制御部20は、X方向とY方向のそれぞれにおいて、位置調整用マークM1のずれ量(|dx2−dx1|,|dy2−dy1|)が上限値以下であるか否かを判断する(S16)。ここでの上限値とは例えば、爪NLに印刷されたネイルデザインが見た目で違和感が生じない程度の値にすればよい。例えば0.5mm程度とすればよい。そして、X方向およびY方向の少なくともいずれか一方において、位置調整用マークM1のずれ量が上限値を超えているとき(S16でNO)は、位置調整用マークのずれ量が小さくなるように、インク機構10による印刷位置を調整する(S17)。そして、ステップS13に戻り、図6Cに示すように、再度、位置調整用マークM2を印刷する。
制御部20は、X方向およびY方向の両方において、位置調整用マークM1(あるいはM2)のずれ量が上限値以下であるとき(S16でYES)は、調整を終了する(S18)。そして、ネイルデザインのための印刷動作に移行する。例えば図6Dに示すように、ベースコートBCの塗布を行う。このベースコートBCによって、位置調整用マークM1,M2は消える。その後、ネイルデザインの印刷、トップコートの塗布が行われる。
このように本実施形態によると、爪NLに対して印刷を行う前に印刷位置調整動作が行われる。この印刷位置調整動作では、爪NLに位置調整用マークM1を印刷し、位置調整用マークM1が印刷された爪NLの画像をカメラ15によって撮像し、得られた爪画像を基にしてインク機構10による印刷位置を、X方向とY方向の両方において調整する。こ
れにより、第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、X方向とY方向において印刷位置調整が行われるため、ネイルデザインの仕上がりがよりよくなる。
なお、X方向とY方向とにおいて、位置調整用マークのずれ量の上限値を異なる値に設定してもかまわない。例えばインタリーブ印刷が行われる場合には、Y方向の印刷位置はX方向と比べて若干精度が低くてもよいため、Y方向において、位置調整用マークのずれ量の上限値をX方向よりも大きく設定してもかまわない。また、第1実施形態ではX方向について印刷位置を調整し、第2実施形態ではX方向およびY方向の両方について印刷位置を調整するものとしたが、これ以外にも、Y方向についてのみ印刷位置の調整を行ってもよい。この場合は、基準マーク21は不要になる。
(第3実施形態)
第3実施形態におけるプリンタの構成および動作は、第1実施形態とほぼ同様である。本実施形態では、プリンタはX方向において往復で印刷を行うものとする。すなわち、インク機構10は、X方向に移動しつつインクを吐出する動作を、向きX1(第1の向きに相当する)に移動するときと、逆の向きX2(第1の逆の向きである第2の向き)に移動するときとの両方において、行う。そして、制御部20は、印刷位置調整動作において、向きX1と向きX2との両方について、それぞれ独立に印刷位置を調整する。
本実施形態では、図3のフローにおけるステップS13において、図8に示すように、インク機構10が向きX1に移動するときに位置調整用マークM1aを印刷し、インク機構10が向きX2に移動するときに位置調整用マークM1bを印刷する。そして、位置調整用マークM1aのずれ量に従って、向きX1について印刷位置を調整し、位置調整用マークM1bのずれ量に従って、向きX2について印刷位置を調整する。
インク機構10を移動させるモータ部は、バックラッシュ成分が方向性を持つため、特に双方向印刷を行う場合には、両方の向きにおいてそれぞれ印刷位置を調整するのが好ましい。本実施形態では、両方の向きについてそれぞれ位置調整用マークM1a,M1bを印刷し、独立に印刷位置を調整するので、インク機構10の往きと帰りで印刷の位置ずれがなくなり、きれいなネイルデザインを印刷することができる。
なお、第2実施形態において、本実施形態と同様に、X方向およびY方向の両方において、あるいは、いずれか一方において、行きと帰りの両方の向きについて独立に印刷位置を調整するようにしてもよい。
上述したように、本発明の一態様では、指の爪に印刷を行うネイルプリンタは、インク機構と、前記インク機構を移動させるモータ部と、前記爪を撮像する撮像部と、前記インク機構の動作および、前記モータ部による前記インク機構の移動動作を制御するものであり、かつ、前記撮像部の撮像画像を入力とする制御部とを備え、前記制御部は、前記爪に印刷を行う前に、前記爪に前記インク機構によって位置調整用マークを印刷させ、前記位置調整用マークが印刷された爪の画像を基にして前記インク機構による印刷位置を調整する。
この態様によると、爪に印刷を行う前に、爪に位置調整用マークを印刷し、位置調整用マークが印刷された爪の画像を基にして、インク機構による印刷位置を調整することができる。これにより、実際に印刷が行われる爪の所で印刷位置調整が行われるため、印刷位置調整の精度が高くなるので、仕上がりのいい、きれいなネイルデザインが実現できる。また、位置調整用の試し塗りエリアを別途設ける必要がないので、ネイルプリンタの小型化が可能になる。さらに、位置調整用の試し塗り用紙が不要なので、ユーザの利用コストが低減される。また、印刷位置調整動作に続いて爪への印刷動作が行われるため、ユーザの操作が簡易になり、ユーザにストレスを感じさせずに済む。
そして、上の態様のネイルプリンタにおいて、前記制御部は、前記印刷位置を調整した後、前記爪に前記インク機構によってベースコートの塗布を行うようにしてもよい。
この構成によると、印刷位置を調整するときに印刷された位置調整用マークは、その後に塗布されるベースコートによって隠される。
また、上の態様のネイルプリンタにおいて、筐体における前記爪画像の撮像範囲内に、基準位置を示す基準マークが設けられており、前記制御部は、印刷位置を調整するとき、前記爪画像に映された前記基準マークに対する前記位置調整用マークの位置のずれ量を認識し、前記ずれ量を基にして印刷位置の調整を行うようにしてもよい。
この態様によると、爪画像において、筐体に設けられた基準マークに対する位置調整用マークの位置のずれ量を基にして印刷位置が調整されるので、印刷位置を正確に調整することができる。
また、上の態様のネイルプリンタにおいて、前記制御部は、前記位置調整用マークを印刷する前に、前記爪画像を取得し、この爪画像から認識した前記爪の範囲における所定位置に前記位置調整用マークを印刷するようにしてもよい。
この態様によると、位置調整用マークが、爪画像から認識した爪の範囲における所定位置に印刷されるので、位置調整用マークは確実に爪に印刷される。
また、上の態様のネイルプリンタにおいて、前記インク機構は、印刷を実行するとき、第1方向に移動しつつインクを吐出する動作を、前記第1方向と垂直をなす第2方向に移動しながら、繰り返し行うものであり、前記制御部は、前記第1および第2方向のうち少なくともいずれか一方について、印刷位置の調整を行う。
この態様によると、印刷が行われるときにインク機構が移動する第1および第2方向のうち、少なくともいずれか一方について、印刷位置の調整が行われる。
また、上の態様のネイルプリンタにおいて、前記インク機構は、印刷を実行するとき、第1方向に移動しつつインクを吐出する動作を、前記第1方向と垂直をなす第2方向に移動しながら、繰り返し行うものであり、かつ、前記第1方向において、第1の向きに移動するときと、前記第1の向きの逆の向きである第2の向きに移動するときとの両方において、インクを吐出する動作を行うものであり、前記制御部は、前記インク機構が前記第1の向きに移動するときと前記第2の向きに移動するときとのそれぞれにおいて、位置調整用マークを印刷し、前記第1および第2の向きについて、独立に印刷位置を調整する。
この態様によると、印刷方向において双方向で印刷が行われる場合に、それぞれの向きについて独立に印刷位置が調整される。
本発明の別の態様では、ネイルプリンタを用いて指の爪に印刷を行うネイルプリント方法において、前記ネイルプリンタは、インク機構と、モータ駆動により前記インク機構を移動させるモータ部と、前記爪を撮像する撮像部とを備えており、前記ネイルプリンタが、前記爪に印刷を行う前に、前記インク機構によって、前記爪に位置調整用マークを印刷し、前記位置調整用マークが印刷された爪の画像を基にして、前記インク機構による印刷位置を調整する。
この態様によると、爪に対して印刷を行う前に、爪に位置調整用マークが印刷され、位置調整用マークが印刷された爪の画像を基にしてインク機構による印刷位置が調整される。これにより、実際に印刷が行われる爪の所で印刷位置調整が行われるため、印刷位置調整の精度が高くなるので、仕上がりのいい、きれいなネイルデザインが実現できる。また、位置調整用の試し塗りエリアを別途設ける必要がないので、ネイルプリンタの小型化が可能になる。さらに、位置調整用の試し塗り用紙が不要なので、ユーザの利用コストが低減される。また、印刷位置調整動作に続いて爪への印刷動作が行われるため、ユーザの操作が簡易になり、ユーザにストレスを感じさせずに済む。
本発明の別の態様では、指の爪に印刷を行うネイルプリンタは、インク機構と、前記インク機構を移動させるモータ部と、前記爪を撮像する撮像部とを備え、前記爪に対して印刷を行う前に、前記インク機構によって、前記爪に位置調整用マークを印刷し、その後、前記インク機構によって前記爪にベースコートの塗布を行う。
この態様によると、爪に対して印刷を行う前に、爪に位置調整用マークを印刷し、その後、爪にベースコートの塗布を行う。これにより、実際に印刷が行われる爪の所で、位置調整用マークを用いた印刷位置調整を行えるため、印刷位置調整の精度が高くなるので、仕上がりのいい、きれいなネイルデザインが実現できる。また、印刷位置動作において印刷された位置調整用マークは、その後に塗布されるベースコートによって隠される。
次に、本発明の一実施形態におけるプリンタが、例えば、3Dプリンタで作成した物や、コップ、フィギュア、サドルのような、三次元形状を有する立体構造物に対して印刷を行うプリンタである例を説明する。図9は、本発明の一実施形態に係るプリンタの主要部の概略構成を示す図である。
図9に示されるプリンタは、図1を用いて説明したネイルプリンタと基本的な構成は同様であるが、指の爪だけでなく、三次元形状を有する立体構造物(以下、対象物とする)に、任意の色、図形、絵柄等を印刷できる。図9に示されるプリンタは、図1のネイルプリンタと異なり、指固定機構5を有していない。ユーザは、Y2の方向から、対象物をインク機構10の印刷領域に差し入れ、対象物をそのまま保持するか、図示しない保持機構(例えば、アーム、クランプ、台座など)により保持し、印刷処理が完了するのを待つ。図9には、コップを印刷領域に保持可能な大きさのプリンタが開示されているが、本発明は、この例に限られない。例えば、人の指程度の大きさのフィギュアや、指以外の体の皮膚の一部(頬など)を対象物とする場合、プリンタをより小型化することができる。
図10は、本発明の一実施形態に係る印刷位置調整動作の流れを示すフローチャートである。動作の基本的な流れは、図3に示されるフローチャートと同様である。図3の例では、印刷対象が指の爪であり、その画像を撮像して(S11)、爪の範囲を認識した後(S12)、位置調整用マークを印刷して(S13)、爪画像を撮像する(S14)。一方、図10の例では、印刷対象が三次元形状を有する対象物である点が異なる。ここでは、対象物が、図9に示されるコップであるものとして説明する。
制御部20は、印刷対象となるコップの側面LTの画像をカメラ15によって撮像し、取得する(S21)。そして、図11Aに示すように、取得した対象物の画像から、画像認識によって、側面LTの範囲を認識する(S22)。図12Aにおいてハッチが付されている側面LTの範囲が印刷範囲となる。
次に、制御部20は、図11Bに示されるように、側面LTに、インク機構10によって位置調整用マークM1を印刷する(S23)。位置調整用マークM1の印刷手法については、上述した通りである。上述したように、位置調整用マークM1は、デザインの印刷に用いられるインクの色調よりも低い色調で印刷されてもよい。そして、制御部20は、位置調整用マークM1が印刷された側面LTの画像をカメラ15によって撮像し、取得する(S24)。そして取得した対象物の画像から、位置調整用マークM1のずれ量を認識する(S25)。ずれ量は、図12Bに示されるように、基準マーク21の位置と、位置調整用マークM1の印刷位置とのずれ量に基づいて求められる。
その後、制御部20は、ずれ量が上限値を超えている場合(S26のNO)には、印刷位置を調整した後(S27)、図11Cに示されるように、再度印刷調整用マークM2を印刷する(S23)。一方、制御部20は、ずれ量が上限値以下である場合(S26のYES)には、調整を終了し(S28)、図11Dに示されるように、側面LTに対してベースコートBCを塗布する。この後、任意のデザインの印刷と、トップコートの塗布が行われる。
このように、本発明の一実施形態によれば、対象物の印刷面に対して印刷を行う前に印刷位置調整動作が行われる。例えば、図9に示されるコップの側面LTが印刷面となる場合、側面LTに位置調整用マークM1を印刷し、位置調整用マークM1が印刷された側面LTの画像をカメラ15によって撮像し、得られた画像を基にしてインク機構10による印刷位置を調整する。これにより、実際に印刷が行われる側面LTで印刷位置調整が行われるため、印刷位置調整の精度が高くなり、ユーザが意図した通りにデザインを印刷することができる。また、位置調整用の試し塗りエリアを別途設ける必要がないので、プリンタの小型化が可能になる。さらに、位置調整用の試し塗り用紙が不要なので、ユーザの利用コストが低減される。
なお、本発明の一実施形態において、プリンタのインク機構10に含まれる印刷ヘッド11は、インクの代わりに、化粧品や皮膚などに作用する薬品が液体中に混入された流体等の液滴を吐出してもよい。これにより、例えば、人体の皮膚に、高い精度で化粧品や薬剤を塗布することができる。
本発明は、プリンタにおける品質向上、小型化、利用コストの低減に有用である。
1 X軸モータ
2 Y軸モータ
3 X軸モータベルト
4 Y軸モータシャフト
5 モータ駆動部
10 インク機構
15 カメラ(撮像部)
20 制御部
21,22 基準マーク
M1,M2,M1a,M1b 位置調整用マーク
BC ベースコート
FN 指
NL 爪

Claims (16)

  1. 対象物に対して液滴を吐出する吐出部と、
    前記吐出部を移動させるモータ部と、
    前記対象物を撮像する撮像部と、
    前記吐出部の動作、および、前記モータ部による前記吐出部の移動動作を制御するものであり、かつ、前記撮像部の撮像画像を入力とする制御部とを備え、
    前記制御部は、前記対象物に前記液滴を吐出する前に、前記対象物に、前記吐出部によって、位置調整用マークを出力させ、前記位置調整用マークが出力された対象物の画像を基にして、前記吐出部による吐出位置を調整する
    ことを特徴とする射出装置。
  2. 請求項1記載の射出装置において、
    前記制御部は、前記吐出位置を調整した後、前記対象物に、前記吐出部によってベースコートの塗布を行う
    ことを特徴とする射出装置。
  3. 請求項1または2記載の射出装置において、
    筐体における前記対象物の画像の撮像範囲内に、基準位置を示す基準マークが設けられており、
    前記制御部は、前記吐出位置を調整するとき、前記対象物の画像に映された前記基準マークに対する前記位置調整用マークの位置のずれ量を認識し、前記ずれ量を基にして前記吐出位置の調整を行う
    ことを特徴とする射出装置。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記制御部は、
    前記位置調整用マークを出力する前に、前記対象物の画像を取得し、該対象物の画像から認識した前記対象物の範囲における所定位置に、前記位置調整用マークを出力する
    ことを特徴とする射出装置。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記吐出部は、前記液滴を吐出するとき、第1方向に移動しつつ前記液滴を吐出する動作を、前記第1方向と垂直をなす第2方向に移動しながら、繰り返し行うものであり、
    前記制御部は、前記第1および第2方向のうち少なくともいずれか一方について、前記吐出位置の調整を行う
    ことを特徴とする射出装置。
  6. 請求項1〜4のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記吐出部は、前記液滴を吐出するとき、第1方向に移動しつつ前記液滴を吐出する動作を、前記第1方向と垂直をなす第2方向に移動しながら、繰り返し行うものであり、かつ、前記第1方向において、第1の向きに移動するときと、前記第1の向きの逆の向きである第2の向きに移動するときとの両方において、前記液滴を吐出する動作を行うものであり、
    前記制御部は、前記吐出部が前記第1の向きに移動するときと前記第2の向きに移動するときとのそれぞれにおいて、位置調整用マークを出力し、前記第1および第2の向きについて、独立に前記吐出位置を調整する
    ことを特徴とする射出装置。
  7. 請求項3記載の射出装置において、
    前記ずれ量が所定の閾値を超えているとき、前記制御部は、該ずれ量が小さくなるように前記吐出位置を調整した後、前記位置調整用マークをさらに出力させる
    ことを特徴とする射出装置。
  8. 請求項4記載の射出装置において、
    前記所定位置は、前記対象物の範囲の中央である
    ことを特徴とする射出装置。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記位置調整用マークは、前記対象物に吐出される前記液滴の色調よりも低い色調で出力される
    ことを特徴とする射出装置。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記位置調整用マークは、前記撮像画像から認識された前記対象物の範囲の略20%の横幅で出力される
    ことを特徴とする射出装置。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記撮像部は、前記位置調整用マークを出力する前に、前記対象物を複数回撮像し、
    前記制御部は、複数回撮像されることにより取得された、前記対象物の撮像画像に基づいて前記対象物の範囲を認識する
    ことを特徴とする射出装置。
  12. 請求項1〜11のうちいずれか1項記載の射出装置において、
    前記撮像部は、前記位置調整用マークを出力した後に、前記位置調整用マークを含む前記対象物を複数回撮像し、
    前記制御部は、複数回撮像されることにより取得された、前記位置調整用マークを含む前記対象物の撮像画像に基づいて、前記吐出位置を調整する
    ことを特徴とする射出装置。
  13. 請求項3記載の射出装置において、
    前記基準マークは、前記対象物の画像の撮像範囲の中央を通り、互いに直行する2つの軸の上にそれぞれ設けられ、
    前記制御部は、前記2つの軸における、前記基準マークに対する前記位置調整用マークの位置のずれ量をそれぞれ認識し、該ずれ量に基づいて、前記吐出位置を調整する
    ことを特徴とする射出装置。
  14. 請求項13記載の射出装置において、
    前記2つの軸において認識された前記ずれ量の一方が第1の閾値を超えているとき、又は、前記2つの軸において認識された前記ずれ量の他方が第2の閾値を超えているとき、前記制御部は、前記ずれ量が小さくなるように前記吐出位置を調整する
    ことを特徴とする射出装置。
  15. 請求項14記載の射出装置において、
    前記第2の閾値は前記第1の閾値より大きい
    ことを特徴とする射出装置。
  16. 請求項15記載の射出装置において、
    前記第2の閾値は、前記2つの軸のうち、前記吐出部が前記液滴を吐出しながら移動する方向と垂直な軸における前記ずれ量に対して設定された閾値である
    ことを特徴とする射出装置。
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