JP2017017897A - 埋込磁石同期電動機の制御装置 - Google Patents

埋込磁石同期電動機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】3相の埋込磁石動機電動機に接続されるインバータの1相に異常が生じた場合において、同期電動機が意図せずして回生制御される事態を十分に抑制しつつ同期電動機を駆動する。【解決手段】規定角度領域Aにおいて、q軸の電流は直流値に、また、d軸の電流は、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値に制御される。ここで、規定角度領域Aにおけるd軸電流の最大値idmaxを用いた場合、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる特性の同期電動機を用いる。【選択図】図5

Description

本発明は、埋込磁石を備えた3相の同期電動機を制御対象とし、該同期電動機に接続された電力変換回路を操作する埋込磁石同期電動機の制御装置に関する。
たとえば特許文献1には、3相の表面磁石同期電動機(SPMSM)に接続されるインバータの1相に異常が生じ、SPMSMとインバータとの間の導通不良が生じる場合、残り2相に通電することによって、SPMSMを駆動する装置が記載されている。特に、この装置では、1相に異常が生じる場合、正常な残り2相によって、d軸電流を、電気角を独立変数とする正接関数値に制御する。これにより、インバータのスイッチング素子を流れる電流がインバータの許容最大値を超える値にまでd軸電流の絶対値が大きくなる角度領域を除き、q軸電流を一定値に制御することができることから、上記角度領域を除き、トルクを一定値とすることができる。
特開2008−301658号公報
ところで、同期電動機として、SPMSMに代えて埋込磁石同期電動機(IPMSM)を用いる場合、マグネットトルクに加えて、リラクタンストルクが生じるため、q軸電流を一定値に制御できたとしても、トルクが一定とはならない。更に悪いことには、リラクタンストルクとマグネットトルクとが互いに逆極性となって且つ、リラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクの絶対値よりも大きくなる場合、同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御されることになる。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、埋込磁石動機電動機に接続されるインバータの1相に異常が生じた場合において、同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを抑制しつつ同期電動機を駆動できるようにした埋込磁石同期電動機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.埋込磁石を備えた3相の同期電動機を制御対象とし、該同期電動機に接続された電力変換回路を操作する埋込磁石同期電動機の制御装置において、前記電力変換回路の3つの出力端子のうちの1つが前記同期電動機の1つの端子に正常に電圧を印加できない異常が生じたか否かを判定する異常判定処理部と、前記異常判定処理部によって異常が生じたと判定される場合、前記電力変換回路を操作することによって、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値にd軸電流を制御する正接処理部と、を備え、前記正接処理部は、前記同期電動機を流れるd軸電流に応じたリラクタンストルクがマグネットトルクとは逆極性となるときにおける前記リラクタンストルクの絶対値が前記マグネットトルクに一致する値以下である場合に前記正接関数の従属変数の値に前記d軸電流を制御する。
上記正接処理部による処理を実行する場合、マグネットトルクを一定値に制御することができるものの、リラクタンストルクは大きく変動する。そして、マグネットトルクとリラクタンストルクとが逆極性であるときにおいて、リラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクの絶対値よりも大きくなる場合には、同期電動機が回転を妨げるトルクを生成するように制御されるおそれがある。そこで上記構成では、異常判定処理部によって異常が生じたと判定されると、マグネットトルクとリラクタンストルクとが逆極性であるときにおいて、リラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクの絶対値以下の場合に、正接処理を実行する。これにより、マグネットトルクとリラクタンストルクとの和が、同期電動機の回転を妨げる極性を持つことを好適に抑制することができる。このため、3相の埋込磁石動機電動機に接続されるインバータの1相に異常が生じた場合において、同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを抑制しつつ同期電動機を駆動できる。
2.上記1記載の埋込磁石同期電動機の制御装置において、前記同期電動機は、前記電力変換回路に流れる電流を許容最大値以下とする条件の下、前記正接処理部による処理によってd軸電流を最大値とした場合に、リラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクの絶対値に一致する値以下となる。
電力変換回路には、これを流れる電流に許容最大値が設定されている。このため、正接処理によって相電流が許容最大値を超える値となる場合には、正接処理部による処理を停止することが望まれる。換言すれば、正接処理部による処理は、相電流を許容最大値以下とする条件が課された場合においてd軸の電流の絶対値が最大値となるまで実行可能である。
ここで、上記同期電動機は、相電流を許容最大値以下とする条件が課された場合においてd軸の電流の絶対値が最大値となる場合においても、リラクタンストルクがマグネットトルクの絶対値以下となる。したがって、相電流を許容最大値以下とする条件下、正接処理部による処理を継続したとしても、同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを好適に抑制することができる。
3.上記1記載の埋込磁石同期電動機の制御装置において、前記3つの出力端子のうち前記異常が生じたと判定された出力端子以外の2つの出力端子と前記同期電動機との間を流れる電流を正弦波形状の電流に制御する正弦波処理部と、前記同期電動機に要求されるトルクに応じて前記正接処理部による処理と前記正弦波処理部による処理とのいずれを実行するかを切り替える切替処理部と、を備える。
正接処理部による処理によってリラクタンストルクの絶対値が大きくなる場合であっても、正弦波処理部による処理によればリラクタンストルクの絶対値を正接処理部による処理よりも低減することができることがある。上記構成では、この点に着目し、切替処理部を備えることで、正接処理部による処理と正弦波処理部による処理とのうちリラクタンストルクの絶対値が過度に大きくなる方を避けることができる。このため、リラクタンストルクがマグネットトルクを打ち消して同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを抑制することができる。
4.上記3記載の埋込磁石同期電動機の制御装置において、前記正接処理部は、前記電力変換回路に流れる電流が閾値以下となる回転角度領域である規定角度領域において、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値に前記d軸電流を制御するものであり、前記切替処理部は、前記規定角度領域において前記正接処理部による処理がなされるとリラクタンストルクがマグネットトルクとは逆極性であるときにおける前記リラクタンストルクの絶対値が前記マグネットトルクに一致する値を上回る場合に、前記正弦波処理部による処理に切り替える。
q軸の電流を同一とする場合、正接処理部による処理によって同期電動機に生じるトルクの方が、正弦波処理部の処理によって同期電動機に生じるトルクよりも大きくなる傾向がある。ここで、上記構成では、相電流を閾値以下とする条件下、正接処理を継続したとしても同期電動機が意図せずして回生制御されないと想定される場合には、正接処理部による処理を実行する。このため、同期電動機のトルクを極力大きくすることができる。
5.上記1記載の埋込磁石同期電動機の制御装置において、前記同期電動機を流れるd軸電流に応じたリラクタンストルクがマグネットトルクとは逆極性となるときのリラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクに一致する値以下となる回転角度領域である規定角度領域を設定する設定処理部を備え、前記正接処理部は、前記規定角度領域において、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値に前記d軸電流を制御する。
上記構成では、設定処理部によって正接処理部による処理を実行する規定角度領域を設定する。このため、正接処理部による処理によって同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを抑制することができる。
6.上記1〜5のいずれか1つに記載の埋込磁石同期電動機の制御装置において、前記同期電動機は、車両の転舵輪を転舵させるトルクを生成する。
転舵輪を転舵させるトルクを生成する同期電動機に接続される電力変換回路に上記異常が生じる場合、転舵輪を転舵させるトルクが不足する事態が懸念される。一方、異常時においても同期電動機を駆動する場合には、同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御され、ひいては転舵輪の転舵が適切になされないことが懸念される。この点、上記構成では、同期電動機が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを抑制することができることから、転舵輪を転舵させるトルクを生成する同期電動機に適用して好適である。
第1の実施形態にかかる同期電動機の制御装置を備えたシステム構成図。 同実施形態にかかる制御装置が実行する処理を示すブロック図。 同実施形態にかかる導通不良異常の有無の判定処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるU相の導通不良時の電流指令値の設定処理の手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかるU相の導通不良時の電流およびトルク波形を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかるU相の導通不良時の電流指令値の設定処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるU相の導通不良時の正弦波処理を示すブロック図。 (a)および(b)は、正弦波処理時の電流およびトルク波形を示すタイムチャート。 第3の実施形態にかかるU相の導通不良時の電流指令値の設定処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、埋込磁石同期電動機の制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる操舵装置においては、ステアリングホイール(ステアリング10)が、ステアリングシャフト12に固定されており、ステアリングシャフト12の回転に応じてラック軸20が軸方向に往復動する。なお、ステアリングシャフト12は、ステアリング10側から順にコラム軸14、中間軸16、およびピニオン軸18を連結することにより構成されている。
ラック軸20とピニオン軸18とは、所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸20に形成された第1ラック歯20aとピニオン軸18に形成されたピニオン歯18aとが噛合されることで第1ラックアンドピニオン機構22が構成されている。また、ラック軸20の両端には、タイロッド24が連結されており、タイロッド24の先端は転舵輪26が組み付けられた図示しないナックルに連結されている。したがって、ステアリング10の操作に伴うステアリングシャフト12の回転が第1ラックアンドピニオン機構22によりラック軸20の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッド24を介してナックルに伝達されることにより、転舵輪26の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
上記ラック軸20は、ピニオン軸28と所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸20に形成された第2ラック歯20bとピニオン軸28に形成されたピニオン歯28aとが噛合されることで第2ラックアンドピニオン機構30が構成されている。ピニオン軸28は、ウォームアンドホイール等の減速機構32を介して、同期電動機34の回転軸34aに接続されている。同期電動機34は、3相の埋込磁石同期電動機(IPMSM)である。
同期電動機34は、インバータINVを介してバッテリ40に接続されている。インバータINVは、バッテリ40の正極および負極のそれぞれと同期電動機34の3個の端子のそれぞれとの間を開閉する回路である。
なお、図1においては、インバータINVを構成するMOS電界効果トランジスタ(スイッチング素子)の符号のうち同期電動機34の3個の端子のそれぞれに接続されるものに、「u,v,w」のそれぞれを付与し、また、上側アームに「p」を、下側アームに「n」を付与している。なお、以下では、「u,v,w」を総括して「¥」と表記し、「p,n」を総括して「#」と表記する。すなわち、インバータINVは、バッテリ40の正極と同期電動機34の端子との間を開閉するスイッチング素子S¥pと、バッテリ40の負極と同期電動機34の端子との間を開閉するスイッチング素子S¥nとの直列接続体を備えて構成されている。そして、スイッチング素子S¥#には、ダイオードD¥#が逆並列接続されている。
上記インバータINVには、インバータINVを流れる電流の許容最大値Imaxが設定されている。また、同期電動機34は、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる特性を有する。ただし、誘起電圧定数φ、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq(>Ld)、および許容最大値Imaxに基づき設定される後述のd軸電流の最大値idmaxを用いた。換言すれば、同期電動機34は、後述の制御を実行する場合において、マグネットトルクTmとリラクタンストルクTfとが逆極性となるときにおいて、リラクタンストルクTfの絶対値がマグネットトルクTmの絶対値以下となる。
制御装置50は、同期電動機34のトルクを制御量とし、インバータINVを操作することによって、ステアリング10の操作をアシストするアシスト制御を実行する。この際、制御装置50は、各種センサの検出値を参照する。これらセンサとしては、たとえば、同期電動機34の回転軸34aの回転角度θを検出する回転角度センサ58、ステアリングシャフト12に加わるトルクTrqを検出するトルクセンサ60,車両の走行速度(車速V)を検出する車速センサ62などがある。さらに、制御装置50は、スイッチング素子Sun,Svn,Swnのそれぞれのソース側に接続されたシャント抵抗52,54,56の電圧降下を電流iu,iv,iwとして取得し、これらをトルクの制御に際して参照する。
図2に、制御装置50が実行する処理の一部を示す。
電流指令値設定部70は、トルクTrqおよび車速Vに基づき、d軸の電流指令値id*およびq軸の電流指令値iq*を設定する。ここで、電流指令値id*,iq*は、インバータINVを流れる電流iu,iv,iwが許容最大値Imax以下となるように設定されている。また、電流指令値設定部70は、正常時には、d軸の電流指令値id*をゼロに設定し、q軸の電流指令値iq*については、トルクTrqおよび車速Vに基づき可変設定する。ここで、トルクTrqおよび車速Vは、ステアリング10の操作をアシストするアシストトルクの目標値を定めるパラメータである。そして、q軸の電流指令値iq*は、アシストトルクの目標値に応じて可変設定される。一方、dq変換部72は、電流iu,iv,iwをdq軸上の電流id,iqに変換する。
偏差算出部74は、d軸における電流指令値id*から電流idを減算した値を出力する。そして、フィードバック制御部76は、偏差算出部74の出力値に基づき、電流idを電流指令値id*にフィードバック制御するための操作量としてd軸の電圧指令値vd*を出力する。具体的には、たとえば、偏差算出部74の出力値を入力とする比例要素および積分要素のそれぞれの出力値の和を電圧指令値vd*とすればよい。
偏差算出部78は、q軸における電流指令値iq*から電流iqを減算した値を出力する。そして、フィードバック制御部80は、偏差算出部78の出力値に基づき、電流iqを電流指令値iq*にフィードバック制御するための操作量としてq軸の電圧指令値vq*を出力する。具体的には、たとえば、偏差算出部78の出力値を入力とする比例要素および積分要素の出力値の和を電流指令値iq*とすればよい。
uvw変換部82は、回転座標系であるdq座標系における電圧指令値vd*,vq*を3相固定座標系における電圧指令値vu*,vv*,vw*に変換して出力する。PWM処理部84は、電圧指令値vu*,vv*,vw*を、3相のPWM信号gu,gv,gwに変換する。操作信号生成部86は、PWM信号g¥の立ち上がりエッジをデッドタイムだけ遅延させた上側アームの操作信号g¥pと、PWM信号g¥の論理反転信号の立ち上がりエッジをデッドタイムだけ遅延させた下側アームの操作信号g¥nとを生成して出力する。
異常判定処理部88は、電流iu,iv,iwおよび回転角度θに基づき、インバータINVの出力端子(S¥p,S¥nの接続点)のうちの1つが同期電動機34の対応する端子に正常に電圧を印加できない異常の有無を判定する。電流指令値設定部70では、異常判定処理部88により異常が生じた旨判定された場合には、電流指令値id*,iq*を異常時用に変更する。以下、これについて詳述する。
図3は、異常判定処理の手順を示す。この処理は、異常判定処理部88によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図3では、異常判定処理として、U相に異常が生じた場合を例示している。
図3に示す一連の処理において、まず、異常判定処理部88は、U相の電流iuの絶対値が閾値Ith以下である状態が所定時間継続するか否かを判定する(S10)。ここで、閾値Ithは、ゼロ、または正であってゼロに近い値とする。異常判定処理部88は、閾値Ith以下であると判定する場合(S10:YES)、回転角度θの微分演算や差分演算によって算出される回転速度ωの絶対値が、上記所定時間において閾値速度ωth以下であるか否かを判定する(S12)。ここで、閾値速度ωthは、同期電動機34の制御が正常であるときにおいて想定される最高回転速度程度に設定されている。異常判定処理部88は、閾値速度ωth以下であると判定する場合(S12:YES)、U相の電圧指令値vu*の絶対値が上記所定時間において閾値電圧vth以下であるか否かを判定する(S14)。閾値電圧vthは、同期電動機34の制御が正常であるときにおいて想定されるインバータINVの出力端子の電圧の最高値程度に設定されている。
そして、異常判定処理部88は、閾値電圧vth以下であると判定する場合(S14:YES)、インバータINVの出力端子のうちU相の出力端子から同期電動機34の端子に正常に電圧を印加できない異常(導通不良異常)がある旨判定する(S16)。そして、異常判定処理部88は、その旨を電流指令値設定部70に出力する。
なお、異常判定処理部88は、ステップS16の処理が完了する場合や、ステップS10,S12,S14において否定判定する場合には、この一連の処理を一旦終了する。ちなみに、V相やW相の導通不良異常の有無は、ステップS10において、u相の電流iuの絶対値に代えて、V相の電流ivの絶対値やW相の電流iwの絶対値を用い、ステップS14において、U相の電圧指令値vu*の絶対値に代えて、V相の電圧指令値vv*の絶対値やW相の電圧指令値vw*の絶対値を用いて判定すればよい。
図4に、U相の導通不良異常時における電流指令値設定部70の処理の手順を示す。この処理は、電流指令値設定部70によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
図4に示す一連の処理においては、電流指令値設定部70は、まず、U相の導通不良異常時であるか否かを判定する(S20)。そして、電流指令値設定部70は、U相の導通不良異常時であると判定する場合(S20:YES)、電流指令値id*,iq*を、U相の導通不良異常時のものに設定する(S22)。ここでは、図5(a)に示す角度領域θ1〜θ2および角度領域θ3〜θ4を除いた角度領域A1,A2,A3からなる規定角度領域Aにおいて、q軸の電流指令値iq*については、トルクTrqおよび車速Vに基づき正常時と同様に設定する。また、規定角度領域Aにおいては、d軸の電流指令値id*を、回転角度θを独立変数とする正接関数の従属変数の値「iq*・tanθ」に設定する。ここで、規定角度領域Aは、電流指令値id*,iq*を上記のように設定した場合に、電流iv,iwが、許容最大値Imax以下となる領域である。
ここで、規定角度領域においては、電流iv,iwは、以下となる。
iv=iq*/{(√2)・cosθ} …(c1)
iw=−iq*/{(√2)・cosθ} …(c2)
したがって、上記(c1)の電流ivを許容最大値Imaxとし、回転角度θを「θ1」とすることにより、θ1が以下の式(c3)として定義される。
cosθ1=iq*/{(√2)・Imax} …(c3)
同様、上記(c2)の電流iwを許容最大値Imaxとし、回転角度θを「θ2」とすることにより、θ2が以下の式(c3)として定義される。
cosθ2=−iq*/{(√2)・Imax} …(c4)
さらに、0〜2πの間において正接関数がゼロとなるのが、0とπとであることに鑑みれば、θ3,θ4は、以下の式(c5),(c6)によって定義される。
θ3=2π−θ2 …(c5)
θ4=2π−θ1 …(c6)
なお、角度領域θ1〜θ2と角度領域θ3〜θ4とにおいては、電流iv,iwの絶対値が許容最大値Imaxで固定される制御を実行する。したがって、規定角度領域Aにおけるd軸電流の最大値idmaxは、以下の式(c7)となる。
idmax=iq*・tanθ1…(c7)
なお、図4のステップS22の処理が完了する場合、この一連の処理は一旦終了される。ちなみに、制御装置50は、V相やW相の導通不良異常時においては、d軸の電流指令値id*の位相をずらすことにより、同様の制御を実行する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
制御装置50は、U相に導通不良異常が生じたと判定する場合、図5(a)に示す態様にて、角度領域θ1〜θ2と角度領域θ3〜θ4とを除いた規定角度領域Aにおいて、d軸の電流指令値id*を正接関数値に従って変化させる。これにより、図5(b)に示すように、規定角度領域Aにおいては、マグネットトルクTmを一定値とすることができる。
ただし、規定角度領域Aにおいても、リラクタンストルクTfは変動する。しかし、本実施形態にかかる同期電動機34は、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる特性を有するため、マグネットトルクTmとリラクタンストルクTfとの和である同期電動機34のトルクTは、常時ゼロ以上となる。すなわち、同期電動機34の極対数pを用いると、同期電動機34のトルクTは、以下の式(c8)にて表現される。
T=p・iq・{φ+(Ld−Lq)・id} …(c8)
したがって、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる同期電動機34の場合、上記の式(c8)から、トルクTをゼロ以上とすることができる。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる同期電動機34において、導通不良異常時にidmaxとなるまでd軸の電流指令値id*を正接関数値に応じて変化させた。これにより、同期電動機34が意図せずして回転を妨げるトルクを生成するように制御される事態が生じることを抑制しつつ同期電動機34を駆動することができる。
ここで、上記の式(c8)によれば、規定角度領域Aにおけるトルクは、以下の式(c9)となる。
T=p・iq*・{φ+(Ld−Lq)・iq*・tanθ} …(c9)
これに対し、正常な2相の電流を正弦波形状に制御する場合には、マグネットトルクTmは、正弦波形状の電流の位相Δを用いると、以下の式(c10)となる。
Tm=p・iq*・φ・{1+sin(2θ+Δ)}/(√2) …(c10)
したがって、マグネットトルクTmが{1+sin(2θ+Δ)}の因子によって周期的に変動し、最低値はゼロとなる。このため、特に、誘起電圧定数φの絶対値が「Ld−Lq」の絶対値よりも大きい場合等には、正弦波形状に電流を制御する場合と比較すると、規定角度領域Aにおいて本実施形態のように制御する場合の方がトルクTを確保しやすく、これにより、ステアリング10の操作をアシストするアシスト力を生成しやすい。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
上記実施形態では、d軸の電流の最大値idmaxを上記の式(c7)で定義した場合に、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる同期電動機34を採用した。これに対し、本実施形態では、d軸の電流の最大値idmaxを上記の式(c7)で定義した場合に、「φ+(Ld−Lq)・idmax<0」となる同期電動機34を採用する。
図6に、本実施形態にかかる異常判定時の電流指令値id*,iq*の設定処理の手順を示す。この処理は、電流指令値設定部70によってたとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図6に示す処理は、図4に示した処理に代えて実行されるものであり、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
図6に示す一連の処理において、電流指令値設定部70は、U相の導通不良異常時であると判定する場合(S20:YES)、トルクTrqおよび車速Vに基づき、q軸の電流指令値iq*を設定する(S30)。この処理は、正常時における電流指令値iq*の設定処理と同様とすればよい。次に、電流指令値設定部70は、電流指令値iq*と上記の式(c7)とに基づき、d軸の電流の最大値idmaxを算出する(S32)。そして、電流指令値設定部70は、算出した最大値idmaxに基づき、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上であるか否かを判定する(S34)。この処理は、マグネットトルクTmとリラクタンストルクTfとが逆極性となるときにおいて、リラクタンストルクTfの絶対値がマグネットトルクTmの絶対値以下となるか否かを判定するものである。
そして、電流指令値設定部70は、ゼロ以上であると判定する場合(S34:YES)、図4のステップS22と同様、正接処理を実行する(S36)。これに対し、電流指令値設定部70は、ゼロ未満であると判定する場合(S34:NO)、V相およびW相の電流指令値iv*,iw*を設定する(S38)。なお、この場合の電流制御器は、図2に示したものに代えて、図7に示すものとなる。
なお、電流指令値設定部70は、ステップS34,S36の処理が完了する場合やステップS20において否定判定する場合には、図6に示す一連の処理を一旦終了する。
図7に、U相導通不良時の処理の一部を示す。
偏差算出部92は、電流指令値設定部70によって設定されたV相の電流指令値iv*から電流ivを減算した値を出力する。フィードバック制御部94は、偏差算出部92の出力値に基づき、電流ivを電流指令値iv*にフィードバック制御するための操作量として、V相の電圧指令値vv*を算出する。これは、たとえば、偏差算出部92の出力値を入力とする比例要素および積分要素のそれぞれの出力値の和を電圧指令値vv*とすることにより算出することができる。
偏差算出部96は、電流指令値設定部70によって設定されたW相の電流指令値iw*から電流iwを減算した値を出力する。フィードバック制御部98は、偏差算出部96の出力値に基づき、電流iwを電流指令値iw*にフィードバック制御するための操作量として、W相の電圧指令値vw*を算出する。これは、たとえば、偏差算出部96の出力値を入力とする比例要素および積分要素のそれぞれの出力値の和を電圧指令値vw*とすることにより算出することができる。
図8(a)に、本実施形態にかかる3相の電流iu,iv,iwと、dq軸上の電流id,iqの推移を示し、図8(b)に、トルクT、マグネットトルクTmおよびリラクタンストルクTfの推移を示す。
図8に示すように、本実施形態では、V相とW相の電流を、互いに逆位相の基本波電流に制御している。特に、本実施形態では、q軸の電流iqがゼロ以上となるようにしており、これにより、マグネットトルクTmおよびトルクTをともにゼロ以上としている。このようにq軸の電流iqをゼロ以上とする制御は、電流iv,iwの位相の制御によって実現することができる。すなわち、たとえば、電流指令値iv*,iw*を以下の式(c11),(c12)とする場合、位相Δの設定によって実現することができる。
iv*=I・cos(θ+Δ)…(c11)
iw*=−I・cos(θ+Δ)…(c12)
なお、電流指令値iv*,iw*の振幅Iは、トルクTrqおよび車速Vに応じて可変設定される。
このように、本実施形態では、正接処理と正弦波処理とを切り替えることにより、トルクTrqおよび車速Vに応じて定まるアシストトルクの目標値がいかなる値の場合であっても、同期電動機34が意図せずして回生制御される事態が生じることを十分に抑制することができる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
第1の実施形態では、d軸の電流の最大値idmaxを上記の式(c7)で定義した場合に、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上となる同期電動機34を採用した。これに対し、本実施形態では、d軸の電流の最大値idmaxを上記の式(c7)で定義した場合に、「φ+(Ld−Lq)・idmax<0」となる同期電動機34を採用する。ただし、上記第2の実施形態では、正接処理と正弦波処理とを切り替える処理を実行して同期電動機34のトルクが負となる事態を回避したが、本実施形態では、正接処理が実行される規定角度領域Aを可変設定することにより、同期電動機34のトルクが負となる事態を回避する。
図9に、本実施形態にかかる異常判定時の電流指令値id*,iq*の設定処理の手順を示す。この処理は、電流指令値設定部70によってたとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図9に示す処理は、図4に示した処理に代えて実行されるものであり、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
図9に示す一連の処理において、電流指令値設定部70は、U相の導通不良異常時であると判定する場合(S20:YES)、トルクTrqおよび車速Vに基づき、q軸の電流指令値iq*を設定する(S42)。この処理は、正常時における電流指令値iq*の設定処理と同様とすればよい。
そして、電流指令値設定部70は、正接処理を実行する規定角度領域Aを設定する(S44)。ここで、規定角度領域Aは、正接処理によるd軸の電流idが、以下の式(c13)で定義される電流id1以下となる領域とされる。
φ+(Ld−Lq)・id1=0 …(c13)
すなわち、正接処理によって同期電動機34のトルクがゼロ以上となる領域が規定角度領域Aとされる。ここで、正接処理において、d軸の電流指令値id*は、「iq*・tanθ」とされるため、d軸の電流id1は、回転角度θのみならずq軸の電流iqに依存する。このため、規定角度領域Aは、q軸の電流指令値iq*に応じて可変設定されることとなる。
具体的には、規定角度領域Aを、図5に示したように角度領域θ1〜θ2および角度領域θ3〜θ4を除いた領域とする場合、θ1〜θ4は、以下の式(c14)〜(c17)によって定義される。
id1=iq*・tanθ1 …(c14)
θ2=π−θ1 …(c15)
θ3=2π−θ2 …(c16)
θ4=2π−θ1 …(c17)
そして、電流指令値設定部70では、回転角度θに応じて電流指令値id*を設定する(S46)。ただし、規定角度領域Aから外れる場合には、電流iv,iwの絶対値が許容最大値Imaxで固定される制御を実行する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。以下において、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項と上記実施形態における事項との対応関係を符号等によって例示した部分があるが、これには、例示した対応関係に上記事項を限定する意図はない。なお、「課題を解決するための手段」の欄に記載した設定処理部は、ステップS44の処理に対応する。
・「異常判定処理部(S10〜S16)について」
上記実施形態では、異常判定処理部を、図3のステップS10〜S16を実行する制御装置50によって実現したが、これに限らない。たとえば、インバータINVの出力端子の電圧を検出する電圧センサの検出値が定常的にゼロである場合に、異常である旨判定するものであってもよい。
・「正接処理部(S22,S36,S46)について」
上記実施形態では、正接処理部を、dq軸における電流フィードバック制御を前提とし、d軸の電流指令値id*を正接関数値に設定する処理を実行する制御装置50としたが、これに限らない。たとえば、図7に示したような相電流フィードバック制御を前提としてもよい。この場合、たとえば、U相に導通不良が生じた場合には、V相、およびW相の電流指令値iv*,iw*を、上記の式(c1),(c2)に鑑み、以下の式(c18),(c19)に設定すればよい。
iv*=iq*/(√2)cosθ
iw*=−iq*/(√2)cosθ
また、相電流フィードバック制御としては、電流指令値iv*(iw*)と電流iv(iw)との差を入力とするPI制御器を用いるものに限らず、たとえば、周知の瞬時電流値制御を行ってもよい。すなわち、電流iv(iw)が「iv*(iw*)+hys/2」を超えるか、「iv*(iw*)−hys/2」を下回るかに応じてスイッチング状態を切り替えることによって、電流指令値iv*(iw*)を中心とする所定のヒステリシス幅hys内に電流を制御してもよい。
・「正弦波処理部(図7)について」
上記実施形態では、正弦波処理部を、図7に示した処理を実行する制御装置50としたが、これに限らない。たとえば、フィードバック制御部94,98に代えて、瞬時電流値制御を実行してもよい。すなわち、電流iv(iw)が「iv*(iw*)+hys/2」を超えるか、「iv*(iw*)−hys/2」を下回るかに応じてスイッチング状態を切り替えることによって、電流指令値iv*(iw*)を中心とする所定のヒステリシス幅hys内に電流を制御してもよい。
正弦波処理部としては、相電流フィードバック制御をするものに限らない。たとえば、dq軸の電流フィードバック制御を実行するものであってもよい。これは、図2に示す電流指令値設定部70において、d軸の電流指令値id*およびq軸の電流指令値iq*を直流成分として設定することで実現することができる。詳しくは、たとえば、q軸の電流指令値iq*をトルクに応じた直流値に設定し、d軸の電流指令値id*をゼロに設定すればよい。
・「切替処理部(S30〜S34)について」
上記実施形態では、切替処理部を、ステップS30〜S34を実行する制御装置50としたが、これに限らない。たとえば、1相が導通不良となっている際には、車速Vに応じたきめ細かな制御を断念し、検出されたトルクTrqのみに基づき、q軸の電流指令値iq*を設定してもよい。また、正接処理を実行する際のd軸の電流の最大値idmaxを、「iq*・tanθ1」とし、「φ+(Ld−Lq)・idmax」がゼロ以上である場合に正接処理を実行するものに限らない。たとえば、正接処理として、図9に示した処理を実行すると仮定した場合のトルクリップルが、正弦波処理を実行した場合のトルクリップルよりも小さくなる場合に、正接処理を選択し、大きくなる場合に正弦波処理を選択するものであってもよい。
・「正常時の処理について」
上記実施形態では、正常時のd軸の電流指令値id*をゼロとしたが、これに限らない。たとえば、電流指令値id*を負として且つ、アシストトルクの目標値が大きいほど絶対値を大きく設定するなら、最小の電流で生成されるトルクを最大とする最小電流最大トルク制御を実現することができる。
・「電力変換回路(INV)について」
上記実施形態では、電力変換回路をインバータINVにて構成したが、これに限らない。たとえば、スイッチング素子S¥#として、MOS電界効果トランジスタに代えて、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を用いてもよい。また、バッテリ40を直接の直流電圧源とすることも必須ではなく、たとえばインバータINVの入力端子間にコンデンサを接続し、これを直流電圧源としてもよい。この場合において、たとえば、同期電動機34を、Y結線として、中点を接地する場合、インバータINVの操作によって、コンデンサの電圧をバッテリ40の電圧に対して昇圧して利用することもできる。
・「同期電動機について」
ステアリング10の操作をアシストするアシストトルクを生成するものに限らず、ステアリング10と転舵輪26との間の動力伝達が遮断された状態において、転舵輪26を転舵させるものであってもよい。もっとも、転舵輪26を転舵させるものに適用されること自体必須ではない。
10…ステアリング、12…ステアリングシャフト、14…コラム軸、16…中間軸、18…ピニオン軸、18a…ピニオン歯、20…ラック軸、20a…第1ラック歯、20b…第2ラック歯、22…第1ラックアンドピニオン機構、24…タイロッド、26…転舵輪、28…ピニオン軸、28a…ピニオン歯、30…第2ラックアンドピニオン機構、32…減速機構、34…同期電動機、34a…回転軸、40…バッテリ、50…制御装置、52、54,56…シャント抵抗、58…回転角度センサ、60…トルクセンサ、62…車速センサ、70…電流指令値設定部、72…dq変換部、74…偏差算出部、76…フィードバック制御部、78…偏差算出部、80…フィードバック制御部、82…uvw変換部、84…PWM処理部、86…操作信号生成部、88…判定処理部、92…偏差算出部、94…フィードバック制御部、96…偏差算出部、98…フィードバック制御部。

Claims (6)

  1. 埋込磁石を備えた3相の同期電動機を制御対象とし、該同期電動機に接続された電力変換回路を操作する埋込磁石同期電動機の制御装置において、
    前記電力変換回路の3つの出力端子のうちの1つが前記同期電動機の1つの端子に正常に電圧を印加できない異常が生じたか否かを判定する異常判定処理部と、
    前記異常判定処理部によって異常が生じたと判定される場合、前記電力変換回路を操作することによって、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値にd軸電流を制御する正接処理部と、を備え、
    前記正接処理部は、前記同期電動機を流れるd軸電流に応じたリラクタンストルクがマグネットトルクとは逆極性となるときにおける前記リラクタンストルクの絶対値が前記マグネットトルクに一致する値以下である場合に前記正接関数の従属変数の値に前記d軸電流を制御する埋込磁石同期電動機の制御装置。
  2. 前記同期電動機は、前記電力変換回路に流れる電流を許容最大値以下とする条件の下、前記正接処理部による処理によってd軸電流を最大値とした場合に、リラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクの絶対値に一致する値以下となる請求項1記載の埋込磁石同期電動機の制御装置。
  3. 前記3つの出力端子のうち前記異常が生じたと判定された出力端子以外の2つの出力端子と前記同期電動機との間を流れる電流を正弦波形状の電流に制御する正弦波処理部と、
    前記同期電動機に要求されるトルクに応じて前記正接処理部による処理と前記正弦波処理部による処理とのいずれを実行するかを切り替える切替処理部と、を備える請求項1記載の埋込磁石同期電動機の制御装置。
  4. 前記正接処理部は、前記電力変換回路に流れる電流が閾値以下となる回転角度領域である規定角度領域において、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値に前記d軸電流を制御するものであり、
    前記切替処理部は、前記規定角度領域において前記正接処理部による処理がなされるとリラクタンストルクがマグネットトルクとは逆極性であるときにおける前記リラクタンストルクの絶対値が前記マグネットトルクに一致する値を上回る場合に、前記正弦波処理部による処理に切り替える請求項3記載の埋込磁石同期電動機の制御装置。
  5. 前記同期電動機を流れるd軸電流に応じたリラクタンストルクがマグネットトルクとは逆極性となるときのリラクタンストルクの絶対値がマグネットトルクに一致する値以下となる回転角度領域である規定角度領域を設定する設定処理部を備え、
    前記正接処理部は、前記規定角度領域において、回転角度を独立変数とする正接関数の従属変数の値に前記d軸電流を制御する請求項1記載の埋込磁石同期電動機の制御装置。
  6. 前記同期電動機は、車両の転舵輪を転舵させるトルクを生成する請求項1〜5のいずれか1項に記載の埋込磁石同期電動機の制御装置。
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