JP2017015728A - 光学モジュール、電子機器、食物分析装置、分光カメラ、及び波長可変干渉フィルターの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学モジュール10は、互いに対向する反射膜54,55、及び第一静電アクチュエーター561及び第二静電アクチュエーター562を有し、反射膜間ギャップを変更する静電アクチュエーター部56を備えた波長可変干渉フィルター5と、静電アクチュエーター部56に印加する電圧を制御する電圧制御部15と、を具備し、電圧制御部15は、第一静電アクチュエーター561にバイアス電圧を印加するバイアス駆動部151と、ギャップ検出器152と、検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を第二静電アクチュエーター562に印加するフィードバック制御部153と、を備える。
【選択図】図2
Description
しかしながら、静電アクチュエーターでは、印加電圧に対する電極間ギャップの変位量(感度)は、電極間ギャップのギャップ量に応じて非線形的に変化する。したがって、静電アクチュエーターへの電圧を制御する制御回路のゲインを、ある電極間ギャップの感度に対して、最適に設定した場合でも、電極間ギャップが大きく変化すると、静電アクチュエーターの感度が異なってしまうため、適切な制御を行えなくなる。つまり、電極間ギャップが、限られた狭い範囲の場合でしか、設定したゲインで制御回路を機能させることができないという課題があった。
これに対して、電極間ギャップのギャップ量に応じて、制御回路のゲインを可変させ、広いギャップ範囲に対して制御回路を適切に機能させる構成も考えられているが、可変ゲインを実現するためのシステムが複雑化してしまうという課題があった。
また、電圧制御部のバイアス電圧印加手段は、第一静電アクチュエーターに対してバイアス電圧を印加する。そして、フィードバック電圧印加手段は、ギャップ検出手段により検出された反射膜間ギャップ(検出ギャップ)が、反射膜間ギャップを目標ギャップ量になるように、フィードバック電圧を第二静電アクチュエーターに印加する。
ここで、バイアス電圧は、波長可変干渉フィルターにより取り出す光の波長に応じて、すなわち、反射膜間ギャップの目標ギャップ量に応じて予め設定された電圧となる。また、本発明では、バイアス電圧及びフィードバック電圧の印加により、反射膜間ギャップを目標ギャップ量に設定するものである。したがって、本発明のバイアス電圧は、第一静電アクチュエーターのみを駆動させて反射膜間ギャップを目標ギャップ量に設定した際の、第一静電アクチュエーターへの駆動電圧よりも、小さい電圧となる。
これに対して、本発明では、第一静電アクチュエーターにバイアス電圧が印加されることで、フィードバック電圧印加手段により第二静電アクチュエーターにフィードバック電圧を印加する際の感度を低減させることができ、フィードバック制御時におけるギャップ量の微調整も容易となる。これにより、フィードバック電圧印加手段におけるゲインを一定に固定したまま、広いギャップ範囲に対して高精度なギャップ量の微調整を実施することができる。また、フィードバック電圧印加手段にゲインを可変させる構成が不要となるので、構成の簡略化を図ることができる。
また、フィードバック電圧印加手段として、デジタル制御器を用いて第二静電アクチュエーターに電圧を印加する構成であっても、D/A変換器におけるbit数を少なくできるため、低コスト化を図ることができる。
これにより、反射膜間ギャップのギャップ量によらず、一定の感度によりフィードバック制御を実施することができる。したがって、フィードバック制御時のフィードバック電圧の設定が容易となり、より高精度なフィードバック制御を行うことができる。
これに対して、本発明では、上記式(1)に基づいて、バイアス電圧を設定することで、上述のような問題を回避でき、大容量のメモリー等が不要となり、構成の簡略化を図れる。また、式(1)に基づいて、設定したい第二静電アクチュエーターの感度に対して、正確なバイアス電圧を容易に設定することができる。
本発明では、フィードバック電圧印加手段は、フィードバック電圧として、アナログ電圧を第二静電アクチュエーターに印加する。ここで、本発明で述べるアナログ電圧とは、一定のゲインを有するアナログ制御器により出力される電圧である。
このようなアナログ電圧を印加する場合、電圧値を制御するためのゲインが必要となるが、本発明では、上述したように、ゲインを固定したまま、広いギャップ範囲に対して、高精度なフィードバック制御による反射膜間ギャップの微調整を実施することができる。また、ゲインを可変させる構成が不要となり、低コスト化を図ることができる。
本発明では、フィードバック電圧印加手段は、フィードバック電圧として、デジタル電圧を第二静電アクチュエーターに印加する。ここで、本発明で述べるデジタル電圧とは、例えばデジタル信号をアナログ電圧に変換するD/A変換器等を備えたデジタル制御器から出力された電圧である。
本発明では、上述したように、バイアス電圧を第一静電アクチュエーターに印加することで、第二静電アクチュエーターの感度を低くできるため、第二静電アクチュエーターに印加するフィードバック電圧の電圧分解能を小さくできる。このため、D/A変換器におけるbit数を少なくでき、低コスト化を図ることができる。
本発明では、ギャップ検出手段は、第一基板に設けられた第一静電容量検出電極と、第二基板に設けられた第二静電容量検出電極とに保持される電荷を検出することで、反射膜間ギャップのギャップ量を検出する。
このような構成では、各基板間にそれぞれ互いに対向する電極を配置するだけの簡単な構成で、容易に反射膜間ギャップのギャップ量を検出することができる。
本発明では、2つの反射膜の一方を第一静電容量検出電極とし、他方を第二静電容量検出電極として機能させる。この場合、例えば、反射膜や、静電アクチュエーター部以外に別途第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極を構成するための電極を設ける必要がなく、構成の簡略化を図れる。また、反射膜間ギャップを、2つの反射膜間の静電容量により検出するため、例えば第一基板や第二基板の反射膜から離れた位置に静電容量検出電極を設ける場合に比べ、より正確な反射膜間ギャップを検出することができる。
本発明では、フィードバック電圧が印加される第二静電アクチュエーターは、バイアス電圧が印加される第一静電アクチュエーターよりも、第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極から離れた位置に配置されている。例えば、上記発明のように、互いに対向する2つの反射膜を第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極とする場合、反射膜の外側に、第一静電アクチュエーターが配置され、第一静電アクチュエーターのさらに外側に第二静電アクチュエーターが配置される。
第二静電アクチュエーターに印加されるフィードバック電圧は、高い周波数成分を含む可能性がある。したがって、第二静電アクチュエーターが第一静電容量検出電極や第二静電容量検出電極に近接して配置される場合、クロストークが発生する可能性があり、ギャップ検出手段によるギャップ検出精度が低下するおそれがある。これに対して、本発明では、第二静電アクチュエーターが、第一静電容量検出電極や第二静電容量検出電極から離れた位置に配置されているため、クロストークの影響を抑制することができ、ギャップ検出手段によるギャップ検出精度の低下を抑制できる。
本発明では、第一静電アクチュエーターを構成する電極(第一電極及び第二電極)、又は第二静電アクチュエーターを構成する電極(第三電極及び第四電極)を第一静電容量電極及び第二静電容量検出電極として機能させる。この場合でも、反射膜や、静電アクチュエーター部以外に別途第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極を設ける構成に比べて、構成の簡略化を図れる。
本発明では、第一静電アクチュエーターが2つ以上の部分アクチュエーターを備えている。したがって、例えば、第一静電アクチュエーターが2つの部分アクチュエーターに分割されている場合、1つの部分アクチュエーターに対して、バイアス電圧を印加して、他の部分アクチュエーターに対してギャップ検出手段により検出されたギャップ量に基づいて、フィードバック電圧を印加する制御を行うことができる。また、3つ以上の部分アクチュエーターを備える構成では、1つの部分アクチュエーターに対してバイアス電圧を印加した後、他の1つの部分アクチュエーターに対してフィードバック電圧を印加し、その後残りの1つの部分アクチュエーターに対して、更にフィードバック電圧を印加することもできる。
上述した各発明では、第一静電アクチュエーターにノイズ等による電圧変動があった場合でも、第二静電アクチュエーターに印加するフィードバック電圧を制御することで、ギャップ変動を抑えることが可能である。しかしながら、ノイズが大きくなると、第二静電アクチュエーターに対するフィードバック電圧の制御でも制御しきれず、多少反射膜間ギャップのギャップ量が変動することも考えられる。これに対して、本発明では、第一静電アクチュエーターを複数の部分アクチュエーターに分割し、上述のように、バイアス電圧とフィードバック電圧とを制御することで、ノイズの影響をより小さくすることができ、ギャップ量の変動を抑えたより精度の高い電圧制御を実施することができる。
また、D/A変換器により出力される電圧を第一静電アクチュエーターに印加する場合では、第一静電アクチュエーターを複数の部分アクチュエーターに分割することで、D/A変換器の電圧分解能を下げることができる。したがって、D/A変換器のbit数を少なくでき、光学モジュールの低コスト化を図ることができる。
また、フィードバック電圧印加手段として、ゲインを可変させる構成や、bit数が大きいD/A変換器等を用いる必要がなく、構成の簡略化、低コスト化を図ることができる。したがって、電子機器におけるコストも低減することができる。
したがって、食物の分析対象成分に対応した波長の光を波長可変干渉フィルターから精度よく取り出すことができ、分析部による食物の成分分析を高精度に実施することができる。
また、フィードバック電圧印加手段として、ゲインを可変させる構成や、bit数が大きいD/A変換器等を用いる必要がないため、食物分析装置における構成の簡略化、低コスト化をも図ることができる。
したがって、複数のレンズを通して波長可変干渉フィルターに入射された光(画像光)から、所望の波長の光(分光画像光)を精度よく取り出すことができ、撮像部において、所望波長に対する正確な分光画像を撮像することができる。
また、フィードバック電圧印加手段として、ゲインを可変させる構成や、bit数が大きいD/A変換器等を用いる必要がないため、分光カメラにおける構成の簡略化、低コスト化をも図ることができる。
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、本発明の電子機器であり、測定対象Xで反射された測定対象光における所定波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する装置である。なお、本実施形態では、測定対象Xで反射した測定対象光を測定する例を示すが、測定対象Xとして、例えば液晶パネル等の発光体を用いる場合、当該発光体から発光された光を測定対象光としてもよい。
この分光測定装置1は、図1に示すように、光学モジュール10と、ディテクター11(検出部)と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、制御部20と、を備えている。また、光学モジュール10は、波長可変干渉フィルター5と、電圧制御部15とを備えて構成されている。
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
電圧制御部15は、制御部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5を駆動させ、波長可変干渉フィルター5から所定の目的波長の光を透過させる。
次に、光学モジュール10の構成について、以下に説明する。
図2は、光学モジュール10の概略構成を示すブロック図である。
光学モジュール10は、上記のように、波長可変干渉フィルター5と、電圧制御部15とを備えて構成される。
光学モジュール10の波長可変干渉フィルター5について、以下説明する。図3は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図4は、固定基板51を可動基板52側から見た平面図である。図5は、可動基板52を固定基板51側から見た平面図である。なお、図3において、固定基板51に設けられる膜(固定反射膜54,第一電極561A,第三電極562A,第一引出電極563A,第三引出電極564A,第五引出電極565A)を実線で示し、可動基板52に設けられる膜(可動反射膜55,第二電極561B,第四電極562B,第二引出電極563B,第四引出電極564B,第六引出電極565B)を破線で示す。
波長可変干渉フィルター5は、図3に示すように、例えば矩形板状の光学部材であり、固定基板51および可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ各種ガラスや水晶等により形成され、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(図2参照)により接合されることで、一体的に構成されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。また、本実施形態では、フィルター平面視において、固定反射膜54の中心点及び可動反射膜55の中心点は、一致し、平面視におけるこれらの反射膜の中心点をフィルター中心点Oと称し、これらの反射膜の中心点を通る直線を中心軸と称する。
固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、静電アクチュエーター部56による静電引力や、固定基板51上に形成される膜部材(例えば固定反射膜54等)の内部応力による固定基板51の撓みはない。
この固定基板51は、図4に示すように、例えばエッチング等により形成された電極配置溝511および反射膜設置部512を備える。また、固定基板51の一端側(図3、図4における辺C1−C2)は、可動基板52の基板端縁(図3、図4における辺C5−C6)よりも外側に突出しており、固定側端子取出し部514を構成している。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。具体的には、電極引出溝511Bは、辺C3−C4に向かう3つ電極引出溝511Bと、辺C1−C2に向かい、固定側端子取出し部514に繋がる3つの電極引出溝511Bと、を備える。
そして、固定基板51には、図4に示すように、第一電極561Aの一端部から頂点C2に向かって延出する第一引出電極563Aが設けられ、第三電極562Aの一端部から頂点C1に向かって延出する第三引出電極564Aが設けられている。第一引出電極563Aは、頂点C2に向かって延出する電極引出溝511Bに沿って配置され、固定側端子取出し部514上の頂点C2まで延出する。また、第三引出電極564Aは、頂点C1に向かって延出する電極引出溝511Bに沿って配置され、固定側端子取出し部514上の頂点C1まで延出する。そして、これらの第一引出電極563A及び第三引出電極564Aの延出先端部は、例えばFPC(Flexible printed circuits)やリード線等により電圧制御部15に接続されている。
この反射膜設置部512には、図4に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等、導電性の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いてもよく、この場合、誘電体多層膜の最下層又は表層に導電性の金属合金膜が形成されていることが好ましい。
そして、固定基板51には、図4に示すように、固定反射膜54の外周縁から延出する第五引出電極565Aが設けられる。この第五引出電極565Aは、例えば、第一引出電極563A及び第三引出電極564Aの間を通り、辺C1−C2の中点に向かって延出する電極引出溝511Bに沿って配置され、固定側端子取出し部514上の辺C1−C2の中点位置まで延出する。そして、第一引出電極563A,第四引出電極564Bと同様に、第五引出電極565Aの延出先端部は、例えばFPCやリード線等により電圧制御部15に接続されている。
可動基板52は、図3に示すようなフィルター平面視において、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
また、可動基板52には、図3に示すように、一端側(図3、図5における辺C7−C8)は、固定基板51の基板端縁(図3、図4における辺C3−C4)よりも外側に突出しており、可動側端子取出し部524を構成している。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。
なお、第一電極561A及び第三電極562Aと同様に、第二電極561B及び第四電極562B上に、絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
また、可動基板52には、図5に示すように、可動反射膜55の外周縁から延出する第六引出電極565Bが設けられる。この第六引出電極565Bは、例えば、第二引出電極563B及び第四引出電極564Bの間を通り、固定基板51の辺C3−C4の中点に向かって延出する電極引出溝511Bに対向する位置に配置され、可動側端子取出し部524上の辺C7−C8の中点位置まで延出する。そして、第二引出電極563B,第四引出電極564Bと同様に、第六引出電極565Bの延出先端部は、例えばFPCやリード線等により電圧制御部15に接続されている。
なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
電圧制御部15は、図2に示すように、バイアス駆動部151(バイアス電圧印加手段)と、ギャップ検出器152(ギャップ検出手段)と、フィードバック制御部153(フィードバック電圧印加手段)と、マイコン(マイクロコントローラー)154とを備えて構成されている。
バイアス駆動部151は、波長可変干渉フィルター5の第一引出電極563A及び第二引出電極563Bに接続され、第一静電アクチュエーター561に対してバイアス電圧を印加する。具体的には、バイアス駆動部151は、所定bit数を有するD/A変換器により構成され、マイコン154から入力されたバイアス信号に基づいて、第一静電アクチュエーター561に電圧を印加する。
フィードバック制御部153は、波長可変干渉フィルター5の第三引出電極564A及び第四引出電極564Bに接続され、第二静電アクチュエーター562に対してフィードバック電圧を印加する。この際、フィードバック制御部153は、ギャップ検出器152から入力される検出信号と、マイコン154から入力される目標値(目標検出信号)とが同値となるように、第二静電アクチュエーター562に対してフィードバック電圧を印加する。
また、本実施形態のフィードバック制御部153は、固定ゲインを有するアナログ制御器により構成され、電圧可変範囲が所定幅に設定されている。このようなアナログ制御器は、例えば可変ゲインを有するアナログ制御器よりも簡素なシステム構成で組み込むことができ、低コスト化を図ることができる。ここで、アナログ制御器として、例えばPI制御器やPID制御器などを用いることができる。また、その他の制御器を用いてもよい。
そして、マイコン154は、制御部20から入力される制御信号に基づいて、バイアス駆動部151、ギャップ検出器152、及びフィードバック制御部153を制御し、波長可変干渉フィルター5から目的波長の光を透過させる。
なお、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動電圧の制御についての詳細な説明は後述する。
[制御部の構成]
図1に戻り、分光測定装置1の制御部20について、説明する。
制御部20は、本発明の処理部に相当し、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、波長設定部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備えている。
光量取得部22は、ディテクター11により取得された光量に基づいて、波長可変干渉フィルター5を透過した目的波長の光の光量を取得する。
分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
図6は、分光測定装置1の分光測定処理における波長可変干渉フィルターの駆動方法(駆動処理)を示すフローチャートである。
分光測定装置1により測定対象光に含まれる各波長の光の強度を取得するためには、まず、制御部20は、波長設定部21により波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長(目的波長)を設定する。そして、波長設定部21は、設定した目的波長の光を透過させる旨の制御信号を電圧制御部15に出力する(S1)。
ここで、本実施形態では、マイコン154は、後述のフィードバック制御において、第二静電アクチュエーター562への電圧印加時の感度(印加電圧に対するギャップ変位量(m/V))が一定となるように、バイアス電圧を設定する。
ここで、第二静電アクチュエーター562への電圧印加時の感度RC(m/V)は、次式(2)により表される。
図7及び式(2)において、Vbは、第一静電アクチュエーター561に印加するバイアス電圧、kは、可動基板52(保持部522)のバネ係数、εは、固定基板51及び可動基板52間(電極間ギャップG2)の誘電率、Sbは、第一電極561A及び第二電極561Bにおいて、フィルター平面視で互いに重なり合う領域(第一静電アクチュエーター561として機能する領域)の面積、SCは、第三電極562A及び第四電極562Bにおいて、フィルター平面視で互いに重なり合う領域(第二静電アクチュエーター562として機能する領域)の面積、dmaxは電極間ギャップG2の初期ギャップ量(電圧を印加していない状態でのギャップ量)、dは、目的波長の光を透過させるための可動部521の変位量(電極間ギャップG2のギャップ変位量)である。また、図7において、bは、ダンピング係数を示している。
上記式(2)を、Vbについて解くと、上述した式(1)を導き出すことができる。したがって、S2では、マイコン154は、式(1)に基づいて、フィードバック制御において、所定の感度で第二静電アクチュエーター562を駆動させるために必要となる第一静電アクチュエーター561への印加電圧(バイアス電圧)を算出する。
図8(A)の破線で示すように、フィードバック電圧を印加する第二静電アクチュエーター562の感度は、第一静電アクチュエーター561にバイアス電圧を印加しない状態では、変位量に対して感度が大きく変化し、変位量が大きくなるに従って感度が高くなる。このようにフィードバック電圧を印加する静電アクチュエーターの感度が変化する場合、ある特定の感度にあわせてアナログ制御器のゲインを設定しても、変位量が異なるところでは感度が大きく異なり、アナログ制御器が適切に機能しない。つまり、バイアス電圧を印加しない状態では、ゲインを設定したギャップの近傍でしかアナログ制御器は適切に機能しないことになる。
本実施形態では図8(B)に示すように第一静電アクチュエーター561に式(1)に基づいたバイアス電圧を印加することで、図8(A)の実線で示すように、第二静電アクチュエーター562の感度は所望の感度RC1で一定となる。
尚、本実施例では、感度RCが一定となるようなバイアス電圧を印加する例について示したが、バイアス電圧の値は式(1)に基づいた値に限らず、所望の感度特性となるようにバイアス電圧を印加しても良い。
すなわち、マイコン154は、ギャップ検出器152から静電容量検出用の高周波電圧を固定反射膜54,可動反射膜55に印加させる。これにより、ギャップ検出器152により、固定反射膜54及び可動反射膜55の静電容量に応じた検出信号を取得することができ、取得された検出信号は、フィードバック制御部153に出力される(ギャップ検出ステップ)。
また、マイコン154は、制御部20からの制御信号に基づいて、目的波長に対応する目標ギャップ量を算出するとともに、記憶手段に記憶されたギャップ相関データから、目標ギャップ量に対応した検出信号(目標検出信号)を取得し、フィードバック制御部153に出力する。
そして、フィードバック制御部153は、マイコン154から入力される目標検出信号と、ギャップ検出器152から入力される検出信号との差を算出し、その差が「0」となるように、第二静電アクチュエーター562に対してフィードバック電圧を印加する(フィードバック電圧印加ステップ)。
図9に示すように、バイアス駆動部151は、図8に示したような、第二静電アクチュエーター562の感度が一定にするバイアス電圧を第一静電アクチュエーター561に印加している。
したがって、フィードバック電圧印加ステップでは、フィードバック電圧印可部153のアナログ制御器は、マイコン154から入力された目標値信号とギャップ検出器から出力される信号の偏差に基づいて、偏差が0となるように第二静電アクチュエーター562に印加するフィードバック電圧を設定すればよい。
この場合、可動部521の変位量(電極間ギャップG2の変化量)によらず、低い感度で第二静電アクチュエーター562を駆動させることが可能となる。
なお、上記において、1つ波長の光を波長可変干渉フィルター5から取り出し、その光量を検出する処理について、説明したが、例えば測定対象光に含まれる所定波長域内の各波長に対する光量から測定対象光の分光スペクトルを測定する場合、S1において設定する波長を順次変更して、上記S2〜S5処理を繰り返せばよい。
本実施形態の分光測定装置1の光学モジュール10は、波長可変干渉フィルター5及び電圧制御部15を備えている。波長可変干渉フィルター5は、固定反射膜54及び可動反射膜55間の反射膜間ギャップG1を変更するための静電アクチュエーター部56を備え、この静電アクチュエーター部56は、第一静電アクチュエーター561及び第二静電アクチュエーター562を備えている。また、電圧制御部15は、バイアス駆動部151、ギャップ検出器152、フィードバック制御部153、及びマイコン154を備えている。そして、マイコン154は、制御部20から入力された制御信号(目的波長)に基づいて、バイアス駆動部151にバイアス信号を出力し、フィードバック制御部153に目的波長に対応した目標検出信号を出力する。これにより、バイアス駆動部151は、第一静電アクチュエーター561にバイアス電圧を印加して、可動部521を目標変位量近傍まで移動させる。また、フィードバック制御部153は、ギャップ検出器152からの検出信号と、目標検出信号との差が「0」となるように、第二静電アクチュエーター562にフィードバック電圧を印加する。
このような構成では、フィードバック制御部153により第二静電アクチュエーター562にフィードバック電圧を印加して、反射膜間ギャップG1のギャップ量を微調整する際に、第二静電アクチュエーター562の感度を低減させることができる。すなわち、反射膜間ギャップG1の目標ギャップ量によらず、第二静電アクチュエーター562の感度を低減できる。したがって、フィードバック制御部153のアナログ制御器のゲインを一定ゲインに固定したまま、反射膜間ギャップG1の広いギャップ範囲に対して、フィードバック制御による高精度なギャップ量の微調整を実施することができる。また、フィードバック制御部153として、複雑なシステム構成が必要となる可変ゲインを有するアナログ制御器が不要となり、構成の簡略化、低コスト化を図ることができる。
また、マイコン154は、上記式(1)に基づいて、バイアス電圧を算出して、バイアス信号をバイアス駆動部151に出力する。このため、例えば、反射膜間ギャップG1の目標ギャップ量に対するバイアス電圧をテーブルデータとして記憶する場合に比べて、より正確なバイアス電圧を設定することができ、データを保持するための大容量の記憶領域が不要となるので低コスト化を図ることもできる。
このような構成では、固定基板51及び可動基板52に設けられた固定反射膜54及び可動反射膜55により、容易に反射膜間ギャップG1のギャップ量を検出することができ、波長可変干渉フィルター5の構成の簡略化を図ることができる。また、固定反射膜54及び可動反射膜55の間の静電容量を検出するため、静電容量検出用の専用の別電極が不要となる。この点からも、波長可変干渉フィルター5の構成の簡略化が図れる。
すなわち、高い周波数成分を含む可能性があるフィードバック電圧が印加される第二静電アクチュエーター562は、反射膜間ギャップG1のギャップ量を検出するための固定反射膜54及び可動反射膜55から離れた位置に配置されている。これにより、第二静電アクチュエーター562から固定反射膜54及び可動反射膜55へのクロストークを抑制でき、ギャップ検出器152において、精度よく反射膜間ギャップG1のギャップ量を検出することができる。
上記第一実施形態では、固定ゲインを有するアナログ制御器を備えたフィードバック制御部153を例示した。これに対して、第二実施形態では、フィードバック制御部153が第二静電アクチュエーター562に対してデジタル制御器により出力される電圧(本発明のデジタル電圧)を印加する点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、第二実施形態は、上記第一実施形態と同様の構成を有するものであるため、図1に基づいて、以下第二実施形態のフィードバック制御部153について説明し、その他の構成については、その説明を省略する。
これに対して、本実施形態では、上記第一実施形態と同様に、バイアス電圧を、バイアス駆動部151から第一静電アクチュエーター561に印加することで、バイアス電圧を印加しない場合に比べて、第二静電アクチュエーター562の感度を低くすることができる。これにより、フィードバック制御部153により設定するフィードバック電圧として、バイアス電圧を印加しない場合に比べて、電圧の分解能を小さくできる。したがって、フィードバック制御部153には、bit数が小さいD/A変換器が設けられていればよく、フィードバック制御部153の低コスト化を図ることができる。
上記第一及び第二実施形態では、固定反射膜54及び可動反射膜55が本発明の第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極を構成する例を示した。これに対して、第三実施形態では、第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極を構成する電極が異なる点で、上記第一実施形態と相違する。
図10に示すように、本実施形態の波長可変干渉フィルター5Aでは、第一静電アクチュエーター561を構成する第一電極561A及び第二電極561Bが、本発明の第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極を構成する。この場合、第一引出電極563A及び第二引出電極563Bは、バイアス駆動部151及びギャップ検出器152に接続される。
本実施形態では、第一静電アクチュエーター561に対して、ギャップ検出器152から出力される静電容量検出用の電圧信号と、バイアス駆動部151から出力されるバイアス電圧とが印加されることになる。この場合、静電容量検出用の電圧信号を、静電アクチュエーター部56の駆動に影響しない程度に十分に高周波となる信号を用いる。また、ギャップ検出器152では、例えばカップリングコンデンサー等を用いて2信号を分離し、静電容量検出用の電圧信号を検出する。これにより、静電容量検出用の電圧信号によるギャップ変動への影響を防止でき、上記第一実施形態と同様に、高精度な反射膜間ギャップG1のギャップ量制御を実施することができる。また、本実施形態では、固定反射膜54に接続される第五引出電極565A、及び可動反射膜55に接続される第六引出電極565Bが不要となるため、波長可変干渉フィルター5Aの電極構造を簡略化できる。
なお、上記例では、第一静電アクチュエーター561の第一電極561A及び第二電極561Bを、本発明の第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極として機能させたが、第二静電アクチュエーター562の第三電極562A及び第四電極562Bを、本発明の第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極として機能させてもよい。この場合では、第三引出電極564A及び第四引出電極564Bを、ギャップ検出器152及びフィードバック制御部153に接続すればよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
固定基板51及び可動基板52に、本発明の第一静電容量検出電極及び第二静電容量検出電極を構成する別の電極を更に設けてもよい。例えば、固定反射膜54及び第三電極562Aの間に、静電容量検出用の第五電極を設け、可動反射膜55及び第四電極562Bの間に、第五電極に対向する第六電極を設ける構成とし、第五電極及び第六電極間の静電容量を検出する構成としてもよい。
また、バイアス電圧としては、バイアス駆動部151を単独駆動させて反射膜間ギャップG1を目標ギャップ量に設定するための駆動電圧よりも小さい電圧が用いられていればよい。このようなバイアス電圧が印加されることで、フィードバック制御部153による第二静電アクチュエーター562の制御において、バイアス電圧が印加されない場合に比べて感度を低減させることができ、フィードバック制御の精度を向上させることができる。
つまり、第一静電アクチュエーターが、少なくとも2つ以上の部分アクチュエーター(上記例では、第一バイアス静電アクチュエーター,第二バイアス静電アクチュエーター)に分割されている構成としてもよい。これらの部分アクチュエーターにより第一静電アクチュエーターに印加するバイアス電圧を制御することで、バイアス電圧をより精度よく制御することができ、ノイズ等による駆動電圧変動の影響をより効果的に減退させることができる。
また、バイアス電圧の電圧分解能を低減させることができるので、バイアス駆動部151のbit数を低減させることができ、更なる低コスト化を図ることができる。
図11は、波長可変干渉フィルターを備えた測色装置400の一例を示すブロック図である。
この測色装置400は、図11に示すように、検査対象Aに光を射出する光源装置410と、測色センサー420(光学モジュール)と、測色装置400の全体動作を制御する制御装置430(処理部)とを備える。そして、この測色装置400は、光源装置410から射出される光を検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー420にて受光し、測色センサー420から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Aの色を分析して測定する装置である。
この制御装置430としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。そして、制御装置430は、図11に示すように、光源制御部431、測色センサー制御部432、および測色処理部433などを備えて構成されている。
光源制御部431は、光源装置410に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置410に所定の制御信号を出力して、所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部432は、測色センサー420に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー420にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー420に出力する。これにより、測色センサー420の電圧制御部15は、制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5を駆動させる。
測色処理部433は、ディテクター11により検出された受光量から、検査対象Aの色度を分析する。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図13は、図12のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図12に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置(光学モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138(処理部)、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図13に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
更に、ガス検出装置100の制御部138は、図13に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146に対して制御信号を出力する。これにより、電圧制御部146は、上記第一実施形態に示すように、バイアス駆動部151、ギャップ検出器152、フィードバック制御部153、及びマイコン154により構成され、第一実施形態と同様の駆動方法により、波長可変干渉フィルター5を駆動させ、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。この場合、波長可変干渉フィルター5から目的とするラマン散乱光を精度よく取り出すことができる。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
この食物分析装置200は、図14に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224(分析部)と、記憶部225と、を備えている。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
図15は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図15に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図15に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。この時、各波長に対して、電圧制御部(図示略)が上記第一実施形態に示すような本発明の駆動方法により波長可変干渉フィルター5を駆動させることで、精度よく目的波長の分光画像の画像光を取り出すことができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
上記の本発明に係る光学モジュールは、反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び電圧印加により前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更する静電アクチュエーター部を備えた波長可変干渉フィルターと、前記静電アクチュエーター部に印加する電圧を制御する電圧制御部と、を具備した光学モジュールであって、前記静電アクチュエーター部は、互いに独立して駆動可能な第一静電アクチュエーター、及び第二静電アクチュエーターを備え、前記電圧制御部は、前記第一静電アクチュエーターに対して、予め設定されたバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出するギャップ検出手段と、前記第二静電アクチュエーターに対して、前記ギャップ検出手段により検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を印加するフィードバック電圧印加手段と、を備えたことを特徴とする。
Claims (14)
- 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び電圧印加により前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更する静電アクチュエーター部を備えた波長可変干渉フィルターと、前記静電アクチュエーター部に印加する電圧を制御する電圧制御部と、を具備した光学モジュールであって、
前記静電アクチュエーター部は、互いに独立して駆動可能な第一静電アクチュエーター、及び第二静電アクチュエーターを備え、
前記電圧制御部は、
前記第一静電アクチュエーターに対して、予め設定されたバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、
前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出するギャップ検出手段と、
前記第二静電アクチュエーターに対して、前記ギャップ検出手段により検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を印加するフィードバック電圧印加手段と、
を備えたことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1に記載の光学モジュールにおいて、
前記バイアス電圧印加手段は、前記反射膜間ギャップを所定ギャップ量変位させるために必要な前記フィードバック電圧が所定電圧値となるバイアス電圧を前記第一静電アクチュエーターに印加する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項2に記載の光学モジュールにおいて、
前記波長可変干渉フィルターは、2つの前記反射膜のうちの一方が設けられた第一基板と、前記第一基板に対向して設けられ、2つの前記反射膜の他方が設けられた第二基板と、を備え、
前記第一静電アクチュエーターは、前記第一基板に設けられた第一電極と、前記第二基板に設けられ、ギャップを介して前記第一電極に対向する第二電極とを備え、
前記第二静電アクチュエーターは、前記第一基板に設けられた第三電極と、前記第二基板に設けられ、ギャップを介して前記第三電極に対向する第四電極とを備え、
前記第二基板が有するバネ係数をk、前記ギャップの誘電率をε、前記第一基板及び前記第二基板の基板厚み方向から見た平面視において前記第一電極及び前記第二電極が互いに重なり合う領域の面積をSb、前記平面視において、前記第三電極及び前記第四電極が互いに重なり合う領域の面積をSc、前記第一静電アクチュエーター及び前記第二静電アクチュエーターに電圧を印加していない状態における前記ギャップのギャップ量である初期ギャップ量をdmax、前記波長可変干渉フィルターにより目的波長の光を取り出すために必要な前記ギャップの前記初期ギャップ量からの変位量をd、前記ギャップを所定量変位させるために必要な前記第二静電アクチュエーターの感度をRc、とすると、
前記バイアス電圧印加手段は、前記第一静電アクチュエーターに下記式(1)を満たすバイアス電圧Vbを印加する
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載に光学モジュールにおいて、
前記フィードバック電圧印加手段は、前記第二静電アクチュエーターにアナログ電圧を印加する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学モジュールにおいて、
前記フィードバック電圧印加手段は、前記第二静電アクチュエーターにデジタル電圧を印加する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の光学モジュールにおいて、
前記波長可変干渉フィルターは、
2つの前記反射膜のうちの一方が設けられた第一基板と、
前記第一基板に対向して設けられ、2つの前記反射膜の他方が設けられた第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一静電容量検出電極と、
前記第二基板に設けられ、前記第一静電容量検出電極に対してギャップを介して対向する第二静電容量検出電極と、を備え、
前記ギャップ検出手段は、前記第一静電容量検出電極及び前記第二静電容量検出電極に保持される電荷に基づいて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出する
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項6に記載の光学モジュールにおいて、
前記第一静電容量検出電極は、2つの前記反射膜のいずれか一方であり、前記第二静電容量検出電極は、2つの前記反射膜の他方である
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項6又は請求項7に記載の光学モジュールにおいて、
前記波長可変干渉フィルターを前記反射膜の厚み方向から見た平面視において、前記第二静電アクチュエーターは、前記第一静電アクチュエーターよりも、前記第一静電容量検出電極及び前記第二静電容量検出電極から離れた位置に配置された
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項6に記載の光学モジュールにおいて、
前記第一静電容量検出電極及び前記第二静電容量検出電極は、前記静電アクチュエーター部の前記第一静電アクチュエーター及び前記第二静電アクチュエーターの少なくともいずれか一方を構成する電極である
ことを特徴とする光学モジュール。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学モジュールにおいて、
前記第一静電アクチュエーターは、互いに独立して駆動可能な少なくとも2つ以上の部分アクチュエーターを備えた
ことを特徴とする光学モジュール。 - 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び電圧印加により前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更する静電アクチュエーター部を備えた波長可変干渉フィルターと、前記静電アクチュエーター部に印加する電圧を制御する電圧制御部と、を具備した電子機器であって、
前記静電アクチュエーター部は、第一静電アクチュエーターと、第二静電アクチュエーターと、を備え、
前記電圧制御部は、
前記第一静電アクチュエーターに対して、予め設定されたバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、
前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出するギャップ検出手段と、
前記第二静電アクチュエーターに対して、前記ギャップ検出手段により検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を印加するフィードバック電圧印加手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。 - 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び電圧印加により前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更する静電アクチュエーター部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記静電アクチュエーター部に印加する電圧を制御する電圧制御部と、
前記波長可変干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、
食物の成分のスペクトルに関する情報を記憶する記憶部と、
前記検出部により検出された光からスペクトルを算出し、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記食物の成分分析を実施する分析部と、
を具備し、
前記電圧制御部は、
前記第一静電アクチュエーターに対して、予め設定されたバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、
前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出するギャップ検出手段と、
前記第二静電アクチュエーターに対して、前記ギャップ検出手段により検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を印加するフィードバック電圧印加手段と、
を備えたことを特徴とする食物分析装置。 - 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び電圧印加により前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更する静電アクチュエーター部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記静電アクチュエーター部に印加する電圧を制御する電圧制御部と、
前記波長可変干渉フィルターを透過した光を撮像する撮像部と、
測定対象物の画像光を、前記波長可変干渉フィルターを通して前記撮像部に導く複数のレンズと、を具備し、
前記電圧制御部は、
前記第一静電アクチュエーターに対して、予め設定されたバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加手段と、
前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出するギャップ検出手段と、
前記第二静電アクチュエーターに対して、前記ギャップ検出手段により検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を印加するフィードバック電圧印加手段と、
を備えたことを特徴とする分光カメラ。 - 反射膜間ギャップを介して対向する2つの反射膜、及び電圧印加により前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更する静電アクチュエーター部を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記静電アクチュエーター部は、第一静電アクチュエーターと、第二静電アクチュエーターと、を備え、
前記波長可変干渉フィルターの駆動方法は、
前記第一静電アクチュエーターに対して、予め設定されたバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加ステップと、
前記反射膜間ギャップのギャップ量を検出するギャップ検出ステップと、
前記第二静電アクチュエーターに対して、前記ギャップ検出ステップにより検出されたギャップ量に応じたフィードバック電圧を印加するフィードバック電圧印加ステップと、
を実施することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。
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