JP2017015185A - 電動弁の開閉制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動弁の開閉のための配線を簡素化することができるようにした電動弁の開閉制御装置を提供する。【解決手段】制御装置42から電動弁の開閉指令の各制御信号を、電力線43,44の交流の1周期のうち、一方の半周期の指令期間内の期間にそれぞれ設定した制御伝送態様で送信する。電動弁の検出された開閉の各状態信号を、他方の半周期の応答期間内の期間にそれぞれ設定した検出伝送態様で送信する。制御信号と状態信号とは、交流の周波数(60Hz)とは異なる周波数(100kHz)で電力線43,44に同期して重畳する。配線数は、電力線43,44の2本だけでよい。【選択図】図1

Description

本発明は、電動弁を開閉動作するための開閉制御装置に関する。
本件明細書中、用語「電動弁」は、液体、気体、粉体などの流体を輸送する通路に介在される、たとえばバタフライ弁、ボール弁などの弁を、電力が供給される駆動手段、たとえばモータ、電磁ソレノイドなどによって、開閉して駆動する構成を含む概念として解釈されなければならない。
典型的な従来技術は、図32に示される。商用交流電源1からの電力は、制御盤2から電力線3、4;5を経て電動弁装置6に供給されて、電動弁が開閉駆動され、電動弁の全開および全閉状態は、表示用電力線7,8を介して制御盤2に与えられる。制御盤2には、電動弁を開閉するために操作される指令スイッチ11と、全開表示灯35と、全閉表示灯36とが設けられる。電動弁装置6には、電動弁を開閉のために駆動する正逆転可能な交流モータ17と、電動弁の全開および全閉の各状態をそれぞれ検出する検出スイッチ18,19とが設けられる。
電動弁を開くために、制御盤2において、指令スイッチ11が操作されて共通接点12の可動片13が開指令の個別接点14に導通されると、交流電力は、電力線3から電動弁装置6の検出スイッチ18における共通接点21と全開でないとき導通している個別接点23とを経てモータ17に、電力線5を辿る経路によって、供給され、電動弁が開方向に駆動される。電動弁が全開状態になると、検出スイッチ18の共通接点21は個別接点22に導通し、モータ17が遮断されるとともに、表示用電力線7に電力が供給されて制御盤2の全開表示灯35が点灯する。
電動弁を閉じるために、制御盤2において、指令スイッチ11が操作されて共通接点12の可動片13が閉指令の個別接点15に導通されると、交流電力は、電力線4から電動弁装置6の検出スイッチ19における共通接点27と全閉でないとき導通している個別接点29とを経てモータ17に、電力線5を辿る経路によって、供給され、電動弁が閉方向に駆動される。電動弁が全閉状態になると、検出スイッチ19の共通接点27は個別接点28に導通し、モータ17が遮断されるとともに、表示用電力線8に電力が供給されて制御盤2の全閉表示灯36が点灯する。
図32に示される従来技術では、制御盤2と電動弁装置6との間を接続する電力線3、4;5および表示用電力線7,8の配線数が比較的多い。したがって制御盤2と電動弁装置6との間が、たとえば100m以上もの長距離であるとき、配線材料とその配線工事の労力とが多大になり、費用がかさむ。
本発明の目的は、電動弁の開閉のための配線を簡素化することができるようにした電動弁の開閉制御装置を提供することである。
本発明は、交流電源41から電力線43,44を介して電力が供給される電動弁76を開閉する、電動弁の開閉制御装置において、
(a)制御装置42であって、
電動弁76を開閉する指令信号を発生する手段71と、
前記指令信号に応答し、指令信号の開閉を表わす制御信号を、電力線43,44の交流の周波数f1とは異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)で、予め設定された制御伝送態様で、電力線に重畳して送信する制御送信手段131,136とを有する制御装置42と、
(b)電動弁駆動装置65であって、
電動弁76を駆動して開閉する駆動手段47、85、91、92と、
電力線43,44を介して受信した制御伝送態様の制御信号に応答し、電動弁76を開または閉に駆動する駆動手段47、85、91、92を駆動させる開閉受信手段151、157とを有する電動弁駆動装置65とを含むことを特徴とする電動弁の開閉制御装置である。
本発明によれば、制御装置42の指令信号発生手段71からの電動弁76を開または閉にするための指令信号が、制御送信手段131,136に与えられ、これによって電動弁76に電力を供給する電力線43,44に、その電力線の交流の周波数(f1、たとえば50または60Hz)とは異なる周波数(f2;f3,f4、たとえば100kHz、250kHz)で、指令信号に対応する制御信号が、重畳されて送信される。この制御信号は、予め設定された制御伝送態様で送信され、電動弁76の開および閉を識別可能にする。
電動弁76に電力を供給するために不可欠な電力線43,44に、制御信号が重畳されるので、制御信号の伝送のための信号線などが不要であり、電動弁76の開閉のための配線を簡素化することができる。制御装置42と電動弁駆動装置65との間が長距離であっても、配線材料とその配線工事の労力とが多大にならず、費用を軽減することができる。
電動弁76の開閉制御のために必要な情報量は、大量のデジタルデータの複雑な演算処理をして送受信する情報通信の技術分野に比べて、ごくわずかであるので、構成の簡略化を図って、本発明の実現が容易である、という効果もある。
開または閉の状態は、全開または全閉の状態でもよいが、その他の開または閉に関する状態、たとえば全開でも全閉でもない、全開と全閉との間の予め定める状態であってもよく、全開および全閉の両者でもよいが、いずれか一方であってもよい。本発明は、電動弁の開度が異なる複数の値の間で、制御するために有利に実施することができる。ここで、開度は、弁の全開時の開口面積(または流量など)に対する或る開口面積(または流量など)の比である。
また本発明は、制御送信手段131,136の制御信号による開または閉を表わす制御伝送態様は、
電力線43,44の交流に同期して、
開および閉が相互に異なる期間(図8のW1とW3)に、
開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW1aとW1b)に、または
電力線の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図27のf3とf4)に、
予め設定された態様であることを特徴とする。
また本発明は、制御伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW1とW3)は、
電力線の交流の各半周期または各1周期を、複数に分割した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする。
また本発明は、制御伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW1とW3)は、
電力線43,44の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする。
本発明によれば、電動弁76の開または閉を表わす制御信号の制御伝送態様は、電力線43,44の交流に同期して伝送される態様であるので、ノイズの混入などによる誤検出を防ぐことができる。交流の同期のための信号は、交流波形の極性変化時における、いわゆる零クロス信号でもよいが、その他の同期信号、たとえば交流波形の正または負のピークを検出した時点の信号などでもよい。各同期信号を、予め定める動作を開始するスタートパルスとして使用することによって、構成の簡略化を図ることができる。
この制御伝送態様は、開および閉が相互に異なる期間(図8のW1とW3)に、開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW1aとW1b)に、または電力線の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図27のf3とf4)に、予め設定される態様でもよいが、本発明に従えば、その他の態様であってもよい。
前述の制御伝送態様のうち、開および閉が相互に異なる前記期間(図8のW1とW3)は、電力線43,44の交流の各半周期を複数(たとえば3)に分割した相互に異なる期間W1、W3であってもよいが、本発明に従えば、電力線43,44の交流の各1周期を複数に分割した相互に異なる期間でもよい。さらに、開および閉が相互に異なる前記期間(図8のW1とW3)は、電力線43,44の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間に設定されもよい。前記1または複数倍した期間は、交流の各半周期または各1周期を、たとえば零クロス信号などの同期信号のカウンタによる計数によって、識別して設定することができる。
こうして本発明によれば、制御伝送態様によって表わされる開または閉の制御信号を、電力線43,44を介して正確に伝送することができる。
本発明は、電動弁駆動装置65は、
電動弁76の開または閉の状態を検出する検出手段48、49と、
検出手段48、49からの出力に応答し、電力線43,44の交流の周波数f1とは異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)で、開または閉の状態を表わす状態信号を、制御伝送態様とは異なる予め設定された検出伝送態様で、電力線43,44に重畳して送信する状態送信手段151、156とを有し、
制御装置42は、
電力線43,44を介して受信した検出伝送態様の状態信号を受信し、開または閉の状態を表わす出力をする状態受信手段131,137を有することを特徴とする。
本発明によれば、電動弁駆動装置65に備えられる検出手段48,49によって電動弁76の開または閉の状態を検出し、状態送信手段151、156は、この検出された電動弁76の開または閉の状態を表わす状態信号を、制御伝送態様とは異なる検出伝送態様で、電力線43,44に重畳して送信し、制御装置42の状態受信手段131,137は、この状態信号を受信して開または閉の状態を表わす出力をし、たとえば各状態を目視表示し、また各状態を演算処理する。
本発明では、電動弁76の開閉の状態検出に関する電動弁駆動装置65の検出手段48,49および状態送信手段151、156、ならびに制御装置42の状態受信手段131,137などを含む構成は、設けられなくてもよい。
電動弁76に電力を供給するために不可欠な電力線43,44に、状態信号が重畳されるので、制御信号だけでなく状態信号の伝送のための信号線なども不要であり、電動弁76の開閉制御および状態出力のための配線を簡素化することができる。制御装置42と電動弁駆動装置65との間が長距離であっても、配線材料とその配線工事の労力とが多大にならず、費用を軽減することができる。
本発明は、制御送信手段131,136による制御伝送態様は、電力線43、44の交流に同期した指令期間(図8、図26、図27のWc)内に予め設定され、
状態送信手段151,156による検出伝送態様は、電力線43、44の交流に同期して、指令期間(図8、図26、図27のWc)とは異なる応答期間(図8、図26、図27のWa)内に予め設定されることを特徴とする。
本発明によれば、検出伝送態様は、電力線43、44の交流に同期して、制御伝送態様の指令期間Wcとは異なる応答期間Wa内に予め設定される。これによって、制御信号と状態信号との伝送を、確実に行なうことができる。
本発明は、指令期間と応答期間(図8、図26、図27のWcとWa)とは、
電力線の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間にそれぞれ設定されることを特徴とする。
本発明によれば、指令期間Wcと応答期間Waとは、後述の実施の形態のように、電力線43、44の交流の各半周期の相互に異なる期間にそれぞれ設定されてもよいが、本発明に従えば、各半周期を複数倍した相互に異なる期間にそれぞれ設定されてもよく、さらに、交流の各1周期の相互に異なる期間にそれぞれ設定され、または各1周期の複数倍した相互に異なる期間にそれぞれ設定されてもよい。本発明に従えば、指令期間Wcと応答期間Waとは、相互に長さが異なる期間にそれぞれ設定されてもよい。
本発明は、状態送信手段151,156の状態信号による開または閉の状態を表わす検出伝送態様は、
電力線43,44の交流に同期して、
開および閉が相互に異なる期間(図8のW4とW6)に、
開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW4aとW6b)に、または
電力線の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)に、
予め設定された態様であることを特徴とする。
本発明は、検出伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW4とW6)は、
電力線43,44の交流の各半周期または各1周期を、複数に分割した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする。
検出伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW4とW6)は、
電力線43、44の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする。
本発明によれば、電動弁76の開または閉を表わす状態信号の検出伝送態様は、電力線43、44の交流に同期して伝送される態様であるので、ノイズの混入などによる誤検出を防ぐことができる。
この検出伝送態様は、開および閉が相互に異なる期間(図8のW4とW6)に、開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW4aとW6b)に、または電力線43,44の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)に、予め設定される態様でもよいが、本発明に従えば、その他の態様であってもよい。
指令期間Wcと応答期間Waとにおける制御伝送態様と検出伝送態様との具体的な各態様は、後述の実施の各態様のように同一であってもよいが、異なる組合せであってもよい。たとえば、制御伝送態様は、開および閉が相互に異なる期間(図8のW1とW3)に予め設定された態様であるとき、検出伝送態様も開および閉が相互に異なる期間(図8のW4とW6)に予め設定された同様な態様であってもよいが、開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW4aとW6b)に、または電力線43,44の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)に予め設定された異なる態様であってもよい。
前述の検出伝送態様のうち、開および閉が相互に異なる前記期間(図8のW4とW6)は、電力線43、44の交流の各半周期を複数(たとえば3)に分割した相互に異なる期間W4、W6であってもよいが、本発明に従えば、電力線43、44の交流の各1周期を複数に分割した相互に異なる期間でもよい。さらに、開および閉が相互に異なる前記期間(図8のW4とW6)は、電力線43、44の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間に設定されもよい。
こうして本発明によれば、制御伝送態様によって表わされる開指令または閉指令のための制御信号だけでなく、検出伝送態様によって表わされる開または閉の状態信号をも、電力線を介して正確に伝送することができる。
本発明の実施の一形態の全体の構成を示す電気回路図である。 電動弁76が用いられる温水消費装置98の全体のブロック図である。 電動弁装置67の正面図である。 電動弁装置67の一部を切欠いて側方から見た断面図である。 図3の切断面線V−Vから見た簡略化した断面図である。 制御装置42の具体的な構成を示すブロック図である。 同期信号発生回路81の具体的な構成を示す電気回路図である。 制御装置42および受信駆動回路66の動作を説明するための波形図である。 制御送信駆動回路136の具体的な構成を示す電気回路図である。 制御送信駆動回路136と後述の状態受信回路137の動作を併せて説明するための波形図である。 状態受信回路137の具体的な構成を示すブロック図である。 電動弁駆動装置65の具体的な構成を示す電気回路図である。 制御装置42における処理回路77の全体の動作を説明するためのフローチャートである。 図13のステップa6における開指令の制御信号を出力処理する動作を説明するためのフローチャートである。 図13のステップa7における閉指令の制御信号を出力処理する動作を説明するためのフローチャートである。 図13のステップa9における全開の状態信号を受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。 図13のステップa11における全閉の状態信号を受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。 図13のステップa13のエラー検出動作を説明するためのフローチャートである。 図13のステップa14における電動弁76の全開または全閉の状態信号の出力処理をするための動作を説明するためのフローチャートである。 図12に示される電動弁駆動装置65の受信駆動回路66に含まれる処理回路85の全体の動作を説明するためのフローチャートである。 図20のステップj7における開指令の制御信号を入力受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。 図20のステップj9における閉指令の制御信号を入力受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。 図20のステップj10における全開の状態信号を送出する動作を説明するためのフローチャートである。 図20のステップj11における全閉の状態信号を送出する動作を説明するためのフローチャートである。 図20のステップj13におけるモータ47による電動弁76の開閉制御動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の他の形態における制御装置42および受信駆動回路66の動作を説明するための波形図である。 本発明の実施のさらに他の形態における制御装置42および受信駆動回路66の動作を説明するための波形図である。 図27に示される実施の形態における制御送信駆動回路136aの具体的な構成を示す電気回路図である。 図27および図28に示される実施の形態における状態受信回路137aの具体的な構成を示すブロック図である。 フィルタ147a,147bの濾波特性を示す図である。 本発明の実施のさらに他の形態の一部の簡略化して示す電気回路図である。 典型的な従来技術を示す電気回路図である。
図1は、本発明の実施の一形態の全体の構成を示す電気回路図である。商用交流電源などの交流電源41からの電力は、制御装置42から一対の電力線43、44を介して、電動弁駆動装置65に供給される。電力線43、44は、たとえば100m以上もの長距離であることもある。
制御装置42は、指令信号発生手段である指令スイッチ71を備え、電動弁76(後述の図3および図4参照)の開または閉を指令する指令信号を発生して、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路77に与える。電動弁76の全開および全閉の状態は、出力回路78に出力され、これによって目視表示などの出力が達成される。
制御装置42にはまた、電力線43,44に接続される電源回路79が備えられ、これによって処理回路77およびその他の構成要素のための直流電力が供給される。図面中、参照符Vccは、電源電圧の高電位出力を示す。同期信号発生回路81は、交流電源41から電力線43,44に供給される交流の電圧または電流に同期した同期信号である零クロス信号を発生して、処理回路77に与える。処理回路77は、指令スイッチ71からの指令信号に応答し、指令信号の開閉を表わす出力を信号重畳回路82に与え、これによって、信号重畳回路82は、その開閉を表わす制御信号を電力線43,44に重畳して送信する。信号重畳回路82は、電力線43,44に重畳される電動弁76の全開および全閉の状態を表わす状態信号を、受信して処理回路77に与える。
電動弁駆動装置65は、電力線43,44を介する制御信号を受信し、状態信号を送信する受信駆動回路66と、電動弁76を制御信号に対応して開閉し、その開閉の状態を検出する電動弁装置67とを備える。受信駆動回路66は、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される処理回路85を備える。電源回路86は、電力線43,44に接続され、処理回路85およびその他の構成要素のための直流電力を供給する。制御装置42の処理回路77をいわゆるマスタ基板に、また受信駆動回路66の処理回路85をいわゆるスレーブ基板にそれぞれ対応して、実現することができる。
受信駆動回路66の同期信号発生回路87は、交流電源41から電力線43,44に供給される交流の電圧または電流に同期した同期信号である零クロス信号を発生して、処理回路85に与える。信号重畳回路88は、電力線43,44に重畳される制御信号を受信して処理回路85に与える。信号重畳回路88は、処理回路85からの出力によって、電動弁76の全開および全閉の状態を表わす状態信号を電力線43,44に重畳して送信する。
一方の電力線43は、受信駆動回路66において等価回路で図示されるスイッチング回路91、92を介して電動弁装置67に接続される。他方の電力線44は、電動弁装置67に接続される。電動弁76の全開および全閉の状態をそれぞれ表わす信号は、ライン93、94から結合回路95,96を介して処理回路85に入力される。
電動弁装置67は、電動弁76、ならびにその電動弁76の全開を検出する検出スイッチ48および全閉を検出する検出スイッチ49を備える。電動弁76では、バタフライ弁105(図3、図4)をモータ47によって開閉駆動する。全開を検出する検出スイッチ48では、共通接点51が、電動弁76の全開状態で個別接点52に導通し、全開以外の状態ではもう1つの個別接点53に導通している。全閉を検出する検出スイッチ49は、共通接点57が電動弁76の全閉状態で個別接点58に導通し、全閉以外の状態では個別接点59に導通している。図1には、電動弁76が全開でも全閉でもないときにおける検出スイッチ48、49のスイッチング状態が示される。
モータ47は、交流モータである単相誘導電動機によって実現され、一対の巻線61,62と、コンデンサ63とを有し、正逆転可能に構成される。巻線61,62の一方端子は、共通接続されて電力線44に接続される。巻線61,62の他方端子はいずれも、コンデンサ63の両端子に接続される。巻線61の前記他方端子は、検出スイッチ48の個別接点53に接続され、巻線62の前記他方端子は、もう1つの検出スイッチ49の個別接点59に接続される。検出スイッチ48における電動弁76が全開であるとき共通接点51と導通する個別接点52は、ライン93に接続される。検出スイッチ49の電動弁76が全閉であるとき共通接点57と導通する個別接点58は、ライン94に接続される。検出スイッチ48の共通接点51には、受信駆動回路66のスイッチング回路91が接続され、もう1つの検出スイッチ49の共通接点57にはスイッチング回路92が接続される。
電動弁76を開くために、スイッチング回路91が導通されると、検出スイッチ48の共通接点51および個別接点53を経てモータ47に電力が供給され、電動弁76が開方向に駆動される。電動弁76が全開になると、検出スイッチ48の共通接点51は、個別接点52と導通し、個別接点53と遮断し、モータ17が停止される。共通接点51と個別接点52とが導通して全開したことを表わす信号は、ライン93に導出される。
電動弁76を閉じるために、スイッチング回路92が導通されると、検出スイッチ49の共通接点57および個別接点59を経てモータ47に電力が供給され、電動弁76が閉方向に駆動される。電動弁76が全閉になると、検出スイッチ49の共通接点57は、個別接点58と導通し、個別接点59と遮断し、モータ17が停止される。共通接点57と個別接点58とが導通して全閉したことを表わす信号は、ライン94に導出される。
図2は、電動弁76が用いられる温水消費装置98の全体のブロック図である。温水源99からの予め定める一定の温度を有する水は、管路102に介在された電動弁76を介して貯水槽101に供給される。この温水消費装置98は、たとえば半導体製造のために用いられ、貯水槽101の水温は、電動弁76の開閉によって予め定める一定の温度に、高い精度で維持される。
図3は電動弁装置67の正面図であり、図4は電動弁装置67の一部を切欠いて側方から見た断面図である。電動弁76は、基体103に、バタフライ弁105と電動弁本体104とが取り付けられて構成され、電動弁本体104は、モータ47を含む。バタフライ弁105の弁箱106は、管路102に介在される。この弁箱106に弁体107が、図3および図4の上下に延びる弁軸108のまわりに、たとえば90度、正逆回転可能に設けられる。弁体107は、弁箱106の弁座109から離間、着座することによって、弁孔110を開閉する。図3および図4は、弁体107が弁座109に着座して弁孔110を閉じた全閉状態を示す。弁軸108は、放熱フインを備える軸継手111を介して電動弁本体104のモータ47によって角変位駆動される。
図5は、図3の切断面線V−Vから見た簡略化した断面図である。軸継手111、したがって弁軸108には、検出片112が固定される。バタフライ弁105の全閉状態では、検出片112は検出スイッチ49によって検出され、図1における共通接点57が個別接点58に導通しており、このときもう1つの検出スイッチ48では、共通接点51が個別接点53に導通したままである。
モータ47によって軸継手111、したがって弁軸108が図5の開方向113に角変位駆動されると、検出片112は検出スイッチ49から離間し、これによって共通接点57は個別接点59に導電したままとなり、検出片112が検出スイッチ48によって検出されるまでの期間中、検出スイッチ48の共通接点51は個別接点53に導通したままである。バタフライ弁105の全開状態では、検出片112が検出スイッチ48によって検出され、共通接点51が個別接点52に導通する。
図6は、制御装置42の具体的な構成を示すブロック図である。指令スイッチ71は、接地される共通接点182と、その共通接点182に設けられる可動片183と、可動片183が切換えられて導通する開指令の個別接点184と、閉指令の個別接点185とを有する。可動片183は、これらの個別接点184,185のいずれにも接続されない図6に示される中立状態をとることができる。各個別接点184,185は、抵抗186、187によって高電位Vccにクランプされる。
出力回路78は、処理回路77の出力によって電動弁76が全開状態であるとき、全開表示灯115を点灯し、全閉状態であるとき、全閉表示灯116を点灯し、エラーの発生時、エラー表示灯117を点灯する。出力回路78は、このような目視表示出力をするだけでなく、そのほかの態様で電動弁76の状態などを出力するように構成されてもよい。
信号重畳回路82は、パルストランス131を含む。パルストランス131は、3つの巻線132〜134を有する。巻線132は、結合コンデンサ135を介して電力線43,44に接続される。巻線132は、巻線133,134に磁気結合される。処理回路77からの出力は、信号重畳回路82の制御送信駆動回路136に与えられ、巻線133が励振されて、制御信号が電力線43,44に重畳されて送信される。電動弁駆動装置65からの電力線43,44に重畳された状態信号は、信号重畳回路82で受信されて、もう1つの巻線134から、状態受信回路137に与えられ、その出力は処理回路77に与えられる。
図7は、同期信号発生回路81の具体的な構成を示す電気回路図である。電力線43,44には、抵抗138を介してホトカプラ139の発光ダイオード140が接続される。発光ダイオード140からの光は、受光素子141によって受光され、その出力は抵抗142によってクランプされ、交流の零クロス信号として、ライン143から処理回路77に与えられる。
図8は、制御装置42および受信駆動回路66の動作を説明するための波形図である。図8(1)は、電力線43,44の交流波形を示す。同期信号発生回路81からライン143に導出される零クロス信号は、図8(2)に示される。この零クロス信号は、電力線43,44の交流に同期して各1周期毎に発生されるが、実施の他の形態では、各半周期毎に発生されてもよい。
図8(1)の正の半周期を指令期間Wcに予め設定し、それに後続する次の半周期を応答期間Waに設定する。各指令期間Wcおよび応答期間Waでは、時刻t0〜t3およびt3〜t6において、複数(たとえば3)の期間W1〜W3;W4〜W6に分割されて設定される。
図9は制御送信駆動回路136の具体的な構成を示す電気回路図であり、図10はこの制御送信駆動回路136と後述の状態受信回路137などとの動作を併せて説明するための波形図である。発振回路144は、処理回路77から図10(1)に示される電動弁76の開または閉の指令を表わす矩形波の信号が与えられることによって、周波数f2で変調された図10(2)に示される制御信号を導出する。この制御信号の周波数f2は、電力線43,44の交流の周波数f1とは異なり、たとえば100kHz〜450kHzの範囲内で予め設定される周波数であり、たとえば100kHzである。発振回路144からの制御信号は、反転回路145によって極性が設定され、トランジスタ146によって増幅され、パルストランス131の巻線133が励振され、これによって巻線132から結合コンデンサ135を経て電力線43,44に制御信号が重畳されて送信される。
図11は、状態受信回路137の具体的な構成を示すブロック図である。パルストランス131の巻線134からの状態信号は、前述の図10(2)と同様な波形を有し、この状態信号の周波数f5は、電力線43,44の交流の周波数f1とは異なる周波数であり、前述の制御信号の周波数f2と同一の周波数に選ばれ、実施の他の形態では、制御信号の周波数f2とは異なる、その他の周波数に選ばれてもよい。巻線134からの状態信号は、バンドパスフィルタ147によって濾波され、増幅回路148によって電圧増幅され、処理回路77に与えられる。フィルタ147の出力は、図10(3)に示される矩形波である。
図12は、電動弁駆動装置65の具体的な構成を示す電気回路図である。受信駆動回路66の電源回路86は、前述の電源回路79と同様な構成を有し、同期信号発生回路87は前述の同期信号発生回路81と同様な構成を有する。
信号重畳回路88は、前述の信号重畳回路82に類似する構成を有する。パルストランス151は、巻線152〜154を有し、巻線152は、結合コンデンサ155を介して電力線43,44に接続される。処理回路85からの状態信号は、状態送信駆動回路156から前述の周波数f5で、パルストランス151の巻線153に与えられ、電力線43,44に重畳される。
制御装置42からの電力線43,44を介して重畳された制御信号は、パルストランス151の巻線154から制御受信回路157に与えられ、その出力は処理回路85に入力される。これらの状態送信駆動回路156および制御受信回路157は、前述の信号重畳回路82の制御送信駆動回路136および状態受信回路137の構成にそれぞれ類似する。
モータ47を含む電動弁76を開および閉にそれぞれ駆動して動作させるためのスイッチング回路91、92は、電力線43と検出スイッチ48,49の各共通接点51、57との間に介在されるトライアック161、162と、各トライアック161,162のゲートにトリガ信号を与えるためのホトトライアックカプラ165,166をそれぞれ有する。これらのホトトライアックカプラ165、166に備えられる発光素子176,177には、処理回路85からの電動弁76を開および閉にそれぞれ動作するための信号が与えられ、これによって、トライアック161、162が導通する。検出スイッチ48,49における全開の個別接点52および全閉の個別接点58の出力は、ライン93,94を介して、ホトカプラによって実現される結合回路95,96から処理回路85に与えられる。結合回路95,96およびホトトライアックカプラ165,166は、電力線43、44と処理回路85との電気的な絶縁をするために役立つ。
図13は、制御装置42における処理回路77の全体の動作を説明するためのフローチャートである。処理回路77は、中央処理回路171とメモリ172とを含み、これらの協動によって図13の動作が実行される。ステップa0から初期設定のステップa1に移り、メモリ172のタイマTMR1が計時する計数値を零とし、全開状態を表わすメモリセルOPN1および全閉状態を表わすメモリセルCLS1を論理「0」に設定し、さらに全開状態を表わすメモリセルL11および全閉状態を表わすメモリセルL12ならびにエラー状態を示すメモリL13の出力を遮断する。
ステップa2では、同期信号発生回路81から図8(2)に示される零クロス信号の立上りがあるかどうかが判断され、その零クロス信号の立上りがあれば、次のステップa3においてタイマTMR1の計数値を零とし、立上りがなければ、ステップa4において1だけインクリメントして計時する。このような図13に示されるステップa2〜a14の動作が繰返されるたびに、タイマTMR1は、図8(1)に示される電力線43、44の交流の1周期における各半周期毎の指令期間Wcおよび応答期間Wa毎の複数(たとえば3)に分割された各期間W1〜W3;W4〜W6を時刻t0〜t6において計時して設定することができる。
ステップa5では、タイマTMR1の計数値に従ってステップa6〜a12が、表1のとおりに実行される。
Figure 2017015185
先ず、指令期間Wcでは、期間W1においてステップa6で開指令の制御信号の出力処理が行なわれ、期間W3においてステップa7で閉指令出力の制御信号の処理が行なわれる。すなわち、ステップa6、a7で、電力線43,44には指令期間Wcにおける分割された期間W1、W3において、図8(3)、図8(4)にそれぞれ示される全開の制御信号PSa1、全閉の制御信号PSb1がそれぞれ交流に重畳されて送信される。
次に、応答期間Waでは、期間W3の経過した時刻t3のステップa8で、メモリセルOPN1を論理「0」とする。期間W4において、ステップa9で全開の状態信号の受信処理を行なう。その後、期間W5の経過した時刻t5のステップa10で、メモリセルCLS1を論理「0」とする。期間W6において、ステップa11では全閉の状態信号の受信処理を行なう。すなわち、ステップa9、a11で、電力線43,44には応答期間Waにおける分割された期間W4、W6において、図8(5)、図8(6)にそれぞれ示される全開の状態信号PSa2、全閉の状態信号PSb2がそれぞれ交流に重畳されて受信される。
このようなタイマTMR1の計数値が表1に規定されていない値であれば、ステップa12で処理を行なわない。
ステップa13で、エラー検出の処理を行なう。ステップa14で、メモリセルL11〜L13にストアされている状態信号の内容を、出力回路78に与える。
図14は、図13のステップa6における開指令の制御信号を出力処理する動作を説明するためのフローチャートである。ステップb0からステップb1に移り、指令スイッチ181の可動片183が開指令の個別接点184に導通されていれば、次のステップb2において、処理回路77は、図9の制御送信駆動回路136における発振回路144に図10(1)に示される矩形波の開指令の信号を、図8(2)における指令期間Wcの期間W1において与える。これによって発振回路144からの図10(2)に示される周波数f2を有する出力は、パルストランス131および結合コンデンサ135を経て、電力線43,44に図8(3)に示される制御信号PSa1として、電力線43,44に重畳して送信される。こうしてステップb3では一連の動作を終了する。
図15は、図13のステップa7における閉指令の制御信号を出力処理する動作を説明するためのフローチャートである。ステップc0からステップc1に移り、指令スイッチ181の可動片183が閉指令の個別接点185に導通されていれば、次のステップc2において、処理回路77は、図9の制御送信駆動回路136における発振回路144に図10(1)に示される矩形波の閉指令の信号を、図8(4)における指令期間Wcの期間W3において与える。これによって発振回路144からの図10(2)に示される周波数f2を有する出力は、パルストランス131および結合コンデンサ135を経て、電力線43,44に図8(4)に示される制御信号PSb1として、電力線43,44に重畳して送信される。こうしてステップc3では一連の動作を終了する。
図16は、図13のステップa9における全開の状態信号を受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。ステップd0からステップd1に移り、処理回路77は、図8(5)における応答期間Waの期間W4において、電動弁76の全開状態を表わす状態信号PSa2が、電力線43,44に重畳されて、図11の状態受信回路137から図10(3)の矩形波で与えられたかが判断され、そうであれば、ステップd2において、メモリセルOPN1を、図13のステップa8における論理「0」から、論理「1」に設定する。こうしてステップd3では一連の動作を終了する。
図17は、図13のステップa11における全閉の状態信号を受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。ステップe0からステップe1に移り、処理回路77は、図8(6)における応答期間Waの期間W6において、電動弁76の全閉状態を表わす状態信号PSb2が、電力線43,44に重畳されて、図11の状態受信回路137から図10(3)の矩形波で与えられたかが判断され、そうであれば、ステップe2において、メモリセルCLS1を、図13のステップa10における論理「0」から、論理「1」に設定する。こうしてステップe3では一連の動作を終了する。
図18は、図13のステップa13のエラー検出動作を説明するためのフローチャートである。ステップh0からステップh1に移り、電動弁76の開閉時間、すなわち図8(3)に示される開の制御信号PSa1を送信してから図8(5)に示される全開の状態信号PSa2が受信されるまでの時間,および図8(4)に示される閉の制御信号PSb1を送信してから図8(6)に示される全閉の状態信号PSb2を受信するまでの時間を監視する。ステップh2では、この監視している開閉時間が、予め定める値を超えてタイムオーバしたかを判断し、そうであれば、ステップh3においてメモリセルERR1を論理「0」から論理「1」に設定する。こうしてステップh4では一連の動作を終了する。実施の他の形態では、各零クロス信号の相互の時間間隔を監視し、断線などが生じて予め定める値を超えたとき、メモリセルERR1を論理「1」に設定するようにしてもよい。
図19は、図13のステップa14における電動弁76の全開または全閉の状態信号の出力処理をするための動作を説明するためのフローチャートである。前述の図16における全開状態を表わすメモリセルOPN1が論理「1」であるかが判断され、そうであれば、次のステップi2に移り、メモリセルL11の全開状態を表わす出力を導出する。全開のメモリセルL11の出力によって、全開表示灯115が点灯される。メモリセルOPN1が論理「1」でなければ、ステップi3において全開のメモリセルL11の出力を遮断し、これによって、全開表示灯115は消灯している。
ステップi4では、図17における全閉状態を表わすメモリセルCLS1が論理「1」であるかが判断され、そうであれば、次のステップi5に移り、メモリセルL12の全閉状態を表わす出力を導出する。全閉のメモリセルL12の出力によって、全閉表示灯116が点灯される。メモリセルCLS1が論理「1」でなければ、ステップi6において全閉のメモリセルL12の出力を遮断し、これによって、全閉表示灯116は消灯している。
ステップi7では、図18におけるエラーの発生を表わすメモリセルERR1が論理「1」であるかが判断され、そうであれば、次のステップi8に移り、メモリセルL13のエラーが発生していることを表わす出力が導出されて、エラー表示灯117が点灯される。ステップi7でメモリセルERR1が論理「1」でなければ、全閉表示灯116は消灯している。こうしてステップi9では一連の動作を終了する。
図20は、図12に示される電動弁駆動装置65の受信駆動回路66に含まれる処理回路85の全体の動作を説明するためのフローチャートである。処理回路85は、前述の処理回路77に類似し、中央処理回路174とメモリ175とを含み、これらの協動によって図20の動作が実行される。ステップj0から初期設定のステップj1に移り、メモリ175のタイマTMR2が計時する計数値を零とし、スイッチング回路91、92をいずれも遮断してモータ47を停止し、全開状態を表わすメモリセルOPN2および全閉状態を表わすメモリセルCLS2を論理「0」に設定する。
ステップj2では、同期信号発生回路87から図8(2)に示される零クロス信号の立上りがあるかどうかが判断され、その零クロス信号の立上りがあれば、次のステップj3においてタイマTMR2の計数値を零とし、立上りがなければ、ステップj4において1だけインクリメントして計時する。このような図20に示されるステップj2〜j13の動作が繰返されるたびに、タイマTMR2は、図8(1)に示される電力線43、44の1周期における各半周期毎の指令期間Wcおよび応答期間Wa毎の複数(たとえば3)に分割された各期間W1〜W3;W4〜W6を時刻t0〜t6において計時して設定することができる。
ステップj5では、タイマTMR2の計数値に従ってステップj6〜j12が、表2のとおりに実行される。
Figure 2017015185
先ず、指令期間Wcでは、タイマTMR2の計数値が零であれば、ステップj6でメモリセルOPN2が論理「0」に設定される。期間W1においてステップj7で開指令の制御信号の入力受信処理が行なわれる。その後、期間W2の経過した時刻t2のステップj8で、メモリセルCLS2を論理「0」とする。期間W3においてステップj9で閉指令の制御信号の入力受信処理が行なわれる。すなわち、ステップj7、j9で、電力線43,44には指令期間Wcにおける分割された期間W1、W3において、図8(3)、図8(4)にそれぞれ示される全開の制御信号PSa1、全閉の制御信号PSb1がそれぞれ交流に重畳されて受信される。
次に、応答期間Waでは、期間W4において、ステップj10で全開の状態信号の送信処理を行なう。その後、期間W6において、ステップj11では全閉の状態信号の送信処理を行なう。すなわち、ステップa10、a11で、電力線43,44には応答期間Waにおける分割された期間W4、W6において、図8(5)、図8(6)にそれぞれ示される全開の状態信号PSa2、全閉の状態信号PSb2がそれぞれ交流に重畳されて送信される。
このようなタイマTMR2の計数値が表2に規定されていない値であれば、ステップa12で処理を行なわない。ステップj13では、モータ47による電動弁76の開閉制御を実行する。
図21は、図20のステップj7における開指令の制御信号を入力受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。ステップk0からステップk1に移り、処理回路85は、図8(2)における指令期間Wcの期間W1において、電動弁76の全開の制御信号PSa1が、電力線43,44に重畳されて、図12の制御受信回路157から図10(3)の矩形波で与えられたかが判断され、そうであれば、ステップk2において、メモリセルOPN2を、図20のステップj6における論理「0」から、論理「1」に設定する。こうしてステップk3では一連の動作を終了する。
図22は、図20のステップj9における閉指令の制御信号を入力受信処理する動作を説明するためのフローチャートである。ステップm0からステップm1に移り、図8(4)における指令期間Wcの期間W3において、電動弁76の全開の制御信号PSa1が、電力線43,44に重畳されて、図12の制御受信回路157から図10(3)の矩形波で与えられたかが判断され、そうであれば、ステップm2において、メモリセルCLS2を、図20のステップj8における論理「0」から、論理「1」に設定する。こうしてステップm3では一連の動作を終了する。
図23は、図20のステップj10における全開の状態信号を送出する動作を説明するためのフローチャートである。ステップn0からステップn1に移り、電動弁76が全開であるかが判断され、すなわち検出スイッチ48の個別接点52からの検出出力が結合回路95を介して得られれば、次のステップn2において、処理回路85は、信号重畳回路88の状態送信駆動回路156に図10(1)に示される矩形波の全開を表わす信号を、図8(5)における応答期間Waの期間W4において与える。これによって状態送信駆動回路156からの図10(2)に示される周波数f2を有する出力は、パルストランス151および結合コンデンサ155を経て、図8(5)に示される全開の状態信号PSa2として、電力線43,44に重畳して送信される。こうしてステップn3では一連の動作を終了する。
図24は、図20のステップj11における全閉の状態信号を送出する動作を説明するためのフローチャートである。ステップp0からステップp1に移り、電動弁76が全閉であるかが判断され、すなわち検出スイッチ49の個別接点58からの検出出力が結合回路96を介して得られれば、次のステップp2において、処理回路85は、信号重畳回路88の状態送信駆動回路156に図10(1)に示される矩形波の全閉を表わす信号を、図8(6)における応答期間Waの期間W6において与える。これによって状態送信駆動回路156からの図10(2)に示される周波数f2を有する出力は、パルストランス151および結合コンデンサ155を経て、図8(6)に示される全閉の状態信号PSb2として、電力線43,44に重畳して送信される。こうしてステップp3では一連の動作を終了する。
図25は、図20のステップj13におけるモータ47による電動弁76の開閉制御動作を説明するためのフローチャートである。ステップq0からステップq1に移り、メモリセルOPN2が、図21のステップk2によって論理「1」であるか、すなわち開指令の制御信号を受信したかが判断され、そうであれば、ステップq2に移る。ステップq2では、電動弁76の状態が全開でないか、すなわち検出スイッチ48の個別接点52からの検出出力が結合回路95を介して得られていないかが判断され、全開でなければ、モータ47を電動弁76の開方向へ、ホトトライアックカプラ165を含むスイッチング回路91の導通による働きによって駆動する。
ステップq1において、メモリセルOPN2が論理「1」でなければ、次のステップq4においてメモリセルCLS2が、図22のステップm2によって論理「1」であるか、すなわち閉指令の制御信号を受信したかが判断され、そうであれば、ステップq5に移る。ステップq5では、電動弁76の状態が全閉でないか、すなわち検出スイッチ49の個別接点58からの検出出力が結合回路96を介して得られていないかが判断され、全閉でなければ、モータ47を電動弁76の閉方向へ、ホトトライアックカプラ166を含むスイッチング回路92の導通による働きによって駆動する。こうしてステップq7では一連の動作を終了する。
図26は、本発明の実施の他の形態における制御装置42および受信駆動回路66の動作を説明するための波形図である。図26の実施の形態は、前述の図1〜図25の実施の形態に類似する。図26(1)および図26(2)は、前述の図8(1)および図8(2)にそれぞれ対応する。注目すべきはこの実施の形態では、電動弁76の図26(3)に示される開指令のための制御信号、および図26(4)に示される閉指令のための制御信号は、指令期間Wcの分割された同一の期間W1において発生される。開指令のための制御信号は、信号持続幅W1aを有し、閉指令のための制御信号は、信号持続幅W1bを有し、これらの信号持続幅W1a、W1bは相互に異なる(たとえばW1a<W1b)。
また電動弁76の図26(5)に示される全開の状態信号および図26(6)に示される全閉の状態信号は、応答期間Waの分割された同一の期間W4において発生される。全開の状態信号は、信号持続幅W4aを有し、全閉の状態信号は、信号持続幅W4bを有し、これらの信号持続幅W4a、W4bは相互に異なる(たとえばW4a<W4b)。信号持続幅W1a、W1b;W4a、W4bのうち、W1a=W4a、W1b=W4bであってもよいが、その他の値に選ばれてもよい。
これらの各制御信号の信号持続幅W1a,W1bおよび各状態信号の信号持続幅W4a、W4bの周波数は、同一値f2であってもよい。
図26に示される実施の形態において、制御装置42の処理回路77は、前述の図13に示されるフローチャートと類似の動作を、表3のとおりに実行し、図14〜図19の動作を実行する。
Figure 2017015185
タイマTMR1の計数値が指令期間Wcの分割された期間W1において、ステップa6およびa7が順次的に実行される。タイマTMR1の計数値が応答期間Waの初期の時刻t3で、ステップa8およびa10が順次的に実行される。応答期間Waの分割された期間W4において、ステップa9およびa11が順次的に実行される。処理回路77は、期間Wc,Wa;W1,W4における信号持続幅W1a、W1b;W4a、W4bを識別して動作する。受信駆動回路66の処理回路85も、処理回路77に類似する。そのほかの構成と動作は、前述の実施の形態に類似する。
図26に示される実施の形態において、受信駆動回路66の処理回路85も、処理回路77に類似する。処理回路85は、前述の図20に示されるフローチャートと類似の動作を、表4のとおりに実行し、図21〜図25の動作を実行する。
Figure 2017015185
タイマTMR2の計数値が指令期間Wcの初期の時刻t0で、ステップj6およびj8が順次的に実行される。タイマTMR2の計数値が応答期間Waの分割された期間W1において、ステップj7およびj9が順次的に実行される。応答期間Waの分割された期間W4において、ステップj10およびj11が順次的に実行される。処理回路85は、期間Wc,Wa;W1,W4における信号持続幅W1a、W1b;W4a、W4bを識別して動作する。そのほかの構成と動作は、前述の実施の形態に類似する。
図27は、本発明の実施のさらに他の形態における制御装置42および受信駆動回路66の動作を説明するための波形図である。図27の実施の形態は、前述の図1〜図25の実施の形態、および図26の実施の形態に類似する。図27(1)〜図27(6)は、前述の図26(1)〜図26(6)にそれぞれ対応する。注目すべきはこの実施の形態では、電動弁76の図27(3)に示される開指令の制御信号、および図27(4)に示される閉指令の制御信号は、指令期間Wcの分割された同一の期間W1において発生され、開指令の制御信号は、周波数f3を有し、閉指令の制御信号は、周波数f4を有する。周波数f3、f4は、電力線43,44の交流の周波数f1とは異なり、かつ周波数f3、f4は、相互に異なる(f3≠f4)。たとえばf3=100kHz、f4=250kHzであってもよい。これらの開閉の制御信号の各信号持続幅は、等しく選ばれてもよい。
図28は、図27に示される実施の形態における制御送信駆動回路136aの具体的な構成を示す電気回路図である。制御送信駆動回路136aは、前述の図9の制御送信駆動回路136に類似するが、周波数f3,f4をそれぞれ有する開閉の制御信号を発生するために発振回路144a,144bを有する。処理回路77は、発振回路144a,144bに電動弁76の開または閉のための前述の図10(1)に示される矩形波の開指令の信号を選択的にそれぞれ与えて、能動化する。
図29は、図27および図28に示される実施の形態における状態受信回路137aの具体的な構成を示すブロック図である。この状態受信回路137aは、周波数f3を濾過波するバンドパスフィルタ147aと、周波数f4を濾波するバンドパスフィルタ147bとを有する。
図30は、フィルタ147a,147bの濾波特性を示す図である。フィルタ147a,147bは、周波数f3,f4を有する各状態信号を通過して濾過する。これらのフィルタ147a,147bは、入力波形が前述の図10(2)であるとき、出力波形は図10(3)に示されるとおりである。これらのフィルタ147a,147bの出力は、増幅回路148a,148bによってそれぞれ増幅され、処理回路77に入力される。
図27〜図30に示される実施の形態における制御装置42の処理回路77は、前述の図26の実施の形態に類似し、同様な動作を実行する。受信駆動回路66においてもまた、状態送信駆動回路156および制御受信回路157は、前述の図28の制御送信駆動回路136aおよび状態受信回路137aと類似する構成を有し、処理回路85は前述と類似する構成を有する。
図31は、本発明の実施のさらに他の形態の一部の簡略化して示す電気回路図である。この実施の形態は、図1〜図30に示される実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目すべきはこの実施の形態では、電動弁駆動装置65の受信駆動回路66に備えられる電源回路86に代えて、電源回路191によって実現される。電源回路191には、信号重畳回路88に備えられるパルストランス151の受信のための巻線154の出力が与えられ、電動弁駆動装置65における処理回路85などの構成要素に直流電力が供給される。巻線154の出力は、電源回路191において、ダイオード192によって整流され、コンデンサ193によって平滑され、高電位Vccが得られる。コンデンサ193は、たとえば電気二重層キャパシタなどによって実現され、大容量化されてもよい。こうして電源回路191は、制御装置42から電力線43,44に重畳されて受信される開および閉の制御信号を、直流化して電力を供給する。これによって電動弁駆動装置65の構成の可及的簡素化が図られる。
本発明は、液体、気体、粉体などの流体を輸送する通路に介在される、たとえばバタフライ弁、ボール弁などの弁に関連して、広範囲に実施することができる。本発明は、配線数を減少することを可能にするので、制御装置と電動弁駆動装置との距離が短くても、有利に実施される。本発明は、電動弁だけでなく、伝送する情報量が比較的少ない他の技術分野でも、実施可能であり、その他の電力消費装置のために実施することができる。
41 交流電源
42 制御装置
47 モータ
48、49 検出スイッチ
65 電動弁駆動装置
66 受信駆動回路
67 電動弁装置
71 指令スイッチ
76 電動弁
79、86、191 電源回路
81、87 同期信号発生回路
82、88 信号重畳回路
77、85 処理回路
78 出力回路
91、92 スイッチング回路
105 バタフライ弁
131、151 パルストランス
136、136a 制御送信駆動回路
137、137a 状態受信回路
156 状態送信駆動回路
157 制御受信回路
171、174 中央処理回路
172、175 メモリ
Wc 指令期間
Wa 応答期間
PSa1 全開の制御信号
PSb1 全閉の制御信号
PSa2 全開の状態信号
PSb2 全閉の状態信号

Claims (10)

  1. 交流電源から電力線を介して電力が供給される電動弁を開閉する、電動弁の開閉制御装置において、
    (a)制御装置であって、
    電動弁を開閉する指令信号を発生する手段と、
    前記指令信号に応答し、指令信号の開閉を表わす制御信号を、電力線の交流の周波数f1とは異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)で、予め設定された制御伝送態様で、電力線に重畳して送信する制御送信手段とを有する制御装置と、
    (b)電動弁駆動装置であって、
    電動弁を駆動して開閉する駆動手段と、
    電力線を介して受信した制御伝送態様の制御信号に応答し、電動弁を開または閉に駆動する駆動手段を駆動させる開閉受信手段とを有する電動弁駆動装置とを含むことを特徴とする電動弁の開閉制御装置。
  2. 制御送信手段の制御信号による開または閉を表わす制御伝送態様は、
    電力線の交流に同期して、
    開および閉が相互に異なる期間(図8のW1とW3)に、
    開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW1aとW1b)に、または
    電力線の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図27のf3とf4)に、
    予め設定された態様であることを特徴とする請求項1に記載の電動弁の開閉制御装置。
  3. 制御伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW1とW3)は、
    電力線の交流の各半周期もしくは各1周期を、複数に分割した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁の開閉制御装置。
  4. 制御伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW1とW3)は、
    電力線の交流の各半周期もしくは各1周期を、1もしくは複数倍した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする請求項2に記載の電動弁の開閉制御装置。
  5. 電動弁駆動装置は、
    電動弁の開または閉の状態を検出する検出手段と、
    検出手段からの出力に応答し、電力線の交流の周波数f1とは異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)で、開または閉の状態を表わす状態信号を、制御伝送態様とは異なる予め設定された検出伝送態様で、電力線に重畳して送信する状態送信手段とを有し、
    制御装置は、
    電力線を介して受信した検出伝送態様の状態信号を受信し、開または閉の状態を表わす出力をする状態受信手段を有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の電動弁の開閉制御装置。
  6. 制御送信手段の制御伝送態様は、電力線の交流に同期した指令期間(図8、図26、図27のWc)内に予め設定され、
    状態送信手段の検出伝送態様は、電力線の交流に同期して、指令期間(図8、図26、図27のWc)とは異なる応答期間(図8、図26、図27のWa)内に予め設定されることを特徴とする請求項5に記載の電動弁の開閉制御装置。
  7. 指令期間と応答期間(図8、図26、図27のWcとWa)とは、
    電力線の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間にそれぞれ設定されることを特徴とする請求項6に記載の電動弁の開閉制御装置。
  8. 状態送信手段の状態信号による開または閉の状態を表わす検出伝送態様は、
    電力線の交流に同期して、
    開および閉が相互に異なる期間(図8のW4とW6)に、
    開および閉が相互に異なる信号持続幅(図26のW4aとW6b)に、または
    電力線の交流の周波数f1とは異なり、かつ開および閉が相互に異なる周波数(図8のf2、図27のf3、f4)に、
    予め設定された態様であることを特徴とする請求項5〜7の1つに記載の電動弁の開閉制御装置。
  9. 検出伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW4とW6)は、
    電力線の交流の各半周期または各1周期を、複数に分割した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする請求項8に記載の電動弁の開閉制御装置。
  10. 検出伝送態様によって表わされる開または閉が相互に異なる前記期間(図8のW4とW6)は、
    電力線の交流の各半周期または各1周期を、1または複数倍した相互に異なる期間内に、設定されることを特徴とする請求項8に記載の電動弁の開閉制御装置。
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