JP2017015174A - 推進管 - Google Patents

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【課題】推進管受口外周のコンクリート層を樹脂部材によって機能を損なうことなく安価に代替する。【解決手段】直部1の両端に受口2と挿し口3を有する推進管Aである。直部の外周面から受口の外周面途中までコンクリート層4を設け、受口の残りの外周面に繊維強化プラスチック製筒10を嵌める。この筒は、全周に亘って切れ目のない筒状又は周方向に分割したものとし、その筒と受口外周面の間には接着材を介在する。この推進管も、ゴム輪5及びロックリング6を内装した受口に挿し口を差し込んで接続しつつ推進して地下に埋設する。このとき、直部1の外周面と受口2の外周面がほぼ面一となっているため、推進管外周面は全長に亘って凹凸は少なく、円滑な推進が行われる。地震等が生じれば、挿し口の先端が受口の内周面の奥壁に当接してそれ以上の差し込みを阻止するとともに、挿し口の先端外周の突起9がロックリングに当接してそれ以上の抜き出しを阻止する。【選択図】図1

Description

この発明は、上水道、ガス、下水道、農業水道、工業水道等に用いる流体輸送用配管を地下に埋設するための非開削推進工法に使用する推進管に関するものである。
この種の推進工法に使用するダクタイル鋳鉄製推進管として、図2に示す、内外径が一定な直部1の両端に受口2及び挿し口3を形成し、直部1の外周面から受口2の外周面に至るコンクリート層4、4aを設けて、その直部1と受口2のコンクリート層4、4aの外周面に凹凸を無くした(外径を一様とした)ものがある。この種の推進管は、通常、呼び径:250mm〜2600mm等である。
この図2に示す推進管A’は、NS形継手構造となっており、ゴム輪5及びロックリング6を内装した受口2に、フランジ7、推進力伝達材8を介在して挿し口3を差し込んで接続しつつ推進して地下に埋設する。
この継手構造においては、地震等が生じて受口2に対し挿し口3の抜き差し(伸縮)が生じると、挿し口3の先端が受口2の内周面の奥壁に当接してそれ以上の差し込みを阻止するとともに、挿し口3の先端外周の突起9がロックリング6に当接してそれ以上の抜き出しを阻止する(特許文献1、段落0015〜同0016、図1等参照)。
特許第3756876号公報
この種の推進管を、地表を掘削することなく、地中を貫通する非開削工法に使用する際、コンクリート層4、4aによって、直部1と受口2の外周面に凹凸を無くしているため、その推進時の推進管A’とその外側の地盤との摩擦を極力少なくしている。
しかし、その摩擦が少なくなっても、推進時に推進管の外周面(コンクリート層4、4aの外周面)に加わる力は大きく、特に、受口2の外周のコンクリート層4aは薄厚のため、衝撃等により剥離して破損する恐れが高い。破損して欠け落ちれば、凹凸が生じて推進作用に支障がでる。
このため、従来では、図3に示すように、金網aを埋設したりして、コンクリート層4aの強度を高めている。このとき、直部1外周面のコンクリート層4にも金網a等を埋設する。
この金網aの埋設(介在)及びその埋設状態でのコンクリート層4aの打設は、作業が繁雑となり、コストアップにもなる。
この発明は、以上の実状の下、受口外周のコンクリート層4aを他の部材によって機能を損なうことなく安価に代替することを課題とする。
上記課題を達成するため、この発明は、受口のコンクリート層を樹脂層に代えることとしたのである。
樹脂層は、コンクリート層に比べれば、容易に摩擦や衝撃に強いものとすることができる上に、型枠内への樹脂装填等によって容易に設けることができるため、コンクリート層4aの形成に比べれば、その形成作業も容易で安価である。
この発明の構成としては、内外径が一定な円筒状直部と、その直部の一端に設けられて内外径が直部より大きい受口と、同他端に設けられて直部と内径が等しく受口に嵌り得る外径の挿し口とからなり、直部の外周面から受口の外周面に至るコンクリート層を設けて、その直部と受口のコンクリート層の外周面の外径を一様とした、挿し口を受口に差し込んで接続しつつ地下に埋設する推進管であって、前記受口の外周面のコンクリート層を樹脂層に代えた構成を採用することができる。
その樹脂層の材料としては、施工時(推進時)、摩擦や衝撃等によって損壊や崩壊しない強度を有するものであれば、何れでも良く、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル等の種々の樹脂が考えられ、それらの樹脂において繊維強化プラスチック(FRP)等とすることもできる。
この構成において、上記樹脂層は、受口に被せた型枠内に樹脂を装填することによって形成しても良いが、樹脂筒の嵌め込みによって形成することができる。樹脂筒は、成型品として大量生産することができて、より安価なものとなる。
樹脂筒は、その周方向で分割し、その分割片を受口の外周面に宛がって固定することができる。その固定手段には、分割片同士の嵌り合いや、受口外周面との間への接着材の介在等が考えられる。接着材としては種々のものが考えられるが、例えば、コンクリートを挙げることができる。接着材は分割しない樹脂筒においても介在することができる。接着剤の介在は、樹脂筒と受口の隙間をなくすため、隙間の存在による樹脂筒の破損を防止する作用も発揮する。
上記の各構成の推進管の製造方法としては、まず、上記内外径が一定な円筒状直部と、その直部の一端に設けられて内外径が直部より大きい受口と、同他端に設けられて直部と内径が等しく受口に嵌り得る外径の挿し口とを有するダクタイル鋳鉄管を遠心鋳造法等によって製造し、つぎに、そのダクタイル鋳鉄管の受口に上記樹脂層を形成し、その後、直部にコンクリート層を形成する構成等を採用することができる。
コンクリート層の形成よりも、樹脂層の形成の方がその範囲も狭いことから容易であり、このため、樹脂層を先に形成することは作業性の面から有利である。
この発明は、以上のように、受口外周面のコンクリート層を樹脂層に代えたので、安価な推進管とすることができる。
この発明に係る推進管の一実施形態の要部断面図 従来の推進管の継手部の要部断面図 同従来の推進管の一例の要部断面図
この実施形態の推進管Aも、図2に示すNS形継手構造のものと同様に、内外径が一定な円筒状直部1と、その直部1の一端に設けられて内外径が直部1より大きい受口2と、同他端に設けられて直部1と内径が等しく受口2に嵌り得る外径の挿し口3とからなるダクタイル鋳鉄管である。
このダクタイル鋳鉄管は、従来と同様に、遠心鋳造法等によって製造する。
この発明の特徴は、図1に示すように、直部1の外周面から受口2の外周面の途中までコンクリート層4を設けているが、その先の受口2の外周面には、樹脂筒10が嵌められている点である。この樹脂層(樹脂筒)10は、コンクリート層4を形成する前に形成する。すなわち、樹脂層10を形成後、従来と同様に、その樹脂層10を有するダクタイル鋳鉄管を型枠内に装填し、その型枠内にコンクリートを打設して直部1から受口2の一部の外周面にコンクリート層4を形成する。
上記樹脂筒10の外径は、図1の鎖線で示すように、直部1のコンクリート層4とほぼ同一の径とすることが好ましいが、推進に支障が無い限りにおいて、図示実線で示すように小径としたり、逆に、大径としたりすることができる。また、樹脂筒10の前記受口2の外周面の途中の始点(図1において右端)は、直部1のコンクリート層4の厚みが薄くなって剥離等の支障がでない点を考慮して、図に示す、直部1から受口2に至る円弧状傾斜面を超えた位置等を実験などによって適宜に選択する。
また、樹脂筒10は、全周に亘って切れ目のない筒状のものとしたり、周方向に分割したりしたものとすることができる。その分割数は任意である。
分割した場合、その各分割片は、筒状に突き合わせた際、その突き合わせ面に相互に嵌り合う凹凸の嵌合部を設けることができる。
樹脂筒10の受口2の外周面への取付けは、切れ目のない筒状の場合は、挿し口3側から樹脂筒10を差し入れて受口2の外周面に嵌める。このとき、樹脂筒10の内径を受口2の外周面の外径より少し小さくして圧入することもできる。
分割片の場合は、各分割片を受口2の外周面に宛がって設けることとなる。
いずれの場合も、樹脂筒10の内面と受口2の外周面との間にはコンクリート等の接着材を介在して樹脂筒10の受口2への固着力を増すことが好ましい。
この実施形態の推進管Aも、従来と同様に、ゴム輪5及びロックリング6を内装した受口2に、フランジ7、推進力伝達材8を介在して挿し口3を差し込んで接続しつつ推進して地下に埋設する。
この推進時、直部1の外周面と受口2の外周面がほぼ面一(外径が一様)となっているため、この推進管Aの外周面は全長に亘って凹凸は少なく、円滑な推進が行われる。
地震等が生じれば、同様に、挿し口3の先端が受口2の内周面の奥壁に当接してそれ以上の差し込みを阻止するとともに、挿し口3の先端外周の突起9がロックリング6に当接してそれ以上の抜き出しを阻止する。
上記実施形態の推進管Aは、NS形継手構造のものであったが、JDPA G 1029で規定する、呼び径250mm〜2600mmの推進工法用ダクタイル鋳鉄管であって、その継手構造がT形、U形、UF形、US形であるものは勿論、推進管として使用し得る継手構造のものであれば、例えば、そのT形、U形、UF形、US形以外のPII形、S形等の各種の継手構造の推進管においても、この発明を採用し得ることは勿論である。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A、A’ 推進管
1 推進管の直部
2 同受口
3 同挿し口
4 直部外周面のコンクリート層
4a 受口外周面のコンクリート層
5 ゴム輪
6 ロックリング
7 フランジ
8 推進力伝達材
9 突起
10 樹脂筒(樹脂層)

Claims (5)

  1. 内外径が一定な円筒状直部(1)と、その直部(1)の一端に設けられて内外径が前記直部(1)より大きい受口(2)と、同他端に設けられて前記直部(1)と内径が等しく前記受口(2)に嵌り得る外径の挿し口(3)とからなり、前記直部(1)の外周面から前記受口(2)の外周面に至るコンクリート層(4、4a)を設けて、その直部(1)と受口(2)の前記コンクリート層(4,4a)の外周面の外径を一様とした、前記挿し口(3)を受口(2)に差し込んで接続しつつ地下に埋設する推進管(A)であって、
    上記受口(2)の外周面のコンクリート層(4a)を樹脂層(10)に代えたことを特徴とする推進管。
  2. 上記樹脂層を樹脂筒(10)の嵌め込みによって形成したことを特徴とする請求項1に記載の推進管。
  3. 上記樹脂筒(10)をその周方向で分割し、その分割片を受口の外周面に宛がい固定したことを特徴とする請求項2に記載の推進管。
  4. 上記樹脂筒(10)の内面と受口(2)の外面の間に接着材を介在したことを特徴とする請求項2又は3に記載の推進管。
  5. 請求項1乃至4の何れか一つに記載の推進管の製造方法であって、上記直部(1)と、その直部(1)の一端に設けられて内外径が前記直部(1)より大きい受口(2)と、同他端に設けられて前記直部(1)と内径が等しく前記受口(2)に嵌り得る外径の挿し口(3)と有するダクタイル鋳鉄管を製造した後、そのダクタイル鋳鉄管の受口(2)に上記樹脂層(10)を形成し、その後、直部(1)に上記コンクリート層(4)を形成することを特徴とする推進管の製造方法。
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