JP2017015068A - 風力/波力発電用機械/油圧複合変速機 - Google Patents

風力/波力発電用機械/油圧複合変速機 Download PDF

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Abstract

【課題】高トルク・超低速回転による過酷な潤滑条件のため、波力発電の具体化手段が著しく限られ、実用化研究が停滞していた。この障害を乗り越えて、一日でも早く波力発電の実用化を実証することである。
【解決手段】油圧ポンプ10の多数化による動力分散と高速運転化の相乗効果を更に高めたことで、昨年出願の実用化のための新技術を更に改善し、入力と出力のインピーダンスマッチングを行える制御手段が実現できた。
【選択図】図2

Description

本発明は、「超低速・超高トルク」運転環境がネックになり、低コスト「風力/波力」発電の実現が阻まれている問題に対処する。本発明はこの障害を除去する、油圧変速機用ポンプ駆動法及びその発電機駆動を担う変速装置に関する。
「風力/波力」発電研究は、原子力発電に代わりうる、世界の主力電源を目指し努力を重ねている。1ユニット当たりの設備容量:IMW以上、発電電力単価:1kW当たり10円以下が目標である。この目標が達成できれば、波力発電の実用化が実現可能と考えられる。本発明は、この目的に沿うものである。「風力/波力」発電装置の、発電機駆動用変速機を開発して、目的達成を可能にする。
波力発電では、世界的にOWC方式が研究されたが、今では過去の研究課題となっている。低効率のため経済性が問題視されたからである。低効率の原因が、OWC原理そのものによることが指摘され、浮体運動を利用した他方式などに関心が移行した。大出力風車でも回転軸の低速化と高トルク化という共通の課題がある。そこで油圧変速機に対する関心も高まり、その研究成果が風力発電にも応用され、研究が進展している。福島沖に建設された7MW洋上風力発電装置2基はその好例である。ここに採用された油圧変速機は、極めて高度な技術を駆使した構造である。その反面では、この高い技術に馴染む時間が必要だろうと考えられる。本発明は逆に高水準技術を使わずに難関克服する方法である。その構造原理から、この装置製作・利用が容易なので、開発途上国も含めて広く採用されやすいと考えられる。
特願2014−173194 特開2001−271735
本発明が解決しようとする課題は、従来の「風力/波力」発電用変速機の運転環境である超低速・超高トルク運転を改善し、大容量発電の普及に貢献することである。具体的には「風力/波力の現象」から得られる、回転速度3〜10rpm/トルク1000kNm水準の超低速・超高トルク揺動型回転運動を、回転速度1500rpm/トルク2〜6kNm水準の発電機駆動回転力に変換する実用的変速機の実現である。先行技術文献として[特許文献1]に記載した昨年の出願技術の更なる改良により、ピストンポンプ容量が前願の1/3以下となる小型化を実現する。
複数ポンプからの吐出油量合計は、目的の水準と一致するように構成し、これを変速機用に採用して課題解決をする。この場合のコスト効率を高めるには、増速機の増速比:(n/n)と分散駆動ポンプ数:Nとを、出来るだけ大きくする。本出願実施例の設計例では、増速比:(n2/)=13.33、分散ポンプ数:N=16台、 ポンプ軸トルクはベーンポンプの約1/213(0.47%)である。
増速比(n2/)を大きくするには、ポンプ駆動ピニオンの歯数:Zを小さくすることが簡単である。この場合、ピニオンに対する歯の曲げ折損強度を保つことが必要である。本発明実施例では、Z=9、転位係数x=0.55、ヘリカルアングル=20度とし、大歯車の歯数Z=120としている。通常のインボリュート歯車設計における許容値限界内にある。
小型の16台のピストンポンプは、8台づつ大歯数歯車の右側と左側に分けて取り付く。ポンプ台数は、目的に応じて変更が可能であり、発電容量が小さい場合、ポンプ台数は小さくなる。
昨年出願した[特許文献1]の「低コスト振子式波力発電装置」と比較すると、ポンプ容量低減等の効果が一層明確になっている。その最大の理由は、小型ポンプの動力分散数:N=8であったのが、N=16に拡大したことである。更に増速比:(n/n)の選択肢が広がり、ポンプのピニオン歯数は10から9へ減少し、大歯数歯車の歯数も80から120に増えた効果が相乗して、ポンプ容量を1/3以下に低減する改良が可能になった。増速機が内接型から外接型円筒歯車に代わったので、大歯車を保持し振子揺動軸に直結する円板が小径化し、歯車の噛み合い面よりも軸中心側に配置されるので、歯車を挟んで左右両側にピストンポンプを配置することが可能となった。ピストンポンプの最大外径は、ピニオン外径の4倍程度なので、片側の複数のピニオンの中間位置に反対側ピニオンを配置し、夫々が大歯車に噛み合うように配置するのは容易である。この増速機の大歯車は内接型から外接型になったので、歯面のヘルツ圧力が高い場合の大切な加工法である歯面研磨仕上げが容易になり、歯車製作費が低減し少なからぬ経済効果が期待できる。
図1はケーソンの右側壁面を省いた従来型振子式波力発電装置の斜視図である。 図2は本発明の振子式波力発電装置の構成図である。本発明の説明がし易いよう、ピストンポンプ台数を4台とした構成図であるが、最大16台まで必要に応じて配置可能である。 図3は図2の装置用ポンプで、「風力/波力」発電用に適した非回転型ピストンポンプの断面図である。 図4は、水平に配備される振子板揺動軸の左右両側に水平に一対のピストンポンプが設けられ、各ピニオンが大歯数の外歯歯車と一対のピニオンが噛み合う部分の断面図である。
最初に図1で示した従来型振子式波力発電装置の作動原理から説明する。図1のケーソン1には、入射波入口だけが開口され、他の3方向では壁で仕切られた水室を備えている。水室に入った波は仕切り壁2まで進み、この壁面にぶつかって反射する。仕切り壁2を起点として反対向き進行になり、後続の波との干渉作用で定常波に変わる。その仕切り壁2から1/4波長の節部には、上下波動が零となる一方で2倍化された水平往復流が生み出されている。
この入射波と反射波が干渉して定常波を生み出す物理現象を、45度毎の8枚の線図で表したのが、先行技術文献としての特開2001−271735の図2である。発明者の知人技術者でも、この線図によって波動干渉という物理的な原理を理解してもらえた技術者が増えている。
波の水平往復流が2倍化された波動節部には、振子板4を吊り下げ、その平板部で水平流の加振力を受け止めて振子運動を行う。振子運動はポンプ軸を兼ねた揺動軸5を揺動させ、ベーンポンプ3を駆動する。それに伴う吐出油は一方向流れに整流され、一対の配管を通して油圧モータ6に送られる。油圧モータ6が発電機7を回転させ、発電機7は電力を生み出す。この方式の発電装置は、振子の固有振動数と入射波の振動数が一致して共振状態の運転をすることと、発電機出力が入射波入力と一致するように調整された運転状況下にあること(インピーダンスマッチング)を実現すれば、優れた発電効率を示すことで注目されている。しかし高油圧に耐えられ、経済的に製造できる大容量で低速型のベーンポンプは存在しないから、これ以外の油圧システムを採用しなければ、波力発電は実現できない。
ここで図1の波力発電装置の揺動軸5から、ベーンポンプ3に伝えられる動力L、軸トルクT、ポンプ吐出流量Q、押しのけ容積D、回転速度ω、ポンプ油圧p,等の関連する数式を表示する。
動力: L=Tω (1)
軸トルク: T=(Dp)/2π (2)
ポンプ吐出流量:Q=Dpω/2π (3)
図2は本発明の振子式波力発電装置の構成図である。このピストンポンプ10は4台とし、大歯車8の左右両側に配置すべきであるが、図示化の容易さから、敢えてこのような4台を片側に並べた図面とした。従来の1台の大型ポンプに代わり、複数の小型ポンプを使用し、動力分散をする。その状態でこれらの複数の小型ポンプを、1台の増速機により駆動している。このとき、小型ポンプ全体の合計流量は、1台の大型ポンプ流量に等しい。この方法によれば、極端な低速・高トルク運転による問題が、後述のように解消される。具体的に更に詳しく説明しよう。
ケーソン1内部での振子板4の運動は、揺動軸5から大歯車8を介してピストンポンプ10のピニオン9に増速して伝わり、ピストンポンプ10の増速駆動に使用されている。大歯車8からピニオン9に増速して伝えられた回転力は、各ピストンポンプ10の駆動力となり、ピストンポンプ10に接続配管されたチェック弁つきの吸入管路11から作動油を吸入し、チェック弁つきの吐出管路12を介して、油圧モータ6側に高圧作動油を排出する。吐出管路12と油圧モータ6の間には、アキュムレータ14と接続している調整管路13があり、吐出管路12との高圧作動油の出入りで調整された圧力となった作動油は、油圧モータ6に流入して発電機7を安定的に発電させる。このアキュムレータ14は、バネ付きピストンを内蔵したタイプで、内部に蓄えた作動油の容量と圧力はほぼ比例している。
波力発電に関する数式を記述する。ピストンポンプ10の1台当たりの軸トルク:t、 回転速度:ω、 吐出流量:q、 押しのけ容積:d、 ポンプ油圧:p、 大歯車8の歯数:Z、 ピニオン9の歯数:Z、 ピストンポンプ10の台数:N、 とすると次の7式が成り立つ。
ピストンポンプ10の軸トルク: t=(dp)/2π (4)
ピストンポンプ10の回転速度: ω=(Z/Z)×ω (5)
ピストンポンプ10の吐出流量: q=ωp/2π (6)
全ポンプによる合計吐出流量: N=Nω/2π (7)
揺動軸5の軸トルク: T=t(Z1/) (8)
ピストンポンプ10の軸トルク: t=T/{N(Z/Z)} (9)
ポンプ押しのけ容積の比: D/d=N(Z/Z) (10)
(但し回転速度ωは毎秒当たりの半径数のrad/s)
以上の式(1)〜(10)により、図2の実施例の装置について下記のように結論できる。
1) 図2の装置のポンプ吐出量が図1の装置のポンプ吐出量と等しいとき、図2のポンプは図1のポンプに代わって機能を果たすことができる。
2) 図1又は図2の装置のポンプによる揺動軸トルクは等しい。
3) 図2の装置のポンプ使用のとき、必要になるポンプ10の押しのけ容積:dは式(10)で示されるから、ポンプ10の台数:Nおよび歯数比:(Z/Z)を大きくすれば、押しのけ容積:dが大変小さくなり、極めて扱いやすい装置になる。
4) 図2の装置は、「風力/波力」発電装置の運転環境を改善するばかりでなく、これによる「風力/波力」発電装置の大型化上限拡大ができる。発明者の研究によれば、上限値として、N=16、(Z/Z)=13.33 以内が十分可能である。したがい、式(10)よりポンプ10が必要とする押しのけ容積はdp=/213になる。これは図1のポンプに比較し、およそ0.5%弱の押しのけ容積にすぎない。大型ベーンポンプの容量を小型のピストンポンプ10の容量で割った数値は次のようになる。
/d=N(Z1/)=16×13.33 (11)
昨年出願の特許文献1と比較すると、213.3/64=3.33倍の改善となる。
図3に示すのは、本発明で使用されるピストンポンプ10の断面図である。これは図2の装置用ポンプで、「風力/波力」発電用に適した非回転型ピストンポンプの断面図である。回転斜板カム17の回転運動により、固定シリンダブロック内に精密摺動可能に挿入されたピストン18が、往復運動をして吸入ポート23からシリンダ内に作動油を吸い込み、吐出ポート20及び22を通して発電機7駆動用の油圧モータ6へ高圧作動油を送り出す。この図示例では、5本のピストン18が回転軸中心線の周りに等角度間隔に配置されている。各シリンダにはピストンヘッド側に1対のポートが接続しており、その一つの吸入ポート21ともう一つの吐出ポート20である。吸入ポート20は、チェック弁21−1を通って吸入ポート23からの作動油を吸い込むための通路である。もう一つの通路は、チェック弁20−1を通ってリング状通路26を経由し、吐出ポート22に至る通路である。したがって、ピストン18はポンプ軸の回転方向に関係なく、回転斜板カム17の回転に伴うピストン往復運動により、吸入ポート23から吐出ポート22に向け流れを起こすポンプ作用をしている。吸入側と吐出側のチェック弁の働きで、ポンプ作用が作動油の一方向流れになる。このピストン18を下方に動かすのは、スリッパー18−1とスリッパー押圧板18−2であり、シリンダーブロック中心部にあるピストン19とその内部のばね19−1の圧力で、スリッパー押圧板18−2が回転する回転斜板カム17の上面と常に平行となるようにされている。この構造では、吸入側チェック弁21−1を開いたままにすると、ポンプ作用が起こらない無負荷運転になる。この無負荷運転は、風力や波力の入力パワー変化に応じた変速能力に調整し、高効率発電をするためのポンプ制御手段である。無負荷運転は、大歯車に噛み合うポンプ台数を実質的に減らす機能も有する。最上部のアンロード信号ポート24から信号油圧を受けると、信号ピストン25が下方に移動してフランジ25−1と吸入側チェック弁21−1の突起部21−3とを下方に押し付けて、吸入側チェック弁21−1が常に開いた状態にする。
図4につき説明する。図4では中央の断面図で示された大歯車8は、中心部に描かれた揺動軸5に強固に固定されており、左右に一対のピストンポンプ10のピニオン9と噛み合っている。昨年の出願の[特許文献1]では、大歯車が内接型歯車だったので、図4の上側のみにしか設置できなかったのが、本発明では大歯車8の上下両側に簡単に設置して、ポンプ台数2倍化を容易にしている。本来ならば、図4のピストンポンプ10は最大16台まで設置した図面が望ましいが、図示が困難な面もあり最低の2台の図面にしている。
図2に記載する高効率発電法にも関連する本発明の実施例につき述べる。図2の波力発電装置は、振子板4が入射波周期に共振し振子運動するようになっている。この条件下の運転では、入射波による駆動トルクの位相が、揺動軸5に働く負荷トルク位相より90度遅れる。したがって波力の方向と振子運動の方向が一致し、最も効率の良い負荷駆動になる。これは共振運転による効果の一つである。
図2の波力発電装置において、振子板4に働く波の加振トルクは、入射波の波高:Hの2乗:Hに比例する。その50%が海水に伝わり造波作用し、残り50%でピストンポンプ10を駆動する時が発電効率最大になり、この割合の設定状態をインピーダンスマッチングと呼んでいる。発電効率最大化条件の一つである。
例えば発電機に同期機を使用するとき、発電機速度は系統周波数に同期した一定値になる。これを本発明の油圧変速機により駆動する場合、油圧モータによる発電機駆動パワー:Lmotは式(8−1)により示されωmot:一定だから、パワー:Lmotは油圧pに比例する。
mot=Dmot×p×ωmot/2π=p×Qmot (8−1)
mot:油圧モータのパワー
mot:油圧モータの押しのけ容積
ωmot:油圧モータの回転速度
mot:油圧モータの流量
この運転状態は、ピストンポンプ10の軸トルク(駆動と負荷)平衡および、油圧モータ6の軸上におけるトルク平衡により生まれている。同様に油圧ポンプ10の吐出管路油圧と、油圧モータ6の入口管路油圧とについても平衡している。従い、これらのトルクと油圧の関係について、関連機器の特性値と観察した油圧pから、関係機器の特性値を参考に、運転状況判断ができる。またこのフィールドデータを活用した性能改善も考えられる。
ピストンポンプ10の駆動軸上におけるトルク平衡および、油圧モータ6の軸上におけるトルク平衡について、もう少し説明する。これは振子板4に働く波力による外力が、油圧変速機を介して発電機7に伝えられるとき、アキュムレータ特性の影響を受けることの説明である。本発明では、アキュムレータに線形特性のものを使用している。これは油圧pが式(12)で示され、アキュムレータ内に蓄えた作動油の体積:V値と油圧pとは直線関係にある。油圧pの値は、入射波パワーと発電機7のパワーがバランスしたときに安定する。p値は、油圧変速機のメイン回路圧になるから、入射波パワーと発電機7のパワーが平衡に向け自己調整中は変化し、平衡状態で油圧変動は停止する。このときポンプ側の圧力・流量(入射パワー)とモータ側の圧力・流量(消費側パワー)が一致する。すなわち波力発電における最高効率運転条件の一つであるインピーダンスマッチングが成立する。
振子板4に直結する揺動軸5には、作動状態にあるピストンポンプ10全数によるトルク:T が反作用として働き、式(8)によりその関係が示される。
=t(Z/Z) (8)
ここでt:ピストンポンプ10の1台当たり軸トルク、N:作動状態にあるポ ンプ台数、Z:大歯車の歯数、Z:小歯車の歯数。
そのTは、油圧モータ6の負荷トルクである発電機7駆動による反作に相当する。従って、揺動軸5には発電機7のトルクが働く。インピーダンスマッチングの下で、Tは入射波パワーに比例するが、油圧変速機による伝達パワーは、油圧変速機の定格容量以下のこともある。この時油圧pが定格値以下になり、変速機効率低迷の原因になる。この場合は、作動状態にあるピストンポンプ10の台数を減らして、p値の上昇を図ることもできる。具体的には図3の説明で示した、信号ピストン25の作動により、ピストンポンプ10は無負荷状態になるが、これは大歯車に噛み合うポンプ台数の実質的減少効果となる。このための油圧制御装置も本発明では備えている。高効率運転には、油圧pと、その時の発電出力Lの比:p/Lの値を参考にして運転評価をするのが望ましい。p/L値が基準外にある場合は、Nの増減による調整を行い、油圧pを定格値内に保つよう制御する。通常時は海洋波の波周期変動は少ない。周期一定とみなすと、一つ一つの入射波が持つエネルギーは、個々の波の波高:Hの2乗=H に比例する。その波エネルギーの特性に注目し、アキュムレータ特性を活用して発電効率を向上させることができる。振子板4が吸収した入射波エネルギーは、ピストンポンプ10で(圧力×体積)の流体エネルギーに変換され、あるときはアキュムレータ14内に停留したり、素通りしたりして、油圧モータ向けに送られる。アキュムレータ14の油圧特性が、式(12)の線形特性のとき、アキュムレータ内に送り込まれた作動油の体積:Vと流体エネルギーEoilの関係は、式(13)で示される。これにより、初期圧力:pa0が低いときは、蓄圧エネルギーEoilは、蓄積された作動油体積:Vの2乗にほぼ比例するとみなしうる。
=pa0+k∫ dv=pa0+k (12)
oil=p=pa0+kVa/2 (13)
(ただし pa0≒0)
式(13)のエネルギー:Eoilは個々の波が、体積Vの油塊に変身しアキュムレータ内に流入するとした場合の、その油塊が持つ流体エネルギー量を示す。これは通常海波のように波高:Hが不安定で、入射エネルギーが変動するときも、入射波エネルギーと、アキュムレータに蓄積されるエネルギーとは、一つ一つの波ごとに平衡することを示している。すなわち、振子板4に対する波による入力エネルギーと、振子運動がピストンポンプ10の運転で消費する仕事のエネルギーは、一つ一つの入射波ごとに調整され、ほぼバランスする。これは最適運転条件に近づく作用だから、効率向上に役立つ。
更に入射波パワー(動力:L)と油圧モータ6の出力:Lmotとの相互関係について述べる。波力発電では、常時、波入力の増減が発生するので、発電機調整による発電機負荷コントロールをして、入射波パワーと負荷の一致(インピーダンスマッチング)を作り出し、高効率発電を行う。入射波パワーに対し、発電機駆動による消費パワーが平衡していないときは、変速機の回路油圧pが変動する。次のことが原因になるので、その処置につき述べる。
油圧pが上昇する場合/
上昇が起きた原因: ポンプ油量:N>モータ流量:d
(ポンプに比べモータの容量が不足している。)
平衡させるための処置: Nを小さくするかまたはdを大きくして、
ポンプ油量:N=モータ流量:dにする。
油圧pが降下する場合/
降下が起きた原因: ポンプ油量:N< モータ流量:d
(ポンプに比べモータの流量がオーバーしている)
平衡させるための処置: Nを大きくするか、またはdを小さくして、
ポンプ油量:N=モータ流量:dにする。
(結果からその時の入射波パワーが分かる)
このようにして、高価な波高計器を使用せずとも、発電装置の操作と油圧pの観察を利用すると、入射波パワーが推測できる。油圧pはインピーダンスマッチ状態の入射波パワー及び変速機パラメータの関数値になる。
上記の調整法は人為的だが、変速装置の特性による自己平衡を利用した高効率運転制御が考えられる。
ピストンポンプ10の軸トルクは、振子板4に対し抵抗作用をする。このため、入射波パワー一定の下で油圧pが増すと、ピストンポンプ10の吐出流量は低下する。その理由は、振子の振れ角度が減少するからである。他方で油圧pの増加は、油圧モータ6に供給される途中で、アキュムレータ14に入ったり出たりし、油圧pに対し影響を及ぼす。すなわち油圧pが高くなるほどピストンポンプ10の流量は低下し、他方で油圧モータ6へ供給する流量は増す。したがって、油圧p低下の自己調整作用が働く。反対に油圧pが低くなるほど、振子板4の振れ角度が増加するから、ピストンポンプ10の流量は増加し、油圧モータ6に供給される流量は減少する。したがって、油圧p上昇の自己調整機能が働く。このようにして、ポンプ側が供給する作動油流量と、モータ側が消費する作動油流量との間には、油圧pに対する自己平衡作用が働く。その結果油圧pは、ある平衡点で安定する。このときの平衡点圧力は、波高:Hが高く、入射パワーが大きいほど高い。
この技術は、波力発電の障害を除くばかりでなく、発電電力単価の低減に効果のある振子式波力発電装置の改善に利用できる。実用的な波力発電の普及促進に貢献すると思われる。加えて、風力発電の発電機駆動用変速機として転用できる。風力発電の単機当たり出力増加による経済効果上昇の社会ニーズに応えられる内容である。
1 ケーソン
2 仕切り壁
3 ベーンポンプ
4 振子板
5 揺動軸
6 油圧モータ
7 発電機
8 大歯車
9 ピストンポンプのピニオン
10 ピストンポンプ
11 チェック弁付き吸入管路
12 チェック弁付き吐出管路
13 ポンプとモータの中間でアキュムレータに接続する調整管路
14 アキュムレータ
17 回転斜板カム
17−1 摺動面
18 ピストン
18−1 スリッパー
18−2 スリッパー押圧板
19 押さえ板押圧ピストン
19−2 ばね
20 吐出ポート
20−1 吐出側チェック弁
20−2 ばね
21 吸入ポート
21−1 吸入側チェック弁
21−2 ばね
22 吐出ポート
23 吸入ポート
24 アンロード信号ポート
25 信号ピストン
25−1 フランジ
26 リング状通路

Claims (3)

  1. 沖合からケーソン端面の固定壁に向かう進行波と固定壁にぶつかり沖合に退行する後退波との干渉で生じる定常波の節部に揺動可能に設置される振子板と、振子板の揺動軸で駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を受けて一定方向の回転運動を生み出す可変容量型油圧モータと、この油圧モータに連結される負荷としての発電機から成る波力発電装置において、複数のポンプを増速回転させる大歯数歯車と多数のピストンポンプ駆動ピニオンとを噛み合わせた増速歯車装置を有し、大歯数歯車を外接円筒型歯車とすることに加え、多数ピストンポンプを半数づつ大歯数歯車の左右に配置することでポンプ設置数の2倍化可能としたことを特徴とする機械/油圧複合変速器
  2. ピストンポンプからの吐出油を油圧モータへ送る管路の途中に、蓄圧器を接続し、ポンプ吐出流量と油圧モータの消費流量との流量差を蓄積して駆動系の変動緩和をするとともに、蓄圧器内圧油体積に比例した油圧が発生するように蓄圧器内に線形ばね付きピストンを組み込み、振子板に入射する波力ほぼ等しい流体パワーが、一つ一つの入射波毎に蓄圧器内に蓄えられるようにしたことで入力/消費パワーがバランスを保つ請求項1に記載の機械/油圧複合変速機
  3. 前記ピストンポンプには、各シリンダーに吸入チェック弁と吐出チェック弁とを備え、駆動環境の変動に対応して任意のポンプの全シリンダーの吸入チェック弁を常に開放して無負荷状態とすることで、実質的に大歯車に噛み合わせたポンプ数を自動制御で減らせることを特徴とする請求項1に記載の機械/油圧複合変速機
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