JP2016037956A - 低コスト振子式波力発電装置 - Google Patents

低コスト振子式波力発電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明者は高効率の振子式波力発電装置を実証テストし、高効率発電方式であることを実証できたが、未利用の自然エネルギーである波力発電の実用化と普及には、特殊な油圧ポンプの製造コストを大幅に引き下げる課題を抱えてきた。
【解決手段】 課題解決のため、従来型の特殊仕様大容量揺動型ベーンポンプに代わる高効率小型ピストンポンプ回転駆動用の小歯車を、振子の揺動軸に固定された大歯数の内歯歯車で増速回転させ、ポンプ多数化との相乗作用で著しいポンプ小型化を図り、量産型ポンプサイズに近づけ量産型ポンプ製造技術活用で製造コスト低減を可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、低コスト化を実現して実用性を大きく高めた高効率振子式波力発電装置に関する。
本発明者は、上下動と水平動が組み合わされた波力エネルギーに対し、効率の高い波力発電方式として、沖合側に開口した丈夫なケーソンを利用し、ケーソンの岸辺側の固定壁面にぶつかり沖合側に引き返す後退波と沖合側からケーソン内部に進行してくる進行波との干渉作用を活用して、発電効率42%の振子式波力発電装置を実現し、多くの特許も取得している。この波力を受け止めるのは揺動板であり、揺動軸を上下方向の波力が常に零であり、水平方向の波力が倍増している、岸側のケーソン壁面から1/4波長の波動節部に固定するのがポイントである。この振子とポンプの両軸を一体にした揺動型ベーンポンプを発明・採用し、嵐時の危険回避に成功している実績がある。このポンプはポンプロータと振子が共通軸で連結しているから、カップリング不要で振子に働く波力モーメントは、直接ポンプモータの駆動モーメントとして伝わる。ところが特注品となる揺動ポンプ製作上の技術困難でコストアップの問題が発生している。
ポンプは精密機器であるのに対し、振子は強度や防食性が重視される部材でポンプの固定部と回転部との間の同心精度や、軸方向精度を保つにはどうすればよいかという問題点もある。ポンプの回転速度は通常型の2桁も低速となり、毎分2〜5rpmで通常の1%相当速度である。それ故にポンプの寸法は回転速度に反比例するので、大変大きなサイズのポンプになる。加えて、徹底的な内部漏れ流量減少を計らないと、容積効率が大きく低下しポンプとして失格する。この対策として高性能シールの開発が必要になる。こうした理由から振子式波力発電装置の油圧駆動システムには、多額の費用を要し発電コスト低減を困難にしている。
波力を生み出す動力源は風力である。洋上風による海面刺激で生み出された波が、長時間風力を蓄積して沿岸部に到達する波力になるので、波力のエネルギー密度は風力のエネルギー密度よりも高い密度に達している。従って風力よりも発電用として有利なエネルギー源なのだが、風力に比べて波力は実用化が大きく遅れている。自然エネルギーの活用化には、この点に風穴を開けねばなるまい。更には、従来のOWC波力発電装置の発電効率は15%程度だが、振子式波力発電装置では40%以上が期待でき、風力発電と同レベルである。従ってエネルギー密度の高い海洋波を対象とする振子式波力発電方式は、風力発電よりも発電単価の低い電力生産を実現する可能性があると言えるだろう。
特許4448972号 特開2002−142498号 特開2002−168180号
本発明が解決しようとする課題は、従来の揺動ベーンポンプを用いた振子式波力発電装置の製造コストの大幅な低減と、高効率発電の維持で、実用性を高めて普及を図る点にある。
本発明の課題を解決するためには、大容量の揺動型ベーンポンプに代わる高効率小型ピストンポンプ回転軸駆動小歯車を、多数同時駆動する新規な油圧駆動システムを採用する。このために振子と同一の揺動軸に固定された大歯数の内歯歯車で多数の小型ピストンポンプを増速して回転させ、ポンプ多数化との相乗効果により著しいポンプ小型化を図り、量産型のポンプサイズに近いサイズにすることで、量産型のポンプ製造技術活用による低コスト製造を可能にする。
回転型ピストンポンプの駆動軸に歯数10の歯車を固定し、振子揺動軸に固定された歯数80の内歯歯車に8台の前記ポンプ駆動歯車を噛み合わせた実施例では、8×8=64倍のポンプ容積の効率化により量産型ポンプ製造技術の活用で大幅な製造コストダウンが期待できる。ピストンポンプは、高圧仕様が一般的なので特殊シール材を開発する無駄も省ける。この結果実用化に向けた障害が殆どなくなり、未利用の豊富な自然エネルギーである波力から効率よく電力を得る道が拓ける。
図1は従来型の、振子板揺動軸に揺動ベーンポンプを直結した波力発電装置の斜視図で、右側のケーソン壁面を省いて表示している。 図2は振子板の揺動軸に直結した内接歯車に、8台の回転型ピストンポンプ駆動歯車を噛み合わせた基本図で、これに油圧回路図を組み合わせた、本発明の油圧駆動システム全体図である。 図3aは本発明の8台の油圧ポンプユニット断面の側面図であり、図3bは正面図であるが、小型のポンプは外形図としている。 図4aは本発明の回転型ピストンポンプの構造図となる断面図であるが図3で示したポンプ回転軸が長いポンプと、短いポンプの内の短いタイプを図示している。図4bは、図4aのピストンポンプを改良して、歯面接触圧力の平滑化が得られる実施例となる、ピストンポンプの構造図の断面図である。 図5は、スリランカ南部沿岸のインド洋に面した水深5m海面に設置するとした、本発明実施例を採用した振子式波力発電装置の検討図の斜視図である。
本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。図1で示した従来型の振子式波力発電装置では、波力発電装置の基盤となるケーソン1が左前方に開口し、右後方の固定壁2が海岸方向に向いた状態で、ケーソン1の上部が常に海面上になるような比較的浅い海岸付近の海底に備え付けられて、ケーソン1内部の波力を受け止める振子板4は、揺動軸5に頑丈に固定されており、左側の揺動ポンプ3内部のベーンと一体で波力に添って前後方向に揺動する。この揺動軸5のケーソン1の固定壁2からの距離は、特許文献1にて説明したように、1/4波長となる位置であることが高効率発電のポイントである。水室9に入った波が固定壁2にぶつかって沖合側に引き返す後退波と、沖合からケーソン1内部に進入する進行波との間のベクトル方向が、前記1/4波長位置では上下方向が常に逆向きなので零となり、水平方向が同一方向なので2倍の運動量となる。この結果、揺動ポンプ3により生じた高圧作動油を発電機7に直結する油圧モータ6に送り込み、42%の高効率発電を実現している。もう一つの特徴は、揺動ポンプ3と揺動板4とが揺動軸5を介して一体化を成し遂げた点である。この結果、過酷な気象条件となる嵐に対する耐久性が実証され、振子式波力発電装置の実用化が見通せるようになった点である。
しかし問題点も指摘されている。その基本的問題点は、揺動ポンプ3が独自製品で実績の少ないことである。更なる問題点は、精密機械の揺動ポンプ構造を簡素化するために、精密構造ではない振子揺動軸の一部をポンプ部品に兼用したことである。この結果、嵐に対する十分な耐久性が得られた一方で、ポンプ性能維持のため、製造コストの大幅増加となって跳ね返った点である。
本発明は、こうした問題点を根本から除去する目的で生み出された。図2以降の図面の説明を介して、本発明の詳細を説明する。図2では、通常の油圧回路図だけでなく、8台のピストンポンプ回転駆動用の歯車10により増速回転させる機構図も加えている。図2は、機械的な増速機構が加わったハイブリッド油圧システム図となっている。図1の揺動ポンプ3や油圧モータ6等を図2のハイブリッド油圧システムにすれば、前述の諸問題が全て解決されると考えられる。この油圧回路では、中央の揺動軸5の周囲に八角形の回路で示した低圧側回路に、8台のピストンポンプ12がチェックバルブ13を介して接続され、内歯歯車10の外周に八角形に描かれた高圧側の管路14には、チェックバルブ13を介してピストンポンプ12の出力口が接続されている。発電機7を回転駆動するための油圧モータ6の吸入口には、その近辺に配置される蓄圧器16との接続配管に前記の高圧側管路14が接続されている。高圧側の管路14にはピストンポンプ12の吐き出す作動油圧力が想定圧力を超えた場合に、僅かの作動油をタンクに戻して油圧を想定値に下げるリリーフバルブ15も接続されている。
図2において揺動軸5が揺動すると、大歯数の内歯歯車10が同時に揺動し、これに噛み合う8台のピストンポンプ12の回転駆動用小歯車である外歯歯車11を回転させる。ポンプ12が回転すると、回転方向に関係なく作動油を吸入管17から吸い込み、管路14を通り圧油を油圧モータ6へ送る。これにより油圧モータ6が回転し、発電機7を回転駆動して電力を生み出す。このようにして、同じ動作をするポンプ8台を並列駆動するハイブリッド油圧駆動方式につき図2は示している。その意図するところにつき説明する。油圧駆動システムは、機械動力をポンプで圧力油流パワーに変換して油圧モータ運転に利用し、油圧モータで再び機械動力に変換して機械的負荷駆動に活用するものだが、振子式波力発電装置への応用では、波力から得られる機械動力があまりにも低速で更にあまりにも高トルクの領域に偏るため、回転駆動システムへの活用を困難にしている。もし波力による機械動力を、何らかの手段で高速化できれば、低トルク化にもなり活用しやすくなる。しかし、単なる増速歯車装置による高速化は、歯車装置そのものが非現実的な大きさになり採用できない。こうした変遷を経て到達したのが、図2で示した機械動力分散によるトルクの低レベル化と高速回転化とが同時成立する≪単一内接歯車による複数ポンプの「増速・並列」駆動≫である。機械動力分散化と高速回転化の相乗効果で、構成要素内での合理的低トルク化が実現する。(これをハイブリッド油圧ポンプ駆動システムと呼ぶ)
前記の図1に示した1台ポンプによる油圧駆動システムと、本発明のハイブリッド油圧ポンプ駆動システムによる油圧駆動システムを数値的に比較してみよう。図2図示の如く、動力を8分割し、更にポンプ速度を入力速度の8倍に増速する実施例を考える。前記の図1図示の従来型では、ポンプ押しのけ容積が1回転あたり180リッターとした場合に、図2の実施例では1回転あたり2・8リッターの流量の大変小さなポンプで、同一流量となる毎分500リッターの流量を得ることができる。ポンプ駆動トルクも図1図示揺動ポンプ3の1/64であり、ポンプ台数が8台に増えたコスト上のマイナス面を補って余りある。
続いて図3により、ハイブリッド油圧ポンプ駆動システムの歯車とポンプの相対位置について説明する。図3aでは、水平に取り付けられた振子の揺動軸5の右端に、ハイブリッド油圧ポンプ駆動システムがカップリングを使用することなく一体に組み合わされている。但し、大歯数の内歯歯車10と小歯数のピストンポンプ駆動用の外歯歯車11とは歯面で相互に接触し、夫々異なる速度で回転する必要性から、別々の軸受で支持されている。軸方向から見て上下左右の4位置には、ポンプ回転軸の長い4台のピストンポンプ12が配置され、その中間にはポンプ回転軸の短い4台が配置されている。この長短2種類のピストンポンプの採用は、油圧ポンプ駆動システムのコンパクト化に役立っている。ケーソン(図示せず)に固定されたポンプ固定筒8は、8台のポンプの取付フランジをボルトで固定し、各ポンプの基盤となっている。
内歯歯車10と外歯歯車11では、長期運転により夫々の軸受位置移動が起こりうる。これが原因でトラブルが発生することを未然に防止することが、波力発電の普及には欠かせぬ配慮である。図3では内歯歯車10は揺動軸5のフランジに固定されているので、揺動軸5の軸受で支持されており、外歯歯車11はピストンポンプ12内部の軸受で支持されている。従って、ピストンポンプ12の軸端(図示例では左端)に外歯歯車11を嵌合したした後、ポンプを左方に移動して歯面噛み合わせを行い、更に取付フランジのボルト止めを行えば、ポンプ駆動機構の組み立てが困難なく完了する。しかし重大な問題が残っている。
8台のポンプを駆動するために分散した動力は,吐出油が一台の油圧モータ向けに集約されるので、部品の寸法誤差などが吸収され平滑になる。その一方で内歯歯車10と外歯歯車11との歯面接触圧力は、不均一になり易い。その対策も含め、図4aおよび図4bにより説明する。
まず図4aに示されたハイブリッド油圧駆動システム用のピストンポンプ12の構造を説明し、その中で問題点に触れる。図4aは本発明実施例のピストンポンプ基本構造図である。ピストンポンプ12の回転駆動用の軸20は、取付フランジ28の左右内部で一対の軸受21と軸受22により回転可能に支持されており、取付フランジ28の左端には、回転シール31を備えた端面フランジ30も固定されている。このピストンポンプ12は、外歯歯車11と一体で回転する軸20および斜板23により、シリンダ24 内でピストン25を水平往復運動させる。かつ各シリンダには、吸入側と吐出側とに整流目的のチェックバルブ13をバルブブロック27内部に備え、低圧油を加圧して油圧モータに供給するポンプ作用を作り出している。この実施例では、シリンダブロック19の内部に7対のシリンダ24およびピストン25を備えている。一般的なピストンポンプとは異なり、シリンダ24は固定部に位置して回転せず、ピストン25は軸方向に往復動するが回転はしない。反対に斜板23は回転して、これと摺動するスリッパー26を介してピストン25に動力を伝える。ピストン25を右方向に移動させて、高圧作動油を高圧配管路14に吐出する際は、斜板23の回転力が直接ピストン25に作用するが、ピストン25を図上左側へ移動させ、吸入管17から低圧作動油をシリンダ24内部に取り入れる作動は、複数のスリッパー26の鍔部分を斜板23の斜め平面に押し付けているスリッパー押圧板27により、斜板23の回転力でピストン25を左方向に移動させる。その際にピストン25が吸入管17から作動油を吸い込むだけなので、高圧油の吐出し時よりも著しく消費エネルギーは少ない。スリッパー押圧板27は、球面端部を有するプッシャー32により、常時斜板23の斜めの平面と平行姿勢を保って、7組のピストンのスリッパー26を小さなバネの力で押し付けている。この結果、回転部の慣性モーメント値が低レベルになる。このピストンポンプ12を、波との共振作用を利用する振子式波力発電装置に採用すれば、運動方向が常時逆転している共振作動への妨害トラブルの懸念が少なくなり、好ましい。一方で心配されるのは、歯車の弾性変形による被害である。低速回転なのでパワーレベルは低くても、応力レベルでは容易に許容値を超える事態が発生し得る。図4aは、動力伝達中に発生する不具合を示す。内歯歯車10と外歯歯車11との歯面接触部に働く力Fの反力が、外歯歯車11の軸20に働く。このため、軸20は曲げ変形を起こし、その影響で歯面が傾斜する。歯面傾斜は歯面接触圧力の異常上昇原因(いわゆる片あたり)になり、軸端部になるほど片当たり現象が激しい。図4aでは、内歯歯車11の接触面に働く荷重Fにより、軸20が曲げられ外歯歯車11が鎖線のように傾いた場合を示している。このために、接触面の圧力は不均一になり、接触面の軸方向に最低値から最高値に向かう変化が起こる。いわゆる片当たり現象である。
図4bは前記の問題点を改良して、歯面接触圧力の平滑化が得られるようにしたピストンポンプ12の構造図である。このピストンポンプ12は、軸20が外歯歯車11と嵌合する部分のみが異なる。この軸20の嵌合部はクラウニング形状のスプライン29としてある。a部寸法が最大であり、その大きさで歯車側の穴に対し滑合嵌合し、その左右のb部およびc部では、徐々に隙間が増す遊合嵌合になっている。外歯歯車11は、その嵌合状態の下でわずかな傾き姿勢をとることができる。歯面接触状態では、たとえ軸20が変形しても、歯面接触部には接触圧が均一になるような並行補正作用が働くから、外歯歯車11の姿勢は、歯面接触部の相互平衡原理に支配され修正される。従って外歯歯車11が鋼材の歯車の弾性変形領域全般で、自由に傾き姿勢を取りうる機構にすれば、相互平衡原理により歯面の片当たりは回避される。
図5のスリランカ南部沿岸のインド洋に面した水深5m海面に、固定設置することを想定した検討例につき説明する。図5の実施例では、沖に向けて開口した二つの水室を備えたケーソン1を使用する場合を図示している。このケーソン1の左上部には、油圧モータや発電機、蓄圧器等の主要部品類を収容するコンクリート室も設けている。ケーソン1全幅は21mで、前後の長さは18m、揺動軸5中心線までの高さを8mとした実施例である。特徴的なのは揺動軸5に支持される振子板4が、開口部の横幅から半分となる一対の水室中部上面に支えられている点である。一対の揺動軸5の両端には、8組が一体となった前記の油圧ポンプ12がそれぞれ備えられている。二つの開口部から波が入り、後壁2に当たって反射しており、節部での定常波の水平振動波流を受けて、振子板4が振子運動している。この運動がハイブリッド油圧ポンプ駆動システムを介して、発電機駆動に利用され電力生産している。その設計条件を示すと以下の通りとなる。
入射波には規則波を想定して設計条件とする。この設定の波力が水深4mの水室内へ向け次の条件で入る。入口幅:B=10m、波高:h=2m、周期:T=12s、波長:L=73.7m、波数:k=2π/L=0.08525m−1、ω=2π/T=0.5236S−1なので、海水密度:ρ=1030kg/mであるとすると、振子1台当たりの入射波パワーwは式(1)で表される。
Figure 2016037956
入射波は、幅が10mから5.4mに狭められた水路を経て振子に達するので、パワー密度が高まり、幅5メートルにした振子を使えば、波高が2mから2.7mになり、振れ角度は増加する一方で、軸トルクは減少する。結果として経済的に有利な設計となる。2台の振子に入る波力パワーの合計は、次の式(2)で示される。
2W=596kw (2)
プラント効率μ=42%の場合、発電パワー:W=250kwになる。
振子板の幅が5mで揺動軸中心から振子板下端までの長さ:7.3mとするとき、振子の揺動軸に働く最大モーメント:Tpmaxは式(3)になる。
Figure 2016037956
式(3)におけるTpmax=0.7MNmは、1回転当たり流量が約180リットルのポンプを採用し,吐出圧力:p=20MPaで運転すれば達成するので、これを本発明のハイブリッド油圧駆動システムで実現する想定である。[発明を実施するための形態]の項で記述した通り、ピストンポンプ12の回転速度は揺動軸5の8倍速に増す。インボリュート歯型、圧力角20度を採用し、転位歯切を行う。歯面荷重F=190KNに対し、十分な強度の装置が作れる。
海洋波力エネルギーのポテンシャルは、30億kwといわれながら、今も実用化していない。波力発電による電力コストダウンが進まぬことに問題がある。本発明は、高効率波力発電方式として知られる振子式波力発電装置を改良し、装置製造コストの削減と、1機当たりの発電容量増大とを可能にすることにより、低価格の電力を大量供給する技術基盤を構築して、商業的波力発電事業実現への道を提示する。これにより、自然エネルギー利用時代の実現に、波力発電分野で貢献したい。
1 ケーソン
2 ケーソンの岸側の固定壁
3 揺動ポンプ
4 振子板
5 揺動軸
6 油圧モータ
7 発電機
8 ポンプ固定筒
9 水室
10 大歯数の内歯歯車
11 小歯数の外歯歯車
12 ピストンポンプ
13 チェックバルブ
14 管路
15 リリーフバルブ
16 蓄圧器
17 吸入管
18 バルブブロック
19 シリンダブロック
20 ピストンポンプ駆動用の回転軸
21 外歯歯車側の軸受
22 斜板側の軸受
23 斜板
24 シリンダ
25 ピストン
26 スリッパー
27 スリッパー押圧板
28 取付フランジ
29 スプライン
30 端面フランジ
31 回転シール
32 プッシャー

Claims (3)

  1. 沖合からケーソン端面の固定壁に向かう進行波と固定壁にぶつかり沖合に退行する後退波との干渉で生じる定常波の節の位置に揺動可能に設置される振子板と、振子板の揺動軸で駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を受けて一定方向の回転運動を生み出す可変容量型油圧モータと、この油圧モータに連結される負荷としての発電機から成る波力発電装置において、複数のポンプを増速回転させる歯車装置と油圧ピストンポンプとを組み合わせたハイブリッド油圧ポンプ駆動システムとしたことを特徴とする振子式波力発電装置
  2. 入力軸の揺動動力を、1個の大歯数内歯歯車に複数個の同一小歯数外歯歯車を噛み合わせた増速歯車装置を複数ポンプ駆動機構とすることを特徴とする請求項1に記載の振子式波力発電装置
  3. 前記歯車装置の噛合い歯面において、大歯数内歯歯車の凹曲面に対し複数のピストンポンプ駆動用小歯車の凸曲面が接触する構造とする一方、この小歯車はその回転軸とスプラインで嵌合すると共に、このスプラインはクラウニング形状を有することを特徴とする請求項2に記載の振子式波力発電装置
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