JP2017015058A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】固定スクロール(40)の固定側鏡板部(41)の貫通孔(70)を、開口面積が大きくてガスの通過抵抗が小さくなるように形成するとともに、簡単な加工で形成できるようにする。【解決手段】固定側鏡板(41)に形成する貫通孔(70)を、圧縮機構(30)の固定側ラップの内周面と可動側ラップの外周面の間の第1圧縮室と固定側ラップ(42)の外周面と可動側ラップ(37)の内周面との間の第2圧縮室(31b)に同時に連通せずに、大きな開口面積が得られるように、ラップの渦巻きの方向に沿って傾斜させた貫通孔(70)にする。【選択図】図2B

Description

本発明は、スクロール圧縮機に関し、特に、固定スクロールの固定側鏡板部を貫通して形成される貫通孔の構造に関するものである。
従来、スクロール圧縮機では、固定スクロールが有している固定側鏡板部に、圧縮室の内外を連通する貫通孔を形成したものがある(例えば、特許文献1,2参照)。上記貫通孔は、特許文献1では、圧縮途中の冷媒の一部を吸入側に戻すアンロード運転を行うためのバイパスポートとして用いられており、特許文献2では、過圧縮を防止するために圧縮室から低圧側へ冷媒を逃がすリリーフポートとして用いられている。また、上記貫通孔は、圧縮途中の圧縮室に中間圧冷媒を注入するインジェクションポートとして用いられることもある。
特許文献1,2では、上記貫通孔は、固定スクロールのラップ(固定側鏡板部と一体に形成されている渦巻き状の壁)の方向に複数の小さな孔を並べたり、該ラップの方向に延びる長孔にしたりすることで形成している。貫通孔を複数の小さな孔で構成したり長孔にしたりしている理由は、ラップよりも貫通孔の直径寸法が大きくなると、固定スクロールのラップの外側に形成される第1圧縮室と該ラップの内側に形成される第2圧縮室とが運転中に連通してしまうため、これを避けるためにラップの壁の厚さよりも直径寸法を小さくする必要があるのに対して、孔径を小さくするとガスの通過抵抗が大きくなるが、ラップの渦巻きの方向に長くすれば開口面積を大きくすることができ、ガスの通過抵抗を小さくできるためである。
特許第2551164号公報 特許第5195774号公報
しかしながら、ラップの渦巻きの方向に直径の小さな複数の孔を並べて形成するためにはドリル加工を複数回行う必要があり、ラップの渦巻きの方向に延びる長孔を形成するにはエンドミル加工が必要になる。そして、いずれの場合も加工が複雑になる。そのため、特許文献1,2の構造では、加工コストが比較的高くなるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定スクロールの固定側鏡板部の貫通孔を、開口面積が大きくてガスの通過抵抗が小さくなるように形成するとともに、簡単な加工で形成できるようにすることである。
第1の発明は、固定側鏡板部(41)及び該固定側鏡板部(41)に形成された固定側ラップ(42)を有する固定スクロール(40)と、可動側鏡板部(36)及び該可動側鏡板部(36)に形成された可動側ラップ(37)を有する可動スクロール(35)を有する圧縮機構(30)を備え、上記圧縮機構(30)には、固定スクロール(40)と可動スクロール(35)とが噛み合って上記両ラップ(37,42)の間に圧縮室(31)が形成され、上記固定側鏡板部(41)に該圧縮室(31)の内外を連通して流体が通過する貫通孔(70)が形成されたスクロール圧縮機を前提としている。
そして、このスクロール圧縮機は、上記貫通孔(70)が、その中心線が上記固定側鏡板部(41)に垂直な線分に対して所定角傾斜していて開口形状が長円形状であり、その長円の長径が上記可動側ラップ(37)の歯厚よりも大きい寸法であってかつ上記可動側ラップ(37)の渦巻きに沿った方向に配置され、上記長円の短径が上記可動側ラップ(37)の歯厚未満の寸法であってかつ固定側ラップ(42)の内周面と可動側ラップ(37)の外周面側との間の第1圧縮室(31a)と固定側ラップ(42)の外周面と可動側ラップ(37)の内周面との間の第2圧縮室(31b)に上記貫通孔(70)が同時に連通しないように形成されていることを特徴としている。
この第1の発明では、上記貫通孔(70)を固定側鏡板部(41)に垂直な線分に対して傾斜させることにより、長円形状になった開口の長径が可動側ラップ(37)の歯厚よりも大きい寸法でラップの渦巻きの方向に沿い、かつ開口の短径が上記可動側ラップ(37)の歯厚未満の寸法となるようにしている。このことにより、面積が大きな貫通孔(70)の開口を通って流体が流れるので、流体の通過抵抗を小さく抑えられる。
第2の発明は、第1の発明において、上記貫通孔(70)が、流体が通過する際の最小面積である流体透過面積(P)が、該貫通孔(70)の軸直角断面の面積(A)よりも大きくなるように上記傾斜角度が定められていることを特徴としている。
この第2の発明では、流体が通過する際の最小面積である流体透過面積(P)が貫通孔(70)の軸直角断面の面積(A)よりも大きくなるように上記傾斜角度を定めて上記貫通孔(70)を形成しているので、流体の通過抵抗を確実に抑えられる。
第3の発明は、第2の発明において、上記固定側鏡板部(41)には、座ぐり加工部(72)が形成され、該座ぐり加工部(72)に連通する位置に上記貫通孔(70)が形成されていることを特徴としている。
この第3の発明では、固定側鏡板部(41)の座ぐり加工部(72)に連通する位置に上記管津孔を形成しているので、貫通孔(70)を形成する部分の鏡板の厚さが座ぐり加工部(72)の座ぐりの深さの分だけ薄くなる。そのため、板厚の薄い部分に貫通孔(70)を形成することになるので、傾斜させて形成した貫通孔(70)の流体が通過する最小面積がより小さくなり、通過抵抗をより確実に抑えられる。
第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記貫通孔(70)が、上記固定側ラップ(42)の内周面と外周面との中間位置に形成され、上記第1圧縮室(31a)に連通する第1連通状態と第2圧縮室(31b)に連通する第2連通状態とに、上記可動側ラップ(37)で閉塞される閉塞状態を挟んで交互に切り換わることを特徴としている。
この第4の発明では、1つの貫通孔(70)が第1圧縮室(31a)と第2圧縮室(31b)を交互に開閉し、リリーフポートやインジェクションポートとして機能する。
第5の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記貫通孔(70)が、上記固定側ラップ(42)の内周面に沿った位置に形成されて上記第1圧縮室(31a)に連通する連通状態と上記可動側ラップ(37)に閉塞される閉塞状態とに交互に切り換わる第1貫通孔(70)と、上記固定側ラップ(42)の外周面に沿った位置に形成されて上記第2圧縮室(31b)に連通する連通状態と上記可動側ラップ(37)に閉塞される閉塞状態とに交互に切り換わる第2貫通孔(70)とを含んでいることを特徴としている。
この第5の発明では、第1貫通孔(70)が第1圧縮室(31a)を開閉し、第2貫通孔(70)が第2圧縮室(31b)を開閉し、それぞれがリリーフポートやインジェクションポートとして機能する。
本発明によれば、上記貫通孔(70)を固定側鏡板部(41)に垂直な線分に対して傾斜させて、長円形状になった開口の長径が可動側ラップ(37)の歯厚よりも大きい寸法でラップの渦巻きの方向に沿い、かつ開口の短径が上記可動側ラップ(37)の歯厚未満の寸法となるようにしたことにより、面積が大きな貫通孔(70)の開口を通って流体が流れることで流体の通過抵抗を小さく抑えられるのに加えて、貫通孔(70)を簡単な加工で形成することができる。したがって、スクロール圧縮機の加工コストを抑えることが可能になる。
上記第2の発明によれば、流体が通過する際の最小面積である流体透過面積(P)が貫通孔(70)の軸直角断面の面積(A)よりも大きくなるように上記傾斜角度を定めて上記貫通孔(70)を形成しているので、流体の通過抵抗を確実に抑えられるとともに、貫通孔(70)の加工が複雑になることも防止できる。
上記第3の発明によれば、貫通孔(70)を形成する部分の固定側鏡板部(41)の厚さが座ぐり加工部(72)の座ぐりの深さの分だけ薄くなり、板厚の薄い部分に貫通孔(70)を形成することにより、傾斜させて形成した貫通孔(70)の流体が通過する最小面積がより小さくなり、通過抵抗をより確実に抑えられるうえ、貫通孔(70)を形成するのが固定側鏡板部(41)の板厚の薄い部分であるので加工を簡単にすることができる。
上記第4の発明によれば、1つの貫通孔(70)が第1圧縮室(31a)と第2圧縮室(31b)を交互に開閉するので、1つの貫通孔(70)が各圧縮室(31)に共通のリリーフポートやインジェクションポートとして機能する構造を実現できる。
上記第5の発明によれば、第1貫通孔(70)が第1圧縮室(31a)を開閉し、第2貫通孔(70)が第2圧縮室(31b)を開閉するので、それぞれが各圧縮室(31)に個別のリリーフポートやインジェクションポートとして機能する構造を実現できる。
図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図2Aは、固定スクロールの平面図である。 図2Bは、図2AのIIB−IIB線断面図である。 図2Cは、固定スクロールの底面図である。 図3Aは、固定スクロールの底面図であり、固定側ラップと可動側ラップのかみ合い状態を示す。 図3Bは、図3Aの部分拡大図である。 図3Cは、固定スクロールと可動スクロールのかみ合い状態を示す断面図である。 図4Aは、固定スクロールの部分拡大断面図であり、貫通孔の形状を示す。 図4Bは、図4Aの底面図である。 図5Aは、比較例の固定スクロールの部分拡大断面図であり、貫通孔の形状を示す。 図5Bは、図5Aの底面図である。 図6Aは、他の比較例の固定スクロールの部分拡大断面図であり、貫通孔の形状を示す。 図6Bは、図6Aの底面図である。 図7は、実施形態の圧縮機構の動作状態を示す図である。 図8は、比較例の圧縮機構の動作状態を示す図である。 図9Aは、変形例1の可動側鏡板部の拡大断面図である。 図9Bは、図9Aの平面図である。 図9Cは、図9AのIXC線矢視図である。 図10Aは、変形例2の可動側鏡板部の拡大断面図である。 図10Bは、図10Aの平面図である。 図11Aは、変形例3の可動側鏡板部の拡大断面図である。 図11Bは、図11Aの平面図である。 図12Aは、変形例4の可動側鏡板部の拡大断面図である。 図12Bは、図12Aの平面図である。 図13は、実施形態2の圧縮機構の動作状態図である。 図14は、実施形態2の比較例の圧縮機構の動作状態図である。 図15は、実施形態3の圧縮機構の動作状態図である。 図16は、実施形態3の比較例の圧縮機構の動作状態図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の構成を示す縦断面図である。スクロール圧縮機(10)は、例えば、空気調和装置に設けられた、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されるものである。スクロール圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、回転式の圧縮機構(30)と、圧縮機構(30)を回転駆動する駆動機構(20)とを備えている。
ケーシング(11)は、両端が閉塞された縦長円筒状の密閉容器で構成されており、円筒状の胴部(12)と、胴部(12)の上端側に固定された上部鏡板(13)と、胴部(12)の下端側に固定された下部鏡板(14)とを備えている。
ケーシング(11)の内部は、ケーシング(11)の内周面に接合されたハウジング(50)によって上下に区画されている。ハウジング(50)よりも上側の空間が上部空間部(15)を構成し、ハウジング(50)よりも下側の空間が下部空間部(16)を構成している。このハウジング(50)の構成については後述する。
ケーシング(11)における下部空間部(16)の底部には、スクロール圧縮機(10)の摺動部分を潤滑する油が貯留される油溜まり部(17)が設けられている。
ケーシング(11)には、吸入管(18)及び吐出管(19)が取り付けられている。この吸入管(18)の一端部は、吸入管継手(47)に接続されている。吐出管(19)は、胴部(12)を貫通している。この吐出管(19)の端部は、ケーシング(11)の下部空間部(16)に開口している。
駆動機構(20)は、圧縮機構(30)の下方に位置する電動機(21)と、駆動軸(23)とを備えている。電動機(21)は、ケーシング(11)の下部空間部(16)に収容されている。電動機(21)は、円筒状に形成されたステータ(21a)およびロータ(21b)を備えている。ステータ(21a)は、ケーシング(11)の胴部(12)に固定されている。ステータ(21a)の外周面には、ステータ(21a)の上端面から下端面に亘りかつ周方向に所定間隔をおいて複数個所に切り欠き部としてのコアカット(21c)が切り欠き形成されている。
ステータ(21a)の中空部には、ロータ(21b)が配置されている。ロータ(21b)の中空部には、ロータ(21b)を貫通するように駆動軸(23)が固定されており、ロータ(21b)と駆動軸(23)とが一体で回転するようになっている。
駆動軸(23)は、上下方向に延びる主軸部(24)と、主軸部(24)の上側に設けられた偏心部(25)とを有し、それらが一体的に形成されている。偏心部(25)は、主軸部(24)の最大径よりも小径に形成されており、偏心部(25)の軸心は、主軸部(24)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。駆動軸(23)における主軸部(24)の下端部分(下部主軸部(26))は、ケーシング(11)における胴部(12)の下端付近に固定された下部軸受部(28)に回転可能に支持されている。また、主軸部(24)の上端部分は、ハウジング(50)が有する軸受部(53)に回転可能に支持されている。駆動軸(23)の内部には、軸心方向に沿って延びる給油路(27)が形成されている。
また、駆動軸(23)の下端部には、油を吸い上げるための吸入部材としての吸入ノズル(75)が設けられている。吸入ノズル(75)により容積式のポンプが構成されている。吸入ノズル(75)の吸入口(75a)は、ケーシング(11)の油溜まり部(17)に開口している。吸入ノズル(75)の吐出口は、駆動軸(23)の給油路(27)に連通するように接続されている。吸入ノズル(75)によって油溜まり部(17)から吸い上げられた油は、給油路(27)を流通してスクロール圧縮機(10)の摺動部分へ供給される。
圧縮機構(30)は、可動スクロール(35)と、固定スクロール(40)と、ハウジング(50)とを備えた、いわゆるスクロール型の圧縮機構である。ハウジング(50)及び固定スクロール(40)は、互いにボルトで締結されており、その間に可動スクロール(35)が収容されている。
可動スクロール(35)は、ほぼ円板状の可動側鏡板部(36)を有している。この可動側鏡板部(36)の上面に可動側ラップ(37)が立設している。この可動側ラップ(37)は、可動側鏡板部(36)の中心付近から径方向外方へ渦巻き状に延びる壁体である。また、可動側鏡板部(36)の下面にボス部(軸受部)(38)が突設されている。
固定スクロール(40)は、ほぼ円板状の固定側鏡板部(41)を有している。この固定側鏡板部(41)の下面に固定側ラップ(42)が立設している。この固定側ラップ(42)は、固定側鏡板部(41)の中心付近から径方向外方へ渦巻き状に延び、且つ可動スクロール(35)の可動側ラップ(37)と噛み合うように形成された壁体である。この固定側ラップ(42)と可動側ラップ(37)との間に圧縮室(31)が形成されている。
上記圧縮室(31)は、図3Aに示すように、固定側ラップ(42)の内周面と可動側ラップ(37)の外周面側との間の第1圧縮室(31a)と、固定側ラップ(42)の外周面と可動側ラップ(37)の内周面との間の第2圧縮室(31b)とを含んでいる。
固定スクロール(40)は、固定側ラップ(42)の最外周壁から径方向外方へ連続する外縁部(43)を有している。この外縁部(43)の下端面がハウジング(50)の上端面に固定される。また、この外縁部(43)には、上方へ開口する開口部(44)が形成されている。そして、この開口部(44)の内部と圧縮室(31)の最外周端とを連通する吸入ポート(34)が外縁部(43)に形成されている。この吸入ポート(34)は、圧縮室(31)の吸入位置に開口している。なお、この外縁部(43)の開口部(44)には、上述した吸入管継手(47)が接続されている。
また、固定スクロール(40)の固定側鏡板部(41)には、固定側ラップ(42)の中心付近に位置して上下方向へ貫通する吐出ポート(32)が形成されている。この吐出ポート(32)の下端は、圧縮室(31)の吐出位置に開口している。吐出ポート(32)の上端は、固定スクロール(40)の上部に区画された吐出室(46)に開口している。また、図示しないが、この吐出室(46)は、ケーシング(11)の下部空間部(16)に連通している。
ハウジング(50)は、ほぼ円筒状に形成されている。ハウジング(50)の外周面は、その下側部分に対して上側部分が大径になるように形成されている。そして、この外周面の上側部分がケーシング(11)の内周面に固定されている。
ハウジング(50)の中空部には、駆動軸(23)が挿入されている。また、この中空部は、中空部の下側部分に対して上側部分が大径になるように形成されている。中空部の下側部分に軸受部(53)が形成されている。この軸受部(53)が駆動軸(23)における主軸部(24)の上端部分を回転可能に支持する。また、中空部の上側部分はシール部材(55)に仕切られてクランク室(54)を構成する。クランク室(54)は可動スクロール(35)の背面に面している。ハウジング(50)の上面と可動スクロール(35)の背面との間には、シール部材(55)が嵌合されている。また、このクランク室(54)には、可動スクロール(35)のボス部(38)が位置している。このボス部(38)には、軸受部(53)の上端から突出した駆動軸(23)の偏心部(25)が係合していて、圧縮機構(30)が駆動軸(23)で回転駆動される。
ボス部(38)には、駆動軸(23)の偏心部(25)を回転可能に支持する第1滑り軸受(29a)が装着されている。軸受部(53)には、駆動軸(23)の主軸部(24)を回転可能に支持する第2滑り軸受(29b)が装着されている。下部軸受部(28)には、駆動軸(23)の下部主軸部(26)を回転可能に支持する第3滑り軸受(29c)が装着されている。
駆動軸(23)の給油路(27)を通った油は、第1滑り軸受(29a)と偏心部(25)との間に供給された後でクランク室(54)に流れ込む。従って、このクランク室(54)は、ケーシング(11)の下部空間部(16)と同じ圧力となる。そして、このクランク室(54)の圧力が可動スクロール(35)の背面に作用して、可動スクロール(35)を固定スクロール(40)へ押し付ける。
圧縮機構(30)のハウジング(50)には、クランク室(54)内に流れ込んだ油をハウジング(50)の外部に排出するための排油通路(56)が形成されている。排油通路(56)は、クランク室(54)内から径方向外方に延びる第1通路(56a)と、この第1通路(56a)から下方へ延びる第2通路(56b)とを有している。第2通路(56b)は、ケーシング(11)の胴部(12)の内面に沿って形成されている。排油通路(56)の下端開口の下方には、排油通路(56)から流れ出た油を電動機(21)のコアカット(21c)に導くための油戻し板(60)が配設されている。
本実施形態のスクロール圧縮機(10)は、上述したように、固定側鏡板部(41)及び該固定側鏡板部(41)に形成された固定側ラップ(42)を有する固定スクロール(40)と、可動側鏡板部(36)及び該可動側鏡板部(36)に形成された可動側ラップ(37)を有する可動スクロール(35)を有する圧縮機構(30)を備え、上記圧縮機構(30)には、固定スクロール(35)と可動スクロール(40)とが噛み合って上記両ラップ(37,42)の間に圧縮室(31)が形成されている。そして、上記固定側鏡板部(41)には、図2A,図2B,図2Cに示すように、該圧縮室(31)の内外を連通して流体が通過するリリーフポート(貫通孔)(70)が形成されている。
また、固定スクロール(40)の底面図において固定側ラップ(42)と可動側ラップ(37)のかみ合い状態を表している図3Aに示すように、上記圧縮室(31)は、固定側ラップ(42)の内周面と可動側ラップ(37)の外周面側との間の第1圧縮室(31a)と、固定側ラップ(42)の外周面と可動側ラップ(37)の内周面との間の第2圧縮室(31b)とを含んでいる。
上記リリーフポート(70)は、図3Aの部分拡大図である図3B、固定スクロールと可動スクロールのかみ合い状態を示す断面図である図3C、固定スクロールの部分拡大断面図において貫通孔の形状を示す図4A、そして図4Aの底面図である図4Bに示すように、その中心線(C)が上記固定側鏡板部(41)に垂直な線分(L)に対して傾斜角度(θ)で傾斜していて、開口(O)の形状が長円形状になっている。リリーフポート(70)は、例えばドリルを固定側鏡板部(41)に対して傾斜させて加工することで形成できる。
また、リリーフポート(70)は、その開口(O)の長円の長径(D1)が上記可動側ラップ(37)の歯厚(t)よりも大きい寸法であって、かつ上記可動側ラップ(37)の渦巻きに沿った方向に配置されている。さらに、上記リリーフポート(70)は、上記長円の短径(D2)が上記可動側ラップ(37)の歯厚(t)未満の寸法であって、かつ上記第1圧縮室(31a)と第2圧縮室(31b)とに同時に連通しないように形成されている。
上記リリーフポート(70)は、図4A,図4Bに示すように、流体が通過する際の最小面積である流体透過面積(P)が、該リリーフポート(70)の軸直角断面の面積(A)よりも大きくなるように上記傾斜角度(θ)が定められている。具体的には、図4Aに示す仮想傾斜面(P)が上記流体透過面積(P)であり、この流体透過面積(P)が上記軸直角断面の面積(A)よりも大きな面積になっている。この流体透過面積(P)は、図4Aの可動側鏡板部(41)の上面の点(P1)と下面の点(P2)を通る平面であり、この流体透過面積(P)をリリーフポート(70)の軸直角断面積(C)より大きくすることにより、流体透過面積(P)とリリーフポート(70)の中心線(C)とのなす開口角度(α)が90度よりも大きくなる。また、リリーフポート(70)に軸直角でかつ点P1を通る仮想平面(上記軸直角の断面(A)は、点P2を通過せず、リリーフポート(70)の下面の開口における点P2の延長線上の点(P2’)を通過する。そして、流体透過面積(P)を上記軸直角断面の面積(A)よりも大きくすることにより、流体(冷媒)の通過抵抗を小さくできる。
これに対して、図5A,図5Bに示すように上記開口角度(α)が90よりも小さい場合や、図6A,図6Bに示すように上記開口角度(α)が90°である場合は、流体透過面積(P)が上記軸直角断面の面積(A)よりも大きな面積にならない。したがって、流体の通過抵抗も小さくならないことになる。
リリーフポート(70)には、図2A,図2Bに示すようにリリーフ弁(71)が装着されている。リリーフ弁(71)は、圧縮室(31)の内部の圧力と圧縮室(31)の外部の圧力との圧力差が所定値以上になったときに開かれて、圧縮室(31)の内部の高圧の冷媒を外部へ流出させるものである。また、リリーフ弁(71)の開度は弁抑え(71a)で制限されている。
上記リリーフポート(70)は、図3Aに示すように、上記固定側ラップ(42)の内周面と外周面との中間の位置に形成されている。このことにより、上記リリーフポート(70)は、同図に示すように、上記第1圧縮室(31a)に連通する第1連通状態と、第2圧縮室(31b)に連通する第2連通状態とに、上記可動側ラップ(37)で閉塞される閉塞状態を挟んで交互に切り換わるように構成されている。
つまり、この実施形態では、1つのリリーフポート(70)が、第1圧縮室(31a)用のリリーフポートと、第2圧縮室(31b)用のリリーフポートを兼ねるように構成されている。
−運転動作−
次に、上述したスクロール圧縮機(10)の運転動作について説明する。スクロール圧縮機(10)の電動機(21)に通電されると、ロータ(21b)とともに駆動軸(23)が回転し、可動スクロール(35)が公転運動する。この可動スクロール(35)の公転運動に伴って、圧縮室(31)の容積が周期的に増減を繰り返す。
具体的に、駆動軸(23)が回転すると、吸入ポート(34)から圧縮室(31)へ冷媒が吸入される。そして、駆動軸(23)の回転に伴い、圧縮室(31)が閉じ切られる。さらに、駆動軸(23)の回転が進むことで、圧縮室(31)の容積が縮小し始め、圧縮室(31)における冷媒の圧縮が開始される。
その後、圧縮室(31)の容積がさらに縮小し、この圧縮室(31)の容積が所定容積まで縮小したときに、吐出ポート(32)が開く。この吐出ポート(32)を通じて、圧縮室(31)で圧縮された冷媒が固定スクロール(40)の吐出室(46)へ吐出される。この吐出室(46)の冷媒は、ケーシング(11)の下部空間部(16)を介して吐出管(19)から吐出される。なお、上述したように、下部空間部(16)はクランク室(背圧空間)(54)と連通しており、このクランク室(54)の冷媒圧力で、可動スクロール(35)が固定スクロール(40)へ押し付けられる。
また、圧縮機構(30)が起動すると、油溜まり部(17)の油は、容積ポンプの作用によって吸入ノズル(75)の吸入口(75a)から吸い上げられる。そして、吸入ノズル(75)から吸い上げられた油は、駆動軸(23)の給油路(27)を流通して、可動スクロール(35)および固定スクロール(40)のスラスト摺動面、ボス部(38)の第1滑り軸受(29a)と偏心部(25)の摺動面、ハウジング(50)の軸受部(53)の第2滑り軸受(29b)と主軸部(24)の摺動面、および下部軸受部(28)の第3滑り軸受(29c)と下部主軸部(26)の摺動面等の摺動部分に供給される。各摺動部分に供給された後の油は、油溜まり部(17)に回収される。
−リリーフ弁の動作−
本実施形態では、圧縮室(31a)の内部で過圧縮が発生する状態になるとリリーフ弁(71)が開く。リリーフ弁(71)が開くと、圧力が高くなりすぎた冷媒が圧縮室(31a)の外へ流出することにより、過圧縮の状態が解消される。
本実施形態では、リリーフポート(70)を固定側鏡板部(41)に垂直な線分(L)に対して傾斜角度(θ)で傾斜させ、流体透過面積(P)をリリーフポート(70)の軸直角断面の面積(C)より大きくしているので、冷媒の通過抵抗を小さくすることができる。通過抵抗が大きいと冷媒が流れにくくなるので過圧縮が解消されにくい問題があるが、本実施形態では流体の通過抵抗が小さいので、過圧縮の状態が確実に解消される。
圧縮機構(30)の動作中のリリーフポート(70)の開閉状態について、リリーフポート(70)を長円形状にした本実施形態と真円形状にした比較例とを、図7(本実施形態)と図8(比較例)とを用いて対比して説明する。なお、リリーフポート(70)は、図7,図8のいずれも、図の簡略化のために1つだけ示している。
まず、本実施形態と比較例のいずれも、リリーフポート(70)が開き始める角度をAの0°とする。図7,図8において可動スクロール(35)の可動側ラップ(37)が時計回り方向に公転すると、比較例ではBの44°で全開になり、第1圧縮室(31a)と連通するのに対して、本実施形態では35°でリリーフポートの必要面積(比較例の全開と同じ面積)が開口し、第1圧縮室(31a)と連通する。その後、可動スクロール(35)が公転を続けると、Cの閉じ始めの状態まで、比較例ではリリーフポート(70)が第1圧縮室(31a)に95°の範囲の間に連通し、本実施形態では110°の範囲の間に連通する。
また、可動スクロール(35)がさらに公転を続けると、比較例では、リリーフポート(70)が第2圧縮室(31b)に103°の範囲の間に連通するのに対して、本実施形態では、リリーフポート(70)が第2圧縮室(31b)に118°の範囲の間に連通する。
このように、本実施形態では必要な開口面積が開くのが早く、長い間開口したのち、早く閉じる。したがって、本実施形態では、過圧縮時のリリーフポート(70)の開口が早く始まって長く行われるから、過圧縮冷媒の流出を長い時間をかけて確実に行うことができる。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、上記貫通孔(70)を固定側鏡板部(41)に垂直な線分(L)に対して傾斜角度(θ)で傾斜させて、長円形状になった開口(O)の長径(D1)が可動側ラップ(37)の歯厚(t)よりも大きい寸法になって該可動側ラップ(37)の渦巻きの方向に沿い、かつ開口(O)の短径が上記可動側ラップ(37)の歯厚(t)未満の寸法となるようにしたことにより、面積が大きな貫通孔(70)の開口(O)を通って流体を流すことで流体の通過抵抗を小さく抑えられる。また、本実施形態によれば、貫通孔(70)を簡単な加工で形成することができる。したがって、スクロール圧縮機の加工コストを抑えることが可能になる。
さらに、リリーフポートを真円形状にした場合に比べて、過圧縮時のリリーフポート(70)の開口が早く始まって長く行われ、過圧縮冷媒の流出を長い時間をかけて確実に行うことができるので、圧縮機の性能を高められる。
また、本実施形態によれば、流体が通過する際の最小面積である流体透過面積(P)が貫通孔(70)の軸直角断面の面積(A)よりも大きくなるように上記傾斜角度を定めて上記貫通孔(70)を形成しているので、流体の通過抵抗を確実に抑えられる。
−実施形態1の変形例−
<変形例1>
上記実施形態では、可動側鏡板部(41)にドリルを傾斜させた状態で加工することによりリリーフポート(70)を形成するようにしていたが、図9A〜図9Cに示す方法で加工してもよい。
図9Aは変形例1の可動側鏡板部(41)の拡大断面図、図9Bは図9Aの平面図、図9Cは図9AのIXC線矢視図である。この変形例1の可動側鏡板部(41)は、段差部(41a)を有し、段差部(41a)の端部が傾斜面(41b)になっている。
この変形例1では、上記リリーフポート(70)は傾斜面(41b)に対して直角にドリルを当てて加工することができる。したがって、リリーフポートを容易に形成することが可能になる。
また、この変形例において、段差部(41a)を境界面(41c)に沿って削り落とせば、実施形態1と同様に可動側鏡板部(41)の上面が平坦な構成においてリリーフポート(70)が傾斜した構成を容易に実現できる。
<変形例2>
変形例2は、上記固定側鏡板部(41)の表面側に座ぐり加工部(72)を形成し、この座ぐり加工部(72)に連通する位置に上記リリーフポート(70)を形成した例である。図10Aは変形例2の可動側鏡板部(41)の拡大断面図、図10Bは図10Aの平面図である。
この変形例2では、座ぐり加工部(72)を形成することにより可動側鏡板部(41)の厚さが薄くなるので、リリーフポート(70)をドリル加工で形成しやすくなる。
<変形例3>
変形例3は、変形例2の座ぐり加工部(72)がエンドミルで加工することにより底面を平坦にしたものであるのに対して、座ぐり加工部を大径のドリルで加工することにより,底面に円錐面(72a)を形成するようにした例である。図11Aは変形例3の可動側鏡板部(41)の拡大断面図、図11Bは図11Aの平面図である。
このようにすると、リリーフポート(70)を形成するための小径のドリルを円錐面(72a)に対して直角に当てて加工することができるので、変形例2と比べて加工を簡単に行うことが可能になる。
<変形例4>
変形例4は、変形例2の座ぐり加工部(72)とリリーフポート(70)の相対的な位置関係を変更した例である。図12Aは変形例4の可動側鏡板部(41)の拡大断面図、図12Bは図12Aの平面図である。
この変形例4では、リリーフポート(70)を、可動側鏡板部(41)の上面から座ぐり加工部(72)の側面及び底面を通り、可動側鏡板部(41)の底面を貫通するように形成している。このようにすると、リリーフポート(70)の流出口が可動側鏡板部(41)の上面と座ぐり加工部(72)の底面との2箇所に形成されるので、流出口の面積が大きくなる。従って、流体の通過抵抗を小さくすることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
本発明の実施形態2は、リリーフポート(70)の位置を実施形態1とは異なるようにした例である。図13は実施形態2の圧縮機構の動作状態図、図14は比較例の圧縮機構の動作状態図である。
この実施形態2では、上記リリーフポート(70)は、上記固定側ラップ(42)の内周面に沿った位置に形成されている。このリリーフポート(70)は、上記第1圧縮室(31a)に連通するBの連通状態と、上記可動側ラップ(37)に閉塞されるCの閉塞状態と、上記第2圧縮室に連通するDの連通状態と、上記可動側ラップ(37)に閉塞されるAの閉塞状態とに交互に切り換わるように構成されている。
図13の実施形態2では、Aの全閉状態(開き始める状態)から必要開口面積が得られるまでの角度が35°であるのに対し、図14の比較例では、Aの全閉状態(開き始める状態)から全開状態(必要開口面積が得られる状態)までの角度が58°である。
この実施形態では、上記リリーフポート(70)は第1圧縮室(31a)の過圧縮の冷媒を逃がすように形成されている。なお、本実施形態では、第2圧縮室(31b)に対応するリリーフポートは形成されていない。
圧縮機(10)のその他の構成は実施形態1と同じである。
この実施形態2においても、リリーフポート(70)を真円ではなく長円形状にしたことにより、必要な開口面積が開くのが早く、長い間開口した後に早く閉じる。したがって、この実施形態2においても、過圧縮時のリリーフポート(70)の開口が早く始まって長く行われるから、過圧縮冷媒の流出を長い時間をかけて確実に行うことができる。
また、実施形態1のその他の効果は、この実施形態2においても同様に得ることができる。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。
本発明の実施形態3は、リリーフポート(70)の位置を実施形態1,2とは異なるようにした例である。図15は実施形態2の圧縮機構の動作状態図、図16は比較例の圧縮機構の動作状態図である。
この実施形態3では、リリーフポート(70)は、上記固定側ラップ(42)の内周面に沿った位置に形成されて上記第1圧縮室(31a)(B,Dの状態を参照)に連通する連通状態と、上記可動側ラップ(37)に閉塞される閉塞状態(A,Cの状態を参照)とに交互に切り換わる第1リリーフポート(第1貫通孔)(70a)と、上記固定側ラップ(42)の外周面に沿った位置に形成されて上記第2圧縮室(31b)に連通する連通状態(B,Dの状態を参照)と、上記可動側ラップ(37)に閉塞される閉塞状態(A,Cの状態を参照)とに交互に切り換わる第2リリーフポート(第2貫通孔)(70b)を含んでいる。
つまり、この実施形態では、第1圧縮室(31a)用の第1リリーフポート(70a)と第2圧縮室(31b)用の第2リリーフポート(70b)が別々に形成されている点が実施形態2と異なっている。
圧縮機(10)のその他の構成は実施形態1,2と同じである。
この実施形態3においても、リリーフポート(70)を真円ではなく長円形状にしたことにより、必要な開口面積が開くのが早く、長い間開口した後に早く閉じる。したがって、この実施形態3においても、過圧縮時のリリーフポート(70)の開口が早く始まって長く行われるから、過圧縮冷媒の流出を長い時間をかけて確実に行うことができる。
また、実施形態1,2のその他の効果は、この実施形態3においても同様に得ることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記各実施形態では、本発明の貫通孔をリリーフポートに適用した例を説明したが、本発明の貫通孔は、圧縮途中の冷媒の一部を吸入側に戻すアンロード運転を行うためのバイパスポートに適用してもよいし、圧縮途中の圧縮室に中間圧冷媒を注入するインジェクションポートとして用いてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、スクロール圧縮機においてリリーフポートやインジェクションポートとして固定側鏡板部に形成される貫通孔の構造について有用である。
10 スクロール圧縮機
30 圧縮機構
31 圧縮室
35 可動スクロール
36 可動側鏡板部
37 可動側ラップ
40 固定スクロール
41 固定側鏡板部
41 固定側ラップ
70 リリーフポート(貫通孔)
70a 第1貫通孔
70b 第2貫通孔
72 座ぐり加工部
A 軸直角断面の面積
P 流体透過面積
θ 傾斜角度

Claims (5)

  1. 固定側鏡板部(41)及び該固定側鏡板部(41)に形成された固定側ラップ(42)を有する固定スクロール(40)と、
    可動側鏡板部(36)及び該可動側鏡板部(36)に形成された可動側ラップ(37)を有する可動スクロール(35)を有する圧縮機構(30)を備え、
    上記圧縮機構(30)には、固定スクロール(40)と可動スクロール(35)とが噛み合って上記両ラップ(37,42)の間に圧縮室(31)が形成され、上記固定側鏡板部(41)に該圧縮室(31)の内外を連通して流体が通過する貫通孔(70)が形成されたスクロール圧縮機であって、
    上記貫通孔(70)は、その中心線が上記固定側鏡板部(41)に垂直な線分に対して傾斜角度(θ)で傾斜していて開口形状が長円形状であり、その長円の長径が上記可動側ラップ(37)の歯厚よりも大きい寸法であってかつ上記可動側ラップ(37)の渦巻きに沿った方向に配置され、上記長円の短径が上記可動側ラップ(37)の歯厚未満の寸法であってかつ固定側ラップ(42)の内周面と可動側ラップ(37)の外周面側との間の第1圧縮室(31a)と固定側ラップ(42)の外周面と可動側ラップ(37)の内周面との間の第2圧縮室(31b)に上記貫通孔(70)が同時に連通しないように形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記貫通孔(70)は、流体が通過する際の最小面積である流体透過面積(P)が、上記該貫通孔(70)の軸直角断面の面積(A)よりも大きくなるように上記傾斜角度(θ)が定められていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項2において、
    上記固定側鏡板部(41)には、座ぐり加工部(72)が形成され、該座ぐり加工部(72)に連通する位置に上記貫通孔(70)が形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記貫通孔(70)は、上記固定側ラップ(42)の内周面と外周面との中間の位置に形成され、上記第1圧縮室(31a)に連通する第1連通状態と第2圧縮室(31b)に連通する第2連通状態とに、上記可動側ラップ(37)で閉塞される閉塞状態を挟んで交互に切り換わることを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項1から3の何れか1つにおいて、
    上記貫通孔(70)は、上記固定側ラップ(42)の内周面に沿った位置に形成されて上記第1圧縮室(31a)に連通する連通状態と上記可動側ラップ(37)に閉塞される閉塞状態とに交互に切り換わる第1貫通孔(70a)と、上記固定側ラップ(42)の外周面に沿った位置に形成されて上記第2圧縮室(31b)に連通する連通状態と上記可動側ラップ(37)に閉塞される閉塞状態とに交互に切り換わる第2貫通孔(70b)とを含んでいることを特徴とするスクロール圧縮機。
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