JP2017014864A - 鉄筋コンクリート構造物の隅角部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄筋コンクリート構造物における隅角部の構造であって、前記隅角部を、鋼繊維補強コンクリート、より好ましくは該隅角部に隣接する構成部材で用いるコンクリートよりも引張軟化特性に優れる鋼繊維補強コンクリートで構築したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
図4(a)は、道路系カルバートでの配筋態様を示しており、主筋aと直交する方向に、複数の隅角部補強筋cを設けている。
図4(b)は、鉄道系カルバートでの配筋態様を示しており、ハンチ筋bと直交する方向に複数の隅角部補強筋cを設けている。
特許文献1は、鉄筋コンクリート造建物の柱梁接合部における接合構造に係る発明であり、隅角部に、一辺が柱主筋に沿い、他辺が梁主筋に沿うように配筋された隅角部補強筋を設けている。
<1>隅角部内部の配筋量が増えるため、配筋の取り回し作業が煩雑となったり、コンクリートの充填作業が難しくなったりするなど、施工性に悪影響を与える。また、コンクリートの充填不足が起こると、隅角部の耐力も不足してしまう。
<2>コンクリート構造物が地下構造物の場合、隅角部の地山側は補修が困難な位置にある。この状況下で隅角部の地山側が耐力不足によって損傷してしまうと、補修作業に多大な労力を要する。
また、本願の第2発明は、前記第1発明において、前記隅角部を、該隅角部に隣接する構成部材で用いるコンクリートよりも引張軟化特性に優れる鋼繊維補強コンクリートで構築したことを特徴とする。
また、本願の第3発明は、前記第1または第2発明において、前記隅角部をプレキャストブロックで構成したことを特徴とする。
また、本願の第4発明は、前記第3発明において、前記隅角部に隣接する構成部材を現場打設のコンクリートで構成したことを特徴とする。
<1>隅角部の施工性向上と品質確保が可能となる。
隅角部を、鋼繊維補強コンクリートで構築することで、一般的なコンクリートで構築する際に必要な隅角部補強筋の量を減らすことができる。
その結果、隅角部内部の鉄筋間の空きも広くなるため、コンクリートの充填不足が無くなり、隅角部の施工性の向上と品質の確保につながる。
<2>地震などによる隅角部の損傷を避けることができる。
隅角部を、該隅角部に隣接する構成部材で用いるコンクリートよりも引張軟化特性に優れる鋼繊維補強コンクリートで構築することで、地震などが発生した際に、隅角部の損傷を避けて、該隅角部に隣接する構成部材が損傷するように誘導することができる。
これは、地下構造物であるコンクリート構造物の隅角部に本発明を適用した場合に、特に有効である。地下構造物での隅角部周辺は、前記隅角部に隣接する構成部材(梁、柱、床版、壁等)よりも、補修作業が困難であるからである。
<3>施工期間の短縮化に寄与する。
隅角部を構成する部分をプレキャスト製とすることにより、現場での構築工程を短縮化することができる。
図1に、本発明に係る隅角部構造を示す。
隅角部Aは、カルバートなどの鉄筋コンクリート構造物を構成する部材(構成部材X)同士の接合部にあたる、L字型の箇所である。
構成部材Xは、梁、柱、床版、壁、頂版またはその他の部材が含まれる。
構成部材Xを構成するコンクリートYは公知のコンクリートを用いる。
図1(a)は従来の配筋態様であり、図1(b)は本発明の配筋態様である。
図1(a)に示す従来の配筋態様では、隅角部を構成する鉄筋は、主筋aとハンチ筋bのほかに、主筋aと直交するように配置する多数の隅角部補強筋cを含む。
隅角部、および該隅角部を構成する各構成部材は、何れも同一のコンクリートdで製作されている。
一方、図1(b)に示す本発明では、隅角部Aの内部は、必要に応じて主筋10やハンチ筋20を配筋するに留め、隅角部Aと構成部材Xとの接合部付近のみ隅角部補強筋30を配置している。これは、当該接合部付近が塑性ヒンジ部近傍であるためである。
この隅角部補強筋30には、図4(a)(b)で示す隅角部補強筋や、その他のせん断補強筋が含まれる。
隅角部補強筋30の削減割合は、各種鉄筋間の最小間隔が、後述するSFRC40に含まれる粗骨材が十分に入り込むことが可能な程度の態様(例えば、粗骨材の最大寸法の4/3倍以上)とすることが望ましい。
当該態様によれば、隅角部A全体にSFRC40を確実に充填できる点で有益である。
なお、図示しないが、本発明は、隅角部Aに隅角部補強筋30を全く配置しない態様としても良い。
隅角部A内部での隅角部補強筋30の一部または全部を配置しない代わりに、隅角部Aを構成するコンクリートには、鋼繊維補強コンクリート(以下、「SFRC」という)を使用することで、隅角部Aの耐力を確保する。
隅角部AにSFRC40を用いる利点として、以下の点がある。
(1)損傷箇所がひび割れ分散となるため、大きなコンクリート塊として落下する危険性が少ない。
(2)外力が断面内の主筋方向に働く場合、押し引き(圧縮と引っ張り)が交互に発生するが、鋼繊維はコンクリート内部に均一に分散配置されているのでその発生断面力を効率的に負担することができる。
また、鋼繊維の長さは、前記した各種鉄筋間の最小間隔よりも短いものとすることが好ましい。
SFRC40に使用する鋼繊維には、DRAMIX(登録商標)の名称で販売されている製品などを用いることができる。
鋼繊維の一例を以下に示す。
・降伏強度:2000N/mm2以上
・形状:ダブルフック
・径:φ0.90mm
・長さ:60mm
・使用量:0.4%
しかしこの発明は、繊維補強コンクリートでもって鉄筋の付着性能を改善することで、当該接合部分における主筋の定着長を短くすることを目的とするもので、従来、隅角部のせん断強度確保のために配置する前記隅角部補強筋の一部または全部を省略できる本願発明とは、課題や目的を異にするものである。
図2Aおよび図2Bに、隅角部に対し、同一条件での載荷実験を行った後の写真を示す。
図2Aは、図1(a)に示す従来の配筋態様による隅角部であり、図2Bは、図1(b)に示す本発明による隅角部である。
図2Bからも明らかなように、本発明によれば、隅角部補強筋30の配筋量を減らしても、隅角部Aの耐力を確保・向上させることができる。
なお、本実施例では、隅角部Aにおいて、鉄筋の最小間隔を74mmから112mmへと拡げることができ、さらに鉄筋量を267kg/m3から175kg/m3まで低減することができたため、コンクリートの充填不足は生じなかった。
図3に、SFRCを構成する鋼繊維の種類や使用量を変えて測定した引張軟化曲線を示す。凡例内の数字は、破壊エネルギー(N/mm)の値を示している。
各実験例に用いたSFRCの条件は以下の通りである。
[表1]各実験例の条件
図3を参照すると、ひび割れ開口幅が2.0mmに達するまでの破壊エネルギーを比較した場合、実験例4がその他の実験例よりも良好な結果を得られることがわかる。
本実施例によれば、現場にて主筋10を接合するだけでよく、施工期間の短縮に寄与する。
10 主筋
20 ハンチ筋
30 隅角部補強筋
40 SFRC
X 構成部材
Y コンクリート
a 主筋
b ハンチ筋
c 隅角部補強筋
d コンクリート
Claims (4)
- 鉄筋コンクリート構造物における隅角部の構造であって、
前記隅角部を、鋼繊維補強コンクリートで構築したことを特徴とする、
鉄筋コンクリート構造物の隅角部構造。 - 前記隅角部を、該隅角部に隣接する構成部材で用いるコンクリートよりも引張軟化特性に優れる鋼繊維補強コンクリートで構築したことを特徴とする、
請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の隅角部構造。 - 前記隅角部をプレキャストブロックで構成したことを特徴とする、
請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート構造物の隅角部構造。 - 前記隅角部に隣接する構成部材を現場打設のコンクリートで構成したことを特徴とする、
請求項3に記載の鉄筋コンクリート構造物の隅角部構造。
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---|---|---|---|---|
JPS58210227A (ja) * | 1982-06-01 | 1983-12-07 | 宇部興産株式会社 | プレキヤスト鉄筋コンクリ−ト部材の継手工法 |
US4697955A (en) * | 1982-07-30 | 1987-10-06 | Le Clerco Pierre A L M G | Method of constructing reinforced concrete works such as underground galleries, road tunnels, et cetera; pre-fabricated contrete elements for constructing such works |
JP2009243139A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Railway Technical Res Inst | ボックスカルバート |
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