JP2017014695A - 圧送式便器装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような圧送式便器装置は、トイレットペーパーや汚物等を粉砕し圧送するようになっているが、汚物やトイレットペーパー以外の異物が誤って流された場合に、異物が流路を塞いで詰まりを起こしたりする課題が知られている。
特に、このような圧送式便器装置は、介護用に使用者の居室内のベッドサイド等に配置されることが多いことから、流路の詰まり等による故障が発生すると、汚物から臭気が発生し、居室において使用者に致命的な不快感を与えることとなる。また衛生状態も悪化する。このように、圧送式便器装置の詰まりを防ぐための異物対策は、商品事業としての成立を左右する非常に重要な課題となっている。
このようなJISP4501等の規格を満たすトイレットペーパー等については、粉砕部において粉砕することを想定している対象物であり、「粉砕できる対象物」に区分される。
このような課題を解決すべく、本発明の発明者らが行った研究によれば、上述のような製品は、最終的に微生物によって分解されることをもって、便器装置に流すことができると表示しているものもあり、上述のJISP4501の規格を満たしていないものも多く含んでおり、必ずしも便器装置に流すことに適しておらず、水に溶けるために非常に長い時間がかかる等、容易には粉砕されない場合がある。
上述のような製品の多くは、紙、布等の繊維状の素材を組合せて紙状、織物状又は布状に形成されている。よって、これらの製品は、粉砕部において、水流の力により、繊維状の小片の状態までほぐすことができる。しかしながら、これらの製品は、粉砕部において、完全に粉砕することできず、中途半端に繊維状の状態までしか粉砕できず、繊維状の異物(以下「繊維物」という)を生じさせる結果となる。このような繊維物は、一本一本は糸くずのように非常に小さく且つ細かい繊維である。従って、繊維物は、通過規制孔を通過することができ、圧送部に流入することができる。繊維物は、一本一本は糸くずのように非常に小さいものの、繊維物同士が絡まりあって集まると繊維物の大きな塊を形成する場合がある。このような繊維物の大きな塊が圧送部の内部の流路を詰まらせる可能性がある。
本発明の発明者は、このような粉砕部にて繊維状の状態までしか粉砕されない異物(中途半端にしか粉砕できない異物)から生じた繊維物が、粉砕部から通過規制部を通過して圧送部に流れ、圧送部で再び繊維物同士が絡まりあって塊となり圧送部の詰まりを生じさせるという課題が生じていることを新たに認識したものである。
このように構成された本発明においては、通過規制部が、粉砕部の出口部から圧送部の入口部までの間の流路に設けられ、所定以下の大きさを有する物体を通過させるので、所定より大きい大きさを有する物体が圧送部に流入することを防ぎ、圧送部の詰まりを抑制でき、さらに、粉砕部内に生じている所定以下の大きさを有する繊維物についても、繊維物捕捉手段が、圧送部より上流側において捕捉するので、繊維物が圧送部に流入することを抑制することができる。これにより、圧送部において繊維物が絡まり合って大きく成長し、圧送部を詰まらせることを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、制御部は、繊維物補足モードにより、圧送部への汚水の流入を抑制している間に、繊維物捕捉手段が繊維物を捕捉することができる。
このように構成された本発明においては、繊維物捕捉手段は、網目状に形成されているので、いったん捕捉した繊維物が、再び水流中に流出しにくいように構成され、より確実に繊維物が圧送部に流入することを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、繊維物捕捉手段は、粉砕部内に配置されているので、繊維物捕捉手段が、粉砕部内の繊維物を、汚水及び汚物が粉砕部内において攪拌されている間に、捕捉する機会が増大される。従って、より確実に繊維物を捕捉することができ、繊維物が圧送部に流入することを抑制することができる。これにより、圧送部において繊維物が絡まり合って大きく成長し、圧送部を詰まらせることを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による圧送式便器装置の斜視図であり、図2は本発明の一実施形態による圧送式便器装置の全体構成図である。
圧送式便器装置1は、水洗式の便器装置であるので、居室に配置可能なポータブルトイレのように汚物を他者が後始末する必要がなく、且つ汚物から臭気が発生することなく、居室等に配置することができる。ベッドサイドの設置されているような居室において臭気が発生することを防ぐことができることは使用者にとって非常に重要なメリットである。
圧送式便器装置1は、基部2が床Bに固定されておらず、使用者によって移動可能に形成されている。圧送式便器装置1は、後述するように、建物A側の給水設備と可撓性の給水管22を介して接続され、且つ、建物A側の排水設備と可撓性の排水管66を介して接続されている。従って、圧送式便器装置1は、居室内において、自在に設置位置を変更することができる。さらに便器本体4には跳ね上げ式のアームレストが取付けられ、使用者の立ち座りをサポートし、さらに座った状態のバランスを確保できるようになっている。
ここで、上述したように、本実施形態の圧送式便器装置1の便器本体4として使用される便器については、一例として、洗浄水が便器本体4のボウル部12の高さ方向の落差により汚物を排出する洗い落し式の便器の形態について説明しているが、このような形態に限定されず、サイホン式やサイホンジェット式の便器、或いは、便器本体4の排出口部18にフラップ弁を設けたフラップ弁方式の便器等についても適用可能である。
給水管22は、その一部が給水ホース26等により可撓性に形成され、建物Aに対しての圧送式便器装置1の位置を変更することができる。また、給水管22の位置を調整することも可能である。
この給水バルブ24は、後述する制御部からの指令により開閉動作が制御され、給水装置6の給水管22から便器本体4への洗浄水の給水又は止水が切り替えられるようになっている。
操作部28は、制御部30と制御信号の通信ができるように接続されている。これにより、使用者が便器本体4の使用後、リモコン(図示せず)等に設けられた洗浄開始を指令するための洗浄スイッチ(図示せず)をオンにすると、制御部30が、その指令に基づいて給水装置6に給水指令をし、給水装置6から便器本体4内へ所定時間給水が行われ、便器本体4が洗浄されるようになっている。
例えば、報知部32は、制御部30の制御指令により、LEDランプが点灯又は点滅するような動作をして、使用者に異常を知らせることができる。
図3は本発明の一実施形態による圧送式便器装置の粉砕圧送装置において、粉砕室内の汚物等の攪拌が開始された直後の状態を示す図である。
粉砕圧送装置10は、便器本体4の排出口部18と連通し、汚物を粉砕する粉砕手段36を備えた粉砕部34と、粉砕部34の下流側に設けられ、この粉砕手段36により粉砕された汚物及び汚水を外部の排水設備38へ圧送する圧送部40と、粉砕部34と圧送部40との間の流路を形成する貯留槽42と、粉砕部34の出口部34aから圧送部40の入口部40aまでの間の流路に設けられ、所定以下の大きさを有する物体を通過させる通過規制部44と、粉砕部34の出口部34aから圧送部40の入口部40aまでの間の流路に設けられ、粉砕部34から圧送部40への流路を開閉する圧送部流入弁46と、粉砕部34内に配置され、粉砕室50内に生じている所定以下の大きさを有する繊維物Fを捕捉する繊維物捕捉手段48と、を備えている。
底板58は、粉砕室50内の底部に設けられている。この底板58が回転することにより、水をかきまわすことでき、粉砕室50内の汚水及び汚物等が攪拌される。底板58には、その上面から上方に突出するような突起部60が複数形成されており、この突起部60により、水をかきまわすことでき、粉砕室50内の汚水及び汚物等が攪拌される。
排水管66は、居室内での曲がりを可能にするため、配管径が約20mm程度の比較的細い直径の配管である。従って、固形の物体が比較的つまりやすく、20mm近い固形の物体が排水管66を流れないようにする必要がある。
便器本体4の排出口部18は、貯留槽42の側壁を貫通して粉砕室50内まで延びている。よって、便器本体4から排出される汚物等は、先ず、貯留槽42の内側の粉砕室50内に貯留される。
網かご72は、粉砕部34内から圧送部40の入口部40aまでの間の流路のいずれかの位置に設けられ、粉砕室50内に生じている所定以下の大きさを有する繊維物Fを、圧送部40より上流側において圧送部40に流入させないように捕捉するように設けられていてもよい。例えば、網かご72は、通過規制部44の下流側近傍の領域、又は圧送部40の入口部40aに設けることができる。網かご72は、回転軸56から簡単に取り外し可能に形成することができ、網かご72の清掃及び/又は新品への交換が簡単に行うことが出来る。このようにして、網かご72は、繊維物Fを圧送部40に流入させないようにし、又は圧送部40に流れる繊維物Fを大きく低減することができる。
図4は本発明の一実施形態による圧送式便器装置の粉砕圧送装置において、粉砕室内の汚物等が攪拌され、繊維物が繊維物補足手段によって捕捉される様子を示す図であり、図5は本発明の一実施形態による圧送式便器装置の粉砕圧送装置において、粉砕室内の汚物等が攪拌され、繊維物が繊維物補足手段によって捕捉された後、圧送部流入弁が開弁されて、汚水及びほぼ液状の状態で汚物断片Cを含む汚物等を、圧送部から排水管に圧送する様子を示す図であり、図6は、本発明の一実施形態による圧送式便器装置における、制御部の制御シーケンスを示すフローチャートである。ここで、図6において、Sは各ステップを示している。
S1において、制御部30は、使用者の用便終了後、使用者が操作部28の洗浄開始操作をし、例えば洗浄スイッチをON操作したか否かを判定する。制御部30は、使用者が操作部28を洗浄開始操作していないと判定した場合には、待機状態を継続する。
制御部30は、使用者が操作部28を洗浄開始操作したと判定した場合には、給水バルブ24を開き、給水管22から便器本体4への給水を開始させる。便器本体4への洗浄水の給水により、洗浄水が便器本体4のボウル部12上の汚物と、トイレットペーパーと、流せるおしり拭き等を洗浄し、汚水及びこれらの汚物等が粉砕室50内に排出される。制御部30は、使用者が操作部28を洗浄開始操作したと判定してから、所定のボウル部12の洗浄時間が経過した後に、S2に進む。
ここで、図3に示すように、電動モータ54の回転が、回転軸56及び底板58に伝達される。底板58の回転により、水流が内側壁52に衝突しながら壁に沿って上昇した後に内側に戻ってくるように攪拌される。図4に示すように、汚水及び汚物等は、粉砕室50内でさらに激しく攪拌され、汚物等が内側壁52に衝突する衝撃力等により粉砕される。
ここで、使用者の排泄した汚物は、水流により激しく攪拌されるうちに粉砕されて、ほぼ液状に溶解された状態又は数ミリ程度の小径の汚物断片Cとされる。トイレットペーパーも、水流により激しく攪拌されるうちに粉砕されて、ほぼ液状に溶解された状態とされる。流せるおしり拭き(前述の中途半端に繊維状の状態までしか粉砕できず、「繊維物」を生じさせる一例としてあげたもの)は、水流により激しく攪拌されるうちに、徐々に断片に分かれ、繊維状の小片の状態までほぐれた状態とされ、繊維物Fが生じている状態となる。従って、図4に示すように、粉砕室50内の汚水及び汚物等は、ほぼ液状の状態で汚物断片Cを含む汚物等と、繊維物Fとを含むような状態となって攪拌されている。
汚水及び汚物等は、粉砕室50内で縦方向にも繰り返し循環され、繰り返し網かご72を通過するように流れるので、攪拌中に繊維物Fが捕捉される機会が多く発生し、繊維物Fは網かご72上に効率的に集められる。このようにS4において示されるように、制御部30は、圧送部流入弁46が閉止されて圧送部40への汚水の流入を抑制している間に、繊維物捕捉手段48が繊維物Fを捕捉する繊維物補足モードを有している。
S5においては、汚物等は、ほぼ液状の状態で汚物断片Cを含む汚物等とされ、繊維物Fは網かご72に捕捉されている状態となっている。S5において、制御部30は、圧送部流入弁46を開き、汚水及びほぼ液状の状態で汚物断片Cを含む汚物等を、粉砕室50から貯留槽42に流出させる。このとき通過規制部44が粉砕部34の出口部34aに設けられているので、粉砕できていない比較的大きな物体が粉砕室50内に存在した場合においても、通過規制部44の孔70を通過することができず、孔70に引っ掛かる。よって、比較的大きな物体が圧送部40及び排水管66に流れ込み、これらを詰まらせることを防ぐことが出来る。
この状態においては、汚水及びほぼ液状の状態で汚物断片Cを含む汚物等はすでに排出され、粉砕室50、貯留槽42及び圧送室62内に汚水及びほぼ液状の状態で汚物断片Cを含む汚物等は概ね存在していない状態となっている。
S7においては、制御部30は、粉砕圧送装置10の電動モータ54を停止させる(ON状態からOFF状態にする)。そして、制御部30は、S8に進み、一連の制御を終了し、待機状態に戻る。
2 基部
4 便器本体
6 給水装置
8 機能部
10 粉砕圧送装置
12 ボウル部
14 導水路
16 排水トラップ管路
18 排出口部
20 給水設備
22 給水管
24 給水バルブ
26 給水ホース
28 操作部
30 制御部
32 報知部
34 粉砕部
34a 出口部
36 粉砕手段
38 排水設備
40 圧送部
40a 入口部
42 貯留槽
44 通過規制部
46 圧送部流入弁
48 繊維物捕捉手段
50 粉砕室
52 内側壁
54 電動モータ
56 回転軸
57 異物ホールドバー
58 底板
60 突起
62 圧送室
62a 出口部
64 インペラ
64a 肉厚部
66 排水管
68 排水ホース
70 孔
A 建物
B 床
C 汚物断片
F 繊維物
Claims (4)
- 便器本体の排出口から排出される汚水に含まれる汚物を粉砕して圧送する圧送式便器装置であって、
上記便器本体の排出口と連通し、上記汚物を粉砕する粉砕手段を備えた粉砕部と、
上記粉砕部の下流側に設けられ、上記粉砕部により粉砕された汚物及び汚水を外部の排水設備へ圧送する圧送部と、
上記粉砕部、及び、上記圧送部を制御する制御部と、
上記粉砕部の出口部から上記圧送部の入口部までの間の流路に設けられ、所定以下の大きさを有する物体を通過させる通過規制部と、
上記粉砕部内に生じている繊維物を、上記圧送部より上流側において捕捉する繊維物捕捉手段と、
を有することを特徴とする圧送式便器装置。 - 上記制御部は、上記圧送部への汚水の流入を抑制している間に、上記繊維物捕捉手段が上記繊維物を捕捉する繊維物補足モードを有している、請求項1記載の圧送式便器装置。
- 上記繊維物捕捉手段は、網目状に形成されている、請求項2記載の圧送式便器装置。
- 上記繊維物捕捉手段は、上記粉砕部内に配置されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の圧送式便器装置。
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JP2013204325A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Toto Ltd | 圧送式トイレ装置 |
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