JP6790376B2 - トイレ用汚物排出装置 - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、トイレ用汚物排出装置に関する。
従来、便器内の汚物(例えば排泄物やトイレットペーパー等)を洗浄水とともに外部へ排出するトイレ用汚物排出装置が知られている。
例えば、汚物を洗浄水とともに貯留室に貯留し、貯留室に設けられた粉砕部を用いて洗浄水および汚物を撹拌することにより、汚物を貯留室の内周壁に衝突させて粉砕する汚物粉砕装置が知られている。貯留室の内周壁には、所定の大きさの開口が設けられており、開口よりも小さい汚物は開口を通過し、開口よりも大きい汚物は貯留室に残る。したがって、貯留室よりも下流側の配管で汚物が詰まることを防止できる(例えば特許文献1参照)。
特開2012−77500号公報
しかしながら、貯留室には汚物のほかに異物が混入することがあり、混入した異物が開口を通過し、排出口の下流側で配管詰まりを発生させることが判明した。これは、開口を通過する大きさであっても長さが長い異物に関しては、排出口の下流側の配管などで屈曲した部分が存在すると、屈曲した部分を通過することができずに、配管詰まりを誘発するためである。
なお、かかる課題は、貯留室や粉砕部を備える汚物粉砕装置に限らず、貯留室や粉砕部を備えないトイレ用汚物排出装置においても生じ得る課題である。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、細長形状の異物が混入した場合であっても配管詰まりを防止可能なトイレ用汚物排出装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るトイレ用汚物排出装置は、流入口と、排出口と、流路と、防止部を備える。流入口は、洗浄水および汚物を流入させる。排出口は、流入口から流入した洗浄水および汚物を排出する。流路は、流入口と排出口を繋ぐ。防止部は、流路に設けられ、流入口から混入した異物の排出口からの流出を防止する。
実施形態の一態様によれば、細長形状の異物が混入した場合であっても配管詰まりを防止可能なトイレ用汚物排出装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置を示す概略図である。 図2は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置を示す斜視図である。 図3は、第1の実施形態のトイレ用汚物排出装置を示す断面図である。 図4は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置の断面斜視図である。 図5は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置内の水の流れを模式的に示す図である。 図6は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置の第1防止部と第2防止部の関係を示す図である。 図7は、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置の構成を示す図である。 図8は、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置内の水の流れを模式的に示す図である。 図9は、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置の第1防止部と第2防止部の関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するトイレ用汚物排出装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1を示す概略図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1は、例えば、便器TBに接続され、便器TBから排出された汚物を粉砕して外部(例えば、下水管等)に送り出す。かかるトイレ用汚物排出装置1は、貯留室10と、粉砕部20と、開口14と、圧送室30と、排出口60と、防止部40とを備える。なお、以下では、トイレ用汚物排出装置1の一例として、貯留室10に貯留した汚物を粉砕部20により粉砕して排出する汚物粉砕装置を挙げて説明する。
便器TBは、便器TBに洗浄水を供給する給水管4と、給水管4を開閉する給水弁3とを備える。洗浄水は、制御装置70によって給水弁3が開放されることで、給水管4を介して便器TBに供給される。
便器TBは、連結管100によってトイレ用汚物排出装置1の貯留室10と接続される。便器TB内の汚物F(図5参照)や給水管4から供給される洗浄水は、連結管100を介して貯留室10に流入する。
貯留室10は、洗浄水および汚物F(例えば、排泄物やトイレットペーパー)を貯留する。貯留室10の外壁11には、貯留室10に流入した洗浄水および汚物Fを下流側に排出するための開口14が設けられている。
粉砕部20は、貯留室10に設けられ、貯留室10に流入した汚物Fを粉砕する。粉砕部20は、駆動手段50(例えば、モータ)と接続される。駆動手段50は、制御装置70によって駆動し、粉砕部20を回転させる。かかる粉砕部20は、貯留室10に貯留された洗浄水および汚物Fを撹拌することで、汚物Fを貯留室10の外壁11に衝突させて粉砕する。汚物Fは、開口14の径より小さくなるまで粉砕部20によって粉砕され、開口14の径より小さくなると、開口14から貯留室10の外部へ流出する。
圧送室30は、開口14の下流側に設けられており、開口14を通過した汚物Fを加圧して排出口60に送る。排出口60に到達した汚物Fは、排出口60を介してトイレ用汚物排出装置1の外部に排出される。
このように、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1は、汚物Fを所定の大きさ、具体的には、開口14よりも小さいサイズに粉砕して排出口60から排出することで、貯留室10よりも下流側の配管で汚物が詰まることを防止することができる。
しかしながら、貯留室10には、例えばヘアピンや爪楊枝等の細長い形状を有する異物が混入する場合がある。かかる異物は、開口14を通過できたとしても、屈曲した配管部分を通過することができず、配管詰まりを誘発するおそれがあった。
そこで、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1では、貯留室10に混入した異物の排出口60からの流出を防止する防止部40を開口14の下流側で排出口60の上流側に設けることとした。これにより、細長形状の異物が混入した場合であっても配管詰まりを防止することができる。
次に、上述したトイレ用汚物排出装置1の具体的な構成について説明する。まず、トイレ用汚物排出装置1の貯留室10および防止部40について図2を参照して説明する。図2は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1を示す斜視図である。
図2に示すように、貯留室10は円筒形状の外壁11を有している。外壁11は、貯留室10の周方向の壁面を有する周壁12と、貯留室10の下方側に周壁12と接続される底壁13(図1参照)を有している。周壁12と底壁13とによって、円筒形状の貯留室10を形成し、汚物Fや洗浄水を貯留することが可能となる。
周壁12の下部には、貯留室10で粉砕された汚物Fを貯留室10の下流側に排出する複数の開口14が形成されている。各開口14は、円形であるものとするが、必ずしも正円であることを要さず、楕円形であってもよい。開口14の径よりも小さくなった汚物Fのみを貯留室10の下流側に排出することで、貯留室10の下流側で汚物Fが詰まることを防止することができる。
なお、貯留室10は、連結管100(図1参照)との接続部17を有する。接続部17は、周壁12の上部から中央部に亘って形成された開口部であり、使用状態においては、後述する蓋部101(図3参照)によって閉塞される。複数の開口14は、かかる接続部17よりも下方に形成される。なお、接続部17は、洗浄水および汚物がトイレ用汚物排出装置1内に流入させる流入口の役割を持つ。
次に、トイレ用汚物排出装置1の具体的な構成について図3を参照して説明する。図3は、第1の実施形態のトイレ用汚物排出装置1を示す断面図である。
図3に示すように、粉砕部20は、底壁13の近傍に設けられ、紙面上方から(すなわち、駆動軸51の軸方向に沿って)粉砕部20を見た場合、円形状に形成される。さらに円形状に形成された粉砕部20を回転駆動させるために粉砕部20は駆動軸51を介して駆動手段50(例えば、モータ)と接続される。なお、駆動手段50は、貯留室10の上部に設けられる。
開口14の下流側の流路15は、貯留室10の周壁12と、圧送室30の外壁(周壁および底壁)と、貯留室10および圧送室30を取り囲むように配置される箱体2とによって形成される。具体的には、貯留室10および圧送室30は、箱体2の内面から離隔した状態で箱体2に収容されており、貯留室10および圧送室30との間に設けられる隙間が流路15となる。流路15は、貯留室10の周壁12に沿う流路15の領域である第1領域Aと、第1領域Aの下流側の領域であって、後述する圧送室30の底壁に沿う方向の流路15の領域である第2領域Bとを有する。なお、圧送室30の底壁と、貯留室10の底壁13とは略平行である。
第1領域Aを形成する流路15は、周壁12側の流路15の内壁である流路内壁15aと、流路内壁15aと対向する箱体2側の流路15の内壁である流路内壁15bとによって形成される。また、第2領域Bを形成する流路15は、底壁13側の流路15の内壁である流路内壁15cと、流路内壁15cと対向する箱体2側の流路15の内壁である流路内壁15dによって形成される。
開口14の下流側、具体的には、貯留室10の下部に設けられる圧送室30は、インペラ31を有する。インペラ31は、駆動手段50と駆動軸51を介して接続される。圧送室30は、駆動手段50が駆動することでインペラ31が回転し、遠心力を利用して汚物Fや洗浄水を排出口60に送る際に加圧することができるよう構成されている。なお、貯留室10の底壁13は、圧送室30の上壁に相当する。
防止部40は、底壁13側の流路15の第2領域Bに設けられ、第1防止部41と第2防止部42とを有する。第1防止部41は、底壁13側の流路15の流路内壁15cと対向する流路内壁15dに設けられ、流路内壁15dを基端とし、先端が、流路内壁15dと対向する流路内壁15cに向かって突出するよう形成される。なお、流路内壁15cは、圧送室30の底壁に相当する。
第2防止部42は、第1防止部41よりも下流側の底壁13側の流路の流路内壁15cに設けられ、流路内壁15cを基端とし、先端が、流路内壁15cと対向する流路内壁15dに向かって突出するように形成される。さらに、第2防止部42は、上流側からみて第1防止部41と流路内壁15cとの間の流路15を塞ぐように形成される。なお、第1防止部41および第2防止部42を設ける位置を、第1防止部41を流路内壁15dに、第2防止部42を15cに設けると説明したが、第1防止部41を流路内壁15cに、第2防止部42を15dに設けてもよい。
次に、トイレ用汚物排出装置1の防止部40の詳細について図4を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1の断面斜視図である。
図4は、第1防止部41と第2防止部42とを所定の間隔よりも離した状態を示すものである。防止部40が有する第1防止部41および第2防止部42は、圧送室30の上流側近傍に設けられる。
第1防止部41および第2防止部42は、いずれも環状に形成されており、第1防止部41の先端は流路内壁15cに向かって突出し、第2防止部42の先端は流路内壁15dに向かって突出している。第1防止部41の先端と流路内壁15cとの間には所定の間隔が設けられ、第2防止部42の先端と流路内壁15dとの間にも所定の間隔が設けられる。
第2防止部42は、第1防止部41よりも小径であり、第1防止部41の内側に配置される。第1防止部41と第2防止部42との間には、所定の間隔が設けられる。第1防止部41と第2防止部42とは、駆動軸51の仮想中心軸を中心とする同心円状に配置される。
箱体2に貯留室10が固定された状態(図3参照)において、第1防止部41の先端と第2防止部42の先端とは互いにオーバーラップする。
なお、ここでは、第1防止部41と第2防止部42とが、円環状である場合の例について説明したが、第1防止部41と第2防止部42とは、少なくとも閉曲するように形成されていればよく、例えば、角環状に形成されてもよい。また、ここでは、箱体2、貯留室10および圧送室30が平面視において円形状であるものとするが、これらについても、必ずしも円形状であることを要しない。
次に、トイレ用汚物排出装置1の内部の洗浄水および汚物Fの流れについて図5を参照して説明する。図5は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1内の水の流れを模式的に示す図である。
洗浄水および汚物Fは、連結管100を介して貯留室10に流入し、貯留室10に貯留される。その後、制御装置70(図1参照)によって駆動手段50が駆動し、駆動軸51に接続された粉砕部20およびインペラ31が回転する。
粉砕部20が回転することにより、貯留室10に貯留されている洗浄水および汚物Fは遠心力により、粉砕部20の回転中心から外側に移動し、汚物Fは外壁11と衝突し、この衝突する際のエネルギーによって粉砕される。これによって、汚物Fを小さくすることができる。開口14の大きさよりも大きい汚物Fは、外壁11に衝突した後に上方に移動した後、粉砕部20の回転中心側に移動する。汚物Fが粉砕部20の回転中心側から外側に向かい、その後上方に移動したのちに再度中心方向に戻る流れは、汚物Fが開口14よりも小さくなるまでくり返し行われる。
さらに、粉砕部20が回転することにより、周壁12に沿った方向の流れも形成され、汚物Fは周壁12に沿うように移動することになり、周壁12に沿って移動する際の周壁12との摩擦を利用し、汚物Fを粉砕することができる。
貯留室10で粉砕され、開口14よりも小さくなった汚物Fは、開口14から貯留室10の外部すなわち流路15の第1領域Aへ排出される。
開口14から排出された汚物Fは、流路15の第1領域Aおよび第2領域Bを順次通過して、圧送室30内に流入する。具体的には、圧送室30の内部のインペラ31が駆動手段50によって回転することにより、インペラ31の回転中心付近が負圧となることで、流路15に存在する洗浄水および汚物Fが圧送室30内に吸引される。吸引された洗浄水および汚物Fは、遠心力によってインペラ31の回転中心から外側に移動することで圧力が高まり、排出口60へ圧送され、トイレ用汚物排出装置1の外部へ排出される。
このような、水流を利用した粉砕方法を利用することで、汚物Fを粉砕するための粉砕刃を設ける必要がない。粉砕刃への異物の噛み込みの機会を軽減でき、駆動手段50がロックしてしまう恐れを軽減できる。
次に、第1防止部41と第2防止部42の位置関係について図6を参照して説明する。図6は、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1の第1防止部41と第2防止部42の関係を示す図である。なお、図6は、圧送室入口32側が下流側であり、圧送室入口32から離れる方向が上流側とする。
図6は、防止部40が設けられる流路15の断面を模式的に示している。また、図6には、第1防止部41の基端から先端までを長さa、第1防止部41と第2防止部42との間隔b、第1防止部41と第2防止部42との重なる領域長さc、第1防止部41と第1防止部41の基端が設けられる流路内壁15dと対向する流路内壁15cとの間の流路幅dを示している。
防止部40は、第1防止部41の先端と流路内壁15cとの間(図6に示す流路幅d)を上流側からみた場合に、第2防止部42で塞ぐように形成されている。さらに好ましくは、第1防止部41と第2防止部42とを上流側から見た場合にそれぞれの先端が重なり合うようにすることが好ましい(図6で示す領域長さcが重なり合う領域である)。
さらに図6を参照して第1の実施形態に係る第1防止部41と第2防止部42の位置関係について数式を用いて具体的に説明する。
異物が、排出口60の下流側の配管(図示しない)で詰まり得る最小の長さを異物最小長Lとした場合において、上述した長さa、間隔b、領域長さcと異物最小長Lを用いて、以下に示す数式で表す。
Figure 0006790376
数式(1)は、異物が通過し得る長さを表す式である。図6に示すように、第1防止部41と第2防止部42とを通過可能である異物の長さの閾値をLpで表し、このLpは数式(1)の左辺で表すことができる。異物の長さの閾値Lpは、第1防止部41の下流側先端41aと第2防止部42の上流側先端42aと流路内壁15dとを結ぶ直線の最大長とする。
第1防止部41と第2防止部42とを通過可能である異物の長さの閾値Lpを異物最小長Lよりも短くなるよう長さa、間隔b、領域長さcを設定することで、異物が防止部40を通過することができずに防止部40に留まることになる。したがって、排出口60よりも下流側の配管(図示しない)で異物が詰まることを防止することができる。
上述した数式(1)の説明では、異物の太さが極めて細いものを想定して説明したが、想定している異物が太い場合には、異物最小長Lに定数を掛けて防止部40を設けてもよい。例えば、想定している異物の太さが細い場合は、L×1の値をもとに防止部40を設け、想定している異物の太さが太い場合は、L×0.7の値をもとに防止部40を設ける。
したがって、第1の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1によれば、細長形状の異物が混入した場合であっても配管詰まりを防止することができる。また、防止部40を底壁13側の流路に設けることで、水平方向の装置の大きさを小さくすることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1の構成について図7を参照して説明する。図7は、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1の構成を示す図である。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示すように、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1は、貯留室10と、貯留室10を構成する外壁11と外壁11に設けられる開口14と、汚物を圧送する圧送室30と、汚物をトイレ用汚物排出装置1の外部に排出する排出口60と、開口14と排出口60とを繋ぐ流路15と、流路15に設けられ、排出口60の下流側の配管(図示しない)で異物が詰まることを防止する防止部40Aとを備える。
防止部40Aは、周壁12側の流路15の第1領域Aに設けられ、第1防止部41Aと第2防止部42Aを有する。第1防止部41Aは、周壁12に設けられ、周壁12を基端とし、先端が、周壁12と対向する箱体2の内壁に向かって突出するよう形成される。
第2防止部42Aは、第1防止部41Aよりも下流側の流路15に設けられ、流路15を形成する箱体2を基端とし、先端が、箱体2と対向する周壁12に向かって突出するように形成される。さらに、第2防止部42Aは、上流側からみて第1防止部41Aと箱体2との間の流路15を塞ぐように形成される。
次に、トイレ用汚物排出装置1の内部の洗浄水および汚物Fの流れについて図8を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1内の水の流れを模式的に示す図である。
洗浄水および汚物Fは、連結管100を介して貯留室10に流入し、貯留室10に貯留される。その後、制御装置70(図1参照)によって駆動手段50が駆動し、駆動軸51に接続された粉砕部20およびインペラ31が回転する。
粉砕部20が回転することにより、貯留室10に貯留されている洗浄水および汚物Fは、遠心力により、粉砕部20の回転中心から外側に移動し、汚物Fは外壁11と衝突し、この衝突する際のエネルギーによって粉砕される。これによって、汚物Fを小さくすることができる。開口14の大きさよりも大きい汚物Fは外壁11に衝突した後に上方に移動した後、粉砕部20の回転中心に移動する。汚物Fが粉砕部20の回転中心側から外側に向かい、その後上方に移動したのちに再度中心方向に戻る流れは、汚物Fが開口14よりも小さくなるまでくり返し行われる。
さらに、粉砕部20が回転することにより、周壁12に沿った方向の流れも形成され、汚物Fは周壁12に沿うように移動することになり、周壁12に沿って移動する際の周壁12との摩擦を利用し、汚物Fを粉砕することができる。
貯留室10で粉砕され、開口14よりも小さくなった汚物Fは、開口14から貯留室10の外部すなわち流路15の第1領域Aへ排出される。
開口14から排出された汚物Fは、流路15の第1領域Aおよび第2領域Bを順次通過して圧送室30内に流入する。具体的には、圧送室30の内部のインペラ31が駆動手段50によって回転することにより、インペラ31の回転中心付近が負圧となることで、流路15に存在する洗浄水および汚物Fが圧送室30内に吸引される。吸引された洗浄水および汚物Fは、遠心力によってインペラ31の回転中心から外側に移動することで圧力が高まり、排水口60へ圧送され、トイレ用汚物排出装置1の外部へ排出される。
このような、水流を利用した粉砕方法を利用することで、汚物Fを粉砕するための粉砕刃を設ける必要がなくなる。粉砕刃への異物の噛み込みの機会を軽減でき、駆動手段50がロックしてしまう恐れを軽減できる。
次に、第1防止部41Aと第2防止部42Aの位置関係について図9を参照して説明する。図9は、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1の第1防止部41Aと第2防止部42Aの関係を示す図である。
図9は、防止部40Aが設けられる流路15の模式的な断面を示している。また、図9には、第1防止部41Aの基端から先端までの長さa、第1防止部41Aと第2防止部42Aとの間隔b、第1防止部41Aと第2防止部42Aとの重なる領域長さc、第1防止部41Aと第1防止部41Aの基端が設けられる周壁12と対向する箱体2との間の流路幅dを示している。
防止部40Aは、第1防止部41Aの先端と箱体2との間(図9に示す流路幅d)を上流側からみた場合に、第2防止部42Aで塞ぐように形成されている。さらに好ましくは、第1防止部41Aと第2防止部42Aとを上流側からみた場合にそれぞれの先端が重なりあうようにすることが好ましい(図9で示す領域長さcが重なり合う領域)。
さらに図9を参照して第2の実施形態に係る第1防止部41Aと第2防止部42Aの位置関係について数式を用いて具体的に説明する。数式は上述した数式(1)で表すことが可能である。
数式(1)は異物が通過し得る長さを表す式である。図9に示すように、第1防止部41Aと第2防止部42Aとを通過可能である異物の長さの閾値をLpで表し、このLpは数1の左辺で表すことができる。異物の長さの閾値Lpは、第1防止部41Aの下流側先端41aと第2防止部42Aの上流側先端42aと周壁12とを結ぶ直線の最大長とする。
第1防止部41Aと第2防止部42Aとを通過可能である異物の長さの閾値Lpを異物最小長Lよりも短くなるよう長さa、間隔b、領域長さcを設定することで、異物が防止部40Aを通過することができずに防止部40Aに留まることになる。したがって、排出口60よりも下流側の配管(図示しない)で異物が詰まることを防止することができる。
上述した数式(1)の説明では、異物の太さが極めて細いものを想定して説明したが、想定している異物が太い場合には、異物最小長Lに定数を掛けて防止部40Aを設けてもよい。例えば、想定している異物の太さが細い場合は、L×1の値をもとに防止部40Aを設け、想定している異物の太さが太い場合は、L×0.7の値をもとに防止部40Aを設ける。
したがって、第2の実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1によれば、細長形状の異物が混入した場合であっても配管詰まりを防止することができる。また、防止部40Aを周壁12に設けることで、装置の高さを低くすることができる。
特に近年では、高齢者施設のみならず一般家庭の居室(例えばベッドの隣等)に便器TBが設置される場合があり、利用者が誤って便器TBに異物を投入してしまうおそれがある。また、便器TBを居室に設置する場合、施工上、トイレ室に設置する場合と比較して配管径が小さくなる傾向があるため、配管詰まりが生じ易い。
これに対し、実施形態に係るトイレ用汚物排出装置1によれば、上記のように異物による配管詰まりを防止することができることから、便器TBを居室に設置した場合に生じやすい不具合を解消することができるという点で有効である。
なお、上述した実施形態では、トイレ用汚物排出装置1は、居室用の便器TBに限らず、トイレ室に設置される通常の便器TBに接続されてもよい。また、トイレ用汚物排出装置1は、便器TBに限らず、たとえばキッチンの排水口に接続されてもよい。
上述した実施形態では、複数の開口14を備える場合の例について説明したが、開口14は少なくとも1つ形成されていればよい。
また、上述した実施形態では、防止部40、40Aについて、第1防止部41、41Aと第2防止部42、42Aの2つで構成することについて説明したが、第3防止部を追加するなど、3つ以上で構成されても良い。
上述した各実施形態では、トイレ用汚物排出装置1が、貯留室10に貯留した汚物を粉砕部20により粉砕して排出する汚物粉砕装置である場合の例について説明した。しかし、トイレ用汚物排出装置1は、必ずしも貯留室10及び粉砕室20を備えることを要しない。例えば、トイレ用汚物粉砕装置1は、連結管100に接続される流入口と、下水管等の外部に接続される排出口60とを有する配管と、連結管100から配管内に流入した洗浄水および汚物を圧送または吸引することによって下水管等の外部へ送る送給機構とを備える構成であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 トイレ用汚物排出装置
2 箱体
3 給水弁
4 給水管
10 貯留室
11 外壁
12 周壁
13 底壁
14 開口
15 流路
15a、15b、15c、15d 流路内壁
17 接続部(流入口)
20 粉砕部
30 圧送室
31 インペラ
40、40A 防止部
41、41A 第1防止部
42、42A 第2防止部
50 駆動手段(モータ)
51 駆動軸
60 排出口
70 制御装置
100 連結管
TB 便器

Claims (5)

  1. トイレ用汚物排出装置であって、
    洗浄水および汚物が流入する流入口と、
    前記流入口から流入した洗浄水および汚物を排出する排出口と、
    前記流入口と前記排出口とを繋ぐ流路と、
    前記流路に設けられ、前記流入口から混入した異物の前記排出口からの流出を防止する防止部と、
    前記流入口から流入した洗浄水および汚物を貯留する貯留室と、
    前記貯留室に設けられ、前記汚物を粉砕する粉砕部と、
    前記貯留室の外壁に設けられる開口と
    を備え、
    前記防止部は、
    前記開口と前記排出口の間の前記流路に設けられ、前記流路の内壁から突出する第一防止部と第二防止部とを有し、
    前記第二防止部は、
    前記第一防止部の下流側に設けられるとともに、上流側からみて前記内壁と前記第一防止部の先端の間を塞ぐように配置されること
    を特徴とするトイレ用汚物排出装置。
  2. 前記貯留室の前記外壁は、
    周壁および底壁を有し、
    前記流路は、
    前記貯留室の前記周壁側および前記底壁側に形成され、
    前記第一防止部および前記第二防止部は、
    前記底壁側の前記流路に設けられ、一方が前記貯留室側の前記内壁に、他方が当該内壁と対向する前記内壁にそれぞれ設けられ、前記底壁側から前記貯留室をみた場合に環状となるよう形成されること
    を特徴とする請求項に記載のトイレ用汚物排出装置。
  3. 前記開口の下流側に設けられ、前記粉砕部で粉砕された汚物を加圧することで前記排出口に送る圧送室
    をさらに備え、
    前記防止部は、
    前記圧送室の上流側に設けられること
    を特徴とする請求項1または2に記載のトイレ用汚物排出装置。
  4. 前記流路は、
    前記貯留室の周壁に沿って形成され、
    前記第一防止部および前記第二防止部は、
    前記貯留室の前記周壁に沿う前記流路に設けられ、一方が前記周壁に、他方が前記周壁と対向する前記内壁にそれぞれ設けられ、当該流路を上流側から下流側に向かってみた場合に、環状となるよう形成されること
    を特徴とする請求項またはに記載のトイレ用汚物排出装置。
  5. 前記粉砕部は、
    前記貯留室内で前記洗浄水および前記汚物を撹拌し、前記汚物を前記貯留室の前記外壁に衝突させることで前記汚物を粉砕すること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のトイレ用汚物排出装置。
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