JP6900726B2 - 圧送装置、およびトイレ装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般に、圧送装置、およびトイレ装置に関する。
住宅などに設けられたトイレ装置においては、便器から下水管までの排水管の傾斜勾配を利用して排水が行なわれる。排水管は建築時に設置されるため、後からトイレ装置を増設したり、移設したりするのは困難である。また、トイレ室まで移動することが困難な高齢者や要介護者などが生活する環境においては、例えば、ベッドの隣などにトイレ装置を設置したいという要望がある。そこで、設置場所の自由度が高いトイレ装置として、圧送装置を備えたトイレ装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
圧送装置を備えたトイレ装置は、排水管の傾斜勾配を利用して汚水を下水管に到達させるのではなく、便器に接続された貯留槽内に設けられたポンプにより汚水を下水管に到達させる。この場合、使用者が排便後に水を流すと、水と共に汚物が貯留槽内に導入される。そして、ポンプが作動すると汚物が粉砕され、粉砕された汚物と水とが配管を介して排水管に圧送される。そのため、既存の下水管の位置によって設置場所が制限されないので、トイレ装置の設置場所の自由度を高めることができる。
ここで、貯留槽内に存在する空気の逃げ道がないと、貯留槽内への水の導入に伴い貯留槽内の空気圧が上昇し、貯留槽内への水と汚物の導入が阻害されるおそれがある。貯留槽内への水と汚物の導入が阻害されると、便器のボウル部に汚物の一部が残留するおそれがある。この場合、貯留槽に孔を設け、孔を介して空気の一部を放出すれば、貯留槽内の空気圧が上昇するのを抑制することができる。ところが、この様にすると、貯留槽内の空気とともに悪臭が貯留槽外に放出されることになる。
そこで、貯留槽内の空気圧が上昇するのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
特許第5884279号公報
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、貯留槽内の空気圧が上昇するのを抑制することができる圧送装置、およびトイレ装置を提供する。
の発明は、便器と接続され、汚水を圧送する圧送装置であって、前記汚水を貯留する貯留槽と、前記貯留槽内に設けられ、遠心力によって、外部の排水管に接続された圧送排水管へ前記汚水を圧送する圧送手段と、を備え、前記圧送排水管には、前記貯留槽内と連通する開口が設けられ、前記圧送手段は、モータを備え、前記モータは、所定の回転数で所定時間圧送運転を行い、前記所定の回転数で圧送運転を行った後、逆回転する、または、前記モータは、第1の回転数で所定の時間圧送運転を行い、前記第1の回転数で所定の時間圧送運転を行った後、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で圧送運転を行う、または、前記モータは、圧送運転を開始した後、所定の時間の経過後、前記圧送運転を停止し、前記圧送運転を停止してから所定の時間経過後に再び前記圧送運転を開始することで、前記圧送排水管内の汚水を圧送している際に、前記圧送排水管を流れる汚水の速度を変化させて、前記圧送排水管内に負圧の領域を形成するように制御されており、前記モータは、前記負圧の領域が前記開口の設けられる位置に形成されるように制御されると共に、前記汚水の速度を繰り返し変化させることで、前記負圧の領域が順次形成されるように制御されている圧送装置である。
貯留槽に空気の逃げ道がないと貯留槽内の空気圧が上昇し、便器からの水と汚物の流入が阻害されることになる。この圧送装置によれば、圧送排水管内に負圧の領域を形成し、貯留槽内の空気を開口を介して負圧の領域に流入させることができる。そのため、貯留槽内の空気圧の上昇を抑制することができるので、便器からの水と汚物が貯留槽内に流入するのが容易となる。
の発明は、第1発明において、前記開口には逆止弁が設けられている圧送装置である。
開口に逆止弁を設ければ、貯留槽から開口を介して圧送配管内に引き込まれた空気が、再び貯留槽に流入するのを抑制することができる。そのため、圧送排水管に引き込まれた空気を、より確実に外部の排水管に圧送することができる。
の発明は、第1または第2の発明において、前記圧送排水管は、前記貯
留槽内を上下方向に延びる配管を有し、前記開口は、前記配管に設けられている圧送装置である。
この圧送装置によれば、貯留槽内を上下方向に延びる配管に開口を設ければ、貯留槽内の任意の位置に開口を設けることが容易となる。また、貯留槽内を上下方向に延びる配管を設ければ、後述するサイホン現象を発現させることが容易となる。
の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記開口は、前記貯留槽の高さ方向の中心よりも上方に設けられている圧送装置である。
貯留槽内の空気は、貯留槽内の上方に溜まる。開口を貯留槽の高さ方向の中心よりも上方に設ければ、貯留槽内の空気を開口を介して圧送排水管内に引き込むことが容易となる。
の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記開口を前記圧送排水管の外側から見た場合に、前記開口は、前記圧送排水管を流れる前記汚水の流れ方向に対して上流側、または下流側、または前記汚水の流れ方向に対して略垂直な方向を向いている圧送装置である。
開口が圧送排水管を流れる汚水の流れ方向に対して上流側を向いていれば、圧送排水管内を流れる汚水が開口から貯留槽内に流れ込むのを抑制することができる。
開口が圧送排水管を流れる汚水の流れ方向に対して下流側を向いていれば、開口を貯留槽内の上方に設けることが容易となる。
開口が圧送排水管を流れる汚水の流れ方向に対して略垂直な方向を向いていれば、開口の形成が容易となる。
の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記開口の面積は、前記圧送排水管の流路断面積よりも小さい圧送装置である。
開口の面積が、圧送排水管の流路断面よりも小さくなっていれば、圧送排水管を流れる汚水が開口から貯留槽内に流れ込むのを抑制することができる。
の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記便器は、サイホン現象が発現可能に構成され、前記便器は、前記発現させたサイホン現象により、水と汚物とを排出する圧送装置である。
サイホン式の便器であれば、発現したサイホン現象により空気がさらに巻き込まれやすくなり、洗い落とし式の便器に比べて貯留槽内の空気の量がさらに増加するおそれがある。この圧送装置によれば、サイホン式の便器であっても貯留槽内の空気の量が増加するのを抑制することができる。そのため、サイホン式の便器であっても、水と汚物が貯留槽内に流入するのが容易となる。
の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記圧送排水管は、サイホン現象が発現可能に構成され、前記開口の下流において、前記発現させたサイホン現象により、前記汚水を搬送する圧送装置である。
この圧送装置によれば、発現させたサイホン現象による吸引力を利用して汚水と取り込んだ空気とを排水管に送り出すことができる。
の発明は、便器と、前記便器に接続された上記の圧送装置と、を備えたトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、貯留槽内の空気圧の上昇を抑制することができるので、便器からの水と汚物が貯留槽内に流入するのが容易となる。
本発明の態様によれば、貯留槽内の空気圧が上昇するのを抑制することができる圧送装置、およびトイレ装置を提供できる。
本発明の実施の形態に係る圧送装置を備えたトイレ装置を例示するための斜視図である。 圧送装置を備えたトイレ装置を例示するための構成図である。 圧送装置を例示するための断面図である。 圧送排水管内における負圧の発生を例示するための概念図である。 (a)、(b)は、負圧の領域35dの形成と移動を例示するための概念図である。 比較例に係るトイレ装置の動作を例示するためのタイミングチャートである。 本実施の形態に係るトイレ装置1の動作を例示するためのタイミングチャートである。 開口35a1の他の配設形態を例示するための断面図である。 開口35a1の他の配設形態を例示するための断面図である。 開口35a1の他の配設形態を例示するための断面図である。 開口35a1の他の配設形態を例示するための断面図である。 開口35a1の他の配設形態を例示するための断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。尚、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
トイレ装置には、大きく分けて、洗い落とし式のトイレ装置と、サイホン式のトイレ装置とがある。洗い落とし式のトイレ装置は、ロータンクなどに貯留されている水の位置エネルギーを利用して水と汚物を貯留槽内に導入する。サイホン式のトイレ装置は、便器内に設けられた屈曲した排水管路によりサイホン現象を発現させ、サイホン現象による吸引力を利用して水と汚物を貯留槽内に導入する。
またさらに、トイレ装置には、サイホンジェット式のトイレ装置や、フラップ弁を設けたフラップ弁式のトイレ装置などもある。
本実施の形態に係る圧送装置は、各種方式のトイレ装置に設けることができる。
以下においては、一例として、圧送装置を備えたサイホン式のトイレ装置を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧送装置を備えたトイレ装置を例示するための斜視図である。
図2は、圧送装置を備えたトイレ装置を例示するための構成図である。
図1および図2に示すように、トイレ装置1は、便器2、圧送装置3、給水管4、排水管5、および制御部6を備えている。
便器2には、ボウル部20、給水装置21、排水管路22、脚23、およびアームレスト24が設けられている。
ボウル部20は、便器2内において前方側に設けられ、汚物および給水装置21から供給された水を受ける。
給水装置21は、給水弁21a、および導水路21bを有する。給水弁21aは、給水管4と導水路21bとの間に設けられている。給水弁21aは、導水路21bからの吐水の開始と吐水の停止とを切り替える。給水弁21aは、例えば、電磁バルブなどとすることができる。導水路21bは、ボウル部20の上方に設けられ、給水管4から供給された水をボウル部20に供給する。
排水管路22は、便器2内に設けられている。排水管路22の一端は、ボウル部20の底部に接続されている。排水管路22の他端は、圧送装置3に接続されている。排水管路22は、屈曲した形態を有し、サイホン現象が発現するようになっている。
脚23は、便器2の底面に複数設けられている。複数の脚23は、トイレ装置1の設置場所において、便器2を支持する。
アームレスト24は、例えば、便器2や圧送装置3などに取り付けることができる。図1に例示をしたアームレスト24は、跳ね上げ式のアームレストである。アームレスト24が設けられていれば、使用者の立ち座りをサポートすることができ、さらに、使用者が座った状態においてバランスを保つことができる。
給水管4の一端は給水弁21aに接続され、給水管4の他端は水道などの水源に接続されている。給水管4は、例えば、可撓性を有する配管とすることができる。
排水管5の一端は圧送装置3に接続され、排水管5の他端は下水管などに接続されている。排水管5は、例えば、可撓性を有する配管とすることができる。
制御部6は、例えば、CPU(Central Processing Unit)とメモリなどを備えたコンピュータとすることができる。制御部6は、例えば、メモリに格納されているプログラムに基づいて、給水弁21aや、圧送装置3に設けられたモータ33dの動作を制御する。また、制御部6には、操作部6aと報知部6bを電気的に接続することができる。
操作部6aは、例えば、便器洗浄を開始させるための洗浄スイッチなどとすることができる。使用者は、操作部6aに所望の操作指令を入力することができる。例えば、使用者が操作部6aに洗浄動作の開始を入力すると、その操作指令は制御部6に送信される。制御部6はメモリに格納されているプログラムに基づいて、給水弁21aを所定の時間開き、導水路21bからボウル部20に水を供給して洗浄を行う。また、制御部6はメモリに格納されているプログラムに基づいて、圧送装置3に設けられたモータ33dを制御して、汚物を粉砕するとともに、粉砕された汚物と水(以下、汚水と称する)とを排水管5に圧送する。
なお、圧送装置3の動作に関する詳細は後述する。
報知部6bは、LEDランプや小型スピーカーなどを備え、操作指令や状態情報を視覚や音により報知する。また、報知部6bは、制御部6からの信号に基づいて、LEDランプを点灯又は点滅させたり、小型スピーカーから警告音を発生させたりすることで、使用者に異常を知らせることもできる。
圧送装置3は、排水管路22と排水管5との間に設けられている。圧送装置3は、排水管路22を介して水とともに流入した汚物を粉砕し、汚水として排水管5に圧送する。
図3は、圧送装置3を例示するための断面図である。
図3に示すように、圧送装置3には、貯留槽31、粉砕部32、ポンプ33、空気収納部34、圧送排水管35が設けられている。
貯留槽31は、箱状を呈している。貯留槽31は、例えば、気密構造および水密構造を有するものとすることができる。貯留槽31は、汚水を貯留する。
粉砕部32は、貯留槽31内に設けられている。粉砕部32は、粉砕槽32a、および回転部32bを有する。
粉砕槽32aは、筒状を呈し、貯留槽31内に設けられている。粉砕槽32aの一方の端部は、貯留槽31の上面に設けられている。粉砕槽32aの他方の端部は、貯留槽31内の底面側に設けられている。粉砕槽32aは、貯留槽31と一体に形成することもできるし、貯留槽31に接合することもできるし、ネジなどの締結部材を用いて貯留槽31に取り付けることもできる。
粉砕槽32aの下部には、排水管路22が接続されている。そのため、粉砕槽32a内には、水と汚物が流入する。この際、粉砕槽32a内に存在する空気の逃げ道がないと、水と汚物が流入することで粉砕槽32a内の空気圧が上昇し、水と汚物の流入が阻害されることになる。そのため、粉砕槽32aの上部には開口32a1が設けられている。開口32a1を設ければ、水と汚物が流入した際に粉砕槽32a内の空気を貯留槽31内に逃がすことができるので、水と汚物の流入が阻害されるのを抑制することができる。また、粉砕槽32aの下部には、複数の開口32a2が設けられている。
回転部32bは、粉砕槽32a内に設けられている。回転部32bは、粉砕槽32a内の、複数の開口32a2が設けられた領域に設けることができる。回転部32bは、回転軸33cを介してモータ33dにより回転する。回転部32bは、基部32b1、円板32b2、および突起32b3を有する。基部32b1は、筒状を呈し、回転軸33cに取り付けられている。円板32b2は、基部32b1の下端に設けられている。突起32b3は、円板32b2の上面に複数設けられている。複数の突起32b3を設ければ、汚物が引っ掛かり易くなるので、汚物の粉砕と、粉砕された汚物と水との撹拌が容易となる。
図3中の矢印は、汚物および水の流動状態を表している。粉砕槽32a内に流入した水と汚物は、粉砕槽32a内を下降し、回転している円板32b2の近傍に到達する。円板32b2に到達した水と汚物は、円板32b2の外周側に移動し、粉砕槽32aの内壁に衝突し、粉砕槽32aの内壁に沿って上昇し、粉砕槽32aの中心側に移動しながら再び回転している円板32b2の近傍に到達する。そのため、汚物は、粉砕槽32a内を循環しながら撹拌、粉砕される。この様にして生成された汚水は、複数の開口32a2を介して、粉砕槽32a内から貯留槽31内に供給される。この際、開口32a2より小さく粉砕された汚物のみが、貯留槽31内に供給される。
ポンプ33は、汚水を圧送する。ポンプ33の種類には特に限定はないが、比較的小型且つ安価で高揚程が実現可能な遠心式ポンプとすることが好ましい。以下においては一例として、ポンプ33が遠心式ポンプである場合を例に挙げて説明する。
ポンプ33は、ポンプ室33a、インペラ33b、回転軸33c、およびモータ33dを有する。本実施の形態においては、ポンプ室33aおよびインペラ33bが、貯留槽31内に設けられ、遠心力によって、外部の排水管5に接続された圧送排水管35へ汚水を圧送する圧送手段となる。
ポンプ室33aは、粉砕槽32aの底面に設けられている。ポンプ室33aは、粉砕槽32aと一体に形成することもできるし、粉砕槽32aに接合することもできるし、ネジなどの締結部材を用いて粉砕槽32aに取り付けることもできる。
インペラ33bは、ポンプ室33a内に設けられている。インペラ33bは、回転軸33cに取り付けられている。インペラ33bは、複数の羽根33b1を有する。複数の羽根33b1は、例えば、同じ形状を有し、平面視において回転軸33cの中心を中心として点対称となるように設けることができる。
回転軸33cは、粉砕槽32a内を上下方向に延びている。回転軸33cの一方の端部は、モータ33dと接続されている。回転軸33cは、カップリングなどを介してモータ33dの回転軸と接続することもできるし、モータ33dの回転軸を回転軸33cとすることもできる。
モータ33dは、回転軸33cを介して、回転部32bおよびインペラ33bを回転させる。モータ33dの種類には特に限定はないが、可変速制御が可能なものとされている。モータ33dは、例えば、DCブラシレスモータなどとすることができる。モータ33dは、貯留槽31外に設けることができる。モータ33dは、例えば、ケーシング33d1を介して貯留槽31の上面に設けることができる。
モータ33dによりインペラ33bが回転すると、図3中の矢印で表したように、粉砕槽32a内にある汚水が開口32a2を介して貯留槽31内に流入する。貯留槽31内に流入した汚水は、ポンプ室33aの開口33a3を介してポンプ室33a内に流入し、圧送排水管35に圧送される。
空気収納部34は、貯留槽31外に設けられている。空気収納部34は、貯留槽31と連通し、貯留槽31内の空気を収納する。空気収納部34は、貯留槽31内の空気が存在する部分と接続される。そのため、空気収納部34は、貯留槽31の上面や、側面の上部に設けることが好ましい。空気収納部34は、袋状を呈し、可撓性を有するシート状材料から形成されている。前述したように、水と汚物が粉砕槽32a内に流入すると、粉砕槽32a内の空気が開口32a1を介して貯留槽31内に流入する。貯留槽31は気密構造を有しているので、空気の逃げ道がないと貯留槽31内の空気圧、ひいては粉砕槽32a内の空気圧が上昇し、水と汚物の流入が阻害されることになる。そのため、貯留槽31内の空気圧、ひいては粉砕槽32a内の空気圧を調整するために空気収納部34が設けられている。空気収納部34を設ければ、貯留槽31内の空気圧が上昇した際に、貯留槽31内の空気を空気収納部34内に流入させることができる。そのため、貯留槽31内の空気圧の上昇、ひいては粉砕槽32a内の空気圧の上昇を抑制することができるので、水と汚物が粉砕槽32a内に流入するのが容易となる。
なお、汚水がポンプ33により圧送されると、貯留槽31内の水位が下がり貯留槽31内の空気の体積が増加するので、貯留槽31内の空気圧が低下する。そのため、空気収納部34内の空気の一部が貯留槽31内に再び供給される。
圧送排水管35の一端はポンプ室33aと接続され、圧送排水管35の他端は圧送装置3の外部の排水管5と接続されている。圧送排水管35は、配管35a、配管35b、および配管35cを有する。
配管35aの一端は貯留槽31内に設けられ、配管35aの他端は貯留槽31外に設けられている。配管35aは、貯留槽31内を上下方向に延びている。配管35bの一端は配管35aに接続され、配管35bの他端は配管35cに接続されている。なお、配管35bは必ずしも必要ではなく、配管35aと配管35cとが直接接続されるようにしてもよい。配管35cは、貯留槽31外に設けられている。配管35cは、上下方向に延びている。配管35cの排水管5側の端部は、ポンプ室33aと同じ位置、または、ポンプ室33aより下方に設けられている。そのため、圧送排水管35は、サイホン現象を発現させることができる。サイホン現象を発現させることができれば、サイホン現象による吸引力を利用して汚水と取り込んだ空気とを排水管5に送り出すことができる。
ここで、水と汚物がボウル部20から粉砕槽32a内に流入する際に、空気が巻き込まれて粉砕槽32a内に空気が流入する場合がある。粉砕槽32a内に空気が流入すると空気の体積が増加するので、水と汚物が流入した際に粉砕槽32a内の空気圧が上昇し易くなる。この場合、使用者がトイレ装置1を使用するたびに空気が粉砕槽32a内に流入することになる。また、貯留槽31は気密構造を有しているので、使用者がトイレ装置1を使用するたびに貯留槽31内の空気の体積が徐々に増え続けることになる。この場合、空気収納部34により貯留槽31内の空気圧の上昇を抑えることができるが、空気収納部34内に収納可能な空気の体積には限度がある。空気収納部34内に空気が収納しきれなくなると、貯留槽31内の空気圧の上昇、ひいては粉砕槽32a内の空気圧の上昇が抑制できなくなり、粉砕槽32a内への水と汚物の流入が阻害されることになる。
この場合、貯留槽31に開口を設け、貯留槽31内の空気の一部を外部に放出することもできるが、貯留槽31内の空気とともに悪臭が貯留槽31外に放出されることになる。 また、遠心式ポンプなどのポンプ33は、回転軸の遠心方向に向かって流体を搬送するものであり、比重の軽いものは回転軸側に集まり、比重の重いものは回転軸の遠心方向側に集まる。つまり、遠心式ポンプなどのポンプ33は、液体(水)を圧送することはできるが、液体(水)よりも比重の軽い気体(空気)を圧送することはできない。そのため、ポンプ33により、汚水とともに貯留槽31内の空気を貯留槽31外に放出することも難しい。
本発明者は検討の結果、圧送排水管35内を圧送される汚水の速度を変化させれば、圧送排水管35内に負圧を発生させることができるとの知見を得た。
図4は、圧送排水管35内における負圧の発生を例示するための概念図である。
図5(a)、(b)は、負圧の領域35dの形成と移動を例示するための概念図である。
圧送排水管35内を圧送される汚水の速度を低下させると、汚水は、慣性力や、圧送排水管35により発現したサイホン現象による吸引力により上流側に移動しようとする。一方、圧送排水管35には管路抵抗があるので汚水の上流側への移動が阻害される。そのため、図4に示すように、汚水の上流側と、汚水の下流側との間に隙間が生じ、この領域35dの圧力は負圧となる。
図3および図4に示すように、圧送排水管35に貯留槽31の内部と連通する開口35a1を設ければ、貯留槽31内の空気を圧送排水管35内に流入させることができる。貯留槽31内の空気が領域35d内に流入することで、領域35d内の空気圧が貯留槽31内の空気圧とほぼ同じになる。
次に、図5(a)に示すように、汚水の速度を再び増加させると、下流側の汚水が上流に移動する。この際、領域35d内には空気があるので、上流側の汚水と下流側の汚水とが再び合体するのが阻害される。そのため、下流側の汚水が上流に移動することで、上流側の汚水が領域35dを介して上流側に押し出される。
以降、汚水の速度を繰り返し変化させれば、図5(b)に示すように、領域35dが順次形成されるとともに、領域35d内の空気が排水管5に順次圧送される。そのため、貯留槽31内の空気を排出することができる。
領域35dの形成位置は、モータ33d(インペラ33b)の回転数により制御することができる。この場合、領域35dの形成位置は、汚水の粘度、圧送排水管35の管路抵抗、汚水の圧送速度などの影響を受け得る。そのため、モータ33dの制御量は、実験やシミュレーションを行うことで適宜決定することが好ましい。
図6は、比較例に係るトイレ装置の動作を例示するためのタイミングチャートである。 図6に示すように、洗浄スイッチ(操作部6a)をONにすると、便器洗浄が開始される。すなわち、給水弁21aが開き、導水路21bからボウル部20に水が供給される。ボウル部20に供給された水は、サイホン現象による吸引力で汚物とともに粉砕槽32a内に流入する。次に、ポンプ33のモータ33dが動作し、汚物を粉砕するとともに、粉砕された汚物と水からなる汚水を排水管5に圧送する。そのため、貯留槽31内の汚水の量が減少していく。前述したように、水と汚物がボウル部20から粉砕槽32a内に流入する際に、空気が巻き込まれて粉砕槽32a内、ひいては貯留槽31内の空気の量が増加する。貯留槽31内の空気の量の増加は、使用者がトイレ装置1を使用するたびに生じることになる。
この場合、サイホン式のトイレ装置1であれば、発現したサイホン現象により空気がさらに巻き込まれやすくなり、貯留槽31内の空気の量がさらに増加するおそれがある。
貯留槽31内の空気の量が増加すると、貯留槽31と連通する粉砕槽32a内の空気圧が上昇し、水と汚物の流入が阻害されることになる。
図7は、本実施の形態に係るトイレ装置1の動作を例示するためのタイミングチャートである。
図7に示すように、洗浄スイッチ(操作部6a)をONにすると、便器洗浄が開始される。すなわち、給水弁21aが開き、導水路21bからボウル部20に水が供給される。ボウル部20に供給された水は、サイホン現象による吸引力で汚物とともに粉砕槽32a内に流入する。次に、ポンプ33のモータ33dが動作し、汚物を粉砕するとともに、粉砕された汚物と水からなる汚水を排水管5に圧送する。この際、モータ33dを制御して、圧送される汚水の速度を変化させる。そのため、貯留槽31内の汚水の量が段階的に減少していく。また、前述したように、モータ33dを制御して、圧送排水管35の開口35a1の位置に負圧の領域35dが形成される様にする。そのため、貯留槽31内の空気が領域35dに流入し、領域35dの形成と移動を繰り返すことで貯留槽31内の空気が段階的に排出される。そのため、サイホン式の便器2であっても、貯留槽31と連通する粉砕槽32a内の空気圧が上昇し、水と汚物の流入が阻害されるのを抑制することができる。
図7においては、ポンプ33(モータ33d)は、圧送運転を開始した後、所定の時間の経過後、圧送運転を停止し、圧送運転を停止してから所定の時間経過後に再び圧送運転を開始するようにしている。すなわち、モータ33dの起動と停止を繰り返す断続運転を行う場合を例示した。
しかしながら、ポンプ33の運転形態はこれに限定されるわけではない。
例えば、ポンプ33(モータ33d)は、第1の回転数で所定の時間圧送運転を行い、第1の回転数で所定の時間圧送運転を行った後、第1の回転数よりも低い第2の回転数で圧送運転を行う様にしてもよい。すなわち、モータ33dは、減速運転と加速運転を繰り返す様にしてもよい。この様にしても、負圧の領域35dの形成と、領域35dへの空気の流入と、空気が流入した領域35dの移動とを行うことができる。すなわち、前述した場合と同様の作用効果を得ることができる。
また、モータ33d(モータ33d)は、所定の回転数で所定時間圧送運転を行い、所定の回転数で圧送運転を行った後、逆回転することもできる。遠心式ポンプであるポンプ33のインペラ33bは、所定の方向に回転すれば汚水を圧送できるが、逆方向に回転すれば効率が低下して汚水の圧送が抑制される。そのため、この様にしても、負圧の領域35dの形成と、領域35dへの空気の流入と、空気が流入した領域35dの移動とを行うことができる。すなわち、前述した場合と同様の作用効果を得ることができる。
また、開口35a1の面積は、圧送排水管35(配管35a)の流路断面積(配管35aが延びる方向と直交する方向における内断面積)よりも小さくなっている。開口35a1の面積が、圧送排水管35の流路断面よりも小さくなっていれば、圧送排水管35を流れる汚水が開口35a1から貯留槽31内に流れ込むのを抑制することができる。
また、開口35a1は、貯留槽31の高さ方向の中心よりも上方に設けることが好ましい。貯留槽31内の空気は、貯留槽31内の上方に溜まる。開口35a1を貯留槽31の高さ方向の中心よりも上方に設ければ、貯留槽31内の空気を開口35a1を介して圧送排水管35内に引き込むことが容易となる。
また、図3に示すように、開口35a1には逆止弁36を設けることもできる。開口35a1に逆止弁36を設ければ、貯留槽31から開口35a1を介して圧送配管35内に引き込まれた空気が、再び貯留槽31に流入するのを抑制することができる。そのため、圧送排水管35に引き込まれた空気を、より確実に外部の排水管5に圧送することができる。
図8〜図12は、開口35a1の他の配設形態を例示するための断面図である。
図3に例示をした開口35a1は、配管35aに直接設けられているが、図8〜図12に例示をした開口35a1は、配管35aの側面に接続された配管35a2の開口を開口35a1としている。配管35aの側面に接続された配管35a2を設ければ、開口35a1を任意の位置に設けることができる。
この場合、図8および図11に示すように、開口35a1を圧送排水管35の外側から見た場合に、開口35a1は、配管35aを流れる汚水の流れ方向に対して上流側を向くようにすることができる。
この様にすれば、圧配管35a内を流れる汚水が開口35a1から貯留槽31内に流れ込むのを抑制することができる。
また、配管35a2は、図8に示すように真っ直ぐな形態を有していてもよいし、図11に示すように屈曲した形態を有していてもよい。
また、図8に示すように、配管35a2の中心軸が、配管35aの中心軸に対して傾斜している様にすることもできる。
また、図9に示すように、開口35a1を圧送排水管35の外側から見た場合に、開口35a1は、配管35aを流れる汚水の流れ方向に対して略垂直な方向を向くようにすることができる。
この様にすれば、開口35a1の形成が容易となる。
また、図10および図12に示すように、開口35a1を圧送排水管35の外側から見た場合に、開口35a1は、配管35aを流れる汚水の流れ方向に対して下流側を向くようにすることができる。
この様にすれば、開口35a1を貯留槽31内の上方に設けることが容易となる。貯留槽31内の空気は、貯留槽31内の上方に溜まる。開口35a1が貯留槽31内の上方に設けられていれば、貯留槽31内の空気を圧送排水管35内に引き込むことが容易となる。
この場合、配管35a2は、図10に示すように真っ直ぐな形態を有していてもよいし、図12に示すように屈曲した形態を有していてもよい。
また、図10に示すように、配管35a2の中心軸が、配管35aの中心軸に対して傾斜している様にすることもできる。
以上、実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1 トイレ装置、2 便器、3 圧送装置、4 給水管、5 排水管、6 制御部、20 ボウル部、21 給水装置、22 排水管路、31 貯留槽、32 粉砕部、32a 粉砕槽、32b 回転部、33 ポンプ、33a ポンプ室、33b インペラ、33c 回転軸、33d モータ、34 空気収納部、35 圧送排水管、35a 配管、35a1 開口、35a2 配管、35b 配管、35c 配管

Claims (9)

  1. 便器と接続され、汚水を圧送する圧送装置であって、
    前記汚水を貯留する貯留槽と、
    前記貯留槽内に設けられ、遠心力によって、外部の排水管に接続された圧送排水管へ前記汚水を圧送する圧送手段と、
    を備え、
    前記圧送排水管には、前記貯留槽内と連通する開口が設けられ、
    前記圧送手段は、モータを備え、
    前記モータは、所定の回転数で所定時間圧送運転を行い、前記所定の回転数で圧送運転を行った後、逆回転する、または、
    前記モータは、第1の回転数で所定の時間圧送運転を行い、前記第1の回転数で所定の時間圧送運転を行った後、前記第1の回転数よりも低い第2の回転数で圧送運転を行う、または、
    前記モータは、圧送運転を開始した後、所定の時間の経過後、前記圧送運転を停止し、前記圧送運転を停止してから所定の時間経過後に再び前記圧送運転を開始することで、前記圧送排水管内の汚水を圧送している際に、前記圧送排水管を流れる汚水の速度を変化させて、前記圧送排水管内に負圧の領域を形成するように制御されており、
    前記モータは、前記負圧の領域が前記開口の設けられる位置に形成されるように制御されると共に、前記汚水の速度を繰り返し変化させることで、前記負圧の領域が順次形成されるように制御されている圧送装置。
  2. 前記開口には逆止弁が設けられている請求項1載の圧送装置。
  3. 前記圧送排水管は、前記貯留槽内を上下方向に延びる配管を有し、
    前記開口は、前記配管に設けられている請求項1または2に記載の圧送装置。
  4. 前記開口は、前記貯留槽の高さ方向の中心よりも上方に設けられている請求項1〜のいずれか1つに記載の圧送装置。
  5. 前記開口を前記圧送排水管の外側から見た場合に、前記開口は、前記圧送排水管を流れる前記汚水の流れ方向に対して上流側、または下流側、または前記汚水の流れ方向に対して略垂直な方向を向いている請求項1〜のいずれか1つに記載の圧送装置。
  6. 前記開口の面積は、前記圧送排水管の流路断面積よりも小さい請求項1〜のいずれか
    1つに記載の圧送装置。
  7. 前記便器は、サイホン現象が発現可能に構成され、前記便器は、前記発現させたサイホン現象により、水と汚物とを排出する請求項1〜のいずれか1つに記載の圧送装置。
  8. 前記圧送排水管は、サイホン現象が発現可能に構成され、
    前記開口の下流において、前記発現させたサイホン現象により、前記汚水を搬送する請求項1〜のいずれか1つに記載の圧送装置。
  9. 便器と、
    前記便器に接続された請求項1〜のいずれか1つに記載の圧送装置と、
    を備えたトイレ装置。」
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