JP2017014354A - 研磨液 - Google Patents

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【課題】窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比を高くできるとともに、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制できる研磨液を提供する。【解決手段】酸化ケイ素を含む被研磨面の研磨に用いられる研磨液であって、(A)アミド基を有するカルボン酸と、(B)酸化セリウム粒子と、(C)水と、を含有し、pHが2.0〜6.0である、研磨液。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨液に関し、より詳しくは、酸化ケイ素を含む被研磨面を研磨するための研磨液に関する。
半導体製造の分野では、超LSIデバイスの高性能化に伴い、従来の延長線上の微細化技術では、上記高性能化に応え得る高集積化と高速化とを両立することが限界となってきている。そのため、半導体素子の微細化も進めつつ、垂直方向にも多層配線化(高集積化)する技術が開発されている。このような多層配線化に必要なプロセスにおいて、最も重要な技術の一つにCMP(化学機械研磨)技術がある。多層配線化では、リソグラフィの焦点深度を確保するために一層ずつデバイスを平坦化することが不可欠である。デバイスに凹凸がある場合、露光工程において焦点合わせが困難となったり、微細配線構造を形成できなかったりするからである。
このようなCMPの工程は、例えば、素子分離構造を形成した後に埋め込むプラズマ酸化膜(BPSG・HDP−SiO・p−TEOS)や層間絶縁膜等の平坦化、及び、酸化ケイ素膜(酸化ケイ素を含む膜)を金属配線に埋め込んだ後のプラグ(例えば、Al・Cuプラグ)の平坦化にも適用され、半導体製造には欠かせない技術となっている。素子分離構造を酸化ケイ素膜により埋め込む場合、素子分離構造が有している凹凸に対応して酸化ケイ素膜にも凹凸が形成され、これに対してCMPを行うと、凸部が優先的に除去されるとともに、凹部がゆっくりと除去されることによって平坦化がなされる。
加工寸法の微細化に伴って、素子分離幅を狭くするための技術が要求されており、そのような素子分離の方法としては、シャロー・トレンチ分離(STI)が用いられつつある。ここで、図1に、半導体のSTI構造を形成する際における研磨工程の断面概略図を示す。図1(a)は研磨前の、図1(b)は研磨途中の、図1(c)は研磨後の状態を表している。図1に示すように、STIでは、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差Dを解消するため、表面から突出している余分な部分を除去する目的でCMPを使用する。この際、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜(ストッパ膜)2が形成される。これにより、研磨後には、図1(c)のような平坦な表面が形成される。高効率な研磨を達成するには、窒化ケイ素の研磨速度に対する酸化ケイ素の研磨速度の比が大きいこと、すなわち、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比(酸化ケイ素/窒化ケイ素の選択比。「研磨選択性」ともいう)が高いことが望まれる。
砥粒としてシリカ粒子を使用したSTI研磨用途のスラリ(シリカスラリ)としては、従来、種々のものが知られている。しかしながら、シリカスラリは、一般的に、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比が低く、最大でも約5(5/1)である。このようなシリカスラリとしては、砥粒としてコロイダルシリカやヒュームドシリカを用いるものがあるが、いずれも酸化ケイ素の研磨速度が充分でなく、上記研磨選択比も低いという問題がある。
そこで、近年では研磨選択比の向上を目的として、酸化セリウム粒子を含むCMP用研磨液を用いることが行われつつある(例えば、下記特許文献1参照)。特許文献1には、高研磨選択比を達成するため、酸化セリウム粒子、カルボン酸又はその塩、アルコール系化合物、及び、水を含むCMP用研磨液が開示されている。また、特許文献1には、pHが7以上であれば高い研磨選択比が得られることが示されている。
特開2006−19740号公報
しかしながら、次世代の半導体素子には、従来に比して更なる微細化・高集積化が求められるが、これに対応するため、研磨液には、高い研磨選択比が得られるだけでなく、ストッパである窒化ケイ素が露出した段階で、基板(シリコン基板等)の凹部(トレンチ部)に形成された酸化ケイ素(例えば、図1(c)の符号7)の研磨の進行が止まらず過剰に削れてしまう現象を抑制することが必要となってきており、この点において、従来の研磨液には更なる改良が求められている。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比を高くできるとともに、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制できる研磨液を提供することを目的とする。
本発明に係る研磨液は、酸化ケイ素を含む被研磨面の研磨に用いられる研磨液であって、(A)アミド基を有するカルボン酸と、(B)酸化セリウム粒子と、(C)水と、を含有し、pHが2.0〜6.0であることを特徴とする。
本発明に係る研磨液は、アミド基を有するカルボン酸と、酸化セリウム粒子と、水とを組み合わせて含み且つ上記特定のpHを有することから、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比を高くできるとともに、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部(トレンチ部)に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制できるものとなる。かかる要因については必ずしも明らかではないものの、次のように推測される。
すなわち、本発明に係る研磨液のpHが2.0〜6.0であることから、この研磨液においては、まず、アミド基を有するカルボン酸の酸解離度合いが変化しており、これにより研磨液の疎水性が変化して、酸化ケイ素及び窒化ケイ素への濡れ性や親和性が変化している。特に、酸化ケイ素に対しては濡れ性や親和性が向上している。また、酸化セリウム粒子のゼータ電位の符号が正となっており、これによりゼータ電位の符号が負である酸化ケイ素との間に静電的引力が働くため、酸化セリウム粒子の酸化ケイ素への接触効率が高まっている。一方、窒化ケイ素のゼータ電位の符号が正であることから、酸化セリウム粒子との間に静電的斥力が働くため、酸化セリウム粒子の窒化ケイ素への接触効率は低下する。これらの要因により、本発明に係る研磨液によれば、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比が高められる。
また、一般に、カルボン酸誘導体は、水が求核攻撃をすると加水分解する。カルボン酸誘導体の一つである、アミド基を有するカルボン酸も加水分解反応によりカルボン酸とアミンとを生成するが、カルボン酸誘導体の中でも、アミド基を有するカルボン酸は反応性が低いため、熱が加わらないと、この加水分解が生じない。ここで、ストッパである窒化ケイ素が露出した時点から、被研磨材料である酸化ケイ素の研磨が進行すると、摩擦熱が発生し、それにより、アミド基を有するカルボン酸が加水分解を起こし、カルボン酸とアミンとが生成する。そして、カチオン性であるアミンは、ゼータ電位の符号が負である酸化ケイ素に作用してゼータ電位の絶対値の値を下げ、正のゼータ電位を有する酸化セリウム粒子との静電的引力を低下させる。これらの要因により、本発明に係る研磨液によれば、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制できる。
さらに、本発明に係る研磨液では、上述したカルボン酸により、被研磨材料に対する濡れ性が変わる効果が生じ、本発明に係る効果が良好に得られるようになる。
前記(A)成分は、モノカルボン酸及びジカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、モノカルボン酸を含むことがより好ましい。この場合、高研磨選択比と、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象の抑制効果との両立を容易に図ることができる。
前記(A)成分は、1級アミド及び2級アミドからなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、1級アミドを含むことがより好ましい。この場合、(A)成分の溶解性に優れる。
前記(A)成分は、マロンアミド酸、スクシンアミド酸及び4−カルバモイル酪酸からなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記(A)成分の含有量は、研磨液の全質量を基準として0.005〜1質量%であることが好ましい。この場合、上述した被研磨材料に対する濡れ性が変わる効果が良好に生じる等して、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の高い研磨選択比、及び、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象の抑制効果が容易に得られる。
前記(B)成分の含有量は、研磨液の全質量を基準として0.05〜5質量%であることが好ましい。この場合、優れた酸化ケイ素の研磨速度が得られる。
前記(B)成分の平均粒径は、20〜300nmであることが好ましい。この場合、研磨速度の向上に有利である。
前記(B)成分は、液相法を利用して合成される酸化セリウム粒子であることが好ましい。この場合、合成時に研磨傷の影響となる粒子が混入し難い。
本発明によれば、窒化ケイ素(例えば窒化ケイ素膜)に対する酸化ケイ素(例えば酸化ケイ素膜)の研磨選択比を高くできるとともに、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制できる。本発明によれば、このような効果を従来のシリカスラリに比して好適に得ることができる。本発明に係る研磨液は、酸化ケイ素を含む被研磨面(例えば、酸化ケイ素膜の被研磨面)を研磨するためのCMP用研磨液として有用である。
半導体のSTI構造を形成する際における研磨工程の断面概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[研磨液]
本実施形態に係る研磨液は、(A)アミド基を有するカルボン酸と、(B)酸化セリウム粒子と、(C)水とを少なくとも含有する。本実施形態に係る研磨液のpHは、2.0〜6.0である。以下、このような研磨液の構成について更に説明する。
((A)成分:アミド基を有するカルボン酸)
(A)成分は、少なくとも一つのアミド基を有するカルボン酸である。(A)成分は、溶解性に優れる観点から、1級アミド及び2級アミドからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、1級アミドがより好ましい。また、高研磨選択比と、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象の抑制効果との両立を容易に図ることができる観点から、モノカルボン酸及びジカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、モノカルボン酸がより好ましい。(A)成分としては、高研磨選択比と、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象の抑制効果との両立をより容易に図ることができる観点から、マロンアミド酸、スクシンアミド酸及び4−カルバモイル酪酸からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、マロンアミド酸及びスクシンアミド酸からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。(A)成分は、単独で又は二種類以上を混合して使用することができる。
研磨液における(A)成分の含有量は、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の高い研磨選択比、及び、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象の抑制効果が容易に得られる観点から、研磨液の全質量を基準として、0.005〜1質量%が好ましい。(A)成分の含有量が1質量%以下であると、砥粒の凝集を抑えやすくなり、良好な研磨速度が得られる傾向にある。このような観点から、(A)成分の含有量は、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下が更に好ましい。また、高い研磨選択比、及び、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象の抑制効果を安定的に得る観点から、(A)成分の含有量は、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。
((B)成分:酸化セリウム粒子)
(B)成分は、例えば、酸化セリウムからなり粒子状を有する粒子である。(B)成分は、どのような製造方法によって得られた酸化セリウム粒子であってもよい。酸化セリウム粒子を作製する方法としては、焼成等を用いる固相法や、塩基とセリウム塩の水溶液とを接触させた後に加熱処理を施す液相法等を適用することができる。これらの方法によって製造された酸化セリウム粒子が凝集している場合は、凝集した粒子を機械的に粉砕してもよい。粉砕方法としては、例えば、ジェットミル等による乾式粉砕や、遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。
研磨液に含まれる酸化セリウム粒子は、液相法を利用して合成される酸化セリウム粒子であることが好ましい。この場合、研磨傷の影響となる粒子が合成時に混入し難い。このような酸化セリウム粒子としては、例えば、国際公開第2008/043703号に開示されたものを適用できる。
(B)成分としては、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム粒子が好ましい。この場合、研磨中に、それ自体が細かくなるとともに活性面が次々と現れる挙動を示すため、酸化ケイ素の研磨速度を更に向上させることができる。このような結晶粒界を有する酸化セリウム粒子としては、例えば、再公表特許WO99/31195号に開示されたものを適用できる。
(B)成分の平均粒径は、酸化ケイ素の研磨速度を高める観点から、20〜300nmであることが好ましい。(B)成分の平均粒径は、大きすぎると研磨傷が多くなる場合があることから、300nm以下が好ましく、280nm以下がより好ましく、250nm以下が更に好ましく、200nm以下が特に好ましい。(B)成分の平均粒径は、粒径が小さすぎると研磨速度が小さくなり過ぎる場合があることから、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上が更に好ましく、50nm以上が特に好ましい。
ここで、「平均粒径」とは、BECKMANCOULTER社製のサブミクロン粒子アナライザー「N5」の単分散モードを用いて測定して得られたものである。具体的には、平均粒径としては、BECKMANCOULTER社製のサブミクロン粒子アナライザー「N5」から得られるIntensity(信号の強さ)が1.0E+4〜1.0E+6の範囲となるように酸化セリウム粒子の水分散液を調整し(水により希釈し)、240秒の測定を行い得られた結果を用いることができる。
このような酸化セリウム粒子を研磨液に適用する場合には、主な分散媒である水中に分散させて酸化セリウムスラリを得ることが好ましい。分散方法としては、例えば、通常の攪拌機による分散処理のほか、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いた方法が挙げられる。
上記の方法により分散された酸化セリウム粒子は、微粒子化してもよく、その方法としては、例えば、酸化セリウムスラリを小型遠心分離機で遠心分離した後、強制沈降させ、上澄み液のみを取り出す、沈降分級法が挙げられる。分散媒中の酸化セリウム粒子同士を高圧で衝突させる高圧ホモジナイザを用いてもよい。
(B)成分の含有量は、研磨液の全質量を基準として、0.05〜5質量%であることが好ましい。(B)成分の含有量が高すぎると、粒子が凝集しやすくなる傾向にあることから、(B)成分の含有量は、5質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましく、2質量%以下が特に好ましく、1質量%以下が極めて好ましい。(B)成分の含有量が低すぎると、研磨速度が小さくなる場合があることから、(B)成分の含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましい。
((C)成分:水)
研磨液の媒体である水としては、特に制限されないが、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が好ましい。なお、研磨液は、必要に応じて水以外の溶媒、エタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒などを更に含有してもよい。
(研磨液のpH)
本実施形態に係る研磨液のpHは、2.0〜6.0の範囲である。このようなpHを有する研磨液では、カルボン酸の酸解離度合いが変化することによる研磨液の疎水性が向上するとともに、酸化セリウム粒子のゼータ電位の符号が正となることにより酸化ケイ素への接触効率が向上すると推定される。これにより、本実施形態に係る研磨液は、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比が高まる効果を発揮することができる。
研磨液のpHが高すぎると、酸化セリウム粒子のゼータ電位の絶対値が小さくなる傾向にある。これにより粒子同士の静電的反発が弱まって、凝集が起こりやすくなるため、研磨速度が低下するおそれがある。そのため、研磨液のpHは、6.0以下であり、5.0以下が好ましく、4.7以下がより好ましい。研磨液のpHが低すぎると、酸化ケイ素のゼータ電位の絶対値が小さくなり、酸化セリウム粒子との間の静電的引力が弱まって研磨速度が小さくなる傾向にある。そのため、研磨液のpHは、2.0以上であり、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。
本実施形態に係る研磨液のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40)で測定することができる。例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH4.01)と中性リン酸塩pH緩衝液(pH6.86)を標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液と研磨液の液温は共に25℃とする。
((D)成分:pH調整剤)
本実施形態に係る研磨液は、上述した(A)〜(C)成分に加えてpH調整剤を含有してもよい。研磨液のpHは、(A)成分の量にも依存するが、pH調整剤として最小限の酸や塩基を使用しても所望のpHを得ることができる。ただし、pH調整剤を含まなくても研磨液が所定のpH範囲にある場合は、pH調整剤を用いなくてもよい。
pH調整剤としては、特に限定されないが、主としてpHの調整に寄与することができ、研磨特性に悪い影響を与えないものが好ましい。そのような観点から、pH調整剤としては、無機酸及び無機塩基からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。pH調整剤としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸等の酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア水等の塩基を挙げることができる。
(E)その他の添加剤
本実施形態に係る研磨液は、窒化ケイ素に対する酸化ケイ素の研磨選択比を更に向上させる目的、あるいは、その他の研磨特性を向上させる目的で、必要に応じて、上記(A)〜(D)成分以外の成分を(E)その他の添加剤として更に含有することができる。
(E)その他の添加剤としては、界面活性剤、水溶性高分子等を挙げることができる。水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩等を挙げることができる。(E)成分である添加剤の含有量は、(A)成分を添加することによって研磨選択比が向上する効果や、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制する効果を妨げない範囲内が好ましい。
ここで、研磨液は、研磨選択比が向上する効果や、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいて凹部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制する効果を充分に得られるのであれば、実質的に上記(A)〜(C)成分のみからなる研磨液であってもよく、(D)成分を更に含有する場合は、実質的に(A)〜(D)成分のみからなる研磨液であってもよい。すなわち、研磨液は、化学成分としては実質的に(A)成分のみを含み、(E)その他の成分等を含まないか、微量だけ含むものであってもよい。
[研磨液の種類]
研磨液は、どのような作製方法によって得られたものであるかは特に制限されず、研磨に用いる際に上述したような特徴を具備しているものであればよいが、研磨に使用する時以外は、例えば、以下の(X)通常タイプ、(Y)濃縮タイプ及び(Z)2液タイプ等の形態を有することができる。
(X)通常タイプとは、研磨時に希釈等の前処理をせずにそのまま使用できるタイプの研磨液である。この通常タイプの研磨液の作製方法は、特に制限されないが、例えば、使用時において、(B)成分である酸化セリウム粒子の含有量が0.5質量%であり、且つ、(A)成分であるスクシンアミド酸の含有量が0.1質量%である研磨液1000gを作製する場合、通常タイプでは、研磨液の全量に対して、酸化セリウム粒子を5g、スクシンアミド酸を1gそれぞれ投入すればよい。
(Y)濃縮タイプとは、(X)通常タイプに対して含有成分を濃縮することで、研磨液の作製、保管や輸送の利便性を高めたものである。この(Y)濃縮タイプの研磨液は、使用直前に、含有成分が目的の含有量となるように水と混合し、通常タイプと同程度の液状特性(例えばpHや粒径)、研磨特性(例えば研磨速度や研磨選択比)を再現できるように任意の時間攪拌して用いる。このような(Y)濃縮タイプの研磨液は、保管や輸送のために必要な容積を、濃縮の度合いに応じて小さくできるため、保管や輸送にかかるコストを減らすことができる。
(Y)濃縮タイプの研磨液の場合、(X)通常タイプに対する濃縮倍率は、保存安定性と利便性に優れる観点から、1.5〜20倍が好ましい。濃縮しすぎると、酸化セリウム粒子が凝集しやすくなるため、濃縮倍率は、20倍以下が好ましく、17倍以下がより好ましく、15倍以下が更に好ましく、10倍以下が特に好ましく、5倍以下が極めて好ましい。また、薄すぎると、保管や輸送のメリットはあるものの、(X)通常タイプと比較して希釈の手間がかかるデメリットの方が大きくなる場合がある。そのため、濃縮倍率は、1.5倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましく、3倍以上が更に好ましく、4倍以上が特に好ましい。
(Y)濃縮タイプの研磨液の作製に際して注意すべき点は、使用時に水で希釈する際に、この希釈前後でpHが変化することである。例えば、濃縮タイプの研磨液から通常タイプと同じpHの研磨液を調製しようとすると、水のpHは理論的には7である(ただし、実際の水は二酸化炭素が溶解しており、水だけであるとpHは約5.6である)ため、例えばpH5.5以下の濃縮タイプを用いた場合、希釈後、これよりも高いpHの研磨液しか得られなくなる。そこで、使用時に目的のpHが得られやすいように、濃縮タイプの研磨液では、pHをあらかじめ低めに調整しておくことが好ましい。
なお、上述したように、研磨液のpHは、高すぎると、酸化セリウム粒子のゼータ電位の絶対値が小さくなり、この粒子同士の静電的反発が弱まることで凝集が起こりやすくなる。そのため、(Y)濃縮タイプの研磨液のpHは、5.4以下が好ましく、4.9以下がより好ましく、4.3以下が更に好ましく、3.8以下が特に好ましく、3.5以下が極めて好ましい。また、pHが低すぎると、酸化ケイ素のゼータ電位の絶対値が小さくなり、酸化セリウム粒子との間の静電的引力が弱まり、これにより研磨速度が小さくなる傾向にある。そこで、濃縮タイプの研磨液のpHは、1.5以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、3以上が特に好ましく、3.2以上が極めて好ましい。
(Z)2液タイプの研磨液は、例えば、液Aと液Bとに研磨液の含有量をわけ、使用の一定時間前にこれらを混合して1つの研磨液とするものである。このような2液タイプによれば、(Y)濃縮タイプの場合における酸化セリウム粒子の凝集のしやすさを回避することが容易である。2液タイプの研磨液における液A及び液Bは、それぞれ任意の割合で含有成分を含むことができる。2液タイプの研磨液の例としては、特に限定されないが、例えば、液Aが(B)成分のみを含み且つ液Bが(A)成分(場合により、更にpH調整剤等のその他の添加剤)を含む場合、液Aが(A)成分及び(B)成分(場合により、更にpH調整剤等)を含み且つ液Bがその他の添加剤を含む場合が挙げられる。
(Z)2液タイプの研磨液は、例えば、研磨液の各成分を混合してからある一定の時間経過すると、酸化セリウム粒子の凝集等で研磨特性が悪化してしまう組み合わせ等において適用することが有効である。また、液A及び液Bの容積を小さくするために、液Aと液Bとをそれぞれ濃縮タイプとすることもできる。この場合、液Aと液Bとの混合時に水を更に加えて、1つの研磨液とすることができる。液A及び液Bの濃縮倍率や、これらのpHは任意であり、最終的な研磨液が通常タイプの組成と液状特性や研磨特性が同様となるものであればよい。
[研磨方法]
本実施形態に係る研磨方法は、本実施形態に係る研磨液を用いて、酸化ケイ素を含む被研磨面を研磨する。研磨液を使用して基板を研磨する方法においては、通常、研磨すべき被研磨材料(被研磨膜等)を形成した基板を研磨定盤の研磨布(パッド)に押しあてて加圧し、この状態で研磨液を被研磨材料と研磨布との間に供給しながら、基板と研磨定盤を相対的に動かすことにより被研磨材料を研磨する。このような研磨方法は、特に、表面に段差を有する基板を研磨し、これにより段差を平坦化するような研磨工程に好適である。
以下、酸化ケイ素(酸化ケイ素膜等)、窒化ケイ素(窒化ケイ素膜等)、多結晶シリコン(多結晶シリコン膜等)のような無機絶縁材料(無機絶縁層等)が形成された半導体基板を研磨する場合を例に挙げて研磨方法を説明する。
この方法に用いる研磨装置としては、例えば、半導体基板等の、被研磨材料を有する基板を保持するホルダーと、研磨布を貼り付け可能であり、回転数が変更可能なモータ等が設けられた研磨定盤とを有するような研磨装置が挙げられる。
このような研磨装置としては、例えば、荏原製作所株式会社製の研磨装置(型番:F−REX300)や、AMAT製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflection研磨機)等が挙げられる。また、研磨布としては、特に制限されないが、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。この研磨布には、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件は、特に制限されないが、基板が飛び出さないようにする観点から、研磨定盤の回転速度は、200min−1以下の低回転が好ましい。ただし、回転数が低すぎると研磨速度が遅くなりすぎるため、10min−1以上の回転数が好ましい。また、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨後に傷が発生しないようにするため、100kPa以下が好ましく、良好な研磨速度を得る観点から、5kPa以上が好ましい。
研磨を行っている間、研磨布には、研磨液をポンプ等で連続的に供給することが好ましい。この供給量に特に制限はないが、少なくとも研磨布の表面が常に研磨液で覆われている状態にできる量であることが好ましい。研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて、基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
このようにして、被研磨材料である無機絶縁材料を上述した研磨液で研磨することにより、表面の凹凸を解消して、基板全面にわたって平滑な面を形成することができる。そして、このような工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数を有する基板を製造することができる。
本実施形態に係る研磨液が適用される被研磨膜である酸化ケイ素膜は、例えば、低圧CVD法、プラズマCVD法等によって形成される。この低圧CVD法による酸化ケイ素膜の形成は、Si源としてモノシラン(SiH)、酸素源として酸素(O)を用い、SiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることにより行うことができる。また、場合によっては、CVD後、1000℃又はそれ以下の温度で熱処理してもよい。
また、被膜の形成後、高温リフローを行うことにより表面の平坦化を図る場合は、かかる平坦化を行いやすくするため、リン(P)をドープすることにより軟化点を下げることもある。その場合、成膜にはSiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。さらに、プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とするような化学反応を低温で生じさせることができるという利点を有する。プラズマの発生法には、容量結合型及び誘導結合型の2つが挙げられる。
上記の方法で用いる反応ガスとしては、Si源としてSiHを用い且つ酸素源としてNOを用いるSiH−NO系ガス、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源として用いるTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)等が挙げられる。この際、基板温度は250〜400℃が好ましく、反応圧力は67〜400Paが好ましい。
上記のように研磨液により研磨される酸化ケイ素膜は、リン、ホウ素等の元素がドープされたものであってもよい。
また、低圧CVD法による窒化ケイ素膜の形成は、例えば、Si源としてジクロルシラン(SiHCl)を用い且つ窒素源としてアンモニア(NH)を用いるSiHCl−NH系酸化反応を900℃程度の高温で生じさせることにより行うことができる。プラズマCVD法の場合、反応ガスとしては、Si源としてSiHを用い且つ窒素源としてNHを用いるSiH−NH系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
また、研磨方法において研磨される被研磨材料が形成された基板としては、例えば、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリー等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子などを含有する基板を適用することができる。
なお、本実施形態に係る研磨液は、上述した実施形態で述べたような、基板(半導体基板等)に形成された窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜の研磨に限られず、所定の配線を有する配線板に形成された酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜の研磨に適用することができる。
そして、上記の研磨方法で研磨された基板を備える電子部品としては、種々のものが挙げられる。電子部品としては、半導体素子だけでなく、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッドなどが挙げられる。これらは、各層が本実施形態に係る研磨液によって研磨されているため、高集積化が図られるとともに、優れた特性を発揮することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(酸化セリウム粒子の準備)
平均粒径133nmの酸化セリウム粒子を含む水分散液を準備した。平均粒径は、BECKMANCOULTER社製のサブミクロン粒子アナライザー「N5」の単分散モードを用いて測定して得られたものである。具体的には、平均粒径としては、BECKMANCOULTER社製のサブミクロン粒子アナライザー「N5」から得られるIntensity(信号の強さ)が1.0E+4〜1.0E+6の範囲となるように酸化セリウム粒子の水分散液を調整し(水により希釈し)、240秒の測定を行い得られた結果を用いた。
(CMP用研磨液の調製)
水、各種添加剤、前記酸化セリウム粒子を含む水分散液の順に同一容器内に配合した後に混合して、表1の成分を含むCMP用研磨液を調製した。CMP用研磨液のpHは、硝酸又はアンモニア水を用いて、表1に示す値に調整した。pHは、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40を用いて測定した。
[実施例1]
研磨液中の添加剤としてスクシンアミド酸を用いた。
[比較例1〜4]
比較例1として、添加剤を含まない研磨液を用いた。比較例2〜4として、研磨液中の添加剤としてそれぞれブチルアミド、プロピオン酸、ピコリン酸を用いた。
(絶縁膜の研磨)
CMP評価用試験ウエハとして、パターンが形成されていないブランケットウエハ(Blanketウエハ)と、パターンが形成されているパターンウエハ(パターン付きウエハ)とを使用した。ブランケットウエハとして、酸化ケイ素膜をシリコン(Si)基板(直径:300mm)上に有するウエハ、及び、窒化ケイ素膜をシリコン(Si)基板(直径:300mm)上に有するウエハを用いた。パターンウエハとして、SEMATECH社製の商品名「パターンウエハ764」(直径:300mm、ストッパ:窒化ケイ素膜)を用いた。
CMP評価用試験ウエハの研磨には、荏原製作所株式会社製の研磨装置(型番:F−REX300)を用いた。基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーにCMP評価用試験ウエハをセットした。研磨装置の直径600mmの研磨定盤に、多孔質ウレタン樹脂製の研磨布(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1010)を貼り付けた。被研磨膜である絶縁膜(酸化ケイ素膜)が配置された面を下にして前記ホルダーを研磨定盤上に載せ、加工荷重を140gf/cm(13.8kPa)に設定した。
前記研磨定盤上に前記CMP用研磨液を200mL/minの速度で滴下しながら、研磨定盤とCMP評価用試験ウエハとをそれぞれ93min−1、87min−1で回転させて、CMP評価用試験ウエハを研磨した。PVAブラシ(ポリビニルアルコールブラシ)を使用して研磨後のウエハを純水でよく洗浄した後、乾燥させた。
(評価)
[ブランケットウエハにおける酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜の研磨速度]
フィルメトリクス株式会社製光干渉式膜厚測定装置(装置名:F80)を用いて、研磨前後の被研磨膜(酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜)の膜厚を測定し、膜厚変化量の平均から、ブランケットウエハにおける被研磨膜の研磨速度を算出した。なお、研磨は30秒間行った。研磨速度の単位はnm/minである。
[窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨選択比]
上記の方法から得られたブランケットウエハにおける酸化ケイ素膜の研磨速度をブランケットウエハにおける窒化ケイ素膜の研磨速度で除することで、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨選択比を算出した。
[窒化ケイ素膜(ストッパ膜)露出後のパターンウエハにおけるトレンチ部に形成された酸化ケイ素の削れ量]
窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨選択比が50以上である実施例1及び比較例3,4の研磨液を用いて、パターンウエハの研磨評価を行った。
パターンウエハの中でも、シリコン基板のアクティブ部(凸部)の幅(図1の符号5)とトレンチ部の幅(図1の符号4)とがそれぞれ50μm、50μmのパターン部を評価対象とした。セリア系スラリを用いて予め、アクティブ部の酸化ケイ素膜6の膜厚が180nmとなるまで研磨を行ったパターンウエハを使用した。前記パターンウエハを、各種研磨液を用いてアクティブ部の窒化ケイ素膜が露出するまで研磨し、さらに、ブランケットウエハの酸化ケイ素膜の研磨時間から算出された、ブランケットウエハの酸化ケイ素膜が100nm削れる研磨時間で追研磨した。アクティブ部の窒化ケイ素膜が露出した時点でのトレンチ部の酸化ケイ素膜の膜厚と、100nm削れる研磨時間で追研磨した後のトレンチ部の酸化ケイ素膜の膜厚との差から、トレンチ部の酸化ケイ素膜の削れ量を算出した。パターンウエハの各部の膜厚は、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス社製、Nanospec AFT−5100)を用いて測定した。
研磨液に用いた成分の種類及びpH、並びに、ブランケットウエハにおける酸化ケイ素膜の研磨速度、ブランケットウエハにおける窒化ケイ素膜の研磨速度、研磨選択比(酸化ケイ素膜の研磨速度/窒化ケイ素の膜研磨速度)、及び、パターンウエハを研磨した際の追研磨時間・削れ量を表1に示す。
Figure 2017014354
表1の結果から、アミド基を有するカルボン酸を用いていない比較例1、及び、カルボキシル基を有していないブチルアミドを用いた比較例2では、窒化ケイ素膜の研磨速度が高く、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨選択比が低いことが分かる。それに対して、カルボキシル基を有する添加剤を加えた実施例、比較例3及び4は、窒化ケイ素膜の研磨速度を低下させることができていることから、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨選択比を高めるための添加剤としてカルボン酸が有効であることが分かる。
また、表1の結果から、カルボキシル基に加えてアミド基を有する添加剤を用いている実施例では、アミド基を有していないカルボン酸系添加剤を用いている比較例3及び4に比べ窒化ケイ素膜露出後の追研磨によるトレンチ部の酸化ケイ素膜の削れ量が半分以下に抑えられていることが分かる。
これらの結果から、窒化ケイ素膜に対する酸化ケイ素膜の研磨選択比を高くでき、窒化ケイ素(ストッパ)露出後のパターンウエハにおいてトレンチ部に形成された酸化ケイ素が過剰に削れてしまう現象を抑制できる研磨液の構成成分として、アミド基を有するカルボン酸が有効であることが判明した。
1…シリコン基板、2…窒化ケイ素膜、3…酸化ケイ素膜、4…トレンチ部の幅、5…アクティブ部の幅、6…アクティブ部の酸化ケイ素膜、7…トレンチ部の酸化ケイ素膜、D…段差。

Claims (10)

  1. 酸化ケイ素を含む被研磨面の研磨に用いられる研磨液であって、
    (A)アミド基を有するカルボン酸と、(B)酸化セリウム粒子と、(C)水と、を含有し、
    pHが2.0〜6.0である、研磨液。
  2. 前記(A)成分が、モノカルボン酸及びジカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記(A)成分がモノカルボン酸を含む、請求項1に記載の研磨液。
  4. 前記(A)成分が、1級アミド及び2級アミドからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨液。
  5. 前記(A)成分が1級アミドを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨液。
  6. 前記(A)成分が、マロンアミド酸、スクシンアミド酸及び4−カルバモイル酪酸からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨液。
  7. 前記(A)成分の含有量が当該研磨液の全質量を基準として0.005〜1質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の研磨液。
  8. 前記(B)成分の含有量が当該研磨液の全質量を基準として0.05〜5質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の研磨液。
  9. 前記(B)成分の平均粒径が20〜300nmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の研磨液。
  10. 前記(B)成分が、液相法を利用して合成される酸化セリウム粒子である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の研磨液。
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