JP2017014187A - 血糖値上昇抑制用青汁、抗酸化用青汁、整腸用青汁、コラーゲン吸収促進用青汁、カルシウム吸収促進用青汁及び血中コレステロール上昇抑制用青汁 - Google Patents

血糖値上昇抑制用青汁、抗酸化用青汁、整腸用青汁、コラーゲン吸収促進用青汁、カルシウム吸収促進用青汁及び血中コレステロール上昇抑制用青汁 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、日常的に使用することが可能である、血糖値上昇抑制作用、抗酸化作用、整腸作用、コラーゲン吸収促進作用、カルシウム吸収促進作用及び血中コレステロール上昇抑制作用を有する大麦の茎葉の乾燥粉末を提供することにある。
【解決手段】
本発明の血糖値上昇抑制用青汁、抗酸化用青汁、整腸用青汁、コラーゲン吸収促進用青汁、カルシウム吸収促進用青汁及び血中コレステロール上昇抑制用青汁は、特定品種の大麦からなる群から選ばれる少なくとも1種の乾燥粉末を有効成分として含有することによって解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、血糖値上昇抑制用青汁、抗酸化用青汁、整腸用青汁、コラーゲン吸収促進用青汁、カルシウム吸収促進用青汁及び血中コレステロール上昇抑制用青汁に関する。
[1.血糖値上昇抑制作用]
肥満は様々な疾病の原因となることが知られており、そのような疾病の一つとして糖尿病がある。肥満状態になると、脂肪細胞の肥大が認められ、脂肪細胞のみならず、筋肉細胞などのインスリンの標的細胞が細胞レベルでインスリン感受性の低下を起こす。結果として、糖忍容能が悪化し、最終的に糖尿病が発症する。
糖尿病の治療にはインスリン投与がある。しかし、定期的なインスリン注射が必要であり、患者の負担はもとより、高い自己管理能力が求められる。
インスリン注射を代替する手段として、経口糖尿病治療薬の服用がある。経口糖尿病治療薬としては、例えば、インスリンの分泌を促進させるスルホニルウレア剤、組織や細胞に働いて血糖値を降下させるインスリン抵抗性改善剤、腸管内での糖質の分解を阻害するα−グルコシダーゼ阻害剤などがある。しかし、これらの薬剤は、血糖値を過剰に降下させて低血糖を引き起こすことなどの副作用を生じせしめる。
上記のような糖尿病の治療法は、侵襲方法による苦痛や副作用が生じるとしても、重篤な糖尿病罹患者に対しては有効である。しかし、軽度の糖尿病患者や糖尿病にまでは至らなくとも血糖値上昇に懸念がある者にとっては、到底有効であるとはいえない。
そこで、糖尿病の予防や早期治療に有用な成分や組成物がこれまでに報告されている。例えば、本出願人は、大麦若葉末を摂取することにより、食後血糖値の上昇抑制効果があることを提案した(非特許文献1)。しかしながら、非特許文献1には単に大麦若葉末が血糖値上昇抑制作用を有することを記載しているに留まり、より良い効果を得るための大麦品種の探索が必要であった。
[2.抗酸化作用]
酸素は、生物体に必要不可欠である一方、活性酸素として存在することにより、生物体に障害を与えることが知られている。活性酸素としては、例えば、スーパーオキシドラジカル(O・) 、過酸化水素(H)、OHラジカル(・OH)といった反応性の高い酸素の還元分子種;一重項酸素()といった励起分子種などに加えて、不飽和脂肪酸ペルオキシラジカル(LOO・)、不飽和脂肪酸ラジカル(L・)、不飽和脂肪酸ヒドロペルオキシド(LOOH)、不飽和脂肪酸アルコキシラジカル(LO・)といった不飽和脂質の酸化物などが挙げられる。
生物体は、様々な活性酸素の消去機構を体内に有する。そのうちの一つが、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)などが作用して、体内の活性酸素を捕捉する機構である。しかし、老化、外因ストレスといった活性酸素の生成が増加する物理的又は化学的な環境条件下においては、活性酸素の消去機構が十分に機能しないことがある。その結果、タンパク質又はDNAの切断、脂質の過酸化などが引き起こされ、生物体において種々の障害や疾患が生じる。
そこで、活性酸素の生成抑制や消去といった、生体内での活性酸素の影響を緩和する抗酸化作用を有する物質の利用が知られている。例えば、本出願人は、麦若葉末と蜂蜜とを含有する、SOD活性が高められた健康食品を提案した(特許文献1)。しかしながら、当該発明は麦若葉以外に蜂蜜が必須であるため、配合する成分の制限が発生したり、製造時のコストがかかる等の問題が生じることから、大麦の茎葉単独で用いても高い抗酸化作用を有する大麦品種の探索が必要であった。
[3.整腸作用]
近年、食生活の変化、食事内容の偏り、ストレスなどから便秘で悩む人が増加している。便秘は、腸内で便が長く滞留することにより生じる。また、重度の便秘は、腸内の有害細菌の増加や有害物質の吸収の増加などを引き起こし、大腸ガンの誘因となる可能性がある。そこで、便秘改善効果のある物質や該物質を配合して得られる整腸作用を有する組成物の開発が進められている。
例えば、本出願人は、水不溶成分を30質量%以上含有する麦若葉末を有効成分とする、便通改善剤を提案した(特許文献2)。しかしながら、特許文献2には単に大麦若葉末が便通改善作用を有することを記載しているに留まり、より良い効果を得るための大麦品種の探索が必要であった。
[4.コラーゲン吸収促進作用]
コラーゲンは、飲食品素材や化粧品素材として使用されており、多くの研究がなされている。特に美容目的でコラーゲンを摂取する場合、摂取したコラーゲンを効率よく体内に吸収することが求められる。
例えば、本出願人は、大麦若葉を含有するコラーゲン吸収促進用組成物を提案した(特許文献3)。しかしながら、特許文献3には単に大麦若葉がコラーゲン吸収促進作用を有することを記載しているに留まり、より良い効果を得るための大麦品種の探索が必要であった。
[5.カルシウム吸収促進作用]
カルシウムは、骨や歯を形成する主要なミネラルであり、生体においても重要な役割を果たす2価カチオンである。例えば、骨においては、腸で吸収されて血液中に入ったカルシウムは、新たな骨を形成する骨形成に使用される。一方、骨においては、古い骨を吸収する骨吸収がみられる。健全な状態では、骨吸収と骨形成とのバランスがとられた骨代謝がみられる。しかし、カルシウム摂取量の低下などにより、骨代謝の異常が生じると骨量の減少を招き、骨粗鬆症や骨折などの骨関連疾患が生じる。
また、体内のカルシウムの一部は骨や歯以外の細胞や血液中に一定濃度で存在し、神経や筋肉の興奮、血液凝固などの観点で重要な役割を果している。そこで、血液中のカルシウムが不足すると、神経、筋肉、血液などの異常に基づく疾患や骨吸収が進むことによる骨関連疾患などがみられるようになる。
ところで、食物から摂取されたカルシウムは、腸管において、活性型ビタミンDの作用による能動輸送と、可溶性のカルシウム濃度に依存した受動輸送の2つの経路により吸収され、血液を介して骨形成に用いられる。
活性型ビタミンDの作用による能動輸送を改善するものとして、カルシトリオール、アルファカルシドール、エルデカルシトールなどを有効成分とする活性型ビタミンD3製剤が知られている。このような活性型ビタミンD3製剤を用いれば、腸管からのカルシウム吸収が促進される。
例えば、本出願人は、大麦若葉末と乳糖と糖アルコールとを含有する、カルシウムの吸収促進剤を提案した(特許文献4)。しかしながら、当該発明は大麦若葉以外に乳糖と糖アルコールが必須であり、配合する成分の制限が発生したり、製造時のコストがかかる等の問題が生じることから、大麦の茎葉単独で用いても高いカルシウムの吸収促進作用を有する大麦品種の探索が必要であった。
[6.血中コレステロール上昇抑制作用]
コレステロール(cholesterol)はステロイドに分類される有機化合物であり、その分子式はC2746Oであり、かつ、そのCAS登録番号は57−88−5である。コレステロールそれ自体は、細胞膜の生成、ビタミンDの合成、副腎皮質ホルモンや胆汁酸の生成などに寄与する生体分子であり、生体内での生理現象に重要な役割を担う脂質の一種とされている。
一方で、コレステロールはリポタンパク質と複合体を形成し、リポタンパク質の種類や複合体を形成した後の血液中の挙動などによって、しばしば問題視される。すなわち、高密度リポタンパク質とコレステロールとの複合体(HDLコレステロール)は余剰のコレステロールを細胞外へ運び出す役割を担うので、一般的に「善玉コレステロール」とよばれている。しかし、低密度リポタンパク質とコレステロールとの複合体(LDLコレステロール)は、血液にのってコレステロールを運ぶ役割を担うところ、これが血液中に過剰に増えると、血管内壁に付着し、動脈硬化の原因となり、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞のリスクを高めるようになる。そこで、LDLコレステロールは、一般的に「悪玉コレステロール」とよばれている。
また、余剰のコレステロールは肝臓で処理されるところ、コレステロールがあまりにも多いと、肝臓から排出される際に結晶化し、胆のうや胆管などで結石化して胆石症を招く場合がある。
したがって、血液中に余剰のコレステロールが多くなると、それ自体で、又はLDLコレステロールとなって、生体内で様々な悪影響を与える。そこで、血液中のコレステロールを低下させるために、コレステロールの生合成に重要な役割を担う酵素であるHMG−CoA還元酵素を阻害する薬剤が使用されている。HMG−CoA還元酵素阻害薬としては、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンなどのスタチンが知られている。
例えば、本出願人は、麦若葉由来の素材を含む抗コレステロール組成物を提案した(特許文献5)。しかしながら、特許文献5には単に麦若葉が抗コレステロール作用に有効であることを記載しているに留まり、より良い効果を得るための大麦品種の探索が必要であった。
一方、大麦の普及品種は収量、病虫害抵抗性の基準等に基づき変遷するため、種子の入手困難性やそれに基づく大麦の茎葉の安定供給の困難性等の問題が生じる。さらに、大麦には3万種以上の膨大な数の品種が知られており(非特許文献2)、前記課題を解決しうる特定の大麦品種の探索は容易ではなかった。
特開2002−153239号公報 特開2010−47605号公報 特開2011−115046号公報 特開2002−142721号公報 特開2001−314170号公報
神谷智康ら著、応用薬理、2013年、Vol.85、No.1−2、1〜6頁 米国農務省管轄下の遺伝資源データベース「Germplasm Resources Information Network」における大麦の学名「Hordeum vulgare」の検索結果<https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/view2.aspx?dv=web_taxonomyspecies_view_accessionlist&params=:taxonomyid=19333>
[1.血糖値上昇抑制作用]
本発明は、従前の血糖値上昇抑制作用を有する物質に比べて、より優れた血糖値上昇抑制作用を示す物質を含有する血糖値上昇抑制用青汁、及び血糖値上昇抑制剤を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
[2.抗酸化作用]
本発明は、従前の抗酸化作用を有する物質に比べて、より優れた抗酸化作用を示す物質を含有する抗酸化用青汁、及び抗酸化剤を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
[3.整腸作用]
本発明は、従前の便通改善作用を有する物質に比べて、より優れた便通改善作用を示す物質を含有する整腸用青汁、及び整腸剤を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
[4.コラーゲン吸収促進作用]
本発明は、従前のコラーゲンの吸収性を促進する物質に比べて、より優れたコラーゲン吸収促進作用を示す物質を含有するコラーゲン吸収促進用青汁、及びコラーゲン吸収促進剤を提供することにある。
[5.カルシウム吸収促進作用]
本発明は、従前のカルシウム吸収促進作用を有する物質に比べて、より優れたカルシウム吸収促進作用を示す物質を含有するカルシウム吸収促進用青汁、及びカルシウム吸収促進剤を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
[6.血中コレステロール上昇抑制作用]
本発明は、従前の血中コレステロール上昇抑制作用を有する物質に比べて、より優れた血中コレステロール上昇抑制作用を示す物質を含有する血中コレステロール上昇抑制用青汁、及び血中コレステロール上昇抑制剤を提供することを、発明が解決しようとする課題とする。
[1.血糖値上昇抑制作用]
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、大麦の中でも、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウ(以下、「特定品種1」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎葉の乾燥粉末は、経口投与した場合に、イチバンボシの茎葉の乾燥粉末に比べて優れた血糖値上昇抑制作用を有することを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
[2.抗酸化作用]
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(以下、「特定品種2」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎葉の乾燥粉末は、大麦の一種であるニシノホシの茎葉の乾燥粉末に比べて、SOD値及びORAC値などの抗酸化作用を示す指標が格別優れることを見出した。本発明は、このような知見や成功に基づいて完成された発明である。
[3.整腸作用]
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウ(以下、「特定品種3」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎葉の乾燥粉末は、大麦の一種であるイチバンボシの茎葉の乾燥粉末と比べて、便通改善作用を示すばかりか、腸内環境改善作用をも示し、優れた整腸作用を示すことを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
[4.コラーゲン吸収促進作用]
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(以下、「特定品種4」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎葉の乾燥粉末が、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有しないものや大麦の一種であるニシノホシの茎葉の乾燥粉末を含有するものと比べて、摂取するコラーゲンの由来生物種に係わらず、格段に優れたコラーゲン吸収促進作用を示すことを見出した。本発明は、かかる知見に基づき、完成された発明である。
[5.カルシウム吸収促進作用]
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウ(以下、「特定品種5」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎葉の乾燥粉末が、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有しないものや大麦の一品種であるニシノホシの茎葉の乾燥粉末を含有するものと比べて、格別優れたカルシウム吸収促進作用を示すことを見出した。本発明は、かかる成功例や知見に基づき、完成された発明である。
[6.血中コレステロール上昇抑制作用]
本出願人は、上記課題を解決するために、種々の物質について鋭意検討を積み重ねたところ、驚くべきことに、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウ(以下、「特定品種6」ともいう)からなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎葉の乾燥粉末が、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有しないものや大麦の一品種であるニシノホシの茎葉の乾燥粉末を含有するものと比べて、格別優れた血中コレステロール上昇抑制作用を示すことを見出した。本発明は、かかる成功例や知見に基づき、完成された発明である。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する血糖値上昇抑制用青汁。
[2]シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を有効成分とする血糖値上昇抑制用青汁。
[3]シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する血糖値上昇抑制剤。
[4]ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する抗酸化用青汁。
[5]ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を有効成分とする抗酸化用青汁。
[6]ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する抗酸化剤。
[7]シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する整腸用青汁。
[8]シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を有効成分とする整腸用青汁。
[9]シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する整腸剤。
[10]ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉を含有する、コラーゲン吸収促進用青汁。
[11]ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を有効成分とするコラーゲン吸収促進用青汁。
[12]ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有するコラーゲン吸収促進剤。
[13]はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有するカルシウム吸収促進用青汁。
[14]はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を有効成分とするカルシウム吸収促進用青汁。
[15]はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有するカルシウム吸収促進剤。
[16]はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する血中コレステロール上昇抑制用青汁。
[17]はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を有効成分とする血中コレステロール上昇抑制用青汁。
[18]はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する血中コレステロール上昇抑制剤。
[1.血糖値上昇抑制作用]
本発明1によれば、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、食後の血糖値の急激な上昇を抑制することができ、さらに空腹時の血糖値を低下させることも期待できる。また、本発明1は、経口投与することによっても血糖値上昇抑制作用を示し得ることから、本発明1は、日常的な使用態様で使用することが可能である。なお、「本発明1」とは、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有し、血糖値上昇抑制作用を有する組成物のことを言い、血糖値上昇抑制用青汁、及び血糖値上昇抑制剤が含まれる。
本発明1は、糖尿病患者や糖尿病のリスクがある者に対して、抗糖尿病薬の投薬前又は並行して使用するのに最適なものである。さらに本発明1によれば、糖尿病や肥満に関係する疾病、例えば、脂質代謝異常症、高血圧症、メタボリックシンドローム、動脈硬化症、高脂血症、痛風、高体脂肪率、高血糖、高インスリン血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂肪肝、心血管疾患、高尿酸血症などの生活習慣病を予防及び治療することが期待できる。
[2.抗酸化作用]
本発明2によれば、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、優れた抗酸化作用を有し、かつ、継続的な使用が可能な組成物を提供することができる。また、本発明2の組成物は、経口投与することによっても抗酸化作用を示し得ることから、本発明2は、日常的な使用態様で使用することが可能である。なお、「本発明2」とは、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有し、抗酸化作用を有する組成物のことを言い、抗酸化用青汁、及び抗酸化が含まれる。
[3.整腸作用]
本発明3によれば、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、糞便量の増加、摂取物の腸内通過時間の短縮などの便通改善;及び腸内粘膜の増加、それに伴う腸内に棲息する有用細菌の増加又は活性化、糞便の嵩の増大などの腸内環境改善といった整腸作用が期待できる。また、本発明3は、経口投与することによっても整腸作用を示し得ることから、本発明3は、日常的な使用態様で使用することが可能である。なお、「本発明3」とは、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有し、整腸作用を有する組成物のことを言い、整腸用青汁、及び整腸剤が含まれる。
本発明3は、便秘の改善、免疫賦活、有害微生物代謝産物、有害酵素の抑制、生活習慣病の予防、アレルギー体質の改善などの種々の効果が期待できる。
[4.コラーゲン吸収促進作用]
本発明4によれば、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、効率的に体内へコラーゲンを吸収することができる。また、本発明4の組成物は、経口投与することによってもコラーゲン吸収促進作用を示し得ることから、本発明の抗酸化用青汁は、日常的な使用態様で使用することが可能である。なお、「本発明4」とは、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有し、コラーゲン吸収促進作用を有する組成物のことを言い、コラーゲン吸収促進用青汁、及びコラーゲン吸収促進剤が含まれる。
本発明4は、配合される特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末によって、色味や風味などの嗜好性にも優れている。本発明4によれば、コラーゲン吸収促進作用を通じて、美容、骨及び軟骨組織の形成、関節疾患の治療及び予防などの種々の効果が期待できる。
本発明4の組成物は、安全性及び嗜好性を兼ね備えた、コラーゲン吸収促進作用を有する産業上極めて有用な組成物であり、種々の形態で消費者に提供することが期待できる。
[5.カルシウム吸収促進作用]
本発明5によれば、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、効率的に体内へのカルシウム吸収を促進することができる。また、本発明5の組成物は、経口投与することによってもカルシウム吸収促進作用を示し得ることから、本発明5は、日常的な使用態様で使用することが可能である。なお、「本発明5」とは、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有し、カルシウム吸収促作用を有する組成物のことを言い、カルシウム吸収促進用青汁、及びカルシウム吸収促進剤が含まれる。
本発明5は、カルシウム不足に関連する疾患、例えば、骨関連疾患、神経性疾患、動脈硬化、高血圧、過食などの疾患を予防又は治療することが期待できる。
[6.血中コレステロール上昇抑制作用]
本発明6によれば、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、効率的に血液中のコレステロールの上昇を抑制することができる。また、本発明6の組成物は、経口投与することによっても血中コレステロール上昇抑制作用を示し得ることから、本発明の血中コレステロール上昇抑制用青汁は、日常的な使用態様で使用することが可能である。なお、「本発明6」とは、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有し、血中コレステロール上昇抑制作用を有する組成物のことを言い、血中コレステロール上昇抑制用青汁、及び血中コレステロール上昇抑制剤が含まれる。
本発明6は、血中コレステロールが上昇することに起因する疾患、例えば、脂質異常症(高脂血症)、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、間歇性跛行症、胆石症、ネフローゼ症候群などの疾患を予防又は治療することが期待できる。
図1は、実施例1〜3及び比較例1の血糖値上昇抑制率(%)を示すグラフである。 図2は、比較例1及び実施例1〜5のORAC値(μmol TE/g)の測定結果を示すグラフである。 図3は、コントロール、比較例1及び実施例1〜3の乾燥糞便重量(g)の測定結果を示した図である。数値は平均値を表わす。 図4は、コントロール群、実施例群及び比較例群の血中Hyp濃度の経時変化を表わした図である。数値は平均値を表わす。 図5は、コントロール群、実施例群及び比較例群の血中Hyp濃度のAUCを表わした図である。数値は平均値を表わす。 図6は、コントロール群及び被験物質を用いた試験群の血中カルシウム濃度の経時変化量を表わした図である。数値は平均値を表わす。 図7は、コントロール群及び被験物質を用いた試験群の血中カルシウム濃度のAUCを表わした図である。数値及びバーは平均値±標準偏差を表わす。 図8は、コントロール群及び被験物質を用いた試験群の血中コレステロール濃度を表わした図である。数値及びバーは平均値±標準偏差を表わす。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1.大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末]
大麦の品種としては実に3万種以上の品種があることが知られているところ、本発明においては、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(以下、「特定品種」ともいう)から選ばれる少なくとも1の品種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を用いる。本明細書では、「茎及び/又は葉」を茎葉とよぶ場合がある。なお、茎葉は、葉や茎の一部であってもよいし、全部であってもよい。
特定品種の大麦は、例えば精麦用として、具体的には、麦味噌、麦茶、焼酎、ビールなどの原料として一般的に用いられているものである。本発明においては、これらの品種のうち1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。大麦の茎葉の乾燥粉末は、大麦の葉、茎又はその両方であり、葉及び茎はそれぞれその一部又は全部であってもよい。
特定品種の大麦の茎葉は、成熟期前、すなわち分けつ開始期から出穂開始前期に収穫されることが好ましい。大麦の茎葉は、収穫後、直ちに処理されることが好ましい。処理までに時間を要する場合、大麦の茎葉の変質を防ぐために低温貯蔵などの当業者が通常用いる貯蔵手段により貯蔵される。
本発明で用いる特定品種の大麦の茎葉として、該茎葉から得られる各種の加工物、すなわち、特定品種の大麦の加工物を用いることができる。そのような加工物としては、例えば、茎葉の乾燥粉末、茎葉の粉砕物及びその乾燥粉末(以下、粉砕物の乾燥粉末のことを「粉砕末」ともいう)、茎葉の細片化物及びその乾燥粉末(以下、細片化物の乾燥粉末のことを「細片化末」ともいう)、茎葉の搾汁及びその乾燥粉末(以下、搾汁の乾燥粉末のことを「搾汁末」ともいう)、茎葉のエキス及びその乾燥粉末(以下、エキスの乾燥粉末のことを「エキス末」ともいう)などが挙げられる。
大麦の茎葉を粉砕物及びその乾燥粉末化するには従来公知の方法を用いることができる。そのような方法としては、大麦の茎葉に対して、乾燥処理及び粉砕処理を組み合わせた方法を用いることができる。乾燥処理及び粉砕処理はいずれを先に行ってもよいが、乾燥処理を先に行うことが好ましい。乾燥粉末化は、この方法に、さらに必要に応じブランチング処理、殺菌処理などの処理から選ばれる1種又は2種以上の処理を組み合わせてもよい。また、粉砕処理を行う回数は1回でも、2回以上の処理を組合せてもよいが、粗粉砕処理を行った後に、より細かく粉砕する微粉砕処理を組合せることが好ましい。
ブランチング処理とは、茎葉の緑色を鮮やかに保つための処理であり、ブランチング処理の方法としては、熱水処理や蒸煮処理などが挙げられる。
熱水処理としては、例えば、80〜100℃、好ましくは90〜100℃の熱水又は水蒸気中で、大麦の茎葉を60〜180秒間、好ましくは90〜120秒間処理する方法などが挙げられる。また、熱水処理に際して、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩や炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩を用いることが好ましく、炭酸水素の塩を熱水に溶解することにより、大麦の茎葉の緑色をより鮮やかにすることができる。
蒸煮処理としては、常圧又は加圧下において、大麦の茎葉を水蒸気により蒸煮する処理と冷却する処理とを繰り返す間歇的蒸煮処理が好ましい。間歇的蒸煮処理において、水蒸気により蒸煮する処理は、例えば、20〜40秒間、好ましくは30秒間行われる。蒸煮処理後の冷却処理は、直ちに行われることが好ましく、その方法は特に限定されないが、冷水への浸漬、冷蔵、冷風による冷却、温風による気化冷却、温風と冷風とを組み合わせた気化冷却などが用いられる。このうち温風と冷風とを組み合わせた気化冷却が好ましい。このような冷却処理は、大麦の茎葉の品温が、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下となるように行われる。また、ビタミン、ミネラル、葉緑素などの栄養成分に富んだ大麦の茎葉の粉末を製造するためには、間歇的蒸煮処理を2〜5回繰り返すことが好ましい。
殺菌処理は当業者に通常知られている処理であれば特に限定されないが、例えば、温度、圧力、電磁波、薬剤などを用いて物理的又は化学的に微生物を殺滅させる処理であるということができる。乾燥処理及び粉砕処理に追加してブランチング処理を行う場合、ブランチング処理は乾燥処理の前に行われることが好ましい。また乾燥処理及び粉砕処理に追加して殺菌処理を行う場合、殺菌処理は、乾燥処理の後か、粉砕処理の前又は後に行われることが好ましい。
乾燥処理は特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉の水分含量が10%以下、好ましくは5%以下となるように乾燥する処理が挙げられる。乾燥処理は、例えば、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥、電磁波乾燥、凍結乾燥などの当業者に公知の任意の方法により行われ得る。加熱による乾燥は、例えば、40℃〜140℃、好ましくは80℃〜130℃にて加温により茎葉が変色しない温度及び時間で行われ得る。
粉砕処理は特に限定されないが、例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼などの粉砕用の機器や器具などを用いて、当業者が通常使用する任意の方法により植物体を粉砕する処理が挙げられる。粉砕された大麦の茎葉は、必要に応じて篩にかけられ、例えば、30〜250メッシュを通過するものを大麦の茎葉の粉末として用いることが好ましい。粒径が250メッシュ通過のもの以下とすることで、さらなる加工時に大麦の茎葉の粉末が取り扱いやすくなり、粒径が30メッシュ通過以上のものとすることで、大麦の茎葉の粉末と他の素材との均一な混合が容易になる。
具体的な粉砕末の製造方法としては、例えば、大麦の茎葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで水分含量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥し、その後粉砕する方法が挙げられる(特開2004−000210号公報を参照)。この他にも、例えば、大麦の茎葉を切断した後、ブランチング処理を行い、次いで揉捻し、その後、乾燥し、粉砕する方法(特開2002−065204号公報、特許第3428956号公報を参照);大麦の茎葉を乾燥し、粗粉砕した後、110℃以上で加熱し、さらに微粉砕する方法(特開2003−033151号公報、特許第3277181号公報を参照)などが挙げられる。
大麦の茎葉を細片化する方法は特に限定されないが、例えば、スライス、破砕、細断などの当業者が植物体を細片化する際に通常使用する方法を用いることができる。細片化の一例として、スラリー化してもよい。スラリー化は、大麦の茎葉をミキサー、ジューサー、ブレンダー、マスコロイダーなどにかけ、大麦の茎葉をどろどろした粥状(液体と固体との懸濁液)にすることにより行う。このようにスラリー化することにより、茎葉は、細片の80質量%以上が、好ましくは平均径1mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下、なおさらに好ましくは0.05mm以下となるように細片化され、流動性を有するようになる。細片化物は凍結乾燥や熱風乾燥などの処理を行い、乾燥粉末(細片化末)にできる。
大麦の茎葉の搾汁液を得る方法は特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉又はその細片化物を圧搾する方法、大麦の茎葉の細片化物を遠心やろ過する方法などを挙げることができる。具体的な搾汁液の製造方法の例としては、ミキサー、ジューサーなどの機械的破砕手段によって搾汁し、必要に応じて、篩別、濾過などの手段によって粗固形分を除去することにより搾汁液を得る方法が挙げられる。より具体的には、特開平08−245408号公報、特開平09−047252号公報、特開平5−7471号公報、特開平4−341153号公報などに記載の方法が挙げられ、これらの公知の方法を当業者が適宜選択して実施できる。搾汁液は、必要に応じて濃縮してもよいし、凍結乾燥や熱風乾燥、噴霧乾燥などの処理を行い、乾燥粉末(搾汁末)にできる。
大麦の茎葉のエキスを得る方法は特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉又はその細片化物に、エタノール、水、含水エタノールなどの当業者が通常用いる抽出溶媒を加え、必要に応じて撹拌や加温して抽出する方法などを挙げることができる。抽出物は、必要に応じて濃縮してもよいし、凍結乾燥や熱風乾燥、噴霧乾燥などの処理を行い、乾燥粉末(エキス末)にできる。
大麦の茎葉の乾燥粉末の特性は特に限定されないが、例えば、その安息角について、20°〜80°が好ましく、30°〜70°がより好ましく、40°〜60°がさらに好ましく、45°〜55°がなおさらに好ましい。なお、安息角の測定方法は、安息角測定器(アズワン、ASK−01)を用いて、サンプル約50gを高度12cmから半径4.3cmのシャーレ中央に落下させ、次いで山型に堆積したサンプルの高さを測定し、次いでシャーレの半径及び堆積したサンプルの高さから下記式にて安息角を算出できる。
安息角=tan−1(b/a)×180÷π(式中、a=シャーレ半径、b=堆積したサンプルの高さを表わす。)
本発明に用いられる特定品種の大麦の茎葉の乾燥粉末は、水不溶性食物繊維を含み得る。乾燥粉末に含まれる水不溶性食物繊維は、乾燥質量換算で20質量%以上、好ましくは30質量%以上含有することが好ましく、20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%、より好ましくは35〜60質量%含有することがより好ましい。
[2.血糖値上昇抑制作用]
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する血糖値上昇抑制用青汁、及び血糖値上昇抑制剤(本発明1)に関するものである。
本発明1は、血糖値上昇抑制作用を有する物質として、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウ(特定品種1)のいずれか1種又は2種以上の大麦の茎葉の乾燥粉末を少なくとも含有する。
本発明1は、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することによって、血糖値上昇抑制作用を有するだけでなく、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができるものである。
本発明1は、上記した大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、血糖値上昇抑制作用に加えて、早期血糖値低下作用などを示し得る。ただし、これらの作用のうち、本発明1は、少なくとも血糖値上昇抑制作用を示すものであればよい。血糖値上昇抑制作用は、後述する実施例に記載の血糖値上昇抑制率により評価できる。本発明1が示す血糖値上昇抑制率は、例えば、約35%以上であり、好ましくは約40%以上であり、より好ましくは約45%以上である。本発明1は、該作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。例えば、特別な処理を加えることなく種々の目的に利用されてもよい。なお、本発明1は、同時的に使用した糖などの血糖値上昇成分の影響だけではなく、本発明1の使用の前又は後に使用した血糖値上昇成分の影響を緩和又は低減することが期待できる。
本発明1の固形分中、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、上限値としては、99.9質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。血糖値上昇抑制作用を十分に発揮するためには、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が0.1質量%であることが好ましい。また、本発明1が糖などの血糖値上昇成分を多く含む場合は大麦の茎葉の乾燥粉末の使用量を多くし、大麦の茎葉の乾燥粉末とは異なるその他の血糖値上昇抑制成分をさらに含む場合は大麦の茎葉の乾燥粉末の使用量を減じることができる。
本発明1の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容や血糖値などに応じて適宜設定され得るが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、1〜6000mg/kgであり、好ましくは1〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明1の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、0.5〜3000mg/kgであり、好ましくは1〜2000mg/kgであり、より好ましくは5〜1000mg/kgである。
また、本発明1の1回の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜30g、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.3〜7gとすることができる。同様に、本発明1の1日の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜100g、好ましくは0.05〜70g、より好ましくは0.5〜50g、特に好ましくは1〜30gとすることができる。
本発明1は、大麦の茎葉の乾燥粉末のみを含むものであってもよいし、大麦の茎葉の乾燥粉末に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明1の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明1は、血糖値上昇抑制作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明1は、例えば、経口用又は非経口用の組成物とすることができる。
本発明の1の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。経口用の形態としては、例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明1の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
本発明1は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口的に使用する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明1が粉末状やタブレット状などの固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合して液状体となし、経口的に使用することができるが、使用者の好みなどに応じて、固体のまま経口的に使用してもよい。
本発明1は、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する血糖値上昇抑制用青汁とするのが好ましく、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を有効成分とする血糖値上昇抑制用青汁とするのが特に好ましい。また、血糖値上昇抑制用青汁は粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であることが好ましい。
本発明1は血糖値上昇抑制作用や早期の血糖値低下作用を有することにより、これを使用することは、糖尿病罹患者、高血糖値や肥満の者及びそのリスクがある者に対しての健康維持に有用であり、特に糖尿病罹患者、空腹時血糖値が100mg/dl以上である者や肥満者の健康維持に非常に有用である。本明細書でいう肥満とは、BMI(BodyMassIndex;肥満指数)が25以上である状態や腹囲(へそを通るウエスト周囲径)が男性であれば85cm以上であり、女性であれば90cm以上である状態をいう。
空腹時血糖値が100mg/dl以上であるような高血糖値が慢性的に持続するとインスリンの感受性低下が起こり、さらなる高血糖状態となる。また、肥満状態になると、脂肪細胞の肥大が認められ、脂肪細胞のみならず、筋肉細胞などのインスリンの標的細胞が細胞レベルでインスリン感受性の低下を起こす。これらの結果として、糖尿病が発症する。さらに、肥満やインスリンの感受性低下は、糖尿病と並んで三大生活習慣病といわれている脂質代謝異常症や高血圧症をもたらす。肥満やインスリンの感受性低下によって、中性脂肪が増加し、脂肪分解酵素の不活性化や肝臓機能の障害が生じせしめ、脂質代謝異常症が発症する。さらに、肥満やインスリンの感受性低下により、循環血液量が増えることや糖代謝が正常に行われなくなることによって、高血圧症が発症する。また、これらの三大生活習慣病の症状を二つ以上発症した状態がメタボリックシンドロームであり、脂質代謝異常により動脈硬化症が引き起こされることが知られている。以上の事項を鑑みれば、本発明1は、その血糖値上昇抑制作用や早期の血糖値低下作用によって、糖尿病や肥満に加えて、脂質代謝異常症、高血圧症、メタボリックシンドローム及び動脈硬化症、さらにはこれらに関連する生活習慣病である高脂血症、痛風、高体脂肪率、高血糖、高インスリン血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂肪肝、心血管疾患、高尿酸血症などを予防及び治療することが期待できるものである。そこで、本発明の別の態様は、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する、上記血糖値上昇に起因する疾患を予防及び治療するための医薬組成物である。
また、本発明1は、従来の大麦の茎葉の乾燥粉末が有する血糖値上昇抑制作用に加えて、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末に由来するビタミン類、ミネラル類などを多く含むことから、これらに基づく副次的な効果を奏し、使用者の健康維持に資する。
[3.抗酸化作用]
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する抗酸化用青汁、及び抗酸化剤(本発明2)に関するものである。
本発明2は、抗酸化作用を有する物質として、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(特定品種2)のいずれか1種又は2種以上の大麦の茎葉の乾燥粉末を少なくとも含有する。
本発明2は、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することによって、抗酸化作用を有するだけでなく、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができるものである。
本発明2は、上記した大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、抗酸化作用を示す。すなわち、本発明2は、共存する酸化性物質の酸化性を緩和、低減又は消去することができる。ただし、本発明2が示す抗酸化作用は如何なる推論にも拘泥されず、本発明2は別の抗酸化作用を示す物質に対して増強的に作用する可能性がある。また、本発明2は、共存する酸化性物質の酸化性を減弱するだけではなく、本発明2の使用の前又は後に存在する酸化性物質の酸化性を減弱する可能性がある。本発明2が示す抗酸化作用の程度、すなわち、抗酸化能は、SOD活性値、ORAC値又はその両方を調べることにより確認できる。
SOD活性値は、反応系中に存在するO ・及びNO−TBの反応によって生成するジホルマザンの生成量が、該O ・が被験試料に由来するスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)によってH及びOに不均化されることにより減少するという現象に基づき、このジホルマザンの減少の程度を阻害率(%)として求めるものである。
ORAC値は、以下の手順により、活性酸素吸収能(Oxygen Radical Absorbance Capacity)を評価するものである。すなわち、ラジカル発生剤であるAAPH(2,2’−Azobis(2−amidinopropane) dihydrochloride)より発生したペルオキシラジカルによって、標識物質であるフルオレセインが分解される過程を、フルオレセインの蛍光強度を経時的に測定することにより追跡し、次いでX軸に測定開始後の時間を、Y軸にその時間のフルオレセインの蛍光強度をとったグラフを作成し、蛍光強度の軸と時間軸とグラフの軌跡とによって囲まれた曲線下面積(Area Under Curve;AUC)を算出する。被験試料の存在下のAUCから非存在下のAUCを差し引いたnet AUCは被験試料の抗酸化能に比例して増大する。標準物質Troloxのnet AUCに基づいて、被験試料のORAC値を試料1gあたりのTrolox当量(μmol TE/g)として相対的に算出する。
SOD活性値及びORAC値の測定方法は、後述する実施例における「3.SOD様活性測定及びその結果」及び「4.ORAC測定及びその結果」に記載の方法をそれぞれ参照できる。
本発明2の固形分中、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、上限値としては、99.9質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。抗酸化作用を十分に発揮するためには、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が0.1質量%であることが好ましい。
本発明2の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、1〜6000mg/kgであり、好ましくは1〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明2の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、0.5〜3000mg/kgであり、好ましくは1〜2000mg/kgであり、より好ましくは5〜1000mg/kgである。
また、本発明2の1回の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜30g、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.3〜7gとすることができる。同様に、本発明2の1日の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜100g、好ましくは0.05〜70g、より好ましくは0.5〜50g、特に好ましくは1〜30gとすることができる。
本発明2は、大麦の茎葉の乾燥粉末のみを含むものであってもよいし、大麦の茎葉の乾燥粉末に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明2の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明2は、抗酸化作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明2は、例えば、経口用又は非経口用の組成物とすることができる。
本発明2の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。経口用の形態としては、例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明2の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
本発明2は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口的に使用する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明2が粉末状やタブレット状などの固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合して液状体となし、経口的に使用することができるが、使用者の好みなどに応じて、固体のまま経口的に使用してもよい。
本発明2は、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する抗酸化用青汁とするのが好ましく、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を有効成分とする抗酸化用青汁とするのが特に好ましい。また、抗酸化用青汁は粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であることが好ましい。
本発明2は抗酸化作用を有することにより、これを使用することは、老化、外因ストレスといった活性酸素の生成が増加する物理的又は化学的な環境条件下にある者に対しての健康維持に有用である。そこで、本発明の別の態様は、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する、活性酸素に起因する疾患を予防及び治療するための医薬組成物である。
また、本発明2は、従来の大麦の茎葉の乾燥粉末が有する抗酸化作用に加えて、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末に由来するビタミン類、ミネラル類などを多く含むことから、これを使用することは、健康維持に有用である。
[4.整腸作用]
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する整腸用青汁、及び整腸剤(本発明3)に関するものである。
本発明3は、整腸作用を有する物質として、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウ(特定品種3)のいずれか1種又は2種以上の大麦の茎葉の乾燥粉末を少なくとも含有する。
本発明3は、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することによって、整腸作用を有するだけでなく、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができるものである。
本発明3において、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、本発明の課題を解決し得る限り特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の乾燥質量換算で、0.1wt%以上100wt%以下であり、好ましくは5wt%以上90wt%以下であり、より好ましくは8wt%以上80wt%以下であり、さらに好ましくは10wt%以上70wt%以下である。大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が5wt%より少ない場合、所望の整腸作用が得られない可能性がある。
本発明3に用いられる大麦の茎葉の乾燥粉末は、優れた整腸作用を有する。本発明の技術的範囲はいかなる推論にも拘泥されるわけではないが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末を使用することにより、総糞便量(乾燥糞便量)が増大し、さらに糞便中の水分含量が増加して排便に適した便を形成するという保水効果によって湿糞便量が増大し、排泄がスムーズになるという便通改善作用が得られ得る。また、盲腸組織重量及び盲腸内容物重量が増加して腸内発酵が促進されることによって、盲腸内容物中の短鎖脂肪酸が増加し、盲腸内容物pHが低下する傾向にある。腸内発酵により生成される短鎖脂肪酸は癌細胞増を抑制し、また腸内pHが低下すると病原菌の感染を抑制することによって、腸内環境改善作用が得られ得る。
また、便通改善により、便秘による腸内悪玉細菌の増殖を抑制し、腸内環境が正常に維持及び改善され得る。腸内環境が改善されれば、腸内の有用細菌の働きにより、腸の動きの活性化がなされ、便通が改善され得る。このように、本発明3を使用すると、便通改善作用及び腸内環境改善作用が相互作用的に発揮され、結果的に整腸作用が達成できる。また、保水効果やスムーズな排泄は、例えば、痔の防止などとしても有効である。そこで、本発明の別の態様は、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する、便通障害に起因する疾患を予防及び治療するための医薬組成物である。
本発明3は、便通改善作用や腸内環境改善作用を有することから、このような作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明3は、例えば、特別な処理を加えることなく種々の目的に利用されてもよい。本発明3に含有される大麦の茎葉の乾燥粉末の量は特に限定されず、例えば、整腸剤の利用形態に応じて適宜設定される。
本発明3の固形分中、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、上限値としては、99.9質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。整腸作用を十分に発揮するためには、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が0.1質量%であることが好ましい。
本発明3の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、1〜6000mg/kgであり、好ましくは1〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明3の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、0.5〜3000mg/kgであり、好ましくは1〜2000mg/kgであり、より好ましくは5〜1000mg/kgである。
また、本発明3の1回の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜30g、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.3〜7gとすることができる。同様に、本発明3の1日の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜100g、好ましくは0.05〜70g、より好ましくは0.5〜50g、特に好ましくは1〜30gとすることができる。
本発明3は、大麦の茎葉の乾燥粉末のみを含むものであってもよいし、大麦の茎葉の乾燥粉末に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明3の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明3は、整腸作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明3は、例えば、経口用又は非経口用の組成物とすることができる。
本発明3の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。経口用の形態としては、例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明3の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
本発明3は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口的に使用する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明3が粉末状やタブレット状などの固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合して液状体となし、経口的に使用することができるが、使用者の好みなどに応じて、固体のまま経口的に使用してもよい。
本発明3は、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する整腸用青汁とするのが好ましく、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を有効成分とする整腸用青汁とするのが特に好ましい。また、整腸用青汁は粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であることが好ましい。
本発明3は、従来の大麦の茎葉の乾燥粉末が有する整腸作用に加えて、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末に由来するビタミン類、ミネラル類などを多く含むため、これを使用することは、健康維持に非常に有用である。
[5.コラーゲン吸収促進作用]
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有するコラーゲン吸収促進用青汁、及びコラーゲン吸収促進剤(本発明4)に関するものである。
本発明4は、コラーゲン吸収促進作用を有する物質として、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(特定品種4)のいずれか1種又は2種以上の大麦の茎葉の乾燥粉末を少なくとも含有する。
本発明4は、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することによって、コラーゲン吸収促進作用を有するだけでなく、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができるものである。
本発明4において、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、本発明の課題を解決し得る限り特に限定されないが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の乾燥質量換算で、0.1wt%以上100wt%以下であり、好ましくは1wt%以上90wt%以下であり、より好ましくは3wt%以上85wt%以下であり、さらに好ましくは5wt%以上80wt%以下である。特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が1wt%より少ない場合、所望のコラーゲン吸収促進作用が得られない可能性がある。
本発明4に用いられる特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末は、優れたコラーゲン吸収促進作用を有する。例えば、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を使用することにより、併用したコラーゲンの体内吸収量が増大し、コラーゲンの有する生理活性が増長され得る。
本発明4は、コラーゲン吸収促進作用を有することから、このような作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明4は特別な処理を加えることなく種々の目的に利用されてもよい。
本発明4の固形分中、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、上限値としては、99.9質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。コラーゲン吸収促進作用を十分に発揮するためには、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が0.1質量%であることが好ましい。
本発明4の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、1〜6000mg/kgであり、好ましくは1〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明4の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、0.5〜3000mg/kgであり、好ましくは1〜2000mg/kgであり、より好ましくは5〜1000mg/kgである。
また、本発明4の1回の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜30g、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.3〜7gとすることができる。同様に、本発明4の1日の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜100g、好ましくは0.05〜70g、より好ましくは0.5〜50g、特に好ましくは1〜30gとすることができる。
本発明4は、大麦の茎葉の乾燥粉末のみを含むものであってもよいし、大麦の茎葉の乾燥粉末に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明4の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明4は、コラーゲン吸収促進作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明4は、例えば、経口用又は非経口用の組成物とすることができる。
本発明4の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。経口用の形態としては、例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明4の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
本発明4は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口的に使用する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明4が粉末状やタブレット状などの固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合して液状体となし、経口的に使用することができるが、使用者の好みなどに応じて、固体のまま経口的に使用してもよい。
本発明4は、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有するコラーゲン吸収促進用青汁とするのが好ましく、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を有効成分とするコラーゲン吸収促進用青汁とするのが特に好ましい。また、コラーゲン吸収促進用青汁は粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であることが好ましい。
また、コラーゲンの生理活性を存分に発揮するためには、本発明4は、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末とともに、コラーゲンを含むことが好ましい。コラーゲンとしては、由来生物種やその部位、分子量などについて特に限定されず、例えば、牛、豚などの尾、四肢などから得られる哺乳類由来のコラーゲン;鶏のとさか(鶏冠)などから得られる鳥類由来のコラーゲン;マグロ、サメ、タラ、ヒラメ、カレイ、タイ、テラピア、サケ、ナマズ、スズキ、ウナギなどの鰭、皮、鱗などから得られる魚類由来のコラーゲンが挙げられる。コラーゲンは、例えば、公知の方法により、哺乳類、鳥類又は魚類などに由来する原料を加熱して抽出して得られたゼラチンを酵素処理により分解することで得られる。
コラーゲンの平均分子量は特に限定されず、例えば、500〜100000以下であり、好ましくは1000〜50000である。コラーゲンの平均分子量は、コラーゲンが市販品の場合には、供給元から提供される製品情報に従えばよい。また、本発明4に配合されるコラーゲンの濃度及び量は特に限定されず、例えば、組成物の形態や所望のコラーゲンの生理活性効果に応じて適宜設定できる。コラーゲンの成人1日当たりの使用量の目安は、例えば、0.01g〜100gであり、好ましくは0.1g〜50gである。
コラーゲンは、本発明4と併用して用いられてもよい。この場合の併用とは、本発明4と同時に、又は前後して、コラーゲンを使用する目的で使用することをいう。したがって、本発明4とコラーゲンとを含むキットは、美容、骨及び軟骨組織の形成、関節疾患の治療及び予防などの用途目的のキットとして有用である。また、本発明の別の態様は、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する、美容、骨及び軟骨組織の形成、関節疾患の治療及び予防するための医薬組成物である。特に、本発明4とコラーゲン成分とを含むキットは、上記疾患の治療及び予防などの用途目的のキットとして有用である。
本発明4は、従来の大麦の茎葉の乾燥粉末が有するコラーゲン吸収促進作用に加えて、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末に由来するビタミン類、ミネラル類などを多く含むため、これを使用することは、健康維持に有用である。
[6.カルシウム吸収促進作用]
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有するカルシウム吸収促進用青汁、及びカルシウム吸収促進剤(本発明5)に関するものである。
本発明5は、本発明のカルシウム吸収促進作用を有する物質として、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(特定品種5)のいずれか1種又は2種以上の大麦の茎葉の乾燥粉末を少なくとも含有する。
カルシウム吸収促進作用は通常知られているとおりの意味の作用であれば特に限定されないが、例えば、生体内でのカルシウムの吸収が増加又は改善される作用をいい、具体的には、血液内でのカルシウム濃度が上昇若しくは維持される、又は血液内でのカルシウム濃度の低下が抑制若しくは緩和される作用をいう。
本発明5は、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することによって、カルシウム吸収促進作用を有するだけでなく、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができるものである。
本発明5は、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、カルシウム吸収促進作用を示し得る。カルシウム吸収促進作用の程度は特に限定されず、例えば、後述する実施例に記載されているように、血中カルシウム濃度を測定及び比較することにより評価できる。本発明5が示すカルシウム吸収促進作用は、例えば、カルシウムがアルカリ性条件下でMXBと結合して青色を呈することを測定原理とするMXB法を用いて測定される、使用者に200mg−カルシウム/kgで投与した後2、3又は5時間の血中カルシウム濃度変化量(=[投与後2、3又は5時間の血中カルシウム濃度]−[投与直前の血中カルシウム濃度])が、本発明5に含有される特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末と同量のニシノホシの茎葉の乾燥粉末を用いた場合の血中カルシウム濃度変化量よりも大きい程度のカルシウム吸収促進作用である。
具体的には、本発明5が示すカルシウム吸収促進作用は、例えば、上記投与後2時間の血中カルシウム濃度変化量が1.8mg/dL以上であり、好ましくは2.0mg/dL以上であり、より好ましくは2.2mg/dL以上であり、さらに好ましくは2.3mg/dL以上であり;同様に投与後3時間の血中カルシウム濃度変化量が2.4mg/dL以上であり、好ましくは2.5mg/dL以上であり、より好ましくは2.6mg/dL以上であり、さらに好ましくは2.7mg/dL以上であり;又は、同様に投与後5時間の血中カルシウム濃度変化量が1.2mg/dL以上であり、好ましくは1.3mg/dL以上であり、より好ましくは1.4mg/dL以上であり、さらに好ましくは1.5mg/dL以上である。なお、本発明5を使用することによって、血中カルシウム濃度が8.0〜10.0mg/mLに維持されていることが好ましい。
また、本発明5が示すカルシウム吸収促進作用は、例えば、MXB法を用いて測定される、使用者に200mg−カルシウム/kgで投与した後0、0.5、1、2、3及び5時間の血中カルシウム濃度に基づいて計算されるAUC(血中濃度−時間曲線下面積)を用いて表わすことができる。本発明5が示すカルシウム吸収促進作用は、AUCの観点では、例えば、本発明5に含有される特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末と同量のニシノホシの茎葉の乾燥粉末を用いた場合の血中カルシウム濃度のAUCより大きい程度のカルシウム吸収促進作用であり、具体的には8.1mg/dL・hrであり、好ましくは8.5mg/dL・hrであり、より好ましくは9.0mg/dL・hrであり、さらに好ましくは9.5mg/dL・hrである。
本発明5は、カルシウム吸収促進作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。例えば、特別な処理を加えることなく種々の目的に利用されてもよい。なお、本発明5は、同時的に使用したカルシウムやカルシウム含有物などのカルシウム成分によるカルシウム吸収だけではなく、本発明5の使用の前又は後に使用したカルシウム成分によるカルシウム吸収を促進することが期待できる。
本発明5の固形分中、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、上限値としては、99.9質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。カルシウム吸収促進作用を十分に発揮するためには、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が0.1質量%であることが好ましい。
本発明5の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、1〜6000mg/kgであり、好ましくは1〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明5の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、0.5〜3000mg/kgであり、好ましくは1〜2000mg/kgであり、より好ましくは5〜1000mg/kgである。
また、本発明5の1回の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜30g、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.3〜7gとすることができる。同様に、本発明5の1日の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜100g、好ましくは0.05〜70g、より好ましくは0.5〜50g、特に好ましくは1〜30gとすることができる。
本発明5は、大麦の茎葉の乾燥粉末のみを含むものであってもよいし、大麦の茎葉の乾燥粉末に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明5の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明5は、カルシウム吸収促進作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明5は、例えば、経口用又は非経口用の組成物とすることができる。
本発明5の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。経口用の形態としては、例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明5の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
本発明5は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口的に使用する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明5が粉末状やタブレット状などの固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合して液状体となし、経口的に使用することができるが、使用者の好みなどに応じて、固体のまま経口的に使用してもよい。
本発明5は、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有するカルシウム吸収促進用青汁とするのが好ましく、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を有効成分とするカルシウム吸収促進用青汁とするのが特に好ましい。また、カルシウム吸収促進用青汁は粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であることが好ましい。
本発明5は、カルシウム成分と併用されることが好ましい。この場合の併用とは、本発明5と同時に、又は前後して、カルシウムを摂取する目的でカルシウム成分を使用することをいう。
カルシウム成分は特に限定されず、例えば、カルシウム及びその塩、天然及び合成カルシウム含有物、カルシウム剤、カルシウム補助剤などが挙げられる。天然カルシウム含有物としては、哺乳類、鳥類、魚類などの骨、貝類の貝殻、甲殻類の外皮、卵殻などが挙げられるが、これらに限定されない。カルシウム成分の使用量は特に限定されず、例えば、使用者のカルシウムの不足の程度を考慮して適宜設定することができる。カルシウム成分の1日の使用量は、例えば、カルシウムあたり、200〜2,000mgであり、好ましくは400〜1,500mgである。
本発明5はカルシウム吸収促進作用を有することにより、これを使用することは、カルシウム欠乏症やカルシウム欠乏性疾患の者及びそのリスクがある者に対しての健康維持に有用であり、特に骨粗鬆症やくる病などの骨関連疾患、低カルシウム血症、神経性疾患、動脈硬化、高血圧、過食などの疾患の罹患者や40歳以上の壮年期、中年期及び高年期にある中高年者の健康維持に非常に有用である。
本発明の別の態様は、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する、骨粗鬆症、くる病、低カルシウム血症、動脈硬化、高血圧、過食などのカルシウム欠乏性疾患の予防及び治療するための医薬組成物である。特に、本発明5とカルシウム成分とを含むキットは、上記カルシウム欠乏性疾患の治療及び予防などの用途目的のキットとして有用である。
また、本発明5は、従来の大麦の茎葉の乾燥粉末が有するカルシウム吸収促進作用に加えて、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末に由来するビタミン類、ミネラル類などを多く含むことから、これらに基づく副次的な効果を奏し、使用者の健康維持に資する。
[7.血中コレステロール上昇抑制作用]
本発明は、大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する血中コレステロール上昇抑制用青汁、及び血中コレステロール上昇抑制剤(本発明6)に関するものである。
本発明6は、血中コレステロール上昇抑制作用を有する物質として、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずく(特定品種6)のいずれか1種又は2種以上の大麦の茎葉の乾燥粉末を少なくとも含有する。
血中コレステロール上昇抑制作用は通常知られているとおりの意味の作用であれば特に限定されないが、例えば、血液中でのコレステロールの濃度の上昇が低減、抑制若しくは緩和される作用又は血液内でのコレステロールの濃度が維持若しくは低減される作用をいう。
本発明6は、特定の品種の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することによって、血中コレステロール上昇抑制作用を有するだけでなく、色が鮮やかであることによる見た目の美しさと、風味の良好さとを両立することができるものである。
本発明6は、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、血中コレステロール上昇抑制作用を示し得る。血中コレステロール上昇抑制作用の程度は特に限定されず、例えば、後述する実施例に記載されているように、血中コレステロール濃度を測定及び比較することにより評価できる。本発明6が示す血中コレステロール上昇抑制作用は、例えば、コレステロールエステル類がコレステロールエステラーゼの作用により遊離のコレステロールと脂肪酸に分解され、次いで生成したコレステロールが既存の遊離型コレステロールとともにコレステロールオキシダーゼの作用を受けて酸化されると同時に過酸化水素を生じ、次いで生成した過酸化水素がペルオキシダーゼの作用によりDAOSと4−アミノアンチピリンとを定量的に酸化縮合して青色の色素を生成させることを測定原理とするコレステロールオキシダ-ゼ・DAOS法を用いて測定される、空腹時の血中コレステロール濃度が、本発明6に含有される特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末と同量のニシノホシの茎葉の乾燥粉末を用いた場合の血中コレステロール濃度よりも大きい程度の血中コレステロール上昇抑制作用である。
具体的には、本発明6が示す血中コレステロール上昇抑制作用は、例えば、ニシノホシの茎葉の乾燥粉末を用いた場合と比べて、空腹時の血中コレステロール濃度又は血中総コレステロール濃度が90%以下、好ましくは87%以下である程度の血中コレステロール上昇抑制作用である。本発明6が使用されることによって、血中コレステロール濃度が130〜200mg/dL、血中総コレステロール濃度が220mg/dL未満に維持されることが好ましい。
本発明6は、血中コレステロール上昇抑制作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。例えば、特別な処理を加えることなく種々の目的に利用されてもよい。なお、本発明6は、同時的に使用した脂肪分などの血中コレステロール上昇成分の影響だけではなく、本発明6の使用の前又は後に使用した血中コレステロール上昇成分の影響を緩和又は低減することが期待できる。
本発明6の固形分中、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量は、乾燥質量で、下限値としては、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がなおさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、上限値としては、99.9質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。血中コレステロール上昇抑制作用を十分に発揮するためには、大麦の茎葉の乾燥粉末の含有量が0.1質量%であることが好ましい。なお、本発明6が血中コレステロール上昇成分を多く含む場合は大麦の茎葉の乾燥粉末の使用量を多くし、大麦の茎葉の乾燥粉末とは異なるその他の血中コレステロール上昇抑制成分をさらに含む場合は大麦の茎葉の乾燥粉末の使用量を減じることができる。
本発明6の1日の使用量は特に限定されず、使用態様や使用者の使用内容などに応じて適宜設定され得るが、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、1〜6000mg/kgであり、好ましくは1〜4000mg/kgであり、より好ましくは10〜3000mg/kgであり、さらに好ましくは10〜2000mg/kgである。本発明6の1回の使用量についても同様に特に限定されず、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、使用者の体重を基準として、0.5〜3000mg/kgであり、好ましくは1〜2000mg/kgであり、より好ましくは5〜1000mg/kgである。
また、本発明6の1回の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜30g、好ましくは0.05〜20g、より好ましくは0.1〜10g、特に好ましくは0.3〜7gとすることができる。同様に、本発明6の1日の使用量は、例えば、大麦の茎葉の乾燥粉末の質量換算で、0.01〜100g、好ましくは0.05〜70g、より好ましくは0.5〜50g、特に好ましくは1〜30gとすることができる。
本発明6は、大麦の茎葉の乾燥粉末のみを含むものであってもよいし、大麦の茎葉の乾燥粉末に加えて、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、種々の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、添加剤などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明6の利用形態などに応じて適宜選択することができる。
本発明6は、血中コレステロール上昇抑制作用を得ることを目的とした種々の形態で利用され得る。本発明6は、例えば、経口用又は非経口用の組成物とすることができる。
本発明6の形態は特に限定されず、任意の形態とすることができる。経口用の形態としては、例えば、経口的な使用に適した形態、具体的には、粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、ケーキ状、チュアブル状、シロップ状、スティック状などの各形態が挙げられる。
本発明6の包装形態は特に限定されず、剤形などに応じて適宜選択できるが、例えば、PTPなどのブリスターパック;ストリップ包装;ヒートシール;アルミパウチ;プラスチックや合成樹脂などを用いるフィルム包装;バイアルなどのガラス容器;アンプルなどのプラスチック容器などが挙げられる。
本発明6は、粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であって、水と混合した混合物を経口的に使用する形態であると、腐敗を防ぎ長期保存に適することから好ましい。また本発明6が粉末状やタブレット状などの固体の形態である場合、上述したように、これを水と混合して液状体となし、経口的に使用することができるが、使用者の好みなどに応じて、固体のまま経口的に使用してもよい。
本発明6は、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する血中コレステロール上昇抑用青汁とするのが好ましく、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を有効成分とする血中コレステロール上昇抑用青汁とするのが特に好ましい。また、血中コレステロール上昇抑用青汁は粉末状(粉末、顆粒などの粉の形態)であることが好ましい。
本発明6は血中コレステロール上昇抑制作用を有することにより、これを使用することは、血中コレステロールが上昇することに起因する疾患の罹患者及びそのリスクがある者に対しての健康維持に有用であり、特に脂質異常症(高脂血症)、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、動脈硬化、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、間歇性跛行症、胆石症、ネフローゼ症候群などの疾患の罹患者や血中総コレステロール濃度が220mg/dl以上である者、肥満者及び40歳以上の壮年期、中年期及び高年期にある中高年者の健康維持に非常に有用である。本発明の別の態様は、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有する、上記の血中コレステロールが上昇することに起因する疾患を予防及び治療するための医薬組成物である。なお、本明細書でいう肥満とは、BMI(BodyMassIndex;肥満指数)が25以上である状態や腹囲(へそを通るウエスト周囲径)が男性であれば85cm以上であり、女性であれば90cm以上である状態をいう。
また、本発明6は、従来の大麦の茎葉の乾燥粉末が有する血中コレステロール上昇抑制作用に加えて、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末に由来するビタミン類、ミネラル類などを多く含むことから、これらに基づく副次的な効果を奏し、使用者の健康維持に資する。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の課題を解決し得る限り、本発明は種々の態様をとることができる。
[1.血糖値上昇抑制作用]
シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウの茎葉の乾燥粉末が、格別顕著な血糖値上昇抑制作用を示すことを以下のとおりに実証した。
1.被験物質
実施例1〜3として、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウを用いた。また、比較例1としてイチバンボシを用いた。
2.被験試料の調製
被験試料として、上記の実施例及び比較例の大麦の茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を、ミキサーを用いて、約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、粉砕機を用いて、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、茎葉の粉砕末を得た。
得られた茎葉の粉砕末とショ糖をそれぞれ200mg/mLとなるように純水に懸濁又は溶解して、被験試料とした。また、いずれの茎葉の粉砕末も用いずにショ糖のみを200mg/mLとなるように純水に溶解したものをコントロール試料とした。
3.試験手順
まず、7週齢のSD系雄性ラット(九動株式会社)を16時間以上絶食させた。その後、各ラットの尾静脈より採血し、グルテストエースR(株式会社三和化学研究所)を用いて投与前(0分)の血糖値を測定した。投与前(0分)の血糖値ができるだけ均一となるように群分けした。
次いで、各ラットに、各被験試料又はコントロール試料をそれぞれ10mL/kg体重(個体あたりの被験物質投与量が約0.4g程度)となるようにゾンデを用いて経口投与し、投与30分後に血糖値を測定した。コントロールの投与前(0分)及び30分後における血糖値を用いて、下記式を用いて実施例1〜3及び比較例1の血糖値上昇抑制率(%)を求めた。結果を図1に示す。
血糖値上昇抑制率(%)={1−([被験試料投与30分後の血糖値]−[被験試料投与前(0分)の血糖値])/([コントロール試料投与30分後の血糖値]−[コントロール試料投与前(0分)の血糖値])}×100
図1から、実施例1〜3のシュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウの茎葉の粉砕末を摂取したラットは、比較例1のイチバンボシの茎葉の粉砕末を摂取したラットに比べて、投与30分後における急激な血糖値の上昇が抑制されたことがわかる。このことは、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウの茎葉の粉砕末が、血糖値上昇抑制用青汁、及び血糖値上昇抑制剤として有用であり、特にインスリン抵抗性によって特徴づけられる2型糖尿病の予防に効果があることが期待できる。
[2.抗酸化作用]
ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくの大麦の茎葉の乾燥粉末が、格別顕著な抗酸化作用を示すことを以下のとおりに実証した。
1.被験物質
実施例1〜5として、ファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくを用いた。また、比較例1として、ニシノホシを用いた。
2.被験試料の調製
被験試料として、上記の実施例及び比較例の大麦の茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を、ミキサーを用いて、約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、粉砕機を用いて、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、茎葉の粉砕末を得た。
得られた茎葉の粉砕末を、リン酸緩衝液(pH7.2)にて60mg/mLに調製し、1時間室温にてヴォルテックス攪拌した後に、10,000rpmにて1分間の条件で遠心を2回繰り返し、得られた上清を被験試料として使用した。
3.SOD様活性測定及びその結果
抗酸化能を評価するために、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)キット(NBT還元法、「SODテストワコー」、和光純薬工業社製)を用いて、該キットの添付文書に記載の操作方法に準じて、各被験試料のSOD活性値(阻害率%)を測定した。なお、試験は繰返し数を2とし、その平均値を測定結果とした。SOD活性値の測定結果を表1に示す。
Figure 2017014187
表1が示すとおり、品種がニシノホシである比較例2に対して、品種がファイバースノウ、シルキースノウ及びシュンライである実施例1〜3は、SOD活性値が大きく、より大きな抗酸化作用を有することが示された。
4.ORAC測定及びその結果
別の観点で抗酸化能を評価するために、被験試料の活性酸素吸収能(ORAC)を以下のとおりに測定した。
75mM リン酸緩衝液(pH 7.4)をアッセイ緩衝液として用いた。希釈緩衝液は、メタノール−水−酢酸(MWA)溶液(メタノール:水:酢酸(容積比)=90:9.5:0.5) 10mLとアッセイ緩衝液 90mLとを混合することにより調製した。フルオレセイン溶液は、フルオレセインナトリウムをアッセイ緩衝液で溶解して、110.7nMの溶液として調製した。Trolox溶液は、Troloxをアッセイ緩衝液で溶解して、500μMの溶液として調製した。Trolox溶液を希釈緩衝液で希釈して、Trolox標準溶液を調製した。AAPH溶液は、AAPH(2,2’−Azobis(2−amidinopropane) dihydrochloride)をアッセイ緩衝液で溶解して、31.7mMの溶液として調製した。
被験試料をアッセイ緩衝液で希釈して希釈溶液を調製した。なお、希釈溶液中の被験試料の濃度は、予備試験の結果に基づいて決定した。
マイクロプレートリーダー庫内37℃に加温した。蛍光検出波長を励起波長485±20nm、検出波長530±25nmに設定した。96穴プレートの各ウェルに、サンプル希釈溶液、希釈緩衝液(ブランク)又はTrolox標準溶液の35μLを分注した。
各ウェルに、フルオレセイン溶液 115μLを分注し、プレート全体を振盪攪拌した。各ウェルをシーリングして、速やかに37℃に加温したマイクロプレートリーダーに移し、プレートリーダー内で10分以上加温した。プレートの各ウェルについて蛍光強度を測定した(f0min)。シーリングを外して、各ウェルにAAPH溶液 50μLを加え、ピペッティング操作で溶液を混合した。各ウェルをシーリングして、マイクロプレートを速やかにマイクロプレートリーダーに移し、蛍光強度の経時変化を2分間の間隔で45回(計90分間)測定した。
0min及び測定開始から8分後〜90分後の測定値(f8min、f10min・・・、f90min)を用いることにより、検体のORAC値(μmol TE/L)は以下の式から求めた。
Figure 2017014187
また、ORAC値(μmol TE/L)を、試料1g当たりとして変換することにより、ORAC値(μmol TE/g)を求めた。
上記のようにして求めた、比較例及び実施例のORAC値(μmol TE/L)及びORAC値(μmol TE/g)を表2に示す。また、ORAC値(μmol TE/g)について図示したものを図2とした。
Figure 2017014187
表2及び図2が示すとおり、品種がニシノホシである比較例1に対して、品種がファイバースノウ、シルキースノウ、シュンライ、イチバンボシ及びはるしずくである実施例1〜5は、ORAC値が大きく、より大きな抗酸化作用を有することが示された。
[3.整腸作用]
シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウの茎葉の乾燥粉末が、便通改善作用を有することにより、格別顕著な整腸作用を示すことを以下のとおりに実証した。
1.被験物質
実施例1〜3として、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウを用いた。また、比較例1として、イチバンボシを用いた。
2.被験飼料の調製
被験試料として、実施例1〜3及び比較例1の大麦の茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分含量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を、ミキサーを用いて、約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、粉砕機を用いて、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、大麦の茎葉の粉砕末を得た。
以下の表3に示す組成のとおりに、大麦の茎葉の粉砕末及びAIN−76をベースとした無繊維高脂肪食(NFHF)を構成する各成分を、乳棒及び乳鉢を用いて飼料中の各成分が均一となるように調製して、10wt%大麦茎葉含有NFHF粉末飼料を得た。また、大麦の茎葉の粉砕末を含まないものとして、NFHF粉末飼料を得た。
Figure 2017014187
3.被験動物
6週齢の雄性Wistar系ラット(九動社)にMF固形飼料(オリエンタル酵母工業社)及び水を5日間自由摂取させて馴化した。馴化後の7週齢の雄性Wistar系ラットについて、体重の平均値がほぼ均一となるように下記表4に示すとおりに群分けし、それぞれの粉末飼料を、給餌開始日を0日目として、自由摂取させて飼育した。ただし、群分けでは、試験開始前(−1〜0日目)の糞便個数に各群で有意差がみられないように考慮した(優先順位:体重値>糞便個数)。
Figure 2017014187
4.評価方法及び結果
試験開始前(−1〜0日目)、試験開始後6〜7、13〜14、20〜21、27〜28日目に、各群の1日分の糞便を回収して、各測定日ごとに個数を測定した。得られた糞便を、インキュベータ内で100℃、3日間以上乾燥させた。乾燥後の糞便重量を測定し、乾燥糞便重量とした。各群の乾燥糞便重量についてまとめたものを図3とした。
図3が示すとおり、乾燥糞便重量は、コントロール群に対して、実施例1〜3群及び比較例1群は総じて多かった。さらに、驚くべきことに、実施例1〜3群については、比較例1群に対して、乾燥糞便重量が多かった。したがって、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウの大麦茎葉は、使用されることにより糞便量の増大を促進し、便通を改善するという効果を示し、さらにその効果は比較例であるイチバンボシの大麦茎葉が示すものと比べて格段に優れていることが示された。これらの結果から、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウの大麦茎葉は、使用される被験体に対して、便通改善作用を通じて顕著な整腸作用を示すことがわかった。
[4.コラーゲン吸収促進作用]
はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの茎葉の乾燥粉末が、格別顕著なコラーゲン吸収促進作用を示すことを以下のとおりに実証した。
1.被験物質
実施例1〜5として、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウを用いた。また、比較例1としてニシノホシを用いた。
2.被験試料の調製
被験試料として、実施例1〜5及び比較例1の大麦の茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分含量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を、ミキサーを用いて、約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、粉砕機を用いて、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、大麦の茎葉の粉砕末を得た。
以下の表5に示す組成のとおりに、大麦の茎葉の粉砕末及びAIN−76をベースとした無繊維高脂肪食(NFHF)を構成する各成分を、乳棒及び乳鉢を用いて飼料中の各成分が均一となるように調製して、10wt%大麦茎葉含有NFHF粉末飼料を得た。また、大麦の茎葉を含まないものとして、NFHF粉末飼料を得た。
Figure 2017014187
3.コラーゲン溶液の調製
豚由来コラーゲンペプチドとして平均分子量2000であるものと、魚由来コラーゲンペプチドとして平均分子量2000であるものとを配合比率が1:1の割合で混合したのち、目開き710μm相当の篩を通過させたものを蒸留水に溶解させ、被験物質溶液中のコラーゲン含有量が250mg/mLとなるようにコラーゲン溶液を調製した。
4.被験動物
6週齢の雄性Wistar系ラット(九動社)にMF固形飼料(オリエンタル酵母工業社)及び水を5日間自由摂取させて馴化した。馴化後の7週齢の雄性Wistar系ラットについて、体重の平均値がほぼ均一となるように下記表6に示すとおりに群分けし、それぞれの粉末飼料を、給餌開始日を0日目として、自由摂取させて飼育した。ただし、群分けでは、試験開始前(−1〜0日目)の糞便個数に各群で有意差がみられないように考慮した(優先順位:体重値>糞便個数)。
Figure 2017014187
5.コラーゲン溶液の投与
給餌開始から29日以上経過の後に、前日から16時間以上絶食させた各群の被験動物に、コラーゲン溶液を20mL/kg(5,000g−コラーゲン/kg)となるようにゾンデを用いて強制経口投与した。
6.評価方法
ヒドロキシプロリン(Hyp)とは、コラーゲンを構成するアミノ酸の約11〜14%を占め、コラーゲンに特徴的に存在していることから、コラーゲンの吸収性の指標として用いられている物質である。そこで、コラーゲン吸収性の指標として血中Hyp濃度を測定した。
コラーゲン溶液投与前(0時間)、投与1、2、3、6時間後に経時的に静脈より一定量採血した。採血後、血液試料を30分間以上室温で放置した後、遠心(8000rpm、20分、4℃)に供することにより、血清を採取した。血清は、血中Hyp濃度の測定に供するまで、−30℃にて保存した。血中HyP濃度は、市販のキット(Hydroxyproline Assay Kit;Bio Vision)を用いて測定した。測定結果について、血中Hyp濃度の経時変化量(=[各時間の測定値]−[0時間の測定値])を表わした図を図4とし、血中Hyp濃度のAUC(血中濃度−時間曲線下面積)を表わした図を図5とした。
7.コラーゲン吸収促進作用評価結果
血中Hyp濃度は、経時変化及びAUCの両方とも、コントロール群に対して、被験物質を用いた試験群の方が高かった。驚くべきことに、実施例群(はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウ)については、比較例群(ニシノホシ)に対して、血中Hyp濃度が高くなるという傾向を示した。したがって、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの茎葉の乾燥粉末は、摂取されることにより、血中Hyp濃度を高める、ひいてはコラーゲン吸収性を促進するという効果を有することが示された。
以上の結果から、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウがコラーゲン吸収促進作用を有することが明らかとなった。すなわち、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの大麦茎葉の乾燥粉末はコラーゲン吸収促進用青汁、及びコラーゲン吸収促進剤として有用な素材であり、このような大麦茎葉の乾燥粉末とコラーゲンとを併用して摂取することにより、コラーゲンを体内に効率的に吸収することができ、優れた美容健康組成物を提供することができることが明らかとなった。
[5.カルシウム吸収促進作用]
はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの大麦茎葉の乾燥粉末が、格別顕著なカルシウム吸収促進作用を示すことを以下のとおりに実証した。
1.被験物質
実施例1〜5として、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウを用いた。また、比較例1としてニシノホシを用いた。
2.被験試料の調製
被験試料として、上記の実施例及び比較例の大麦の茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分含量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を、ミキサーを用いて、約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、粉砕機を用いて、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、大麦の茎葉の粉砕末を得た。
以下の表7に示す組成のとおりに、大麦の茎葉の粉砕末及びAIN−76をベースとした無繊維高脂肪食(NFHF)を構成する各成分を、乳棒及び乳鉢を用いて飼料中の各成分が均一となるように調製して、大麦茎葉含有NFHF粉末飼料を得た。また、大麦の茎葉を含まないものとして、NFHF粉末飼料を得た。
Figure 2017014187
3.カルシウム溶液の調製
純水を溶媒として、DL−乳酸カルシウム五水和物(和光純薬工業社)をカルシウム濃度として20mg/mLとなるように調製し、カルシウム溶液とした。
4.被験動物
6週齢の雄性Wistar系ラット(九動社)にMF固形飼料(オリエンタル酵母工業社)及び水を5日間自由摂取させて馴化した。馴化後の7週齢の雄性Wistar系ラットについて、体重の平均値がほぼ均一となるように下記表8に示すとおりに群分けし、それぞれの粉末飼料を、給餌開始日を0日目として、自由摂取させて飼育した。ただし、群分けでは、試験開始前(−1〜0日目)の糞便個数に各群で有意差がみられないように考慮した(優先順位:体重値>糞便個数)。
Figure 2017014187
5.カルシウム溶液の投与
給餌開始から22日以上経過の後、前日から16時間以上絶食させた各群の被験動物に、カルシウム溶液を10mL/kg(200mg−Ca/kg)となるようにゾンデを用いて強制経口投与した。
6.評価方法
カルシウム溶液投与前(0時間)、投与0.5、1、2、3、5時間後に経時的に静脈より一定量採血した。採血後、血液試料を30分間以上室温で放置した後、遠心(8000rpm、20分、4℃)に供することにより、血清を採取した。血清は、カルシウム濃度の測定に供するまで、−30℃にて保存した。得られた血清を用いて、血中カルシウム濃度を、市販のキットであるカルシウムE−テストワコー(和光純薬工業社)を用いて測定した。測定結果について、血中カルシウム濃度の経時変化量(=[各時間の測定値]−[0時間の測定値])を表わした図を図6とし、血中カルシウム濃度のAUC(血中濃度−時間曲線下面積)を表わした図を図7とした。
7.カルシウム吸収促進作用評価結果
血中カルシウム濃度は、経時変化及びAUCの両方とも、コントロール群に対して、被験物質を用いた試験群の方が高かった。驚くべきことに、実施例群(はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウ)については、比較例群(ニシノホシ)に対して、血中カルシウム濃度が高くなるという傾向を示した。したがって、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの茎葉の乾燥粉末は、摂取されることにより、血中カルシウム濃度を高める、ひいてはカルシウム吸収性を促進するという効果を有することが示された。
以上の結果から、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウがカルシウム吸収促進作用を有することが明らかとなった。すなわち、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの大麦茎葉の乾燥粉末はカルシウム吸収促進用青汁、及びカルシウム吸収促進剤として有用な素材であり、このような大麦茎葉の乾燥粉末とカルシウムとを併用して摂取することにより、カルシウムを血液を介して体内に効率的に吸収することができることが明らかとなった。
[6.血中コレステロール上昇抑制作用]
はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの大麦茎葉の乾燥粉末が、格別顕著な血中コレステロール上昇抑制作用を示すことを以下のとおりに実証した。
1.被験物質
実施例1〜5として、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウを用いた。また、比較例1としてニシノホシを用いた。
2.被験試料の調製
被験試料として、上記の実施例及び比較例の大麦の茎葉を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5〜10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した茎葉を、90〜100℃の熱湯で90秒間〜120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた茎葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間〜180分間、80℃〜130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した茎葉を、ミキサーを用いて、約1mmの大きさに粉砕処理した。得られた大麦の茎葉を、粉砕機を用いて、200メッシュ区分を90%以上が通過するように粉砕処理し、大麦の茎葉の粉砕末を得た。
以下の表9に示す組成のとおりに、大麦の茎葉の粉砕末及びAIN−76をベースとした無繊維高脂肪食(NFHF)を構成する各成分を、乳棒及び乳鉢を用いて飼料中の各成分が均一となるように調製して、10wt%大麦茎葉含有NFHF粉末飼料を得た。また、大麦の茎葉を含まないものとして、NFHF粉末飼料を得た。
Figure 2017014187
3.被験動物
6週齢の雄性Wistar系ラット(九動社)にMF固形飼料(オリエンタル酵母工業社)及び水を5日間自由摂取させて馴化した。馴化後の7週齢の雄性Wistar系ラットについて、体重の平均値がほぼ均一となるように下記表10に示すとおりに群分けし、それぞれの粉末飼料を、給餌開始日を0日目として、28日間自由摂取させて飼育した。ただし、群分けでは、試験開始前(−1〜0日目)の糞便個数に各群で有意差がみられないように考慮した(優先順位:体重値>糞便個数)。
Figure 2017014187
4.評価方法
給餌29日目に、一晩絶食させたラットの静脈より一定量採血した。採血後、血液試料を30分間以上室温で放置した後、遠心(8000rpm、20分、4℃)に供することにより、血清を採取した。血清は、コレステロール濃度の測定に供するまで、−30℃にて保存した。得られた血清を用いて、血中コレステロール濃度を、市販のキットであるコレステロールE−テストワコー(和光純薬工業社)を用いて血清中総コレステロール量として測定した。測定結果を図8に示す。
5.血中コレステロール上昇抑制作用の評価結果
図8に示されているとおり、血中コレステロール濃度は、コントロール群に対して、被験物質を用いた試験群の方が総じて低かった。驚くべきことに、実施例群(はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウ)については、比較例群(ニシノホシ)に対して、血中コレステロール濃度が低くなるという傾向を示した。したがって、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの茎葉末は、摂取されることにより、血中コレステロール濃度を低下する、ひいては血中コレステロール上昇を抑制するという効果を有することが示された。
以上の結果から、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウが血中コレステロール上昇抑制作用を有することが明らかとなった。すなわち、はるしずく、シュンライ、ファイバースノウ、イチバンボシ及びシルキースノウの大麦茎葉は血中コレステロール上昇抑制用青汁、及びカルシウム吸収促進剤として有用な素材であることが明らかとなった。
本発明1は、、特定品種1の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、日常的な使用態様によって血糖値上昇抑制作用及び早期の血糖値低下作用が期待できるものであり、血糖値の上昇に不安を抱える者の健康維持に有用である。したがって、本発明1は、糖尿病や肥満に関係する疾病、例えば、脂質代謝異常症、高血圧症、メタボリックシンドローム、動脈硬化症、高脂血症、痛風、高体脂肪率、高血糖、高インスリン血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、脂肪肝、心血管疾患、高尿酸血症などの生活習慣病を予防又は治療することができるものであることから、これらの疾病に纏わる医療費の低減や労働力低下の解消など、国民経済全体に資するものである。
本発明2は、特定品種2の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、優れた抗酸化作用を有し、かつ、継続的な使用態様によって抗酸化作用を示すものである。このような抗酸化作用は、使用者の体内で発生する活性酸素に起因する障害や疾病を回避することや原料由来の風味や栄養素により継続的に使用することが期待できるものであることから、酸化予防と栄養補給とを同時に図れる、人類の健康及び福祉に資することができるものである。
本発明3は、特定品種3の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、従前の便通改善作用を有する物質に比べて、安全性が高く、かつ、優れた便通改善作用を含む整腸作用を示す物質を含有するものであり、排便障害の治療及び予防などの種々の効果が期待できるものである。
本発明4は、特定品種4の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、従前のコラーゲンの吸収性を促進する物質に比べて、より優れたコラーゲン吸収促進作用を示す物質を含有するものであり、コラーゲン吸収促進作用を通じて、美容、骨及び軟骨組織の形成、関節疾患の治療及び予防などの種々の効果が期待できるものである。
本発明5は、特定品種5の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、日常的な使用態様によってカルシウム吸収促進作用が期待できるものであり、カルシウム欠乏性疾患又はそのリスクがある者の健康維持に有用である。したがって、本発明5は、カルシウム欠乏性疾患、例えば、骨粗鬆症やくる病などの骨関連疾患、低カルシウム血症、神経性疾患、動脈硬化、高血圧、過食などの疾患を予防又は治療することが期待できるものであることから、これらの疾患に纏わる医療費の低減や労働力低下の解消など、国民経済全体に資するものである。
本発明6は、特定品種6の大麦の茎葉の乾燥粉末を含有することにより、日常的な使用態様によって血中コレステロール上昇抑制作用が期待できるものであり、血中コレステロールの上昇に不安を抱える者の健康維持に有用である。したがって、本発明6は、血中コレステロール上昇に関連する疾病、例えば、高脂血症、動脈硬化、ネフローゼ症候群などの疾病を予防又は治療することができるものであることから、これらの疾病に纏わる医療費の低減や労働力低下の解消など、国民経済全体に資するものである。
本発明は、特定保健用飲食品、栄養機能飲食品、保健機能飲食品、特別用途飲食品、栄養補助飲食品、健康補助飲食品、サプリメント、美容飲食品、その他の健康飲食品、医薬用部外品、化粧品、医薬品として利用できる。

Claims (1)

  1. シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウからなる群から選ばれる少なくとも1種の大麦の茎及び/又は葉の乾燥粉末を含有する血糖値上昇抑制用青汁。
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