JP2017014035A - 粉末組成物及びペースト組成物並びに化粧骨材層の形成方法 - Google Patents

粉末組成物及びペースト組成物並びに化粧骨材層の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成する際に、美麗骨材を覆う結合材を、簡易かつ環境負荷の少ない方法で除去可能な粉末組成物及びペースト組成物を提供する。
【解決手段】結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられる粉末組成物であり、メディアン粒径が110μm以下の増量材及びグルコン酸塩を含有し、グルコン酸塩の含有量が、0.1〜5.0質量%である粉末組成物である。また、前記化粧骨材層を形成するために用いられるペースト状組成物であり、前記粉末組成物、及び前記粉末組成物との混合によりペースト状となる量の水を含有するペースト状組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられる、粉末組成物及びペースト組成物、並びに粉末組成物又はペースト組成物を用いた、化粧骨材層の形成方法に関する。
従来から、公園及び庭園等の遊歩道や、建造物(公共施設、商用施設及び住宅等)のアプローチ、エントランス、通路、及び外壁等に代表される外構及び内部には、景観材として、美麗な玉石等の美麗骨材を表面に露出させて敷き並べた化粧舗装が施されていることがある。この化粧舗装は、一般的に、コンクリート及びアスファルト等の基体に、美麗骨材をセメント及び樹脂等の結合材で固定させて得られる化粧骨材層を形成することにより行われている。より具体的には、基体に、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層を設けた後、美麗骨材を覆う結合材を除去して、美麗骨材を表面に露出させることで、外観が美麗な化粧骨材層を形成することが行われている。
例えば、特許文献1には、基体の上に粒子の長径が2〜10mmである美麗骨材を合成樹脂結合剤で結合させ、その美麗骨材の間をセメントペーストで埋め、そしてそのセメントペースト層が初期凝結になった時、その美麗骨材の表面が露出するようにその表面上のセメントペーストを除去する各工程を含む基体上に美麗骨材を固定する方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、コンクリート打設終了後、まだ硬化しないコンクリート表面に、コンクリート硬化遅延剤を散布し、コンクリート表面の薄層部分の硬化を遅らせ、コンクリート内部の硬化後、まだ硬化していない薄層部分のセメントモルタルを水及びブラシ等により除去し、骨材の素地を露出させる、コンクリート表面の洗い出し工法が開示されている。
特公平7−11178号公報 特開2006−36577号公報
上記特許文献1に開示されたような、美麗骨材の間を埋めるセメントペースト層が初期凝結になったときに、美麗骨材の表面上のセメントペースト(結合材)を除去する工法では、結合材を除去するタイミングが非常に重要となる。そのタイミングが早ければ、結合材層の硬化が不十分な状態であることから、セメントペースト(結合材)を何回か拭取っても骨材表面に残ってしまい美麗にならない。また、前記タイミングが遅ければ、結合材層の硬化が進行し過ぎた状態であることから、美麗骨材の表面上の結合材を除去しきれず、美麗骨材の露出斑を生じる。
上記特許文献2に開示されたような、硬化していない薄層部分のセメントモルタルを水及びブラシ等で除去するといったコンクリート表面の洗い出し工法では、大量の水を使用するため、セメントと砂を含む排水(セメント汚泥)が大量に排出される。この排水(セメント汚泥)が排水溝等に流出することは環境上問題となることから、環境汚染の監視が強化されている近年において、上述のような洗い出し工法による施工は、非常に難しくなっている。
そこで本発明は、結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成する際に、美麗骨材を覆う結合材を、簡易かつ環境負荷の少ない方法で除去可能な粉末組成物及びペースト組成物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の[1]に示す粉末組成物を提供する。その粉末組成物は、以下の[2]〜[7]に示す粉末組成物であってもよい。
[1]結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられる粉末組成物であり、メディアン粒径が110μm以下の増量材及びグルコン酸塩を含有し、前記グルコン酸塩の含有量が、0.1〜5.0質量%である粉末組成物。
[2]前記増量材が、珪砂である前記[1]に記載の粉末組成物。
[3]セメントを10〜50質量%の範囲で含有する前記[1]又は[2]に記載の粉末組成物。
[4]パーライトを20〜60質量%の範囲で含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の粉末組成物。
[5]水溶性セルロースエーテルを0.02〜0.5質量%の範囲で含有する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の粉末組成物。
[6]界面活性剤を含有する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の粉末組成物。
[7]前記化粧骨材層が、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層から、前記美麗骨材を覆う前記結合材を除去して前記美麗骨材を表面に露出させて得られるものであり、前記粉末組成物が、前記美麗骨材を覆う前記結合材を除去するために用いられるものである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の粉末組成物。
また、本発明は、以下の[8]に示すペースト組成物を提供する。
[8]結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられるペースト組成物であり、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の粉末組成物、及び該粉末組成物との混合によりペースト状となる量の水を含有するペースト組成物。
さらに、本発明は、以下の[9]に示す化粧骨材層の形成方法を提供する。この形成方法は、以下の[10]及び[11]に示す形成方法であってもよい。
[9]基体に対して、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層を設ける工程と、前記美麗骨材層の上に、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の粉末組成物を散布する工程、又は前記[8]に記載のペースト組成物を塗工する工程と、前記散布された粉末組成物又は前記塗工されたペースト組成物を、前記粉末組成物又は前記ペースト組成物が付着した前記結合材と共に除去することで、前記美麗骨材を覆う前記結合材を除去し、前記美麗骨材を表面に露出させる工程と、を含む、化粧骨材層の形成方法。
[10]前記散布された粉末組成物又は前記塗工されたペースト組成物を、前記粉末組成物又は前記ペースト組成物が付着した前記結合材と共に掻き出して除去する、前記[9]に記載の化粧骨材層の形成方法。
[11]前記基体に対して前記美麗骨材層を設ける前に、前記基体の表面に、前記基体と化粧骨材層とを接着させるプライマー層を設ける工程を含む、前記[9]又は[10]に記載の化粧骨材層の形成方法。
本発明によれば、結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成する際に、美麗骨材を覆う結合材を、簡易かつ環境負荷の少ない方法で除去可能な粉末組成物及びペースト組成物を提供することができる。
本発明に係る一実施形態の化粧骨材層の形成方法を説明するための図であり、基体に対して、美麗骨材層が設けられた状態を表す概略図である。 本発明に係る一実施形態の化粧骨材層の形成方法を説明するための図であり、図1に示す美麗骨材層の上に、本発明に係る一実施形態の粉末組成物又はペースト組成物が設けられた状態を表す概略図である。 本発明に係る一実施形態の化粧骨材層の形成方法を説明するための図であり、基体に対して、化粧骨材層が形成された状態を表す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<粉末組成物>
本発明の一実施形態に係る粉末組成物は、結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられるもの(化粧骨材層形成用の粉末組成物)である。そして、この粉末組成物は、メディアン粒径(D50)が110μm以下の増量材及びグルコン酸塩を含有し、グルコン酸塩の含有量が0.1〜5.0質量%のものである。
まず、本実施形態の粉末組成物が利用される化粧骨材層について説明する。
化粧骨材層は、従来から、例えば、公園及び庭園等の遊歩道や、建造物のアプローチ、エントランス、通路、及び外壁等の外構及び内部に、景観材として用いられている。この化粧骨材層は、少なくとも美麗骨材と、その美麗骨材を固定させる結合材とを含有し、美麗骨材が表面に露出したものである。化粧骨材層には、美麗骨材間を埋めるような充填骨材が含有されていてもよい。
美麗骨材として、従来から化粧骨材層に用いられている、美麗と感じられる骨材を用いることができる。そのような美麗骨材としては、例えば、天然玉石、天然玉砂利、大理石砕石、角を丸めた大理石砕石、彩色ガラス破片、角を丸めたガラス破片、及びガラスビーズ等が挙げられる。使用可能な美麗骨材のサイズとしては、特に制限されず、例えば、長径が3〜24mmの美麗骨材を好適に用いることができる。美麗骨材は、1種が単独で用いられてもよく、2種以上の組み合わせが用いられてもよい。
結合材は、化粧骨材層において、美麗骨材を固定する母材となるものである。結合材としては、従来から化粧骨材層に用いられている、セメント結合材、樹脂結合材、並びにセメント及び樹脂を含む結合材が挙げられる。本実施形態の粉末組成物は、結合材としてセメント結合材が使用される化粧骨材層を形成するために用いられることが好ましい。また、粉末組成物は、セメント結合材:美麗骨材の質量比が1:1.5〜3.5の範囲でそれらが使用されてなる化粧骨材層を形成するために用いられることがより好ましい。
セメント結合材は、セメント、及び砂(細骨材)等を含有するセメント組成物から形成されるものであり、その形成に際しては、セメント、及び砂(細骨材)等に加えてさらに水を練り混ぜたセメントペースト(モルタル)から形成される。セメント結合材に用いられるセメントとしては、特に限定されないが、普通ポルトランドセメントを好適に用いることができる。例えば、母材を着色して、意匠性にバラエティを持たせたい場合には、グレーのポルトランドセメントよりも白色セメントの方が、着色の鮮明さで勝っているため、白色ポルトランドセメントを好適に用いることができる。また、例えば、水硬化速度を速めたければ、早強ポルトランドセメントを好適に用いることができる。
樹脂結合材としては、常温(5〜35℃)において、液状から固体状に硬化する反応硬化性樹脂が好適に用いられる。そのような好適な樹脂結合材としては、例えば、エポキシ樹脂組成物、不飽和ポリエステル樹脂組成物、及びウレタン樹脂組成物等が挙げられる。
化粧骨材層は、一般的に、コンクリートの基体に対して、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層を設ける工程を含んで形成される。この美麗骨材層は、化粧骨材層が形成される前の状態であり、美麗骨材層では美麗骨材が結合材で覆われた状態となる。そして、化粧骨材層は、基体に対して設けられた美麗骨材層から、美麗骨材を覆う結合材を除去し、美麗骨材を表面に露出させる工程を含んで形成される。
本実施形態の粉末組成物は、上述の化粧骨材層を形成する過程において、美麗骨材層の上層側における美麗骨材を覆う結合材を除去するために、好適に用いることができるものである。具体的には、本実施形態の粉末組成物は、粉末組成物が美麗骨材層上に設けられて美麗骨材を覆う結合材に付着し、その結合材を美麗骨材層から掻き出して除去するために、より好適に用いることができるものである。
ここで、従来の化粧骨材層の形成方法について、近年、施工現場で行われている具体的な方法を挙げて、さらに詳述する。
第一の方法としては、セメント、美麗骨材、細骨材、添加剤、及び水を練り混ぜた混合物を、コンクリートの基体上に8〜20mmを標準の厚さとして鏝で均し、美麗骨材層を形成する。そして、適宜の時間経過後に、美麗骨材層上に液状の硬化遅延剤を噴霧器等で散布し、その表面にプラスチックシートを被い被せて遅延効果を保ち、6〜15時間後に表層のセメント結合材を水で洗い流して、美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成する。このような化粧舗装は、例えば、商用施設のアプローチ及びエントランス、公園及び庭園の遊歩道、並びに公共施設及び住宅等の外構及び内部に広く使用されている。
また、第二の方法としては、セメント、美麗骨材、細骨材、添加剤、及び水を練り混ぜた混合物を、コンクリートの基体上に8〜20mmを標準の厚さとして鏝で均し、美麗骨材層を形成する。そして、その美麗骨材層において、美麗骨材の表面に覆い被さっている表層のセメント結合材の初期凝結を常に見計らい、その初期凝結のタイミングで表層を水で戻して中毛ローラー又は左官刷毛等で掻き集めながら吸上げて汚泥体で回収し、拭き取り洗浄を繰り返すことで、美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成する。
しかしながら、前記第一の方法では、美麗骨材層のセメント結合材の表層に液状の硬化遅延剤を噴霧器等で例えば200〜300g/m2の量で散布すると、塗布面が水勾配等で傾斜している場所では、液状の硬化遅延剤が低い部分に流れて溜まりやすく、その結果、美麗骨材層の表層に対して硬化遅延剤の浸透量の差が生じ、美麗骨材の露出度合に斑が生じる。さらに、前記第一の方法では、セメント結合材の擬凝結部分を除去する際の水洗でセメント汚泥が流出するという環境上の問題もある。なお、本明細書において、擬凝結とは、凝結に似せた状態(模擬的な凝結)をいう。
また、前記第二の方法では、美麗骨材層の表層のセメント結合材を除去する際のタイミングが非常に重要となる。そのタイミングが早ければ美麗骨材の脱離となり、そのタイミングが遅ければセメント結合材を除去しきれない部分が生じ、それらの結果、美麗骨材の露出に斑が生じる。たとえ、前記タイミングが適切であっても、セメント結合材が初期凝結の状態であり、美麗骨材及びセメント結合材を含有する美麗骨材層の強度が低い状態のときに、美麗骨材の表面上の結合材を除去することになるため、その作業時には特殊用具(スポンジスリッパ等)を装着して作業は慎重に手作業となり、施工面積は小規模に留まる。
従来の前記第一の方法及び第二の方法の各問題に対して、本実施形態の粉末組成物を以下に述べるように利用すれば、水による洗い出し工法を必要とせず、また、結合材の初期凝結のタイミングを厳密に管理する必要なく、化粧骨材層を形成することができる。すなわち、本実施形態の粉末組成物は、メディアン粒径が110μm以下の増量材と、特定量のグルコン酸塩とを含有するため、美麗骨材層上に設けられると、美麗骨材を覆う結合材(余剰結合材)に付着することができ、また、その結合材の擬凝結状態を維持させ易くすることが可能となる。
よって、粉末組成物が設けられた美麗骨材層において、結合材が美麗骨材の脱離が生じない程度の強度に凝結してから、粉末組成物を、粉末組成物が付着した余剰結合材と共に除去することで、美麗骨材を表面に露出させた化粧骨材層を形成することができる。余剰結合材の除去は、粉末状態で、例えばフロアポリッシャー、デッキブラシ、又はハンディブラシ等を用いた掻き出し作業によって行うことができる。そのため、作業効率が上がり、コスト削減になり、さらには掻き出した粉末及び結合材をそのまま紙袋等に回収して処理することができる。したがって、本実施形態の粉末組成物の利用により、簡易かつ環境負荷の少ない方法で化粧骨材層を形成することができる。
また、本実施形態の粉末組成物は、メディアン粒径が110μm以下の増量材と、特定量のグルコン酸塩とを含有するため、一般的なセメント結合材よりも長時間にわたって擬凝結を保つことができる。さらに、本実施形態の粉末組成物は、美麗骨材層を養生させる際の温度帯域が低温から高温(5〜40℃)で、養生時間が短時間から長時間(2〜17時間)においても、余剰結合材の擬凝結部分を粉末状態で除去可能にする。
次に、本実施形態の粉末組成物に含有される成分について、説明する。
グルコン酸塩は、前記化粧骨材層が形成される前の段階である、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層において、その美麗骨材層の上層側で美麗骨材を覆う結合材を擬凝結させる有効成分として、粉末組成物中に含有される。また、粉末組成物が後述するセメントを含有し、さらにその粉末組成物に水を加えてペースト組成物とした際に、グルコン酸塩は、ペースト組成物自体の凝結の進行を遅らせ、ペースト組成物の擬凝結状態を保つのに有効な成分となる。
グルコン酸塩における塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩等が挙げられる。グルコン酸塩としては、例えば、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸カルシウム、及びグルコン酸マグネシウム等が挙げられる。グルコン酸塩の中でも、グルコン酸ナトリウムがより好ましい。グルコン酸塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉末組成物中のグルコン酸塩の含有量は、0.1〜5.0質量%の範囲である。グルコン酸塩の含有量が0.1質量%未満であると、美麗骨材層の表層側において美麗骨材を覆う結合材(余剰結合材)を擬凝結させる効果が不十分となる。そのため、その余剰結合材の凝結が速く進むこととなり、美麗骨材層上に粉末組成物を設けても、余剰結合材が除去され難い状態となる。その結果、美麗骨材の露出度合が浅くなり、斑のある化粧骨材層が形成されることがある。美麗骨材の露出度合に斑のない化粧骨材層を得る観点から、グルコン酸塩の含有量は、0.2質量%以上が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上である。なお、粉末組成物が2種以上のグルコン酸塩を含有する場合、前記グルコン酸塩の含有量は、2種以上のグルコン酸塩の合計の含有量である。
一方、グルコン酸塩の含有量が5.0質量%を超えると、化粧骨材層の前段階の美麗骨材層の凝結の進行が遅くなる。そのため、美麗骨材層の凝結が不完全な状態で、美麗骨材層から美麗骨材の表面に付着した結合材を除去する作業を行うことになりやすく、その結果、美麗骨材の脱離が多くなり、斑のある化粧骨材層が形成される。このような観点から、グルコン酸塩の含有量は、4.5質量%以下が好ましく、より好ましくは4.0質量%以下、さらに3.5質量%以下である。
増量材は、粉末組成物に含有される各成分を均一に分散させる役割をもつ成分である。また、粉末組成物を散布する際に、又はペースト組成物を塗工する際に、散布斑や塗工斑を抑制する役割をもつ成分である。
粉末組成物が美麗骨材層の上層側における美麗骨材を覆う結合材(余剰結合材)を擬凝結させる効果を発揮するために、増量材は、メディアン粒径(D50)が、110μm以下であることが必要である。メディアン粒径が110μmを超える増量材を用いると、粒子が粗いために、余剰結合材を擬凝結させる効果が低下する場合がある。増量材のメディアン粒径の下限は特に限定されないが、増量材として使用できる材料のうち入手しやすいことから、例えば、メディアン粒径が5μm以上の増量材が好ましい。ここで、本明細書において、メディアン粒径とは、レーザー回折法によって測定された増量材の粒度分布において、累積頻度が50体積%のときの粒子径をいう。
好適な増量材としては、例えば、珪砂、及び炭酸カルシウム等が挙げられ、これらのうち、珪砂が好ましい。珪砂の中でも、珪砂9号及び珪砂8号がより好ましく、珪砂8号がさらに好ましい。増量材は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉末組成物中の増量材の含有量は、20〜98質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは20〜70質量%である。本実施形態の粉末組成物は、後述するセメント、パーライト等を所定量で含有するものが好適であることから、その好適な粉末組成物の場合、増量材の含有量は、20〜60質量%がより好ましく、さらに好ましくは20〜50質量%である。なお、粉末組成物が2種以上の増量材を含有する場合、前記増量材の含有量は、2種以上の増量材の合計の含有量である。
粉末組成物に水を加えた際に、そのペースト組成物自体が擬凝結し得るように、粉末組成物は、セメントを含有することが好ましく、セメントを10〜50質量%の範囲で含有することがより好ましく、10〜35質量%の範囲で含有することがさらに好ましい。粉末組成物中のグルコン酸塩による擬凝結効果を引き出す観点から、セメントの含有量は、粉末組成物の全質量中、15質量%以上であることがより好ましい。
一方、粉末組成物中のセメントの含有量が多過ぎると、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層から、美麗骨材を覆う結合材を除去して、美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を得る際に、美麗骨材の表面への露出度合が低下することがある。この観点から、粉末組成物の全質量中のセメントの含有量は、30質量%以下であることがより好ましい。
粉末組成物に使用される好適なセメントとしては、例えば、ポルトランドセメント(灰色又は白色の普通ポルトランドセメント)、高炉セメント、及びフライアッシュセメント等が挙げられる。これらのセメントは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせ用いることができる。
粉末組成物は、パーライトを含有することが好ましい。粉末組成物にパーライトが含有されていることで、粉末組成物に水を加えてペースト組成物とした際に、パーライトにより、ペースト組成物の保水又は保湿効果を高めることが可能となる。また、そのペースト組成物から形成される塗工層に脆弱性を持たせることが可能となる。そのため、そのペースト組成物から形成される塗工層を、デッキブラシ等を用いた比較的弱い応力で簡単に崩すことができる。その結果、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層上に、ペースト組成物を塗工して塗工層を設けた際に、塗工層及び塗工層に付着した結合材の除去がさらに容易になり、美麗骨材を覆う結合材をさらに容易に除去することが可能となる。
前記パーライトによる効果を得る観点から、パーライトの含有量は、粉末組成物の全質量中、20〜60質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜55質量%の範囲である。
パーライトの種類は特に限定されず、膨張真珠岩、膨張黒曜岩、及び膨張ひる石等のパーライトを用いることができ、これらのうち、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉末組成物は、水溶性セルロースエーテルを含有することが好ましい。粉末組成物に水溶性セルロースエーテルが含有されていることで、粉末組成物に水を加えてペースト組成物を調製した際に、水溶性セルロースエーテルの含有により、ペースト組成物に、適度な保水性と、空気連行性(空気を連行して流動性が増す性質)を持たせることが可能となる。その結果、鏝塗りし易いペースト組成物を得ることが可能となる。これらの効果を得るために、水溶性セルロースエーテルの含有量は、粉末組成物の全質量中、0.02〜0.5質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.4質量%の範囲、さらに好ましくは0.05〜0.2質量%の範囲である。
水溶性セルロースエーテルとしては、セルロースが有するヒドロキシ基における水素原子の一部が、メチル基、ヒドロキシプロピル基、又はヒドロキシエチル基で置換されたセルロース誘導体を挙げることができる。水溶性セルロースエーテルの具体例としては、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びエチルヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。これらの水溶性セルロースエーテルは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉末組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。粉末組成物に界面活性剤が含有されていることで、使用時において、粉末組成物に水を混ぜたときに混ざり易く、ペースト組成物を容易に得ることができる。
好適な界面活性剤としては、AE剤(アルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルエステル系)、減水剤(リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ポリカルボン酸系)等を挙げることができる。これらのうち、AE剤(空気連行剤)がより好ましい。界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上詳述した本実施形態の粉末組成物は、メディアン粒径が110μm以下の増量材、及びグルコン酸塩0.1〜5.0質量%を含有するため、美麗骨材層上に設けられると、美麗骨材を覆う結合材(余剰結合材)に付着し、かつその余剰結合材に対して擬凝結状態を維持させ易くすることができる。よって、粉末組成物が設けられた美麗骨材層が、美麗骨材の脱離が生じない程度の強度に凝結してから、粉末組成物を、粉末組成物が付着した余剰結合材と共にブラシ等で掻き出し除去することで、美麗骨材が表面に露出し、しかも露出斑が生じ難い化粧骨材層を簡易に得ることができる。また、掻き出された粉末組成物及び余剰結合材は、そのまま紙袋等に回収して即産業廃棄物として処理することができるため、本実施形態の粉末組成物の利用により、環境負荷の少ない方法で化粧骨材層を得ることができる。
なお、本実施形態の粉末組成物は、粉末状態であることから、風による飛散や散布斑の影響が少ないように屋内での使用がより好適である。本実施形態の粉末組成物を屋外で使用する場合は、後述するように、粉末組成物に水を加えて調製したペースト組成物として利用することがより好ましい。
<ペースト組成物>
本発明の一実施形態に係るペースト組成物は、前述の粉末組成物と同様、結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられるもの(化粧骨材層形成用のペースト組成物)である。このペースト組成物は、前述の粉末組成物、及びその粉末組成物との混合によりペースト状となる量の水を含有する。ペースト組成物には、粉末組成物に水を加えた際にペースト状となり易いことから、前述のセメントが含有されていることが好ましい。
ペースト組成物において、粉末組成物と水との混合割合は、実使用時において、粉末組成物に水を加えていきながら、粉末状からペースト状になれば特に限定されない。ペースト組成物は、例えば、粉末組成物100質量部に対して、水を20〜80質量部の範囲で含有することが好ましい。作業しやすいペースト組成物を得る観点から、ペースト組成物中の水の含有量(使用量)は、粉末組成物100質量部に対して、20〜70質量部であることがより好ましく、さらに好ましくは30〜60質量部である。
本実施形態のペースト組成物は、前述の粉末組成物を含有するため、粉末組成物と同様の効果を発揮することができる。さらに、ペースト組成物は、ペースト状態であることから、粉末組成物に比べて、美麗骨材層上に鏝等で均一に施工しやすいという利点、さらに、風で飛散し難いことから屋外でも好適に使用できるという利点がある。
<化粧骨材層の形成方法>
本発明の実施形態に係る化粧骨材層の形成方法は、基体に対して、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層を設ける工程と、美麗骨材層の上に、前述の粉末組成物を散布する工程、又は前述のペースト組成物を塗工する工程と、散布された粉末組成物又は塗工されたペースト組成物を、粉末組成物又はペースト組成物が付着した結合材と共に除去することで、美麗骨材を覆う結合材を除去し、美麗骨材を表面に露出させる工程とを含む。
なお、本実施形態の方法において、美麗骨材及び結合材等の使用材料は、前述した実施形態の粉末組成物の説明で述べたものと同様である。以下、図面を参照しながら、本実施形態の化粧骨材層の形成方法をさらに詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る化粧骨材層の形成方法は、基体1に対して、美麗骨材4及び結合材3を含有する美麗骨材層5を設ける工程(以下、「美麗骨材層の形成工程」と称することがある。)を含む。美麗骨材層5は、基体1に対して、基体1の表面に直接又はプライマー層2を介して設けることができる。基体1としては、特に制限はなく、例えば、コンクリート、アスファルト、又はスレート等が挙げられる。
美麗骨材層の形成工程では、予め美麗骨材4、結合材3及び水を含む混合物を調製し、その混合物を基体1に対して塗工することが好ましい。この際、美麗骨材4、結合材3、及び水を含む混合物を混練し、その混練物を基体1に対して鏝等(金鏝又は木鏝等)で伏せ込みを行い、例えば8〜20mm厚で均一に均して美麗骨材層5を形成することが好ましい。結合材3としては、セメント結合材が好ましく、混合物は、セメント結合材:美麗骨材の質量比が1:1.5〜3.5の範囲で、水の使用量がセメント結合材100質量部に対して25〜45質量部である、セメントペーストが好ましい。
美麗骨材層の形成工程では、基体1に対して、複数(多数)の美麗骨材4を敷き並べて、その上から、美麗骨材4の隙間が埋まるように結合材3のペーストを流し込むことで、美麗骨材層5を形成することも可能である。
次に、図2に示すように、美麗骨材層の形成工程により形成された美麗骨材層5上に、本実施形態の第一の態様例の方法として、前述の粉末組成物6を散布する工程(以下、「散布工程」と称することがある。)を行うか、第二の態様例の方法として、前述のペースト組成物6を塗工する工程(以下、「塗工工程」と称することがある。)を行う。
第一の態様例の方法における散布工程は、美麗骨材層5の表面の水分が引いてから(例えば、室温20℃の屋内での作業の場合では約1時間放置してから)、行われることが好ましい。散布工程では、美麗骨材層5の上に、粉末組成物6を篩等で散布することができる。粉末組成物6の散布量は、基体1の単位面積に対して、例えば50〜600g/m2の範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜500g/m2の範囲、さらに好ましくは200〜400g/m2の範囲である。散布工程では、篩等の網目600μm(25mesh)〜1700μm(10mesh)で粉末組成物6を基体1に対して均一に散布してから、鏝等で軽く均し押さえることが好ましい。
第二の態様例の方法における塗工工程は、美麗骨材層5の表面の水分が引いてから(例えば、屋外での作業の場合では約30分放置してから)、行われることが好ましい。塗工工程では、美麗骨材層5の上に、ペースト組成物6を鏝等で塗工することができる。ペースト組成物6の塗工量は、基体1の単位面積に対して、例えば300〜1000g/m2の範囲であることが好ましく、より好ましくは400〜800g/m2の範囲、さらに好ましくは500〜750g/m2の範囲である。塗工工程では、基体1に対して、ペースト組成物6を鏝等で均一に均すことが好ましい。
次に、前記第一の態様例の方法では、散布された粉末組成物6を、粉末組成物6が付着した結合材3と共に除去することで、美麗骨材4を覆う結合材3を除去し、美麗骨材4を表面に露出させる工程(以下、「化粧骨材層の形成工程」と称することがある。)を行う。
また、前記第二の態様例の方法では、塗工されたペースト組成物6を、ペースト組成物6が付着した結合材3と共に除去することで、美麗骨材4を覆う結合材3を除去し、美麗骨材4を表面に露出させる工程(化粧骨材層の形成工程)を行う。
化粧骨材層の形成工程により、図3に示すように、表面に露出され、かつ結合材3で固定された美麗骨材7を有する化粧骨材層8が形成される。
化粧骨材層の形成工程では、散布された粉末組成物6又は塗工されたペースト組成物6を、粉末組成物6又はペースト組成物6が付着した結合材3(及び美麗骨材4を覆う結合材3)と共に掻き出して除去することができる。掻き出し作業に好適な用具として、電動フロアポリッシャーの樹脂毛ブラシ(毛丈30〜40mm、直径0.5〜0.7mm)、デッキブラシ樹脂毛(毛丈25〜35mm、直径0.3〜0.5mm)、及びハンディブラシ樹脂毛(毛丈20〜30mm、直径0.3〜0.4mm)を用いることができる。これらの用具を用いて掻き出し作業を行うことで、粉末組成物6又はペースト組成物6と、結合材3とを、粉末状でスムーズに掻き出すことができる。
本実施形態の方法では、基体1に対して前記美麗骨材層5を設ける前(美麗骨材層の形成工程の前)に、基体1の表面に、基体1と化粧骨材層8とを接着させるプライマー層2を設ける工程を含むことが好ましい(図1〜3参照)。このプライマー層2は、基体1と化粧骨材層8との接着性を高めることができれば特に限定されない。プライマー層2としては、例えば、常温硬化性樹脂を好適に用いることができ、その樹脂種の具体例としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及びシリコーン系樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂(プライマー)としては、コンクリート等の下地用のプライマーとして市販されている商品を用いることができる。また、プライマー層2として、例えば、特開2008−38383号公報で提案された「脆弱下地の強化剤」(後記「実施例」において、「特殊水性プライマー」と称する。)を用いることが好ましい。プライマー層2の塗工量及び塗工方法は特に限定されないが、基体1の単位面積に対して、例えば、100〜300g/m2の範囲の塗工量にて、刷毛塗り、スプレー塗布、ローラー刷毛塗り、及びジョーロまき等の方法でプライマー層2を設けることができる。
以下に、前記実施形態に係る粉末組成物及びペースト組成物の具体例を挙げて、その具体的な粉末組成物及びペースト組成物を用いて化粧骨材層を形成した試験例を説明するが、本発明は、以下の具体例及び施行例によって限定されるものではない。なお、以下の文中の「%」及び「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
[試験例A]
基体として、市販のスレート製平板(22cm×29cm×厚さ1cm)を用いた。この基体に幅10mm及び高さ12mmの枠囲いをした面積540cm2の枠内に、特開2008−38383号公報の実施例に開示された方法で得られた強化剤(特殊水性プライマー)を8.1g(150g/m2)刷毛で塗工した。美麗骨材、セメント結合材、及び水を混練して調製した混練物を鏝で伏せ込み均しを行い、540cm2で塗り厚12mmの美麗骨材層を形成した。この際、美麗骨材には、大磯単粒の長径5〜7mm(2分)を1080g(20kg/m2)用いた。また、セメント結合材には、セメント(太平洋セメント社製、商品名「普通ポルトランドセメント灰色」)35%、細骨材(JFEミネラル社製、商品名「珪砂8号 粒子径110μm〜50μm」)45%、混和剤(デイ・シイ社製、商品名「セラメント」)15%、硬化促進剤(電気化学工業社製、商品名「デンカビフォーム」)4.8%、保水剤(信越化学工業社製、商品名「メトローズ SCH−300L」)0.1%、高性能減水剤(BASF社製、商品名「MELFLUX 2641F」)0.1%の組成を持つ結合材を378g(7.0kg/m2)用い、水を132g(結合材100部に対して約35部)使用した。
基体に形成した美麗骨材層の上に、後記表1の上段に示す組成で配合したNo.1〜7の粉末組成物を16.2g(300g/m2)の量にて篩で散布して、鏝にて軽く均した後、20℃で6時間放置した。粉末組成物には、増量材として、メディアン粒径が110μm以下の珪砂9号及び珪砂8号、並びにメディアン粒径が110μmを超える珪砂7号及び珪砂6号を用いた。篩には、JIS Z8801に規定される、ステンレス製の試験用ふるい(枠(篩)の直径:150mm、枠(篩)の深さ:45mm、目開き:212μm)を用いた。
その後、散布した粉末組成物に対し、樹脂毛のハンディブラシ(毛丈25mm、直径0.35mm)で掻き出し作業を行い、粉末組成物、及び美麗骨材を覆う結合材の掻き出し除去を試みた。この試験における、粉末組成物の散布具合、掻き出し具合、及び美麗骨材の露出度合を以下の評価基準にしたがって評価した。
(粉末組成物の散布具合の評価)
A:篩を篩の径の範囲に円回転させて粉末組成物を散布したときに、粉末組成物の落下度合が良く、美麗骨材層上に粉末組成物が均一に広がった。
B:篩を篩の径の範囲に円回転させて粉末組成物を散布したときに、粉末組成物の落下度合はやや劣るが、粉末組成物をほぼ均一に散布できた。
C:篩を篩の径の範囲に円回転させて粉末組成物を散布したときに、粉末組成物の落下度合が劣り、粉末組成物の散布斑が生じた。
(掻き出し具合の評価)
A:ハンディブラシを一定の力で縦横にスライドして掻き出し作業を行った際に、全面を楽に掻き出しができた。
B:ハンディブラシを一定の力で縦横にスライドして掻き出し作業を行った際に、ハンディブラシのスライド動作に抵抗があり、掻き出し作業に時間がかかった。
C:ハンディブラシを一定の力で縦横にスライドして掻き出し作業を行った際に、ハンディブラシのスライド動作に抵抗が強く、掻き出しが難儀であった。
D:ハンディブラシを一定の力で縦横にスライドして掻き出し作業を行っても、粉末組成物を斑にしか掻き出せなかった。
(美麗骨材の露出度合の評価)
A:美麗骨材の露出に斑がなく、綺麗な化粧骨材層が得られた。
B:美麗骨材の露出に僅かに斑があったが、まずまず綺麗な化粧骨材層が得られた。
C:美麗骨材の露出に斑が生じ、綺麗な化粧骨材層が得られなかった。
D:美麗骨材をほとんど露出させることができなかった。
(試験例Aでの総合評価)
5:露出度合の評価結果がA、散布具合及び掻き出し具合の評価結果がともにA又はBであった。
4:露出度合の評価結果がB、散布具合の評価結果がA、掻き出し具合の評価結果がA又はBであった。
3:掻き出し具合の評価結果がB、散布具合の評価結果がB又はC、露出度合の評価結果がB又はCであった。
2:掻き出し具合の評価結果がC、露出度合の評価結果がC又はDであった。
1:露出度合及び掻き出し具合の評価結果がともにDであった。
以上の試験例Aの評価結果を下記表1の下段に示す。
Figure 2017014035
試験例Aの評価結果より、グルコン酸ナトリウムは、酒石酸カリウムナトリウム及びクエン酸三ナトリウムに比べて、擬凝結効果が現れることが確認された。また、増量材の珪砂は6号〜9号の中で6号及び7号(特に6号)は粒子径が大きいために、擬凝結の効果が低下する現象が現れた。よって、メディアン粒径が110μm以下である増量材を用いる必要があることが確認された。なお、表1には挙げていないが、粉末組成物中、ポルトランドセメントの含有量を40%以上とすると、美麗骨材の露出度合が低下する場合があることが確認されたことから、セメントの含有量は30%以下がより好ましいことが確認された。
次に、試験例Aにて良好な総合評価が得られた粉末組成物No.1、4及び7、並びに粉末組成物にパーライト(昭和化学工業社製、商品名「ハードライト B−03」)や水溶性セルロースエーテル(信越化学工業社製、商品名「メトローズ SCH−300L」)を含有させ、さらに水を加えて調製したペースト組成物について、試験例Aより厳しい環境の試験(試験例B)を行った。
[試験例B]
化粧骨材層の施工は、屋外で行われることが多く、日本であれば、季節により、施工の際の気温の幅(例えば5〜40℃)が大きい。そこで、東京における冬期を想定した低温帯域(5〜15℃)、春期及び秋期を想定した中温帯域(15〜30℃)、並びに夏期を想定した高温帯域(30〜40℃)の3段階に分けてそれぞれ試験を行うこととした。試験例Bでは、まず、中温帯域(15〜30℃)で以下に述べる試験を行った。
試験例Bでは、試験例Aで用いたものと同じ基体及び美麗骨材層を用いた。その美麗骨材層上に、試験例Aで述べた粉末組成物の散布条件と同様の条件で、粉末組成物No.1、4及び7を篩で散布して鏝にて軽く均した。また、後記表2の上段に示す組成で配合した粉末組成物No.8〜14については、粉末組成物100部に水50部を練り込んでペースト組成物(No.8〜14)を調製し、調製したペースト組成物を後記表2の中段に示す塗工量で美麗骨材層上に鏝で均一に広げて均し、ペースト組成物の塗工層を形成した。
美麗骨材層の上に、粉末組成物(No.1、4、7)、又はペースト組成物(No.8〜14)を設けた後、現場施工を想定して、温度23℃の恒温室内で17時間放置した。その後、試験例Aと同様の条件にて掻き出し作業を行い、試験例Aで述べた評価基準にしたがって、粉末組成物(No.1、4及び7)の散布具合、掻き出し具合、及び美麗骨材の露出度合を評価した。ペースト組成物(No.8〜14)については、以下の評価基準にしたがって、ペースト組成物の塗工具合を評価した。
(ペースト組成物の塗工具合の評価)
A:ペースト組成物を鏝で塗工したときに、ペースト組成物を塗工し易く、美麗骨材層上にペースト組成物を均一に広げて均すことができた。
B:ペースト組成物を鏝で塗工したときに、ペースト組成物をやや塗工し難かったが、美麗骨材層上にペースト組成物をほぼ均一に広げて均すことができた。
C:ペースト組成物を鏝で塗工したときに、ペースト組成物を塗工し難く、美麗骨材層上にペースト組成物の塗工斑が生じた。
また、試験例Bにおいても、試験例Aでの総合評価の基準に準じて、総合評価を行った。なお、試験例Bにおけるペースト組成物(No.8〜14)を用いた試験での総合評価は、「試験例Aでの総合評価」の記載における「散布具合」を「塗工具合」と読み替えて評価したものである。以上の試験例Bの評価結果を下記表2の下段に示す。
Figure 2017014035
試験例Bの評価結果より、美麗骨材層上に、粉末組成物又はペースト組成物を設けてから長時間養生した場合、粉末組成物に、保水材の役割と結合材の脆弱性を持たせるための軽量骨材であるパーライト及び水溶性セルロースエーテルを含有させたペースト組成物としたことで、良好な結果が得られた。パーライト及び水溶性セルロースエーテルを含有させたペースト組成物は、長時間養生後の掻き出し時にデッキブラシの応力で容易に塗工層の表面を崩すことができる効果を生むことが確認された。さらに、ペースト組成物の塗工層により、蓋の効果を得るために塗工量を増やした場合(No.12〜14)、より良好な評価結果が得られ、かつ、屋外施工時の風による影響を全く受けずにペースト組成物を均一に塗工できたことから、美麗骨材の露出度合に斑のない良質な施工が可能であることが判明した。
なお、粉末組成物No.8〜14のそれぞれについては、その粉末組成物100部に対して、界面活性剤としてAE剤を0.3部配合して、界面活性剤を含有する粉末組成物を調製し、その界面活性剤を含有する粉末組成物100部に水50部を練り込んだところ、粉末組成物と水とがより混ざり易くなり、より容易にペースト組成物を得ることができた。
[試験例C]
次に、試験例Bで優れた総合評価が得られた粉末組成物(ペースト組成物)No.12〜14について、現場施工の条件を想定した、低温(10℃)で17時間養生(試験例C−1)、中温(23℃)で6時間養生(試験例C−2)、高温(35℃)で3時間養生(試験例C−3)の各条件の試験を行った。
(試験例C−1)
コンクリート製の基体として、市販のコンクリート平板(30cm×30cm×厚さ6cm)を用いた。この基体に幅10mm及び高さ12mmの枠囲いをした面積784cm2の枠内に、特開2008−38383号公報の実施例に開示された方法で得られた強化剤(特殊水性プライマー)を12g(150g/m2)刷毛で塗工した。また、試験例Aで用いたセメント結合材580g(7.4kg/m2)に水を203g(セメント結合材100部に対して水を35部)加え、約2分間混合撹拌した後、そこに試験例Aで用いた美麗骨材1568g(20.0kg/m2)を加え、約2分間混練し、混練物を調製した。調製した混練物を、前記特殊水性プライマーの塗工に対して、追っかけで設けた。そして、混練物を金鏝で伏せ込みと均しを行い、美麗骨材層を形成した。この供試体を3枚作成し、それぞれの供試体における美麗骨材層上に、それぞれ、No.12、No.13、No.14の粉末組成物を用いることとした。
粉末組成物58.8g(750g/m2)、及び水29.4g(粉末組成物100部に対して水50部)を練り込んでペースト組成物を調製し、調製したペースト組成物を、前記供試体における美麗骨材層上に鏝で均一に均し、整合させ(美麗骨材層にきちんと合わせて密着させ)、ペースト組成物の塗工層を形成した。塗工層が設けられた各供試体を温度10℃の恒温槽内で17時間養生した後、住友スリーエム社製のデッキブラシ(毛丈25mm、直径0.4mm)で塗工層を掻き出して、美麗骨材を露出させた。
各供試体において、掻き出した粉末組成物(ペースト組成物)の質量、及び掻き出し作業により脱離した美麗骨材の質量を計測した。粉末組成物(ペースト組成物)No.12の掻き出し除去量は、125g(1594g/m2)、粉末組成物(ペースト組成物)No.13の掻き出し除去量は、119g(1518g/m2)、粉末組成物(ペースト組成物)No.14の掻き出し除去量は、147g(1875g/m2)であった。これらの除去された粉末(ペースト)は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
(試験例C−2)
試験例C−2では、試験例C−1と比較して、試験例C−1におけるペースト組成物の使用量、並びにペースト組成物による塗工層の養生温度及び養生時間を変更した以外は、試験例C−1と同様の試験を行った。すなわち、試験例C−2では、粉末組成物39.2g(500g/m2)、及び水19.6g(粉末組成物100部に対して水50部)を練り込んでペースト組成物を調製し、調製したペースト組成物を、前記供試体における美麗骨材層上に鏝で均一に均し整合させ、ペースト組成物の塗工層を形成した。塗工層が設けられた各供試体を温度23℃の恒温槽内で6時間養生した後、前記デッキブラシで塗工層を掻き出して、美麗骨材を露出させた。
各供試体において、掻き出した粉末組成物(ペースト組成物)の質量、及び掻き出し作業により脱離した美麗骨材の質量を計測した。粉末組成物(ペースト組成物)No.12の掻き出し除去量は、95g(1212g/m2)、粉末組成物(ペースト組成物)No.13の掻き出し除去量は、75g(957g/m2)、粉末組成物(ペースト組成物)No.14の掻き出し除去量は、104g(1327g/m2)であった。これらの除去された粉末(ペースト)は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
(試験例C−3)
試験例C−3では、試験例C−1と比較して、試験例C−1におけるペースト組成物の使用量、並びにペースト組成物による塗工層の養生温度及び養生時間を変更した以外は、試験例C−1と同様の試験を行った。すなわち、試験例C−3では、粉末組成物39.2g(500g/m2)、及び水19.6g(粉末組成物100部に対して水50部)を練り込んでペースト組成物を調製し、調製したペースト組成物を、前記供試体における美麗骨材層上に鏝で均一に均し整合させ、ペースト組成物の塗工層を形成した。塗工層が設けられた各供試体を温度35℃の恒温槽内で3時間養生した後、前記デッキブラシで塗工層を掻き出して、美麗骨材を露出させた。
各供試体において、掻き出した粉末組成物(ペースト組成物)の質量、及び掻き出し作業により脱離した美麗骨材の質量を計測した。粉末組成物(ペースト組成物)No.12の掻き出し除去量は、104g(1327g/m2)、粉末組成物(ペースト組成物)No.13の掻き出し除去量は、85g(1084g/m2)、粉末組成物(ペースト組成物)No.14の掻き出し除去量は、102g(1301g/m2)であった。これらの除去された粉末(ペースト)は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
試験例Cでは、以下の評価基準にしたがって、総合評価を行った。その結果を下記表3に示す。
(試験例Cでの総合評価)
5:結合材の掻き出しが軽い力で楽にできて美麗な化粧骨材層が得られた。
4:結合材の掻き出しに力を加えれば均一な化粧骨材層が得られた。
3:結合材の掻き出しに力を加えても斑のある化粧骨材層になってしまった。
2:結合材の掻き出しに力を加えても浅い斑のある化粧骨材層になってしまった。
1:結合材の掻き出しに力を加えても殆ど美麗骨材が現れなかった。
Figure 2017014035
ペースト組成物の塗工層を低温域の10℃で17時間養生した試験例C−1の結果より、総合評価は、ペースト組成物No.13>No.12>No.14の順であった。ペースト組成物中のグルコン酸ナトリウムの含有量が多いと、美麗骨材層とペースト組成物の塗工層との密着部分(以下、「整合部」と称する。)の凝結が遅れ、ペースト組成物の掻き出し除去量が増えて、美麗骨材の脱離が多くなり、斑が発生するので、この条件では、グルコン酸ナトリウムの含有量は0.5〜1.0%がより好適であることが判明した。
ペースト組成物の塗工層を中温域の23℃で6時間養生した試験例C−2の結果より、総合評価は、ペースト組成物No.14>No.12>No.13の順であった。ペースト組成物中のグルコン酸ナトリウムの含有量が少ないと整合部の凝結が進んで、ペースト組成物の掻き出し除去量が減少し、美麗骨材の露出度合が浅くなり斑が発生するので、この条件では、グルコン酸ナトリウムの含有量は1.0〜1.5%がより好適であることが判明した。
ペースト組成物の塗工層を高温域の35℃で3時間養生した試験例C−3の結果より、総合評価は、ペースト組成物No.12>No.14>No.13の順であった。ペースト組成物中のグルコン酸ナトリウムの含有量が少ないと整合部の凝結が進んで結合材の掻き出し除去量が減少して、美麗骨材の露出度合が浅くなり斑が発生するので、この条件では、グルコン酸ナトリウムの含有量は1.0〜1.5%がより好適であることが判明した。
[試験例D]
試験例Dとして、前述の粉末組成物No.14を用いて、特許文献1(特公平7−11178号公報)の請求項1に記載の「基体上に美麗骨材を固定する方法」を利用して化粧骨材層を形成する試験を行った。
基体として、試験例C−1で用いた基体と同じ市販のコンクリート平板(30cm×30cm×厚さ6cm)を用いた。この基体に、幅10mm及び高さ8mmの枠囲いをした面積784cm2の枠内に、特開2008−38383号公報の実施例に開示された方法で得られた強化剤(特殊水性プライマー)を12g(150g/m2)刷毛で塗工した。
樹脂結合材として、反応後にポリウレタン系樹脂を形成する反応性混合物であるポリイソシアネート含有樹脂組成物(旭化成社製、商品名「デュラネート AE500−100」)を用い、この樹脂結合材49.4g(630g/m2)に試験例Aで用いた美麗骨材1098g(14.0kg/m2)を投入して、約1分間混練し、混練物を調製した。調製した混練物を基体の枠内に広げ金鏝で伏せ込みと均しを行った。それを室内にて23℃で20時間養生して、樹脂結合材(前記ポリイソシアネート含有樹脂組成物)が硬化した多孔性骨材層を形成した。次いで、セメント組成物353g(4.5kg/m2)、及び水106g(セメント組成物100部に対して水30部)を練り込んでセメントペーストを調製し、調製したセメントペーストを前記多孔性骨材層上に流して鏝で塗り込むことで、多孔性骨材層の多孔(空隙)にセメントペーストを注入し、美麗骨材層を形成した。このとき使用したセメント組成物には、超速硬セメント(住友大阪セメント社製、商品名「ジェットセメント」)100部、硅砂7号100部、硬化遅延剤としてのグルコン酸ナトリウム(ライオン社製)0.6部、流動化剤としてのポリカルボン酸ナトリウム(ライオン社製、商品名「ポリティーMX−300」)0.8部をドライブレンドしたものを用いた。
前述のNo.14の粉末組成物39.2g(500g/m2)、及び水19.6g(粉末組成物100部に対して水50部)を練り込んでペースト組成物を調製し、調製したペースト組成物を美麗骨材層上に鏝で均一に均し整合させ、ペースト組成物の塗工層を形成した。塗工層が設けられた供試体を温度25℃の屋外で1.5時間養生した後、前記デッキブラシで塗工層を掻き出して、美麗骨材を露出させた。掻き出した粉末組成物(ペースト組成物)の質量を計測したところ、粉末組成物(ペースト組成物)の掻き出し除去量は、98g(1250g/m2)であった。これらの除去された粉末は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
[試験例E]
粉末組成物No.12を用い、また、化粧骨材層の母材となる結合材として、試験例Cで使用したセメント結合材を、市販品のセメント結合材(ハネダ化学社製、商品名「ハネテクニカメント」)に変更して、さらに試験例Cと同様の試験を行った。
(試験例E−1)
コンクリート製の基体として、市販のコンクリート平板(30cm×30cm×厚さ6cm)を用いた。この基体に幅10mm及び高さ12mmの枠囲いをした面積784cm2の枠内に、特開2008−38383号公報の実施例に開示された方法で得られた強化剤(特殊水性プライマー)を12g(150g/m2)刷毛で塗工した。また、セメント結合材(ハネダ化学社製、商品名「ハネテクニカメント」)682g(8.7kg/m2)に水を252g(セメント結合材100部に対して水を約37部)加え、約2分間混合撹拌した後、そこに試験例Aで用いた美麗骨材1568g(20.0kg/m2)を加え、約2分間混練し、混練物を調製した。調製した混練物を、前記特殊水性プライマーの塗工に対して、追っかけで設けた。そして、混練物を金鏝で伏せ込みと均しを行い、美麗骨材層を形成した。この美麗骨材層上に、ペースト組成物を配分し、鏝で均一に均して整合させ、ペースト組成物の塗工層を形成し、試験例E−1で使用する供試体を作製した。この際、ペースト組成物として、粉末組成物No.12を用い、その粉末組成物39.2g(500g/m2)及び水19.6g(粉末組成物100部に対して水50部)を練り込んで調製したペースト組成物を用いた。
塗工層が設けられた供試体を温度10℃の恒温槽内で17時間養生した後、住友スリーエム社製のデッキブラシ(毛丈25mm、直径0.4mm)で塗工層を掻き出して、美麗骨材を露出させた。その結果、期待通りの美麗に仕上がった化粧骨材層が形成された。粉末組成物(ペースト組成物)No.12の掻き出し除去量は、142g(1811g/m2)であった。掻き出された粉末(ペースト)は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
(試験例E−2)
試験例E−2では、試験例E−1と比較して、試験例E−1で採用した、塗工層の養生温度:10℃及び養生時間:17時間を、それぞれ、23℃及び6時間に変更した以外は、試験例E−1と同様の試験を行った。
その結果、期待通りの美麗に仕上がった化粧骨材層が形成された。粉末組成物(ペースト組成物)No.12の掻き出し除去量は、119g(1518g/m2)であった。掻き出された粉末(ペースト)は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
(試験例E−3)
試験例E−3では、試験例E−1と比較して、試験例E−1で採用した、塗工層の養生温度:10℃及び養生時間:17時間を、それぞれ、35℃及び3時間に変更した以外は、試験例E−1と同様の試験を行った。
その結果、期待通りの美麗に仕上がった化粧骨材層が形成された。粉末組成物(ペースト組成物)No.12の掻き出し除去量は、130g(1658g/m2)であった。掻き出された粉末(ペースト)は、容易に回収することができ、回収物は計量後、紙袋に入れて廃棄した。
以上の試験例A〜Eの結果の通り、美麗骨材層上に本技術に係る粉末組成物又はペースト組成物を設けることで、広い温度帯域(10℃〜35℃)で短時間から長時間(3〜17時間)において、美麗骨材を露出させる際には粉末組成物(ペースト組成物)の整合部を擬凝結状態とし、美麗骨材層の結合材を凝結状態とすることができた。美麗骨材層における結合材は、凝結状態が進んで十分な強度を発現していたために、粉末組成物又はペースト組成物を、美麗骨材を覆う結合材と共に、粉末状態のままで、各種ブラシ等を用いた掻き出し除去が可能であった。この粉末除去を可能にしたことで、セメント汚泥が流出することがない分、従来の水による洗い出し工法と比較して、破棄物量を減らすことができた。
1 基体
2 プライマー層
3 結合材
4 美麗骨材
5 美麗骨材層
6 粉末組成物又はペースト組成物
7 露出した美麗骨材
8 化粧骨材層

Claims (11)

  1. 結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられる粉末組成物であり、
    メディアン粒径が110μm以下の増量材及びグルコン酸塩を含有し、
    前記グルコン酸塩の含有量が、0.1〜5.0質量%である粉末組成物。
  2. 前記増量材が、珪砂である請求項1に記載の粉末組成物。
  3. セメントを10〜50質量%の範囲で含有する請求項1又は2に記載の粉末組成物。
  4. パーライトを20〜60質量%の範囲で含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末組成物。
  5. 水溶性セルロースエーテルを0.02〜0.5質量%の範囲で含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の粉末組成物。
  6. 界面活性剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉末組成物。
  7. 前記化粧骨材層が、前記美麗骨材及び前記結合材を含有する美麗骨材層から、前記美麗骨材を覆う前記結合材を除去して前記美麗骨材を表面に露出させて得られるものであり、
    前記粉末組成物が、前記美麗骨材を覆う前記結合材を除去するために用いられるものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粉末組成物。
  8. 結合材で固定された美麗骨材が表面に露出した化粧骨材層を形成するために用いられるペースト組成物であり、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉末組成物、及び該粉末組成物との混合によりペースト状となる量の水を含有するペースト組成物。
  9. 基体に対して、美麗骨材及び結合材を含有する美麗骨材層を設ける工程と、
    前記美麗骨材層の上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉末組成物を散布する工程、又は請求項8に記載のペースト組成物を塗工する工程と、
    前記散布された粉末組成物又は前記塗工されたペースト組成物を、前記粉末組成物又は前記ペースト組成物が付着した前記結合材と共に除去することで、前記美麗骨材を覆う前記結合材を除去し、前記美麗骨材を表面に露出させる工程と、
    を含む、化粧骨材層の形成方法。
  10. 前記散布された粉末組成物又は前記塗工されたペースト組成物を、前記粉末組成物又は前記ペースト組成物が付着した前記結合材と共に掻き出して除去する、請求項9に記載の化粧骨材層の形成方法。
  11. 前記基体に対して前記美麗骨材層を設ける前に、前記基体の表面に、前記基体と化粧骨材層とを接着させるプライマー層を設ける工程を含む、請求項9又は10に記載の化粧骨材層の形成方法。
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