JP2017013693A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法 Download PDF

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拓哉 井上
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Abstract

【課題】リブの接地形状の均一化を図り、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤはトレッド部を有する。トレッド部は、タイヤ幅方向に少なくとも3本設けられそれぞれがタイヤ周方向に延在する周方向主溝と、周方向主溝によって区画される複数のリブと、を有する。リブの接地面は、トレッド部の基準輪郭線よりもタイヤ径方向外側に突出する。リブのトレッドゴムの体積とリブに設けられるラグ溝の体積との比である溝体積比は、複数のリブのそれぞれで異なる。溝体積比が大きいほどリブの接地面の基準輪郭線からの突出量が大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法に関する。
空気入りタイヤのトレッド部は、トレッドゴムに形成された溝部と、溝部によって区画されるトレッドゴムの陸部とを有する。空気入りタイヤが所期の性能を得られるようにトレッド部が設計される。例えば、空気入りタイヤの排水性能と静寂性能及びグリップ性能との両立が図られるように、陸部に対する溝部の比率が調整される。一般に、陸部に対する溝部の比率が大きくなると、排水性能が向上し、溝部の比率が小さくなると、静寂性能及びグリップ性能が向上する。
溝部は、タイヤ周方向に延在する周方向主溝と、タイヤ幅方向に延在するラグ溝とを含む。2本の周方向主溝によって区画される陸部はリブと呼ばれる。周方向主溝の間隔が調整されることにより、リブのタイヤ幅方向の寸法であるリブ幅が調整される。
リブ幅を大きくすると、リブの剛性が向上し、空気入りタイヤの操縦安定性能が向上する。一方、リブ幅を大きくし過ぎると、タイヤ幅方向のリブの中央部における接地長が両端部における接地長よりも短くなる傾向にある。接地長とは、リブが接地したときの接地部のタイヤ周方向の寸法をいう。タイヤ幅方向のリブの中央部における接地長が両端部における接地長よりも短くなり、接地形状が不均一になると、操縦安定性能が低下する。また、タイヤ幅方向のリブの中央部における接地長が両端部における接地長よりも短くなり、リブの接地部におけるタイヤ周方向の先着部及び後着部においてタイヤ幅方向のリブの中央部が凹むように変形すると、タイヤ幅方向のリブの両端部が中央部よりも摩耗する偏摩耗が発生する可能性が高くなる。
特許文献1には、陸部の接地面(踏面)を仮想トレッドプロファイルよりも突出させて、耐偏摩耗性能の向上を図る技術が開示されている。
特開2014−118123号公報
リブにラグ溝が設けられると、ラグ溝が設けられている部分の単位体積当たりのトレッドゴムの体積は減少することとなる。トレッドゴムの体積が減少した部分のタイヤ幅方向のリブの中央部における接地長は更に短くなる傾向にある。その結果、接地形状が更に不均一になり、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能が低下する可能性がある。
本発明の態様は、リブの接地形状の均一化を図り、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、トレッド部を有する空気入りタイヤであって、前記トレッド部は、タイヤ幅方向に少なくとも3本設けられそれぞれがタイヤ周方向に延在する周方向主溝と、前記周方向主溝によって区画される複数のリブと、を有し、前記リブの接地面は、前記トレッド部の基準輪郭線よりもタイヤ径方向外側に突出し、前記リブのトレッドゴムの体積と前記リブに設けられるラグ溝の体積との比である溝体積比は、複数の前記リブのそれぞれで異なり、前記溝体積比が大きいほど前記リブの接地面の前記基準輪郭線からの突出量が大きい、空気入りタイヤが提供される。
本発明の第1の態様によれば、溝体積比が大きいほどリブの接地面の基準輪郭線からの突出量を大きくするので、タイヤ幅方向のリブの中央部における接地長が両端部における接地長よりも短くなることを抑制することができる。そのため、リブの接地部におけるタイヤ周方向の先着部及び後着部においてタイヤ幅方向のリブの中央部が凹むように変形することが抑制され、リブの接地形状は均一化される。したがって、空気入りタイヤの操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる。
本発明の第1の態様において、前記リブは、第1リブと、第2リブと、第3リブと、を含み、前記第1リブの溝体積比、前記第2リブの溝体積比、及び前記第3リブの溝体積比のうち、前記第2リブの溝体積比が最も大きく、前記第2リブの溝体積比に次いで前記第1リブの溝体積比が大きく、前記第1リブの溝体積比に次いで前記第3リブの溝体積比が大きく、前記第1リブの接地面の突出量、前記第2リブの接地面の突出量、及び前記第3リブの接地面の突出量のうち、前記第2リブの接地面の突出量が最も大きく、前記第2リブの接地面の突出量に次いで前記第1リブの接地面の突出量が大きく、前記第1リブの接地面の突出量に次いで前記第3リブの接地面の突出量が大きく、前記第2リブは、タイヤ幅方向の中央部に配置され、前記第1リブ及び前記第3リブは、前記第2リブの両側に配置されてもよい。
リブが少なくとも3本設けられ、中央部に配置される第2リブの溝体積比を、第2リブの両側に配置される第1リブの溝体積比及び第3リブの溝体積比よりも大きくして、第2リブの接地面の突出量を、第1リブの接地面の突出量及び第3リブの接地面の突出量よりも大きくすることにより、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能をより向上させることができるとともに、排水性能も向上させることができる。また、第1リブの溝体積比と第3リブの溝体積比とに差を設けることにより、空気入りタイヤの旋回性能を向上させることができる。
本発明の第1の態様において、前記第3リブの溝体積比に対する前記第1リブの溝体積比の増加率と、前記第1リブの溝体積比に対する前記第2リブの溝体積比の増加率とは等しく、前記第3リブの接地面の突出量に対する前記第1リブの接地面の突出量の増加率と、前記第1リブの接地面の突出量に対する前記第2リブの接地面の突出量の増加率とは等しくてもよい。
第2リブの溝体積比と第1リブの溝体積比と第3リブの溝体積比とを比例的に増減させ、第2リブの接地面の突出量と第1リブの接地面の突出量と第3リブの接地面の突出量とを比例的に増減させることにより、操縦安定性能、耐偏摩耗性能、及び旋回性能を向上することができ、空気入りタイヤの設計工程における負荷を低減することができる。
本発明の第1の態様において、前記突出量は、0.05[mm]以上0.30[mm]以下でもよい。
たとえラグ溝の体積が小さい場合でも、リブの接地面の突出量を0.05[mm]よりも小さくしてしまうと、接地形状を改善する効果が充分に得られず、十分な耐偏摩耗性能が得られない可能性がある。一方、たとえラグ溝の体積が大きい場合でも、リブの接地面の突出量を0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、トレッドゴムの使用量を増加したにもかかわらず操縦安定性能及び耐偏摩耗性能の顕著な向上は認められなくなる。また、リブの接地面の突出量を0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、空気入りタイヤの転がり抵抗が増大し、操縦安定性能が劣化する可能性が高くなる。リブの接地面の突出量を0.05[mm]以上0.30[mm]以下に規定することにより、空気入りタイヤの製造コストの増大を抑制しつつ、転がり抵抗の増大を抑制することができる。
本発明の第1の態様において、前記溝体積比が0.1[%]以上3.0[%]未満のとき、前記突出量は0.05[mm]以上0.10[mm]未満であり、前記溝体積比が3.0[%]以上7.0[%]以下のとき、前記突出量は0.10[mm]以上0.30[mm]以下でもよい。
溝体積比が0.1[%]以上3.0[%]未満のときに、リブの接地面の突出量を0.05[mm]よりも小さくしてしまうと、接地形状を改善する効果が充分に得られず、十分な耐偏摩耗性能が得られない可能性がある。一方、溝体積比が0.1[%]以上3.0[%]未満のときに、リブの接地面の突出量を0.10[mm]以上にしてしまうと、トレッドゴムの使用量を増加したにもかかわらず操縦安定性能及び耐偏摩耗性能の顕著な向上は認められなくなる。また、リブの接地面の突出量を0.10[mm]よりも大きくしてしまうと、空気入りタイヤの転がり抵抗が増大し、操縦安定性能が劣化する可能性が高くなる。また、溝体積比が3.0[%]以上7.0[%]以下のときに、リブの接地面の突出量を0.10[mm]よりも小さくしてしまうと、接地形状を改善する効果が充分に得られず、十分な耐偏摩耗性能が得られない可能性がある。一方、溝体積比が3.0[%]以上7.0[%]以下のときに、リブの接地面の突出量を0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、トレッドゴムの使用量を増加したにもかかわらず操縦安定性能及び耐偏摩耗性能の顕著な向上は認められなくなる。また、リブの接地面の突出量を0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、空気入りタイヤの転がり抵抗が増大し、操縦安定性能が劣化する可能性が高くなる。溝体積比が0.1[%]以上3.0[%]未満のときにリブの接地面の突出量を0.05[mm]以上0.10[mm]未満とし、溝体積比が3.0[%]以上7.0[%]以下のときにリブの接地面の突出量を0.10[mm]以上0.30[mm]以下とすることにより、空気入りタイヤの製造コストの増大を抑制しつつ、転がり抵抗の増大を抑制することができる。
本発明の第2の態様に従えば、トレッド部を有する空気入りタイヤの設計方法であって、前記トレッド部のトレッドゴムについてタイヤ周方向に延在しタイヤ幅方向に少なくとも3本設けられる周方向主溝及び前記周方向主溝によって区画される複数のリブを設計する主溝設計ステップと、複数の前記リブのそれぞれに設けられるラグ溝を設計するラグ溝設計ステップと、前記リブの両隣に設けられる2本の前記周方向主溝の4つの開口端部のうち、前記リブの接地面との境界に配置される第1開口端部及び第2開口端部と、残りの2つの開口端部のうち前記トレッド部のタイヤ幅方向の中心部に近い第3開口端部とを通り、4つの前記開口端部よりもタイヤ径方向内側に中心が位置する最大曲率半径で描かれる円弧である前記トレッド部の基準輪郭線を設定する基準輪郭線設定ステップと、前記リブのトレッドゴムの体積と前記リブに設けられる前記ラグ溝の体積との比である溝体積比を算出する溝体積比算出ステップと、前記溝体積比算出ステップで算出された前記溝体積比が大きいほど前記リブの接地面の前記基準輪郭線からのタイヤ径方向外側への突出量が大きくなるように、前記リブの接地面を設計する接地面設計ステップと、を含む、空気入りタイヤの設計方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、空気入りタイヤの設計において溝体積比の概念を導入し、複数のリブそれぞれの溝体積比に合わせてリブの接地面の基準輪郭線からの突出量を変えるようにしたので、ラグ溝が多く設けられてリブのトレッドゴムの体積が減少しても、タイヤ幅方向のリブの中央部が凹むように変形することが抑制される。したがって、空気入りタイヤの操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる。
本発明の第2の態様において、前記リブは、第1リブと、第2リブと、第3リブと、を含み、前記第1リブの溝体積比、前記第2リブの溝体積比、及び前記第3リブの溝体積比のうち、前記第2リブの溝体積比が最も大きく、前記第2リブの溝体積比に次いで前記第1リブの溝体積比が大きく、前記第1リブの溝体積比に次いで前記第3リブの溝体積比が大きく、前記第1リブの接地面の突出量、前記第2リブの接地面の突出量、及び前記第3リブの接地面の突出量のうち、前記第2リブの接地面の突出量が最も大きく、前記第2リブの接地面の突出量に次いで前記第1リブの接地面の突出量が大きく、前記第1リブの接地面の突出量に次いで前記第3リブの接地面の突出量が大きく、前記第3リブの溝体積比に対する前記第1リブの溝体積比の増加率と、前記第1リブの溝体積比に対する前記第2リブの溝体積比の増加率とは等しく、前記第3リブの接地面の突出量に対する前記第1リブの接地面の突出量の増加率と、前記第1リブの接地面の突出量に対する前記第2リブの接地面の突出量の増加率とは等しくてもよい。
第2リブの溝体積比と第1リブの溝体積比と第3リブの溝体積比とを比例的に増減させ、第2リブの接地面の突出量と第1リブの接地面の突出量と第3リブの接地面の突出量とを比例的に増減させることにより、空気入りタイヤの設計工程における負荷を低減しつつ、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能が向上した空気入りタイヤを製造することができる。
本発明の第2の態様において、前記リブの体積(V)は、前記リブの両隣に設けられる2本の前記周方向主溝のうち、前記リブの接地面との境界に配置される2つの開口端部のタイヤ幅方向の距離を示すリブ幅(L)と、前記周方向主溝のトレッドウェアインジケータの上面と前記周方向主溝の開口端部との距離を示すリブ有効深さ(D)と、前記リブのタイヤ周方向の寸法を示すリブ周長(C)との積であり、前記ラグ溝の体積(v)は、前記ラグ溝の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の寸法を示すラグ溝平均長さ(l)と、前記ラグ溝の2つの開口端部のうち一方の開口端部の中点と他方の開口端部の中点との距離を示すラグ溝平均幅(w)と、前記ラグ溝の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の中点の位置における前記ラグ溝の底部と前記ラグ溝の開口端部との距離を示すラグ溝平均深さ(d)と、前記リブに設けられる前記ラグ溝の数(n)との積であり、前記溝体積比(a)は、(v/V)でもよい。
リブの体積(V)の導出において、リブ幅(L)をリブとの境界に配置される2つの開口端部のタイヤ幅方向の距離と規定し、リブ有効深さ(D)を周方向主溝のトレッドウェアインジケータの上面と周方向主溝の開口端部との距離と規定し、リブ周長(C)をリブのタイヤ周方向の寸法と規定することにより、困難な処理を要することなく、リブの体積(V)を円滑に導出することができる。同様に、ラグ溝の体積(v)の導出において、ラグ溝平均長さ(l)をラグ溝の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の寸法と規定し、ラグ溝平均幅(w)をラグ溝の2つの開口端部のうち一方の開口端部の中点と他方の開口端部の中点との距離と規定し、ラグ溝平均深さ(d)をラグ溝の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の中点の位置におけるラグ溝の底部とラグ溝の開口端部との距離と規定することにより、困難な処理を要することなく、ラグ溝の体積(v)を円滑に導出することができる。
本発明の態様によれば、リブの接地形状の均一化を図り、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの設計方法が提供される。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す断面図である。 図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤのトレッド部を示す図である。 図3は、本実施形態に係る基準輪郭線を説明するための図である。 図4は、本実施形態に係るリブを示す平面図である。 図5は、本実施形態に係るリブを示す断面図である。 図6は、本実施形態に係るラグ溝を示す平面図である。 図7は、本実施形態に係るラグ溝を示す断面図である。 図8は、本実施形態に係る空気入りタイヤの設計方法を示すフローチャートである。 図9は、本実施形態に係る空気入りタイヤの評価試験の結果を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
<タイヤ構造>
図1は、本実施形態に係るタイヤ1の一部を示す断面図である。タイヤ1は、空気入りタイヤである。タイヤ1は、カーカス部2と、ベルト層3と、ベルトカバー4と、ビード部5と、トレッド部10と、サイド部7とを備えている。トレッド部10は、トレッドゴム6を含む。サイド部7は、サイドゴム8を含む。
タイヤ1は、車両のリムに装着された状態で回転軸AXを中心に回転可能である。図1は、タイヤ1の回転軸AXを通る子午断面を示す。タイヤ1の回転軸AXは、タイヤ赤道面CLと直交する。タイヤ赤道面CLは、タイヤ幅方向のタイヤ1の中心を示す。
以下の説明においては、回転軸AXと平行な方向を適宜、タイヤ幅方向、と称し、回転軸AXに対する放射方向を適宜、タイヤ径方向、と称し、回転軸AXを中心とするタイヤ1の回転方向を適宜、タイヤ周方向、と称する。また、以下の説明においては、タイヤ赤道面CLを適宜、タイヤ中心CL、と称する。
本実施形態において、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLから遠い位置又は離れる方向をいう。タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLに近い位置又は近付く方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向に関して回転軸AXから遠い位置又は離れる方向をいう。タイヤ径方向内側とは、タイヤ径方向に関して回転軸AXに近い位置又は近付く方向をいう。タイヤ周方向一側とは、タイヤ周方向に関して指定された方向をいう。タイヤ周方向他側とは、タイヤ周方向に関して指定された方向の逆方向をいう。
タイヤ1は、乗用車用タイヤである。乗用車用タイヤとは、JATMA YEAR BOOK 2012(日本自動車タイヤ協会規格)のA章に定められるタイヤをいう。なお、タイヤ1は、B章に定められる小型トラック用タイヤでもよいし、C章に定められるトラック及びバス用タイヤでもよい。
また、本実施形態においては、タイヤ1が車両のリムに装着された状態において、図の右側を車両側(車両内側)とし、左側を車両から離れた側(車両外側)とする。
また、本実施形態においては、タイヤ1の回転方向が予め指定されている。車両の前進時において、タイヤ1は、指定された回転方向に回転するように、車両のリムに装着される。タイヤ1のサイド部7の表面には、回転方向を指定するセリアル記号が設けられている。
トレッド部10の接地幅を示すトレッド接地幅TWとは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、平面上に垂直に置いて、正規荷重を加えた負荷状態のときに測定される、タイヤ幅方向に関する接地幅の最大値をいう。すなわち、トレッド接地幅TWとは、タイヤ幅方向に関してタイヤ中心CLの一方側のトレッド部10の接地端E1と他方側のトレッド部10の接地端E2との距離をいう。
トレッド部10の接地端E1,E2とは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、平面上に垂直に置いて、正規荷重を加えた負荷状態のときにトレッド部10が接地する部分のタイヤ幅方向の端部をいう。
「正規リム」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めているリムであり、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、このタイヤ1が組まれる純正ホイールを用いる。
「正規内圧」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。但し、タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両に表示された空気圧とする。
「正規荷重」とは、タイヤ1が基づく規格を含む規格体系において、その規格がタイヤ1毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。但し、タイヤ1が乗用車用タイヤである場合には前記荷重の88[%]に相当する荷重とする。タイヤ1が新車装着タイヤの場合には、車両の車検証記載の前後軸重をそれぞれタイヤの数で除して求めた輪荷重とする。
カーカス部2、ベルト層3、及びベルトカバー4のそれぞれは、コードを含む。コードは、補強材である。コードを、ワイヤと称してもよい。カーカス部2、ベルト層3、及びベルトカバー4のような補強材を含む層をそれぞれ、コード層と称してもよいし、補強材層と称してもよい。
カーカス部2は、タイヤ1の骨格を形成する強度部材である。カーカス部2は、コードを含む。カーカス部2のコードを、カーカスコードと称してもよい。カーカス部2は、タイヤ1に空気が充填されたときの圧力容器として機能する。カーカス部2は、ビード部5に支持される。ビード部5は、タイヤ幅方向に関してカーカス部2の一側及び他側のそれぞれに配置される。カーカス部2は、ビード部5において折り返される。カーカス部2は、有機繊維のカーカスコードと、そのカーカスコードを覆うゴムとを含む。なお、カーカス部2は、ポリエステルのカーカスコードを含んでもよいし、ナイロンのカーカスコードを含んでもよいし、アラミドのカーカスコードを含んでもよいし、レーヨンのカーカスコードを含んでもよい。
ベルト層3は、タイヤ1の形状を保持する強度部材である。ベルト層3は、コードを含む。ベルト層3のコードを、ベルトコードと称してもよい。ベルト層3は、カーカス部2とトレッドゴム6との間に配置される。ベルト層3は、例えばスチールなどの金属繊維のベルトコードと、そのベルトコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルト層3は、有機繊維のベルトコードを含んでもよい。本実施形態において、ベルト層3は、第1ベルトプライ3Aと、第2ベルトプライ3Bとを含む。第1ベルトプライ3Aと第2ベルトプライ3Bとは、第1ベルトプライ3Aのコードと第2ベルトプライ3Bのコードとが交差するように積層される。
ベルトカバー4は、ベルト層3を保護し、補強する強度部材である。ベルトカバー4は、コードを含む。ベルトカバー4のコードを、カバーコードと称してもよい。ベルトカバー4は、タイヤ1の回転軸AXに対してベルト層3の外側に配置される。ベルトカバー4は、例えばスチールなどの金属繊維のカバーコードと、そのカバーコードを覆うゴムとを含む。なお、ベルトカバー4は、有機繊維のカバーコードを含んでもよい。
ビード部5は、カーカス部2の両端を固定する強度部材である。ビード部5は、タイヤ1をリムに固定させる。ビード部5は、ビードコア5Aと、ビードフィラー5Bと、インナーライナーゴム5Cと、リムクッションゴム5Dとを有する。ビードコア5Aは、ビードワイヤがリング状に巻かれた部材である。ビードワイヤは、スチールワイヤである。ビードフィラー5Bは、カーカス部2のタイヤ幅方向端部がビードコア5Aの位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。リムクッションゴム5Dは、タイヤ1が装着されるリムと接触する。
サイド部7は、タイヤ幅方向に関してトレッド部10の一側及び他側のそれぞれに設けられる。サイド部7は、タイヤ中心CLに対してトレッド部10の接地端E1,E2よりも外側に配置される。
トレッドゴム6は、カーカス部2を保護する。トレッドゴム6に、トレッド部10が形成される。トレッドゴム6は、タイヤ径方向外側に設けられる外層トレッドゴム6Aと、外層トレッドゴム6Aよりもタイヤ径方向内側に設けられる内層トレッドゴム6Bとを含む。
サイドゴム8は、カーカス部2を保護する。サイドゴム8は、タイヤ幅方向に関してトレッドゴム6の一側及び他側のそれぞれに配置される。サイドゴム8に、サイド部7が形成される。
本実施形態において、接地端E1は、車両内側に配置され、接地端E2は、車両外側に配置される。
図2は、本実施形態に係るトレッド部10の一例を示す平面図である。図2に示すように、車両の前進時において、タイヤ1は、矢印で示す指定された回転方向Rに回転する。以下の説明において、タイヤ1が回転軸AXを中心に指定された回転方向Rに回転しながら路面を走行する場合において、トレッド部10のうち路面に先に接触する領域を適宜、先着側又は先着部、と称し、路面に後に接触する領域を適宜、後着側又は後着部、と称する。図2においては、図の下側が先着側であり、上側が後着側である。
図1及び図2に示すように、トレッド部10は、タイヤ幅方向に複数設けられ、それぞれがタイヤ周方向に延在する周方向主溝30と、周方向主溝30によって区画される複数のリブ50と、リブ50に設けられるラグ溝40とを有する。周方向主溝30及びラグ溝40は、トレッドゴム6に形成される。リブ50は、周方向主溝30によって区画されるトレッドゴム6の陸部である。リブ50は、路面と接触可能な接地面(踏面)20を有する。
周方向主溝30は、タイヤ周方向に延在する。周方向主溝30は、タイヤ赤道面CLとトレッド部10とが交差するタイヤ赤道線と実質的に平行である。
周方向主溝30とは、1.0[mm]以上の溝幅を有し、4.0[mm]以上の溝深さを有し、少なくとも一部がタイヤ周方向に延在する縦溝をいう。なお、一般に、周方向主溝30は、6.0[mm]以上の溝幅を有し、7.0[mm]以上の溝深さを有する。周方向主溝30は、内部にトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を有する。トレッドウェアインジケータは、摩耗末期を示す。
ラグ溝40は、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在する。ラグ溝40は、周方向主溝30と交差するように、リブ50に設けられる。ラグ溝40の少なくとも一部は、タイヤ幅方向と平行である。ラグ溝40は、タイヤ幅方向及びタイヤ周方向のそれぞれに対して傾斜していてもよい。ラグ溝40の少なくとも一部は、周方向主溝30と接続される。
ラグ溝40とは、2.0[mm]以上の溝幅を有し、3.0[mm]以上の溝深さを有し、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在する横溝をいう。ラグ溝40は、リブ50をタイヤ幅方向に貫通するオープン構造でもよいし、一方の端部がリブ50で終端するセミクローズド構造でもよいし、両方の端部がリブ50で終端するクローズド構造でもよい。
周方向主溝30は、タイヤ幅方向に少なくとも3本設けられる。図1及び図2に示すように、本実施形態において、周方向主溝30は、4本設けられる。本実施形態において、周方向主溝30は、最も車両内側に設けられる第1周方向主溝31と、第1周方向主溝31に次いで車両内側に設けられる第2周方向主溝32と、第2周方向主溝32に次いで車両内側に設けられる第3周方向主溝33と、最も車両外側に設けられる第4周方向主溝34とを含む。
また、本実施形態においては、第4周方向主溝34よりも車両外側に、周方向副溝35が設けられる。
リブ50は、タイヤ幅方向に複数設けられる。複数のリブ50のそれぞれは、タイヤ周方向に延在する。リブ50は、タイヤ赤道面CLとトレッド部10とが交差するタイヤ赤道線と実質的に平行である。
リブ50は、タイヤ幅方向に少なくとも2本設けられる。図1及び図2に示すように、本実施形態において、リブ50は、4本設けられる。本実施形態において、リブ50は、最も車両内側に設けられる第1リブ51と、第1リブ51に次いで車両内側に設けられる第2リブ52と、第2リブ52に次いで車両内側に設けられる第3リブ53と、最も車両外側に設けられる第4リブ54とを含む。
第1リブ51は、第1周方向主溝31と第2周方向主溝32との間に設けられ、第1周方向主溝31及び第2周方向主溝32によって区画される。第2リブ52は、第2周方向主溝32と第3周方向主溝33との間に設けられ、第2周方向主溝32及び第3周方向主溝33によって区画される。第3リブ53は、第3周方向主溝33と第4周方向主溝34との間に設けられ、第3周方向主溝33及び第4周方向主溝34によって区画される。第4リブ54は、第4周方向主溝34と周方向副溝35との間に設けられ、第4周方向主溝34及び周方向副溝35によって区画される。
本実施形態において、タイヤ中心CLは、第2リブ52に配置される。第1周方向主溝31、第2周方向主溝32、及び第1リブ51は、タイヤ中心CLよりも車両内側(接地端E1側)に配置される。第3周方向主溝33、第4周方向主溝34、周方向副溝35、第3リブ53、及び第4リブ54は、タイヤ中心CLよりも車両外側(接地端E2側)に配置される。
ラグ溝40は、第1リブ51に設けられる第1ラグ溝41と、第2リブ52に設けられる第2ラグ溝42と、第3リブ53に設けられる第3ラグ溝43と、第4リブ54に設けられる第4ラグ溝44とを含む。
第1ラグ溝41は、第1リブ51に複数設けられる。複数の第1ラグ溝41は、タイヤ周方向に離れている。第1ラグ溝41の一方の端部は、第1周方向主溝31と接続され、他方の端部は、第1周方向主溝31及び第2周方向主溝32の両方と接続されない。第1ラグ溝41は、第1周方向主溝31と接続された一方の端部から、第1周方向主溝31及び第2周方向主溝32の両方と接続されない他方の端部に向かって、タイヤ幅方向に延在した後、タイヤ1の回転方向Rに延在するように形成される。
第2ラグ溝42は、第2リブ52に複数設けられる。複数の第2ラグ溝42は、タイヤ周方向に離れている。第2ラグ溝42の一方の端部は、第2周方向主溝32と接続され、他方の端部は、第2周方向主溝32及び第3周方向主溝33の両方と接続されない。第2ラグ溝42は、第2周方向主溝32と接続された一方の端部から、第2周方向主溝32及び第3周方向主溝33の両方と接続されない他方の端部に向かって、タイヤ幅方向に延在した後、タイヤ1の回転方向Rに延在するように形成される。
第3ラグ溝43は、第3リブ53に複数設けられる。複数の第3ラグ溝43は、タイヤ周方向に離れている。第3ラグ溝43の一方の端部は、第3周方向主溝33と接続され、他方の端部は、第3周方向主溝33及び第4周方向主溝34の両方と接続されない。第3ラグ溝43は、第3周方向主溝33と接続された一方の端部から、第3周方向主溝33及び第4周方向主溝34の両方と接続されない他方の端部に向かって、タイヤ1の回転方向Rの反対方向に傾斜するように形成される。
第4ラグ溝44は、第4リブ54に複数設けられる。複数の第4ラグ溝44は、タイヤ周方向に離れている。第4ラグ溝44の一方の端部は、第4周方向主溝34と接続され、他方の端部は、第4周方向主溝34及び周方向副溝35の両方と接続されない。第4ラグ溝44は、第4周方向主溝34と接続された一方の端部から、第4周方向主溝34及び周方向副溝35の両方と接続されない他方の端部に向かって、タイヤ1の回転方向Rの反対方向に傾斜するように形成される。
<基準輪郭線>
図1に示すように、リブ50の接地面20は、トレッド部10の基準輪郭線PLよりもタイヤ径方向外側に突出する。リブ50の接地面20は、第1リブ51の第1接地面21と、第2リブ52の第2接地面22と、第3リブ53の第3接地面23と、第4リブ54の第4接地面24とを含む。本実施形態においては、第1接地面21、第2接地面22、第3接地面23、及び第4接地面24の全部が、基準輪郭線PLよりもタイヤ径方向外側に突出する。
次に、図3を参照して、基準輪郭線PLについて説明する。基準輪郭線PLは、対象となるリブ50のそれぞれについて設定される。すなわち、第1リブ51について第1の基準輪郭線PLが設定され、第2リブ52について第2の基準輪郭線PLが設定され、第3リブ53について第3の基準輪郭線PLが設定され、第4リブ54について第4の基準輪郭線PLが設定される。図3を用いる以下の説明においては、第1リブ51について設定される基準輪郭線PLについて説明する。
なお、以下で説明する基準輪郭線PLは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの基準輪郭線PLである。
図3に示すように、第1リブ51の両隣に第1周方向主溝31及び第2周方向主溝32が設けられる。第1周方向主溝31は、開口端部K1及び開口端部K2を有する。第2周方向主溝32は、開口端部K3及び開口端部K4を有する。
開口端部K1及び開口端部K2はそれぞれ、第1周方向主溝31の内壁面と接地面20との境界である。開口端部K3及び開口端部K4はそれぞれ、第2周方向主溝32の内壁面と接地面20との境界である。
すなわち、周方向主溝30の開口端部とは、周方向主溝30の内壁面とリブ50の接地面20とで形成される角部の頂点をいう。なお、周方向主溝30の内壁面とリブ50の接地面20で形成される角部が面取りされている場合、周方向主溝30の開口端部とは、面取面Cmと接地面20との交点をいう。
第1リブ51についての基準輪郭線PLとは、第1リブ51の両隣に設けられる2本の周方向主溝30(第1周方向主溝31及び第2周方向主溝32)の4つの開口端部K1,K2,K3,K4のうち、第1リブ51の第1接地面21との境界に配置される第1の開口端部K2及び第2の開口端部K3と、残りの2つの開口端部K1,K4のうちトレッド部10のタイヤ幅方向の中心部であるタイヤ中心CLに近い第3の開口端部K4とを通り、4つの開口端部K1,K2,K3,K4よりもタイヤ径方向内側に中心が位置する最大曲率半径で描かれる円弧である。
すなわち、第1リブ51についての基準輪郭線PLとは、タイヤ径方向の断面において、3つの開口端部K2,K3,K4に対してカーブフィッティングした円弧である。3つの開口端部K2,K3,K4の位置に対して最小二乗法を用いて求められた円弧状の回帰曲線を、基準輪郭線PLとすることができる。
以上、第1リブ51についての基準輪郭線PLについて説明した。第2、第3、第4リブ52,53,54のそれぞれについても、上述の方法と同様の方法で基準輪郭線PLが設定される。
<溝体積比>
本実施形態においては、リブ50のトレッドゴム6の体積Vと、リブ50に設けられるラグ溝40の体積vとの比である溝体積比aが、複数のリブ50のそれぞれで異なる。
次に、溝体積比aについて説明する。なお、以下で説明する溝体積比aは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときに計測及び算出される値である。本実施形態において、溝体積比aは、以下の(1)式で定義される。
Figure 2017013693
(1)式において、右辺の分母は、リブ50の体積Vを示し、右辺の分子は、ラグ溝40の体積vを示す。すなわち、リブ50の体積Vは、リブ幅Lと、リブ有効深さDと、リブ周長Cとの積である。ラグ溝40の体積vは、ラグ溝平均長さlと、ラグ溝平均幅wと、ラグ溝平均深さdと、リブ50に設けられるラグ溝40の数nとの積である。溝体積比aは、[ラグ溝40の体積]/[リブ50の体積V]である。
図4は、リブ50を示す平面図である。図5は、リブ50を示す断面図である。図4及び図5を参照して、リブ50の体積Vについて説明する。
リブ幅Lとは、リブ50の両隣に設けられる2本の周方向主溝30のうち、リブ50の接地面20との境界に配置される2つの開口端部Ka,Kbのタイヤ幅方向の距離を示す。周方向主溝30の開口端部Ka,Kbとは、周方向主溝30の内壁面とリブ50の接地面20とで形成される角部の頂点をいう。なお、図4及び図5に示すように、周方向主溝30の内壁面とリブ50の接地面20で形成される角部が面取りされている場合、周方向主溝30の開口端部Ka,Kbとは、面取面Cmと接地面20との交点をいう。したがって、図4及び図5に示す例では、リブ幅Lは、リブ50の一方の隣に設けられる周方向主溝30の面取面Cmと接地面20との交点である開口端部Kaと、リブ50の他方の隣に設けられる周方向主溝30の面取面Cmと接地面20との交点である開口端部Kbとのタイヤ幅方向の距離である。
リブ有効深さDとは、周方向主溝30の内側に設けられたトレッドウェアインジケータ9の上面と周方向主溝30の開口端部Ka又は開口端部Kbとのタイヤ径方向の距離を示す。
リブ周長Cとは、リブ50のタイヤ周方向の寸法を示す。リブ周長Cは、例えば、タイヤ周方向に延在する開口端部Ka又は開口端部Kbのタイヤ周方向の寸法である。
[リブ幅L]×[リブ有効深さD]×[リブ周長C]の演算を実施することにより、リブ50の体積Vが算出される。
図6は、ラグ溝40を示す平面図である。図7は、ラグ溝40を示す断面図である。図6及び図7を参照して、ラグ溝40の体積vについて説明する。
図6に示すように、ラグ溝40は、開口端部Kc,Kdを有する。ラグ溝40の開口端部Kc,Kdとは、ラグ溝40の内壁面とリブ50の接地面20とで形成される角部の頂点をいう。なお、ラグ溝40の内壁面とリブ50の接地面20で形成される角部が面取りされている場合、ラグ溝40の開口端部Kc,Kdとは、面取面Cmと接地面20との交点をいう。
ラグ溝平均長さlとは、ラグ溝40の2つの開口端部Kc,Kdのうち長い方の開口端部の寸法を示す。ラグ溝40の開口端部Kc,Kdは、接地面20と実質的に平行な面内において、ラグ溝40が一方の端部と他方の端部との間において延在する。ラグ溝40の開口端部Kc,Kdの寸法とは、接地面20と実質的に平行な面内における、開口端部Kc,Kdの一方の端部と他方の端部との間の、開口端部Kc,Kdに沿った寸法をいう。図6に示す例では、ラグ溝40の2つの開口端部Kc,Kdのうち、開口端部Kdの方が開口端部Kcよりも長い。したがって、図6に示す例では、ラグ溝平均長さlは、接地面20と実質的に平行な面内における、開口端部Kdの一方の端部と他方の端部との間の、開口端部Kdに沿った寸法である。なお、図6及び図7に示すように、周方向主溝30の内壁面とリブ50の接地面20で形成される角部が面取りされている場合、ラグ溝40の開口端部Kdの寸法は、面取面Cを除外した寸法である。なお、開口端部Kcの寸法と開口端部Kdの寸法とが等しい場合、ラグ溝平均長さlとして、開口端部Kcの寸法及び開口端部Kdの寸法のいずれか一方が採用される。
ラグ溝平均幅wとは、ラグ溝40の2つの開口端部Kc,Kdのうち一方の開口端部Kcの中点と他方の開口端部Kdの中点との距離を示す。
ラグ溝平均深さdとは、ラグ溝40の2つの開口端部Kc,Kdのうち長い方の開口端部Kdの中点の位置におけるラグ溝40の底部(底面)とラグ溝40の開口端部Kdとのタイヤ径方向の距離を示す。
ラグ溝40の数nとは、対象となるリブ50に設けられるラグ溝40の数である。
[ラグ溝平均長さl]×[ラグ溝平均幅w]×[ラグ溝平均深さd]×[ラグ溝の数n]の演算を実施することにより、対象となるリブ50に設けられたラグ溝40の体積vが算出される。
[ラグ溝40の体積v]/[リブ50の体積V]の演算が実施されることにより、対象となるリブ50についての溝体積比aが算出される。
複数のリブ50のそれぞれについて、溝体積比aが算出される。すなわち、第1リブ51についての溝体積比a1、第2リブ52についての溝体積比a2、第3リブ53についての溝体積比a3、及び第4リブ54についての溝体積比a4が算出される。
本実施形態において、第1リブ51に設けられる複数の第1ラグ溝41の体積はそれぞれ等しい。すなわち、複数の第1ラグ溝41のラグ溝平均長さl、ラグ溝平均幅w、及びラグ溝平均深さdは、それぞれ等しい。同様に、第2リブ52に設けられる複数の第2ラグ溝42の体積はそれぞれ等しい。第3リブ53に設けられる複数の第3ラグ溝43の体積はそれぞれ等しい。第4リブ54に設けられる複数の第4ラグ溝44の体積はそれぞれ等しい。
溝体積比a1は、[第1ラグ溝41の体積v1]/[第1リブ51の体積V1]の演算が実施されることにより算出される。第1リブ51の体積V1は、第1リブ51の両隣に設けられる第1,第2周方向主溝31,32のうち、第1リブ51の第1接地面21との境界に配置される2つの開口端部のタイヤ幅方向の距離を示す第1リブ幅L1と、第1,第2周方向主溝31,32のトレッドウェアインジケータ9の上面と第1,第2周方向主溝31,32の開口端部との距離を示す第1リブ有効深さD1と、第1リブ51のタイヤ周方向の寸法を示す第1リブ周長C1との積である。第1ラグ溝41の体積v1は、第1ラグ溝41の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の寸法を示す第1ラグ溝平均長さl1と、第1ラグ溝41の2つの開口端部のうち一方の開口端部の中点と他方の開口端部の中点との距離を示す第1ラグ溝平均幅w1と、第1ラグ溝41の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の中点の位置における第1ラグ溝41の底部と第1ラグ溝41の開口端部との距離を示す第1ラグ溝平均深さd1と、第1リブ51に設けられる第1ラグ溝41の数n1との積である。
溝体積比a2は、[第2ラグ溝42の体積v2]/[第2リブ52の体積V2]の演算が実施されることにより算出される。第2リブ52の体積V2は、第2リブ幅L2と、第2リブ有効深さD2と、第2リブ周長C2との積である。第2ラグ溝42の体積v2は、第2ラグ溝平均長さl2と、第2ラグ溝平均幅w2と、第2ラグ溝平均深さd2と、第2リブ52に設けられる第2ラグ溝42の数n2との積である。
溝体積比a3は、[第3ラグ溝43の体積v3]/[第3リブ53の体積V3]の演算が実施されることにより算出される。第3リブ53の体積V3は、第3リブ幅L3と、第3リブ有効深さD3と、第3リブ周長C3との積である。第3ラグ溝43の体積v3は、第3ラグ溝平均長さl3と、第3ラグ溝平均幅w3と、第3ラグ溝平均深さd3と、第3リブ53に設けられる第3ラグ溝43の数n3との積である。
溝体積比a4は、[第4ラグ溝44の体積v4]/[第4リブ54の体積V4]の演算が実施されることにより算出される。第4リブ54の体積V4は、第4リブ幅L4と、第4リブ有効深さD4と、第4リブ周長C4との積である。第4ラグ溝44の体積v4は、第4ラグ溝平均長さl4と、第4ラグ溝平均幅w4と、第4ラグ溝平均深さd4と、第4リブ54に設けられる第4ラグ溝44の数n4との積である。
<接地面の突出量>
本実施形態においては、溝体積比a1と、溝体積比a2と、溝体積比a3と、溝体積比a4とは異なる。リブ50の接地面20の基準輪郭線PLからの突出量Pは、溝体積比aに合わせて変化する。第1リブ51の第1接地面21の基準輪郭線PLからの突出量P1と、第2リブ52の第2接地面22の基準輪郭線PLからの突出量P2と、第3リブ53の第3接地面23の基準輪郭線PLからの突出量P3と、第4リブ54の第4接地面24の基準輪郭線PLからの突出量P4とは異なる。
本実施形態においては、溝体積比aが大きいほど、リブ50の接地面20の基準輪郭線PLからの突出量Pが大きい。
なお、突出量Pは、タイヤ1を正規リムにリム組みして、正規内圧を充填して、タイヤ1に荷重を加えない無負荷状態のときの値である。
本実施形態においては、第1リブ51の溝体積比a1、第2リブ52の溝体積比a2、第3リブ53の溝体積比a3、及び第4リブ54の溝体積比a4のうち、第2リブ52の溝体積比a2が最も大きく、第2リブ52の溝体積比a2に次いで第1リブ51の溝体積比a1が大きく、第1リブ51の溝体積比a1に次いで第3リブ53の溝体積比a3が大きく、第4リブ54の溝体積比a4が最も小さい。
第1リブ51の第1接地面21の突出量P1、第2リブ52の第2接地面22の突出量P2、第3リブ53の第3接地面23の突出量P3、及び第4リブ54の第4接地面24の突出量P4のうち、第2リブ52の第2接地面22の突出量P2が最も大きく、第2リブ52の第2接地面22の突出量P2に次いで第1リブ51の第1接地面21の突出量P1が大きく、第1リブ51の第1接地面21の突出量P1に次いで第3リブ53の第3接地面23の突出量P3が大きく、第4リブ54の第4接地面24の突出量P4が最も小さい。
第2リブ52は、タイヤ中心CLを含み、タイヤ幅方向の中央部に配置される。第1リブ51及び第3リブ53は、タイヤ幅方向に関して第2リブ52の両側に配置される。第1リブ51は、第2リブ52よりも車両内側(接地端E1側)に配置される。第3リブ53は、第2リブ52よりも車両外側(接地端E2側)に配置される。第4リブ54は、第3リブ53よりも車両外側に配置される。
すなわち、タイヤ幅方向の中央部に配置される第2リブ52の溝体積比a2が最も大きい。また、最も車両外側に配置される第4リブ54の溝体積比a4が最も小さい。第2リブ52よりも車両外側に配置される第3,第4リブ53,54の溝体積比a3,a4は、第2リブ52よりも車両内側に配置される第1リブ51の溝体積比a1よりも小さい。
図1及び図3に示すように、タイヤ1の回転軸AXを通る子午断面において、基準輪郭線PLから突出する接地面20(第1接地面21、第2接地面22、第3接地面23、及び第4接地面24)の突出形状は、リブ50(第1リブ51、第2リブ52、第3リブ53、及び第4リブ54)のタイヤ幅方向の両端部(開口端部)を結ぶ2次曲線形状である。接地面20の突出形状は、円弧状でもよいし、放物線状でもよいし、双曲線状でもよい。
接地面20の突出量Pとは、タイヤ径方向に関して、基準輪郭線PLと、基準輪郭線PLから突出する接地面20のうち最も基準輪郭線PLから離れた部位との距離をいう。すなわち、接地面20の突出量Pは、接地面20の最大突出部位における最大突出量である。
突出量P(突出量P1、突出量P2、突出量P3、及び突出量P4)は、0.05[mm]以上0.30[mm]以下に定められることが好ましい。
また、溝体積比aが0.1[%]以上3.0[%]未満のとき、突出量Pが0.05[mm]以上0.10[mm]未満に定められ、溝体積比aが3.0[%]以上7.0[%]以下のとき、突出量Pが0.10[mm]以上0.30[mm]以下に定められることが好ましい。
上述したように、本実施形態においては、[溝体積比a2]>[溝体積比a1]>[溝体積比a3]>[溝体積比a4]の関係が成立し、[突出量P2]>[突出量P1]>[突出量P3]>[突出量P4]の関係が成立する。
第4リブ54の溝体積比a4に対する第3リブ53の溝体積比a3の増加率と、第3リブ53の溝体積比a3に対する第1リブ51の溝体積比a1の増加率と、第1リブ51の溝体積比a1に対する第2リブ52の溝体積比a2の増加率とは等しいことが好ましい。すなわち、(2)式の関係が成立することが好ましい。
Figure 2017013693
また、第4リブ54の第4接地面24の突出量P4に対する第3リブ53の第3接地面23の突出量P3の増加率と、第3リブ53の第3接地面23の突出量P3に対する第1リブ51の第1接地面21の突出量P1の増加率と、第1リブ51の第1接地面21の突出量P1に対する第2リブ52の第2接地面22の突出量P2の増加率とは等しいことが好ましい。すなわち、(3)式の関係が成立することが好ましい。
Figure 2017013693
<タイヤの設計方法>
次に、本実施形態に係るタイヤ1の設計方法の一例について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8に示すように、タイヤ1の設計方法は、主溝設計ステップ(SP1)と、ラグ溝設計ステップ(SP2)と、基準輪郭線設定ステップ(SP3)と、溝体積比算出ステップ(SP4)と、接地面設計ステップ(SP5)とを含む。
主溝設計ステップ(SP1)について説明する。主溝設計ステップは、トレッド部10のトレッドゴム6についてタイヤ周方向に延在しタイヤ幅方向に少なくとも3本設けられる周方向主溝30及び周方向主溝30によって区画される複数のリブ50を設計する処理を含む。本実施形態においては、第1,第2,第3,第4周方向主溝31,32,33,34、及び第1,第2,第3,第4リブ51,52,53,54が設計される。
ラグ溝設計ステップ(SP2)について説明する。ラグ溝設計ステップは、主溝設計ステップの後に実施される。ラグ溝設計ステップは、主溝設計ステップで設計された複数のリブ50のそれぞれに設けられるラグ溝40を設計する処理を含む。本実施形態においては、第1,第2,第3,第4ラグ溝41,42,43,44が設計される。
基準輪郭線設定ステップ(SP3)について説明する。基準輪郭線設定ステップは、ラグ溝設計ステップの後に実施される。図3を参照して説明したように、基準輪郭線設定ステップは、リブ50の両隣に設けられる2本の周方向主溝30の4つの開口端部のうち、リブ50の接地面30との境界に配置される第1の開口端部及び第2の開口端部と、残りの2つの開口端部のうちトレッド部10のタイヤ幅方向の中心部に近い第3の開口端部とを通り、4つの開口端部よりもタイヤ径方向内側に中心が位置する最大曲率半径で描かれる円弧であるトレッド部10の基準輪郭線を設定する処理を含む。
溝体積比算出ステップ(SP4)について説明する。溝体積比算出ステップは、基準輪郭線設定ステップの後に実施される。溝体積比算出ステップは、第1,第2,第3,第4リブ51,52,53,54のそれぞれについて、リブ50のトレッドゴム6の体積とリブ50に設けられるラグ溝40の体積との比である溝体積比a1,a2,a3,a4を算出する処理を含む。本実施形態においては、溝体積比算出ステップにより、[溝体積比a2]>[溝体積比a1]>[溝体積比a3]>[溝体積比a4]の関係が導出される。
接地面設計ステップ(SP5)について説明する。接地面設計ステップは、溝体積比算出ステップの後に実施される。接地面設計ステップは、溝体積比算出ステップで算出された溝体積比aが大きいほどリブ50の接地面20の基準輪郭線PLからのタイヤ径方向外側への突出量Pが大きくなるように、リブ50の接地面20を設計する処理を含む。本実施形態においては、[突出量P2]>[突出量P1]>[突出量P3]>[突出量P4]の関係が成立するように、第1,第2,第3,第4接地面21,22,23,24の調整が実施される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、溝体積比aが大きいほどリブ50の接地面20の基準輪郭線PLからの突出量Pを大きくする。溝体積比aが大きいリブ50ほど、接地したときのリブ50の変形量は大きくなる。接地したときの変形量が大きくなる可能性が高いリブ50ほど、基準輪郭線PLからの接地面20の突出量Pを大きくすることにより、接地したときの変形量が相殺される。すなわち、接地したときのタイヤ幅方向のリブ50の中央部における接地長が両端部における接地長よりも短くなることが抑制される。そのため、リブ50の接地部におけるタイヤ周方向の先着部及び後着部においてタイヤ幅方向のリブ50の中央部が凹むように変形することが抑制され、リブ50の接地形状は均一化される。したがって、タイヤ1の操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる。
本実施形態においては、タイヤ1の設計において溝体積比aという新たな概念を導入する。複数のリブ50それぞれの溝体積比aに合わせてリブ50の接地面20の基準輪郭線PLからの突出量Pを変えるようにしたので、ラグ溝20が多く設けられてリブ50のトレッドゴム6の体積が減少しても、タイヤ幅方向のリブ50の中央部が凹むように変形することが抑制される。したがって、タイヤ1の操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上することができる。
また、本実施形態においては、リブ50が少なくとも3本設けられ、タイヤ幅方向の中央部に配置される第2リブ52の溝体積比a2が、第2リブ52の両側に配置される第1リブ51の溝体積比a1及び第3リブ53の溝体積比a3よりも大きく、第2リブ52の第2接地面22の突出量P2は、第1リブ51の第1接地面21の突出量P1及び第3リブ53の第3接地面23の突出量P3よりも大きい。これにより、タイヤ1の操縦安定性能及び耐偏摩耗性能はより向上する。また、中央部の第2リブ52の溝体積比a2が大きいので、タイヤ1の排水性能も向上する。また、第1リブ51の溝体積比a1と第3リブ53の溝体積比a3とに差が設けられるので、タイヤ1の旋回性能も向上する。
また、本実施形態においては、タイヤ幅方向の中央部に配置される第2リブ52の溝体積比a2が最も大きく、最も車両外側に配置される第4リブ54の溝体積比a4が最も小さい。また、第2リブ52よりも車両外側に配置される第3,第4リブ53,54の溝体積比a3,a4は、第2リブ52よりも車両内側に配置される第1リブ51の溝体積比a1よりも大きい。これにより、タイヤ1の操縦安定性能、耐偏摩耗性能、排水性能、及び旋回性能のそれぞれを向上させることができる。
また、本実施形態において、(2)式及び(3)式が成立するように、タイヤ1が設計されることにより、すなわち、第2リブ52の溝体積比a2と第1リブ51の溝体積比a1と第3リブ53の溝体積比a3と第4リブ54の溝体積比a4とを比例的に増減させ、第2リブ52の第2接地面22の突出量P2と第1リブ51の第1接地面21の突出量P1と第3リブ53の第3接地面23の突出量P3と第4リブ54の第4接地面24の突出量P4とを比例的に増減させることにより、タイヤ1の設計工程における負荷を低減しつつ、タイヤ1の操縦安定性能、耐偏摩耗性能、及び旋回性能を向上させることができる。
また、本実施形態において、突出量Pが、0.05[mm]以上0.30[mm]以下の範囲に定められることにより、タイヤ1の製造コストの増大を抑制しつつ、転がり抵抗の増大を抑制することができる。
ラグ溝40の体積が小さく溝体積比aが小さい場合でも、リブ50の接地面20の突出量Pを0.05[mm]よりも小さくしてしまうと、接地形状を改善する効果が充分に得られず、十分な耐偏摩耗性能が得られない可能性がある。
一方、ラグ溝40の体積が大きく溝体積比aが大きい場合でも、リブ50の接地面20の突出量Pを0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、トレッドゴム6の使用量を増加したにもかかわらず操縦安定性能及び耐偏摩耗性能の顕著な向上は認められなくなる。また、突出量Pを0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、タイヤ幅方向のリブ50の中央部において偏摩耗が発生する可能性がある。また、突出量Pを0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、タイヤ1の転がり抵抗が増大し、操縦安定性能が劣化する可能性が高くなる。
リブ50の接地面20の突出量Pを0.05[mm]以上0.30[mm]以下に規定することにより、タイヤ1の製造コストの増大を抑制しつつ、転がり抵抗の増大及び偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、本実施形態において、溝体積比aが0.1[%]以上3.0[%]未満のとき、突出量Pは0.05[mm]以上0.10[mm]未満の範囲に定められ、溝体積比aが3.0[%]以上7.0[%]以下のとき、突出量Pは0.10[mm]以上0.30[mm]以下の範囲に定められることにより、溝体積比aが7.0[%]以下のタイヤ1において、タイヤ1の製造コストの増大を抑制しつつ、転がり抵抗の増大及び偏摩耗の発生を抑制することができる。
溝体積比aが0.1[%]以上3.0[%]未満のときに、リブ50の接地面20の突出量Pを0.05[mm]よりも小さくしてしまうと、接地形状を改善する効果が充分に得られず、十分な耐偏摩耗性能が得られない可能性がある。一方、溝体積比aが0.1[%]以上3.0[%]未満のときに、リブ50の接地面20の突出量Pを0.10[mm]以上にしてしまうと、トレッドゴム6の使用量を増加したにもかかわらず操縦安定性能及び耐偏摩耗性能の顕著な向上は認められなくなる。また、突出量Pを0.10[mm]よりも大きくしてしまうと、タイヤ幅方向のリブ50の中央部において偏摩耗が発生する可能性がある。また、突出量Pを0.10[mm]よりも大きくしてしまうと、タイヤ1の転がり抵抗が増大し、操縦安定性能が劣化する可能性が高くなる。
また、溝体積比aが3.0[%]以上7.0[%]以下のときに、リブ50の接地面20の突出量Pを0.10[mm]よりも小さくしてしまうと、接地形状を改善する効果が充分に得られず、十分な耐偏摩耗性能が得られない可能性がある。一方、溝体積比aが3.0[%]以上7.0[%]以下のときに、リブ50の接地面20の突出量Pを0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、トレッドゴム6の使用量を増加したにもかかわらず操縦安定性能及び耐偏摩耗性能の顕著な向上は認められなくなる。また、突出量Pを0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、タイヤ幅方向のリブ50の中央部において偏摩耗が発生する可能性がある。また、突出量Pを0.30[mm]よりも大きくしてしまうと、タイヤ1の転がり抵抗が増大し、操縦安定性能が劣化する可能性が高くなる。
溝体積比aが0.1[%]以上3.0[%]未満のときにリブ50の接地面20の突出量Pを0.05[mm]以上0.10[mm]未満とし、溝体積比aが3.0[%]以上7.0[%]以下のときにリブ50の接地面20の突出量Pを0.10[mm]以上0.30[mm]以下とすることにより、タイヤ1の製造コストの増大を抑制しつつ、転がり抵抗の増大及び偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、リブの体積Vの導出において、リブ幅Lをリブ50との境界に配置される2つの開口端部のタイヤ幅方向の距離と規定し、リブ有効深さDを周方向主溝30のトレッドウェアインジケータ9の上面と周方向主溝30の開口端部との距離と規定し、リブ周長Cをリブ50のタイヤ周方向の寸法と規定することにより、リブ50の体積Vを容易且つ円滑に導出することができる。同様に、ラグ溝40の体積vの導出において、ラグ溝平均長さlをラグ溝40の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の寸法と規定し、ラグ溝平均幅wをラグ溝40の2つの開口端部のうち一方の開口端部の中点と他方の開口端部の中点との距離と規定し、ラグ溝平均深さdをラグ溝40の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の中点の位置におけるラグ溝40の底部とラグ溝40の開口端部との距離と規定することにより、ラグ溝40の体積vを容易且つ円滑に導出することができる。
<評価試験>
次に、本発明に係るタイヤ1の評価試験の結果について説明する。図9は、従来例に係るタイヤ、比較例に係るタイヤ、及び本発明の実施例に係るタイヤ1の評価試験の結果を示す。
評価試験では、突出量Pが異なるタイヤを複数用意し、それぞれのタイヤについて評価試験を行った。なお、従来例に係るタイヤのトレッドパターン、比較例に係るタイヤのトレッドパターン、及び実施例に係るタイヤ1のトレッドパターンはそれぞれ、図2に示したトレッドパターンと同一とした。
従来例に係るタイヤ、比較例に係るタイヤ、及び実施例に係るタイヤ1のそれぞれのタイヤサイズは、215/60R17 96Hである。各タイヤに空気圧240[kPa]で空気を充填し、そのタイヤを国産ミニバン型乗用車である車両のリムに装着して評価試験1を行った。
図9に示すように、従来例に係るタイヤ、比較例に係るタイヤ、及び実施例1,2,3に係るタイヤ1のそれぞれについて、第1リブ51の溝体積比a1を3[%]とし、第2リブ52の溝体積比a2を6[%]とし、第3リブ53の溝体積比a3を2[%]とした。
従来例に係るタイヤでは、第1リブ51の突出量P1、第2リブ52の突出量P2、及び第3リブ53の突出量P3は全て、0[mm]である。
比較例に係るタイヤでは、第1リブ51の突出量P1、第2リブ52の突出量P2、及び第3リブ53の突出量P3はそれぞれ、1.0[mm]である。
実施例1に係るタイヤでは、第1リブ51の突出量P1は、0.5[mm]であり、第2リブ52の突出量P2は、0.4[mm]であり、第3リブ53の突出量P3は、0.3[mm]である。
実施例2に係るタイヤでは、第1リブ51の突出量P1は、0.4[mm]であり、第2リブ52の突出量P2は、0.5[mm]であり、第3リブ53の突出量P3は、0.3[mm]である。
実施例3に係るタイヤでは、第1リブ51の突出量P1は、0.2[mm]であり、第2リブ52の突出量P2は、0.3[mm]であり、第3リブ53の突出量P3は、0.1[mm]である。
実施例4では、溝体積比a1を4[%]とし、溝体積比a2を6[%]とし、溝体積比a3を2[%]とした。また、突出量P1を0.2[mm]とし、突出量P2を0.3[mm]とし、突出量P3を0.1[mm]とした。
実施例5では、溝体積比a1を3[%]とし、溝体積比a2を4.5[%]とし、溝体積比a3を2[%]とした。また、突出量P1を0.15[mm]とし、突出量P2を0.225(≒0.23)[mm]とし、突出量P3を0.10[mm]とした。
実施例6では、溝体積比a1を0.4[%]とし、溝体積比a2を0.6[%]とし、溝体積比a3を0.2[%]とした。また、突出量P1を0.07[mm]とし、突出量P2を0.10[mm]とし、突出量P3を0.05[mm]とした。
なお、第4リブ54の突出量P4は、従来例に係るタイヤ、比較例に係るタイヤ、及び実施例に係るタイヤ1の全てについて、0[mm]とした。
評価項目として、各タイヤの操縦安定性能、耐偏摩耗性能、及び転がり抵抗性能について評価した。各評価項目の評価試験1の内容は以下の通りである。
(操縦安定性能)
新品状態の各タイヤを装着した車両で試験コースを走行してドライバーによる操縦安定性能の官能評価を行った。従来例に係るタイヤでの評価を基準値(100)とする指数で評価し、数値が高いほど操縦安定性能が優れると評価した。
(耐偏摩耗性能)
新品状態の各タイヤを装着した車両で試験コースを10000[km]走行した後、第2リブ52のタイヤ幅方向の中央部の摩耗量と両端部の摩耗量との差を求めた。従来例に係るタイヤでの摩耗量の逆数を基準値(100)とする指数で評価し、数値が高いほど耐偏摩耗性能が優れると評価した。
(転がり抵抗性能)
JATMAで指定されている条件において各タイヤの転がり抵抗を測定した。従来例に係るタイヤでの転がり抵抗を基準値(100)とする指数で評価し、数値が低いほど転がり抵抗性能が劣化していると評価した。
図9の比較例に示すように、突出量P1,P2,P3が1.0[mm]のように大き過ぎる場合、操縦安定性能及び転がり抵抗性能が劣化することが分かる。
実施例1,2に示すように、突出量P1,P2,P3を0.3[mm]以上0.5[mm]以下の範囲におさめることにより、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能が向上することが分かる。
また、実施例2に示すように、突出量P1、突出量P2、及び突出量P3のうち、第2リブ52の突出量P2を最も大きくし、突出量P2に次いで第1リブ51の突出量P1を大きくし、突出量P1に次いで第3リブ53の突出量P3を大きくすることにより、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能がより向上することが分かる。
また、実施例3に示すように、突出量P1,P2,P3を0.1[mm]以上0.3[mm]以下の範囲におさめるとともに、突出量P1、突出量P2、及び突出量P3のうち、突出量P2を最も大きくし、突出量P2に次いで突出量P1を大きくし、突出量P1に次いで突出量P3を大きくすることにより、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能がより向上することが分かる。
実施例4の数値を(2)式に当てはめると、溝体積比a3に対する溝体積比a1の増加率は、100[%]である。溝体積比a1に対する溝体積比a2の増加率は、50[%]である。また、実施例4の数値を(3)式に当てはめると、突出量P3に対する突出量P1の増加率は、100[%]である。突出量P1に対する突出量P2の増加率は、50[%]である。
実施例4に示すように、溝体積比a1,a2,a3が3.0[%]以上7.0[%]以下のとき、突出量P1,P2,P3を0.10[mm]以上0.30[mm]以下とすることにより、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を更に向上できることが確認できる。
実施例5の数値を(2)式に当てはめると、溝体積比a3に対する溝体積比a1の増加率は、50[%]である。溝体積比a1に対する溝体積比a2の増加率は、50[%]である。また、実施例5の数値を(3)式に当てはめると、突出量P3に対する突出量P1の増加率は、50[%]である。突出量P1に対する突出量P2の増加率は、50[%]である。すなわち、実施例5では、溝体積比a3に対する溝体積比a1の増加率と、溝体積比a1に対する溝体積比a2の増加率とは、等しい。突出量P3に対する突出量P1の増加率と、突出量P1に対する突出量P2の増加率とは、等しい。
実施例5に示すように、溝体積比a1,a2,a3が3.0[%]以上7.0[%]以下のとき、突出量P1,P2,P3を0.10[mm]以上0.30[mm]以下とするとともに、溝体積比a3に対する溝体積比a1の増加率と溝体積比a1に対する溝体積比a2の増加率とを等しくし、突出量P3に対する突出量P1の増加率と突出量P1に対する突出量P2の増加率とを等しくすることによって、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能をより向上できることが確認できる。
また、実施例6に示すように、溝体積比a1,a2,a3が0.1[%]以上3.0[%]未満のとき、突出量P1,P2,P3を0.05[mm]以上0.10[mm]未満にすることによっても、操縦安定性能及び耐偏摩耗性能を向上できることが確認できる。
1 タイヤ(空気入りタイヤ)
2 カーカス部
3 ベルト層
3A 第1ベルトプライ
3B 第2ベルトプライ
4 ベルトカバー
5 ビード部
5A ビードコア
5B ビードフィラー
5C インナーライナーゴム
5D リムクッションゴム
6 トレッドゴム
6A 外層トレッドゴム
6B 内層トレッドゴム
7 サイド部
8 サイドゴム
9 トレッドウェアインジケータ
10 トレッド部
20 接地面(踏面)
21 第1接地面
22 第2接地面
23 第3接地面
24 第4接地面
30 周方向主溝
31 第1周方向主溝
32 第2周方向主溝
33 第3周方向主溝
34 第4周方向主溝
35 周方向副溝
40 ラグ溝
41 第1ラグ溝
42 第2ラグ溝
43 第3ラグ溝
44 第4ラグ溝
50 リブ
51 第1リブ
52 第2リブ
53 第3リブ
54 第4リブ
AX 回転軸
CL タイヤ中心(タイヤ赤道面)
E1 接地端
E2 接地端
K1 開口端部
K2 開口端部
K3 開口端部
K4 開口端部
P 突出量
P1 突出量
P2 突出量
P3 突出量
P4 突出量
PL 基準輪郭線
TW トレッド接地幅

Claims (8)

  1. トレッド部を有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部は、タイヤ幅方向に少なくとも3本設けられそれぞれがタイヤ周方向に延在する周方向主溝と、前記周方向主溝によって区画される複数のリブと、を有し、
    前記リブの接地面は、前記トレッド部の基準輪郭線よりもタイヤ径方向外側に突出し、
    前記リブのトレッドゴムの体積と前記リブに設けられるラグ溝の体積との比である溝体積比は、複数の前記リブのそれぞれで異なり、
    前記溝体積比が大きいほど前記リブの接地面の前記基準輪郭線からの突出量が大きい、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記リブは、第1リブと、第2リブと、第3リブと、を含み、
    前記第1リブの溝体積比、前記第2リブの溝体積比、及び前記第3リブの溝体積比のうち、前記第2リブの溝体積比が最も大きく、前記第2リブの溝体積比に次いで前記第1リブの溝体積比が大きく、前記第1リブの溝体積比に次いで前記第3リブの溝体積比が大きく、
    前記第1リブの接地面の突出量、前記第2リブの接地面の突出量、及び前記第3リブの接地面の突出量のうち、前記第2リブの接地面の突出量が最も大きく、前記第2リブの接地面の突出量に次いで前記第1リブの接地面の突出量が大きく、前記第1リブの接地面の突出量に次いで前記第3リブの接地面の突出量が大きく、
    前記第2リブは、タイヤ幅方向の中央部に配置され、前記第1リブ及び前記第3リブは、前記第2リブの両側に配置される、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記第3リブの溝体積比に対する前記第1リブの溝体積比の増加率と、前記第1リブの溝体積比に対する前記第2リブの溝体積比の増加率とは等しく、
    前記第3リブの接地面の突出量に対する前記第1リブの接地面の突出量の増加率と、前記第1リブの接地面の突出量に対する前記第2リブの接地面の突出量の増加率とは等しい、
    請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突出量は、0.05[mm]以上0.30[mm]以下である、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記溝体積比が0.1[%]以上3.0[%]未満のとき、前記突出量は0.05[mm]以上0.10[mm]未満であり、
    前記溝体積比が3.0[%]以上7.0[%]以下のとき、前記突出量は0.10[mm]以上0.30[mm]以下である、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  6. トレッド部を有する空気入りタイヤの設計方法であって、
    前記トレッド部のトレッドゴムについてタイヤ周方向に延在しタイヤ幅方向に少なくとも3本設けられる周方向主溝及び前記周方向主溝によって区画される複数のリブを設計する主溝設計ステップと、
    複数の前記リブのそれぞれに設けられるラグ溝を設計するラグ溝設計ステップと、
    前記リブの両隣に設けられる2本の前記周方向主溝の4つの開口端部のうち、前記リブの接地面との境界に配置される第1開口端部及び第2開口端部と、残りの2つの開口端部のうち前記トレッド部のタイヤ幅方向の中心部に近い第3開口端部とを通り、4つの前記開口端部よりもタイヤ径方向内側に中心が位置する最大曲率半径で描かれる円弧である前記トレッド部の基準輪郭線を設定する基準輪郭線設定ステップと、
    前記リブのトレッドゴムの体積と前記リブに設けられる前記ラグ溝の体積との比である溝体積比を算出する溝体積比算出ステップと、
    前記溝体積比算出ステップで算出された前記溝体積比が大きいほど前記リブの接地面の前記基準輪郭線からのタイヤ径方向外側への突出量が大きくなるように、前記リブの接地面を設計する接地面設計ステップと、を含む、
    空気入りタイヤの設計方法。
  7. 前記リブは、第1リブと、第2リブと、第3リブと、を含み、
    前記第1リブの溝体積比、前記第2リブの溝体積比、及び前記第3リブの溝体積比のうち、前記第2リブの溝体積比が最も大きく、前記第2リブの溝体積比に次いで前記第1リブの溝体積比が大きく、前記第1リブの溝体積比に次いで前記第3リブの溝体積比が大きく、
    前記第1リブの接地面の突出量、前記第2リブの接地面の突出量、及び前記第3リブの接地面の突出量のうち、前記第2リブの接地面の突出量が最も大きく、前記第2リブの接地面の突出量に次いで前記第1リブの接地面の突出量が大きく、前記第1リブの接地面の突出量に次いで前記第3リブの接地面の突出量が大きく、
    前記第3リブの溝体積比に対する前記第1リブの溝体積比の増加率と、前記第1リブの溝体積比に対する前記第2リブの溝体積比の増加率とは等しく、
    前記第3リブの接地面の突出量に対する前記第1リブの接地面の突出量の増加率と、前記第1リブの接地面の突出量に対する前記第2リブの接地面の突出量の増加率とは等しい、
    請求項6に記載の空気入りタイヤの設計方法。
  8. 前記リブの体積(V)は、前記リブの両隣に設けられる2本の前記周方向主溝のうち、前記リブの接地面との境界に配置される2つの開口端部のタイヤ幅方向の距離を示すリブ幅(L)と、前記周方向主溝のトレッドウェアインジケータの上面と前記周方向主溝の開口端部との距離を示すリブ有効深さ(D)と、前記リブのタイヤ周方向の寸法を示すリブ周長(C)との積であり、
    前記ラグ溝の体積(v)は、前記ラグ溝の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の寸法を示すラグ溝平均長さ(l)と、前記ラグ溝の2つの開口端部のうち一方の開口端部の中点と他方の開口端部の中点との距離を示すラグ溝平均幅(w)と、前記ラグ溝の2つの開口端部のうち長い方の開口端部の中点の位置における前記ラグ溝の底部と前記ラグ溝の開口端部との距離を示すラグ溝平均深さ(d)と、前記リブに設けられる前記ラグ溝の数(n)との積であり、
    前記溝体積比(a)は、(v/V)である、
    請求項6又は請求項7に記載の空気入りタイヤの設計方法。
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